JP6922487B2 - トラックの車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、トラックの車体構造に関する。
従来から、トラックなどのキャブオーバー型車両の中には、車両前方からの衝突によるキャビンの変形を防ぐために、フロアサイドメンバ及びフロアパネルなどで構成される衝撃吸収領域が車体前部に追加して設けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、このようなキャブオーバー型車両には、キャビンの居住性向上を図るために、キャビン内の車両後方にスペースを有するキャビン拡張部を設けた車体構造が採用されていることがある。
特開2015−116960号公報
しかしながら、上述した従来のトラックの車体構造では、車体前部に衝撃吸収領域を追加して設ける必要があるので、構造が複雑になり、重量増大及びコスト高を招くとともに、広いスペースを確保しなければならず、車両の軽量化及び小型化を図ることができないという問題を有していた。また、キャビン拡張部を有するトラックの場合には、通常キャビンと共通の車体フレームによって、前突時の衝撃荷重を逃がしてキャビンの変形を低減させることは難しく、キャビン拡張部が無いトラックと同等の衝突性能を確保することができないという問題を有していた。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、キャビン拡張部を有するトラックにおいて、通常キャビンと共通の車体フレームであっても、キャビンに掛かる前突時の衝撃荷重を車両後方に逃がしてキャビンの変形を低減させ、キャビン拡張部が無いトラックと同等の衝突性能を確保することが可能なトラックの車体構造を提供することにある。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、キャビンと荷台デッキを有し、前記キャビン内の車両後方にスペースを有するキャビン拡張部が設けられているトラックの車体構造において、前記キャビン及び前記荷台デッキの下部には、車両後方へ向かって車両上方に傾斜する傾斜部と、該傾斜部の後端側に位置する水平部とを有する車体フレームが設けられ、前記キャビンの車両後端の下部には、前記荷台デッキと連続した形状を有し、車両後方に開口する空間部が設けられ、前記車体フレームの前記傾斜部の後端と前記水平部とで形成される屈曲部が、車両前後方向で前記空間部の範囲内に配置されている。
上述の如く、本発明に係るトラックの車体構造は、キャビンと荷台デッキを有し、前記キャビン内の車両後方にスペースを有するキャビン拡張部が設けられており、前記キャビン及び前記荷台デッキの下部には、車両後方へ向かって車両上方に傾斜する傾斜部と、該傾斜部の後端側に位置する水平部とを有する車体フレームが設けられ、前記キャビンの車両後端の下部には、前記荷台デッキと連続した形状を有し、車両後方に開口する空間部が設けられ、前記車体フレームの前記傾斜部の後端と前記水平部とで形成される屈曲部が、車両前後方向で前記空間部の範囲内に配置されている。
そのため、本発明のトラックの車体構造では、前突時に車両前方から衝撃荷重が入力された場合に、通常キャビンと共通する車体フレームの車両上方への折れ曲がりが妨げられず、変形が許容される構造となっているので、キャビン拡張部を有するトラックであっても、キャビンに掛かる衝撃荷重を車両後方に効率良く逃がして分散させることができる。したがって、本発明の車体構造によれば、キャビン拡張部を有するトラックのキャビンの変形を抑え、キャビン拡張部が無いトラックと同等の衝突性能を確保することが可能となり、キャビンの被害を低減させることができる。
本発明の実施形態に係る車体構造が適用されるトラックを車両前方の斜め上方から見た斜視図である。 図1のトラックを車両側方から見た断面図である。 図1におけるキャビンの車両後端の下部に設けられた空間部を車両後方の斜め上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体構造が適用される車体フレームを車両側方から見た断面図である。 本発明の実施形態に係る車体構造が適用される車体フレームの屈曲部の車両外側に設けられるボディマウントブラケットを車両側方から見た断面図である。 図5におけるボディマウントブラケットを車両下方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体構造が適用される車体フレーム及びキャビンロアメンバを車両後方から見た断面図である。 図7における車体フレーム及びキャビンロアメンバを車両後方の斜め上方から見た斜視図である。 図1おけるキャビンの側部を構成するサイドボディの下部を車両後方の斜め上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態に係る車体構造が適用される車体フレーム及びキャビンロアメンバの側部を車両後方から見た断面図である。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図10は本発明の実施形態に係るトラックの車体構造を示すものである。なお、図において、矢印Fr方向は車両前方を示し、矢印O方向は車両外側を示し、矢印U方向は車両上方を示している。また、矢印X方向は車両幅方向を示し、矢印Y方向は車両前後方向を示している。
図1〜図3に示すように、本発明の実施形態に係る車体構造が適用されるトラック1は、キャビン2と荷台デッキ3を有するキャブオーバー型車両であり、キャビン2はトラック1の車両前方側に配置され、荷台デッキ3はキャビン2の車両後方側に配置されている。キャビン2は、側面部を形成するサイドボディパネル21、背面部を形成するキャビンバックパネル22、下面部を形成するフロアパネル23などから構成されており、車両前部に設けられ、運転室を備えたキャビン本体部2Aと、該キャビン本体部2Aの車両後方に設けられ、キャビン2内の車両後方にスペースを有するキャビン拡張部2Bを備えている。このキャビン拡張部2Bは、キャビン2の居住性を向上させるために、車両後方へ拡張して設けられたものである。
本実施形態のキャビン2及び荷台デッキ3の下部には、図2に示すように、車両後方へ向かって車両上方に傾斜する傾斜部4aと、該傾斜部4aの後端側に位置する水平部4bとを有する車体フレーム4が設けられている。また、キャビン2の車両後端の下部には、図2、図3及び図5に示すように、荷台デッキ3と連続した形状を有し、車両後方に開口する空間部Sが設けられており、該空間部Sは、所定の長さにわたり車両前後方向及び車両幅方向に延びた車両側方視で断面四角形状に形成されている。そして、車体フレーム4の傾斜部4aの後端と水平部4bとで形成される屈曲部4cは、車両前後方向で空間部Sの範囲内に配置されている。すなわち、空間部Sは、車体フレーム4の屈曲部4cの車両上方に位置しており、前突時において、キャビン2の車両後端で車体フレーム4が車両上方へ折れ曲がり変形するのを妨げられないようするために設けられている。
本実施形態の車体フレーム4は、図2及び図4〜図6に示すように、車両の左右両側で車両前後方向に延びて配置されており、車両前後に位置する前側フレーム41と後側フレーム42とに分割されて構成されている。これら前側フレーム41及び後側フレーム42は、車両前後方向で空間部Sの範囲内に位置する連結部Wを有しており、該連結部Wは、屈曲部4cの近傍に配置されている。そのため、前側フレーム41及び後側フレーム42は、開口部を車両上方に配置する断面コ字状に形成されており、連結部Wは、前側フレーム41の後端部を後側フレーム42の前端部の内部に配置しながら重ね合わせて接合することによって設けられている。これにより、トラック1の前突時において、車体フレーム4が屈曲部4cを起点として車両上方へ折れ曲がり、空間部S内への変形が許容され、キャビン2のフロントピラー24に衝撃荷重が集中するのが避けられ、キャビン2の変形が抑制されるように構成している。
また、前側フレーム41の上端部には、開口を塞ぐ蓋体43が取付けられており、該蓋体43は、左右両端部が前側フレーム41の上端部よりも外側に位置するような幅寸法を有し、左右両端部が車体フレーム4の内側フランジ43a及び外側フランジ43bとして構成されている。しかも、車体フレーム4の屈曲部4c(連結部Wを含む)に位置する後側フレーム42の車両外側の側面には、キャビン2及び荷台デッキ3を固定するためのボディマウントブラケット44が屈曲部4cを跨ぐように取付けられており、フロアパネル23等は、後述のキャビンロアメンバを介してボディマウントブラケット44の上面部44aにボルトなどの締結具45で固定されている。そして、後述のキャビンロアメンバは、トラック1の前突時において、屈曲部4cを起点として車両上方へ折れ曲がる車体フレーム4の変形により、折れ曲がるように構成されている。
さらに、本実施形態の車体フレーム4の内部には、図4及び図7に示すように、開口部を車両上方に配置する断面コ字状に形成された補強部材5が設けられている。この補強部材5を設けることにより、前側フレーム41の剛性を高め、トラック1の前突時において、車体フレーム4が屈曲部4cを起点として確実に車両上方へ折れ曲がれるようになっている。そのため、補強部材5は、車体フレーム4の屈曲部4cよりも車両前方側の傾斜部4aに位置する前側フレーム41の底面に重ねられた状態で配置されるコ字形状部51と、該コ字形状部51の後端側で屈曲部4cに配置され、車両上方へほぼ直角に折り曲げられるバルク形状部52とを有している。そして、補強部材5の左右両側面は、前側フレーム41の左右両側面にそれぞれ接合されている。
一方、本実施形態の車体構造において、キャビン2の車両後端の下部には、図2及び図5〜図10に示すように、車体剛性を確保しつつ、前突時に入力した衝撃荷重を車両上方へ折れ曲がる車体フレーム4から車両後方に逃がすために設けられたキャビンロアメンバ6が車両幅方向に沿って配置されている。そのため、キャビンロアメンバ6には、変形をコントロールする構造が設けられている。そして、キャビンロアメンバ6は、車両の左右両側に位置する車体フレーム6の車両外側まで延び、キャビン2の側部を構成するサイドボディ21に接合されている。
このようなキャビンロアメンバ6は、車両下方に凸な断面ハット型形状を有し、底面部6a、側面部6b及びフランジ部6cによって構成されている。側面部6bは、ボディマウントブラケット44に固定される底面部6aの車両前後端で立ち上がるように折り曲げられて形成されており、フランジ部6cは、側面部6の上端で車両前後方向の外側へほぼ直角に折り曲げられて形成されている。
しかも、交差する車体フレーム4より車両内側に位置する箇所のキャビンロアメンバ6の底面部6aには、図7〜図10に示すように、車両前後方向へ延びる前後方向ビード61が設けられている。この前後方向ビード61は、前突時に、交差する車体フレーム4が車両上方へ折れ曲がる際に、キャビンロアメンバ6が車体フレーム4より車両内側の位置で折れやすくするために設けられたものであり、車両上方へ突出した湾曲形状に形成されている。
また、本実施形態のキャビン2の車両後端付近のフロアパネル23には、図8に示すように、キャビン2の車両下方のエンジン搭載部(図示せず)へのアクセスポート(開口部)23aが開口して設けられている。そして、アクセスポート23aの車両幅方向の縁部近傍には、前後方向ビード61が設けられている。このような位置関係でアクセスポート23aと前後方向ビード61とを設けることにより、車両上方への車体フレーム4の変形に伴って、キャビンロアメンバ6の変形が確実に行われ、車体フレーム4の変形量が十分に確保されるような構造にしている。
さらに、本実施形態の車体構造において、キャビンロアメンバ6の側面部6bには、図7、図8及び図10に示すように、車両幅方向に沿って延び、一端部の車両外側端部62aが車体フレーム4より車両外側に位置し、他端部の車両内側端部62bが車体フレーム4より車両内側に位置するビード形状の稜線部62が形成されている。すなわち、稜線部62は、車体フレーム4を跨いで連続して設けられており、稜線部62の車両内側端部62bは、前後方向ビード61よりも車両外側の位置に設けられている。また、稜線部62の車両内側端部62bは、前後方向ビード61またはアクセスポート23aの開口縁部との近傍位置に設けられている。しかも、稜線部62の車両内側端部62bは、車体フレーム4の内側フランジ43aの端部との近傍位置に設けられている。そして、稜線部62の車両内側端部62bは、車両内側端部62aよりも低くなるように傾斜して形成されており、前後方向ビード61の高さとほぼ同じ高さに位置している。
このような稜線部62をキャビンロアメンバ6の側面部6bの所定位置に設けることによって、車体フレーム4よりも車両外側の位置でキャビンロアメンバ6に変形が発生するのを防ぐとともに、キャビンロアメンバ6が前後方向ビード61及びアクセスポート23aの開口縁部の近傍位置で確実に折れ曲がり、車体フレーム4の車両上方への変形量が確保されるようになっている。なお、本実施形態のキャビンロアメンバ6の側面部6bには、前後方向ビード61より車両内側に位置し、前後方向ビード61とほぼ同じ高さで車両幅方向に延び、前後方向ビード61に接する横ビード63が形成されている。このような位置に横ビード63が形成されていると、キャビンロアメンバ6がより確実に折れ曲がり、かつ折れ位置もばらつかないことになる。
さらに、本実施形態のキャビンロアメンバ6の車両外側端部64は、図7〜図10に示すように、底壁64aが車両上方に屈曲し、先端部に車両幅方向に延びるフランジ部64bを有している。このフランジ部64bは、サイドボディ(リヤピラーインナパネル)21に接合されており、キャビンロアメンバ6の車両外側端部64に位置するサイドボディ21への接合部の断面箇所では、図10に示すように、キャビン2のフロアパネル23から車両下方へ向かうキャビンロアメンバ6の凸部高さH1が車両内側部の高さH2よりも小さく形成されている(H1<H2)。また、キャビン2の側部を構成するサイドボディ21の後端下部には、車両後方に開口部25aを有する切欠き部25が設けられており、該切欠き部25には、開口部25aを覆うようにリンフォースメント7が設けられている。リンフォースメント7は、切欠き部25の開口部25aの角部で屈曲して形成されている。
すなわち、本実施形態の車体構造は、切欠き部25によってキャビンロアメンバ6の車両外側端部64がサイドボディ21に当接せず、フランジ部64bで接合されていることになり、前突時において、キャビンロアメンバ6が所定の位置で確実に折れ曲がり、かつ切欠き部25の開口部25aを覆うリンフォースメント7の板厚などを選択することによってキャビンロアメンバ6の折れ曲がり量を調整できるように構成されている。
次に、本実施形態の車体構造において、キャビン拡張部2Bを有するトラック1の前突時の動作について説明する。
衝撃荷重がキャビン2の前部に入力されると、入力された衝撃荷重は車体フレーム4に伝達される。それに伴い、車体フレーム4の前部が車両後方へ押圧されることになり、傾斜部4bの後端と水平部4aとで形成され、車両前後方向で空間部Sの範囲内に配置された屈曲部4cを起点として、車体フレーム4が車両上方の空間部Sへ向かって変形しながら折れ曲がる。そして、車体フレーム4がキャビンロアメンバ6に当接し、当接した箇所のキャビンロアメンバ6を車両上方へ押し上げ、前後方向ビード61などを折れ曲げて変形させる。そのため、キャビン2の前部に入力された衝撃荷重は、車両後方に逃げて分散し、車体フレーム4及びキャビンロアメンバ6の変形によって吸収され、キャビン2の変形が抑制されることになる。
このように、本発明の実施形態に係るトラック1の車体構造は、キャビン2と荷台デッキ3を有し、キャビン2内の車両後方にスペースを有するキャビン拡張部2Bが設けられている。また、キャビン2及び荷台デッキ3の下部には、車両後方へ向かって車両上方に傾斜する傾斜部4bと、傾斜部4bの後端側に位置する水平部4aとを有する車体フレーム4が設けられている。さらに、キャビン2の車両後端の下部には、荷台デッキ3と連続した形状を有し、車両後方に開口する空間部Sが設けられ、車体フレーム4の傾斜部4bの後端と水平部4aとで形成される屈曲部4cが、車両前後方向で空間部Sの範囲内に配置されている。
すなわち、本発明の車体構造においては、キャビン拡張部2Bを有するトラック1であっても、空間部Sが屈曲部4cの車両上方に設けられていることにより、前突時に車両前方から衝撃荷重が入力された場合に、キャビン本体部2Aと対応した通常キャビンと共通する車体フレーム4の車両上方への折れ曲がりが妨げられず、キャビン2の車両後方で車体フレーム4の変形が許容されるので、キャビン2に掛かる衝撃荷重を車両後方の車体に効率良く逃がして分散させ、キャビン拡張部2Bが無いトラックと同等の衝突性能を確保することができる。したがって、本発明の車体構造によれば、車両前部に衝撃吸収材を設定するスペースを確保できない場合でも、前突時の衝撃荷重を吸収することができ、キャビン本体部2Aとキャビン拡張部2Bを有するキャビン2の変形を効果的に抑えることが可能となり、キャビン2の被害を低減させることができる。
また、本実施形態の車体構造は、車体フレーム4が、車両の左右両側で車両前後方向に延びているとともに、前側フレーム41と後側フレーム42とに分割されて構成されている。そして、これら前側フレーム41及び後側フレーム42は、車両前後方向で空間部Sの範囲内に位置する連結部Wを有し、連結部Wは、屈曲部4cの近傍に配置されている。したがって、本実施形態の車体構造によれば、前突時に車体フレーム4が連結部W及び屈曲部4cを起点として確実に車両上方へ折れ曲がって変形することになるので、キャビン2のフロントピラー24に前突時の衝撃荷重が集中するのを回避でき、キャビン2が大きく変形するのを防ぐことができる。なお、車体フレーム4が変形できない場合は、前突時の衝撃荷重が、相対的に強度の低いフロントピラー24に集中し、キャビン本体部2Aの前部が大きく変形して車両後方に移動することになり、キャビン2の被害が大きくなる可能性を有している。
さらに、本実施形態の車体構造において、キャビン2の車両後端の下部には、車両下方に凸な断面ハット型形状を有するキャビンロアメンバ6が車両幅方向に沿って配置されている。このキャビンロアメンバ6は、車体フレーム4の車両外側まで延び、キャビン2の側部を構成するサイドボディ21に接合されている。また、交差する車体フレーム4より車両内側に位置するキャビンロアメンバ6の箇所には、車両前後方向へ延びる前後方向ビード61が設けられている。したがって、本実施形態の車体構造では、前突時に折れ曲がる車体フレーム4によって、キャビンロアメンバ6が前後方向ビード61より折れ曲がりやすくなるので、車体フレーム4の必要な折れ曲がり変形量(ピッチング量)を確保することができる。しかも、キャビンロアメンバ6は、前突時以外の場合では折れ曲がらないので、荷物などを載置するトラック1の車体剛性を向上させることができる。
また、本実施形態の車体構造においては、キャビン2の車両後端付近のフロアパネル23に、車両下方へのアクセスポート23aが開口して設けられ、アクセスポート23aの車両幅方向の縁部近傍には、前後方向ビード61が設けられている。したがって、本実施形態の車体構造では、前突時にキャビンロアメンバ6がアクセスポート23aの車両幅方向の縁部近傍に位置する前後方向ビード61により更に折れ曲がりやすくなるので、前突時に車両上方への車体フレーム4の変形に合わせ、キャビンロアメンバ6の変形を確実に許容でき、十分な車体フレーム4の変形量を確保することができる。
そして、本実施形態の車体構造では、キャビンロアメンバ6に、車両幅方向に沿って延び、一端部の車両外側端部62aが車体フレーム4より車両外側に位置し、他端部の車両内側端部62bが車体フレーム4より車両内側に位置する稜線部62が形成されている。この稜線部62は、車体フレーム4を跨いで設けられ、稜線部62の車両内側端部62bは、前後方向ビード61よりも車両外側の位置に設けられている。したがって、本実施形態の車体構造では、稜線部62の両端部に強度差が発生するので、前突時に折れ位置のばらつきを最小限にしながらキャビンロアメンバ6を所定の位置で確実に折ることが可能となり、車体フレーム4及びキャビンロアメンバ6の変形によってキャビン2に掛かる衝撃荷重を低減させることができる。
また、本実施形態の車体構造では、稜線部62の車両内側端部62bが前後方向ビード61またはアクセスポート23aの開口縁部との近傍位置に設けられているので、前突時にキャビンロアメンバ6を前後方向ビード61またはアクセスポート23aの開口縁部との近傍位置で確実に折ることができる。
そして、本実施形態の車体構造では、稜線部62の車両内側端部62bが車体フレーム4の内側フランジ43aの端部との近傍位置に設けられているので、前突時に車体フレーム4よりも車両外側の位置でキャビンロアメンバ6に変形が発生するのを防ぐことができ、車体フレーム4の車両上方への変形量を確保することができる。
さらに、本実施形態の車体構造において、キャビンロアメンバ6の車両外側端部64は、底壁64aが車両上方に屈曲し、先端部に車両幅方向に延びるフランジ部64bを有している。このフランジ部64bはサイドボディ21に接合され、キャビンロアメンバ6の車両外側端部64に位置するサイドボディ21への接合部の断面箇所では、キャビン2のフロアパネル23から車両下方へ向かうキャビンロアメンバ6の凸部高さH1が車両内側部の高さH2よりも小さく形成されている。したがって、本実施形態の車体構造によれば、キャビンロアメンバ6の車両外側端部64がサイドボディ21に当接せず、フランジ部64bで接合されていることになるので、前突時において、キャビンロアメンバ6を所定の位置で確実に変形させることができるとともに、キャビンロアメンバ6の変形量を調整することができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
1 トラック
2 キャビン
2A キャビン本体部
2B キャビン拡張部
3 荷台デッキ
4 車体フレーム
4a 傾斜部
4b 水平部
4c 屈曲部
5 補強部材
6 キャビンロアメンバ
6a 底面部
6b 側面部
21 サイドボディ
23 フロパネル
23a アクセスポート
41 前側フレーム
42 後側フレーム
43 蓋体
43a 内側フランジ
43b 外側フランジ
44 ボディマウントブラケット
61 前後方向ビード
62 稜線部
62a 車両外側端部
62b 車両内側端部
63 横ビード
64 キャビンロアメンバの車両外側端部
64a 底壁
64b フランジ部
S 空間部
W 連結部

Claims (8)

  1. キャビンと荷台デッキを有し、前記キャビン内の車両後方にスペースを有するキャビン拡張部が設けられているトラックの車体構造において、
    前記キャビン及び前記荷台デッキの下部には、車両後方へ向かって車両上方に傾斜する傾斜部と、該傾斜部の後端側に位置する水平部とを有する車体フレームが設けられ、
    前記キャビンの車両後端の下部には、前記荷台デッキと連続した形状を有し、車両後方に開口する空間部が設けられ、
    前記車体フレームの前記傾斜部の後端と前記水平部とで形成される屈曲部が、車両前後方向で前記空間部の範囲内に配置されていることを特徴とする車体構造。
  2. 前記傾斜部の後端が、車両前後方向で前記空間部の範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトラックの車体構造。
  3. 前記車体フレームは、車両の左右両側で車両前後方向に延びているとともに、前側フレームと後側フレームとに分割されて構成されており、これら前側フレーム及び後側フレームは、車両前後方向で前記空間部の範囲内に位置する連結部を有し、該連結部は、前記屈曲部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のトラックの車体構造。
  4. 前記キャビンの車両後端の下部には、車両下方に凸な断面ハット型形状を有するキャビンロアメンバが車両幅方向に沿って配置され、
    該キャビンロアメンバは、前記車体フレームの車両外側まで延び、前記キャビンの側部を構成するサイドボディに接合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトラックの車体構造。
  5. 交差する前記車体フレームより車両内側に位置する前記キャビンロアメンバの箇所には、車両前後方向へ延びる前後方向ビードが設けられており、
    前記キャビンロアメンバには、車両幅方向に沿って延び、一端部が前記車体フレームより車両外側に位置し、他端部が前記車体フレームより車両内側に位置する稜線部が形成されており、該稜線部は、前記車体フレームを跨いで設けられ、前記稜線部の車両内側端部は、前記前後方向ビードよりも車両外側の位置に設けられていることを特徴とする請求項に記載のトラックの車体構造。
  6. 前記キャビンの車両後端付近のフロアパネルには、車両下方への開口部が設けられ、
    該開口部の車両幅方向の縁部近傍には、前記前後方向ビードが設けられており、
    前記稜線部の車両内側端部は、前記前後方向ビードまたは前記開口部の開口縁部との近傍位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のトラックの車体構造。
  7. 前記稜線部の車両内側端部は、前記車体フレームの内側フランジの端部との近傍位置に設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載のトラックの車体構造。
  8. 前記キャビンロアメンバの車両外側端部は、底壁が車両上方に屈曲し、先端部に車両幅方向に延びるフランジ部を有し、該フランジ部は前記サイドボディに接合され、前記キャビンロアメンバの車両外側端部に位置する前記サイドボディへの接合部の断面箇所では、前記キャビンのフロアパネルから車両下方へ向かう前記キャビンロアメンバの凸部高さが車両内側部よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のトラックの車体構造。
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