JP2020142858A - 包装材料及び包装材料を備えるパウチ - Google Patents

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Abstract

【課題】落下強度及び突き刺し強度に優れる包装材料を提供する。【解決手段】包装材料は、外面側から内面側へ順に、第1の二軸延伸プラスチックフィルム、第2の二軸延伸プラスチックフィルム及びシーラント層を少なくとも備える。第1の二軸延伸プラスチックフィルム及び第2の二軸延伸プラスチックフィルムは、ポリエステルを主成分として含む。包装材料の1つの方向におけるループスティフネスは、0.150N未満であり、包装材料の突き刺し強度は、14.0N以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、包装材料及び包装材料を備えるパウチに関する。
従来、飲食品、医薬品、化学品、化粧品、衛生用品、日用品その他等の種々の物品を充填包装する包装製品を構成するための包装材料として、種々の包装材料が開発され、提案されている。包装材料は、基材としてプラスチックフィルムを含む。例えば特許文献1は、包装材料が、ポリエチレンテレフタレートを含む2つの基材を備える例を開示している。
実用新案出願公開平2−8784号公報
包装材料には、落下強度及び突き刺し強度が求められることがある。落下強度は、包装材料を備える包装容器が落下した場合に包装材料に破れなどの破損が生じることを抑制するために必要になる。突き刺し強度は、先端が尖った鋭利な部材が包装容器に接触した場合に包装容器が破けてしまうことを抑制するために必要になる。特許文献1に記載されているような、ポリエチレンテレフタレートを含む2つの基材を備える包装材料においては、突き刺し強度が不足する場合があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、落下強度及び突き刺し強度に優れる包装材料を提供することを目的とする。
本発明は、外面側から内面側へ順に、第1の二軸延伸プラスチックフィルム、第2の二軸延伸プラスチックフィルム及びシーラント層を少なくとも備える包装材料であって、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルム及び前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムは、ポリエステルを主成分として含み、前記包装材料の1つの方向におけるループスティフネスは、0.150N未満であり、前記包装材料の突き刺し強度は、14.0N以上である、包装材料である。
本発明による包装材料において、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルム及び前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムはいずれも、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含んでいてもよい。
本発明による包装材料は、印刷層を備えていてもよい。
本発明による包装材料は、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムの面上又は前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムの面上に位置する蒸着層と、前記蒸着層上に位置するガスバリア性塗布膜と、を備えていてもよい。
本発明による包装材料において、前記包装材料の突き刺し強度が16.0N以上であってもよい。
本発明による包装材料において、前記シーラント層は、ポリプロピレンを主成分として含んでいてもよい。
本発明による包装材料において、前記シーラント層は、100℃以上の融点を有するポリエチレンを含んでいてもよい。
本発明による包装材料において、前記シーラント層は、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分とする第1層と、第1層よりも内面側に位置し、ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂を含む第2層と、を有していてもよい。
本発明による包装材料は、上記記載の包装材料を備えるレトルトパウチである。
本発明による包装材料は、収容部を有する電子レンジ用パウチであって、上記記載の包装材料と、前記包装材料の内面同士を接合するシール部であって、前記収容部の圧力の増加により剥離することができるように構成されている蒸気抜きシール部を含むシール部と、を備える電子レンジ用パウチである。
本発明によれば、落下強度及び突き刺し強度に優れる包装材料を提供することができる。
本発明の実施の形態における袋を示す正面図である。 袋を構成する包装材料の層構成の一例を示す断面図である。 袋を構成する包装材料の層構成の一変形例を示す断面図である。 袋を構成する包装材料の層構成の一変形例を示す断面図である。 ループスティフネス測定器の一例を示す平面図である。 図5のループスティフネス測定器の線VI-VIに沿った断面図である。 ループスティフネス測定器で用いられる試験片を準備する方法の一例を示す図である。 ループスティフネス測定器に試験片を取り付ける工程を説明するための図である。 試験片にループ部を形成する工程を説明するための図である。 試験片のループ部に荷重を加える工程を説明するための図である。 試験片のループ部に荷重を加える工程を説明するための図である。 シーラント層の層構成の一例を示す図である。 二軸延伸プラスチックフィルムの面上に成膜された透明蒸着層を、飛行時間型二次イオン質量分析計により分析した結果の一例を示す図である。 袋に内容物を充填する方法の一例を示す図である。 袋の一変形例を示す正面図である。 袋の一変形例を示す正面図である。 袋の一変形例を示す正面図である。 包装材料を含む容器の一例を示す縦断面図である。 包装材料を含む容器の一例を示す平面図である。 突き刺し強度の測定方法の一例を示す図である。 実施例A1〜A3の評価結果を示す図である。 比較例1〜3の評価結果を示す図である。 実施例B1〜B3の評価結果を示す図である。 実施例C1〜C3の評価結果を示す図である。
図1乃至図14を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1は、本実施の形態による袋10を示す正面図である。袋10は、内容物を収容する収容部17を備える。なお、図1においては、内容物が収容される前の状態の袋10が示されている。以下、袋10の構成について説明する。

本実施の形態において、袋10は、袋10の表側のフィルムと裏側のフィルムとを接合することによって作製される、いわゆる平パウチである。袋10は、上部11、下部12及び一対の側部13を含み、正面図において略矩形状の輪郭を有する。なお、「上部」、「下部」及び「側部」などの名称、並びに、「上方」、「下方」などの用語は、内容物を充填するための開口部が上部に位置する状態を基準として袋10やその構成要素の位置や方向を相対的に表したものに過ぎない。袋10の輸送時や使用時の姿勢などは、本明細書における名称や用語によっては限定されない。
本実施の形態においては、袋10の幅方向を、第1方向D1とも称する。上述の一対の側部13は、第1方向D1において対向している。また、第1方向D1に直交する方向を、第2方向D2とも称する。本実施の形態の袋10においては、第1方向D1に沿って消費者が袋10を引き裂くことにより袋10を開封する、という使用形態が想定されている。
図1に示すように、袋10は、表面を構成する表面フィルム14、及び、裏面を構成する裏面フィルム15を備える。
なお、上述の「表面フィルム」及び「裏面フィルム」という用語は、位置関係に応じて各フィルムを区画したものに過ぎず、袋10を製造する際のフィルムの提供方法が、上述の用語によって限定されることはない。例えば、袋10は、表面フィルム14と裏面フィルム15とが連設された1枚のフィルムを用いて製造されてもよく、1枚の表面フィルム14と1枚の裏面フィルム15の計2枚のフィルムを用いて製造されてもよい。
表面フィルム14及び裏面フィルム15は、内面同士がシール部によって接合されている。図1などの袋10の正面図においては、シール部にハッチングが施されている。
図1に示すように、シール部は、袋10の外縁に沿って延びる外縁シール部を有する。外縁シール部は、下部12に沿って延びる下部シール部12a、及び、一対の側部13に沿って延びる一対の側部シール部13aを含む。なお、内容物が収容される前の状態の袋10においては、図1に示すように、袋10の上部11は開口部11bになっている。袋10に内容物を収容した後、表面フィルム14の内面と裏面フィルム15の内面とを上部11において接合することにより、上部シール部が形成されて袋10が封止される。
下部シール部12a、側部シール部13a及び上部シール部は、表面フィルム14の内面と裏面フィルム15の内面とを接合することによって構成されるシール部である。
対向するフィルム同士を接合して袋10を封止することができる限りにおいて、シール部を形成するための方法が特に限られることはない。例えば、加熱などによってフィルムの内面を溶融させ、内面同士を溶着させることによって、すなわちヒートシールによって、シール部を形成してもよい。若しくは、接着剤などを用いて対向するフィルムの内面同士を接着することによって、シール部を形成してもよい。
易開封性手段
表面フィルム14及び裏面フィルム15には、表面フィルム14及び裏面フィルム15を第1方向D1に沿って引き裂いて袋10を開封するための易開封性手段25が設けられていてもよい。例えば図1に示すように、易開封性手段25は、袋10の側部シール部13aに形成された、引き裂きの起点となるノッチ26を含んでいてもよい。また、袋10を引き裂く際の経路となる部分には、易開封性手段25として、レーザー加工やカッターなどで形成されたハーフカット線が設けられていてもよい。
また、図示はしないが、易開封性手段25は、表面フィルム14及び裏面フィルム15のうちシール部が形成されている領域に形成された切り込みや傷痕群を含んでいてもよい。傷痕群は例えば、表面フィルム14及び/又は裏面フィルム15を貫通するように形成された複数の貫通孔を含んでいてもよい。若しくは、傷痕群は、表面フィルム14及び/又は裏面フィルム15を貫通しないように表面フィルム14及び/又は裏面フィルム15の外面に形成された複数の孔を含んでいてもよい。
表面フィルム及び裏面フィルムの層構成
次に、表面フィルム14及び裏面フィルム15の層構成について説明する。図2は、表面フィルム14及び裏面フィルム15を構成する包装材料30の層構成の一例を示す断面図である。
図2に示すように、包装材料30は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40、第1接着剤層45、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50、第2接着剤層55及びシーラント層70をこの順で少なくとも備える。第1の二軸延伸プラスチックフィルム40は、外面30y側に位置しており、シーラント層70は、外面30yの反対側の内面30x側に位置している。内面30xは、収容部17側に位置する面である。
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50などの、包装材料30を構成する各フィルム、並びに包装材料30は、流れ方向及び垂直方向を有する。シーラント層70がシーラントフィルムによって構成されている場合、シーラント層70も流れ方向及び垂直方向を有する。流れ方向とは、フィルムを成形する際にフィルムが流れる方向であり、いわゆるMD(Machine Direction)である。垂直方向とは、流れ方向に直交する方向であり、いわゆるTD(Transverse Direction)である。図1に示す袋10においては、上部11及び下部12が延びる方向が流れ方向であり、側部13が延びる方向が垂直方向である。
本実施の形態の包装材料30は、優れた突き刺し強度を有するよう構成されている。これにより、先端が尖った鋭利な部材が袋10に接触した場合に袋10が破けてしまうことを抑制することができる。すなわち、包装材料30から構成される袋10などの包装製品が耐突き刺し性を有することができる。また、本実施の形態の包装材料30は、優れた落下強度を有するよう構成されている。これにより、包装材料を備える包装容器が落下した場合に包装材料に破れなどの破損が生じることを抑制することができる。すなわち、包装材料30から構成される袋10などの包装製品が耐衝撃性を有することができる。
以下、包装材料30の各層についてそれぞれ詳細に説明する。
(二軸延伸プラスチックフィルム)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40及び第2の二軸延伸プラスチックフィルム50はいずれも、所定の二方向において延伸された二軸延伸フィルムである。二軸延伸プラスチックフィルムとは、プラスチックフィルムの機械強度を向上させるために、意図的に延伸加工が施されたプラスチックフィルムである。各二軸延伸プラスチックフィルム40,50の延伸方向は特には限定されない。例えば、二軸延伸プラスチックフィルム40,50は、側部13が延びる方向及び側部13が延びる方向に直交する方向において延伸されていてもよい。また、各二軸延伸プラスチックフィルム40,50の延伸方向は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。各二軸延伸プラスチックフィルム40,50の延伸倍率は、例えば1.05倍以上である。
本実施の形態においては、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の一方として、少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有し、且つポリエステルを主成分として含む二軸延伸プラスチックフィルムを用いることを提案する。以下の説明において、少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有し、且つポリエステルを主成分として含む二軸延伸プラスチックフィルムのことを、高スティフネスポリエステルフィルムとも称する。高スティフネスポリエステルフィルムは、例えば流れ方向(MD)又は垂直方向(TD)の少なくとも一方において0.0017N以上のループスティフネスを有する。高スティフネスポリエステルフィルムは、例えば流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)の両方において0.0017N以上のループスティフネスを有していてもよい。包装材料30が高スティフネスポリエステルフィルムを含むことにより、包装材料30が優れた突き刺し強度を有することができる。なお、本願において、「主成分」とは、51質量%を占める成分のことである。高スティフネスポリエステルフィルムは、ポリアミドを含んでいない。
ポリエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、エチレグリコール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールから選ばれる少なくとも1種の脂肪族アルコールとからなる芳香族ポリエステルを主体とするポリエステルが好ましい。例えば、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも記す)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとも記す)などである。高スティフネスポリエステルフィルムの例としては、51質量%以上のPETを主成分として含む高スティフネスPETフィルム、51質量%以上のPBTを主成分として含む高スティフネスPBTフィルムなどを挙げることができる。高スティフネスポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは7μm以上である。また、高スティフネスポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは20μm以下である。
ループスティフネスとは、二軸延伸プラスチックフィルムなどのフィルムのこしの強さを表すパラメータである。以下、図5〜図11を参照して、ループスティフネスの測定方法を説明する。なお、以下に説明する測定方法は、二軸延伸プラスチックフィルムなどの単層のフィルムだけでなく、蒸着フィルム、積層フィルムなどの、複数の層をフィルムに関しても使用可能である。蒸着フィルムとは、二軸延伸プラスチックフィルムなどの単層のフィルムと、単層のフィルム上に形成されている蒸着層と、を含むフィルムである。積層フィルムとは、包装材料30のような、積層された複数のフィルムを含むフィルムである。
図5は、試験片80及びループスティフネス測定器85を示す平面図であり、図6は、図5の試験片80及びループスティフネス測定器85の線VI-VIに沿った断面図である。試験片80は、長辺及び短辺を有する矩形状のフィルムである。本願においては、試験片80の長辺の長さL1を150mmとし、短辺の長さL2を15mmとした。ループスティフネス測定器85としては、例えば、東洋精機社製のNo.581ループステフネステスタ(登録商標)LOOP STIFFNESS TESTER DA型を用いることができる。なお、試験片80の長辺の長さL1は、後述する一対のチャック部86によって試験片80を把持することができる限りにおいて、調整可能である。
ループスティフネス測定器85は、試験片80の長辺方向の一対の端部を把持するための一対のチャック部86と、チャック部86を支持する支持部材87と、を有する。チャック部86は、第1チャック861及び第2チャック862を含む。図5及び図6に示す状態において、試験片80は、一対の第1チャック861の上に配置されており、第2チャック862は、第1チャック861との間で試験片80を未だ把持していない。後述するように、測定時、試験片80は、チャック部86の第1チャック861と第2チャック862との間に把持される。第2チャック862は、ヒンジ機構を介して第1チャック861に連結されていてもよい。
二軸延伸プラスチックフィルム、蒸着フィルム、積層フィルムなどの測定対象のフィルムを、フィルムが包装製品に加工される前の状態で入手可能な場合、試験片80は、測定対象のフィルムを切断することによって作製されてもよい。また、試験片80は、袋などの、包装材料30から作製された包装製品を切断することによって作製されてもよい。図7は、袋10の表面フィルム14又は裏面フィルム15を切断することによって試験片80を準備する方法の一例を示す図である。流れ方向における包装材料30のループスティフネスを測定する場合、図7において符号80Aで示すように、試験片の長辺方向が流れ方向に一致するよう、袋10の表面フィルム14又は裏面フィルム15を切断して試験片を作製する。垂直方向における包装材料30のループスティフネスを測定する場合、図7において符号80Bで示すように、試験片の長辺方向が垂直方向に一致するよう、袋10の表面フィルム14又は裏面フィルム15を切断して試験片を作製する。
ループスティフネス測定器85を用いて試験片80のループスティフネスを測定する方法について説明する。まず、図5及び図6に示すように、間隔L3を空けて配置されている一対のチャック部86の第1チャック861上に試験片80を載置する。本願においては、後述するループ部81の長さ(以下、ループ長とも称する)が60mmになるよう、間隔L3を設定した。試験片80は、第1チャック861側に位置する内面80xと、内面80xの反対側に位置する外面80yと、を含む。試験片80が包装材料30からなる場合、試験片80の内面80x及び外面80yは、包装材料30の内面30x及び外面30yに一致する。後述するループ部81を試験片80に形成する際、内面80xがループ部81の内側に位置し、外面80yがループ部81の外側に位置する。続いて、図8に示すように、第1チャック861との間で試験片80の長辺方向の端部を把持するよう、第2チャック862を試験片80の上に配置する。
続いて、図9に示すように、一対のチャック部86の間の間隔が縮まる方向において、一対のチャック部86の少なくとも一方を支持部材87上でスライドさせる。これにより、試験片80にループ部81を形成することができる。図9に示す試験片80は、ループ部81と、一対の中間部82及び一対の固定部83とを有する。一対の固定部83は、試験片80のうち一対のチャック部86によって把持されている部分である。一対の中間部82は、試験片80のうちループ部81と一対の中間部82との間に位置している部分である。図9に示すように、チャック部86は、一対の中間部82の内面80x同士が接触するまで支持部材87上でスライドされる。これにより、60mmのループ長を有するループ部81を形成することができる。ループ部81のループ長は、一方の第2チャック862のループ部81側の面と試験片80とが交わる位置P1と、他方の第2チャック862のループ部81側の面と試験片80とが交わる位置P2との間における、試験片80の長さである。上述の間隔L3は、試験片80の厚みを無視する場合、ループ部81の長さに2×tを加えた値になる。tは、チャック部86の第2チャック862の厚みである。
その後、図10に示すように、チャック部86に対するループ部81の突出方向Yが水平方向になるよう、チャック部86の姿勢を調整する。例えば、支持部材87の法線方向が水平方向を向くように支持部材87を動かすことにより、支持部材87によって支持されているチャック部86の姿勢を調整する。図10に示す例において、ループ部81の突出方向Yは、チャック部の厚み方向に一致している。また、ループ部81の突出方向Yにおいて第2チャック862から距離Z1だけ離れた位置にロードセル88を準備する。本願においては、距離Z1を50mmとした。続いて、ロードセル88を、試験片80のループ部81に向けて、図10に示す距離Z2だけ速度Vで移動させる。距離Z2は、図10及び図11に示すように、ロードセル88がループ部81に接触し、その後、ロードセル88がループ部81をチャック部86側に押し込むよう、設定される。本願においては、距離Z2を40mmとした。この場合、ロードセル88がループ部81をチャック部86側に押し込んでいる状態におけるロードセル88とチャック部86の第2チャック862との間の距離Z3は、10mmになる。ロードセル88を移動させる速度Vは、3.3mm/秒とした。
続いて、図11に示す、ロードセル88をチャック部86側に距離Z2だけ移動させ、ロードセル88が試験片80のループ部81を押し込んでいる状態において、ループ部81からロードセル88に加えられている荷重の値が安定した後、荷重の値を記録する。このようにして得られた荷重の値を、試験片80を構成するフィルムのループスティフネスとして採用する。本願において、特に断らない限り、ループスティフネスの測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%である。
高スティフネスポリエステルフィルムの好ましい機械特性について更に説明する。
高スティフネスポリエステルフィルムの突き刺し強度は、好ましくは10N以上であり、より好ましくは11N以上である。
少なくとも1つの方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度は、好ましくは250MPa以上であり、より好ましくは280MPa以上である。例えば、流れ方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度は、好ましくは250MPa以上であり、より好ましくは280MPa以上である。また、垂直方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度は、好ましくは250MPa以上であり、より好ましくは280MPa以上である。
少なくとも1つの方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張伸度は、好ましくは130%以下であり、より好ましくは120%以下である。例えば、流れ方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張伸度は、好ましくは130%以下であり、より好ましくは120%以下である。また、垂直方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張伸度は、好ましくは120%以下であり、より好ましくは110%以下である。
好ましくは、少なくとも1つの方向において、高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度を引張伸度で割った値が2.0〔MPa/%〕以上である。例えば、垂直方向(TD)における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は、好ましくは2.0〔MPa/%〕以上であり、より好ましくは2.2〔MPa/%〕以上である。流れ方向(MD)における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は、好ましくは1.8〔MPa/%〕以上であり、より好ましくは2.0〔MPa/%〕以上である。
引張強度及び引張伸度は、JIS K7127に準拠して測定され得る。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 STA−1150を用いることができる。試験片としては、高スティフネスポリエステルフィルムを幅15mm、長さ150mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は100mmであり、引張速度は300mm/分である。なお、試験片の長さは、一対のチャックによって試験片を把持することができる限りにおいて、調整可能である。本願において、特に断らない限り、引張強度及び引張伸度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%である。
なお、包装材料30の引張強度及び引張伸度は、測定器としてオリエンテック社製の引張試験機 RTC−1310Aを用いること、及び、試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔が50mmであること以外は、高スティフネスポリエステルフィルムの場合と同様に測定される。包装材料30の引張強度及び引張伸度を測定する場合、図7に示すループスティフネスの測定の場合と同様に、試験片の長辺方向が流れ方向又は垂直方向に一致するよう袋10の表面フィルム14又は裏面フィルム15を切断することにより、試験片を作製することができる。
少なくとも1つの方向における高スティフネスポリエステルフィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。例えば、流れ方向における高スティフネスポリエステルフィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。垂直方向における高スティフネスポリエステルフィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。熱収縮率を測定する際の加熱温度は100℃であり、加熱時間は40分である。
少なくとも1つの方向における高スティフネスポリエステルフィルムのヤング率は、好ましくは4.0GPa以上であり、より好ましくは4.5MPa以上である。例えば、流れ方向における高スティフネスポリエステルフィルムのヤング率は、好ましくは4.0GPa以上であり、より好ましくは4.5MPa以上である。垂直方向における高スティフネスポリエステルフィルムのヤング率は、好ましくは4.0GPa以上であり、より好ましくは4.5GPa以上である。
ヤング率は、引張強度及び引張伸度と同様に、JIS K7127に準拠して測定され得る。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 STA−1150を用いることができる。試験片としては、高スティフネスポリエステルフィルムを幅15mm、長さ150mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は100mmであり、引張速度は300mm/分である。なお、試験片の長さは、一対のチャックによって試験片を把持することができる限りにおいて、調整可能である。本願において、特に断らない限り、ヤング率の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%である。
なお、包装材料30のヤング率は、測定器としてオリエンテック社製の引張試験機 RTC−1310Aを用いること、試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔が50mmであること以外は、高スティフネスポリエステルフィルムの場合と同様に測定される。包装材料30のヤング率を測定する場合、図7に示すループスティフネスの測定の場合と同様に、試験片の長辺方向が流れ方向又は垂直方向に一致するよう袋10の表面フィルム14又は裏面フィルム15を切断することにより、試験片を作製することができる。
高スティフネスポリエステルフィルムを備える包装材料30において、高スティフネスポリエステルフィルムには、後述する蒸着層34が設けられていてもよい。この場合、蒸着層34が設けられている高スティフネスポリエステルフィルムは、単体の高スティフネスポリエステルフィルムと同等の機械特性を有していてもよい。例えば、蒸着層34が設けられている高スティフネスポリエステルフィルムは、少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有していてもよい。
後述するように、蒸着層34上にはガスバリア性塗布膜36が設けられていてもよい。この場合、蒸着層34及びガスバリア性塗布膜36が設けられている高スティフネスポリエステルフィルムは、単体の高スティフネスポリエステルフィルムと同等の機械特性を有していてもよい。例えば、蒸着層34及びガスバリア性塗布膜36が設けられている高スティフネスポリエステルフィルムは、少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有していてもよい。
高スティフネスポリエステルフィルムの製造工程においては、例えば、まず、ポリエステルを溶融及び成形することによって得られたプラスチックフィルムを、流れ方向及び垂直方向において、それぞれ90℃〜145℃で3倍〜4.5倍に延伸する第1延伸工程を実施する。続いて、プラスチックフィルムを、流れ方向及び垂直方向において、それぞれ100℃〜145℃で1.1倍〜3.0倍に延伸する第2延伸工程を実施する。その後、190℃〜220℃の温度で熱固定を行う。続いて、流れ方向及び垂直方向において、100℃〜190℃の温度で0.2%〜2.5%程度の弛緩処理(フィルム幅を縮める処理)を実施する。これらの工程において、延伸倍率、延伸温度、熱固定温度、弛緩処理率を調整することにより、上述の機械特性を備える高スティフネスポリエステルフィルムを得ることができる。
本実施の形態によれば、包装材料30が高スティフネスポリエステルフィルムを含むことにより、包装材料30、及び包装材料30から構成される袋10などの包装製品に、優れた突き刺し強度を付与することができる。これにより、例えば、先端が尖った鋭利な部材が袋10に接触した場合に袋10が破けてしまうことなどを抑制することができる。包装材料30の突き刺し強度は、14.0N以上であることが好ましく、15.0N以上であることがより好ましく、16.0N以上であることがより好ましく、17.0N以上であることがより好ましく、18.0N以上であることがより好ましく、19.0N以上であることがさらに好ましい。突き刺し強度の測定方法については、後述する実施例において説明する。
また、本実施の形態によれば、包装材料30が高スティフネスポリエステルフィルムを含むことにより、包装材料30のヤング率を高めることができる。一方向における包装材料30のヤング率は、例えば3200MPa以上であり、3300MPa以上であってもよく、3400MPa以上であってもよく、3500MPa以上であってもよく、3600MPa以上であってもよく、3700MPa以上であってもよい。また、上述の一方向に直交する方向における包装材料30のヤング率は、例えば2700MPa以上であり、2800MPa以上であってもよく、2900MPa以上であってもよく、3000MPa以上であってもよく、3100MPa以上であってもよく、3200MPa以上であってもよい。例えば、流れ方向(MD)における包装材料30のヤング率は、例えば3200MPa以上であり、3300MPa以上であってもよく、3400MPa以上であってもよく、3500MPa以上であってもよく、3600MPa以上であってもよく、3700MPa以上であってもよい。また、流れ方向(MD)に直交する方向である垂直方向(TD)における包装材料30のヤング率は、例えば2700MPa以上であり、2800MPa以上であってもよく、2900MPa以上であってもよく、3000MPa以上であってもよく、3100MPa以上であってもよく、3200MPa以上であってもよい。包装材料30のヤング率が高いことにより、包装材料30が伸びにくくなる。このため、袋10などの包装製品の製造工程などにおいて包装材料30を加工する際の加工精度が高くなる。また、包装材料30を用いて、後述する、自立可能に構成されたガセット式の袋10を作製する場合、袋10の自立性が高くなる。
本実施の形態において、少なくとも1つの方向における包装材料30のループスティフネスは、例えば0.100N以上であり、0.110N以上であってもよく、0.120N以上であってもよい。例えば、流れ方向(MD)における包装材料30のループスティフネスは、例えば0.100N以上であり、0.110N以上であってもよく、0.120N以上であってもよい。また、垂直方向(TD)における包装材料30のループスティフネスは、例えば0.100N以上であり、0.110N以上であってもよく、0.120N以上であってもよい。
一方、包装材料30のループスティフネスが大き過ぎると、包装材料30から構成された包装製品が落下した時に包装材料30に破れなどの破損が生じ易くなることがある。この点を考慮し、少なくとも1つの方向における包装材料30のループスティフネスは、0.150N未満であってもよく、0.140N未満であってもよく、0.130N未満であってもよい。例えば、流れ方向(MD)における包装材料30のループスティフネスは、0.150N未満であってもよく、0.140N未満であってもよく、0.130N未満であってもよい。また、垂直方向(TD)における包装材料30のループスティフネスは、0.150N未満であってもよく、0.140N未満であってもよく、0.130N未満であってもよい。
高スティフネスポリエステルフィルムが、PETを主成分として含む高スティフネスPETフィルムである場合、高スティフネスPETフィルムを構成するPETは、バイオマス由来のPETを含んでいてもよい。この場合、高スティフネスPETフィルムは、バイオマス由来のPETのみで構成されていてもよい。若しくは、高スティフネスPETフィルムは、バイオマス由来のPETと、化石燃料由来のPETと、で構成されていてもよい。高スティフネスPETフィルムがバイオマス由来のPETを含むことにより、従来に比べて化石燃料由来のPETの量を削減することができるため、二酸化炭素の排出量を減らすことができ、環境負荷を減らすことができる。なお、バイオマス由来のPETは、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするものである。化石燃料由来のPETは、化石燃料由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のテレフタル酸をジカルボン酸単位とするものである。
大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばとうもろこし中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、PET中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明において、「バイオマス度」とは、バイオマス由来成分の重量比率を示すものである。PETを例にとると、PETは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものである。PETのエチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、PET中のバイオマス由来成分の重量比率は31.25%であるため、PETのバイオマス度の理論値は31.25%となる。具体的には、PETの質量は192であり、そのうちバイオマス由来のエチレングリコールに由来する質量は60であるため、60÷192×100=31.25となる。また、化石燃料由来のPETにおけるバイオマス由来成分の重量比率は0%であり、化石燃料由来のPETのバイオマス度は0%となる。本発明において、高スティフネスPETフィルムのバイオマス度は、5.0%以上であることが好ましく、10.0%以上であることがより好ましい。また、高スティフネスPETフィルムのバイオマス度は、30.0%以下であることが好ましい。
バイオマス由来のエチレングリコールは、バイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。例えば、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法等により、バイオマス由来のエチレングリコールを得ることができる。バイオマスエタノールの原料として、とうもろこし、さとうきび、ビート、マニオクなどを挙げることができる。また、市販のバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から市販されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。なお、インディアグライコール社のバイオマスエチレングリコールは、さとうきびの廃糖蜜を原料としたものである。
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の一方が高スティフネスポリエステルフィルムである場合、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の他方は、ポリエステルを主成分として含む。例えば、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40が高スティフネスポリエステルフィルムである場合、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50は、ポリエステルを主成分として含む二軸延伸プラスチックフィルムであってもよい。また、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50が高スティフネスポリエステルフィルムである場合、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40は、ポリエステルを主成分として含む二軸延伸プラスチックフィルムであってもよい。また、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40及び第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の両方が、高スティフネスポリエステルフィルムであってもよい。第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の他方がポリエステルを主成分として含むことにより、ボイル処理やレトルト処理などの高温の殺菌処理に対する耐熱性を袋10に持たせることができる。
ポリエステルを主成分として含む二軸延伸プラスチックフィルム(以下、二軸延伸ポリエステルフィルムとも記す)は、例えば51質量%以上のポリエステルを含む。ポリエステルとしては、高スティフネスポリエステルフィルムの場合と同様に、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、エチレグリコール、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールから選ばれる少なくとも1種の脂肪族アルコールとからなる芳香族ポリエステルを主体とするポリエステルが好ましい。ポリエステルの例としては、PET、PBTなどを挙げることができる。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムは、51質量%以上のPETを主成分として含んでいてもよく、51質量%以上のPBTを主成分として含んでいてもよい。なお、二軸延伸ポリエステルフィルムにおける、51質量%以上のポリエステルは、一種類のポリエステルによって構成されていてもよく、二種類以上のポリエステルによって構成されていてもよい。二軸延伸ポリエステルフィルムは、ポリアミドを含んでいない。
二軸延伸ポリエステルフィルムの好ましい機械特性について更に説明する。
少なくとも1つの方向における二軸延伸ポリエステルフィルムのヤング率は、好ましくは3000MPa以上である。例えば、流れ方向及び垂直方向における二軸延伸ポリエステルフィルムのヤング率は、好ましくは3000MPa以上である。 少なくとも1つの方向における二軸延伸ポリエステルフィルムの引張伸度は、好ましくは200%以下である。例えば、流れ方向及び垂直方向における二軸延伸ポリエステルフィルムの引張伸度は、好ましくは200%以下である。
ポリエステルを主成分として含む二軸延伸フィルムのヤング率及び引張伸度は、高スティフネスポリエステルフィルムの場合と同様に、JIS K7127に準拠して測定され得る。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 STA−1150を用いることができる。試験片としては、該フィルムを幅15mm、長さ150mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は100mmであり、引張速度は300mm/分である。
二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは9μm以上であり、より好ましくは12μm以上である。また、二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは20μm以下である。二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みを9μm以上にすることにより、二軸延伸ポリエステルフィルムが十分な強度を有するようになる。また、二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みを25μm以下にすることにより、二軸延伸ポリエステルフィルムが優れた成形性を示すようになる。このため、包装材料30を加工して袋10を製造する工程を効率的に実施することができる。
好ましくは、二軸延伸ポリエステルフィルムを構成する材料は、所定値以上の熱伝導率を有する。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムを構成する材料の熱伝導率は、好ましくは0.05W/m・K以上であり、より好ましくは0.1W/m・K以上である。なお、PETの熱伝導率は、例えば0.14W/m・Kである。また、PBTの熱伝導率は、PETの熱伝導率よりも高く、例えば0.25W/m・Kである。所定値以上の熱伝導率を有する材料を用いることにより、包装材料30の耐熱性を高めることができる。
二軸延伸ポリエステルフィルムの融点は、好ましくは200℃以上であり、より好ましくは220℃以上である。二軸延伸ポリエステルフィルムの融点を220℃以上とすることにより、包装材料30を用いて製造された袋10に収容された内容物を加熱する際に、二軸延伸ポリエステルフィルムに穴があくことや、二軸延伸ポリエステルフィルムにシワが形成されることを抑制することができる。
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の他方を構成する二軸延伸ポリエステルフィルムは、流れ方向(MD)における引き裂き性を有するよう構成されていてもよい。以下の説明において、流れ方向(MD)における引き裂き性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムのことを、二軸延伸直進カットフィルムとも称する。二軸延伸直進カットフィルムを用いることにより、流れ方向(MD)における引き裂き性を包装材料30に持たせることができる。なお、図1に示す袋10においては、第1方向D1が、二軸延伸プラスチックフィルム40,50などのフィルムの流れ方向(MD)に相当する。また、第2方向D2が、二軸延伸プラスチックフィルム40,50などのフィルムの垂直方向(TD)に相当する。
以下、二軸延伸直進カットフィルムについて説明する。流れ方向(MD)における二軸延伸直進カットフィルムの引張強度は、垂直方向(TD)における二軸延伸直進カットフィルムの引張強度よりも大きい。流れ方向(MD)における二軸延伸直進カットフィルムの引張強度は、垂直方向(TD)における二軸延伸直進カットフィルムの引張強度の、好ましくは1.05倍以上であり、より好ましくは1.10倍以上であり、更に好ましくは1.2倍以上である。また、流れ方向(MD)における二軸延伸直進カットフィルムの引張強度は、例えば200MPa以上且つ300MPa以下である。
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の他方を構成する二軸延伸ポリエステルフィルムがPETを含む場合、PETは、上述の高スティフネスポリエステルフィルムの場合と同様に、バイオマス由来のPETを含んでいてもよい。この場合、二軸延伸ポリエステルフィルムは、バイオマス由来のPETのみで構成されていてもよい。若しくは、二軸延伸ポリエステルフィルムは、バイオマス由来のPETと、化石燃料由来のPETと、で構成されていてもよい。二軸延伸ポリエステルフィルムに含まれるバイオマス由来のPET、二軸延伸ポリエステルフィルムのバイオマス度などは、上述の高スティフネスポリエステルフィルムの場合と同一であるので、説明を省略する。
本実施の形態における、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40と第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の組み合わせの例は以下の通りである。
(第1接着剤層)
第1接着剤層45は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40と第2の二軸延伸プラスチックフィルム50とをドライラミネート法により接着するための接着剤を含む。第1接着剤層45を構成する接着剤は、主剤及び溶剤を含む第1組成物と、硬化剤及び溶剤を含む第2組成物とを混合して作製した接着剤組成物から生成される。具体的には、接着剤は、接着剤組成物中の主剤と溶剤とが反応して生成された硬化物を含む。
接着剤の例としては、ポリウレタンなどを挙げることができる。ポリウレタンは、主剤としてのポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。ポリウレタンの例としては、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタンなどを挙げることができる。ポリエーテルポリウレタンは、主剤としてのポリエーテルポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。ポリエステルポリウレタンは、主剤としてのポリエステルポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族系イソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂肪族系イソシアネート化合物、あるいは、上記各種イソシアネート化合物の付加体または多量体を用いることができる。
第1接着剤層45を構成する材料は、好ましくは、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50及びシーラント層70を構成する材料よりも高い熱伝導率を有する。例えば、第1接着剤層45を構成する材料の熱伝導率は、好ましくは1.0W/m・K以上であり、より好ましくは3.0W/m・K以上である。なお、ポリウレタンの熱伝導率は、3.0W/m・K〜5.0W/m・Kの範囲内であり、例えば5.0W/m・Kである。第1接着剤層45を構成する材料の熱伝導率が高いことにより、包装材料30を用いて作製された袋10が加熱される際、収容部17で生じた熱が包装材料30の内面30x側から外面30y側へ伝達される間に熱を包装材料30の面方向に拡散させ易くなる。これにより、包装材料30の放熱性を高めることができるので、包装材料30の温度上昇を抑制することができる。このことにより、袋10が加熱される際に包装材料30が熱によりダメージを受けることを抑制することができる。すなわち、包装材料30の耐熱性を高めることができる。
第1接着剤層45の厚みは、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上である。また、第1接着剤層45の厚みは、好ましくは6μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。第1接着剤層45の厚みを3μm以上にすることにより、包装材料30の面方向における熱の拡散がより生じ易くなる。
(第2接着剤層)
シーラント層70がシーラントフィルムからなる場合、第2接着剤層55は、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50とシーラントフィルムとをドライラミネート法により接着するための接着剤を含む。第2接着剤層55の接着剤の例としては、第1接着剤層45の場合と同様に、ポリウレタンなどを挙げることができる。以下に説明する構成、材料や特性以外にも、第2接着剤層55の構成、材料や特性として、第1接着剤層45と同様のものを採用することができる。
第2接着剤層55を構成する材料は、第1接着剤層45と同様に、好ましくは、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50及びシーラントフィルムを構成する材料よりも高い熱伝導率を有する。例えば、第2接着剤層55を構成する材料の熱伝導率は、好ましくは1W/m・K以上であり、より好ましくは3W/m・K以上である。
第2接着剤層55の厚みは、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上である。また、第2接着剤層55の厚みは、好ましくは6μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。
ところで、接着剤の硬化剤を構成するイソシアネート化合物としては、上述のように、芳香族系イソシアネート化合物及び脂肪族系イソシアネート化合物が存在する。このうち芳香族系イソシアネート化合物は、加熱殺菌などの高温環境下において、食品用途で使用できない成分が溶出する。ところで、第2接着剤層55は、シーラントフィルムに接している。このため、第2接着剤層55が芳香族系イソシアネート化合物を含む場合、芳香族系イソシアネート化合物から溶出された成分が、シーラントフィルムに接する収容部17に収容されている内容物に付着することがある。
このような課題を考慮し、好ましくは、第2接着剤層55を構成する接着剤として、主剤としてのポリオールと、硬化剤としての脂肪族系イソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物を用いる。これにより、第2接着剤層55に起因する、食品用途で使用できない成分が、内容物に付着することを防止することができる。
(シーラント層)
次に、シーラント層70について説明する。シーラント層70を構成する材料としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレンから選択される1種または2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層70は、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラント層70は、未延伸のシーラントフィルムから構成されていてもよい。なお「未延伸」とは、全く延伸されていないフィルムだけでなく、製膜の際に加えられる張力に起因してわずかに延伸されているフィルムも含む概念である。
シーラント層70を構成するシーラントフィルムは、例えば、搬送するために必要な程度の延伸加工は施されているが、意図的な延伸加工は施されていないプラスチックフィルムである。シーラントフィルムの好ましい機械特性について更に説明する。
少なくとも1つの方向におけるシーラントフィルムのヤング率は、好ましくは1000MPa以下である。例えば、流れ方向及び垂直方向におけるシーラントフィルムのヤング率は、好ましくは1000MPa以下である。
少なくとも1つの方向におけるシーラントフィルムの引張伸度は、好ましくは300%以上である。例えば、流れ方向及び垂直方向におけるシーラントフィルムの引張伸度は、好ましくは300%以上である。
シーラントフィルムのヤング率及び引張伸度は、高スティフネスポリエステルフィルムの場合と同様に、JIS K7127に準拠して測定され得る。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 STA−1150を用いることができる。試験片としては、該フィルムを幅15mm、長さ150mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は100mmであり、引張速度は300mm/分である。
包装材料30から構成された袋10には、ボイル処理やレトルト処理などの殺菌処理が高温で施されることがある。シーラント層70は、好ましくは、これらの高温での処理に耐える耐熱性を有する。なお、レトルト処理とは、内容物を袋10に充填して袋10を密封した後、蒸気又は加熱温水を利用して袋10を加圧状態で加熱する処理である。レトルト処理の温度は、例えば120℃以上である。ボイル処理とは、内容物を袋10に充填して袋10を密封した後、袋10を大気圧下で湯煎する処理である。ボイル処理の温度は、例えば90℃以上且つ100℃以下である。
シーラント層70を構成する材料の融点は、150℃以上であることが好ましく、160℃以上であることがより好ましい。シーラント層70の融点を高くすることにより、袋10のレトルト処理を高温で実施することが可能になり、このため、レトルト処理に要する時間を短くすることができる。なお、シーラント層70を構成する材料の融点は、二軸延伸プラスチックフィルム40,50を構成する樹脂の融点より低い。
レトルト処理の観点で考える場合、シーラント層70を構成する材料として、プロピレンを主成分とする材料を用いることができる。ここで、プロピレンを「主成分とする」材料とは、プロピレンの含有率が90質量%以上である材料を意味する。プロピレンを主成分とする材料としては、具体的には、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、ホモポリプロピレンなどのポリプロピレン、又はポリプロピレンとポリエチレンとを混合したものなどを挙げることができる。ここで、「プロピレン・エチレンブロック共重合体」とは、下記の式(I)に示される構造式を有する材料を意味する。また、「プロピレン・エチレンランダム共重合体」とは、下記の式(II)に示される構造式を有する材料を意味する。また、「ホモポリプロピレン」とは、下記の式(III)に示される構造式を有する材料を意味する。
プロピレンを主成分とする材料として、ポリプロピレンとポリエチレンとを混合したものを用いる場合には、材料は、海島構造を有していてもよい。ここで、「海島構造」とは、ポリプロピレンが連続する領域の内に、ポリエチレンが不連続に分散している構造をいう。
ボイル処理の観点で考える場合、シーラント層70を構成する材料の例として、ポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの組み合わせなどを挙げることができる。ポリエチレンとしては、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又はこれらの組み合わせなどを挙げることができる。例えば、上述のレトルト処理の観点からシーラント層70を構成する材料として挙げた材料を用いることも可能である。シーラント層70を構成する材料は、例えば100℃以上、より好ましくは105℃以上、より好ましくは110℃以上、更に好ましくは115℃以上の融点を有する。シーラント層70を構成する材料としてポリエチレンを用いる場合、100℃以上の融点は、例えば、ポリエチレンの密度が0.920g/cm以上である場合に実現され得る。また、100℃以上の融点を有するシーラント層70を構成するためのシーラント層の具体例としては、三井化学東セロ製TUX−HC、東洋紡製L6101、出光ユニテック製LS700C等を挙げることができる。105℃以上の融点を有するシーラント層70を構成するためのシーラント層の具体例としては、タマポリ製NB−1等を挙げることができる。110℃以上の融点を有するシーラント層70を構成するためのシーラント層の具体例としては、出光ユニテック製LS760C、三井化学東セロ製TUX−HZ等を挙げることができる。
好ましくは、シーラント層70は、プロピレン・エチレンブロック共重合体を含む単層のフィルムである。例えば、シーラント層70を含むシーラント層は、プロピレン・エチレンブロック共重合体を主成分とする単層の未延伸フィルムである。プロピレン・エチレンブロック共重合体を用いることにより、シーラント層の耐衝撃性を高めることができ、これにより、落下時の衝撃により袋10が破袋してしまうことを抑制することができる。また、包装材料30の耐突き刺し性を高めることができる。
プロピレン・エチレンブロック共重合体は、例えば、ポリプロピレンからなる海成分と、エチレン・プロピレン共重合ゴム成分からなる島成分と、を含む。海成分は、プロピレン・エチレンブロック共重合体の耐ブロッキング性、耐熱性、剛性、シール強度などを高めることに寄与し得る。また、島成分は、プロピレン・エチレンブロック共重合体の耐衝撃性を高めることに寄与し得る。従って、海成分と島成分の比率を調整することにより、プロピレン・エチレンブロック共重合体を含むシーラント層の機械特性を調整することができる。
プロピレン・エチレンブロック共重合体において、ポリプロピレンからなる海成分の質量比率は、エチレン・プロピレン共重合ゴム成分からなる島成分の質量比率よりも高い。例えば、プロピレン・エチレンブロック共重合体において、ポリプロピレンからなる海成分の質量比率は、少なくとも51質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上である。
単層のシーラント層は、プロピレン・エチレンブロック共重合体からなる第1の熱可塑性樹脂に加えて、第2の熱可塑性樹脂を更に含んでいてもよい。第2の熱可塑性樹脂としては、α−オレフィン共重合体、ポリエチレンなどを挙げることができる。α−オレフィン共重合体は、例えば直鎖状低密度ポリエチレンである。ポリエチレンの例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを挙げることができる。第2の熱可塑性樹脂は、シーラント層の耐衝撃性を高めることに寄与し得る。
低密度ポリエチレンとは、密度が0.910g/cm以上且つ0.925g/cm以下のポリエチレンである。中密度ポリエチレンは、密度が0.926g/cm以上且つ0.940g/cm以下のポリエチレンである。高密度ポリエチレンとは、密度が0.941g/cm以上且つ0.965g/cm以下のポリエチレンである。低密度ポリエチレンは、例えば、1000気圧以上且つ2000気圧未満の高圧でエチレンを重合することにより得られる。中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンは、例えば、1気圧以上且つ1000気圧未満の中圧又は低圧でエチレンを重合することにより得られる。
なお、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体を部分的に含んでいてもよい。また、中圧又は低圧でエチレンを重合する場合であっても、エチレンとα−オレフィンとの共重合体を含む場合は、中密度又は低密度のポリエチレンが生成され得る。このようなポリエチレンが、上述の直鎖状低密度ポリエチレンと称される。直鎖状低密度ポリエチレンは、中圧又は低圧でエチレンを重合することにより得られる直鎖状ポリマーにα−オレフィンを共重合させて短鎖分岐を導入することによって得られる。α−オレフィンの例としては、1−ブテン(C)、1−ヘキセン(C)、4−メチルペンテン(C)、1−オクテン(C)などを挙げることができる。直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、例えば0.915g/cm以上且つ0.945g/cm以下である。
なお、プロピレン・エチレンブロック共重合体の第2の熱可塑性樹脂を構成するα−オレフィン共重合体は、上述の直鎖状低密度ポリエチレンには限られない。α−オレフィン共重合体とは、下記の式(IV)に示される構造式を有する材料を意味する。
、Rはいずれも、H(水素原子)、又はCH、Cなどのアルキル基である。また、j及びkはいずれも、1以上の整数である。また、jはkよりも大きい。すなわち、式(IV)に示すα−オレフィン共重合体においては、Rを含む左側の構造がベースとなる。Rは例えばHであり、Rは例えばCである。
シーラント層において、プロピレン・エチレンブロック共重合体からなる第1の熱可塑性樹脂の質量比率は、α−オレフィン共重合体又はポリエチレンを少なくとも含む第2の熱可塑性樹脂の質量比率よりも高い。例えば、単層のシーラント層において、プロピレン・エチレンブロック共重合体からなる第1の熱可塑性樹脂の質量比率は、少なくとも51質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上である。
上述のように、第2の熱可塑性樹脂は、シーラント層の耐衝撃性を高めることに寄与し得る。従って、単層のシーラント層における、α−オレフィン共重合体又はポリエチレンを少なくとも含む第2の熱可塑性樹脂の質量比率を調整することにより、シーラント層の機械特性を調整することができる。
また、シーラント層70は、熱可塑性エラストマーを更に含んでいてもよい。熱可塑性エラストマーを用いることにより、シーラント層70の耐衝撃性や耐突き刺し性を更に高めることができる。
熱可塑性エラストマーは、例えば水添スチレン系熱可塑性エラストマーである。水添スチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBからなる構造を有する。また、熱可塑性エラストマーは、エチレン・α−オレフィンエラストマーであってもよい。エチレン・α−オレフィンエラストマーは、低結晶性もしくは非晶性の共重合体エラストマーであり、主成分としての50〜90質量%のエチレンと共重合モノマーとしてのα−オレフィンとのランダム共重合体である。
シーラント層70におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体の含有率は、例えば80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上である。
プロピレン・エチレンブロック共重合体の製造方法としては、触媒を用いて原料であるプロピレンやエチレンなどを重合させる方法が挙げられる。触媒としては、チーグラー・ナッタ型やメタロセン触媒などを用いることができる。
シーラント層70の厚みは、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは40μm以上である。また、シーラント層70の厚みは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは80μm以下である。
以下、シーラント層70が、プロピレン・エチレンブロック共重合体を含む単層のシーラントフィルムからなる場合の、シーラントフィルムの好ましい機械特性について説明する。
流れ方向(MD)におけるシーラントフィルムの、25℃における引張伸度は、好ましくは600%以上且つ1300%以下である。また、流れ方向(MD)におけるシーラントフィルムの引張伸度(%)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは35000以上且つ80000以下である。また、垂直方向(TD)におけるシーラントフィルムの、25℃における引張伸度は、好ましくは700%以上且つ1400%以下である。また、垂直方向(TD)におけるシーラントフィルムの引張伸度(%)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは40000以上且つ85000以下である。
流れ方向(MD)におけるシーラントフィルムの、25℃における引張弾性率は、好ましくは400MPa以上且つ1100MPa以下である。また、流れ方向(MD)におけるシーラントフィルムの引張弾性率(MPa)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは30000以上且つ55000以下である。また、垂直方向(TD)におけるシーラントフィルムの、25℃における引張弾性率は、好ましくは250MPa以上且つ900MPa以下である。また、垂直方向(TD)におけるシーラントフィルムの引張弾性率(MPa)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは20000以上且つ45000以上である。
なお、図1に示す袋10においては、第1方向D1が、シーラントフィルムの流れ方向(MD)に相当する。また、第2方向D2が、シーラントフィルムの垂直方向(TD)に相当する。
引張弾性率及び引張伸度は、JIS K7127に準拠して測定され得る。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 STA−1150を用いることができる。なお、図1に示す袋10においては、上部11及び下部12が延びる方向が、シーラントフィルムなどの、袋10を構成するフィルムの流れ方向であり、側部13が延びる方向が、シーラントフィルムなどの、袋10を構成するフィルムの垂直方向である。図示はしないが、上部11及び下部12が延びる方向が、フィルムの垂直方向となり、側部13が延びる方向が、フィルムの流れ方向となるよう、袋10が構成されていてもよい。
プロピレン・エチレンブロック共重合体を含む単層のシーラントフィルムのタイプとしては、主に2つのタイプが考えられる。
第1は、東レフィルム加工株式会社製の未延伸ポリプロピレンフィルム ZK500のような、高い引張伸度を有し、耐衝撃性を備えるタイプである。第1のタイプのシーラントフィルムは、好ましくは、熱間シール強度が低いという特性も更に備える。これにより、袋10の加熱時に収容部17の内圧が過大になることを抑制することができ、包装材料30にダメージが生じることを抑制することができる。
第2は、東レフィルム加工株式会社製の未延伸ポリプロピレンフィルム ZK207のような、高い引張弾性率を有するタイプである。第2のタイプのシーラントフィルムを用いることにより、第1方向D1に沿って消費者が袋10を引き裂くことにより袋10を開封する際の引き裂き性を高めることができる。
流れ方向(MD)における第1のタイプのシーラントフィルムの引張伸度(%)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは45000以上であり、より好ましくは50000以上であり、55000以上、又は60000以上であってもよい。また、垂直方向(TD)における第1のタイプのシーラントフィルムの引張伸度(%)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは53000以上であり、より好ましくは60000以上である。シーラントフィルムが高い引張伸度を有することにより、落下時の衝撃などにより袋10が破袋してしまうことを抑制することができる。
また、流れ方向(MD)における第1のタイプのシーラントフィルムの引張弾性率(MPa)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは38000以下であり、より好ましくは35000以下である。また、垂直方向(TD)における第1のタイプのシーラントフィルムの引張弾性率(MPa)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは30000以下であり、より好ましくは25000以下である。
流れ方向(MD)における第2のタイプのシーラントフィルムの引張弾性率(MPa)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは35000以上であり、より好ましくは38000以上であり、更に好ましくは45000以上である。また、垂直方向(TD)における第2のタイプのシーラントフィルムの引張弾性率(MPa)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは25000以上であり、より好ましくは30000以上であり、更に好ましくは35000以上であり、38000以上であってもよい。シーラントフィルムが高い引張弾性率を有することにより、袋10を開封する際の引き裂き性を高めることができる。
また、流れ方向(MD)における第2のタイプのシーラントフィルムの引張伸度(%)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは55000以下であり、より好ましくは50000以下である。また、垂直方向(TD)における第2のタイプのシーラントフィルムの引張伸度(%)とシーラントフィルムの厚み(μm)の積は、好ましくは60000以下であり、より好ましくは55000以下である。
後述する実施例に示すように、第1のタイプのシーラントフィルムを用いる場合、包装材料30によって構成される袋10などの包装容器の落下強度を高めることができる。従って、落下強度が求められる用途で包装材料30が用いられる場合、包装材料30が第1のタイプのシーラントフィルムを備えることが好ましい。
シーラント層70は、イージーピール性を備えていてもよい。イージーピール性とは、例えばシーラント層70を有する包装材料30を用いて容器の蓋材を構成する場合に、蓋材がその下面において、すなわちシーラント層70において、容器のフランジ部から剥がれやすい、という特性である。イージーピール性は、例えば、シーラント層70を2種類以上の樹脂で構成し、一の樹脂と他の樹脂とを非相溶性とすることにより、発現することができる。イージーピール性を発現させることができる樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレンなどのポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂が挙げられる。
シーラント層70がイージーピール性を備える場合、図12に示すように、シーラント層70が、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50側に位置する第1層71と、第1層71よりも内側に位置し、包装材料30の内面30xを構成するする第2層72と、を含んでいてもよい。イージーピール性を備えるシーラント層70の第1層71及び第2層72としては、以下に説明するAタイプ及びBタイプのような、主に2つのタイプが考えられる。
Aタイプのシーラント層70においては、第1層71がポリエチレンを主成分とする層であり、第2層72がポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂を含む層である。第2層72においては、ポリプロピレンの配合比がポリエチレンの配合比より大きい。第2層72におけるポリプロピレンとポリエチレンの質量比は、6:4〜8:2である。
Aタイプのシーラント層70を備える包装材料30が、加熱殺菌用途の包装製品で使用される場合、シーラント層70におけるポリエチレンの密度を0.940g/cm3以上とすることが好ましい。
Aタイプのシーラント層70の第2層72におけるポリプロピレンとしては、例えばエチレン−プロピレンランダム共重合体を用いることができる。
Aタイプのシーラント層70において、第1層71の厚みと第2層72の厚みの比は、5:1〜10:1とすることができる。
Bタイプのシーラント層70においては、第1層71がポリプロピレンを主成分とする層であり、第2層72がポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂を含む層である。第2層72においては、ポリプロピレンの配合比がポリエチレンの配合比より大きい。第2層72におけるポリプロピレンとポリエチレンの質量比は、6:4〜8:2である。
Bタイプのシーラント層70を備える包装材料30が、加熱殺菌用途の包装製品で使用される場合、シーラント層70におけるポリエチレンの密度を0.940g/cm3以上とすることが好ましい。
Bタイプのシーラント層70の第1層71におけるポリプロピレンとしては、例えばエチレン−プロピレンブロック共重合体を用いることができる。Bタイプのシーラント層70の第2層72におけるポリプロピレンとしては、例えばエチレン−プロピレンランダム共重合体を用いることができる。
Bタイプのシーラント層70において、第1層71の厚みと第2層72の厚みの比は、3:1〜8:1とすることができる。
なお、シーラント層70は、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の内面側に押し出し法などによって設けられる樹脂層であってもよい。この場合、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50とシーラント層70との間に上述の第2接着剤層55が存在していなくてもよい。
(その他の層)
包装材料30は、印刷層32を更に備えていてもよい。図2に示す例において、印刷層32は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40と第1接着剤層45との間に位置している。
印刷層32は、袋10などの包装製品に、内容物や包装製品の情報を示したり、美感を付与したりするための層である。印刷層は、文字、数字、記号、図形、絵柄などを表現する。印刷層は、バインダー樹脂と、バインダー樹脂に分散された染料や顔料などの着色材と、を含む。印刷層を構成する材料としては、グラビア印刷用のインキやフレキソ印刷用のインキを用いることができる。グラビア印刷用のインキの具体例としては、DICグラフィックス株式会社製のフィナートを挙げることができる。
図3は、包装材料30の層構成の一変形例を示す断面図である。図3に示すように、包装材料30は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40の内面30x側の面上に位置する蒸着層34を備えていてもよい。また、包装材料30は、蒸着層34の面上に位置し、透明性を有するガスバリア性塗布膜36を更に備えていてもよい。
図4は、包装材料30の層構成の一変形例を示す断面図である。図4に示すように、蒸着層34は、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の外面30y側の面上に位置していてもよい。また、蒸着層34の面上にガスバリア性塗布膜36が設けられていてもよい。
以下、蒸着層34及びガスバリア性塗布膜36について説明する。
蒸着層34は、包装材料30のガスバリア性を高めるために包装材料30に設けられる層である。蒸着層34を構成する材料としては、アルミニウムなどの金属、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、酸化珪素などの無機酸化物などが挙げられる。
蒸着層34は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を阻止するガスバリア性の機能を有する層として機能する。なお、蒸着層34は二層以上設けられてもよい。蒸着層34を二層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。蒸着層34の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。具体的には、ローラー式蒸着膜成膜装置を用いて、成膜ローラー上において蒸着層を形成することができる。
蒸着層34は、アルミニウム酸化物(酸化アルミニウム)、珪素酸化物などの、透明性を有する無機物で形成された透明蒸着層であってもよい。特に、蒸着層34よりも内面30x側に印刷層32が設けられている場合、蒸着層34は、透明蒸着層として構成される。透明蒸着層としては、酸化アルミニウムの非結晶性の薄膜を使用することが好ましい。具体的には、透明蒸着層は、式AlO(式中、Xは、0.5〜1.5の範囲の数を表す。)で表される酸化アルミニウムの非結晶性の薄膜である。透明蒸着層は、膜表面から内面に向かう深さ方向に向かってXの値が減少している酸化アルミニウムの非結晶性の薄膜を使用することができる。酸化アルミニウムの非結晶性の薄膜は、式AlO(式中、Xは、0.5〜1.5の範囲の数を表す。)で表され、その薄膜表面から内面に向かう深さ方向に向かってXの値が増加していることが好ましい。なお、上記の式中のXの値としては、基本的には、X=0.5以上のものを使用することができるが、X=1.0未満になると、着色が激しく、かつ、透明性に劣ることから、X=1.0以上のものを使用することが好ましい。また、X=1.5のものは、Alと酸素とが完全に酸化した状態のものであることから、上限としては、X=1.5までのものを使用することができる。なお、上記の式中のXの値が0の場合、完全な無機単体(純物質)であり、透明ではない。
なお、Xの値の減少割合は、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy:XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy:SIMS)などの表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングするなどして分析する方法を利用して、透明蒸着層の元素分析を行うことより確認することができる。
<透明蒸着層の第1の好ましい形態>
以下、透明蒸着層の第1の好ましい形態について説明する。透明蒸着層は、アルミニウム原子と炭素原子の共有結合を含む無機化合物の混合物からなる層であってもよい。この場合において、透明蒸着層は、X線光電子分光装置(測定条件:X線源AlKα、X線出力120W)を用い、深さ方向にイオンエッチングにより測定したピークにアルミニウム原子と炭素原子の共有結合の存在を示し、また、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等の透過を妨げるガスバリア性を有してもよい。
透明蒸着層と二軸延伸プラスチックフィルムとの界面には、金属原子と炭素原子の共有結合が形成されていてもよい。例えば、透明蒸着層が酸化アルミニウムを含む場合、二軸延伸プラスチックフィルムと透明蒸着層との界面には、アルミニウム原子と炭素原子の共有結合が形成されていてもよい。共有結合は、X線光電子分光法による測定(以下、略して「XPS測定」という)によって検出され得る。
また、透明蒸着層においては、アルミニウム原子と炭素原子の共有結合の存在比率が、XPS測定により透明蒸着層と二軸延伸プラスチックフィルムとの界面を測定した場合に観察される炭素原子を含む全結合のうちの0.3%以上且つ30%以下の範囲内であることが好ましい。これにより、透明蒸着層と二軸延伸プラスチックフィルムとの密着性が強化され、透明性も優れ、ガスバリア性の蒸着フィルムとしてバランスのよい性能のものが得られる。
アルミニウム原子と炭素原子の共有結合の存在比率が0.3%未満であると、透明蒸着層の密着性の改善が不十分であり、バリア性を安定して維持することが困難になる。
さらに、酸化アルミニウムを主成分とする透明蒸着層の、AL(アルミニウム)/O(酸素)比が、二軸延伸プラスチックフィルムと透明蒸着層との界面から、二軸延伸プラスチックフィルムとは反対側の透明蒸着層の表面に向かって3nmまでの範囲内において、1.0以下であることが好ましい。
透明蒸着層と二軸延伸プラスチックフィルムとの界面から、二軸延伸プラスチックフィルムとは反対側の透明蒸着層の表面に向かう範囲内において、AL/Oの比が1.0を超えると、二軸延伸プラスチックフィルムと透明蒸着層との間の密着性が不十分となり、かつアルミニウムの割合が高まり、透明蒸着層の透明性が低下する。
透明蒸着層の厚みは、例えば20Å以上且つ200Åであり、好ましくは30Å以上且つ150Åである。30Å未満であると、ガスバリア性が不十分となる場合がある。一方、150Åを超えると、包装材料30のガスバリア性能を維持できない場合がある。この理由は定かではないが、透明蒸着層の厚みが150Åを超えると包装材料30の屈曲性が低下し、包装材料30を袋10に使用した場合に透明蒸着層の一部に亀裂ないしピンホールが発生してガスバリア性が低下するものと考えられる。透明蒸着層の厚みは、好ましくは、40Å以上且つ130Å以下、より好ましくは、50Å以上且つ120Å以下である。なお、透明蒸着層の厚みは、例えば、蛍光X線分析装置(商品名:RIX2000型、株式会社理学製)を用いて、ファンダメンタルパラメーター法で測定することができる。また、透明蒸着層の厚みを変更する手段としては、透明蒸着層の堆積速度を変更する方法、蒸着する速度を変更する方法などによって行うことができる。
二軸延伸プラスチックフィルムの面に予めコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理などの前処理を施しておいてもよい。前処理がプラズマ処理である場合、前処理装置により、0.1Pa以上100Pa以下の減圧環境下において、二軸延伸プラスチックフィルムの面に対してプラズマを供給する。プラズマは、アルゴン等の不活性ガス単独又は酸素、窒素、炭酸ガス及びそれらの1種以上のガスとの混合ガスをプラズマ原料ガスとして用い、高周波電圧等による電位差によって、プラズマ原料ガスを励起状態にすることにより、発生させることができる。
前処理により、二軸延伸プラスチックフィルムの表面近傍にプラズマを閉じ込めることができる。これにより、二軸延伸プラスチックフィルムの表面の形状や、化学的な結合状態や官能基を変化させ、二軸延伸プラスチックフィルムの表面の化学的性状を変化させることができる。このことにより、二軸延伸プラスチックフィルムと透明蒸着層との密着性を向上させることが可能となる。
<透明蒸着層の第2の好ましい形態>
次に、透明蒸着層の第2の好ましい形態について説明する。なお、本願においては、透明蒸着層が、上述の第1の好ましい形態及び以下に説明する第2の好ましい形態の両方を満たしていてもよく、いずれか一方の形態のみを満たしていてもよい。また、本願の透明蒸着層が上述の第1の好ましい形態及び以下に説明する第2の好ましい形態のいずれをも満たさない場合も考えられ得る。
透明蒸着層においては、二軸延伸プラスチックフィルムなどの基材と酸化アルミニウム蒸着膜などの透明蒸着層との密着強度を規定する遷移領域が、透明蒸着層に形成されていてもよい。透明蒸着層が酸化アルミニウム蒸着膜である場合、遷移領域は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて酸化アルミニウム蒸着膜のエッチングを行うことで検出される水酸化アルミニウムに変成する結合構造(Al2O4H)を含む。TOF−SIMSを用いてエッチングを行うことで規定される酸化アルミニウム蒸着膜に対する、TOF−SIMSを用いて規定される該変成される遷移領域の割合により定義される遷移領域の変成率は、好ましくは45%以下である。このような形態は、遷移領域の変成率を規定することで、二軸延伸プラスチックフィルムと酸化アルミニウム蒸着膜との間の密着強度が改善された、バリア性を備える包装材料30を特定できるとの知見に基づくものである。
遷移領域の変成率について具体的に説明する。まず、飛行時間型二次イオン質量分析計を用いてCsにより、酸化アルミニウム蒸着膜の最表面からエッチングを行い、酸化アルミニウム蒸着膜と二軸延伸プラスチックフィルムとの界面の元素結合及び蒸着膜の元素結合を測定する。続いて、測定された元素および元素結合について、図13に示すように、それぞれの実測グラフを得る。
酸化アルミニウム蒸着膜における水酸化アルミニウムが形成する、二軸延伸プラスチックフィルムと蒸着膜の界面の遷移領域を極力狭くするために、AL2O4Hに注目し、1)元素C6のグラフの強度Hが半分になる位置(図13において強度(Intensity)がHになる位置)を、二軸延伸プラスチックフィルムと酸化アルミニウム蒸着膜の界面(図13において横軸(Cycle)がTの位置)として特定する。また、界面から酸化アルミニウム蒸着膜の表面(図13において横軸(Cycle)がTの位置)までを、酸化アルミニウム蒸着膜として特定する。続いて、2)元素結合AL2O4Hを表すグラフにおけるピーク(図13において横軸(Cycle)がTの位置)を求め、そのピークの位置から界面の位置までを遷移領域として特定する。続いて、3)(元素結合AL2O4Hのピークから界面までの遷移領域/酸化アルミニウム蒸着膜)×100(%)として遷移領域の水酸化アルミニウムへの変成率を求めるものである。図13に示す例において、変成率は、(W2/W1)×100(%)である。
酸化アルミニウム蒸着膜の成膜は、酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率を好ましい値とするために、酸化アルミ蒸着工程前に、二軸延伸プラスチックフィルムの表面にプラズマ前処理を行うことが好ましい。プラズマ前処理において、プラズマガスとして供給する酸素ガスとアルゴンまたはヘリウムとの混合比率は、5対1、好ましくは、2対1である。混合比率を5対1とすることで、二軸延伸プラスチックフィルムの面上での蒸着アルミニウムの膜形成エネルギーが増加し、更に2対1とすることで、水酸化アルミニウムの形成が基材の界面近傍で形成される、すなわち該遷移領域の変成率が低下する。
蒸着膜を成膜する蒸着法としては、物理蒸着法、化学蒸着の中から種々の蒸着法が適用できる。物理蒸着法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、クラスターイオンビーム法からなる群から選ぶことができ、化学蒸着法としては、プラズマCVD法、プラズマ重合法、熱CVD法、触媒反応型CVD法からなる群から選ぶことができる。本形態においては、物理蒸着法の蒸着法が好適である。
上記のように製膜される酸化アルミニウム蒸着膜の厚さは、好ましくは3nm以上且つ50nm以下であり、好ましくは8nm以上且つ30nm以下である。この範囲であれば、バリア性を保持し易い。
〔ガスバリア性塗布膜〕
ガスバリア性塗布膜36は、一般式R M(OR(ただし、式中、R、Rは、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコ−ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合する透明ガスバリア性組成物により得られる。なお、ガスバリア性塗布膜36は透明であることが好ましい。
上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解の縮合物の少なくとも一種以上を使用することができる。また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよい。アルコキシドの加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2〜6量体のものを使用される。
上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他などを使用することができる。好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタンなどを挙げることができる。また、本実施の形態において、アルコキシドの用い方としては、単独または二種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、その他などのアルキル基を挙げることができる。また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他などを挙げることができる。なお、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記の透明ガスバリア性組成物を調製する際、例えば、シランカップリング剤などを添加してもよい。上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、または、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、一種または二種以上を混合して用いてもよい。
蒸着層34を備える包装材料30の酸素透過度及び水蒸気透過度はそれぞれ、好ましくは2以下(cc/m・day・atm)及び2以下(g/m・day)である。酸素透過度は、JIS K7126(等圧法)に準じ、米国モコン社製の酸素バリア測定器 OXTRAN を用い、23℃・90%RH条件下にて測定される。水蒸気透過度は、JIS K7129(B法)に準じ、米国モコン社製の水蒸気バリア測定器 PERMATRAN を用い、40℃・90%RH条件下にて測定される。
包装材料の製造方法
次に、包装材料30の製造方法の一例について説明する。
まず、上述の第1の二軸延伸プラスチックフィルム40及び第2の二軸延伸プラスチックフィルム50を準備する。第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50には、必要に応じて、印刷層32、蒸着層34、ガスバリア性塗布膜36などが設けられている。
続いて、ドライラミネート法により、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40と第2の二軸延伸プラスチックフィルム50とを、第1接着剤層45を介して積層する。その後、ドライラミネート法により、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40及び第2の二軸延伸プラスチックフィルム50を含む積層体と、シーラント層70とを、第2接着剤層55を介して積層する。これによって、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50及びシーラント層70を備える包装材料30を得ることができる。
若しくは、まず第2の二軸延伸プラスチックフィルム50とシーラント層70とを第2接着剤層55を介してドライラミネート法により積層し、その後、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40と、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50及びシーラント層70を含む積層体とを第1接着剤層45を介してドライラミネート法により積層することにより、包装材料30を製造してもよい。
ドライラミネート法においては、まず、積層される2つのフィルムのうちの一方に接着剤組成物を塗布する。続いて、塗布された接着剤組成物を乾燥させて溶剤を揮発させる。その後、乾燥後の接着剤組成物を介して2つのフィルムを積層する。続いて、積層された2つのフィルムを巻き取った状態で、例えば20℃以上の環境下で24時間以上にわたってエージングする。
袋の製造方法
次に、上述の包装材料30を用いて袋10を製造する方法について説明する。まず、包装材料30からなる表面フィルム14及び裏面フィルム15を準備する。続いて、各フィルムの内面同士をヒートシールして、下部シール部12a、側部シール部13aなどのシール部を形成する。また、ヒートシールによって互いに接合されたフィルムを適切な形状に切断して、図1に示す袋10を得る。
続いて、上部11の開口部11bを介して内容物18を袋10に充填する。具体的には、図14に示すように、袋10の一対の側部シール部13aのうち上部11に近い部分を、一対のチャック部105によって把持する。また、図14において矢印Pで示すように、袋10の幅方向において一対のチャック部105の間の間隔が狭くなる向きにチャック部105を動かす。これにより、開口部11bを上部11に形成するように表面フィルム14及び裏面フィルム15が変形する。この際、図14に示すように、表面フィルム14及び裏面フィルム15の外面に吸着部106を取り付け、矢印Qの方向に吸着部106を移動させてもよい。これにより、開口部11bを形成し易くなる。続いて、開口部11bを介して内容物18を袋10に充填する。その後、上部11をヒートシールして上部シール部11aを形成する。このようにして、内容物18が収容され封止された袋10を得ることができる。
内容物18は、例えば、カレー、シチュー、スープ等の、水分を含む調理済食品である。また、内容物18は、肉や魚及びそれらのための調味料など、油分を多く含む素材を有していてもよい。また食品以外にも、湯煎等によって加熱され得るものを内容物として袋10に収容することができる。また、加熱が不要な内容物を袋10に収容してもよい。
本実施の形態においては、袋10を構成する包装材料30の第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として、高スティフネスポリエステルフィルムが用いられている。このため、包装材料30及び袋10に優れた突き刺し強度を持たせることができる。これにより、例えば、先端が尖った鋭利な部材が袋10に接触した場合に袋10が破けてしまうことなどを抑制することができる。包装材料30の突き刺し強度は、14.0N以上であることが好ましく、15.0N以上であることがより好ましく、16.0N以上であることがより好ましく、17.0N以上であることがより好ましく、18.0N以上であることがより好ましく、19.0N以上であることがさらに好ましい。突き刺し強度の測定方法については、後述する実施例において説明する。
また、本実施の形態においては、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50が、ポリエステルを主成分として含んでいる。このため、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50がナイロンフィルムである場合に比べて、内容物に起因する着色が包装材料30に生じることを抑制することができる。これにより、包装材料30から構成される包装製品の外観を好適に維持することができる。
また、本実施の形態においては、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として高スティフネスポリエステルフィルムを用いることにより、包装材料30の剛性を高めやすい。例えば、包装材料30は、少なくとも1つの方向において、0.100N以上のループスティフネスを有する。例えば、流れ方向(MD)における包装材料30のループスティフネスが0.100N以上である。包装材料30が剛性を有する場合、図14に示すようにチャック部105を動かすとき、開口部11bを上部11に形成し易くなる。例えば、表面フィルム14及び裏面フィルム15がそれぞれ、外面側に凸となる湾曲形状を有するように変形し易くなる。これにより、開口部11bの開口幅Kを確保し易くなる。また、表面フィルム14及び裏面フィルム15を構成する包装材料30が剛性を有する場合、表面フィルム14及び裏面フィルム15にシワが生じにくい。このため、表面フィルム14及び裏面フィルム15の外面に吸着部106が吸着し易い。このことも、開口部11bの開口幅Kを確保することに寄与し得る。
一方、包装材料30のループスティフネスが大き過ぎると、包装材料30から構成された包装製品が落下した時に包装材料30に破れなどの破損が生じ易くなることがある。ここで本実施の形態においては、少なくとも1つの方向における包装材料30のループスティフネスが0.150N未満になるよう、包装材料30が構成されている。すなわち、適度な柔軟性を有するように包装材料30が構成されている。これにより、包装材料30から構成された包装製品が落下した時に包装材料30に破れなどの破損が生じることを抑制することができる。
後述する実施例に示すように、少なくとも1つの方向における包装材料30のループスティフネスを0.150N未満にするための方法の1つとして、上述の未延伸ポリプロピレンフィルム ZK500のような、高い引張伸度を有し、耐衝撃性を備える、第1のタイプのシーラントフィルムを用いるという方法を採用することができる。
袋の開封方法
次に、袋10の開封方法について説明する。ここでは、消費者が第1方向D1に沿って袋10を引き裂くことにより袋10を開封する場合について説明する。本実施の形態においては、上述のように、包装材料30の第1の二軸延伸プラスチックフィルム40又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として二軸延伸直進カットフィルムを用いてもよい。この場合、消費者が袋10を引き裂いて開封する際に引き裂き方向が第1方向D1から逸れてしまうことを抑制することができる。従って、消費者は袋10を容易に引き裂くことができる。なお、袋10の引き裂き性を高める上では、高い引張弾性率を有する上述の第2のタイプのシーラントフィルムを用いることが好ましい。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(袋の変形例)
図15は、包装材料30を備える袋10のその他の例を示す図である。図15に示す袋10は、下部フィルム16を更に備える点が異なるのみであり、他の構成は、図1に示す袋10と略同一である。図15に示す袋10において、図1に示す袋10と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図15に示す袋10は、自立可能に構成されたガセット式の袋である。袋10は、図1に示す袋10の構成要素に加えて、下部12を構成する下部フィルム16を備える。下部フィルム16は、折り返し部16fで折り返された状態で、表面フィルム14と裏面フィルム15との間に配置されている。この場合、シール部は、下部12に広がる下部シール部12aを含む。下部シール部12aは、表面フィルム14の内面と下部フィルム16の内面とを接合することによって構成されるシール部、及び、裏面フィルム15の内面と下部フィルム16の内面とを接合することによって構成されるシール部を含む。
袋の製造方法
図15に示す袋10を製造する方法について説明する。まず、包装材料30からなる表面フィルム14及び裏面フィルム15を準備する。また、表面フィルム14と裏面フィルム15との間に、折り返した状態の下部フィルム16を挿入する。続いて、各フィルムの内面同士をヒートシールして、下部シール部12a、側部シール部13aなどのシール部を形成する。また、ヒートシールによって互いに接合されたフィルムを適切な形状に切断して、図15に示す袋10を得ることができる。
(袋の変形例)
図16は、包装材料30を備える袋10のその他の例を示す図である。図16に示す袋10は、蒸気抜き機構20を更に備える点が異なるのみであり、他の構成は、図15に示す袋10と略同一である。図16に示す袋10において、図15に示す袋10と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図16に示すように、袋10は、収容部17に収容された内容物を加熱する際に発生する蒸気を外部に逃がすための蒸気抜き機構20を備える。蒸気抜き機構20は、蒸気の圧力が所定値以上になったときに袋10の内部と外部とを連通させて蒸気を逃がすとともに、蒸気抜き機構20以外の箇所から蒸気が抜けることを抑制するよう、構成されている。
なお、蒸気抜き機構20を備える袋10を、電子レンジなどを用いて加熱する場合、袋10の内部の圧力が、蒸気抜き機構20から外部へ蒸気が抜ける程度にまで上昇しないこともある。すなわち、袋10の使用方法によっては、蒸気抜き機構20は、蒸気を外部に逃がすという機能を発現させる確率が低い場合がある。この場合であっても、袋10に蒸気抜き機構20を設けることにより、蒸気抜き機構20以外の箇所から蒸気が抜けたり、袋10が破裂したりする確率をより低くすることができる。
図16に示す例において、蒸気抜き機構20は、側部シール部13aから袋10の内側に向かって突出した蒸気抜きシール部20aと、蒸気抜きシール部20aによって収容部17から隔離された非シール部20bと、を有する。非シール部20bは、袋10の外部に連通している。電子レンジなどによって加熱されることによって収容部17の圧力が高まると、蒸気抜きシール部20aが剥離する。収容部17の蒸気は、蒸気抜きシール部20aの剥離部分及び非シール部20bを通って袋10の外部に抜けることができる。この際、包装材料30が耐熱性を有することにより、加熱の際に包装材料30に穴があいたり包装材料30にシワが形成されたりすることを抑制することができる。
なお、蒸気抜き機構20の構成が、図16に示す構成に限られることはない。蒸気の圧力が所定値以上になったときに収容部17と袋10の外部とを連通させることができる限りにおいて、蒸気抜き機構20の構成は任意である。
例えば図17に示すように、表面フィルム14は、表面フィルム14の内面同士が部分的に重ね合された合掌部14aを含んでいてもよい。合掌部14aは、例えば、1枚の表面フィルム14にひだを形成するように折り返し部14fで折り返すことによって構成され得る。また、合掌部14aは、2枚の表面フィルム14の一部分同士を重ね合わせることによって構成されてもよい。
合掌部14aには、一方の側部シール部13aから他方の側部シール部13aまで延びる合掌シール部14bが形成されている。この場合、蒸気抜き機構20は、例えば、合掌シール部14bから収容部17に向かって突出した蒸気抜きシール部20aと、蒸気抜きシール部20aと合掌シール部14bとによって囲われた非シール部20bと、非シール部20bにおいて表面フィルム14に形成された切込20cと、を有する。図17に示すように、側部13と蒸気抜き機構20との間で合掌部14aに位置する複数の非シール部14cのうち、最も蒸気抜き機構20の非シール部14cにおいても、表面フィルム14に切込14dが形成されていてもよい。
本変形例においても、収容部17の圧力が増加すると、蒸気抜きシール部20aが剥離して収容部17と非シール部20bとが連通する。蒸気抜きシール部20aの剥離部分を通って収容部17から非シール部20bに流入した蒸気は、切込20cを通って袋10の外部に抜ける。
なお、図17に示す袋10は、裏面フィルム15が広域にわたって電子レンジのターンテーブル又は下面(フラットテーブル)に接するよう、電子レンジ内に配置される。このため、図16に示すような自立タイプの袋10に比べて、内容物が均一に加熱され易い。また、袋10が電子レンジに接している部分の面積が大きいので、加熱によって袋10が軟化したとしても、内容物の液面の位置が変化しにくい。このため、電子レンジを用いた加熱工程において、内容物の液面よりも上方において表面フィルム14又は裏面フィルム15の内面に内容物が付着しているという状態が生じにくい。これにより、表面フィルム14又は裏面フィルム15の内面に付着している内容物が過剰に過熱されて表面フィルム14又は裏面フィルム15に穴が形成されるという現象が生じることを抑制することができる。
図18A及び図18Bは、包装材料30の用途の一例である蓋付容器110を示す縦断面図及び平面図である。蓋付容器110は、絞り成形などのシート成形や射出成形などによって作製された容器本体112と、容器本体112に接合された蓋材114と、を備える。容器本体112は、底面112a及び側面112bと、側面112bの上端から水平方向外方へ広がるフランジ部113と、を有する。蓋材114は、容器本体112のフランジ部113の上面に、シール部116を介して接合されている。蓋材114は、少なくとも1つの高スティフネスポリエステルフィルムを有する上述の包装材料30を含んでいてもよい。上述の包装材料30を用いて蓋材114を構成することにより、蓋材114に優れた突き刺し強度を持たせることができる。これにより、先端が尖った鋭利な部材が蓋材114に接触した場合に蓋材114が破けてしまうことなどを抑制することができる。また、蓋付容器110が落下した場合に蓋付容器110が破損して内容物が漏れ出てしまうことを抑制することができる。
蓋材114を構成する包装材料30のシーラント層70は、イージーピール性を備えていてもよい。すなわち、蓋材114を構成する包装材料30のシーラント層70は、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分とする第1層71と、ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂を含み、内面30xを構成する第2層72と、を有していてもよい。
本願においては、袋10や蓋付容器110などの、物品を包装するための製品のことを、包装製品とも称する。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
実施例A1〜A3、比較例1〜3、実施例B1〜B3並びに実施例C1〜C3により、本発明における包装材料30の突き刺し強度、ループスティフネス、及び落下強度についての評価を行った。
(実施例A1)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として、0.0017N以上のループスティフネスを有し、PETからなる高スティフネスポリエステルフィルム(以下、高スティフネスPETフィルムとも称する)を準備した。続いて、高スティフネスPETフィルムの面に厚み1μmの印刷層を形成した。
高スティフネスPETフィルムとしては、具体的には、東レ株式会社製のXP−55を用いた。高スティフネスPETフィルムの厚みは16μmであった。また、高スティフネスPETフィルムのループスティフネスの測定値は、流れ方向及び垂直方向のいずれにおいても0.0021Nであった。また、流れ方向における高スティフネスPETフィルムのヤング率は4.8GPaであり、垂直方向における高スティフネスPETフィルムのヤング率は4.7GPaであった。
また、流れ方向における高スティフネスPETフィルムの引張強度は292MPaであり、垂直方向における高スティフネスPETフィルムの引張強度は257MPaであった。また、流れ方向における高スティフネスPETフィルムの引張伸度は107%であり、垂直方向における高スティフネスPETフィルムの引張伸度は102%であった。この場合、流れ方向における高スティフネスPETフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は2.73〔MPa/%〕であり、垂直方向における高スティフネスPETフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は2.52〔MPa/%〕である。
また、流れ方向及び垂直方向における高スティフネスPETフィルムの熱収縮率はいずれも0.4%であった。
また、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として、厚みが12μmの二軸延伸PETフィルムを準備した。二軸延伸PETフィルムとしては、流れ方向(MD)における引張強度と垂直方向(TD)における引張強度とが略同一のものを用いた。
また、シーラント層70として、東レフィルム加工株式会社製の未延伸ポリプロピレンフィルム ZK500を準備した。ZK500は、上述のプロピレン・エチレンブロック共重合体を含む。シーラント層70の厚みは60μmであった。
ZK500は、一般的な未延伸ポリプロピレンフィルムに比べて高い引張伸度を有する。具体的には、流れ方向(MD)におけるZK500の引張伸度は、厚みが50μmの場合に1180%であり、厚みが60μmの場合に1100%である。また、垂直方向(TD)におけるZK500の引張伸度は、厚みが50μmの場合に1240%であり、厚みが60μmの場合に1150%である。従って、流れ方向におけるZK500の引張伸度(%)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に59000であり、厚みが60μmの場合に66000である。また、垂直方向におけるZK500の引張伸度(%)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に62000であり、厚みが60μmの場合に69000である。
また、ZK500は、一般的な未延伸ポリプロピレンフィルムに比べて低い引張弾性率を有する。具体的には、流れ方向(MD)におけるZK500の引張弾性率は、厚みが50μmの場合に640MPaであり、厚みが60μmの場合に550MPaである。また、垂直方向(TD)におけるZK500の引張弾性率は、厚みが50μmの場合に480MPaであり、厚みが60μmの場合に400MPaである。従って、流れ方向におけるZK500の引張弾性率(MPa)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に32000であり、厚みが60μmの場合に33000である。また、垂直方向におけるZK500の引張弾性率(MPa)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に24000であり、厚みが60μmの場合に35000である。
続いて、ドライラミネート法により、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50及びシーラント層70を順に積層し、包装材料30を作製した。印刷層は、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の面側を向くようにして積層した。第1接着剤層45及び第2接着剤層55としては、ロックペイント株式会社製の2液型ポリウレタン系接着剤(主剤:RU−40、硬化剤:H−4)を用いた。なお、主剤のRU−40は、ポリエステルポリオールである。第1接着剤層45及び第2接着剤層55の厚みは、3μmであった。包装材料30全体の厚みは95μmであった。
〔耐突き刺し性の評価〕
続いて、包装材料30の突き刺し強度を、JIS Z1707 7.4に準拠して測定した。測定器としては、A&D製のテンシロン万能材料試験機RTC−1310を用いた。具体的には、図19に示すように、固定されている状態の包装材料30の試験片に対して、外面30y側から、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針90を、50mm/分(1分あたり50mm)の速度で突き刺し、針90が包装材料30を貫通するまでの応力の最大値を測定した。5個以上の試験片について、応力の最大値を測定し、その平均値を包装材料30の突き刺し強度とした。測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%とした。結果、突き刺し強度は16.7Nであった。
〔ループスティフネスの評価〕
また、包装材料30の流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。測定器としては、東洋精機社製のNo.581ループステフネステスタ(登録商標)LOOP STIFFNESS TESTER DA型を用いた。測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%とした。結果、包装材料30の流れ方向におけるループスティフネスは0.134Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.108Nであった。
〔落下強度の評価〕
続いて、包装材料30を表面フィルム14、裏面フィルム15及び下部フィルム16として用いて袋10を作製し、袋10の落下強度を評価した。具体的には、まず、包装材料30を用いて図15に示す袋10を作製した。袋10の高さS1は160mmであり、幅S2は147mmであった。また、折り返された下部フィルム16の高さS3、すなわち袋10の下端部から折り返し部16fまでの高さは、46mmであった。また、側部シール部13aの幅S4は7.0mmであった。続いて、内容物として200gの水を、上部11の開口部11bを介して袋10の内部に充填した。その後、上部11をヒートシールして上部シール部11aを形成した。上部シール部11aの幅S5は10.0mmであった。このようにして、200gの水が収容されている、図15に示す袋10を複数作製した。
袋10の作製工程において、上部シール部11a、下部シール部12a、側部シール部13aなどのシール部を形成するためのヒートシール装置としては、テスター産業社製のヒートシーラー TP−701−Aを用いた。ヒートシールの条件は下記のとおりである。
ヒートシール温度:220℃
ヒートシール時間:1.0秒
ヒートシール圧力:0.1MPa
続いて、水が収容されている袋10に、加熱殺菌処理を施した。具体的には、スプレー式のレトルト処理を袋10に施した。レトルト温度は121℃であり、レトルト時間は30分であった。
続いて、加熱殺菌処理後の複数の袋10の一部を3℃の環境下で一週間にわたって保管した。その後、下記の工程A1〜工程A4を連続して実施した。
工程A1:3℃の環境下で保管されている袋10を取り出す。
工程A2:裏面フィルム15が下側を向くように保持した状態の袋10を、120cmの高さから繰り返し10回落下させる。
工程A3:下部12が下側を向くように保持した状態の袋10を、120cmの高さから繰り返し10回落下させる。
工程A4:袋10が破袋しているか否かを確認する。
1つの袋10に対して工程A1〜工程A4を連続して実施することに要する時間は、約2分であった。
上述の工程A1〜工程A4を10個の袋10に対して実施し、破袋が生じていなかった袋10の数をカウントしたところ、10個であった。すなわち、合格率は10/10であった。以下の説明において、3℃の環境下で一週間にわたって保管した包装容器に対して実施された落下試験の合格率のことを、低温落下試験合格率とも称する。
また、加熱殺菌処理後の複数の袋10の一部を25℃の環境下で一週間にわたって保管した。その後、下記の工程B1〜工程B4を連続して実施した。
工程B1:25℃の環境下で保管されている袋10を取り出す。
工程B2:裏面フィルム15が下側を向くように保持した状態の袋10を、120cmの高さから繰り返し10回落下させる。
工程B3:下部12が下側を向くように保持した状態の袋10を、120cmの高さから繰り返し10回落下させる。
工程B4:袋10が破袋しているか否かを確認する。
1つの袋10に対して工程B1〜工程B4を連続して実施することに要する時間は、約2分であった。
上述の工程B1〜工程B4を10個の袋10に対して実施し、破袋が生じていなかった袋10の数をカウントしたところ、10個であった。すなわち、合格率は10/10であった。以下の説明において、25℃の環境下で一週間にわたって保管した包装容器に対して実施された落下試験の合格率のことを、常温落下試験合格率とも称する。
(実施例A2)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として、実施例A1において第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として用いた二軸延伸PETフィルムを用い、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として、実施例A1において第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として用いた高スティフネスPETフィルムを用いたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30を作製した。包装材料30全体の厚みは95μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は16.5Nであり、流れ方向におけるループスティフネスは0.132Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.110Nであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30を用いて、200gの水が収容されている袋10を作製した。また、実施例A1の場合と同様にして、水が収容されている袋10に加熱殺菌処理を施した。また、実施例A1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の袋10の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率はいずれも10/10であった。
(実施例A3)
実施例A1の場合と同様に、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として、二軸延伸PETフィルムを準備した。続いて、以下のようにして、二軸延伸PETフィルムの面に透明蒸着層とガスバリア性塗布膜とを形成した。続いて、ガスバリア性塗布膜の面に、厚み1μmの印刷層を形成した。
以下、透明蒸着層及びガスバリア性塗布膜の形成方法について説明する。まず、二軸延伸PETフィルムを巻き取ったロールを準備した。続いて、二軸延伸PETフィルムに酸素プラズマ処理を施した後、酸素プラズマ処理面上に、酸化アルミニウムを含む厚さ12nmの透明蒸着層を形成した。以下、酸素プラズマ処理及び成膜処理について詳細に説明する。
酸素プラズマ処理においては、二軸延伸PETフィルムのうち透明蒸着層が設けられる面に、プラズマ前処理室において下記条件下でプラズマ供給ノズルからプラズマを導入し、搬送速度400m/minで搬送される二軸延伸PETフィルムにプラズマ前処理を施した。これにより、二軸延伸PETフィルムのうち透明蒸着層が設けられる面に酸素プラズマ処理面を形成した。
〔酸素プラズマ前処理条件〕
・プラズマ強度:200W・sec/m2
・プラズマ形成ガス比:酸素/アルゴン=2/1
・前処理ドラム−プラズマ供給ノズル間印加電圧:340V
・前処理区画の真空度:3.8Pa
成膜処理においては、プラズマ前処理室から連続的に搬送された二軸延伸PETフィルムが搬入される成膜室において、アルミニウムをターゲットとして用いて、二軸延伸PETフィルムの酸素プラズマ処理面上に、厚さ12nmの酸化アルミニウムを含む透明蒸着層を真空蒸着法により二軸延伸PETフィルム上に形成した。真空蒸着法の加熱手段としては、反応性抵抗加熱方式を採用した。成膜条件は下記の通りである。
〔酸化アルミニウム成膜条件〕
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・酸素ガス供給量:20000sccm
続いて、透明蒸着層上にガスバリア性塗布膜を形成した。具体的には、まず、水385g、イソプロピルアルコール67g及び0.5N塩酸9.1gを混合し、pH2.2に調整した溶液に、金属アルコキシドとしてテトラエトキシシラン175gと、シランカップリング剤としてグリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.2gを10℃となるよう冷却しながら混合させて溶液Aを調製した。
水溶性高分子として、ケン価度99%以上の重合度2400のポリビニルアルコール14.7g、水324g、イソプロピルアルコール17gを混合した溶液Bを調製した。
続いて、A液とB液を重量比6.5:3.5となるよう混合した。このようにして得られた溶液を、ガスバリア性塗布膜用コート剤とした。
上記の透明蒸着層上に、上記で調製したガスバリア性塗布膜用コート剤をスピンコート法によりコーティングした。その後、180℃で60秒間、オーブンにて加熱処理して、厚さ約400nmのガスバリア性塗布膜を透明蒸着層上に形成した。このようにして、二軸延伸PETフィルム、透明蒸着層及びガスバリア性塗布膜を有するバリア性積層フィルムを得た。
また、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として、実施例A1の場合と同様に、高スティフネスPETフィルムを準備した。また、シーラント層70として、実施例A1の場合と同様に、東レフィルム加工株式会社製の未延伸ポリプロピレンフィルム ZK500を準備した。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、ドライラミネート法により、透明蒸着層、ガスバリア性塗布膜及び印刷層が設けられた第1の二軸延伸プラスチックフィルム40、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50及びシーラント層70を順に積層し、包装材料30を作製した。印刷層は、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の面側を向くようにして積層した。包装材料30全体の厚みは95μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は16.8Nであり、流れ方向におけるループスティフネスは0.132Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.110Nであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30を用いて、200gの水が収容されている袋10を作製した。また、実施例A1の場合と同様にして、水が収容されている袋10に加熱殺菌処理を施した。また、実施例A1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の袋10の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率はいずれも10/10であった。
(比較例1)
シーラント層70として、東レフィルム加工株式会社製の未延伸ポリプロピレンフィルム ZK207を用いたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30を作製した。シーラント層70の厚みは70μmであった。包装材料30全体の厚みは105μmであった。
ZK207は、高い引張弾性率を有する。具体的には、流れ方向(MD)におけるZK207の引張弾性率は、厚みが50μmの場合に780MPaであり、厚みが60μmの場合に680MPaである。また、垂直方向(TD)におけるZK207の引張弾性率は、厚みが50μmの場合に630MPaであり、厚みが60μmの場合に560MPaである。従って、流れ方向におけるZK207の引張弾性率(MPa)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に39000であり、厚みが60μmの場合に40800である。また、垂直方向におけるZK207の引張弾性率(MPa)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に31500であり、厚みが60μmの場合に33600である。
また、ZK207は、低い引張伸度を有する。具体的には、流れ方向(MD)におけるZK207の引張伸度は、厚みが50μmの場合に790%であり、厚みが60μmの場合に730%である。また、垂直方向(TD)におけるZK207の引張伸度は、厚みが50μmの場合に1020%であり、厚みが60μmの場合に870%である。従って、流れ方向におけるZK207の引張伸度(%)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に39500であり、厚みが60μmの場合に43800である。また、垂直方向におけるZK207の引張伸度(%)と厚み(μm)の積は、厚みが50μmの場合に51000であり、厚みが60μmの場合に52200である。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は15.6Nであり、流れ方向におけるループスティフネスは0.182Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.153Nであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30を用いて、200gの水が収容されている袋10を作製した。また、実施例A1の場合と同様にして、水が収容されている袋10に加熱殺菌処理を施した。また、実施例A1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の袋10の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率は7/10であり、常温落下試験合格率は9/10であった。
(比較例2)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として、比較例1において第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として用いた二軸延伸PETフィルムを用い、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として、比較例1において第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として用いた高スティフネスPETフィルムを用いたこと以外は、比較例1の場合と同様にして、包装材料30を作製した。包装材料30全体の厚みは105μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は15.4Nであり、流れ方向におけるループスティフネスは0.180Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.155Nであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30を用いて、200gの水が収容されている袋10を作製した。また、実施例A1の場合と同様にして、水が収容されている袋10に加熱殺菌処理を施した。また、実施例A1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の袋10の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率は7/10であり、常温落下試験合格率は9/10であった。
(比較例3)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として、実施例A1において第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として用いた二軸延伸PETフィルムを用いたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30を作製した。包装材料30全体の厚みは91μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度を測定した。結果、突き刺し強度は13.7Nであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30を用いて、200gの水が収容されている袋10を作製した。また、実施例A1の場合と同様にして、水が収容されている袋10に加熱殺菌処理を施した。また、実施例A1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の袋10の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率はいずれも10/10であった。
実施例A1〜A3の包装材料30の層構成及び評価結果を、図20にまとめて示す。また、比較例1〜3の包装材料30の層構成及び評価結果を、図21にまとめて示す。図20及び図21において、「層構成」の欄には、包装材料30の構成要素を、外面側の層から順に上から記載している。
実施例A1〜A3と比較例3との比較から分かるように、包装材料30が高スティフネスポリエステルフィルムを含む場合、包装材料30の突き刺し強度を、包装材料30が高スティフネスポリエステルフィルムを含まない場合に比べて高めることができた。具体的には、14.0N以上に高めることができた。実施例A1〜A3においては、包装材料30の突き刺し強度が16.0N以上であった。
実施例A1〜A3から分かるように、少なくとも1つの方向における包装材料30のループスティフネスが0.150N未満である場合、レトルト処理後に実施した低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率がいずれも10/10であった。実施例A1〜A3においては、流れ方向及び垂直方向における包装材料30のループスティフネスがいずれも0.150N未満であった。一方、比較例1、2から分かるように、流れ方向及び垂直方向における包装材料30のループスティフネスが0.150N以上である場合、落下試験で破袋する袋10があった。これらのことから、包装材料30のループスティフネスが0.150N未満であり、包装材料30が適度な柔軟性を有することは、レトルト処理後の袋10の落下強度の向上に寄与すると考えられる。
(実施例B1)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として、実施例A1の場合と同様に、厚みが16μmの高スティフネスPETフィルムを準備した。続いて、実施例A3の場合と同様に、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40の面に透明蒸着層とガスバリア性塗布膜とを形成した。続いて、ガスバリア性塗布膜の面に、厚み1μmの印刷層を形成した。
また、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として、実施例A1の場合と同様に、厚みが12μmの二軸延伸PETフィルムを準備した。
また、シーラント層70として、低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレンを含み、105℃の融点を有する混合樹脂からなるシーラントフィルム(厚さ50μm)を準備した。
続いて、ドライラミネート法により、第1の二軸延伸プラスチックフィルム40、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50及びシーラント層70を順に積層し、包装材料30を作製した。印刷層は、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50の面側を向くようにして積層した。第1接着剤層45及び第2接着剤層55としては、ロックペイント株式会社製の2液型ポリウレタン系接着剤(主剤:RU−40、硬化剤:H−4)を用いた。なお、主剤のRU−40は、ポリエステルポリオールである。第1接着剤層45及び第2接着剤層55の厚みは、3μmであった。包装材料30全体の厚みは85μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は16.5Nであり、流れ方向におけるループスティフネスは0.111Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.121Nであった。
続いて、ヒートシール装置のヒートシール温度を180℃としたこと以外は、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30を用いて、200gの水が収容されている袋10を作製した。また、水が収容されている袋10に、加熱殺菌処理を施した。具体的には、ボイル処理を袋10に施した。ボイル温度は95℃であり、ボイル時間は60分であった。また、実施例A1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の袋10の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率はいずれも10/10であった。
(実施例B2)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として、実施例B1において第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として用いた二軸延伸PETフィルムを用い、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として、実施例A1において第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として用いた高スティフネスPETフィルムを用いたこと以外は、実施例B1の場合と同様にして、包装材料30を作製した。包装材料30全体の厚みは85μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は16.4Nであり、流れ方向におけるループスティフネスは0.114Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.123Nであった。
続いて、実施例B1の場合と同様にして、包装材料30を用いて、200gの水が収容されている袋10を作製した。また、実施例B1の場合と同様にして、水が収容されている袋10に加熱殺菌処理を施した。また、実施例B1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の袋10の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率はいずれも10/10であった。
(実施例B3)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40を構成する高スティフネスPETフィルムに透明蒸着層及びガスバリア性塗布膜が設けられていないこと以外は、実施例B1の場合と同様にして、包装材料30を作製した。包装材料30全体の厚みは85μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は16.5Nであり、流れ方向におけるループスティフネスは0.111Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.121Nであった。
続いて、実施例B1の場合と同様にして、包装材料30を用いて、200gの水が収容されている袋10を作製した。また、実施例B1の場合と同様にして、水が収容されている袋10に加熱殺菌処理を施した。また、実施例B1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の袋10の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率はいずれも10/10であった。
実施例B1〜B3の包装材料30の層構成及び評価結果を、図22にまとめて示す。実施例B1〜B3においても、包装材料30が高スティフネスポリエステルフィルムを含むことにより、包装材料30の突き刺し強度を14.0N以上に高めることができた。実施例B1〜B3においては、包装材料30の突き刺し強度が16.0N以上であった。
実施例B1〜B3から分かるように、少なくとも1つの方向における包装材料30のループスティフネスが0.150N未満である場合、ボイル処理後に実施した低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率がいずれも10/10であった。実施例B1〜B3においては、流れ方向及び垂直方向における包装材料30のループスティフネスがいずれも0.150N未満であった。これらのことから、包装材料30のループスティフネスが0.150N未満であり、包装材料30が適度な柔軟性を有することは、ボイル処理後の袋10の落下強度の向上にも寄与すると考えられる。
(実施例C1)
シーラント層70として、図12に示す第1層71及び第2層72を備え、イージーピール性を有する共押し出しフィルムを用いたこと以外は、実施例B1の場合と同様にして、包装材料30を作製した。第1層71は、ポリエチレンからなる、厚み45μmの層であった。第2層72は、ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂を含む、厚み5μmの層であった。ポリエチレンとしては、0.950g/cm3の密度を有する高密度ポリエチレンを用いた。ポリプロピレンとしては、エチレン−プロピレンランダム共重合体を用いた。第2層72におけるポリプロピレンとポリエチレンの質量比は7:3であった。シーラント層70の厚みは50μmであった。包装材料30全体の厚みは85μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は16.2Nであり、流れ方向にループスティフネスは0.112Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.115Nであった。
続いて、包装材料30を蓋材114として用いて、図18A及び図18Bに示す蓋付容器110を作製した。
まず、容器本体112を準備した。容器本体112を構成する材料としては、エチレン−プロピレンブロック共重合体を用いた。容器本体112のフランジ部113の内寸R1は60mmであり、フランジ部113の外寸R2は70mmであり、容器本体112の高さR3は110mmであった。
続いて、内容物として200gの水を容器本体112に充填した後、包装材料30によって構成された蓋材114を、容器本体112のフランジ部113の上面にヒートシールしてシール部116を形成した。シール部116の幅R4は5mmであった。このようにして、200gの水が収容されている、図18A及び図18Bに示す蓋付容器110を複数作製した。
蓋付容器110の作製工程において、シール部116を形成するためのヒートシール装置としては、テスター産業社製のヒートシーラー TP−701−Aを用いた。ヒートシールの条件は下記のとおりである。
ヒートシール温度:180℃
ヒートシール時間:1.5秒
ヒートシール圧力:0.5MPa
続いて、水が収容されている蓋付容器110に、加熱殺菌処理を施した。具体的には、スプレー式のレトルト処理を蓋付容器110に施した。レトルト温度は121℃であり、レトルト時間は30分であった。
続いて、加熱殺菌処理後の複数の蓋付容器110の一部を3℃の環境下で一週間にわたって保管した。その後、下記の工程C1〜工程C3を連続して実施した。
工程C1:3℃の環境下で保管されている蓋付容器110を取り出す。
工程C2:側面112bが水平方向に平行になるように保持した状態の蓋付容器110を、60cmの高さから繰り返し2回落下させる。
工程C3:蓋付容器110から水が漏れ出ているか否かを確認する。
上述の工程C1〜工程C3を10個の蓋付容器110に対して実施し、水の漏れが生じていなかった蓋付容器110の数をカウントしたところ、10個であった。すなわち、低温落下試験合格率は10/10であった。
また、加熱殺菌処理後の複数の蓋付容器110の一部を25℃の環境下で一週間にわたって保管した。その後、下記の工程D1〜工程D3を連続して実施した。
工程D1:25℃の環境下で保管されている蓋付容器110を取り出す。
工程D2:側面112bが水平方向を向くように保持した状態の蓋付容器110を、60cmの高さから繰り返し2回落下させる。
工程D3:蓋付容器110から水が漏れ出ているか否かを確認する。
上述の工程D1〜工程D3を10個の蓋付容器110に対して実施し、水の漏れが生じていなかった蓋付容器110の数をカウントしたところ、10個であった。すなわち、常温落下試験合格率は10/10であった。
(実施例C2)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として、実施例C1において第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として用いた二軸延伸PETフィルムを用い、第2の二軸延伸プラスチックフィルム50として、実施例C1において第1の二軸延伸プラスチックフィルム40として用いた高スティフネスPETフィルムを用いたこと以外は、実施例C1の場合と同様にして、包装材料30を作製した。包装材料30全体の厚みは85μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は16.3Nであり、流れ方向におけるループスティフネスは0.114Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.119Nであった。
続いて、実施例C1の場合と同様にして、包装材料30を蓋材114として用いて、200gの水が収容されている蓋付容器110を作製した。また、実施例C1の場合と同様にして、水が収容されている蓋付容器110に加熱殺菌処理を施した。また、実施例C1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の蓋付容器110の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率はいずれも10/10であった。
(実施例C3)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム40を構成する高スティフネスPETフィルムに透明蒸着層及びガスバリア性塗布膜が設けられていないこと以外は、実施例C1の場合と同様にして、包装材料30を作製した。包装材料30全体の厚みは85μmであった。
続いて、実施例A1の場合と同様にして、包装材料30の突き刺し強度並びに流れ方向及び垂直方向におけるループスティフネスを測定した。結果、突き刺し強度は16.2Nであり、流れ方向にループスティフネスは0.112Nであり、垂直方向におけるループスティフネスは0.115Nであった。
続いて、実施例C1の場合と同様にして、包装材料30を蓋材114として用いて、200gの水が収容されている蓋付容器110を作製した。また、実施例C1の場合と同様にして、水が収容されている蓋付容器110に加熱殺菌処理を施した。また、実施例C1の場合と同様にして、加熱殺菌処理後の蓋付容器110の落下強度を評価した。結果、低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率はいずれも10/10であった。
実施例C1〜C3の包装材料30の層構成及び評価結果を、図23にまとめて示す。実施例C1〜C3においても、包装材料30が高スティフネスポリエステルフィルムを含むことにより、包装材料30の突き刺し強度を14.0N以上に高めることができた。実施例C1〜C3においては、包装材料30の突き刺し強度が16.0N以上であった。
実施例C1〜C3から分かるように、少なくとも1つの方向における包装材料30のループスティフネスが0.150N未満である場合、レトルト処理後の蓋付容器110に実施した低温落下試験合格率及び常温落下試験合格率がいずれも10/10であった。実施例C1〜C3においては、流れ方向及び垂直方向における包装材料30のループスティフネスがいずれも0.150N未満であった。これらのことから、包装材料30のループスティフネスが0.150N未満であり、包装材料30が適度な柔軟性を有することは、レトルト処理後の蓋付容器110の落下強度の向上にも寄与すると考えられる。
10 袋
11 上部
12 下部
12a 下部シール部
13 側部
13a 側部シール部
14 表面フィルム
15 裏面フィルム
16 下部フィルム
17 収容部
18 内容物
20 蒸気抜き機構
20a 蒸気抜きシール部
25 易開封性手段
26 ノッチ
30 包装材料
32 印刷層
34 蒸着層
36 ガスバリア性塗布膜
40 第1の二軸延伸プラスチックフィルム
45 第1接着剤層
50 第2の二軸延伸プラスチックフィルム
55 第2接着剤層
70 シーラント層

Claims (10)

  1. 外面側から内面側へ順に、第1の二軸延伸プラスチックフィルム、第2の二軸延伸プラスチックフィルム及びシーラント層を少なくとも備える包装材料であって、
    前記第1の二軸延伸プラスチックフィルム及び前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムは、ポリエステルを主成分として含み、
    前記包装材料の1つの方向におけるループスティフネスは、0.150N未満であり、
    前記包装材料の突き刺し強度は、14.0N以上である、包装材料。
  2. 前記第1の二軸延伸プラスチックフィルム及び前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムはいずれも、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含む、請求項1に記載の包装材料。
  3. 印刷層を備える、請求項1又は2に記載の包装材料。
  4. 前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムの面上又は前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムの面上に位置する蒸着層と、前記蒸着層上に位置するガスバリア性塗布膜と、を備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装材料。
  5. 前記包装材料の突き刺し強度が16.0N以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装材料。
  6. 前記シーラント層は、ポリプロピレンを主成分として含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装材料。
  7. 前記シーラント層は、100℃以上の融点を有するポリエチレンを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装材料。
  8. 前記シーラント層は、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分とする第1層と、第1層よりも内面側に位置し、ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂を含む第2層と、を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装材料。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の包装材料を備えるレトルトパウチ。
  10. 収容部を有する電子レンジ用パウチであって、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の包装材料と、
    前記包装材料の内面同士を接合するシール部であって、前記収容部の圧力の増加により剥離する蒸気抜きシール部を含むシール部と、を備える電子レンジ用パウチ。
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