JP6923919B2 - 防蟻性難燃化処理液及びそれを用いた難燃化基材の製造方法 - Google Patents

防蟻性難燃化処理液及びそれを用いた難燃化基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、防蟻性難燃化処理液に関し、更に詳しくは、人体に有害なホウ素(又はホウ素化合物)を含有しない防蟻性難燃化処理液に関する。
また、本発明は、該防蟻性難燃化処理液の製造方法や、該防蟻性難燃化処理液を使用した難燃化基材の製造方法に関する。
本発明の防蟻性難燃化処理液は、木材や竹材を含浸させることにより木材や竹材に防蟻性と難燃性・防炎性を付加することができ、そして木材や竹材以外の布、紙には難燃性・防炎性を付加することができる水溶性の高い処理液である。
木材、布、紙等の基材に難燃性・防炎性を付与するための薬剤としては、ホウ素化合物を添加したもの等が知られている(特許文献1〜5)。
ホウ素化合物は、難燃性・防炎性と防蟻性に優れているが、ホウ素化合物は、人体に対して、様々な悪影響を及ぼすことが知られている。
例えば、ホウ素化合物であるホウ酸は、咳、咽頭痛、眼の充血や痛み、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、皮疹、頭痛、痙攣等の症状を引き起こすことが指摘されている(非特許文献1)。
2013年7月20日から適用されているヨーロッパの新しい玩具指令によれば、ホウ素(ホウ素化合物)が新たに有害物質の対象となり、玩具材料や玩具塗料からの人体への有害物質であるホウ素(ホウ素化合物)等の移行限度値が設定された。
また、ホウ素(ホウ素化合物)は、それらが含浸された木材や布や紙が土壌中に廃棄された場合には、国の定めた土壌汚染対策法基準の土壌汚染と地下水汚染という環境負荷を引き起こす可能性のある物質であると規定されている。
ホウ素(ホウ素化合物)は、主にガラス繊維の原料に使用されている。このため、木材に含浸させると木材表面に白化現象が生じ、布や紙に含浸させるとゴワゴワ感が生じてしまう。
ホウ素(ホウ素化合物)は、水に対する溶解性が低い有害物質であり、木に含浸する場合には、真空・加圧含浸法等の強制含浸法を用いることがほとんどであるが、その際に高度な圧力調整技術と高いコストが必要となる。
ホウ素(ホウ素化合物)は、難燃性・防炎性を持つ他、防蟻性を有していることが知られているが(例えば、特許文献6)、木材に十分に浸透・含浸されていない場合には、防蟻性が発揮できない場合がある。
このため、ホウ素(ホウ素化合物)の代替となる成分を使用した難燃性・防炎性に優れた処理液の開発が望まれている。
特開2004−050828号公報 特開2014−139269号公報 特開2002−348574号公報 特開2010−248110号公報 特表2001−527093号公報 特開2007−196420号公報
国立医薬品食品衛生研究所「国際化学物質安全性カード」 ホウ酸(BORIC ACID)
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、その課題は、ホウ素(ホウ素化合物)を含有する従来の難燃・防炎剤の問題点を解決することのできる難燃化処理液を提供することにある。
具体的には、本発明の処理液は、ホウ素(ホウ素化合物)のように健康障害・環境負荷を引き起こす成分は使用せず、安全な成分のみを使用する。
また、ホウ素(ホウ素化合物)を含有する従来の難燃・防炎剤は、木材に対してホウ素(ホウ素化合物)に起因する白化現象、布や紙に対してゴワゴワ感を発生させるが、本発明の処理液では、そのような問題をほとんど発生させない。
更に、本発明の処理液は、水に対する溶解性が高く、粘度が低く、また、高性能な含浸促進剤を使用しているため、木材や竹材に浸透・含浸させやすい。このため、十分に木材や竹材に浸透・含浸させることができ、防蟻性を発揮しやすく、浸透・含浸コストの削減にも寄与する。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水溶性の高いリン酸二水素アンモニウムと硫酸アンモニウム、アンモニア、含浸促進剤、防蟻剤を水に溶解・分散させることによって、難燃性・防炎性においてホウ素(ホウ素化合物)に劣らない上に、木材に浸透・含浸されやすく、防蟻性の高い防蟻性難燃化処理液を作製することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ホウ素及びホウ素化合物の何れも含有せず、水、リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、アンモニア、含浸促進剤及び防蟻剤を含有することを特徴とする防蟻性難燃化処理液を提供するものである。
また、本発明は、上記防蟻剤がネオニコチノイド系化合物、特にジノテフラン等である上記の防蟻性難燃化処理液を提供するものである。
また、本発明は、上記の防蟻性難燃化処理液の製造方法や、上記の防蟻性難燃化処理液を可燃性基材(特に、木材・竹材)に浸透・含浸させることを特徴とする難燃化基材の製造方法を提供するものである。
本発明による防蟻性難燃化処理液は、木材、竹材、布、紙等の難燃化に資することができるとともに、ホウ素(ホウ素化合物)や重金属等の有害物質が含まれていないため、健康障害や環境負荷の危険性も生じない。
また、本発明の防蟻性難燃化処理液には、ホウ素(ホウ素化合物)が含まれていないため、ホウ素(ホウ素化合物)に起因する木材の白化現象や、布製品や紙製品のゴワゴワ感がほとんど発生しない。
本発明の防蟻性難燃化処理液は、木材に使用する場合、難燃化を行うと同時に、防蟻化と防腐化を行なうことができるので、難燃剤の塗布と防蟻剤の塗布という2工程が1工程になり、木造住宅における難燃化・防蟻化工事の効率が向上する。
本発明の防蟻性難燃化処理液は、従来のホウ素(ホウ素化合物)を含有する難燃・防炎剤に比べて、水溶性が高くて粘度が低い。このため、本発明の防蟻性難燃化処理液は、木材に対して浸透・含浸しやすく、高度な技術が無くても、容易に浸透・含浸作業を行うことができ、コストの削減につながるだけでなく、難燃化された基材は十分な難燃性・防蟻性を発揮することができる。
近年、竹材は木材に代わる建材として注目されている。中国では竹材が床材、壁材、天井材、家具材等として多く使用され、火災対応策としてその難燃化が求められている。また、東南アジア等では、竹が繁茂し過ぎたため廃棄物扱いとされている現状があり、そのような竹の有効利用が求められている。
本発明の防蟻性難燃化処理液は、竹の表皮面からはその撥水性のため浸透(含浸)しないが、導管方向には容易に浸透するため、竹製の建材等の難燃化のために使用することができる。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
本発明の防蟻性難燃化処理液は、可燃性基材に浸透・含浸させることにより、該可燃性基材を難燃化(又は防炎化)するものである。
「可燃性基材」とは、具体的には、木材、竹材、紙、布等の、通常環境において着火した場合に燃焼が継続する物質である。本発明の防蟻性難燃化処理液は、浸漬、塗布、吹付、穿孔注入、含浸装置等による含浸等の方法により、これらの基材の内部に浸透・含浸し、これらの基材に難燃性と防炎性を付与する。
「難燃性」とは、木材、竹材、布、紙等の可燃性の基材が燃焼しにくいことをいい、「防炎性」とは、可燃性の基材が炎を上げて激しく燃焼しにくいことをいうが、両者に明確な違いは無い。以下、本明細書では、両者を含めて「難燃性」という。また、基材に難燃性を付与することを、「難燃化する」という。
また、本発明の防蟻性難燃化処理液は、木材や竹材に対して使用した場合に、木材や竹材に「防蟻性」を付与する。
「防蟻性」とは、シロアリ等の害虫を木材や竹材に近づけないようにする性質ないしは近づいたシロアリ等を殺傷する性質をいう。
ホウ素(ホウ素化合物)はシロアリ等がそれを食べて殺傷される(食毒である)が、本発明に使用されるジノテフラン等はそれに触れて殺傷される(接触毒である)。
本発明の防蟻性難燃化処理液は、ホウ素及びホウ素化合物の何れも含有しない。
前記のように、ホウ素(又はホウ酸等のホウ素化合物)は、難燃性と防蟻性を併せ持つことから、木材を対象とした難燃化処理剤としての性能自体は優れていたが、人体への有害性等の問題があるので、これを改善するため、本発明の防蟻性難燃化処理液は、ホウ素及びホウ素化合物の何れも含有させていない。
本発明の防蟻性難燃化処理液は、水、リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、アンモニア、含浸促進剤及び防蟻剤を含有する。
<リン酸二水素アンモニウム>
リン酸二水素アンモニウム(NHPO)は、水溶性肥料、防炎剤、発酵助剤、助剤、金属表面処理剤等に使用され、水溶性が高く、人体に対する安全性が高い物質である。
リン酸二水素アンモニウムは、公益財団法人日本防炎協会において、毒性審査済みの成分で、その安全性は確認されている。
<硫酸アンモニウム>
硫酸アンモニウム((NHSO)は、水溶性肥料、防炎剤、雪面硬化剤等に使用され、水溶性が高く、人体に対する安全性が高い物質である。
硫酸アンモニウムも、公益財団法人日本防炎協会において、毒性審査済みの成分で、その安全性は確認されている。
リン酸二水素アンモニウムと硫酸アンモニウムは、ともに難燃性・防炎性を有する物質であるが、本発明の防蟻性難燃化処理液には、リン酸二水素アンモニウムと硫酸アンモニウムが特定の比率で混合されていることにより、難燃性が著しく向上している。
具体的には、リン酸二水素アンモニウム1質量部に対して、硫酸アンモニウムの含有比率は、1〜1.5質量部が好ましく、1.1〜1.4質量部がより好ましく、1.2〜1.3質量部が特に好ましい。
<アンモニア>
アンモニア(NH)は、弱アルカリ性を示す物質である。リン酸二水素アンモニウムや硫酸アンモニウムは、弱酸性で、これらを使用した防蟻性難燃化処理液を布や紙に浸透・含浸した場合、布や紙を変色(黄変)させるため、この変色を防止するためにpHを中性又は弱アルカリ性にする目的と、難燃性向上の目的で防蟻性難燃化処理液に含有させている。
アンモニアは、市販のアンモニア水(例えば、25%アンモニア水)を希釈して適宜使用することができる。
リン酸二水素アンモニウム1質量部に対して、アンモニアの比率は、0.07〜0.12質量部が好ましく、0.08〜0.11質量部がより好ましく、0.09〜0.10質量部が特に好ましい。
アンモニアの比率の下限が上記以上であると、十分に黄変防止等できる。上限が上記以下であると、難燃性に悪影響が出にくい。
本発明の防蟻性難燃化処理液は、布や紙の黄変を防止するためにはアルカリ性である(すなわち、pHが7を超える)ことが好ましい。
また、本発明の防蟻性難燃化処理液は、竹材に使用する際には、pHが7.5以上9.0以下であることがより好ましく、pHが7.8以上8.3以下であることが特に好ましい。
pHが上記範囲内であると、難燃成分や防蟻成分が竹材の内部にまで浸透しやすくなり、難燃性・防蟻性が向上しやすい。
また、本発明の防蟻性難燃化処理液は、木材に使用する際には、pHが5.5以上7.0以下であることがより好ましく、pHが6.0以上6.5以下であることが特に好ましい。
pHが上記範囲内であると、難燃成分や防蟻成分が木材の内部にまで浸透しやすくなり、難燃性・防蟻性が向上しやすい。
リン酸二水素アンモニウムや硫酸アンモニウムに対するアンモニアの含有比率を調節することにより、本発明の防蟻性難燃化処理液のpHを、上記範囲内にすることができる。
<含浸促進剤>
含浸促進剤は、防蟻性難燃化処理液の難燃成分や防蟻成分が基材の内部にまで浸透するのを助けるのに使用される。含浸促進剤を使用することにより、基材内部に満遍無く難燃成分・防蟻成分を行き渡らせることができ、難燃性・防蟻性が向上する。
含浸促進剤としては、高級脂肪酸、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、リン酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂等が挙げられる。
また、市販されている製品としては、ジョンクリル(登録商標、BASFジャパン(株)製)、ソルスパース(登録商標、日本ルーブリゾール(株)製)、サンセパラー(登録商標、三洋化成(株)製)、ディスパロン(登録商標、楠本化成(株)製)等が挙げられる。
含浸促進剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の防蟻性難燃化処理液において、含浸促進剤の含有比率は0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。含浸促進剤の含有比率が上記範囲内であると、難燃成分・防蟻成分が十分に基材内部に浸透し、難燃性・防蟻性を十分に発揮できる。
また、リン酸二水素アンモニウム1質量部に対して、含浸促進剤の比率は、0.01〜0.5質量部が好ましく、0.03〜0.2質量部がより好ましく、0.05〜0.1質量部が特に好ましい。
上記範囲内であると、難燃成分が容易に基材内部に浸透し、難燃性・防蟻性を十分に発揮できる。
<防蟻剤>
本発明の防蟻性難燃化処理液に含有させる防蟻剤としては、他の成分との相溶性に優れ、難燃成分(リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム)による難燃化作用を阻害しないものであれば、任意の防蟻剤を使用することができる。
具体的には、例えば、ジノテフラン、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、アセタミプリド等のネオニコチノイド系化合物;シフルトリン、ピレトリン等のピレスロイド系化合物;カルバリル、フェノブカルブ、プロポクスル等のカーバメイト系化合物;等が挙げられる。
このうち、ネオニコチノイド系化合物は、人体に対する毒性が低いので、本発明における防蟻剤として好ましい。
ネオニコチノイド系化合物のうち、下記一般式(1)で表される化合物は、難燃成分(リン酸二水素アンモニウム・硫酸アンモニウム)との相溶性に優れるため、本発明の防蟻性難燃化処理液に好適に使用することができる。
Figure 0006923919
一般式(1)において、Xはニトロ基又はシアノ基である。Rは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基である。Rは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基である。Rは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基である。Rは置換基を有していてもよい炭素数3以上8以下の複素環基である。
また、一般式(1)で表される化合物のうち、特に好ましいものの条件は、下記の通りである。
Xはニトロ基であることがより好ましい。
は水素原子又はメチル基であることが好ましい。
は水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
は水素原子又はメチル基であることが好ましい。
特に、RとRが共に水素原子であることが好ましい。
は、下記式(A1)ないし(A3)で表される何れかの「置換基を有していてもよい複素環基」であることが好ましく、下記式(A1)で表される複素環基(フラン環)であることが特に好ましい。
Figure 0006923919
一般式(1)で表される化合物のうち、上記条件(の全部又は一部)を満たす化合物は、本発明における他の成分との相溶性・微分散性に優れる。
また、十分に防蟻性を発揮するためには、防蟻性難燃化処理液に防蟻剤をある程度の量含有させる必要があるが、防蟻剤を多量に含有させると、難燃性を阻害してしまう場合があるが、一般式(1)で表される化合物のうち、上記条件を満たす化合物は、難燃性を阻害しにくいため、防蟻性を発揮するのに十分な量を含有させることができる。
上記条件を満たす化合物の例として、ジノテフラン(X:ニトロ基、R:水素原子、R:メチル基、R:水素原子、R:上記(A1)で表される基)や、クロチアニジン(X:ニトロ基、R:水素原子、R:メチル基、R:水素原子、R:上記(A3)で表される基)が例示できる。安全性の観点等から、塩素を含まないジノテフランが特に好ましい。
本発明の防蟻性難燃化処理液において、防蟻剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の防蟻性難燃化処理液において、防蟻剤の含有比率は0.01質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上2質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることが特に好ましい。
防蟻剤の含有比率の下限が上記以上であると、難燃化処理された木材が十分に防蟻性を発揮し、上限が上記以下であると、他の成分との相溶性に優れる。
また、リン酸二水素アンモニウム1質量部に対して、防蟻剤の比率は、0.001〜0.02質量部が好ましく、0.003〜0.15質量部がより好ましく、0.005〜0.10質量部が特に好ましい。
<他の成分>
本発明の防蟻性難燃化処理液は、他に、防腐剤、防藻剤、防カビ剤等を含有することができる。
本発明の防蟻性難燃化処理液の組成の一例として、下記のような組成が挙げられる。
硫酸アンモニウム 7.0〜30.0質量部
リン酸二水素アンモニウム 5.0〜20.0質量部
アンモニア水 1.5〜8.0質量部
防蟻剤・防腐剤・防カビ剤 1.5〜2.0質量部
含浸促進剤 0.15〜3.0質量部
水 37.0〜84.85質量部
また、本発明の防蟻性難燃化処理液の組成の一例として、下記のような組成も挙げられる。
硫酸アンモニウム 7.0〜30.0質量部
リン酸二水素アンモニウム 5.0〜20.0質量部
アンモニア水 1.5〜8.0質量部
防蟻剤・防腐剤・防カビ剤 適量
含浸促進剤 0.35〜2.0質量部
水 40.0〜86.15質量部
本発明の防蟻性難燃化処理液は、木材や竹材に使用する場合は、難燃成分や防蟻剤の含有量が多く濃度の高いものを使用し、布や紙に使用する場合は、難燃成分や防蟻剤の含有量が少なく濃度の低いものを使用するのがよい。
具体的には、本発明の防蟻性難燃化処理液における水分含有率は、対象となる可燃性基材が木材や竹材である場合は、30質量%以上80質量%以下が好ましく、40質量%以上75質量%以下がより好ましく、50質量%以上70質量%以下が特に好ましい。
上記範囲内であると、木材や竹材の内部に、偏りなく難燃成分が浸透し、難燃性を十分なものとすることができる。
また、本発明の防蟻性難燃化処理液における水分含有率は、対象となる可燃性基材が布や紙である場合は、60質量%以上99質量%以下が好ましく、70質量%以上95質量%以下がより好ましく、80質量%以上90質量%以下が特に好ましい。
布や紙の場合、木材や竹材と比べて難燃成分が浸透しやすいので、コスト的な観点から上記範囲の水分含有率が好ましい(水分以外の成分を、上記範囲を超えて含有させても、難燃性・防蟻性は向上せず、無駄である場合がある)。
本発明は、前記の防蟻性難燃化処理液の製造方法でもある。該製造方法は、常法に従って、前記した各成分を水に加え、混合・撹拌して製造する。特に限定はされないが、まず、含浸促進剤を水に加えて混合・撹拌し、次いで、リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム及びアンモニアを混合・撹拌して溶解させ、最後に防蟻剤、防腐剤、防藻剤を添加して混合・撹拌して溶解させる、という手順で製造するのが好ましい。
本発明は、防蟻性難燃化処理液を可燃性基材に浸透・含浸させることによる難燃化基材の製造方法でもある。
浸透・含浸させる方法は浸漬、塗布、吹付、穿孔注入、含浸装置等による含浸等が挙げられるが、可燃性基材の内部まで十分に成分を浸透・含浸させることにより、本発明の効果が発揮されやすくなるので、含浸装置等による含浸や穿孔注入が好ましい。
浸漬の場合、浸漬時間は30分以上1週間以下が好ましく、1時間以上2日以下がより好ましく、2時間以上1日以下が特に好ましい。
浸漬時間の下限が上記以上であると、可燃性基材の内部まで十分に成分が浸透し、得られる難燃化基材の難燃性・防蟻性が優れたものとなる。また、浸漬時間の下限が上記以下であると、生産性が十分となる(浸漬時間の上限を上記以上にしても、難燃化基材の性能は優れたものとはならず、無意味である)。
また、浸漬は1回行うのではなく、途中で基材をいったん取り出し乾燥させ、複数回に分けて浸漬を行うのも好ましい。浸漬の際に、気泡の発生等により、局所的に難燃成分・防蟻成分が浸透しにくい部位が生ずることがあるが、複数回に分けて浸漬すれば、このようなことを防止することができる。
浸漬後の乾燥は、自然乾燥が好ましいが、熱風乾燥機等による強制乾燥でもよい。
自然乾燥の場合、乾燥時間は、30分以上1週間以下が好ましく、1時間以上2日以下がより好ましく、2時間以上1日以下が特に好ましい。
強制乾燥の場合、乾燥時間は、1分以上8時間以下が好ましく、2分以上3時間以下がより好ましく、3分以上1時間以下が特に好ましい。
可燃性基材の例としては、木材、竹材、紙、布等が挙げられるが、木造住宅等に使用される木材は、難燃性のみならず防蟻性が要求されるため、本発明の効果を奏しやすく、本発明の適用対象として好ましい。
表1に、本発明の防蟻性難燃化処理液の一例について、一般財団法人日本文化用品安全試験所にて行なわれた有害17元素19項目に関する試験結果を示す。本発明の防蟻性難燃化処理液は、EN71−3(2013年7月20日よりEUで玩具の安全を対象に新しく適用開始された基準)の規格値を全てで下回っている。本発明の防蟻性難燃化処理液は、ホウ素(ホウ素化合物)を含んでいないため、溶解性ホウ素も規格値をはるかに下回る数値であった。
Figure 0006923919
また、表1に示した本発明の防蟻性難燃化処理液の一例は、室内濃度指針値が設定された13物質(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼン、テトラデカン、クロルピリホス、フェノブカルブ、ダイアジノン、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)を一切含んでおらず、社団法人日本しろあり対策協会と公益財団法人日本木材保存協会にて認定された健康障害と環境負荷を引き起こさない処理液である。
<作用・原理>
本発明の防蟻性難燃化処理液が優れた難燃性・防蟻性を示す作用・原理は明らかではないが、以下のことが考えられる。ただし本発明は、以下の作用効果の範囲に限定されるわけではない。
本発明の防蟻性難燃化処理液は、燃焼中に有機物の炭化を著しく促進して可燃性の炭素含有気体の生成を減少させ、燃焼速度の遅い炭素の生成量を増加させることにより、可燃性基材の燃焼を抑制していると考えられる。
具体的には、難燃成分(リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム)が、基材の燃焼時に熱分解することで窒素ガスを発生し、この窒素ガスが酸素を遮断し燃焼を抑制しているものと考えられる。また、難燃成分が可燃物表面で炭素との混合物膜を生成し、燃焼を抑制しているものと考えられる。
また、難燃成分が分解することで生成するアンモニウムイオン(NH )、リン酸水素イオン(HPO 2−)、リン酸二水素イオン(HPO )等による負触媒効果も、燃焼の抑制に寄与しているものと考えられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
<調製例1>
以下の組成の溶液Aを調製した。
[溶液A組成]
・水 67.6質量部
・リン酸二水素アンモニウム 12.0質量部
(太平化学産業株式会社製)
・硫酸アンモニウム 15.0質量部
(米山薬品工業株式会社製)
・25%アンモニア水 4.5質量部
(株式会社小林製)
・含浸促進剤 0.9質量部
(日本ルーブリゾール株式会社製、ソルスパース20000)
・ジノテフラン 0.1質量部
・防腐剤 少量
(大阪ガスケミカル株式会社製、スラオフ72N)
・防藻剤 少量
(日本曹達株式会社製、バイオカット−AF40)
各成分は十分に相溶し、透明で均一な溶液が得られた。
<調製例2>
調製例1において、ジノテフランをイミダクロプリドに変更した以外は、調製例1と同様にして溶液Pを調製した。
得られた溶液Pは、白濁が生じていた。
<調製例3>
調製例1において、ジノテフランをチアメトキサムに変更した以外は、調製例1と同様にして溶液Qを調製した。
得られた溶液Qは、白濁が生じており、また、油層と水層の2層に分離していた。
<調製例4>
調製例1において、ジノテフランの添加量を、溶液全体に対して、0.5質量%、2.0質量%、4.0質量%、6.0質量%となるようにした以外は、調製例1の場合と同様にして、溶液を調製した。
ジノテフランの添加量が何れの場合も、得られた溶液は、透明で均一な外観だった。
<調製例5>
以下の組成の溶液Bを調製した。
[溶液B組成]
・水 113.1質量部
・リン酸二水素アンモニウム 12.0質量部
(太平化学産業株式会社製)
・硫酸アンモニウム 15.0質量部
(米山薬品工業株式会社製)
・25%アンモニア水 6.5質量部
(株式会社小林製)
・含浸促進剤 0.9質量部
(日本ルーブリゾール株式会社製、ソルスパース20000)
・ジノテフラン 0.1質量部
・防腐剤 少量
(大阪ガスケミカル株式会社製、スラオフ72N)
・防藻剤 少量
(日本曹達株式会社製、バイオカット−AF40)
溶液Bの水分含有率は80質量%である。各成分は十分に相溶し、透明で均一な溶液が得られた。
<調製例6>
調製例5において、25%アンモニア水の添加量を変化させて、得られる溶液のpHが6.0、7.0、7.5、8.0となるようにした以外は、調製例1の場合と同様にして、溶液を調製した。
pHが何れの値の場合も、得られた溶液は、透明で均一な外観だった。
<調製例7>
調製例5において、水の添加量及び25%アンモニア水の添加量を変化させて、水分含有率が85質量%でpHが7.0である溶液、水分含有率が85質量%でpHが7.5である溶液、水分含有率が85質量%でpHが8.0である溶液、水分含有率が90質量%でpHが7.0である溶液、水分含有率が90質量%でpHが7.5である溶液、水分含有率が90質量%でpHが8.0である溶液をそれぞれ調製した。
何れの溶液も、透明で均一な外観だった。
<調製例8>
以下の組成の溶液Cを調製した。
[溶液C組成]
・水 67.6質量部
・リン酸二水素アンモニウム 4.0質量部
(太平化学産業株式会社製)
・硫酸アンモニウム 5.0質量部
(米山薬品工業株式会社製)
・25%アンモニア水 1.5質量部
(株式会社小林製)
・含浸促進剤 0.3質量部
(日本ルーブリゾール株式会社製、ソルスパース20000)
・ジノテフラン 少量
・防腐剤 少量
(大阪ガスケミカル株式会社製、スラオフ72N)
・防藻剤 少量
(日本曹達株式会社製、バイオカット−AF40)
各成分は十分に相溶し、透明で均一な溶液が得られた。
<実施例1>
リュウキュウマツの板をサンプルとして、本発明の防蟻性難燃化処理液の難燃化性能を試験した。リュウキュウマツは、他の木材と比較して、密度が高く、液剤の成分が浸透・含浸しにくいと言われている。
溶液Aを、バットの中に充填し、10cm×10cm×1.5cmのリュウキュウマツの板を12時間浸漬した。その後、板を取り出して自然乾燥させた後、再び、溶液Aに12時間浸漬した。その後、再び板を取り出し、自然乾燥させた。
上記処理前の板の質量は110.1gであったのに対し、上記処理後の板の質量は118.6gであり、防蟻性難燃化処理液の成分が含浸することにより、板の質量が8.5g増加していた。
上記手順で防蟻性難燃化処理液に浸漬した板(B)と、無処理の10cm×10cm×1.5cmのリュウキュウマツの板(A)をそれぞれ試験体として、同じ条件で同時にガスバーナーにて火炎照射した。使用ガスはプロパン、炎先端と試験体の距離は5cm、炎の先端温度は1000℃前後とした。各板の裏面には、温度計を設置し、50秒間隔で温度を測定した。
板(A)は、火炎照射後8分後に裏面に炎が貫通したが、板(B)では、火炎照射後8分後の裏面の温度は75℃であり、その後も裏面の温度に大きな上昇はなく、炎が裏面に貫通する兆しも無かった。
<実施例2>
杉板をサンプルとして、本発明の防蟻性難燃化処理液の難燃化性能を試験した。
溶液Aを、含浸装置(株式会社ヤスジマ製、真空・加圧含浸装置)に充填し、10cm×10cm×1.5cmの杉板を含浸した。この状態で、加圧7kgで、4時間静置した。
その後、板を取り出して24時間自然乾燥させた。
乾燥させた杉板を、コーンカロリーメーター試験機(株式会社東洋精機製作所製、発熱性試験装置)で試験したところ、発熱速度は最高でも15kW/mであり、加熱時間10分間の総発熱量は5.9MJ/mであった。また、試験後の杉板の裏面に、穴や亀裂は見られなかった。
すなわち、国土交通省の規定する「準不燃材料」の基準(10分間の加熱において、(i)総発熱量が8MJ/m以下である、(ii)防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴が無い、(iii)最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えない、を全て満たしていた。
<実施例3>
調製例4で調製した各溶液を、バットの中に充填し、各溶液に10cm×10cm×1.5cmの杉板を12時間浸漬した。その後、板を取り出して自然乾燥させた後、再び、溶液に12時間浸漬した。その後、再び板を取り出し、自然乾燥させた。
自然乾燥させた杉板に対して、3分間ガスバーナーにて火炎照射した。使用ガスはプロパン、炎先端と試験体の距離は5cm、炎の先端温度は1000℃前後とした。
火炎照射後の杉板において、黒く変色した(炭化した)部分の面積を算出した結果を表2に示す。
Figure 0006923919
上記のように、ジノテフランの添加量が、2.0質量%を超えると、難燃性能が低下することが判明した。
<実施例4>
内半径3cm、肉厚0.4cm、長さ24cmの竹製円筒を縦方向(導管方向)に切断し、4分割したものを、竹材のサンプルとした。
溶液Bを、バットの中に充填し、竹材を12時間浸漬した。その後、竹材を取り出して12時間自然乾燥させた後、再び、溶液に12時間浸漬した。その後、再び竹材を取り出し、24時間自然乾燥させた。
自然乾燥させた竹材に対して、使用ガスはプロパン、炎先端と試験体の距離は5cm、炎の先端温度は1000℃前後として、内表面側から(表皮とは反対側から)火炎照射したところ、竹材の内表面は、黒く変色したものの、8分間経過後も、竹材に穴や亀裂は発生しなかった。
<比較例1>
溶液Bに浸漬しなかった竹材を使用した以外は、実施例4と同様にして火炎照射したところ、3分間経過後に、竹材の火炎照射部に穴が確認できた。
<実施例5>
調製例6で調製した各溶液を、バットの中に充填し、各溶液に実施例4で使用したのと同様の竹材を12時間浸漬した。その後、竹材を取り出して自然乾燥させた後、再び、溶液に12時間浸漬した。その後、再び竹材を取り出し、24時間自然乾燥させた。
自然乾燥させた竹材に対して、5分間ガスバーナーにて火炎照射した。使用ガスはプロパン、炎先端と試験体の距離は5cm、炎の先端温度は1000℃前後とした。
火炎照射後の竹材において、黒く変色した(炭化した)部分の面積を算出した結果を表3に示す。
Figure 0006923919
上記のように、本発明の防蟻性難燃化処理液は、竹材に使用する場合、アルカリ性であると、難燃性が向上することが判明した。
<実施例6>
「調製例6で調製した各溶液」を、「調製例7で調製した各溶液」に変更した以外は、実施例5と同様にして、竹材に火炎照射し、火炎照射後の竹材において、黒く変色した(炭化した)部分の面積を算出した。結果を表4に示す。
Figure 0006923919
<実施例7>
綿の薄手布(かなきん3号)をサンプルとして、本発明の防蟻性難燃化処理液による処理後の防炎性能について、消防法施行規則第4条の3に規定する防炎性能試験を公益財団法人日本防炎協会にて実施した。
薄手布を、上記溶液C(温度17℃、pH6.3)の中に4分間浸漬し、絞り率は116%であった。
薄手布を乾燥し、薬剤付着量を計測したところ、19.8質量%であった。
本発明の防蟻性難燃化処理液による処理後の薄手布は、表5に示す通り、残炎時間、残じん時間、炭化面積に関して、消防法施行規則第4条の3に規定する基準に適合していたため公益財団法人日本防炎協会にて防炎薬剤として登録された。
Figure 0006923919
本発明の防蟻性難燃化処理液は、難燃性と防蟻性に優れ、人体に対する安全性が高いので、木造住宅における木材の難燃化・防蟻化をはじめとして、障子、壁紙、襖、包装紙、ダンボール、証券、書類等の紙製品;カーテン、絨毯、布製ブラインド、シーツ、クッション、ぬいぐるみ等の布製品;ベニヤ板、木製建具、木製家具等の木製品;竹製建具、竹製家具等の竹製品等の難燃化・防蟻化に広く利用されるものである。

Claims (6)

  1. ホウ素及びホウ素化合物の何れも含有せず、水、リン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、アンモニア、含浸促進剤及び防蟻剤を含有し、該防蟻剤が、ジノテフランであることを特徴とする防蟻性難燃化処理液。
  2. 上記防蟻剤の含有比率が0.01質量%以上3質量%以下である請求項1に記載の防蟻性難燃化処理液。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の防蟻性難燃化処理液の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の防蟻性難燃化処理液を可燃性基材に浸透・含浸させることを特徴とする難燃化基材の製造方法。
  5. 上記可燃性基材を、上記防蟻性難燃化処理液に、複数回に分けて浸漬する請求項4に記載の難燃化基材の製造方法。
  6. 上記可燃性基材が木材である請求項4又は請求項5に記載の難燃化基材の製造方法。
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