JP6922877B2 - 自動車のサブフレーム構造 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車のサブフレーム構造に関する。
自動車の車体には、その下部にサスペンションアームを取り付けるためのサブフレームが設置されるものがある。該サブフレームは、井桁状の構造をなす部品であり、サスペンションを介して車体とタイヤとを繋ぐものであるため、高い剛性を有することが重要である。
これまでに、高剛性なサブフレーム構造に関して様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、サスペンションのリンク構造部材の取り付け部分に設けられた切欠部の周縁部分を補剛する支持部材を備えた車両のサブフレーム構造が開示されている。
また、特許文献2には、車体幅方向に延在する後フレームメンバと、該後フレームメンバと離間して車体幅方向に延在する縦フレームメンバと、該縦フレームメンバが結合されて中空断面構造の前フレームメンバとを備えたサブフレームを備え、前記前フレームメンバにおいては中央部範囲に発泡材が充填されるとともに側端部範囲に金属球が充填されている車体構造が開示されている。
特開2003−2229号公報 特開2011−189781号公報
特許文献1及び特許文献2に開示されている技術は、いずれも剛性確保のために金属製の支持部材を結合、あるいは、発泡材及び金属球を充填するものであるために重量増加を伴うものである。しかし、これらの技術においては、重量増加を抑えつつ十分な剛性を確保することについては何ら検討されていない。
車両重量が増加することにより燃費の悪化を招くことから、近年の自動車産業においては環境問題に起因した車両の軽量化が進められている。
さらに、自動車の走行時における車体運動を考えた場合、サブフレームは車体の重心位置から遠いため大きな慣性力が働き、レーンチェンジなどの動きに影響を及ぼすため、出来るだけ軽量であることが望まれる。
そのため、自動車のサブフレーム構造においては、可能な限り重量を増加させずに必要な剛性を満たすことが求められていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、可能な限り重量を増加させずに効率的に剛性を向上させた自動車のサブフレーム構造を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る自動車のサブフレーム構造は、車両前後方向に延在する中空の部材からなる左右一対の車両前後方向部材と、該左右一対の車両前後方向部材における車両前方側と車両後方側のそれぞれに接続されて車両左右方向に延在する中空の部材からなる前後一対の車両左右方向部材と、で井桁状に形成されてなるものであって、前記車両前後方向部材と前記車両左右方向部材との各接続部における該車両前後方向部材及び該車両左右方向部材それぞれの内部に樹脂製の補剛部材が充填または設置され、該補剛部材は、前記車両前後方向部材及び前記車両左右方向部材それぞれにおける上面側と下面側とを繋ぐ柱状部を有し、前記補剛部材の量は、前記車両前後方向部材及び前記車両左右方向部材の総内容積の20%以下であることを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記補剛部材の充填または設置する位置及びその形状は、形状最適化解析方法による解析結果に基づいて設定されたものであることを特徴とするものである。
本発明に係る自動車のサブフレーム構造は、車両前後方向に延在する中空の部材からなる左右一対の車両前後方向部材と、該左右一対の車両前後方向部材における車両前方側と車両後方側のそれぞれに接続されて車両左右方向に延在する中空の部材からなる前後一対の車両左右方向部材と、で井桁状に形成されてなるものであって、前記車両前後方向部材と前記車両左右方向部材との各接続部における該車両前後方向部材及び該車両左右方向部材それぞれの内部に樹脂製の補剛部材が充填または設置され、該補剛部材は、前記車両前後方向部材及び前記車両左右方向部材それぞれにおける上面側と下面側とを繋ぐ柱状部を有し、前記補剛部材の量は、前記車両前後方向部材及び前記車両左右方向部材の総内容積の20%以下であることにより、荷重が作用したときに前記接続部における車両前後方向部材及び前記車両左右方向部材の変形を抑制し、重量を必要以上に増加させずに効率的に剛性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造を説明する図である(斜視図)。 本発明の実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造を説明する図である(平面図)。 本発明で対象とする自動車のサブフレームと、該サブフレームを構成する車両前後方向部材及び車両左右方向部材とを説明する図である。 本発明の実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造において、補剛部材の形状最適化解析方法の処理の流れを示すフローチャート図である。 本実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造において、車両前後方向部材及び車両左右方向部材の内部に形状最適化解析の対象となる補剛部材モデルを設定した状態を示す図である。 本実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造において、補剛部材の形状最適化解析における荷重・拘束条件を示す図である(その1)。 本実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造において、補剛部材の形状最適化解析におけるトルク・拘束条件を示す図である(その2)。 本実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造において、補剛部材の形状最適化解析の対象とするサブフレームに荷重・拘束条件を与えたときの変形挙動を示す図である(その1)。 本実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造において、補剛部材の形状最適化解析の対象とするサブフレームにトルク・拘束条件を与えたときの変形挙動を示す図である(その2)。 本実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造において、補剛部材の形状最適化解析の解析結果を示す図である。 本発明の実施例において、比較対象としてバルクヘッドを設置した自動車のサブフレーム構造を説明する図である。
<サブフレーム構造>
本発明の実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造1(以下、単に「サブフレーム構造1」という。)は、図1及び図2に一例として示すように、左右一対の車両前後方向部材3と前後一対の車両左右方向部材5とで井桁状に形成されてなるものであって、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5とが接続されている接続部7に樹脂製の補剛部材9が充填または設置されているものである。
以下、上記の各構成について説明する。なお、図中に示されている座標軸は、サブフレーム構造1を車両に取り付けたときの配置を示すものであり、X軸は車両前後方向(車両後方側を正)、Y軸は車両左右方向(車両右方側を正)、Z軸は車両上下方向(車両上方側を正)を示す。
車両前後方向部材3は、例えば、車両の前後方向に延在する中空の部材からなる左右一対の車両前後方向部材である。本実施の形態において、車両前後方向部材3は、図3に示すように、コの字型の断面形状を有する車両下方側の車両前後方向部材(ロア)3aと車両上方側の車両前後方向部材(アッパ)3bそれぞれの開口側を対向させて接合することで中空状に形成したものである。
車両左右方向部材5は、左右一対の車両前後方向部材3における車両前方側と車両後方側のそれぞれに接続されて車両左右方向に延在する中空の部材からなる前後一対の車両左右方向部材であり、左右一対の車両前後方向部材3の間に離間して配置されている。本実施の形態において、車両左右方向部材5は、例えば、図3に示すように、コの字型の断面形状を有する車両左右方向部材(リア側リア)5aと車両左右方向部材(リア側フロント)5b、又は、車両左右方向部材(フロント側ロア)5cと車両左右方向部材(フロント側アッパ)5dそれぞれの開口側を対向させて接合することで中空状に形成したものである。
図1に示すサブフレーム構造1において、車両左右方向部材5の両端は、車両前後方向部材3の側壁面に接続されている。これにより、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5との各接続部7において、その内部は車両前後方向部材3の側壁面によって車両前後方向部材3側と車両左右方向部材5側とに区分けされている。
補剛部材9は、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5の各接続部7における車両前後方向部材3と車両左右方向部材5それぞれの内部に充填または設置されている。そして、補剛部材9は、図1に示すように、車両前後方向部材3及び車両左右方向部材5それぞれにおける上面側と下面側とを繋ぐ柱状部9aを有する形状である。さらに、補剛部材9の量は、車両前後方向部材3及び車両左右方向部材5の総内容積の20%以下である。
補剛部材9の材質に関しては、様々な形状に加工することの容易さに加えて重量の増加を可能な限り抑制するといった観点から、樹脂(例えば、硬質プラスチックなど)とし、特に、樹脂製の発泡材(発泡樹脂)であることが望ましい。
なお、図1及び図2に示す補剛部材9は、後述する形状最適化解析により得られた解析結果に基づいて、形状及び位置を決定したものである。このように、補剛部材9は、形状最適化解析の解析結果に基づいて形状及び位置を決定すればよい。
もっとも、本発明において、車両前後方向部材と車両左右方向部材との接続部に柱状部を有するものであれば、補剛部材の形状と位置を適宜決定したものであってもよい。
また、補剛部材は、車両前後方向部材及び車両左右方向部材の内面に接合されており、接合としては、接着剤による接着または機械的締結を適用することができる。
<形状最適化解析方法>
次に、補剛部材9の形状および位置を決定する形状最適化解析方法について説明する。
形状最適化解析方法とは、予め所定の形状を想定し、該所定の形状を前提として最適な形状を求めるものではなく、所定の形状を想定することなく、与えられた解析条件を満たす最適な形状をトポロジー最適化等により求めるものである。
また、トポロジー最適化とは、ある程度の大きさの設計空間を設け、当該設計空間に立体要素を組み込み、与えられた解析条件を満たしつつ必要最小限の立体要素を残すことで当該解析条件を満たす最適形状を得るという方法である。トポロジー最適化においては、設計空間をなす立体要素に直接拘束を行い、直接荷重を加えるという方法が用いられる。
本発明の実施の形態においては、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5それぞれの内部に樹脂製の補剛部材を充填または設置することによりサブフレーム構造1の剛性を向上させるため、車両前後方向部材3及び車両左右方向部材5それぞれの内部を補剛部材で埋めたものを解析対象として形状最適化解析を行い、その最適化解析により前記補剛部材のうち不要な部分を取り除いた解析結果に基づいて補剛部材9を設定する。
ここで、形状最適化解析は、図4に示すステップS1からステップS9を実行することにより行うことができる。以下、図4に示す各ステップにおける処理について説明する。なお、ステップS1からステップS9は、コンピュータ上で実行することができる。
≪構造体モデル取得ステップ≫
構造体モデル取得ステップS1は、平面要素及び/又は立体要素を用いて構造体をモデル化した構造体モデルを取得するステップである。
本実施の形態において、構造体モデルは、左右一対の車両前後方向部材3と前後一対の車両左右方向部材5とが井桁状に形成されてなるサブフレーム11(図3参照)を対象としたものである。
≪補剛部材モデル生成ステップ≫
補剛部材モデル生成ステップS3は、立体要素からなり前記構造体モデルと結合する補剛部材モデル13(図5参照)を生成するステップである。
本実施の形態において、補剛部材モデル13は、車両前後方向部材3及び車両左右方向部材5それぞれの内部の空間を埋めるように複数の立体要素を生成する。
このように生成された補剛部材モデル13は、後述する最適化解析モデル生成ステップS7における最適化解析の対象となるものであり、最適化解析の過程において、補剛に不要な部位に位置する立体要素は消去され、補剛に必要となる部位に位置する立体要素が残存する。
≪材料特性設定ステップ≫
材料特性設定ステップS5は、補剛部材モデル生成ステップS3において生成した補剛部材モデル13の材料特性を設定するステップである。
本発明では、樹脂製の補剛部材を対象としているため、材料特性設定ステップS5において補剛部材モデル13に設定する材料特性としては、樹脂のヤング率、ポアソン比および比重などが挙げられる。
≪最適化解析モデル生成ステップ≫
最適化解析モデル生成ステップS7は、補剛部材モデル生成ステップS3において生成した補剛部材モデル13をサブフレーム11に結合して最適化解析モデル15(図5参照)を生成するものである。
構造体モデル(サブフレーム11)と補剛部材モデル13との結合は、例えば、構造体モデルが平面要素でモデル化されている場合、補剛部材モデル13を構成する立体要素のノード(節点)と構造体モデルの平面要素のノードとを共有することにより行うことができる。
もっとも、構造体モデルと補剛部材モデルとの結合は、上記のノード共有に限るものではなく、剛体要素、梁要素、平面要素などを介して構造体モデルと補剛部材モデルとを結合するものであってもよく、いずれにおいても、形状最適化解析において構造体モデルと補剛部材モデルとの間で荷重が伝達されるように結合するものであればよい。
≪最適化解析ステップ≫
最適化解析ステップS9は、最適化解析モデル生成ステップS7において生成した最適化解析モデル15に解析条件を与え、補剛部材モデル13を対象として最適化解析を行い、補剛部材モデル13の最適形状を求めるステップである。
最適化解析モデル15に与える解析条件としては、荷重を与える位置や拘束位置を与える荷重・拘束条件又はトルク・拘束条件と、最適化解析の目的に応じて設定する目的条件および制約条件がある。
目的条件であるサブフレーム構造の剛性を評価するためには、いくつも荷重又はトルクの入力条件が考えられる。本実施の形態では、最適化解析ステップS9において、図6に示す荷重・拘束条件又は図7に示すトルク・拘束条件を与え、以下に示す剛性A、剛性B、剛性Cおよび剛性Dの4種類の剛性を評価した。なお、図6及び図7中の△印は、荷重の入力点P及び拘束点Qを示す。
剛性A〜剛性Cは、図6に示すように、サスペンションアーム17の入力点Pに対してY軸方向に荷重を入力したときの入力点Pの変位により算出されるものであり、剛性Aは、荷重をY方向の並進による変位で除した値、剛性Bは、X軸周りの回転角を荷重で除した値、剛性CはZ軸周りの回転角を荷重で除した値で表される。
剛性Dは、図7に示すように、サスペンションアーム17の入力点Pに対してZ軸周りにトルクを入力したときの回転角により算出したものであり、Z軸周りの回転角をトルクで除した値で表される。
さらに本実施の形態では、最適化解析の目的条件として剛性の評価位置における剛性を最大、制約条件として補剛部材モデルの体積制約率を与えた。なお、補剛部材モデルによる重量の増加を考慮して、体積制約率は20%以下とした。
このように、解析条件として荷重・拘束条件又はトルク・拘束条件と目的条件および制約条件を与えて最適化解析を行うことにより、補剛部材モデルの最適な形状(最適形状補剛部材モデル)が解析結果として得られる。
図8に、図6に示す荷重・拘束条件(Y軸マイナス方向に1000N)をサブフレーム11に与えたときの変形を、図9に、図7に示すトルク・拘束条件をサブフレーム11に与えたときの変形を示す。また、表1に剛性A〜剛性Dの評価に用いた変位及び回転角の結果を、表2に剛性A〜剛性Dの評価値を示す。
Figure 0006922877
Figure 0006922877
図8及び図9より、サブフレーム11の変形箇所は、2つの剛性モード(剛性A〜剛性Cと、剛性D)で異なることが分かる。そのため、様々な剛性モードに対して最適な形状の補剛部材モデルを得るためには、複合最適化解析を要する場合がある。複合最適化解析とは、異なる荷重条件を与えた最適化解析を重み付けをして総合することにより最適な形状を求める最適化解析である。
図10に、最適化解析を行うために車両前後方向部材3と車両左右方向部材5の内部全てに樹脂を設定した補剛部材モデル13(図10(a))と、異なる荷重条件またはトルク条件を与えて最適化解析を行って得られた最適形状補剛部材モデル(図10(b)〜(d))と、を比較して示す。
図10(b)に示す最適形状補剛部材モデル21は、前述の図1及び図2と同様、図6に示す荷重条件(Y軸マイナス方向に1000N)を与えて剛性A、剛性B及び剛性Cについて最適化解析を行って得られたものである。なお、図10(b)に示す最適形状補剛部材モデル21は前述の図1及び図2に示した補剛部材9と同一形状にしたものである。
図10(c)に示す最適形状補剛部材モデル23は、図7に示すようにサスペンションアーム17の入力点Pに対してZ軸周りに所定のトルクを与えたときの剛性Dについて最適化解析を行って得られたものである。
図10(d)に示す最適形状補剛部材モデル25は、図6に示す荷重条件を与えたときの剛性A、剛性B及び剛性Cと、図7に示すトルク条件を与えたときの剛性Dとの複合最適化解析を行って得られたものである。最適形状補剛部材モデル25は、図6に示す荷重・拘束条件と図7に示すトルク・拘束条件の重み付けを1:100とした結果である。
図10に示すように、荷重条件およびトルク条件の違いにより、最適化解析で残存する最適形状補剛部材モデル21、23及び25の形状と位置に差異が見られる。もっとも、いずれの条件においても、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5との接続部7に最適形状補剛部材モデル21、23及び25が残存し、かつ、各接続部7においては車両前後方向部材3側と車両左右方向部材5側の内部に上面側と下面側とを繋ぐ柱状部9a(図1参照)を有する結果となった。
すなわち、補剛部材が車両前後方向部材3及び車両左右方向部材5の側壁に残存するとともに、両脇が空間を有する柱状部を形成するものである。
そして、各接続部7に柱状部9aが存在することで、サブフレーム構造1に対して荷重が作用したときに、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5の断面が崩れるような変形が生じることを防ぐことでき、剛性が向上する。
なお、最適化解析ステップS9における最適化解析には、トポロジー最適化を適用することができる。さらに、トポロジー最適化において密度法を適用する場合、要素のペナルティ係数を2以上に設定して離散化を行うようにすることが好ましい。
もっとも、最適化解析ステップS9における最適化解析には、他の計算方式により最適化の解析処理を適用することができる。最適化の解析処理を行うものとしては、例えば、市販されている有限要素を用いた解析ソフトを使用することができる。
また、補剛部材を充填するには、サブフレーム構造の内部にセパレータ(仕切り)を入れて、液体の樹脂を流し込んで固化するとよい。さらに、補剛部材を設置するには、予め3Dプリンタ等で補剛部材を作製しておいて、サブフレーム構造の内部に装着するとよい。
以上、本発明に係る自動車のサブフレーム構造によれば、補剛部材の充填または設置による重量増加を抑えて効率的に剛性の向上が実現できる。なお、本発明に係る自動車のサブフレーム構造による重量増加と剛性向上との関係については、後述する実施例において実証する。
また、上記の説明において、本実施の形態に係る自動車のサブフレーム構造1は、車両左右方向部材5の左右両端が左右一対の車両前後方向部材3の側壁面に接続したものであるが、本発明は、車両前後方向部材の前後両端が前後一対の車両左右方向部材の側壁面に接続し、接続部においては車両左右方向部材の側壁面によりその内部が車両前後方向部材側と車両左右方向部材側に区分けされているものであってもよい。
さらに、本実施の形態に係るサブフレーム構造1は、自動車のリア側に配設されるものであるが、本発明は、中空の部材からなる車両前後方向部材と中空の部材からなる前後一対の車両左右方向部材とが井桁状に接続されているサブフレーム構造であれば、自動車のフロント側又はリア側のいずれかに限定されるものではない。
また、形状最適化解析においては、剛性向上の対象とする剛性モードに応じて荷重・拘束条件を設定したり、複合最適化解析における荷重・拘束条件の重み付けを適宜設定してもよい。
本発明に係る自動車のサブフレーム構造により、剛性の向上と重量増加との関係を検証する実験を行ったので、以下、これについて説明する。
本実施例では、自動車のサブフレーム構造として、形状最適化解析により得られた最適形状補剛部材モデルに基づいて補剛部材を設定したサブフレーム構造を発明例とし、該補剛部材による剛性向上と重量増加を評価した。
本実施例では、図1に示すように、左右一対の車両前後方向部材3と前後一対の車両左右方向部材5とで井桁状に形成され、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5とが接続されている接続部7に樹脂製の補剛部材9が充填または設置されているサブフレーム構造1において、補剛部材9の形状を形状最適化解析により得られた最適形状補剛部材モデルに基づいて決定したものを発明例とした。
本実施例において、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5は鋼板製であり、各車両左右方向部材5の両端が車両前後方向部材3の側壁面に溶接されて井桁状のサブフレーム構造が形成されている。ここで、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5を構成する各部品の板厚と質量は表3に示すものであり、補剛部材9を除いたサブフレーム構造1の総質量は16.84kgである。
Figure 0006922877
表4に、本実施例において、車両前後方向部材3及び車両左右方向部材5に用いた鋼板と、補剛部材9に用いた発泡材の材料特性を示す。
Figure 0006922877
本実施例では、前述の実施の形態で述べた形状最適化解析方法(図4参照)により得られた最適な形状の補剛部材モデルに基づいて形状及び位置が設定されたものを発明例とした。そして、図6に示す荷重・拘束条件を与えて剛性A、剛性B及び剛性Cについて補剛部材モデル13を最適化した最適形状補剛部材モデル21(図10(b)補剛部材を充填)を用いたものを発明例1、図7に示すトルク・拘束条件を与えて剛性Dについて補剛部材モデル13を最適化した最適形状補剛部材モデル23(図10(c)補剛部材を設置)を用いたものを発明例2、剛性A、剛性B及び剛性Cと剛性Dとで補剛部材モデルを複合最適化(重み付け1:100)した最適形状補剛部材モデル25(図10(d)補剛部材を充填)を用いたものを発明例3とし、それぞれについて、補剛部材の充填または設置による剛性向上と重量増加を評価した。
なお、本実施例では、形状最適化解析の解析手法にはトポロジー最適化を用い、最適化解析における目的関数をひずみエネルギー総和の最小化、制約条件を体積制約率20%以下とした。
また、比較対象として、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5の内部の全体に補剛部材を充填したサブフレーム構造(図10(a))、及び、図11に示すように、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5内部の側壁に沿ってバルクヘッド33が設けられているサブフレーム構造31を比較例とし、発明例と同様に剛性向上と重量増加を評価した。
ここで、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5の内部の全体に補剛部材を充填したサブフレーム構造は、図10(a)に示すように、車両前後方向部材3と車両左右方向部材5の内部に補剛部材モデル13が設置された最適化解析モデル15に相当するものである(比較例1)。
また、バルクヘッド33が設けられたサブフレーム構造31は、荷重が作用したときに応力が高くなる部位である車両前後方向部材3と車両左右方向部材5の接続部7における車両前後方向部材3の壁部にバルクヘッド33が接合されたものであり、本実施例では、バルクヘッド33に用いた鋼板の板厚を1.2mm又は1.6mmとした(比較例2、比較例3)。
さらに、本実施例では、補剛部材9が充填されていないサブフレーム11(図3参照)を従来例とし、サブフレーム11について評価した剛性と重量を評価基準として、発明例及び比較例に係るサブフレーム構造の剛性向上率と増加重量を評価した。
表5に、従来例、比較例1〜比較例3及び発明例1〜発明例3のそれぞれにおいて評価した剛性A〜剛性Dの剛性値と、サブフレーム構造全体の重量及び従来例を基準としたときの増加重量の結果を示す。
Figure 0006922877
表5の結果より、車両前後方向部材3及び車両左右方向部材5の内部全体に補剛部材モデル13を充填した比較例1、バルクヘッド33を追加した比較例2及び比較例3と、補剛部材モデル13の形状を最適化した発明例1〜発明例3のいずれにおいても、剛性が向上する結果となった。
また、表5に、従来例を評価基準とした剛性向上率と増加重量の結果を示し、さらに剛性向上率を増加重量で除して、その絶対値である質量効率の結果を示す。質量効率を比較すると、比較例1〜比較例3に比べて、発明例1〜発明例3が良好であった。
以上より、本発明に係るサブフレーム構造においては、重量の増加を抑えて効率的に剛性の向上が得られることが実証された。
1 サブフレーム構造
3 車両前後方向部材
3a 車両前後方向部材(ロア)
3b 車両前後方向部材(アッパ)
5 車両左右方向部材
5a 車両左右方向部材(リア側リア)
5b 車両左右方向部材(リア側フロント)
5c 車両左右方向部材(フロント側ロア)
5d 車両左右方向部材(フロント側アッパ)
7 接続部
9 補剛部材
9a 柱状部
11 サブフレーム
13 補剛部材モデル
15 最適化解析モデル
17 サスペンションアーム
21 最適形状補剛部材モデル
23 最適形状補剛部材モデル
25 最適形状補剛部材モデル
31 自動車のサブフレーム構造(比較例)
33 バルクヘッド
35 サブフレーム取付部

Claims (2)

  1. 車両前後方向に延在する中空の部材からなる左右一対の車両前後方向部材と、該左右一対の車両前後方向部材における車両前方側と車両後方側のそれぞれに接続されて車両左右方向に延在する中空の部材からなる前後一対の車両左右方向部材と、で井桁状に形成されてなる自動車のサブフレーム構造であって、
    前記車両前後方向部材と前記車両左右方向部材との各接続部における該車両前後方向部材及び該車両左右方向部材それぞれの内部に樹脂製の補剛部材のみが設置され、
    該補剛部材は、前記車両前後方向部材及び前記車両左右方向部材の側壁に残存するとともに、前記車両前後方向部材及び前記車両左右方向部材それぞれにおける上面側と下面側とを繋ぎ、両脇が空間を有する柱状部を有し、
    前記補剛部材の量は、前記車両前後方向部材及び前記車両左右方向部材の総内容積の20%以下であることを特徴とする自動車のサブフレーム構造。
  2. 前記補剛部材を設置する位置及びその形状は、形状最適化解析方法による解析結果に基づいて設定されたものであることを特徴とする請求項1記載の自動車のサブフレーム構造。
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