JP6922345B2 - 積層体およびそれを備える包装袋 - Google Patents
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少なくとも、第1基材層と、蒸着層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備える積層体であって、
前記積層体が、前記第1基材層と前記第2基材層の間に印刷層を備え、かつ前記印刷層と前記蒸着層の間に接着剤層を備え、
前記シーラント層が、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとを含む、積層体が提供される。
本発明による積層体は、少なくとも、第1基材層と、蒸着層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備えるものであり、前記第1基材層と前記第2基材層の間に印刷層を備え、かつ印刷層と蒸着層の間に接着剤層を備える。積層体は、さらに、接着層、ガスバリア性塗布膜や他の層等をさらに備えてもよい。積層体が他の層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
図1に示した積層体10は、第1基材層11と、蒸着層12と、接着剤層13と、印刷層14と、第2基材層15と、接着層16と、シーラント層17とをこの順に備えるものである。積層体10を備える包装袋は、シーラント層17が内面側に位置する。蒸着層12は、透明蒸着膜とすることができる。
図2に示した積層体20は、第1基材層21と、印刷層24と、接着剤層23と、蒸着層22と、第2基材層25と、接着層26と、シーラント層27とをこの順に備えるものである。積層体10を備える包装袋は、シーラント層27が内面側に位置する。蒸着層22は、透明蒸着膜でもよいし、金属蒸着膜でもよい。
以下、積層体を構成する各層について説明する。
本発明による積層体は、第1基材層と、積層体の内側に位置する第2基材層とを少なくとも備えるものである。基材層を少なくとも2層備えることで、包装袋を製造した際に、手切れ性や強度を向上させることができる。
第2基材層が延伸ナイロンフィルムである場合、第2基材層に用いる延伸ナイロンフィルムは、引張強度が、MD方向で、好ましくは150MPa以上350MPa以下、より好ましくは200MPa以上300MPa以下、TD方向で、好ましくは150MPa以上400MPa以下、より好ましくは200MPa以上350MPa以下であり、また、引張伸度が、MD方向で、好ましくは50%以上200%以下、より好ましくは70%以上150%以下であり、TD方向で好ましくは30%以上200%以下、より好ましくは50%以上150%以下である。また、第2基材層が延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合、引張強度や引張伸度は第1基材層と同じにすることができる。
上記の引張強度および引張伸度は、JIS K 7127に準拠して測定することができる。
本発明による積層体は、包装袋を製造する際に、最内層となるシーラント層を備えるものである。シーラント層は、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、低密度ポリエチレン(LDPE)とを含むものであり、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンをさらに含んでもよい。また、低密度ポリエチレンは、バイオマス由来であってもよいし、化石燃料由来であってもよい。
Pbio(%)=PC14/105.5×100
なお、PMCとは、Percent Modern Carbonの略である。
蒸着層は、透明蒸着膜または金属蒸着膜からなる層とすることができ、透明蒸着膜からなる層であることが好ましい。蒸着膜は、従来公知の方法により形成することができ、その組成および形成方法は特に限定されない。積層体が、蒸着層を備えることで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を付与ないし向上させることができる。なお、積層体は、蒸着層を2層以上備えてもよい。蒸着層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
必要に応じて、上記蒸着膜の上にガスバリア性塗布膜を設けてもよい。ガスバリア性塗布膜は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制する層として機能する層である。ガスバリア性塗布膜は、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物により得られる。
印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者などの表示、その他などの表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様などの所望の任意の印刷模様を形成する層である。印刷層は、第1基材層または第2基材層の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。印刷層は、蒸着層上に直接設けないことで手切れ性やバリア性を向上させることができる。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、その形成方法は特に限定されない。
第1基材層と第2基材層の間には接着剤層が設けられる。接着剤層は、ドライラミネート法により2層を接着する場合、積層される側の層の表面に、接着剤を塗布して乾燥させることにより形成することができる。接着剤としては、例えば、1液型あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などの接着剤を用いることができる。2液硬化型の接着剤としては、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を用いることができる。上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
接着層は、任意の2層を接着する場合に設けられる層であり、第2基材層とシーラント層の間に設けたりすることができる。
本発明による積層体は、他の層として、熱可塑性樹脂層等をさらに備えていてもよい。熱可塑性樹脂層としては、接着樹脂層と同じ材料を用いることができる。
本発明による積層体の製造方法は特に限定されず、ドライラミネート法、サンドラミネート法等の従来公知の方法を用いて製造することができる。
本発明による包装袋は、上記積層体を備えるものであり、ボイル殺菌用として好適に使用することができる。例えば、上記積層体を使用し、これを二つ折にするか、又は該積層体2枚を用意し、そのシーラント層の面を対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋を製造することができる。
図3に示した四方袋30は、壁面フィルム(上記積層体を使用する)31、31′のシーラント層同士を対向させて配置し、外周周辺の上方以外の三方の端部をヒートシールして周縁シール部32を形成する。上方の開口部から内容物33を充填した後、例えば、脱気等した後に、上方の端部をヒートシールして上端シール部34を形成することで、内容物33を密封した四方袋30が得られる。なお、上述の例では、2枚の壁面フィルムを用いて四方袋30を構成する例について説明したが、1枚のフィルムを用いて包装袋を構成するようにしてもよい。
<積層体1の作製>
第2基材層として2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm、ユニチカ(株)製、商品名:エンブレムONBC)を準備し、該ナイロンフィルムの一方の面にグラビア印刷により印刷層を形成した。続いて、該ナイロンフィルムの印刷面と、PVD法を用いて酸化ケイ素の蒸着膜が形成された第1基材層である化石燃料由来の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm、三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアVX)の蒸着面とを2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−5)を用いて貼り合わせて、積層フィルム1を得た。また、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(軟化点:108℃、密度:0.918g/cm3、MFR:3.8g/10分、バイオマス度:0%)60質量部と、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(軟化点:93℃、密度:0.924g/cm3、MFR:2.0g/10分、バイオマス度:0%)20質量部と、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(軟化点:112℃、ブラスケム社製、商品名:SLL118、密度:0.916g/cm3、MFR:1.0g/10分、バイオマス度87%)20質量部とを溶融混練して、樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物を、上吹き空冷インフレーション共押出製膜機により成膜して、シーラント層用のポリエチレンフィルム1(厚さ60μm、バイオマス度:17.4%)を得た。次に、上記積層フィルム1のナイロンフィルム面と、ポリエチレンフィルム1とを2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−5)を用いて貼り合わせて、第1基材層、蒸着層、接着剤層、印刷層、第2基材層、接着剤層、およびシーラント層が順に積層された積層体1を得た。
<積層体2の作製>
シーラント層用のポリエチレンフィルム1の配合を、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン70質量部、化石燃料由来の低密度ポリエチレン10質量部、およびバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン20質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、積層体2を得た。
<積層体3の作製>
シーラント層用のポリエチレンフィルム1の配合を、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン55質量部、化石燃料由来の低密度ポリエチレン25質量部、およびバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン20質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、積層体3を得た。
<積層体4の作製>
第2基材層として2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm、ユニチカ(株)製、商品名:エンブレムONBC)を準備し、該ナイロンフィルムの一方の面にCVD法により酸化ケイ素を蒸着させた。また、第1基材層である化石燃料由来の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)の一方の面にグラビア印刷により印刷層を形成した。続いて、該ナイロンフィルムの蒸着面と、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの印刷面とを2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−5)を用いて貼り合わせて、積層フィルム2を得た。次に、上記積層フィルム2のナイロンフィルム面と、上記ポリエチレンフィルム1とを2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−5)を用いて貼り合わせて、第1基材層、印刷層、接着剤層、蒸着層、第2基材層、接着層、およびシーラント層が順に積層された積層体4を得た。
<積層体5の作製>
酸化ケイ素の蒸着膜が形成された第1基材層である化石燃料由来の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm、三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアVX)の蒸着面にグラビア印刷により印刷層を形成した。続いて、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの印刷面と第2基材層である2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm、ユニチカ(株)製、商品名:エンブレムONBC)を2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−5)を用いて貼り合わせて、積層フィルム3を得た。次に、上記積層フィルム3のナイロンフィルム面と、上記ポリエチレンフィルム1とを2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−5)を用いて貼り合わせて、第1基材層、蒸着層、印刷層、接着剤層、第2基材層、接着剤層、およびシーラント層が順に積層された積層体5を得た。
<積層体6の作製>
酸化ケイ素の蒸着膜が形成された第1基材層である化石燃料由来の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm、三菱樹脂(株)製、商品名:テックバリアVX)の蒸着面と第2基材層である2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm、ユニチカ(株)製、商品名:エンブレムONBC)を2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−5)を用いて貼り合わせて、積層フィルム4を得た。次に、上記積層フィルム4のナイロンフィルム面にグラビア印刷により印刷層を形成して積層フィルム5を得た。次に、積層フィルム5の印刷面と上記ポリエチレンフィルム1とを2液硬化型接着剤(ロックペイント(株)製、RU−40/H−5)を用いて貼り合わせて、第1基材層、蒸着層、接着剤層、第2基材層、印刷層、接着剤層、およびシーラント層が順に積層された積層体6を得た。
実施例1で得られた積層体を壁面フィルムとして用い、シーラント層同士を対向させて配置し、周縁部および上端部をヒートシールして、図3に示す四方袋を作製した。同様にして、実施例2〜4および比較例1〜2で得られた積層体を用いて図3に示す四方袋を作製した。
上記で得られた四方袋をカットしたときの手切れ性を確認した。
(評価基準)
○:過度に力を掛けることなくカットすることができた。
×:過度に力を掛けないとカットすることができなかった。
11、21 第1基材層
12、22 蒸着層
13、23 接着剤層
14、24 印刷層
15、25 第2基材層
16、26 接着層
17、27 シーラント層
30 四方袋
31、31′壁面フィルム(積層体)
32 周縁シール部
33 内容物
34 上端シール部
Claims (9)
- 少なくとも、第1基材層と、蒸着層と、接着剤層と、印刷層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備える積層体であって、
前記シーラント層が、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとを含み、
前記蒸着膜が透明蒸着膜である、積層体。 - 前記シーラント層中の低密度ポリエチレンの含有量が、5質量%以上25質量%以下である、請求項1に記載の積層体。
- 前記シーラント層が、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンをさらに含む、請求項1または2に記載の積層体。
- 前記シーラント層が、前記バイオマス由来および/または化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンを合計で75質量%以上95質量%以下含む、請求項3に記載の積層体。
- 前記シーラント層のバイオマス度が、5%以上30%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記第1基材層が、ポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記第2基材層が、ポリアミドを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記蒸着層の面上にガスバリア性塗布膜を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装袋。
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