以下に、本発明の実施の形態に係るエリア端末および情報提供システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る情報提供システム10の構成を示す図である。情報提供システム10は、ユーザにより使用され携帯可能な携帯端末2と、フロントエリアA0に設置される受付端末3と、複数のエリアA1,A2~Anのそれぞれに配置される複数のエリア端末4-1,4-2~4-nと、複数のエリアA1~Anのそれぞれに配置される複数の設備機器5-1,5-2~5-nと、サーバ6とを備える。携帯端末2は、サーバ6から提供される情報を取得可能である。以下、複数のエリア端末4-1~4-nのそれぞれを区別する必要がない場合、単にエリア端末4と称し、複数の設備機器5-1~5-nのそれぞれを区別する必要がない場合、単に設備機器5と称する。
フロントエリアA0は、宿泊施設であるホテルの受付であり、宿泊者に限らず出入り可能なエリアである。エリアA1~Anのそれぞれは、予め定められた期間の貸出利用が可能なエリアの一例であり、ホテルの客室である。携帯端末2は、ホテルに宿泊するユーザが所持する端末である。携帯端末2は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話などである。携帯端末2は、ユーザに携帯されるため、携帯端末2の位置はユーザの移動に伴って変化する。ユーザは、ホテル内ではフロントエリアA0、廊下、レストランエリアなどを含む公共エリアと、ユーザが宿泊する客室とを移動可能である。図1に示す例では、携帯端末2のユーザは、エリアA1の客室に宿泊する。このため、携帯端末2は、ホテル外と、フロントエリアA0を含む公共エリアと、エリアA1とを移動可能である。
受付端末3は、携帯端末2と、ホテルの各客室に配置される複数のエリア端末4-1~4-nのうちの1つとを対応づける。具体的には、受付端末3は、ユーザが宿泊する客室を特定すると、特定した客室に配置されるエリア端末4-1~4-nのいずれかと、携帯端末とを対応づける。ユーザが宿泊する客室を予約している場合、受付端末3は、ユーザの氏名、予約番号などを使用して予約情報を検索して、ユーザが宿泊する客室を特定することができる。ユーザが宿泊する客室を予約していない場合、受付端末3は、空いている客室を検索して抽出した客室の中から選択操作を受け付け、選択された客室をユーザが宿泊する客室として特定することができる。受付端末3は、携帯端末2の識別情報と、ユーザの識別情報と、携帯端末2に対応づけた客室またはエリア端末4の識別情報とをサーバ6に送信する。図1の例では、ユーザはエリアA1の客室に宿泊するため、携帯端末2は、エリア端末4-1と対応づけられる。複数のエリア端末4-1~4-nのうち携帯端末2と対応づけられるエリア端末4-1は、対応端末とも呼ばれる。
受付端末3は、第1の通信路L1-1を介して携帯端末2と通信することができる。第1の通信路L1-1は、Bluetooth(登録商標)などの通信規格に従う短距離無線通信路である。受付端末3は、第2の通信路L2-2と接続されている。第2の通信路L2-2は、Ethernet(登録商標)など第1の通信路と異なる通信規格に従う通信路である。第2の通信路L2-2は、有線通信路であってもよいし、無線通信路であってもよい。
エリア端末4は、エリアA1~Anのそれぞれに配置されている。エリア端末4は、例えば設備機器5のリモートコントローラである。エリア端末4は、設備機器5と設備通信線L3で接続されている。ユーザがエリア端末4を操作すると、エリア端末4はユーザの操作に基づいて、設備機器5の動作設定を変更する操作情報を生成し、生成した操作情報を設備機器5に入力することができる。エリア端末4-1~4-nのうち携帯端末2と対応づけられるエリア端末4-1は、携帯端末2と第1の通信路L1-2を介して通信することができる。エリア端末4-1は、設備機器5-1を介してサーバ6から取得する情報を携帯端末2に提供する機能を有すると共に、携帯端末2から入力される設備機器5-1の操作情報を設備機器5-1に受け渡す機能を有する。
設備機器5は、ホテルの各客室に配置されている。設備機器5は、空気調和機、照明器具、給湯器、電動ブラインドなどである。設備機器5は、設備通信線L3でエリア端末4と接続されている。設備機器5は、第2の通信路L2-3と接続されている。設備機器5は、第2の通信路L2-3を介してサーバ6と通信することができる。
サーバ6は、受付端末3が受け付けた携帯端末2とエリア端末4との対応関係を記憶する。サーバ6は、対応関係に基づいて、携帯端末2に情報を提供する機能と、携帯端末2から入力される設備機器5の操作情報を受け付ける機能とを有する。
図1には携帯端末2の移動経路が破線の矢印で描かれている。携帯端末2のユーザがフロントエリアA0でチェックイン手続きをフロントエリアA0のスタッフに依頼すると、スタッフは、チェックイン手続きの中で、受付端末3を使用して、ユーザが宿泊する客室に配置されるエリア端末4を携帯端末2に対応づける。チェックイン手続きが終わった後、ユーザが宿泊する客室のエリアA1に移動すると、携帯端末2は、第1の通信路L1-2経由でエリア端末4-1と通信することができる。携帯端末2は、エリア端末4-1から、サーバ6が提供する情報であるサービス情報を取得して、取得したサービス情報を表示することができる。サービス情報は、第1情報と第1情報と異なる第2情報とを含む。第1情報は、携帯端末2が第1の通信路L1-2経由でエリア端末4-1と通信することができる第1の状態であるときに表示されるサービス情報である。第2情報は、ユーザがエリアA1の外に出て、携帯端末2がエリア端末4-1と第1の通信路L1-2経由で通信できない第2の状態であるときに表示される情報である。携帯端末2は、第2の通信路L2-1を介してサーバ6にアクセスし、サーバ6から第2情報を取得することができる。或いは携帯端末2は、エリア端末4-1と第1の通信路L1-2経由で通信することができる状態のときに、第2情報を取得しておくこともできる。
以上説明した情報提供システム10の機能を実現するための各装置の構成について説明する。図2は、図1に示す携帯端末2の機能構成を示す図である。携帯端末2は、第1通信部201と、第2通信部202と、表示部203と、入力部204と、通信制御部205と、表示制御部206と、設備操作部207と、登録部208とを有する。通信制御部205は、判定部209を有する。
第1通信部201は、第1の通信路L1-1を介して受付端末3と通信することが可能であり、対応端末が配置される複数のエリアのうちの1つ内において第1の通信路L1-2を介してエリア端末4-1と通信することが可能な通信部である。第2通信部202は、第2の通信路L2-1を介してインターネット接続することが可能であり、サーバ6と通信することができる。
表示部203は、表示制御部206の制御に従って表示画面を出力する。表示制御部206は、携帯端末2とエリア端末4との対応関係を記憶するサーバ6から提供される情報であるサービス情報を表示可能である。入力部204は、ユーザの入力を受け付けて、受け付けた入力を示す入力情報を生成し、生成した入力情報を表示制御部206および設備操作部207に出力する。
通信制御部205は、第1通信部201および第2通信部202を制御して、携帯端末2以外の装置と通信する。判定部209は、第1通信部201が、携帯端末2に対応づけられるエリア端末4-1と通信できるか否かを判定する。判定部209が携帯端末2とエリア端末4-1との通信可否を判定する方法は、特に限定されない。例えば、携帯端末2がエリア端末4-1宛てに通信確認用の信号を一定周期で繰り返して送信し、通信確認用の信号に対する応答が返ってこない場合、判定部209は、第1通信部201が通信できないと判定し、応答が返ってきた場合、第1通信部201が通信できると判定することができる。或いはエリア端末4-1が通信検出のためのビーコン信号を一定周期で繰り返し送信し、判定部209は、第1通信部201がビーコン信号を受信できた場合、通信できると判定し、第1通信部201がビーコン信号を受信できなかった場合、通信できないと判定することができる。
判定部209は、判定結果を表示制御部206に出力する。判定部209によって、第1通信部201がエリア端末4-1と通信できると判定された場合、携帯端末2のユーザが客室内にいる在室状態であると推定される。判定部209によって、第1通信部201がエリア端末4-1と通信できないと判定された場合、ユーザが客室内にいない不在状態であると推定される。通信制御部205は、第1通信部201がエリア端末4-1と第1の通信路L1-2経由で無線通信可能な範囲内に位置することを検知すると、エリア端末4-1との通信を自動的に開始する。
表示制御部206は、判定部209の判定結果に基づいて、表示部203に表示させるサービス情報を変化させる。表示制御部206は、判定部209によって、第1通信部201がエリア端末4-1と通信できると判定された場合、サービス情報である第1情報を表示部203に表示させる。表示制御部206は、判定部209によって、第1通信部201がエリア端末4-1と通信できないと判定された場合、第1情報と異なるサービス情報である第2情報を表示部203に表示させる。したがって、第1通信部201が対応端末であるエリア端末4-1と通信できる場合、第1情報が表示部203に表示され、第1通信部201がエリア端末4-1と通信できない場合、第2情報が表示部203に表示される。第1情報は、ユーザがエリア端末4-1の配置されるエリアA1に居る場合に必要な情報を含み、第2情報は、ユーザがエリアA1に居ない場合に必要な情報を含む。
表示制御部206は、携帯端末2がエリア端末4-1と第1の通信路L1-2経由で通信できる場合、第1情報を第1の通信路L1-2経由でエリア端末4-1から取得して、取得した第1情報を表示部203に表示させる。表示制御部206は、携帯端末2がエリア端末4-1と通信できない場合、第2情報を第1の通信路L1-2と異なる第2の通信路L2-1経由でサーバ6から取得し、取得した第2情報を表示部203に表示させる。
また表示制御部206は、サービス情報の他に、設備機器5を操作するための操作メニューを表示部203に表示させることができる。表示制御部206は、入力部204が入力情報を出力すると、入力情報に基づいて、表示部203に表示させる表示画面を変化させることができる。
設備操作部207は、携帯端末2が対応づけられているエリア端末4-1に接続される設備機器5-1を操作するための操作メニューに対する入力情報を入力部204から受け付ける。設備操作部207は、受け付けた入力情報が示す操作を特定し、特定した操作に基づいて、設備機器5-1を操作するための操作情報を生成して、エリア端末4-1またはサーバ6に送信する。
携帯端末2がエリア端末4-1と第1の通信路L1-2経由で通信可能である場合、設備操作部207は、第1の通信路L1-2を経由してエリア端末4-1に操作情報を送信してもよいし、第2の通信路L2-1を経由してサーバ6に操作情報を送信してもよい。携帯端末2がエリア端末4-1と第1の通信路L1-2経由で通信可能でない場合、設備操作部207は、第2の通信路L2-1を経由してサーバ6に操作情報を送信する。エリア端末4-1に送信された操作情報は、設備通信線L3を介して設備機器5-1に入力される。サーバ6に送信された操作情報は、第2の通信路L2-4およびL2-3を介して設備機器5-1に入力される。
登録部208は、携帯端末2とエリア端末4とを対応づける登録処理を行う。具体的には、登録部208は、受付端末3と第1の通信路L1-1経由で通信して、携帯端末2を識別する識別情報を受付端末3に送信する。ユーザにユーザIDが付与されている場合、登録部208は、ユーザIDを受付端末3に送信してもよい。
続いて、携帯端末2の機能を実現するためのハードウェア構成について説明する。図3は、図1に示す携帯端末2のハードウェア構成を示す図である。携帯端末2は、CPU(Central Processing Unit)21と、RAM(Random Access Memory)22と、ROM(Read Only Memory)23と、ディスプレイ24と、ユーザ入力インタフェース25と、第1通信インタフェース26と、第2通信インタフェース27とを有する。
CPU21は、ROM23に記憶されるコンピュータプログラムを読み出して実行する処理回路である。CPU21は、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、プロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)などとも呼ばれる。
RAM22は、データの消去および書換えが可能な記憶装置であり、メインメモリとして使用される。ROM23は、一度だけデータを書き込むことができ、利用時には記録されたデータの読出しが可能な記憶装置である。ROM23は、CPU21によって実行されるコンピュータプログラムなどを記憶することができる。
ディスプレイ24は、液晶表示装置、有機EL(Electro Luminescence)表示装置などであり、図2に示す表示部203の機能を実現する。携帯端末2は、ディスプレイ24を用いて、表示画面をユーザに提供することができる。ユーザ入力インタフェース25は、タッチパネルなどのユーザの入力操作を受け付ける入力装置であり、図2に示す入力部204の機能を実現する。タッチパネルは、例えば静電容量方式のタッチパネルであってよい。ユーザ入力インタフェース25がタッチパネルである場合、ユーザ入力インタフェース25はディスプレイ24に重畳して設けられる。
第1通信インタフェース26は、第1の通信路L1-1およびL1-2と接続され、図2に示す第1通信部201の機能を実現する。第1通信インタフェース26は、Bluetoothなどの近距離無線通信方式を使用して通信することができる。第2通信インタフェース27は、第2の通信路L2-1と接続される。第2通信インタフェース27は、無線LAN(Local Area Network)などの、第1の通信路L1-1およびL1-2とは異なる通信方式を使用して通信することができる。第2通信インタフェース27は、図2に示す第2通信部202の機能を実現する。
CPU21がROM23などに記憶されるコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、通信制御部205、表示制御部206、設備操作部207、登録部208および判定部209の機能は実現される。
図4は、図1に示す受付端末3の機能構成を示す図である。受付端末3は、第1通信部301と、第2通信部302と、表示部303と、入力部304と、受付処理部305とを有する。
第1通信部301は、第1の通信路L1-1を介して携帯端末2と通信することが可能であり、第2通信部302は、第2の通信路L2-2を介して携帯端末2、サーバ6などと通信することができる。
表示部303は、受付処理部305からの指示に従って、表示画面を出力する。入力部304は、ユーザの入力を受け付けて、受け付けた入力を示す入力情報を生成し、生成した入力情報を受付処理部305に入力する。
受付処理部305は、ホテルの受付処理を行う。受付処理は、ユーザがホテルの客室の利用を開始するチェックイン処理と、携帯端末2とエリア端末4とを対応づける処理とを含む。具体的には受付端末3を操作するスタッフは、宿泊予約を行ったユーザの氏名、予約番号などのキーワードをユーザから聞き出すと、キーワードを受付端末3の入力部304を用いて入力する。受付処理部305は、入力部304を介して受け付けたキーワードに基づいて、ユーザの宿泊予約情報を検索してユーザの宿泊部屋を特定する。或いは受付処理部305は、ユーザが宿泊予約を行っていない場合、空いている客室を検索してユーザの宿泊部屋を特定する。受付端末3がユーザの宿泊部屋を特定すると、スタッフは、ユーザに携帯端末2を操作して、携帯端末2を識別する端末識別情報を送信するよう依頼する。ユーザが携帯端末2を使用して端末識別情報を送信する操作を行うと、受付処理部305は、第1通信部301を介して、携帯端末2から端末識別情報を受信する。受付処理部305は、特定した宿泊部屋を示す情報を含むユーザ識別情報と、受信した端末識別情報とを対応づけてサーバ6に転送する。なおユーザ識別情報は、宿泊するユーザの氏名が含まれていてもよい。
図5は、図1に示す受付端末3のハードウェア構成を示す図である。受付端末3は、CPU31と、RAM32と、ROM33と、ディスプレイ34と、ユーザ入力インタフェース35と、第1通信インタフェース36と、第2通信インタフェース37とを有する。
CPU31は、CPU21と同様であり、RAM32は、RAM22と同様であり、ROM33は、ROM23と同様であり、ディスプレイ34は、ディスプレイ24と同様であるため、ここでは説明を省略する。ユーザ入力インタフェース35は、タッチパネル、キーボードなどのユーザの入力操作を受け付ける入力装置である。ユーザ入力インタフェース35は、図4に示す入力部304の機能を実現する。
第1通信インタフェース36は、第1の通信路L1-1と接続され、図4に示す第1通信部301の機能を実現する。第1通信インタフェース36は、Bluetoothなどの近距離無線通信方式を使用して通信することができる。第2通信インタフェース37は、第2の通信路L2-2と接続され、図4に示す第2通信部302の機能を実現する。第2通信インタフェース37は、無線LANなどの、第1の通信路L1-1とは異なる通信方式を使用して通信することができる。
CPU31が、ROM33などに記憶されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、図4に示す受付処理部305の機能は実現される。ディスプレイ34は、図4に示す表示部303の機能を実現する。
図6は、図1に示すエリア端末4の機能構成を示す図である。エリア端末4は、第1通信部401と、設備通信部402と、表示部403と、入力部404と、制御部405とを有する。制御部405は、情報管理部406と設備制御部407とを有する。
第1通信部401は、第1の通信路L1-2を介して携帯端末2と通信することが可能である。設備通信部402は、エリア端末4と同じエリアに配置される設備機器5と通信することが可能である。
表示部403は、制御部405からの指示に従って、表示画面を出力する。表示画面は、設備機器5の操作を行うための操作画面、ユーザに情報を提供するための情報表示画面などである。入力部404は、ユーザの入力を受け付けて、受け付けた入力を示す入力情報を生成し、生成した入力情報を制御部405に出力する。
制御部405は、エリア端末4を制御して、第1通信部401を介して通信する携帯端末2に情報を提供したり、携帯端末2から入力される設備機器5の操作情報を設備機器5に転送したりすることができる。
情報管理部406は、携帯端末2に提供する情報を管理する。情報管理部406は、設備通信部402を介して、エリア端末4に対応づけられる携帯端末2に提供するサービス情報をサーバ6から定期的に取得する。第1通信部401を介して携帯端末2と通信可能な状態になると、情報管理部406は、サーバ6から取得したサービス情報を携帯端末2に提供する。
設備制御部407は、エリア端末4と同じエリアに配置される設備機器5を操作するための操作メニューを表示部403に表示させることができる。設備制御部407は、入力部404から操作メニューに対する入力情報を受け付けると、入力情報に基づいて、設備機器5を操作するための操作情報を生成し、生成した操作情報を設備通信部402を介して設備機器5に送信する。設備制御部407は、携帯端末2からの設備機器5を操作するための操作情報を受け付けることができる。設備制御部407は、携帯端末2から操作情報を受け付けると、受け付けた操作情報を設備通信部402を介して設備機器5に送信する。
図7は、図1に示すエリア端末4のハードウェア構成を示す図である。エリア端末4は、CPU41と、RAM42と、ROM43と、ディスプレイ44と、ユーザ入力インタフェース45と、設備通信インタフェース46と、第1通信インタフェース47とを有する。
CPU41はCPU21と同様であり、RAM42はRAM22と同様であり、ROM43はROM23と同様であり、ディスプレイ44はディスプレイ24と同様であるため、ここでは説明を省略する。ユーザ入力インタフェース45は、タッチパネル、ボタンなどのユーザの入力操作を受け付ける入力装置であり、図6に示す入力部404の機能を実現する。
設備通信インタフェース46は、設備通信線L3に接続され、図6に示す設備通信部402の機能を実現する。設備通信インタフェース46は、設備通信線L3を介して設備機器5と通信することができる。第1通信インタフェース47は、第1の通信路L1-2と接続される。第1通信インタフェース47は、Bluetoothなどの近距離無線通信方式を使用して通信することができる。
CPU41がROM43などに記憶されるコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、図6に示す制御部405、情報管理部406および設備制御部407の機能は実現される。ディスプレイ44は、図6に示す表示部403の機能を実現する。
図8は、図1に示す設備機器5の構成を示す図である。図8には、空気調和機である設備機器5のハードウェア構成を示している。設備機器5は、室内機5aと、室外機5bとを有している。室内機5aは、CPU51aと、RAM52aと、ROM53aと、設備通信インタフェース54aと、入出力インタフェース55aと、空調通信インタフェース56aとを有する。室外機5bは、CPU51bと、RAM52bと、ROM53bと、第2通信インタフェース54bと、入出力インタフェース55bと、空調通信インタフェース56bとを有する。
CPU51aおよびCPU51bはCPU21と同様であり、RAM52aおよびRAM52bはRAM22と同様であり、ROM53aおよびROM53bはROM23と同様であるためここでは説明を省略する。
設備通信インタフェース54aは、設備通信線L3に接続される。設備通信インタフェース54aは、設備通信線L3を介してエリア端末4と通信することができる。入出力インタフェース55aおよび55bは、センサ、モータなどの装置と接続される。空調通信インタフェース56aは、空調通信線L4に接続される。空調通信インタフェース56aは、空調通信線L4を介して室外機5bと通信することができる。
第2通信インタフェース54bは、第2の通信路L2-3に接続される。第2通信インタフェース54bは、Ethernetなどの通信方式を使用してサーバ6と通信することができる。空調通信インタフェース56bは、空調通信線L4に接続される。空調通信インタフェース56bは、空調通信線L4を介して室内機5aと通信することができる。
図9は、図1に示すサーバ6の機能構成を示す図である。サーバ6は、第2通信部601と、対応情報記憶部602と、表示部603と、入力部604と、制御部605とを有する。制御部605は、情報管理部606と、設備制御部607とを有する。
第2通信部601は、第2の通信路L2-4を介して、携帯端末2、受付端末3および設備機器5のそれぞれと通信することが可能である。対応情報記憶部602は、携帯端末2とエリア端末4との対応関係を示す対応情報を記憶する。
表示部603は、制御部605からの指示に従って、表示画面を出力する。入力部604は、操作入力を受け付けて、受け付けた操作入力を示す入力情報を生成し、生成した入力情報を制御部605に出力する。
制御部605は、サーバ6の全体の動作を制御する。情報管理部606は、携帯端末2とエリア端末4との対応関係と、携帯端末2へ提供する情報とを管理する。情報管理部606は、受付端末3から端末識別情報およびユーザ識別情報を受信すると、受信したユーザ識別情報に含まれる宿泊部屋に設置されるエリア端末4を特定し、特定したエリア端末4と同じ客室に配置された設備機器5に端末識別情報を送信する。また情報管理部606は、受信した端末識別情報と、ユーザ識別情報とを対応づけて対応情報記憶部602に記憶させる。
情報管理部606は、携帯端末2に提供するサービス情報を生成し、サービス情報の配信を管理する。情報管理部606は、サービス情報である第1情報を生成すると、生成した第1情報を設備機器5に送信する。情報管理部606は、携帯端末2が第2の通信路L2-1およびL2-4を介してサーバ6にサービス情報を要求してきた場合、携帯端末2に第2情報を提供する。情報管理部606は、第1情報の内容が更新されると、更新後の第1情報を設備機器5に送信する。このような構成をとることで、携帯端末2は、最新の第1情報を取得することが可能になる。
設備制御部607は、第2通信部601を介して設備機器5の制御を行う。具体的には、設備制御部607は、携帯端末2に設備機器5の操作メニューを表示させることができる。設備制御部607は、携帯端末2から操作メニューに対する入力情報を受け付けると、入力情報に基づいて、設備機器5を操作するための操作情報を生成し、生成した操作情報を、第2通信部601を介して設備機器5に送信する。
図10は、図1に示すサーバ6のハードウェア構成を示す図である。サーバ6は、CPU61と、RAM62と、ROM63と、ディスプレイ64と、ユーザ入力インタフェース65と、第2通信インタフェース66とを有する。
CPU61はCPU21と同様であり、RAM62はRAM22と同様であり、ROM63はROM23と同様であり、ディスプレイ64はディスプレイ24と同様であり、ユーザ入力インタフェース65はユーザ入力インタフェース35と同様であるためここでは説明を省略する。
第2通信インタフェース66は、第2の通信路L2-4に接続される。第2通信インタフェース66は、Ethernetなどの通信方式を使用して携帯端末2、受付端末3および設備機器5のそれぞれと通信することができる。
CPU61は、ROM63などに記憶されるコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、制御部605、情報管理部606および設備制御部607の機能を実現することができる。ディスプレイ64は、表示部603の機能を実現する。ユーザ入力インタフェース65は、入力部604の機能を実現する。第2通信インタフェース66は、第2通信部601の機能を実現する。RAM62は、対応情報記憶部602の機能を実現する。
続いて情報提供システム10の動作について説明する。図11は、図1に示す情報提供システム10の動作を示すフローチャートである。図11に示す動作は、ユーザがフロントエリアA0においてチェックインを行う間、チェックインを行った後に宿泊する客室に移動したとき、チェックインを行った後に宿泊する客室から出かけたときなど、ユーザが携帯端末2を操作したときに開始される。
携帯端末2は、受付端末3で携帯端末2と特定のエリア端末4とを対応付けたか否かを判断する(ステップS101)。ユーザがチェックインを行う間に携帯端末2を操作したときに、携帯端末2と特定のエリア端末4とが対応づけられていない場合(ステップS101:No)、携帯端末2は、受付をするか否かを選択するための画面を表示して、ユーザの入力に基づいて、受付をするか否かを判断する(ステップS102)。受付をする場合(ステップS102:Yes)、受付端末3は、携帯端末2と特定のエリア端末4とを対応づける(ステップS103)。受付をしない場合(ステップS102:No)、ステップS103の処理は省略される。
ユーザがチェックインを行った後に携帯端末2を操作したときに、受付端末3で携帯端末2とエリア端末4とが対応づけられている場合(ステップS101:Yes)、携帯端末2は、携帯端末2に対応づけられたエリア端末4であるエリア端末4-1と第1の通信路L1-2を介して通信可能であるか否かを判断する(ステップS104)。
ユーザが宿泊する客室内で携帯端末2を操作し、携帯端末2が対応端末であるエリア端末4-1と第1の通信路L1-2経由で通信可能である場合(ステップS104:Yes)、携帯端末2は、図12に示す表示画面800をエリア端末4-1から取得して表示し、表示画面800に対するユーザの操作内容を判断する(ステップS105)。図12は、図1に示す携帯端末2に表示される表示画面800の一例を示す図である。表示画面800は、携帯端末2のユーザが宿泊する客室を識別する部屋番号情報801と、ユーザの氏名、端末識別情報などを含むユーザ情報802と、操作説明803と、サービス情報表示ボタン804と、設備操作メニュー表示ボタン805とを含む。
ユーザの操作内容がサービス情報の表示である場合(ステップS105:サービス情報表示)、つまり、携帯端末2が表示画面800でサービス情報表示ボタン804に対する操作を検知した場合、携帯端末2は、表示部203に第1情報を表示させる(ステップS106)。
図13は、ユーザが客室内にいる場合に図1に示す携帯端末2に表示される第1情報を含む表示画面810を示す図である。表示画面810は、図12に示す表示画面800に表示される情報に加えて、サービス情報表示領域806-1を含む。サービス情報表示領域806-1には、第1情報が表示される。図13に示す例では、第1情報は、ホテル館内の施設の使用状況である共同浴場の空き状態、ホテル館内の施設の予約状況であるレストラン予約時間、ホテル内のイベント情報、ホテル周辺施設の紹介情報を含む。ここでは共同浴場の空き状態が示されているが、第1情報はかかる例に限定されず、レストラン、ラウンジなどの空き状況を含んでもよい。
図11の説明に戻る。ユーザの操作内容が設備機器操作である場合(ステップS105:設備機器操作)、つまり、表示画面800で設備操作メニュー表示ボタン805に対する操作を検知した場合、携帯端末2は、表示部203に設備機器の操作メニューを表示させ、第1の通信路L1-2経由で設備機器5を操作する(ステップS107)。
図14は、ユーザが客室内にいる場合に図1に示す携帯端末2に表示される設備機器5の操作メニューを含む表示画面820を示す図である。表示画面820は、図12に示す表示画面800に表示される情報に加えて、操作メニュー領域807-1を含む。操作メニュー領域807-1には、設備機器5の操作メニューが表示される。
図14に示す例では、設備機器5は、図中ではエアーコンディショナーの略称であるエアコンと称される空気調和機と、照明器具とである。操作メニュー領域807-1には、設備機器5の現在の設定状態と、設備機器5を操作するための操作ボタンとが表示される。図14に示す例では、空気調和機の現在の設定状態は、冷房運転がONの状態であり、設定温度は24℃である。操作ボタンは、OFFボタン、暖房切替ボタン、設定温度上昇ボタンおよび設定温度下降ボタンを含む。ここでは、空気調和機がONの運転中であるためOFFボタンが表示されているが、空気調和機がOFFの運転停止状態である場合、ONボタンが表示される。また空気調和機が冷房運転中であるため暖房切替ボタンが表示されているが、暖房運転中である場合、冷房切替ボタンが表示される。
また図14に示す例では、照明器具の現在の設定状態は、照明がONで明るさ50%である。操作ボタンは、OFFボタン、明るさ上昇ボタン、および明るさ下降ボタンを含む。ここでは照明器具がONの状態であるためOFFボタンが表示されているが、照明器具がOFFの場合、ONボタンが表示される。またここでは照明器具のON/OFFおよび明るさの操作ボタンが示されたが、照明器具が照明色を変更することができる機能を有する場合、照明色の変更ボタンが表示されてもよい。
図11の説明に戻る。ユーザが宿泊する客室の外で携帯端末2を操作したときなど、携帯端末2が対応端末であるエリア端末4-1と第1の通信路L1-2経由で通信可能でない場合(ステップS104:No)、携帯端末2は、図12に示す表示画面800をエリア端末4-1から取得して表示し、表示画面800に対するユーザの操作内容を判断する(ステップS108)。
ユーザの操作内容がサービス情報の表示である場合(ステップS108:サービス情報表示)、つまり、表示画面800でサービス情報表示ボタン804に対する操作を検知した場合、携帯端末2は、表示部203に第2情報を表示させる(ステップS109)。
図15は、ユーザが客室内にいない場合に図1に示す携帯端末2に表示される第2情報を含む表示画面830を示す図である。表示画面830は、図12に示す表示画面800に表示される情報に加えて、サービス情報表示領域806-2を含む。サービス情報表示領域806-2には、第2情報が表示される。図15に示す例では、第2情報は、ホテル館内の施設の予約状況であるレストラン予約時間と、ホテルまでのアクセス情報とを含む。ホテルまでのアクセス情報は、ユーザが対応端末であるエリア端末4-1の配置されるエリア、つまりホテルまで移動することを支援する情報であり、ホテルの住所、電話番号、ホテルまでの移動経路を示す地図などを含むことができる。また図15に示す例では、第2情報は、携帯端末2の現在地を示す位置情報に基づいて、現在地からホテルまで移動するためにかかる所要時間を含む。
図11の説明に戻る。ユーザの操作内容が設備機器操作である場合(ステップS108:設備機器操作)、つまり、表示画面800で設備操作メニュー表示ボタン805に対する操作を検知した場合、携帯端末2は、表示部203に設備機器の操作メニューを表示させ、第2の通信路L2-1経由で設備機器5を操作する(ステップS110)。
図16は、ユーザが客室内にいない場合に図1に示す携帯端末2に表示される設備機器5の操作メニューを含む表示画面840を示す図である。表示画面840は、図12に示す表示画面800に表示される情報に加えて、操作メニュー領域807-2を含む。操作メニュー領域807-2には、設備機器5の操作メニューが表示される。図14と図16とを比較すると、図14に示す操作メニュー領域807-1には空気調和機に加えて照明器具の操作ボタンが表示されているのに対し、図16に示す操作メニュー領域807-2には照明器具の操作ボタンは表示されておらず、空気調和機の操作ボタンが表示されている。このように、携帯端末2は、携帯端末2が第1の通信路L1-2経由で対応端末であるエリア端末4-1と通信できるか否かに基づいて、表示する設備機器の操作メニューを変化させてもよい。具体的には、携帯端末2は、携帯端末2が第1の通信路L1-2経由で対応端末であるエリア端末4-1と通信できるか否かに基づいて、操作可能な設備機器5の種類を変えることができる。
続いて、情報提供システム10を使用した各場面におけるデータフローについて説明する。図17は、図11に示す受付のステップS103におけるデータの流れを示すデータフロー図である。
まず携帯端末2の登録部208は、端末識別情報を含むメッセージM101を受付端末3に送信する。受付端末3の受付処理部305は、受信した端末識別情報と、入力部304を用いて入力されたユーザ識別情報とを含むメッセージM102をサーバ6に送信する。
サーバ6の情報管理部606は、受信したメッセージM102に含まれる端末識別情報およびユーザ識別情報を取り出して対応情報記憶部602に記憶させると、応答メッセージM103を受付端末3に返す。応答メッセージM103を受け取ると、受付端末3は、携帯端末2に応答メッセージM104を返す。情報管理部606は、記憶した端末識別情報を含むメッセージM105を、ユーザ識別情報が示す宿泊部屋に配置された設備機器5-1に送信する。設備機器5-1は、メッセージM105を受信すると、受信したメッセージM105に含まれる端末識別情報を記憶すると共に、応答メッセージM106をサーバ6に返す。
エリア端末4-1の情報管理部406は、定期的に端末識別情報の要求メッセージM107を設備機器5-1に送信する。設備機器5-1は、サーバ6から受信した端末識別情報を有している場合、要求メッセージM107に応じて、端末識別情報を含むメッセージM108をエリア端末4-1に返す。
メッセージM108を受信することによって、エリア端末4-1は、エリア端末4-1に対応づけられた携帯端末2の端末識別情報およびユーザ識別情報を把握することができる。このため、エリア端末4-1は、端末識別情報およびユーザ識別情報の少なくとも一方を表示部403に表示させることができる。図18は、図1に示すエリア端末4-1に表示される表示画面700の一例を示す図である。表示画面700は、部屋番号情報701と、エリア端末4-1に対応づけられたユーザ情報702と、操作説明703とを含むことができる。図18に示す例では、ユーザ情報702は、ユーザ識別情報であるユーザ氏名と、端末識別情報である端末IDとを含む。ユーザ毎にユーザIDが付与されている場合、端末識別情報の代わりにユーザIDが表示されてもよい。
以上説明したデータのやり取りを行うことで、情報提供システム10は、携帯端末2とエリア端末4-1とを対応づけることができる。またエリア端末4-1は、エリア端末4-1に対応づけられる携帯端末2を把握することができる。
図19は、図11に示す第1情報表示のステップS106におけるデータの流れを示すデータフロー図である。サーバ6の情報管理部606は、各携帯端末2に提供するサービス情報のうち、ユーザがホテルの客室内にいる場合に配信する第1情報を生成する度に、ユーザの宿泊部屋である客室に配置される設備機器5-1に第1情報を含むメッセージM201を送信する。設備機器5-1は、メッセージM201を受信すると、応答メッセージM202をサーバ6に返すと共に、受信したメッセージM201に含まれる第1情報を記憶する。
エリア端末4-1の情報管理部406は、定期的に情報要求メッセージM203を設備機器5-1に送信する。設備機器5-1は、サーバ6から送信された第1情報を記憶している場合、情報要求メッセージM203に応じて第1情報を含むメッセージM204をエリア端末4-1に返す。エリア端末4-1の情報管理部406は、メッセージM204に含まれる第1情報を記憶する。
携帯端末2は、例えば携帯端末2にインストールされているアプリケーションを起動すると、情報要求メッセージM205をエリア端末4-1に送信する。エリア端末4-1の情報管理部406は、第1情報を記憶している場合、情報要求メッセージM205に応じて、第1情報を含むメッセージM206を携帯端末2に返す。
以上説明したデータのやり取りを行うことで、エリア端末4-1は、携帯端末2に提供する第1情報を最新の状態に保つことができる。また携帯端末2は、第1の通信路L1-2を介して、エリア端末4-1から第1情報を取得することができる。
図20は、図11に示す第2情報表示のステップS109におけるデータの流れを示すデータフロー図である。携帯端末2は、第1の通信路L1-2経由でエリア端末4-1と通信できない場合、第2の通信路L2-1経由でサーバ6にアクセスする。具体的には、携帯端末2の表示制御部206は、サーバ6に情報要求メッセージM301を送信する。サーバ6の情報管理部606は、情報要求メッセージM301に応じて、第2情報を含むメッセージM302を携帯端末2に返す。
以上説明したデータのやり取りを行うことで、携帯端末2は、第1の通信路L1-2経由でサービス情報を取得することができない場合であっても、サーバ6から直接サービス情報を取得することができる。またここで取得するサービス情報は、携帯端末2が第1の通信路経由でエリア端末4-1と通信することができる場合に提供される第1情報と異なる第2情報である。このように、携帯端末2が第1の通信路L1-2経由でエリア端末4-1と通信することができるか否かによって、提供する情報を変更することによって、エリア端末4が設置される施設であるホテルのサービスを向上させることができると共に、ユーザの利便性を向上させることができる。
図21は、図11に示す第1の通信路L1-2経由の設備機器操作のステップS107におけるデータの流れを示すデータフロー図である。携帯端末2の設備操作部207は、設備操作メニューに対する入力情報を受け付けると、入力情報に基づいて設備機器5-1を操作するための操作情報を生成し、生成した操作情報を含むメッセージM401をエリア端末4-1に送信する。エリア端末4-1は、メッセージM401に応じて、応答メッセージM402を携帯端末2に返す。
エリア端末4-1は、受信したメッセージM401に含まれる操作情報を含むメッセージM403を、設備機器5-1に送信する。設備機器5-1は、受信したメッセージM403に含まれる操作情報に従って、設備機器5-1を制御すると共に、応答メッセージM404をエリア端末4-1に返す。
以上説明したデータのやり取りを行うことで、携帯端末2のユーザは、携帯端末2を操作することで、設備機器5-1の設定を変更するなど設備機器5-1の操作を行うことができる。ユーザは、限られた期間滞在するホテルに設置された設備機器5を、使い慣れた携帯端末2で操作することが可能になり、ユーザの利便性が向上する。
図22は、図11に示す第2の通信路L2-1経由の設備機器操作のステップS110におけるデータの流れを示すデータフロー図である。携帯端末2の設備操作部207は、設備操作メニューに対する入力情報を受け付けると、入力情報に基づいて設備機器5-1を操作するための操作情報を生成し、生成した操作情報を含むメッセージM501をサーバ6に送信する。サーバ6は、メッセージM501を受信すると、受信したメッセージM501に含まれる操作情報を取り出すと共に、応答メッセージM502を携帯端末2に返す。
サーバ6は、メッセージM501から取出した操作情報を含むメッセージM503を設備機器5-1に送信する。設備機器5-1は、メッセージM503を受信すると、受信したメッセージM503に含まれる操作情報に従って、設備機器5-1を制御すると共に、応答メッセージM504をサーバ6に返す。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、携帯端末2が、携帯端末2に対応づけられるエリア端末4-1と第1の通信路L1-2経由で通信することができるか否かの判定結果に基づいて、携帯端末2に表示するサービス情報を変化させることができる。したがって、ユーザに対応づけられたエリアにユーザが居るか居ないかに基づいて、異なるサービス情報を提供することが可能になり、よりユーザの状況に適した情報を提供することが可能になる。したがって、サービス情報の提供者、例えば上記の実施の形態ではホテルは、新たな差別化したサービスを創出することが可能になる。
また上記の実施の形態によれば、ユーザが所持する携帯端末2を使用して、対応端末が配置されるエリアの設備機器5-1を操作することが可能になる。したがって、ユーザは、使い慣れた携帯端末2を使用して、例えば滞在先の使用言語がユーザの使用言語と異なっていたとしても、ユーザの使用言語を用いて設備機器5-1を操作することができ、利便性が向上する。
上記の実施の形態によれば、設備機器5は、空気調和機または照明器具としたが、本実施の形態はかかる例に限定されない。設備機器5は、リモートコントローラを使用して操作可能なあらゆる機器であってよく、例えば給湯器、電動ブラインド、テレビ受像機、その他の家電製品であってよい。
上記の実施の形態では、設備機器5の操作メニューの一例を示したが、本実施の形態はかかる例に限定されない。設備機器5が空気調和機である場合、携帯端末2は、設定温度を数字で指定するだけでなく、より抽象的な操作、例えば「涼しめ」、「暖かめ」、または本人の嗜好である「暑がり」などの情報の入力を受け付けて、入力された情報に基づいて、設備機器5を自動制御するようにしてもよい。
また携帯端末2に表示される表示画面は、上記の実施の形態に示した例に限られない。例えば、携帯端末2から情報提供システム10に、アメニティグッズの追加、加湿器などの備品の借用、ルームサービス、食事時間予約などの依頼を出すことができてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
上記の実施の形態では、ユーザ識別情報は、宿泊部屋を示す情報と、ユーザの氏名とを含むこととし、エリア端末4にユーザの氏名が表示されることとしたが、本実施の形態はかかる例に限定されない。ユーザ識別情報は、少なくとも宿泊部屋を特定するための情報を含んでいればよく、ユーザの氏名を含まなくてもよい。
また上記の実施の形態では携帯端末2が対応端末と第1の通信路L1-2経由で通信できない場合、第2の通信路L2-1経由で第2情報をサーバ6から取得することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。携帯端末2が対応端末と第1の通信路L1-2経由で通信できるか否かに基づいて、携帯端末2に表示される情報を変更することができればよい。例えば、表示制御部206は、携帯端末2が対応端末と第1の通信路L1-2経由で通信できるときに、第2情報をサーバ6から取得して記憶しておき、携帯端末2が対応端末と第1の通信路L1-2経由で通信できなくなると、記憶している第2情報を表示部203に表示させることができる。この場合、表示制御部206は、オフラインで第2情報を表示部203に表示させることができる。
また上記の実施の形態では、携帯端末2が対応端末と第1の通信路L1-2経由で通信することができる場合、第1の通信路L1-2経由でサービス情報を取得することとしたが、本実施の形態はかかる例に限定されない。表示制御部206は、携帯端末2の位置に関わらず、第2の通信路L2-1経由で、サービス情報を取得することができる。
また上記の実施の形態では、宿泊施設の一例としてホテルを挙げたが、本発明はかかる例に限定されない。宿泊施設は、旅館、民宿、民泊と呼ばれるサービスで貸し出される一般家庭の部屋などであってもよい。宿泊施設が一般家庭の部屋である場合、複数のエリアは、同じ施設内のエリアとは限らず、複数の施設に分散して存在する複数の部屋となる場合もある。情報提供システム10を使用する複数の部屋のそれぞれに、エリア端末4が配置される。
また上記の実施の形態では、エリア端末4は宿泊施設の各客室に配置されることとしたが、本発明はかかる例に限定されない。エリア端末4は、宿泊施設の他に、貸会議室、宴会場などの予め定められた期間の貸出利用が可能な施設に配置されてもよい。
また上記の実施の形態では、ホテルのスタッフが受付端末3を操作することとしたが、本発明はかかる例に限定されない。携帯端末2がユーザの宿泊する部屋を特定する情報を保持している場合、ユーザは、受付端末3に、宿泊部屋を特定する情報と、端末識別情報とを送信する。この場合、ホテルのスタッフが受付端末3を操作しなくても携帯端末2とエリア端末4とを対応づけることができる。