JP7167449B2 - 積層体およびそれを備える包装袋 - Google Patents
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Description
まず、本実施の形態が解決しようとする課題について説明する。
従来、飲食品、医薬品、化学品、化粧品、その他等の種々の物品を充填包装するために、種々の包装用材料が開発され、提案されている。そのような包装用材料においては、包装目的、充填する内容物、包装製品の貯蔵・流通、その他等によって異なるが、包装用材料として、種々の物性が要求される。
続いて、本実施の形態による積層体について説明する。
本実施の形態による積層体は、少なくとも、第1基材層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備え、且つ、第1基材層と第2基材層との間、又は第2基材層とシーラント層との間に位置し、無機物を含むバリア層を更に備える。積層体は、更に、接着剤層、印刷層や他の層等を備えてもよい。積層体が接着剤層や他の層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
本実施の形態による積層体は、第1基材層と、第1基材層よりも積層体の内面側に位置する第2基材層とを少なくとも備える。基材層を少なくとも2層備えることで、包装袋を製造した際に、手切れ性や強度を向上させることができる。
第1基材層は、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも記す)を含む。バイオマス由来のPETとは、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするPETである。第1基材層は、化石燃料由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とする、化石燃料由来のPETをさらに含んでもよい。第1基材層全体として、下記のバイオマス度を実現できればよい。本実施の形態においては、第1基材層がバイオマス由来のPETを含むことで、従来に比べて化石燃料由来のPETの量を削減し環境負荷を減らすことができる。
Pbio(%)=PC14/105.5×100
(第2基材層の第1の構成)
第1の構成に係る第2基材層は、ナイロン等のポリアミドを含む樹脂層である。第2基材層は延伸されていることが好ましく、2軸延伸されていることがより好ましい。
第1の構成に係る第2基材層は、主成分としてポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとも記す)を含む。例えば、第2基材層は、51質量%以上のPBTを含む。
第3の構成に係る第2基材層は、ブチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステルを含む。例えば、第2基材層は、グリコール成分としての1,4-ブタンジオール、又はそのエステル形成性誘導体と、二塩基酸成分としてのテレフタル酸、又はそのエステル形成性誘導体を主成分とし、それらを縮合して得られるホモ、またはコポリマータイプのポリエステルを含む。第3の構成に係る第2基材層におけるPBTの含有率は、51質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、さらには80質量%以上が好ましく、最も好ましくは90質量%以上である。また、第3の構成に係る第2基材層は、ポリブチレンテレフタレートと添加剤のみで構成されていることが好ましい。
また、第2基材層は、高い強度を有する。このため、包装袋を構成する包装用材料8がナイロンを含む場合と同様に、包装袋に耐突き刺し性を持たせることができる。
シーラント層は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレンから選択される1種または2種以上の樹脂を含む。シーラント層は、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラント層は、好ましくは無延伸のフィルムからなる。
次に、バリア層について説明する。
図1及び図2に示す積層体のバリア層を構成する金属箔としては、従来公知の金属箔を用いることができる。酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光および紫外線等の透過を阻止する遮光性の点からは、アルミニウム箔が好ましい。金属箔の厚さは、例えば5μm以上且つ15μm以下である。
図3及び図4に示す積層体のバリア層を構成する蒸着層は、従来公知の方法により形成することができる蒸着膜からなる層である。蒸着層を備えることで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を、付与ないし向上させることができる。なお、バリア層は、蒸着層を2層以上備えてもよい。蒸着層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
バリア層が透明蒸着膜を含む場合、内容物の透過性を保ちながら、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を付与ないし向上させることができる。
必要に応じて、上記の蒸着層の上にガスバリア性塗布膜を設けてもよい。ガスバリア性塗布膜は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制する層として機能する塗膜である。ガスバリア性塗布膜は、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1~8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ-ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ-ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物により得られる。
印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者などの表示、その他などの表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様などの所望の任意の印刷模様を形成する層である。印刷層は、必要に応じて設けることができ、例えば、第1基材層と金属蒸着層の間に設けることができる。印刷層は、第1基材層の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、その形成方法は特に限定されない。
接着剤層は、ドライラミネート法により2層を接着する場合、積層される側の層の表面に、接着剤を塗布して乾燥させることにより形成することができる。接着剤としては、例えば、1液型あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などの接着剤を用いることができる。2液硬化型の接着剤としては、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物を用いることができる。上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布することができる。
本実施の形態による積層体は、他の層として、熱可塑性樹脂層等をさらに備えていてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイでを含む)などを用いることができる。
本実施の形態による積層体の製造方法は特に限定されず、ドライラミネート法等の従来公知の方法を用いて製造することができる。
本実施の形態によれば、ガスバリア性を有し、且つ環境負荷を低減することができる積層体を提供することができる。
本実施の形態による包装袋は、上記積層体を備えるものであり、レトルト殺菌用又はボイル殺菌用として好適に使用することができる。例えば、上記積層体を使用し、これを二つ折にするか、又は該積層体を2枚用意し、表側の積層体のシーラント層の面と裏側の積層体のシーラント層の面とを対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋を製造することができる。また、表側の積層体と裏側の積層体との間に、折り返された状態の積層体を挿入した状態でヒートシールを行い、ガセット型の包装袋を製造することもできる。なお、包装袋を構成する積層体の全てが、本実施の形態による上記積層体でなくてもよい。すなわち、包装袋を構成する積層体の少なくとも一部分が、バイオマス由来のPETを含む第1基材層を有する積層体であればよく、包装袋を構成する積層体のその他の部分が、化石燃料由来のPETからなる第1基材層を含む積層体であってもよい。
図6に示したスタンディングパウチ50においては、パウチ50の底部52を、上記積層体からなる表面フィルム54及び裏面フィルム55の下部の間に底面フィルム56(表面フィルム及び裏面フィルムと同じてあっても異なっていてもよい)を内側に折り返し部561まで挿入してなるガセット部を有する形式で形成する。また、内側に折り込まれた底面フィルム56の両側下端近傍には、半円形の切り欠き部561を設ける。そして、ガセット部を、内側が両側から中央部にかけて湾曲線状に凹状となる船底形の底部シール部521でヒートシールして形成する。また、パウチの胴部は、表面フィルム54及び裏面フィルム55の両側の側部53を側部シール部531でヒートシールして形成する。また、パウチ50の上部51は、上部シール部511でヒートシールするが、この部分は内容物58の充填口に使用するため、内容物58の充填前は未シールの開口部とし、内容物58の充填後にヒートシールするものである。なお、上述の例では、表面フィルム54、裏面フィルム55及び底面フィルム56という3枚の積層体を用いてスタンディングパウチ50を構成する例について説明したが、スタンディングパウチ50を構成する積層体の枚数は特には限定されない。
上述の第1の実施の形態においては、積層体がバリア層を備える構成について示した。本実施の形態においては、積層体がバリア層を備えない例について説明する。図8は、第2の実施の形態に係る積層体20の一例を示す模式断面図である。
図8に示す積層体20は、積層体20がバリア層24を備えない点が異なるのみであり、その他の点は、図3に示す上述の第1の実施の形態に係る積層体と略同一である。本実施の形態において、図3に示す上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
なお、上述の第1の実施の形態に係る積層体10の第1基材層11、及び積層体20の第1基材層21の「バイオマス度」も、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量を測定した値ではなく、バイオマス由来成分の重量比率で示されてもよい。
これらのバイオマス度の値をバイオマス由来成分の重量比率に基づいて示すと以下の通りである。
第1の実施の形態の第1基材層、及び第2の実施の形態の第1基材層のいずれにおいても、バイオマス由来成分の重量比率に基づくバイオマス度が、15%以上32%以下であることが好ましく、15%以上30%以下であってもよい。
ポリエステルポリオールがバイオマス由来成分を含む場合、多官能アルコールおよび多官能カルボン酸の少なくともいずれか一方がバイオマス由来成分を含む。バイオマス由来成分を含むポリエステルポリオールとして以下の例を挙げることができる。
・バイオマス由来の多官能アルコールとバイオマス由来の多官能カルボン酸との反応物
・化石燃料由来の多官能アルコールとバイオマス由来の多官能カルボン酸との反応物
・バイオマス由来の多官能アルコールと化石燃料由来の多官能カルボン酸との反応物
バイオマス由来のブチレングリコールは、植物原料からグリコールを製造し発酵することで得られたコハク酸を得て、これを水添することによって製造することができる。
バイオマス由来のエチレングリコールは、例えば、常法によって得られるバイオエタノールからエチレンを経て製造することができる。
ポリエーテルポリオールがバイオマス由来成分を含む場合、多官能アルコールおよび多官能イソシアネートの少なくともいずれか一方がバイオマス由来成分を含む。バイオマス由来成分を含むポリエーテルポリオールとして以下の例を挙げることができる。
・バイオマス由来の多官能アルコールとバイオマス由来の多官能イソシアネートとの反応物
・化石燃料由来の多官能アルコールとバイオマス由来の多官能イソシアネートとの反応物
・バイオマス由来の多官能アルコールと化石燃料由来の多官能イソシアネートとの反応物
着色剤としては、特に限定されず、従来公知の顔料や染料を用いることができる。
例えば、図1または図2に示す積層体10において、接着剤層16、17、18のいずれか1つのみが、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。若しくは、接着剤層16、17、18のうちの2つが、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。若しくは、接着剤層16、17、18の全てが、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。若しくは、接着剤層16、17、18の全てが、バイオマス由来成分を含んでいなくてもよい。
または、図3または図4に示す積層体20において、接着剤層26、27のいずれか1つのみが、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。若しくは、接着剤層26、27のいずれもが、バイオマス由来成分を含んでいてもよい。若しくは、接着剤層26、27のいずれもが、バイオマス由来成分を含んでいなくてもよい。
第1基材層として、化石燃料由来のテレフタル酸とバイオマス由来のエチレングリコール(バイオマスポリエステル)を用いて製膜した、二軸延伸されたPETフィルム(放射性炭素(C14)測定に基づくバイオマス度:13%、厚さ12μm)を準備した。続いて、PETフィルムのうち包装袋を構成する際に内面側に位置する面に、グラビア印刷により印刷層を形成した。また、第2基材層として、上述の第1の構成で説明した、2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を準備した。また、バリア層として、アルミニウム箔(東洋アルミニウム製、厚さ7μm)を準備した。また、シーラント層として、無延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工製、ZK-100、厚さ70μm)を準備した。
バイオPET/印/DL/ONy/DL/ALM/DL/CPP
「/」は層と層の境界を表している。左端の層が、積層体の外面を構成する層であり、右端の層が、積層体の内面を構成する層である。
「バイオPET」は、バイオマス由来のPETを意味する。「印」は、印刷層を意味する。「DL」は、接着剤を含む接着剤層を意味する。「ONy」は、ナイロンを意味する。「ALM」は、アルミニウム箔を意味する。「CPP」は、無延伸ポリプロピレンフィルムを意味する。
第2基材層として、上述の第2の構成で説明した、主成分としてPBTを含む複数の層31を有するPBTフィルムを用いたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、図1に示す積層体10を作製した。各層31におけるPBTの含有率は80%であり、層31の層数は1024であり、第2基材層の厚さは15μmであった。積層体10の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET/印/DL/PBT(第2の構成)/DL/ALM/DL/CPP
第2基材層として、上述の第3の構成で説明した、51質量%のPBTを含み、PBTの融点が224℃、IV値が1.26dl/gであり、チューブラー法で作製された単層のPBTフィルムを用いたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、図1に示す積層体10を作製した。第2基材層はPBT及び添加剤のみで構成される単層のフィルムであり、第2基材層の厚さは15μmであった。積層体10の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET/印/DL/PBT(第3の構成)/DL/ALM/DL/CPP
第1基材層として、化石燃料由来のテレフタル酸と化石燃料由来のエチレングリコールを用いて製膜した、二軸延伸されたPETフィルム(バイオマス度:0%、東洋紡製、E5102、厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例1の場合と同様にして、図1に示す積層体10を作製した。積層体10の層構成は、以下のように表現される。
化石PET/印/DL/ONy/DL/ALM/DL/CPP
「化石PET」は、化石燃料由来のPETを意味する。
第1基材層として、化石燃料由来のテレフタル酸とバイオマス由来のエチレングリコール(バイオマスポリエステル)を用いて製膜した、二軸延伸されたPETフィルム(放射性炭素(C14)測定に基づくバイオマス度:13%、厚さ12μm)を準備した。続いて、PETフィルムのうち包装袋を構成する際に内面側に位置する面に、厚さ170Åの酸化アルミニウムの蒸着層を形成した。続いて、蒸着層の上に、乾燥状態で厚さが0.3μmのガスバリア性塗布膜を形成した。続いて、ガスバリア性塗布膜の上に、グラビア印刷により印刷層を形成した。このようにして、蒸着層、ガスバリア性塗布膜及び印刷層がこの順で内面側に形成されたPETフィルムを得た。
バイオPET/蒸着層/塗布膜/印/DL/ONy/DL/CPP
第2基材層として、上述の第2の構成で説明した、主成分としてPBTを含む複数の層31を有するPBTフィルムを用いたこと以外は、実施例4の場合と同様にして、図3に示す積層体20を作製した。各層31におけるPBTの含有率は80%であり、層31の層数は1024であり、第2基材層の厚さは15μmであった。積層体20の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET/蒸着層/塗布膜/印/DL/PBT(第2の構成)/DL/CPP
第2基材層として、上述の第3の構成で説明した、51質量%のPBTを含み、PBTの融点が224℃、IV値が1.26dl/gであり、チューブラー法で作製された単層のPBTフィルムを用いたこと以外は、実施例4の場合と同様にして、図3に示す積層体20を作製した。第2基材層はPBT及び添加剤のみで構成される単層のフィルムであり、第2基材層の厚さは15μmであった。積層体20の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET/蒸着層/塗布膜/印/DL/PBT(第3の構成)/DL/CPP
第1基材層として、化石燃料由来のテレフタル酸と化石燃料由来のエチレングリコールを用いて製膜した、二軸延伸されたPETフィルム(バイオマス度:0%、東洋紡製、E5102、厚さ12μm)を用いたこと以外は、実施例4の場合と同様にして、図3に示す積層体20を作製した。積層体20の層構成は、以下のように表現される。
化石PET/蒸着層/塗布膜/印/DL/ONy/DL/CPP
実施例1~6及び比較例1~2の積層体の突き刺し強度を、JIS Z1707 7.4に準拠して測定した。測定器は、A&D製のテンシロン万能材料試験機RTC-1310を用いた。具体的には、固定されている状態の積層体の試験片に対して、外面側(第1基材層側)から、直径1.0mm、先端形状が半径0.5mmの半球形の針を、50mm/分(1分あたり50mm)の速度で突き刺し、針が積層体を貫通するまでの応力の最大値を測定した。5個以上の試験片について、応力の最大値を測定し、その平均値を積層体の突き刺し強度とした。測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%とした。結果を図7に示す。
実施例1~6及び比較例1~2の積層体の酸素透過度を、JISK7126-1に準拠した23℃×90%RH環境下でMOCON法を用いて測定した。また、実施例1~6及び比較例1~2の積層体の水蒸気透過度を、JISK7129Bに準拠した40℃×90%RH環境下でMOCON法を用いて測定した。結果を図7に示す。
実施例1~6及び比較例1~2の積層体をそれぞれ2枚準備し、2枚の積層体の内面同士を部分的にヒートシールした。その後、23℃の雰囲気下において、15mm幅における積層体間のシール強度を、JIS 1707 7.5に準拠して測定した。結果を図7に示す。
実施例1~6及び比較例1~2の積層体を用いてスタンディングパウチを作製した。内容物としては、水を充填した。続いて、スタンディングパウチを121℃で40分加熱するレトルト殺菌処理を施した。その後、スタンディングパウチの外観に白化が見られるかどうかを確認した。結果を図7に示す。図7において、「good」は、目視にて白化が確認されなかったことを意味する。また、「bad」は、目視にて白化が確認されたことを意味する。
蒸着層及び塗布膜からなるバリア層、及び印刷層を設けなかったこと、並びに、シーラント層として、無延伸ポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工製、ZK-500、厚さ60μm)を用いたこと以外は、実施例4の場合と同様にして、積層体を作製した。積層体の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET/DL/ONy/DL/CPP
シーラント層として、ポリエチレンフィルム(厚さ50μm)を準備したこと以外は、実施例7の場合と同様にして、積層体を作製した。ポリエチレンフィルムとしては、下記のように作製されるものを用いた。まず、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.918g/cm3、MFR:3.8g/10分、バイオマス度:0%)90質量部と、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度:0.924g/cm3、MFR:2.0g/10分、バイオマス度:0%)10質量部とを溶融混練して、樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物を、上吹き空冷インフレーション共押出製膜機により成膜して、シーラント層用の単層のポリエチレンフィルム(バイオマス度:0%)を得た。
積層体の層構成は、以下のように表現される。
バイオPET/DL/ONy/DL/PE
「PE」は、ポリエチレンフィルムを意味する。
11、21 第1基材層
12、22 第2基材層
13、23 シーラント層
14、24 バリア層
141 金属箔
241 蒸着層
242 ガスバリア性塗布膜
15、25 印刷層
16、17、18、26、27 接着剤層
50 スタンディングパウチ
Claims (5)
- 少なくとも、第1基材層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備える積層体であって、
前記第1基材層は、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするポリエチレンテレフタレートを含み、
前記第2基材層は、ポリアミド又はポリブチレンテレフタレートを含み、
前記シーラント層は、単層であり、
前記シーラント層は、ポリエチレンと、プロピレン・エチレンブロック共重合体と、を含み、
前記シーラント層におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体の含有率が80質量%以上であり、
前記積層体は、前記第1基材層と前記第2基材層との間、又は前記第2基材層と前記シーラント層との間に位置し、無機物を含むバリア層を更に備え、
前記バリア層は、金属箔を含む、積層体。 - 少なくとも、第1基材層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備える積層体であって、
前記第1基材層は、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするポリエチレンテレフタレートを含み、
前記第2基材層は、ポリアミド又はポリブチレンテレフタレートを含み、
前記シーラント層は、単層であり、
前記シーラント層は、ポリエチレンと、プロピレン・エチレンブロック共重合体と、を含み、
前記シーラント層におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体の含有率が80質量%以上であり、
前記シーラント層は、さらに熱可塑性エラストマーを含み、
前記積層体は、前記第1基材層と前記第2基材層との間、又は前記第2基材層と前記シーラント層との間に位置し、無機物を含むバリア層を更に備え、
前記バリア層は、金属箔を含む、積層体。 - 少なくとも、第1基材層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備える積層体であって、
前記第1基材層は、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするポリエチレンテレフタレートを含み、
前記第2基材層は、ポリアミド又はポリブチレンテレフタレートを含み、
前記シーラント層は、ポリエチレンと、プロピレン・エチレンブロック共重合体と、を含み、
前記シーラント層におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体の含有率が80質量%以上であり、
前記積層体は、前記第1基材層と前記第2基材層との間、又は前記第2基材層と前記シーラント層との間に位置し、無機物を含むバリア層を更に備え、
前記バリア層は、金属箔を含む、積層体。 - 前記金属箔は、前記第2基材層と前記シーラント層との間に位置し、
前記積層体は、前記第2基材層と前記金属箔との間、及び前記金属箔と前記シーラント層との間に接着剤層を備える、請求項3に記載の積層体。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層体を備える、包装袋。
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