JP2022152927A - パウチ - Google Patents

パウチ Download PDF

Info

Publication number
JP2022152927A
JP2022152927A JP2021055889A JP2021055889A JP2022152927A JP 2022152927 A JP2022152927 A JP 2022152927A JP 2021055889 A JP2021055889 A JP 2021055889A JP 2021055889 A JP2021055889 A JP 2021055889A JP 2022152927 A JP2022152927 A JP 2022152927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pouch
seal portion
film
packaging material
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021055889A
Other languages
English (en)
Inventor
峻 石川
Shun ISHIKAWA
紘基 阿久津
Hiroki Akutsu
和弘 多久島
Kazuhiro Takushima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2021055889A priority Critical patent/JP2022152927A/ja
Publication of JP2022152927A publication Critical patent/JP2022152927A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Package Specialized In Special Use (AREA)

Abstract

【課題】収容部において発生した蒸気をパウチの外部に適切に排出できるパウチを提供する。【解決手段】パウチは、パウチの第1側部に位置し、表面フィルムの内面と裏面フィルムの内面とを接合する第1側部シール部と、パウチの第1側部に第1方向において対向する第2側部に位置し、第1側部シール部との間に収容部を画成する第2側部シール部と、第1側部シール部によって収容部から隔離された第1非シール部であって、パウチの第1側部の第1側縁に達するよう広がる第1非シール部と、第2側部シール部によって収容部から隔離された第2非シール部であって、パウチの第2側部の第2側縁に達するよう広がる第2非シール部と、を備える。第1非シール部は、第1側部シール部の第1下側シール部分の内縁よりも第2側部の側の位置まで広がっている。第2非シール部は、第2側部シール部の第2下側シール部分の内縁よりも第1側部の側の位置まで広がっている。【選択図】図1

Description

本発明は、パウチに関する。
従来、調理済あるいは半調理済の液体、粘体あるいは液体と固体とが混在する内容物を、プラスチック製の積層体から構成されたパウチに充填密封したものが多く市場に出回っている。パウチにおいては、積層体同士が接合されていない非シール部が、内容物が収容される収容部を構成している。また、積層体同士が接合されているシール部が、収容部を密封している。内容物は、例えば、カレー、シチュー、スープ等の調理済食品である。内容物は、パウチに収容された状態で、電子レンジなどによって加熱される。
密封された状態のパウチに収容された内容物を、電子レンジを利用して加熱すると、加熱に伴って内容物に含まれる水分が蒸発して収容部の圧力が高まっていく。パウチの収容部の圧力が高まると、パウチが破裂して内容物が飛散し電子レンジ内を汚してしまうおそれがある。このような課題を考慮し、例えば特許文献1は、収容部の圧力が高まると収容部と外部とを自動的に連通させて収容部内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜き機構をパウチに設けることを提案している。特許文献1において、蒸気抜き機構は、パウチの上側の側部シール部と下側の側部シール部との間に位置する中間シール部と、中間シール部によって収容部から隔離されるとともに、パウチの側縁に達するように広がる非シール部と、を有する。収容部の圧力が高まると、中間シール部が剥離し、収容部と非シール部とが連通する。
特開平10-101154号公報
収容部において発生した蒸気は、中間シール部の剥離部分を通ってパウチの側縁から排出される。蒸気の排出が不適切である場合、パウチが破裂したり、パウチの側部シール部に剥離が生じたりする。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るパウチを提供することを目的とする。
本発明は、内容物を収容する収容部が表面フィルムと裏面フィルムとの間に画成されたパウチであって、
前記パウチの第1側部に位置し、前記表面フィルムの内面と前記裏面フィルムの内面とを接合する第1側部シール部と、
前記パウチの前記第1側部に第1方向において対向する第2側部に位置し、前記第1側部シール部との間に前記収容部を画成する第2側部シール部と、
前記パウチの上部寄りに位置し、前記第1側部シール部によって前記収容部から隔離された第1非シール部であって、前記パウチの前記第1側部の第1側縁に達するよう広がる第1非シール部と、
前記パウチの上部寄りに位置し、前記第2側部シール部によって前記収容部から隔離された第2非シール部であって、前記パウチの前記第2側部の第2側縁に達するよう広がる第2非シール部と、を備え、
前記第1側部シール部は、前記第1非シール部から前記パウチの下部へ向かって前記第1側部に沿って延びる第1下側シール部分を含み、
前記第1非シール部は、前記第1下側シール部分の内縁よりも前記第2側部の側の位置まで広がっており、
前記第2側部シール部は、前記第2非シール部から前記パウチの下部へ向かって前記第2側部に沿って延びる第2下側シール部分を含み、
前記第2非シール部は、前記第2下側シール部分の内縁よりも前記第1側部の側の位置まで広がっている、パウチである。
本発明によるパウチにおいて、前記第1側部シール部は、前記第1非シール部から前記パウチの上部へ向かって前記第1側部に沿って延びる第1上側シール部分と、前記第1下側シール部分と、一端が前記第1上側シール部分に連設され、他端が前記第1下側シール部分に連設され、前記収容部と前記第1非シール部との間に位置する第1中間シール部分と、を有し、前記第1非シール部は、前記第1上側シール部分の内縁よりも前記第2側部の側の位置まで広がっており、前記第2側部シール部は、前記第2非シール部から前記パウチの上部へ向かって前記第2側部に沿って延びる第2上側シール部分と、前記第2下側シール部分と、一端が前記第2上側シール部分に連設され、他端が前記第2下側シール部分に連設され、前記収容部と前記第2非シール部との間に位置する第2中間シール部分と、を有し、前記第2非シール部は、前記第2上側シール部分の内縁よりも前記第1側部の側の位置まで広がっていてもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記第1側部シール部は、前記第1非シール部から前記パウチの上部へ向かって前記第1側部に沿って延びる第1上側シール部分と、前記第1下側シール部分と、一端が前記第1上側シール部分に連設され、他端が前記第1下側シール部分に連設され、前記収容部と前記第1非シール部との間に位置する第1中間シール部分と、を有し、前記第1下側シール部分の内縁と前記第1中間シール部分の内縁との間の、前記第1方向における距離の最大値(L12)が、15mm以下であってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記第1方向における前記収容部の寸法に対する前記最大値(L12)の比率が0.10以下であってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記第1非シール部は、前記第1側縁に重なり、外部に開口した第1開口縁部を有し、前記収容部の中心点と前記第1非シール部とを最短距離で結ぶ直線の延長線が前記第1開口縁部に交わってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記表面フィルムの内面と前記裏面フィルムの内面とを接合するシール部は、10N以下の熱間シール強度を有し、前記熱間シール強度は、前記シール部を含む試験片を100℃の環境下で1分間保持した後、100℃の環境下で測定したときのシール強度であってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記表面フィルム及び前記裏面フィルムを構成する包装材料は、第1の二軸延伸プラスチックフィルムと、第2の二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備え、前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは2枚のみであってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記包装材料を100℃の環境下で1分間保持した後、100℃の環境下で測定したときの前記包装材料の一方向における破断強度が、33.0MPa以上であってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは二軸延伸ナイロンフィルムであってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記包装材料が、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムと前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムの間に位置する透明蒸着層をさらに備え、前記透明蒸着層が、金属酸化物または無機酸化物を含んでもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記表面フィルム及び前記裏面フィルムを構成する包装材料は、二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備え、前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは1枚のみであってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記包装材料の一方向におけるヤング率が3600MPa以上であってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記包装材料が、前記二軸延伸プラスチックフィルムの面上に設けられた透明蒸着層をさらに備え、前記透明蒸着層が、金属酸化物または無機酸化物を含んでもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記包装材料が、前記透明蒸着層の面上に位置する透明ガスバリア性塗布膜をさらに備えてもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記シーラントフィルムが、プロピレン・エチレンブロック共重合体と、エラストマーとを含んでもよい。
本発明によるパウチにおいて、記パウチの前記収容部に肉を含む内容物が収容されており、前記パウチは電子レンジで加熱されてもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記内容物が、3mm以上の最大寸法を有する前記肉を50個以上含んでもよい。
本発明によるパウチにおいて、3mm以上の最大寸法を有する前記肉の数を前記内容物の重量で割った値が0.3個/g以上であってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記内容物は、前記肉を含む具材と、粘性成分とを備え、前記内容物の重量に対する前記具材の重量の比率が8%以上であり、前記具材の重量に対する前記肉の重量の比率が20%以上であってもよい。
本発明によるパウチにおいて、前記第1側部シール部は、前記第1非シール部から前記パウチの上部へ向かって前記第1側部に沿って延びる第1上側シール部分と、前記第1下側シール部分と、一端が前記第1上側シール部分に連設され、他端が前記第1下側シール部分に連設され、前記収容部と前記第1非シール部との間に位置する第1中間シール部分と、を有し、前記パウチを水平面に対して17°傾けた状態において、前記内容物の上面と前記第1中間シール部分との間の距離が5mm以上30mm以下であってもよい。
本発明によれば、収容部において発生した蒸気をパウチの外部に適切に排出できる。
本発明の実施の形態におけるパウチを示す正面図である。 図1に示すパウチをA-A線に沿って見た場合の一例を示す断面図である。 内容物を収容している状態のパウチを示す正面図である。 電子レンジで加熱されるときのパウチの状態の一例を示す断面図である。 パウチの第1側部シール部の第1中間シール部分及び第1非シール部を拡大して示す正面図である。 パウチの第2側部シール部の第2中間シール部分及び第2非シール部を拡大して示す正面図である。 パウチを構成する包装材料の層構成の一例を示す断面図である。 パウチを構成する包装材料の層構成の一例を示す断面図である。 パウチを構成する包装材料の層構成の一例を示す断面図である。 パウチを構成する包装材料の層構成の一例を示す断面図である。 試験片を準備する方法の一例を示す図である。 熱間破断強度の測定方法を説明するための図である。 試験片を準備する方法の一例を示す図である。 熱間シール強度の測定方法を説明するための図である。 熱間シール強度の測定方法を説明するための図である。 ループスティフネス測定器の一例を示す平面図である。 図14のループスティフネス測定器の線C-Cに沿った断面図である。 ループスティフネス測定器に試験片を取り付ける工程を説明するための図である。 試験片にループ部を形成する工程を説明するための図である。 試験片のループ部に荷重を加える工程を説明するための図である。 試験片のループ部に荷重を加える工程を説明するための図である。 第1側部シール部の第1中間シール部が剥離して収容部が第1非シール部に連通する様子を示す図である。 パウチの一変形例を示す正面図である。 パウチの一変形例を示す正面図である。 図22のパウチの第1側部シール部の第1中間シール部分及び第1非シール部を拡大して示す正面図である。 パウチの一変形例を示す正面図である。 実施例の包装材料1~3の評価結果を示す図である。 実施例の包装材料4の評価結果を示す図である。 実施例の内容物1、2の結果を示す図である。 実施例の内容物1の結果を示す図である。 実施例の内容物1、2の結果を示す図である。 実施例及び比較例のパウチの評価結果を示す図である。 実施例及び比較例のパウチの評価結果を示す図である。 比較例1,2のパウチのパウチを示す正面図である。 比較例4のパウチを示す正面図である。
図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈される。
本明細書において、あるパラメータに関して2つ以上の上限値の候補及び2つ以上の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。例えば、「パラメータBは、例えばA1以上であり、A2以上であってもよい。パラメータBは、例えばA3以下であり、A4以下であってもよい。」と記載されている場合を考える。この場合、パラメータBの数値範囲は、A1以上A3以下であってもよく、A1以上A4以下であってもよく、A2以上A3以下であってもよく、A2以上A4以下であってもよい。
パウチ
図1は、本実施の形態によるパウチ10を表面側から見た場合を示す正面図である。パウチ10は、内容物を収容するための収容部18を備える。なお、図1においては、内容物が収容されていない状態のパウチ10が示されている。以下、パウチ10の構成について説明する。
図1に示すように、パウチ10は、上部11、下部12、第1側部13及び第2側部14を含み、正面図において略矩形状の輪郭を有する。「上部」、「下部」及び「側部」などの名称、並びに、「上方」、「下方」などの用語は、パウチ10を加熱するときに下方に位置することができる辺を下部と定義した場合の、パウチ10やその構成要素の位置や方向を相対的に表したものに過ぎない。パウチ10の姿勢は、本明細書における名称や用語によっては限定されない。
パウチ10は、表面を構成する表面フィルム15、及び裏面を構成する裏面フィルム16を備える。各フィルムはいずれも、少なくとも1つの二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムと、を備える包装材料によって構成されている。
「表面フィルム」及び「裏面フィルム」という用語は、位置関係に応じて各フィルムを区画したものに過ぎず、パウチ10を製造する際のフィルムの提供方法が、上述の用語によって限定されることはない。例えば、パウチ10は、表面フィルム15と裏面フィルム16が連設された1枚のフィルムを用いて製造されてもよく、1枚の表面フィルム15と1枚の裏面フィルム16の計2枚のフィルムを用いて製造されてもよい。
表面フィルム15及び裏面フィルム16は、内面同士がシール部によって接合されている。図1などのパウチ10の正面図においは、シール部にハッチングが施されている。シール部、表面フィルム15及び裏面フィルム16によって画成されている空間が、内容物を収容するための収容部18として機能できる。
対向するフィルム同士を接合することができる限りにおいて、シール部を形成するための方法が特に限られることはない。例えば、加熱などによってフィルムの内面を溶融させ、内面同士を溶着させることによって、すなわちヒートシールによって、シール部を形成してもよい。若しくは、接着剤などを用いて対向するフィルムの内面同士を接着することによって、シール部を形成してもよい。
図1に示すように、パウチ10のシール部は、第1側部シール部30、第2側部シール部35及び上部シール部11aを有する。第1側部シール部30は、パウチ10の第1側部13に位置する。第2側部シール部35は、第2側部14に位置する。第2側部14は、第1側部13に第1方向D1において対向する。上部シール部11aは、上部11に位置する。上部シール部11aは、第1側部シール部30及び第2側部シール部35に連設されている。第1側部シール部30、第2側部シール部35及び上部シール部11aによって囲われた非シール部が、内容物を収容する収容部18として機能する。
内容物が充填される前の状態(内容物が収容されていない状態)のパウチ10においては、図1に示すように、パウチ10の下部12は開口部12bになっている。図示はしないが、下部12には下部シール部が形成され、上部11に開口部が形成されていてもよい。
パウチ10は、収容部18として機能する非シール部に加えて、図1に示すように、第1非シール部40及び第2非シール部45を更に備える。第1非シール部40は、第1側部シール部30によって収容部18から隔離されている。第2非シール部45は、第2側部シール部35によって収容部18から隔離されている。非シール部とは、対向する内面同士が接合されていないフィルムが存在する部分である。第1非シール部40及び第2非シール部45は、パウチ10の上部11寄りに位置している。「上部11寄り」とは、第1非シール部40及び第2非シール部45が、収容部18の中心点Cよりも上部11側に位置することを意味する。
図1に示すように、第1非シール部40は、パウチ10の第1側部13の第1側縁13xに達するよう広がっている。言い換えると、第1非シール部40は、第1側縁13xに重なり、外部に開口した第1開口縁部41を有する。収容部18において発生し、第1非シール部40に流入した蒸気は、第1開口縁部41から外部へ排出され得る。
図1に示すように、第1仮想直線M1の延長線が第1開口縁部41に交わっていてもよい。第1仮想直線M1とは、図1に示すように、収容部18の中心点Cと第1非シール部40とを最短距離で結ぶ直線である。
第1側部シール部30は、第1非シール部40を画成するよう構成されている。例えば図1に示すように、第1側部シール部30は、第1上側シール部分31、第1下側シール部分32及び第1中間シール部分33を有する。第1上側シール部分31は、第1非シール部40からパウチ10の上部11へ向かって第1側部13に沿って延びている。第1下側シール部分32は、第1非シール部40からパウチ10の下部12へ向かって第1側部13に沿って延びている。第1中間シール部分33は、収容部18と第1非シール部40との間に位置している。第1中間シール部分33は、第1上側シール部分31に連設された一端と、第1下側シール部分32に連設された他端と、を含む。
図2は、図1のA-A線に沿って見た場合のパウチ10の一例を示す断面図である。パウチ10を加熱し、収容部18に蒸気が発生して収容部18の圧力が高まると、第1中間シール部分33が部分的に剥離して収容部18と第1非シール部40とが連通する。収容部18から第1非シール部40に流入した蒸気は、第1開口縁部41から外部に排出され得る。このように、第1中間シール部分33及び第1非シール部40は、収容部18の蒸気を外部に排出する蒸気抜き機構として機能する。
第2非シール部45は、第1非シール部40と同様に、第2側部14の第2側縁14xに達するよう広がっている。言い換えると、第2非シール部45は、第2側縁14xに重なり、外部に開口した第2開口縁部46を有する。収容部18において発生し、第2非シール部45に流入した蒸気は、第2開口縁部46から外部へ排出され得る。
図1に示すように、第2仮想直線M2の延長線が第2開口縁部46に交わっていてもよい。第2仮想直線M2とは、図1に示すように、収容部18の中心点Cと第2非シール部45とを最短距離で結ぶ直線である。
第2側部シール部35は、第1側部シール部30と同様に、第2非シール部45を画成するよう構成されている。例えば図1に示すように、第2側部シール部35は、第2上側シール部分36、第2下側シール部分37及び第2中間シール部分38を有する。第2上側シール部分36は、第2非シール部45からパウチ10の上部11へ向かって第2側部14に沿って延びている。第2下側シール部分37は、第2非シール部45からパウチ10の下部12へ向かって第2側部14に沿って延びている。第2中間シール部分38は、収容部18と第2非シール部45との間に位置している。第2中間シール部分38は、第2上側シール部分36に連設された一端と、第2下側シール部分37に連設された他端と、を含む。
パウチ10を加熱し、収容部18に蒸気が発生して収容部18の圧力が高まると、第2中間シール部分38が部分的に剥離して収容部18と第2非シール部45とが連通する。収容部18から第2非シール部45に流入した蒸気は、第2開口縁部46から外部に排出され得る。このように、第2中間シール部分38及び第2非シール部45は、収容部18の蒸気を外部に排出する蒸気抜き機構として機能する。
以下の説明において、第1側部シール部30に形成されている蒸気抜き機構のことを、第1蒸気抜き機構とも称し、第2側部シール部35に形成されている蒸気抜き機構のことを、第2蒸気抜き機構とも称する。本実施の形態においては、パウチ10が2つの蒸気抜き機構を備えるので、収容部において発生した蒸気をパウチ10の外部に適切に排出できる。
図1に示すように、パウチ10は、第1上側シール部分31に位置する第1開封手段30aを備えていてもよい。第1開封手段30aは、表面フィルム15及び裏面フィルム16を貫通している。第1開封手段30aは、ノッチ、切り込みなどである。第1開封手段30aは、使用者がパウチ10を引き裂く際の起点になることができる。第1開封手段30aは、第1側縁13xから収容部18に向かって延びている。
図1に示すように、パウチ10は、第2上側シール部分36に位置する第2開封手段35aを備えていてもよい。第2開封手段35aは、表面フィルム15及び裏面フィルム16を貫通している。第2開封手段35aは、ノッチ、切り込みなどである。第2開封手段35aは、第1開封手段30aと同様に、使用者がパウチ10を引き裂く際の起点になることができる。第2開封手段35aは、第2側縁14xから収容部18に向かって延びている。第2開封手段35aは、第1方向D1において第1開封手段30aに対向するよう設けられていてもよい。
図3は、内容物19が収容され、下部12が封止された状態のパウチ10を示す図である。下部12の開口部12bを介してパウチ10に内容物が充填された後、表面フィルム15の内面と裏面フィルム16の内面とが下部12において接合される。これにより、下部シール部12aが形成されてパウチ10が封止される。
上述の中心点Cは、平面視において上部シール部11aの内縁の中間点Y1と下部シール部12aの内縁の中間点Y2とを結ぶ線分の中間点として定義される。第1方向D1における収容部18の寸法H1は、中心点Cの位置において定められる。第2方向D2における収容部18の寸法H2は、中心点Cの位置において定められる。第2方向D2は、第1方向D1に直交する方向である。
符号H3は、中心点Cから第1中間シール部分33までの、第1方向D1における距離を表す。距離H3は、第1仮想直線M1と第1中間シール部分33の内縁33aとの交点から中心点Cまでの、第1方向D1における距離である。距離H3は、例えば0.35×H1以上であり、0.40×H1以上であってもよい。距離H3は、例えば0.48×H1以下であり、0.45×H1以下であってもよい。
符号H4は、中心点Cから第1中間シール部分33までの、第2方向D2における距離を表す。距離H4は、仮想直線Mと第1中間シール部分33の内縁33aとの交点から中心点Cまでの、第2方向D2における距離である。距離H4は、例えば0.10×H2以上であり、0.15×H2以上であってもよく、0.20×H2以上であってもよい。距離H4は、例えば0.30×H2以下であり、0.25×H2以下であってもよい。
符号H5は、中心点Cから第2中間シール部分38までの、第1方向D1における距離を表す。距離H5は、第2仮想直線M2と第2中間シール部分38の内縁38aとの交点から中心点Cまでの、第1方向D1における距離である。距離H5は、例えば0.35×H1以上であり、0.40×H1以上であってもよい。距離H5は、例えば0.48×H1以下であり、0.45×H1以下であってもよい。
符号H6は、中心点Cから第2中間シール部分38までの、第2方向D2における距離を表す。距離H6は、仮想直線Mと第2中間シール部分38の内縁38aとの交点から中心点Cまでの、第2方向D2における距離である。距離H6は、例えば0.10×H2以上であり、0.15×H2以上であってもよく、0.20×H2以上であってもよい。距離H6は、例えば0.30×H2以下であり、0.25×H2以下であってもよい。
距離H6は、距離H4と略同一であってもよい。例えば、距離H6と距離H4の差が0.01×H2未満であってもよい。
距離H6は、距離H4と異なっていてもよい。距離H6と距離H4の差は、例えば0.01×H2以上であり、0.02×H2以上であってもよく、0.03×H2以上であってもよい。距離H6と距離H4の差は、0.10×H2以下であってもよく、0.07×H2以下であってもよく、0.05×H2以下であってもよい。
パウチ10に収容される内容物19は、電子レンジによって加熱される。内容物19は、具材及び液体成分を含んでいてもよい。具材は、肉などの油を含む成分を含んでいてもよい。内容物19の例は、カレー、シチュー、スープ、煮物、ハンバーグ等の調理済食品である。
パウチ10に収容される内容物19の重量は、例えば50g以上であり、100g以上であってもよく、130g以上であってもよい。パウチ10に収容される内容物19の重量は、例えば250g以下であり、220g以下であってもよく、200g以下であってもよい。
内容物19全体の重量に対する具材の重量の比率は、例えば5%以上であり、8%以上であってもよく、10%以上であってもよい。内容物19全体の重量に対する具材の重量の比率は、例えば20%以下であり、15%以下であってもよく、13%以下であってもよい。具材は、内容物19から液体成分を取り除くことにより得られる。例えば、ざるを用いて内容物19中の液体成分を濾すことにより、具材を得ることができる。ざるの目は、例えば0.7mmである。
具材の重量に対する肉の重量の比率は、例えば8%以上であり、10%以上であってもよく、15%以上であってもよく、20%以上であってもよく、25%以上であってもよい。具材の重量に対する肉の重量の比率は、例えば50%以下であり、40%以下であってもよく、30%以下であってもよい。
内容物19全体の重量に対する肉の重量の比率は、例えば1.0%以上であり、1.5%以上であってもよく、2.0%以上であってもよい。内容物19全体の重量に対する肉の重量の比率は、例えば10.0%以下であり、6.0%以下であってもよく、4.0%以下であってもよい。
肉は、粒の形状を有していてもよい。例えば、肉はひき肉であってもよい。肉の寸法は、1mm以上であってもよく、3mm以上であってもよく、5mm以上であってもよい。肉の寸法は、12mm以下であってもよく、10mm以下であってもよく、7mm以下であってもよい。寸法は、肉の寸法が最大になる方向において測定される。肉の寸法は、顕微鏡を用いて肉を観察することによって算出され得る。顕微鏡としては、キーエンス製のVHX-6000を用いることができる。顕微鏡のレンズとしては、キーエンス製のVH-ZSTを用いることができる。観察倍率は例えば20倍である。
後述する実施例で示すように、3mm以上12mm以下の寸法を有する肉は、パウチ10の排気性などに影響を及ぼしやすい。本実施の形態によれば、パウチ10が2つの蒸気抜き機構を備えるので、内容物19が3mm以上12mm以下の寸法を有する肉を含む場合であっても、蒸気をパウチ10の外部に適切に排出できる。
内容物19に含まれる、3mm以上12mm以下の寸法を有する肉の数は、例えば30個以上であり、50個以上であってもよく、70個以上であってもよい。内容物19に含まれる、3mm以上12mm以下の寸法を有する肉の数は、例えば200個以下であり、150個以下であってもよく、100個以下であってもよい。
内容物19に含まれる、3mm以上12mm以下の寸法を有する肉の数を、内容物の重量で割った値は、例えば0.2個/g以上であり、0.3個/g以上であってもよく、0.4個/g以上であってもよい。内容物19に含まれる、3mm以上12mm以下の寸法を有する肉の数を、内容物の重量で割った値は、例えば1.5個/g以下であり、1.0個/g以下であってもよく、0.7個/g以下であってもよい。
内容物19の液体成分は、粘性を有する粘性成分であってもよい。95℃における粘性成分の粘度は、例えば1000mPa・S以上であり、1200mPa・S以上であってもよく、1500mPa・S以上であってもよい。95℃における粘性成分の粘度は、例えば2500mPa・S以下であり、2000mPa・S以下であってもよく、1800mPa・S以下であってもよい。このような粘性成分は、例えばキーマカレーのルーである。
50℃における粘性成分の粘度は、例えば500mPa・S以上であり、800mPa・S以上であってもよく、1000mPa・S以上であってもよい。50℃における粘性成分の粘度は、例えば2000mPa・S以下であり、1500mPa・S以下であってもよく、1300mPa・S以下であってもよい。このような粘性成分は、例えば一般的なカレーのルーである。
粘度の測定器としては、英弘精機製デジタル粘度計DV-Eを用いることができる。スピンドルは例えばS63であり、回転数は例えば60rpmである。
図4は、電子レンジで加熱されるときのパウチ10の状態の一例を示す断面図である。図4に示すパウチ10の断面は、図3のB-Bに沿ってパウチ10を見た場合を示している。
図4に示すように、パウチ10は、水平面120に対して角度θaで傾けられた状態で加熱されてもよい。下部12が下方に位置するようパウチ10が傾けられてもよい。これにより、内容物19の上面19aが第1中間シール部分33及び図示しない第2中間シール部分38に接することを抑制できる。角度θaは、例えば5°以上であり、10°以上であってもよく、15°以上であってもよい。角度θaは、例えば50°以下であり、40°以下であってもよく、30°以下であってもよい。
角度θaは、例えば、パウチ10を収容するためのカートン100を利用することによって実現されてもよい。カートン100は、パウチ10を収容する本体部101と、本体部101に連設されている蓋102と、を含んでいてもよい。
例えば使用者は、カートン100の背面の連設部103においてのみ蓋102が本体部101に連設されるようにカートン100を開封する。続いて、使用者は、連設部103を軸として蓋102を本体部101の背面側へ回転させる。これにより、図4に示すように、水平面120と本体部101との間に蓋102が位置することができる。このため、蓋102の寸法に応じてパウチ10の上部11を下部12よりも上方に位置付けることができる。これにより、パウチ10が水平面120に対して角度θaで傾けられる。
図4において、符号Lmは、内容物19の上面19aと第1中間シール部分33との間の距離を表す。角度θaが17°のときの距離Lmは、例えば5mm以上であり、8mm以上であってもよく、10mm以上であってもよい。角度θaが17°のときの距離Lmは、例えば30mm以下であり、25mm以下であってもよく、20mm以下であってもよい。距離Lmは、例えば、角度θaが17°のときの第1中間シール部分33の内縁33aの位置を確認した後、パウチ10を開封して上面19aの位置を確認することにより、算出される。
第1中間シール部分33及び第1非シール部40について詳細に説明する。図5は、第1中間シール部分33及び第1非シール部40を拡大して示す正面図である。
第1中間シール部分33は、収容部18の側に位置する縁部である内縁33aと、第1非シール部40の側に位置する縁部である外縁と、を含む。第1中間シール部分33の外縁は、第1非シール部40の縁部のうち第1上側シール部分31又は第1下側シール部分32よりも収容部18側に位置する部分の輪郭を画定している。
内縁33aは、第1内縁331、第2内縁332及び第3内縁333と、第1内縁331と第2内縁332とを連結する内縁第1連結部336と、第2内縁332と第3内縁333とを連結する内縁第2連結部337と、を含んでいてもよい。
第1内縁331は、内縁第1連結部336から第1下側シール部分32の側へ延びている。例えば、第1内縁331は、第1下側シール部分32に向かって略第1方向D1に延びている。第1内縁331が延びる方向と第1方向D1とが成す角度は、例えば10°以下である。図5に示すように、第1内縁331は、第1下側シール部分32の内縁32aに連結されていてもよい。
第2内縁332は、内縁第1連結部336からパウチ10の上部11に向かって略第2方向D2に延びている。第2内縁332が延びる方向と第2方向D2とが成す角度は、例えば10°以下である。
第3内縁333は、内縁第2連結部337から第1上側シール部分31の側へ延びている。例えば、第3内縁333は、第1上側シール部分31に向かって延びている。第3内縁333が延びる方向と第1方向D1とが成す角度は、例えば30°以下である。図5に示すように、第3内縁333は、第1上側シール部分31の内縁31aに連結されていてもよい。
図5に示すように、第2内縁332が延びる方向は、第1内縁331が延びる方向にほぼ直交していてもよい。第1内縁331が延びる方向と第2内縁332が延びる方向とが成す角度θ11は、例えば85°以上95°以下である。
内縁第1連結部336は、第1下側シール部分32寄りに位置している。「第1下側シール部分32寄り」とは、内縁第1連結部336が、第2方向D2における第1開口縁部41の中心よりも第1下側シール部分32側に位置することを意味する。
内縁第2連結部337は、第1上側シール部分31寄りに位置している。「第1上側シール部分31寄り」とは、内縁第2連結部337が、第2方向D2における第1開口縁部41の中心よりも第1上側シール部分31側に位置することを意味する。
図5において、符号L12は、第1下側シール部分32の内縁32aと第1中間シール部分33の内縁33aとの間の、第1方向D1における距離の最大値を表す。L12は、例えば5mm以上であり、7mm以上であってもよく、9mm以上であってもよい。L12は、例えば20mm以下であり、15mm以下であってもよく、12mm以下であってもよい。本実施の形態においては、第1非シール部40が第1側縁13xに達するよう広がっているので、第1非シール部40の面積を確保しやすい。このため、L12を小さくできる。これにより、中心点Cから第1中間シール部分33の内縁33aまでの距離を大きくできる。このため、落下などの衝撃に起因する力がパウチ10に加わったときに第1中間シール部分33が剥離してしまうことを抑制できる。L12のことを、第1中間シール部分33の張り出し寸法とも称する。
第1方向D1における収容部18の寸法H1に対するL12の比率であるL12/H1は、例えば0.04以上であり、0.05以上であってもよく、0.06以上であってもよい。L12/H1は、例えば0.12以下であり、0.10以下であってもよく、0.08以下であってもよい。
次に、第1非シール部40の縁部について説明する。第1非シール部40の縁部は、第1側部13の第1側縁13xに位置する第1開口縁部41と、第1上側シール部分31の下縁、第1下側シール部分32の上縁、及び第1中間シール部分33の外縁によって画定されるシール部側の縁部43と、を含む。シール部側の縁部43は、図5に示すように、第1縁部431、第2縁部432及び第3縁部433と、第1縁部431と第2縁部432とを連結する第1連結部436と、第2縁部432と第3縁部433とを連結する第2連結部437と、を含んでいてもよい。第1連結部436は内縁第1連結部336と対向しており、第2連結部437は内縁第2連結部337と対向している。第1縁部431は第1内縁331に対応している。例えば、第1縁部431は、少なくとも部分的に第1内縁331に平行に延びている。第2縁部432は第2内縁332に対応している。例えば、第2縁部432は、少なくとも部分的に第2内縁332に平行に延びている。第3縁部433は、少なくとも部分的に第3内縁333に平行に延びていてもよい。
第1非シール部40は、第1下側シール部分32の内縁32aよりも第2側部14の側の位置まで広がっていてもよい。言い換えると、第1非シール部40の縁部の一部は、第1下側シール部分32の内縁32aよりも第2側部14の側に位置していてもよい。例えば、第2縁部432は、第1下側シール部分32の内縁32aよりも第2側部14の側に位置していてもよい。これにより、収容部18から第1非シール部40に蒸気が流入しやすくなる。
また、第1非シール部40は、第1上側シール部分31の内縁31aよりも第2側部14の側の位置まで広がっていてもよい。例えば、第2縁部432は、第1上側シール部分31の内縁31aよりも第2側部14の側に位置していてもよい。
第1縁部431は、第1連結部436から第1開口縁部41の側へ延びている。例えば、第1縁部431は、第1開口縁部41に向かって略第1方向D1に延びている。第1縁部431が延びる方向と第1方向D1とが成す角度は、例えば10°以下である。図5に示す例において、第1縁部431は、第1開口縁部41に達するまで直線状に延びている。
第2縁部432は、第1連結部436からパウチ10の上部11に向かって略第2方向D2に延びている。第2縁部432が延びる方向と第2方向D2とが成す角度は、例えば10°以下である。
第3縁部433は、第2連結部437から第1開口縁部41の側へ延びている。例えば、第3縁部433は、第1開口縁部41に向かって略第1方向D1に延びている。第3縁部433が延びる方向と第1方向D1とが成す角度は、例えば10°以下である。図5に示す例において、第3縁部433は、第1開口縁部41に達するまで直線状に延びている。
図5に示すように、第2縁部432が延びる方向は、第1縁部431が延びる方向にほぼ直交していてもよい。第1縁部431が延びる方向と第2縁部432が延びる方向とが成す角度θ12は、例えば85°以上95°以下である。
図5において、符号L11は、第2方向D2における第1開口縁部41の寸法を表す。寸法L11は、例えば4mm以上であり、10mm以上であってもよく、12mm以上であってもよい。寸法L11は、例えば30mm以下であり、20mm以下であってもよく、18mm以下であってもよい。
図5において、符号W11及びW12はそれぞれ、第1上側シール部分31の幅及び第1下側シール部分32の幅を表す。幅W11及び幅W12は、例えば4mm以上であり、6mm以上であってもよい。幅W11及び幅W12は、例えば15mm以下であり、10mm以下であってもよい。
図5において、符号W13、W14及びW15はそれぞれ、第1中間シール部分33のうち第1内縁331に沿って延びる部分の幅、第1中間シール部分33のうち第2内縁332に沿って延びる部分の幅、及び第1中間シール部分33のうち第3内縁333に沿って延びる部分の幅を表す。好ましくは、幅W13、幅W14及び幅W15は、第1上側シール部分31の幅W11及び第1下側シール部分32の幅W12よりも小さい。幅W13、幅W14及び幅W15は、例えば1mm以上であり、2mm以上であってもよい。幅W13、幅W14及び幅W15は、例えば6mm以下であり、5mm以下であってもよい。なお、第1中間シール部分33の各部分の幅は、第1中間シール部分33の内縁が延びる方向に直交する方向における第1中間シール部分33の寸法である。
次に、第2中間シール部分38及び第2非シール部45について詳細に説明する。図6は、第2中間シール部分38及び第2非シール部45を拡大して示す正面図である。
第2中間シール部分38は、収容部18の側に位置する縁部である内縁38aと、第2非シール部45の側に位置する縁部である外縁と、を含む。第2中間シール部分38の外縁は、第2非シール部45の縁部のうち第2上側シール部分36又は第2下側シール部分37よりも収容部18側に位置する部分の輪郭を画定している。
内縁38aは、第1内縁381、第2内縁382及び第3内縁383と、第1内縁381と第2内縁382とを連結する内縁第1連結部386と、第2内縁382と第3内縁383とを連結する内縁第2連結部387と、を含んでいてもよい。
第1内縁381は、内縁第1連結部386から第2下側シール部分37の側へ延びている。例えば、第1内縁381は、第2下側シール部分37に向かって略第1方向D1に延びている。第1内縁381が延びる方向と第1方向D1とが成す角度は、例えば10°以下である。図6に示すように、第1内縁381は、第2下側シール部分37の内縁37aに連結されていてもよい。
第2内縁382は、内縁第1連結部386からパウチ10の上部11に向かって略第2方向D2に延びている。第2内縁382が延びる方向と第2方向D2とが成す角度は、例えば10°以下である。
第3内縁383は、内縁第2連結部387から第2上側シール部分36の側へ延びている。例えば、第3内縁383は、第2上側シール部分36に向かって延びている。第3内縁333が延びる方向と第1方向D1とが成す角度は、例えば30°以下である。図6に示すように、第3内縁333は、第2上側シール部分36の内縁31aに連結されていてもよい。
図6に示すように、第2内縁382が延びる方向は、第1内縁381が延びる方向にほぼ直交していてもよい。第1内縁381が延びる方向と第2内縁382が延びる方向とが成す角度θ21は、例えば85°以上95°以下である。
内縁第1連結部386は、第2下側シール部分37寄りに位置している。「第2下側シール部分37寄り」とは、内縁第1連結部386が、第2方向D2における第2開口縁部46の中心よりも第2下側シール部分37側に位置することを意味する。
内縁第2連結部387は、第2上側シール部分36寄りに位置している。「第2上側シール部分36寄り」とは、内縁第2連結部387が、第2方向D2における第2開口縁部46の中心よりも第2上側シール部分36側に位置することを意味する。
図6において、符号L22は、第2下側シール部分37の内縁37aと第2中間シール部分38の内縁38aとの間の、第1方向D1における距離の最大値を表す。L22は、例えば5mm以上であり、7mm以上であってもよく、9mm以上であってもよい。L22は、例えば20mm以下であり、15mm以下であってもよく、12mm以下であってもよい。本実施の形態においては、第2非シール部45が第2側縁14xに達するよう広がっているので、第2非シール部45の面積を確保しやすい。このため、L22を小さくできる。これにより、中心点Cから第2中間シール部分38の内縁38aまでの距離を大きくできる。このため、落下などの衝撃に起因する力がパウチ10に加わったときに第2中間シール部分38が剥離してしまうことを抑制できる。L22のことを、第2中間シール部分38の張り出し寸法とも称する。
第1方向D1における収容部18の寸法H1に対するL22の比率であるL22/H1は、例えば0.04以上であり、0.05以上であってもよく、0.06以上であってもよい。L22/H1は、例えば0.12以下であり、0.10以下であってもよく、0.08以下であってもよい。
次に、第2非シール部45の縁部について説明する。第2非シール部45の縁部は、第2側部14の第2側縁14xに位置する第2開口縁部46と、第2上側シール部分36の下縁、第2下側シール部分37の上縁、及び第2中間シール部分38の外縁によって画定されるシール部側の縁部48と、を含む。シール部側の縁部48は、図6に示すように、第1縁部481、第2縁部482及び第3縁部483と、第1縁部481と第2縁部482とを連結する第1連結部486と、第2縁部482と第3縁部483とを連結する第2連結部487と、を含んでいてもよい。第1連結部486は内縁第1連結部386と対向しており、第2連結部487は内縁第2連結部387と対向している。第1縁部481は第1内縁381に対応している。例えば、第1縁部481は、少なくとも部分的に第1内縁381に平行に延びている。第2縁部482は第2内縁382に対応している。例えば、第2縁部482は、少なくとも部分的に第2内縁382に平行に延びている。第3縁部483は、少なくとも部分的に第3内縁383に平行に延びていてもよい。
第2非シール部45は、第2下側シール部分37の内縁37aよりも第1側部13の側の位置まで広がっていてもよい。言い換えると、第2非シール部45の縁部の一部は、第2下側シール部分37の内縁37aよりも第1側部13の側に位置していてもよい。例えば、第2縁部482は、第2下側シール部分37の内縁37aよりも第1側部13の側に位置していてもよい。これにより、収容部18から第2非シール部45に蒸気が流入しやすくなる。
また、第2非シール部45は、第2上側シール部分36の内縁36aよりも第1側部13の側の位置まで広がっていてもよい。例えば、第2縁部482は、第2上側シール部分36の内縁36aよりも第1側部13の側に位置していてもよい。
第1縁部481は、第1連結部486から第2開口縁部46の側へ延びている。例えば、第1縁部481は、第2開口縁部46に向かって略第1方向D1に延びている。第1縁部481が延びる方向と第1方向D1とが成す角度は、例えば10°以下である。図6に示す例において、第1縁部481は、第1開口縁部41に達するまで直線状に延びている。
第2縁部482は、第1連結部486からパウチ10の上部11に向かって略第2方向D2に延びている。第2縁部482が延びる方向と第2方向D2とが成す角度は、例えば10°以下である。
第3縁部483は、第2連結部487から第2開口縁部46の側へ延びている。例えば、第3縁部483は、第2開口縁部46に向かって略第1方向D1に延びている。第3縁部483が延びる方向と第1方向D1とが成す角度は、例えば10°以下である。図6に示す例において、第3縁部483は、第2開口縁部46に達するまで直線状に延びている。
図6に示すように、第2縁部482が延びる方向は、第1縁部481が延びる方向にほぼ直交していてもよい。第1縁部481が延びる方向と第2縁部482が延びる方向とが成す角度θ22は、例えば85°以上95°以下である。
図6において、符号L21は、第2方向D2における第2開口縁部46の寸法を表す。寸法L21は、例えば4mm以上であり、10mm以上であってもよく、12mm以上であってもよい。寸法L21は、例えば30mm以下であり、20mm以下であってもよく、18mm以下であってもよい。
第2非シール部45は、例えば特開2016-74457号公報に開示されているように、1つの非シール部を切断することにより第1非シール部40と同時に形成されてもよい。例えば、搬送方向に沿って延びる、互いに部分的に接合され表面フィルム15及び裏面フィルム16を、シール部及び非シール部に沿って切断して複数のパウチ10を製造する際、切断された非シール部の一方が第1非シール部40となり他方が第2非シール部45となってもよい。この場合、第2開口縁部46の寸法L21は、第1開口縁部41の寸法L11と同一であってもよい。
図6において、符号W21及びW22はそれぞれ、第2上側シール部分36の幅及び第2下側シール部分37の幅を表す。幅W21及び幅W22は、例えば4mm以上であり、6mm以上であってもよい。幅W21及び幅W22は、例えば15mm以下であり、10mm以下であってもよい。
図6において、符号W23、W24及びW25はそれぞれ、第2中間シール部分38のうち第1内縁381に沿って延びる部分の幅、第2中間シール部分38のうち第2内縁382に沿って延びる部分の幅、及び第2中間シール部分38のうち第3内縁383に沿って延びる部分の幅を表す。好ましくは、幅W23、幅W24及び幅W25は、第2上側シール部分36の幅W21及び第2下側シール部分37の幅W22よりも小さい。幅W23、幅W24及び幅W25は、例えば1mm以上であり、2mm以上であってもよい。幅W23、幅W24及び幅W25は、例えば6mm以下であり、5mm以下であってもよい。なお、第2中間シール部分38の各部分の幅は、第2中間シール部分38の内縁が延びる方向に直交する方向における第2中間シール部分38の寸法である。
次に、表面フィルム15及び裏面フィルム16を構成する包装材料50の層構成について説明する。図7は、包装材料50の層構成の一例を示す断面図である。
図7に示す包装材料50は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51、第1接着剤層56、第2の二軸延伸プラスチックフィルム52、第2接着剤層57及びシーラントフィルム55をこの順で少なくとも備える。第1の二軸延伸プラスチックフィルム51は、外面50y側に位置しており、シーラントフィルム55は、外面50yの反対側の内面50x側に位置している。内面50xは、収容部18に面している。
第1の二軸延伸プラスチックフィルム51、第2の二軸延伸プラスチックフィルム52、シーラントフィルム55などの、包装材料50を構成する各フィルム、並びに包装材料50は、流れ方向及び垂直方向を有する。流れ方向とは、フィルムを成形する際にフィルムが流れる方向であり、いわゆるMD(Machine Direction)である。垂直方向とは、流れ方向に直交する方向であり、いわゆるTD(Transverse Direction)である。図1に示すパウチ10においては、第1方向D1が流れ方向であり、第2方向D2が垂直方向である。
包装材料50の各層についてそれぞれ詳細に説明する。
(第1の二軸延伸プラスチックフィルム)
第1の二軸延伸プラスチックフィルム51は、所定の二方向において延伸され、プラスチックからなるフィルムである。二軸延伸プラスチックフィルムとは、プラスチックフィルムの機械強度を向上させるために、意図的に延伸加工が施されたプラスチックフィルムである。第1の二軸延伸プラスチックフィルム51は、包装材料50に所定の強度を持たせるための基材層として機能する。第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の延伸方向は特には限定されない。例えば、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51は、第1方向D1及び第2方向D2において延伸されていてもよい。第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の延伸倍率は、例えば1.05倍以上である。
第1の二軸延伸プラスチックフィルム51は、例えば、ポリエステルを主成分として含む。例えば、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51は、51質量%以上のポリエステルを含む。ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも記す)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとも記す)などを挙げることができる。なお、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51における、51質量%以上のポリエステルは、一種類のポリエステルによって構成されていてもよく、二種類以上のポリエステルによって構成されていてもよい。第1の二軸延伸プラスチックフィルム51におけるポリエステルの含有率は、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよい。例えば、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51におけるPETの含有率は、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよい。
第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の厚みは、例えば8μm以上であり、9μm以上であってもよく、12μm以上であってもよい。第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の厚みは、例えば30μm以下であり、25μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の厚みを8μm以上にすることにより、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51が十分な強度を有するようになる。第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の厚みを30μm以下にすることにより、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51が優れた成形性を示すようになる。このため、包装材料50を加工してパウチ10を製造する工程を効率的に実施することができる。
(第1接着剤層)
第1接着剤層56は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51と第2の二軸延伸プラスチックフィルム52とをドライラミネート法により接着するための接着剤を含む。第1接着剤層56を構成する接着剤は、主剤及び溶剤を含む第1組成物と、硬化剤及び溶剤を含む第2組成物とを混合して作製した接着剤組成物から生成される。具体的には、接着剤は、接着剤組成物中の主剤と溶剤とが反応して生成された硬化物を含む。
接着剤の例としては、ポリウレタンなどを挙げることができる。ポリウレタンは、主剤としてのポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。ポリウレタンの例としては、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタンなどを挙げることができる。ポリエーテルポリウレタンは、主剤としてのポリエーテルポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。ポリエステルポリウレタンは、主剤としてのポリエステルポリオールと、硬化剤としてのイソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物である。
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族系イソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂肪族系イソシアネート化合物、あるいは、上記各種イソシアネート化合物の付加体または多量体を用いることができる。
第1接着剤層56の厚みは、例えば2μm以上であり、3μm以上であってもよい。第1接着剤層56の厚みは、例えば6μm以下であり、5μm以下であってもよい。
(第2の二軸延伸プラスチックフィルム)
第2の二軸延伸プラスチックフィルム52は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51と同様に、所定の二方向において延伸されているプラスチックフィルムである。第2の二軸延伸プラスチックフィルム52も、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51と同様に、包装材料50に所定の強度を持たせるための基材層として機能する。第2の二軸延伸プラスチックフィルム52の延伸方向も、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の場合と同様に特には限定されない。第2の二軸延伸プラスチックフィルム52の延伸倍率は、例えば1.05倍以上である。
第2の二軸延伸プラスチックフィルム52は、ポリエステルを主成分として含んでもよい。ポリエステルの例としては、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の場合と同様に、PET、PBTなどを挙げることができる。第2の二軸延伸プラスチックフィルム52におけるポリエステルの含有量の範囲は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の場合と同一の範囲であってもよい。ポリエステルを主成分として含む第2の二軸延伸プラスチックフィルム52の厚みは、例えば8μm以上であり、9μm以上であってもよく、12μm以上であってもよい。ポリエステルを主成分として含む第2の二軸延伸プラスチックフィルム52の厚みは、例えば30μm以下であり、25μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。
第2の二軸延伸プラスチックフィルム52は、ポリアミドを主成分として含んでもよい。例えば、第2の二軸延伸プラスチックフィルム52は、51質量%以上のポリアミドを含んでいてもよい。ポリアミドの例としては、脂肪族ポリアミドまたは芳香族ポリアミドを挙げることができる。脂肪族ポリアミドとてしてはナイロン-6、ナイロン-6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体などのナイロンが挙げられ、芳香族ポリアミドとしては、ポリメタキシレンアジパミド(MXD6)などが挙げられる。第2の二軸延伸プラスチックフィルム52におけるポリアミドの含有率は、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよい。ポリアミドを主成分として含む第2の二軸延伸プラスチックフィルム52の厚みは、例えば12μm以上であり、15μm以上であってもよい。ポリアミドを主成分として含む第2の二軸延伸プラスチックフィルム52の厚みは、例えば30μm以下であり、25μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。
(第2接着剤層)
第2接着剤層57は、第2の二軸延伸プラスチックフィルム52とシーラントフィルム55とをドライラミネート法により接着するための接着剤を含む。第2接着剤層57の接着剤の例としては、第1接着剤層56の場合と同様に、ポリウレタンなどを挙げることができる。以下に説明する構成、材料や特性以外にも、第2接着剤層57の構成、材料や特性として、第1接着剤層56と同様のものを採用することができる。
第2接着剤層57の厚みは、例えば2μm以上であり、3μm以上であってもよい。第2接着剤層57の厚みは、例えば6μm以下であり、5μm以下であってもよい。
接着剤の硬化剤を構成するイソシアネート化合物としては、上述のように、芳香族系イソシアネート化合物及び脂肪族系イソシアネート化合物が存在する。芳香族系イソシアネート化合物は、加熱殺菌などの高温環境下において、食品用途で使用できない成分が溶出する。第2接着剤層57は、シーラントフィルム55に接している。このため、第2接着剤層57が芳香族系イソシアネート化合物を含む場合、芳香族系イソシアネート化合物から溶出された成分が、シーラントフィルム55に接する収容部18に収容されている内容物に付着することがある。
このような課題を考慮し、好ましくは、第2接着剤層57を構成する接着剤として、主剤としてのポリオールと、硬化剤としての脂肪族系イソシアネート化合物とが反応することにより生成される硬化物を用いる。これにより、第2接着剤層57に起因する、食品用途で使用できない成分が、内容物に付着することを抑制できる。
(シーラントフィルム)
次に、シーラントフィルム55について説明する。シーラントフィルム55は、単層であってもよく、多層であってもよい。シーラントフィルム55は、好ましくは未延伸のフィルムからなる。なお「未延伸」とは、全く延伸されていないフィルムだけでなく、製膜の際に加えられる張力に起因してわずかに延伸されているフィルムも含む概念である。
シーラントフィルム55とは、以下の(1)または(2)の少なくともどちらか一方を満たしていてもよい。
(1)ヤング率が一方向および一方向と直交する方向において1000MPa未満
(2)引張伸度が一方向および一方向と直交する方向において300%以上
シーラントフィルム55のヤング率および引張伸度の測定は、JIS K7127に準拠して行う。テンシロン万能材料試験機RTC-1310A(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下に試験片を1分間保持した後に、温度23℃、相対湿度50%の環境下で試験片のヤング率測定および引張伸度測定を行う。一辺が15mm、一辺と直交する方向に延びる他辺が150mmの長方形状の試験片を用いて測定を行う。測定は、23℃の環境下で試験片を1分間保持した後、23℃の環境下で行う。試験片をする一対の把持具の間の初期の距離は100mmであり、引張速度は300mm/分である。一対の把持具の間の初期の距離を100mmとして測定することができる限りにおいて、一辺と直交する方向の長さは調整可能である。
包装材料50から構成されたパウチ10には、ボイル処理やレトルト処理などの殺菌処理が高温で施される。従って、シーラントフィルム55は、これらの高温での処理に耐える耐熱性を有するものが用いられる。
シーラントフィルム55を構成する材料の融点は、150℃以上であることが好ましく、160℃以上であることがより好ましい。シーラントフィルム55の融点を高くすることにより、パウチ10のレトルト処理を高温で実施することが可能になり、このため、レトルト処理に要する時間を短くすることができる。なお、シーラントフィルム55を構成する材料の融点は、二軸延伸プラスチックフィルムを構成する樹脂の融点より低い。
シーラントフィルム55は、プロピレンを主成分として含む。例えば、シーラントフィルム55は、51質量%以上のプロピレンを含んでいてもよい。シーラントフィルム55におけるプロピレンの含有量は、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよい。
プロピレンを主成分とする材料としては、具体的には、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、ホモポリプロピレンなどのポリプロピレン、又はポリプロピレンとポリエチレンとを混合したものなどを挙げることができる。「プロピレン・エチレンブロック共重合体」とは、下記の式(I)に示される構造式を有する材料を意味する。「プロピレン・エチレンランダム共重合体」とは、下記の式(II)に示される構造式を有する材料を意味する。「ホモポリプロピレン」とは、下記の式(III)に示される構造式を有する材料を意味する。
Figure 2022152927000002
Figure 2022152927000003
Figure 2022152927000004
プロピレンを主成分とする材料として、ポリプロピレンとポリエチレンとを混合したものを用いる場合には、材料は、海島構造を有していてもよい。ここで、「海島構造」とは、ポリプロピレンが連続する領域の内に、ポリエチレンが不連続に分散している構造をいう。
好ましくは、シーラントフィルム55は、プロピレン・エチレンブロック共重合体を含む単層のフィルムである。例えば、シーラントフィルム55は、プロピレン・エチレンブロック共重合体を主成分とする単層の未延伸フィルムである。プロピレン・エチレンブロック共重合体を用いることにより、シーラントフィルム55の耐衝撃性を高めることができ、これにより、落下時の衝撃によりパウチ10が破袋してしまうことを抑制することができる。また、包装材料50の耐突き刺し性を高めることができる。
また、プロピレン・エチレンブロック共重合体を用いることにより、高温時、例えば100℃のときの、シーラントフィルム55によって構成されるシール部の強度、すなわち上述の熱間シール強度が、低温時、例えば23℃のときのシール強度(以下、常温シール強度とも言う)に比べて極めて小さくなる。熱間シール強度が低いことにより、電子レンジを用いてパウチ10を加熱する際、第1中間シール部分33が剥離し易くなり、収容部18の蒸気がパウチ10の外部に抜けやすくなる。このため、収容部18の内圧が過大になることを抑制することができ、これにより、加熱時に包装材料50にダメージが生じることを抑制することができる。
プロピレン・エチレンブロック共重合体は、例えば、ポリプロピレンからなる海成分と、エチレン・プロピレン共重合ゴム成分からなる島成分と、を含む。海成分は、プロピレン・エチレンブロック共重合体の耐ブロッキング性、耐熱性、剛性、シール強度などを高めることに寄与し得る。また、島成分は、プロピレン・エチレンブロック共重合体の耐衝撃性を高めることに寄与し得る。従って、海成分と島成分の比率を調整することにより、プロピレン・エチレンブロック共重合体を含むシーラントフィルム55の機械特性を調整することができる。
プロピレン・エチレンブロック共重合体において、ポリプロピレンからなる海成分の質量比率は、エチレン・プロピレン共重合ゴム成分からなる島成分の質量比率よりも高い。例えば、プロピレン・エチレンブロック共重合体において、ポリプロピレンからなる海成分の質量比率は、少なくとも51質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上である。
単層のシーラントフィルム55は、プロピレン・エチレンブロック共重合体からなる第1の熱可塑性樹脂に加えて、第2の熱可塑性樹脂を更に含んでいてもよい。第2の熱可塑性樹脂としては、α-オレフィン共重合体、ポリエチレンなどを挙げることができる。α-オレフィン共重合体は、例えば直鎖状低密度ポリエチレンである。ポリエチレンの例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを挙げることができる。第2の熱可塑性樹脂は、シーラントフィルム55の耐衝撃性を高めることに寄与し得る。また、第2の熱可塑性樹脂を用いることにより、上述の熱間シール強度を、常温シール強度に比べてさらに小さくすることができる。
低密度ポリエチレンとは、密度が0.910g/cm以上且つ0.925g/cm以下のポリエチレンである。中密度ポリエチレンは、密度が0.926g/cm以上且つ0.940g/cm以下のポリエチレンである。高密度ポリエチレンとは、密度が0.941g/cm以上且つ0.965g/cm以下のポリエチレンである。低密度ポリエチレンは、例えば、1000気圧以上且つ2000気圧未満の高圧でエチレンを重合することにより得られる。中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンは、例えば、1気圧以上且つ1000気圧未満の中圧又は低圧でエチレンを重合することにより得られる。
なお、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンは、エチレンとα-オレフィンとの共重合体を部分的に含んでいてもよい。また、中圧又は低圧でエチレンを重合する場合であっても、エチレンとα-オレフィンとの共重合体を含む場合は、中密度又は低密度のポリエチレンが生成され得る。このようなポリエチレンが、上述の直鎖状低密度ポリエチレンと称される。直鎖状低密度ポリエチレンは、中圧又は低圧でエチレンを重合することにより得られる直鎖状ポリマーにα-オレフィンを共重合させて短鎖分岐を導入することによって得られる。α-オレフィンの例としては、1-ブテン(C)、1-ヘキセン(C)、4-メチルペンテン(C)、1-オクテン(C)などを挙げることができる。直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、例えば0.915g/cm以上且つ0.945g/cm以下である。
なお、プロピレン・エチレンブロック共重合体の第2の熱可塑性樹脂を構成するα-オレフィン共重合体は、上述の直鎖状低密度ポリエチレンには限られない。α-オレフィン共重合体とは、下記の式(IV)に示される構造式を有する材料を意味する。
Figure 2022152927000005
、Rはいずれも、H(水素原子)、又はCH、Cなどのアルキル基である。また、j及びkはいずれも、1以上の整数である。また、jはkよりも大きい。すなわち、式(IV)に示すα-オレフィン共重合体においては、Rを含む左側の構造がベースとなる。Rは例えばHであり、Rは例えばCである。
シーラントフィルム55において、プロピレン・エチレンブロック共重合体からなる第1の熱可塑性樹脂の質量比率は、α-オレフィン共重合体又はポリエチレンを少なくとも含む第2の熱可塑性樹脂の質量比率よりも高い。例えば、単層のシーラントフィルム55において、プロピレン・エチレンブロック共重合体からなる第1の熱可塑性樹脂の質量比率は、少なくとも51質量%以上であり、好ましくは60質量%以上であり、更に好ましくは70質量%以上である。
上述のように、第2の熱可塑性樹脂は、シーラントフィルム55の耐衝撃性を高めることに寄与し得る。従って、単層のシーラントフィルム55における、α-オレフィン共重合体又はポリエチレンを少なくとも含む第2の熱可塑性樹脂の質量比率を調整することにより、シーラントフィルム55の機械特性を調整することができる。
シーラントフィルム55は、熱可塑性エラストマーを更に含んでいてもよい。熱可塑性エラストマーを用いることにより、シーラントフィルム55の耐衝撃性や耐突き刺し性を更に高めることができる。
熱可塑性エラストマーは、例えば水添スチレン系熱可塑性エラストマーである。水添スチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の水素添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBからなる構造を有する。また、熱可塑性エラストマーは、エチレン・α-オレフィンエラストマーであってもよい。エチレン・α-オレフィンエラストマーは、低結晶性もしくは非晶性の共重合体エラストマーであり、主成分としての50~90質量%のエチレンと共重合モノマーとしてのα-オレフィンとのランダム共重合体である。
シーラントフィルム55におけるプロピレン・エチレンブロック共重合体の含有率は、例えば80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上である。
プロピレン・エチレンブロック共重合体の製造方法としては、触媒を用いて原料であるプロピレンやエチレンなどを重合させる方法が挙げられる。触媒としては、チーグラー・ナッタ型やメタロセン触媒などを用いることができる。
シーラントフィルム55の厚みは、例えば30μm以上であり、40μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、60μm以上であってもよい。シーラントフィルム55の厚みは、例えば100μm以下であり、80μm以下であってもよい。
プロピレン・エチレンブロック共重合体を含む単層のシーラントフィルム55としては、後述するZK500のような、高い引張伸度を有し、耐衝撃性を備えるタイプがある。このタイプのシーラントフィルム55は、好ましくは、熱間シール強度が低いという特性も更に備える。これにより、パウチ10の加熱時に収容部18の内圧が過大になることを抑制できる。
流れ方向(MD)におけるシーラントフィルム55の、23℃における引張伸度は、例えば800%以上であり、900%以上であってもよく、1000%以上であってもよく、1100%以上であってもよい。流れ方向(MD)におけるシーラントフィルム55の引張伸度(%)とシーラントフィルム55の厚み(μm)の積は、45000以上であってもよく、50000以上であってもよく、55000以上であってもよく、60000以上であってもよい。垂直方向(TD)におけるシーラントフィルム55の、23℃における引張伸度は、例えば1050%以上であり、1100%以上であってもよい。垂直方向(TD)におけるシーラントフィルム55の引張伸度(%)とシーラントフィルム55の厚み(μm)の積は、53000以上であってもよく、60000以上であってもよい。シーラントフィルム55が高い引張伸度を有することにより、落下時の衝撃などによりパウチ10が破袋してしまうことを抑制することができる。
流れ方向(MD)におけるシーラントフィルム55の、23℃におけるヤング率は、例えば670MPa以下であり、650MPa以下であってもよい。流れ方向(MD)におけるシーラントフィルム55のヤング率(MPa)とシーラントフィルム55の厚み(μm)の積は、例えば38000以下であり、35000以下であってもよい。垂直方向(TD)におけるシーラントフィルム55の、23℃におけるヤング率は、例えば550MPa以下であり、500MPa以下であってもよい。垂直方向(TD)におけるシーラントフィルム55のヤング率(MPa)とシーラントフィルム55の厚み(μm)の積は、例えば30000以下であり、25000以下であってもよい。
包装材料50は、図7に示すように、印刷層61を更に備えていてもよい。印刷層61は、包装材料50に製品情報を示したり美感を付与したりするために包装材料50に設けられる層である。印刷層61は、例えば第1の二軸延伸プラスチックフィルム51に設けられる。印刷層61は、文字、数字、記号、図形、絵柄などを表現する。印刷層61は、例えば、インキなどの色材と、バインダ樹脂とを含む。グラビア印刷用のインキのとしては、DICグラフィックス株式会社製のフィナートを用いることができる。
図8A及び図8Bは、包装材料50の層構成のその他の例を示す断面図である。図8A及び図8Bに示すように、包装材料50は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51と第2の二軸延伸プラスチックフィルム52の間に位置する透明蒸着層62を備えていてもよい。包装材料50は、透明蒸着層62の面上に位置する透明ガスバリア性塗布膜63を備えていてもよい。図8Aに示すように、透明蒸着層62は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51の内側の表面に設けられていてもよい。図8Bに示すように、透明蒸着層62は、第2の二軸延伸プラスチックフィルム52の外側の表面に設けられていてもよい。
〔透明蒸着層〕
透明蒸着層62は、単一の蒸着層からなっていてもよく、2以上の蒸着層を含んでいてもよい。透明蒸着層62が2以上の蒸着層を含む、各層は、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。透明蒸着層62の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。具体的には、ローラー式蒸着膜成膜装置を用いて、成膜ローラー上において蒸着層を形成することができる。
透明蒸着層62は、透明性を有する無機材料から構成されている。無機材料の例としては、金属酸化物や無機酸化物を挙げることができる。金属酸化物としては、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物が挙げられる。無機酸化物としては、ケイ素(Si)の酸化物が挙げられる。透明蒸着層を構成する無機材料としては、アルミニウム酸化物(酸化アルミニウム)またはケイ素酸化物が好ましい。
透明蒸着層62の厚みは、例えば20Å以上であり、30Å以上であってもよく、40Å以上であってもよく、50Å以上であってもよく、60Å以上であってもよく、70Å以上であってもよい。透明蒸着層62の厚みは、例えば150Å以下であり、130Å以下であってもよく、120Å以下であってもよく、110Å以下であってもよい。
〔ガスバリア性塗布膜〕
透明ガスバリア性塗布膜63は、透明性を有する。透明ガスバリア性塗布膜63は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制することができる。透明ガスバリア性塗布膜63は、一般式R M(OR(ただし、式中、R、Rは、炭素数1~8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコ-ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ-ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合する透明ガスバリア性組成物により得られる。
上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解の縮合物の少なくとも一種以上を使用することができる。また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよい。アルコキシドの加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2~6量体のものを使用される。
上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他などを使用することができる。好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタンなどを挙げることができる。また、本実施の形態において、アルコキシドの用い方としては、単独または二種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、その他などのアルキル基を挙げることができる。また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、その他などを挙げることができる。なお、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記の透明ガスバリア性組成物を調製する際、例えば、シランカップリング剤などを添加してもよい。上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、または、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、一種または二種以上を混合して用いてもよい。
透明ガスバリア性塗布膜63の厚みは、例えば100nm以上であり、125nm以上であってもよく、150nm以上であってもよく、200nm以上であってもよい。これにより、安定したガスバリア性を得ることができる。透明ガスバリア性塗布膜63の厚みは、例えば500nm以下であり、450nm以下であってもよく、400nm以下であってもよく、300nm以下であってもよい。
図7、図8A及び図8Bに示すように、包装材料50に含まれる二軸延伸プラスチックフィルムは2枚のみであってもよい。この場合の包装材料50の具体例を以下に示す。「/」は、層を列記する場合に、層と層との境界を示す表記として用いている。パウチの外側から内側に向かって並ぶ層を、左から右に記載している。
二軸延伸PETフィルム/印刷層/接着剤層/二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/シーラントフィルム
二軸延伸PETフィルム/印刷層/接着剤層/二軸延伸PETフィルム/接着剤層/シーラントフィルム
二軸延伸PETフィルム/透明蒸着層/透明ガスバリア性塗布膜/印刷層/接着剤層/二軸延伸ナイロンフィルム/接着剤層/シーラントフィルム
二軸延伸PETフィルム/透明蒸着層/透明ガスバリア性塗布膜/印刷層/接着剤層/二軸延伸PETフィルム/接着剤層/シーラントフィルム
二軸延伸PETフィルム/印刷層/接着剤層/透明ガスバリア性塗布膜/透明蒸着層/二軸延伸PETフィルム/接着剤層/シーラントフィルム
包装材料50に含まれる二軸延伸プラスチックフィルムが2枚のみである場合の、包装材料50の好ましい特性を説明する。具体的には、包装材料50の好ましい熱間破断強度及び熱間シール強度を説明する。
包装材料50は、100℃の環境下で1分間保持した後、100℃の環境下で測定したときの一方向の破断強度(熱間破断強度)が、33.0MPa以上となっている。包装材料50における一方向の上記熱間破断強度は、36.0MPa以上であることが好ましく、39.0MPa以上であることがより好ましく、42.0以上であることがさらに好ましく、45.0MPa以上であることがさら好ましい。包装材料50における一方向と直交する方向における上記熱間破断強度は、29.0MPa以上であることが好ましく、32.0MPa以上であることがより好ましく、35.0MPa以上であることがさらに好ましく、38.0MPa以上であることが最も好ましい。包装材料50における上記一方向の上記熱間破断強度は、50.0MPa以下であることが好ましく、包装材料50における一方向と直交する方向の上記熱間破断強度は、45.0MPa以下であることが好ましい。包装材料50の一方向は、例えば、パウチ10における第1方向D1であり、包装材料50の一方向と直交する方向は、例えば、パウチ10における第2方向D2であってもよい。また、例えば、包装材料50の流れ方向(MD)がパウチ10の第1方向D1に該当し、例えば、包装材料50の垂直方向(TD)がパウチ10の第2方向D2に該当してもよい。また、例えば、包装材料50の一方向が流れ方向(MD)に該当し、例えば、包装材料の一方向と直交する方向が垂直方向(TD)に該当していてもよい。
包装材料50の特性の測定においては、包装材料50から切り出した試験片を用いる。包装材料50を、包装材料50がパウチ10に加工される前の状態で入手可能な場合、試験片は、包装材料50を切断することによって作製されてもよい。試験片は、パウチ10などの、包装材料50から作製された製品を切断することによって作製されてもよい。図10は、パウチ10の表面フィルム15又は裏面フィルム16を切断することによって試験片を準備する方法の一例を示す図である。流れ方向における包装材料50の特性を測定する場合、図10において符号80Aで示すように、試験片の長辺方向が流れ方向に一致するよう、パウチ10の表面フィルム15又は裏面フィルム16を切断して試験片を作製する。垂直方向における包装材料50の特性を測定する場合、図10において符号80Bで示すように、試験片の長辺方向が垂直方向に一致するよう、パウチ10の表面フィルム15又は裏面フィルム16を切断して試験片を作製する。
包装材料50の熱間破断強度の測定は、試験片80A,80Bの長さ以外については、JIS K7127に準拠して行なう。試験片80A,80Bの長さ及び幅は、100mm及び15mmである。
テンシロン万能材料試験機RTC-1310A(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、試験片80A,80Bの熱間破断強度を測定する。具体的には、まず、図11に示されるように把持具81、82で試験片80A,80Bの長手方向の両端部を把持する。そして、温度100℃、相対湿度5%の環境下に試験片80A,80Bを1分間保持した後に、温度100℃、相対湿度5%の環境下で初期把持具間距離S1(図11参照)を50mmとした状態で、引張速度300mm/分で試験片80A,80Bを試験片80A,80Bの長手方向に引っ張る引張試験を行い、試験片80A,80Bの熱間破断強度を測定する。5個の試験片80A,80Bについて、熱間破断強度を測定し、その平均値を包装材料50の流れ方向及び垂直方向における熱間破断強度とする。
包装材料50は、100℃の環境下で1分間保持した後、100℃の環境下で測定したときのシール強度(熱間シール強度)が、例えば13.0N以下となっている。熱間シール強度は、11.0N以下であってもよく、10.0N以下であってもよく、8.0N以下であってもよく、6.0N以下であってもよい。熱間シール強度が低すぎると、内容物が十分に加熱および加圧されるよりも前に第1中間シール部分33が剥離して収容部18の圧力および温度が低下してしまうことが考えられる。この点を考慮すると、包装材料50のシール部の熱間シール強度は、例えば3.0N以上であり、4.0N以上であってもよく、5.0N以上であってもよい。なお、レトルト処理などの殺菌処理によっても、包装材料50のシール強度が変化し得るが、パウチ10にレトルト処理が施される場合には、特に断らない限り、「シール強度」とは、レトルト処理が施された後のパウチの包装材料50におけるシール部のシール強度を意味する。
包装材料50の熱間シール強度の測定においては、内面同士が接合された包装材料50から切り出した試験片を用いる。包装材料50を、包装材料50がパウチ10に加工される前の状態で入手可能な場合、試験片は、内面同士が接合された包装材料50を切断することによって作製されてもよい。試験片は、パウチ10などの、包装材料50から作製された製品を切断することによって作製されてもよい。図12は、内面同士が接合された表面フィルム15及び裏面フィルム16を切断することによって試験片を準備する方法の一例を示す図である。例えば、第1側部シール部30又は第2側部シール部35を含むように、パウチ10の表面フィルム15及び裏面フィルム16を切断して試験片80Cを作製する。試験片80Cの長さ及び幅は、70mm及び15mmである。
熱間シール強度は、JIS Z1707:1997 7.5に準拠してテンシロン万能材料試験機RTC-1310A(株式会社エー・アンド・デイ製)用いて測定する。まず、試験片80Cの非シール部における2枚の包装材料50をそれぞれ、試験機の把持具83、84(図13A参照)で把持する。そして、把持具83、84をそれぞれ、試験片80Cのシール部の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きに、300mm/分の速度で引っ張り、引張応力F1の最大値MAXを測定する(図13B参照)。引っ張りの開始時の把持具83、84の間の間隔S2は50mmであり、引っ張りの開始時の把持具83、84の間の間隔S2は60mmである。最大値MAXをシール強度とする(図13B参照)。熱間シール強度の測定は、試験片80Cを温度100℃、相対湿度5%の環境下で1分間保持した後100℃、相対湿度5%の環境下で行われる。5個の試験片80Cについて、熱間シール強度を測定し、その平均値を包装材料50の熱間シール強度とする。
二軸延伸プラスチックフィルムを2枚のみ含む包装材料50の厚みは、例えば80μm以上であり、90μm以上であってもよく、100μm以上であってもよい。二軸延伸プラスチックフィルムを2枚のみ含む包装材料50の厚みは、例えば130μm以下であり、120μm以下であってもよい。
図9は、包装材料50の層構成のその他の例を示す断面図である。図9に示す包装材料50は、二軸延伸プラスチックフィルム53と、接着剤層58と、シーラントフィルム55とをこの順に備える。二軸延伸プラスチックフィルム53は、外面50y側に位置しており、シーラントフィルム55は、内面50x側に位置している。内面50xは、収容部18に面している。包装材料50中に二軸延伸プラスチックフィルムは1枚のみである。包装材料50は、二軸延伸プラスチックフィルム53の面上に設けられた透明蒸着層62を備えていてもよい。包装材料50は、透明蒸着層62の面上に位置する透明ガスバリア性塗布膜63を備えていてもよい。
二軸延伸プラスチックフィルム53は、第1の二軸延伸プラスチックフィルム51と同様に、所定の二方向において延伸され、プラスチックからなるフィルムである。二軸延伸プラスチックフィルム53として、上述の第1の二軸延伸プラスチックフィルム51で説明した二軸延伸プラスチックフィルムを用いてもよい。
二軸延伸プラスチックフィルム53として、少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有し、且つポリエステルを主成分として含む二軸延伸プラスチックフィルムを用いてもよい。以下の説明において、少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有し、且つポリエステルを主成分として含む二軸延伸プラスチックフィルムのことを、高スティフネスポリエステルフィルムとも称する。高スティフネスポリエステルフィルムは、例えば流れ方向(MD)又は垂直方向(TD)の少なくとも一方において0.0017N以上のループスティフネスを有する。高スティフネスポリエステルフィルムは、例えば流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)の両方において0.0017N以上のループスティフネスを有していてもよい。包装材料50が高スティフネスポリエステルフィルムを含むことにより、包装材料50中に二軸延伸プラスチックフィルムが1枚のみであったとしても、包装材料50が優れた突き刺し強度を有することができる。高スティフネスポリエステルフィルムは、ポリアミドを含んでいない。
高スティフネスポリエステルフィルムのポリエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6-ナフタレンジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸と、エチレグリコール、1,3-プロパンジオールおよび1,4-ブタンジオールから選ばれる少なくとも1種の脂肪族アルコールとからなる芳香族ポリエステルを主体とするポリエステルが好ましい。例えば、ポリエステルは、PET、PBTなどである。高スティフネスポリエステルフィルムの例としては、51質量%以上のPETを主成分として含む高スティフネスPETフィルム、51質量%以上のPBTを主成分として含む高スティフネスPBTフィルムなどを挙げることができる。高スティフネスPETフィルムにおけるPETの含有率は、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよい。高スティフネスポリエステルフィルムの厚みは、例えば5μm以上であり、7μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、12μm以上であってもよく、4μm以上であってもよい。高スティフネスポリエステルフィルムの厚みは、例えば30μm以下であり、25μm以下であってもよく、20μm以下であってもよい。
ループスティフネスとは、二軸延伸プラスチックフィルムなどのフィルムのこしの強さを表すパラメータである。以下、図14~図19を参照して、ループスティフネスの測定方法を説明する。なお、以下に説明する測定方法は、二軸延伸プラスチックフィルムなどの単層のフィルムだけでなく、蒸着フィルム、積層フィルムなどの、複数の層をフィルムに関しても使用可能である。蒸着フィルムとは、二軸延伸プラスチックフィルムなどの単層のフィルムと、単層のフィルム上に形成されている蒸着層と、を含むフィルムである。積層フィルムとは、包装材料50のような、積層された複数のフィルムを含むフィルムである。
図14は、試験片80及びループスティフネス測定器85を示す平面図であり、図15は、図14の試験片80及びループスティフネス測定器85の線C-Cに沿った断面図である。試験片80は、長辺及び短辺を有する矩形状のフィルムである。本願においては、試験片80の長辺の長さS3を150mmとし、短辺の長さS4を15mmとした。ループスティフネス測定器85としては、例えば、東洋精機社製のNo.581ループステフネステスタ(登録商標)LOOP STIFFNESS TESTER DA型を用いることができる。なお、試験片80の長辺の長さS3は、後述する一対のチャック部86によって試験片80を把持することができる限りにおいて、調整可能である。
ループスティフネス測定器85は、試験片80の長辺方向の一対の端部を把持するための一対のチャック部86と、チャック部86を支持する支持部材87と、を有する。チャック部86は、第1チャック861及び第2チャック862を含む。図14及び図15に示す状態において、試験片80は、一対の第1チャック861の上に配置されており、第2チャック862は、第1チャック861との間で試験片80を未だ把持していない。後述するように、測定時、試験片80は、チャック部86の第1チャック861と第2チャック862との間に把持される。第2チャック862は、ヒンジ機構を介して第1チャック861に連結されていてもよい。
二軸延伸プラスチックフィルム、蒸着フィルム、積層フィルムなどの測定対象のフィルムを、フィルムが包装製品に加工される前の状態で入手可能な場合、試験片80は、測定対象のフィルムを切断することによって作製されてもよい。また、試験片80は、パウチなどの、包装材料50から作製された包装製品を切断することによって作製されてもよい。流れ方向における包装材料50のループスティフネスを測定する場合、図10に示す試験片80Aを用いることができる。垂直方向における包装材料50のループスティフネスを測定する場合、図10に示す試験片80Bを用いることができる。
ループスティフネス測定器85を用いて試験片80のループスティフネスを測定する方法について説明する。まず、図14及び図15に示すように、間隔S5を空けて配置されている一対のチャック部86の第1チャック861上に試験片80を載置する。本願においては、後述するループ部801の長さ(以下、ループ長とも称する)が60mmになるよう、間隔S5を設定した。試験片80は、第1チャック861側に位置する内面80xと、内面80xの反対側に位置する外面80yと、を含む。試験片80が包装材料50からなる場合、試験片80の内面80x及び外面80yは、包装材料50の内面50x及び外面50yに一致する。後述するループ部801を試験片80に形成する際、内面80xがループ部801の内側に位置し、外面80yがループ部801の外側に位置する。続いて、図16に示すように、第1チャック861との間で試験片80の長辺方向の端部を把持するよう、第2チャック862を試験片80の上に配置する。
続いて、図17に示すように、一対のチャック部86の間の間隔が縮まる方向において、一対のチャック部86の少なくとも一方を支持部材87上でスライドさせる。これにより、試験片80にループ部801を形成することができる。図17に示す試験片80は、ループ部801と、一対の中間部802及び一対の固定部803とを有する。一対の固定部803は、試験片80のうち一対のチャック部86によって把持されている部分である。一対の中間部802は、試験片80のうちループ部801と一対の中間部802との間に位置している部分である。図17に示すように、チャック部86は、一対の中間部802の内面80x同士が接触するまで支持部材87上でスライドされる。これにより、60mmのループ長を有するループ部801を形成することができる。ループ部801のループ長は、一方の第2チャック862のループ部801側の面と試験片80とが交わる位置Q1と、他方の第2チャック862のループ部801側の面と試験片80とが交わる位置Q2との間における、試験片80の長さである。上述の間隔S5は、試験片80の厚みを無視する場合、ループ部801の長さに2×tを加えた値になる。tは、チャック部86の第2チャック862の厚みである。
その後、図18に示すように、チャック部86に対するループ部801の突出方向Yが水平方向になるよう、チャック部86の姿勢を調整する。例えば、支持部材87の法線方向が水平方向を向くように支持部材87を動かすことにより、支持部材87によって支持されているチャック部86の姿勢を調整する。図18に示す例において、ループ部801の突出方向Yは、チャック部の厚み方向に一致している。また、ループ部801の突出方向Yにおいて第2チャック862から距離Z1だけ離れた位置にロードセル88を準備する。本願においては、距離Z1を50mmとした。続いて、ロードセル88を、試験片80のループ部801に向けて、図18に示す距離Z2だけ速度Vで移動させる。距離Z2は、ロードセル88がループ部801に接触し、その後、ロードセル88がループ部801をチャック部86側に押し込むよう、設定される。本願においては、距離Z2を40mmとした。この場合、ロードセル88がループ部801をチャック部86側に押し込んでいる状態におけるロードセル88とチャック部86の第2チャック862との間の距離Z3は、10mmになる。ロードセル88を移動させる速度Vは、3.3mm/秒とした。
続いて、図19に示す、ロードセル88が試験片80のループ部801を押し込んでいる状態において、ループ部801からロードセル88に加えられている荷重の値が安定した後、荷重の値を記録する。このようにして得られた荷重の値を、試験片80を構成するフィルムのループスティフネスとして採用する。本願において、特に断らない限り、ループスティフネスの測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%である。
少なくとも1つの方向において0.0017N以上のループスティフネスを有する高スティフネスフィルムを二軸延伸プラスチックフィルム53として用いることにより、二軸延伸プラスチックフィルム53の突き刺し強度を高めることができる。これにより、二軸延伸プラスチックフィルム53を備える包装材料50の突き刺し強度を例えば12.0N以上にすることができ、より好ましくは13.0N以上にすることができ、さらに好ましくは14.0N以上にすることができる。
高スティフネスポリエステルフィルムの好ましい機械特性について更に説明する。
高スティフネスポリエステルフィルムの突き刺し強度は、好ましくは10N以上であり、より好ましくは11N以上である。
少なくとも1つの方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度は、好ましくは250MPa以上であり、より好ましくは280MPa以上である。例えば、流れ方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度は、好ましくは250MPa以上であり、より好ましくは280MPa以上である。また、垂直方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度は、好ましくは250MPa以上であり、より好ましくは280MPa以上である。
少なくとも1つの方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張伸度は、好ましくは130%以下であり、より好ましくは120%以下である。例えば、流れ方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張伸度は、好ましくは130%以下であり、より好ましくは120%以下である。また、垂直方向における高スティフネスポリエステルフィルムの引張伸度は、好ましくは120%以下であり、より好ましくは110%以下である。
好ましくは、少なくとも1つの方向において、高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度を引張伸度で割った値が2.0〔MPa/%〕以上である。例えば、垂直方向(TD)における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は、好ましくは2.0〔MPa/%〕以上であり、より好ましくは2.2〔MPa/%〕以上である。流れ方向(MD)における高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は、好ましくは1.8〔MPa/%〕以上であり、より好ましくは2.0〔MPa/%〕以上である。
引張強度及び引張伸度は、JIS K7127に準拠して測定され得る。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 STA-1150を用いることができる。試験片としては、高スティフネスポリエステルフィルムを幅15mm、長さ150mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は100mmであり、引張速度は300mm/分である。なお、試験片の長さは、一対のチャックによって試験片を把持することができる限りにおいて、調整可能である。本願において、特に断らない限り、高スティフネスポリエステルフィルムの引張強度及び引張伸度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%である。
なお、包装材料50の引張強度及び引張伸度は、測定器としてオリエンテック社製の引張試験機 RTC-1310Aを用いること、及び、試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔が50mmであること以外は、高スティフネスポリエステルフィルムの場合と同様に測定される。包装材料50の引張強度及び引張伸度を測定する場合、ループスティフネスの測定の場合と同様に、試験片の長辺方向が流れ方向又は垂直方向に一致するようパウチ10の表面フィルム15又は裏面フィルム16を切断することにより、試験片を作製することができる。
少なくとも1つの方向における高スティフネスポリエステルフィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。例えば、流れ方向における高スティフネスポリエステルフィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。垂直方向における高スティフネスポリエステルフィルムの熱収縮率は、0.7%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。熱収縮率を測定する際の加熱温度は100℃であり、加熱時間は40分である。
少なくとも1つの方向における高スティフネスポリエステルフィルムのヤング率は、好ましくは4.0GPa以上であり、より好ましくは4.5MPa以上である。例えば、流れ方向における高スティフネスポリエステルフィルムのヤング率は、好ましくは4.0GPa以上であり、より好ましくは4.5MPa以上である。垂直方向における高スティフネスポリエステルフィルムのヤング率は、好ましくは4.0GPa以上であり、より好ましくは4.5GPa以上である。
ヤング率は、引張強度及び引張伸度と同様に、JIS K7127に準拠して測定され得る。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 STA-1150を用いることができる。試験片としては、高スティフネスポリエステルフィルムを幅15mm、長さ150mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は100mmであり、引張速度は300mm/分である。なお、試験片の長さは、一対のチャックによって試験片を把持することができる限りにおいて、調整可能である。本願において、特に断らない限り、高スティフネスポリエステルフィルムのヤング率の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%である。
なお、包装材料50のヤング率は、測定器としてオリエンテック社製の引張試験機 RTC-1310Aを用いること、試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔が50mmであること以外は、高スティフネスポリエステルフィルムの場合と同様に測定される。包装材料50のヤング率を測定する場合、試験片の長辺方向が流れ方向又は垂直方向に一致するようパウチ10の表面フィルム15又は裏面フィルム16を切断することにより、試験片を作製することができる。
高スティフネスポリエステルフィルムの製造工程においては、例えば、まず、ポリエステルを溶融及び成形することによって得られたプラスチックフィルムを、流れ方向及び垂直方向において、それぞれ90℃~145℃で3倍~4.5倍に延伸する第1延伸工程を実施する。続いて、プラスチックフィルムを、流れ方向及び垂直方向において、それぞれ100℃~145℃で1.1倍~3.0倍に延伸する第2延伸工程を実施する。その後、190℃~220℃の温度で熱固定を行う。続いて、流れ方向及び垂直方向において、100℃~190℃の温度で0.2%~2.5%程度の弛緩処理(フィルム幅を縮める処理)を実施する。これらの工程において、延伸倍率、延伸温度、熱固定温度、弛緩処理率を調整することにより、上述の機械特性を備える高スティフネスポリエステルフィルムを得ることができる。
包装材料50が高スティフネスポリエステルフィルムを含むことにより、包装材料50、及び包装材料50から構成されるパウチ10などの包装製品に、優れた突き刺し強度を付与することができる。これにより、例えば、先端が尖った鋭利な部材がパウチ10に接触した場合にパウチ10が破けてしまうことなどを抑制することができる。包装材料50の突き刺し強度は、12.0N以上であることが好ましく、13.0N以上であることが好ましく、14.0N以上であることがより好ましい。突き刺し強度の測定方法については、後述する実施例において説明する。
また、包装材料50が高スティフネスポリエステルフィルムを含むことにより、包装材料50のヤング率を高めることができる。一方向における包装材料50のヤング率は、例えば3600MPa以上であり、3700MPa以上であってもよく、3800MPa以上であってもよく、3900MPa以上であってもよく、4000MPa以上であってもよく、4100MPa以上であってもよい。例えば、流れ方向(MD)における包装材料50のヤング率は、例えば3600MPa以上であり、3700MPa以上であってもよく、3800MPa以上であってもよく、3900MPa以上であってもよい。また、流れ方向(MD)に直交する方向である垂直方向(TD)における包装材料50のヤング率は、例えば3600MPa以上であり、3700MPa以上であってもよく、3800MPa以上であってもよく、3900MPa以上であってもよく、4000MPa以上であってもよく、4100MPa以上であってもよい。包装材料50のヤング率が高いことにより、包装材料50が伸びにくくなる。このため、パウチ10などの包装製品の製造工程などにおいて包装材料50を加工する際の加工精度が高くなる。また、包装材料50を用いて、後述する、自立可能に構成されたガセット式のパウチ10を作製する場合、パウチ10の自立性が高くなる。垂直方向(TD)における包装材料50のヤング率は、流れ方向(MD)における包装材料50のヤング率よりも高くてもよい。
高スティフネスポリエステルフィルムは、図7、図8A及び図8Bに示す第1の二軸延伸プラスチックフィルム51又は第2の二軸延伸プラスチックフィルム52として用いられてもよい。
二軸延伸プラスチックフィルムを1枚のみ含む包装材料50は、二軸延伸プラスチックフィルムを2枚のみ含む包装材料50と同等の熱間シール強度を有していてもよい。二軸延伸プラスチックフィルムを1枚のみ含む包装材料50は、100℃の環境下で1分間保持した後、100℃の環境下で測定したときのシール強度(熱間シール強度)が、例えば13.0N以下となっている。熱間シール強度は、11.0N以下であってもよく、10.0N以下であってもよく、8.0N以下であってもよく、6.0N以下であってもよい。二軸延伸プラスチックフィルムを1枚のみ含む包装材料50のシール部の熱間シール強度は、例えば3.0N以上であり、4.0N以上であってもよく、5.0N以上であってもよい。
接着剤層58は、二軸延伸プラスチックフィルム53とシーラントフィルム55とをドライラミネート法により接着するための接着剤を含む。接着剤層58の接着剤の例としては、第1接着剤層56の場合と同様に、ポリウレタンなどを挙げることができる。以下に説明する構成、材料や特性以外にも、接着剤層58の構成、材料や特性として、第1接着剤層56と同様のものを採用することができる。
接着剤層58の厚みは、例えば2μm以上であり、3μm以上であってもよい。接着剤層58の厚みは、例えば6μm以下であり、5μm以下であってもよい。
二軸延伸プラスチックフィルムを1枚のみ含む包装材料50の厚みは、例えば70μm以上であり、80μm以上であってもよく、90μm以上であってもよい。二軸延伸プラスチックフィルムを1枚のみ含む包装材料50の厚みは、例えば110μm以下であり、100μm以下であってもよい。
パウチの製造方法
次に、上述包装材料50を用いてパウチ10を製造する方法について説明する。まず、包装材料50からなる表面フィルム15及び裏面フィルム16を準備する。続いて、表面フィルム15の内面と裏面フィルム16の内面とをヒートシールして、上部シール部11a、第1側部シール部30、第2側部シール部35などのシール部を形成する。ヒートシールの温度は、例えば160℃以上であり、170℃以上であってもよく、180℃以上であってもよい。ヒートシールの温度は、例えば250℃以下であり、240℃以下であってもよく、230℃以下であってもよい。
ヒートシールによって互いに接合された表面フィルム15及び裏面フィルム16を適切な形状に切断する。これにより、図1に示すパウチ10を得ることができる。続いて、下部12の開口部を介して内容物をパウチ10に充填する。その後、上部11を上縁11xに沿ってヒートシールして上部シール部11aを形成する。このようにして、図3に示すように、内容物19が収容され封止されたパウチ10を得ることができる。その後、ボイル処理やレトルト処理などの殺菌処理をパウチ10に施してもよい。パウチ10をカートン100の内部に収容してもよい。
パウチの加熱方法
次に、上述のパウチ10を加熱する方法について説明する。まず、カートン100の蓋102を開封する。続いて、蓋102を本体部101の背面側へ回転させる。この状態のカートン100に収容されたパウチ10を、電子レンジ内に配置する。そして、電子レンジを利用してパウチ10を加熱する。内容物19に含まれる水分が蒸発して収容部18の圧力が高まる。
収容部18の圧力が高くなると、パウチ10が収容部18の中心点Cを中心として、例えば円形状に膨らんでいく。このため、シール部の各位置には、中心点Cからシール部に向かう方向の力が加わる。シール部の各位置に加わる力は、中心点Cとの間の距離が小さいほど大きくなる。
第1中間シール部分33から中心点Cまでの距離は、第1下側シール部分32から中心点Cまでの距離よりも短い。このため、第1中間シール部分33の例えば内縁第1連結部336には、第1下側シール部分32の内縁32aに比べて大きな力が加わる。
また、第2中間シール部分38から中心点Cまでの距離は、第2下側シール部分37から中心点Cまでの距離よりも短い。このため、第2中間シール部分38の例えば内縁第1連結部386には、第2下側シール部分37の内縁37aに比べて大きな力が加わる。
第1中間シール部分33に力が加わると、第1中間シール部分33の剥離が進行する。第1中間シール部分33の剥離まで達すると、図20に示すように、第1中間シール部分33に流路33vが形成される。収容部18で発生した蒸気は、流路33vを通って第1非シール部40に流入する。図示はしないが、第1中間シール部分33と同様に第2中間シール部分38においても剥離が進行し、流路が形成される。収容部18で発生した蒸気は、流路を通って第2非シール部45にも流入する。
パウチ10の外部に排出される蒸気の量が、収容部18で発生する蒸気の量よりも小さい場合、収容部18の圧力が増加し続ける。この場合、第1下側シール部分32、下側シール部分37などの、中間シール部分33,38以外のシール部においても剥離が進行するおそれがある。特に、電子レンジの出力が高い場合は、収容部18における蒸気の発生速度が大きいので、中間シール部分33,38以外のシール部における剥離が生じやすい。収容部18の圧力が一定値を超えると、パウチ10が破裂するおそれもある。電子レンジの高い出力とは、例えば800W以上であり、900W以上であってもよく、1000W以上であってもよい。
ここで本実施の形態においては、収容部18で発生した蒸気が、第1非シール部40及び第2非シール部45の両方を通ってパウチ10の外部に排出される。これにより、収容部18の圧力の増加を抑制できる。従って、中間シール部分33,38以外のシール部において剥離が生じることを抑制できる。また、パウチ10が破裂することを抑制できる。
また本実施の形態においては、パウチ10のシール部が10N以下の熱間シール強度を有している。これにより、収容部18の圧力が過剰に高くなるよりも前に中間シール部分33,38に流路を形成できる。このため、中間シール部分33,38以外のシール部において剥離が生じることを抑制できる。また、パウチ10が破裂することを抑制できる。
なお、内容物が、ひき肉などの粒の形状を有する具材を含む場合、具材が飛散することにより中間シール部分33,38の流路が塞がれることが考えられる。流路が塞がれると、収容部18の圧力が増加し続ける。
ここで本実施の形態においては、例えば、パウチ10のシール部が10N以下の熱間シール強度を有している。これにより、流路の幅を適切に確保できる。このため、内容物19によって流路が塞がれることを抑制できる。また、キーマカレーなどの、ひき肉を含む具材をパウチ10に収容できる。
また本実施の形態においては、第1非シール部40が第1側縁13xに達するよう広がっているので、第1非シール部40の面積を確保しやすい。このため、第1下側シール部分32の内縁32aと第1中間シール部分33の内縁33aとの間の、第1方向D1における距離L12を小さくできる。同様に、第2非シール部45が第2側縁14xに達するよう広がっているので、距離L22を小さくできる。これにより、中心点Cから中間シール部分33,38の内縁33a,38aまでの距離を大きくできる。このため、落下などの衝撃に起因する力がパウチ10に加わったときに中間シール部分33,38に大きな力が加わることを抑制できる。従って、落下などの衝撃に起因して中間シール部分33,38が剥離してしまうことを抑制できる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
第1の変形例
上述の実施の形態においては、第1中間シール部分33の張り出し寸法L12が、第2中間シール部分38の張り出し寸法L22と同一である例を示したが、これには限られない。図21に示すように、第1中間シール部分33の張り出し寸法L12は、第2中間シール部分38の張り出し寸法L22と異なっていてもよい。例えば、張り出し寸法L12は、張り出し寸法L22よりも大きくてもよい。図示はしないが、張り出し寸法L12は、張り出し寸法L22よりも小さくてもよい。
張り出し寸法L12と張り出し寸法L22の差は、例えば1mm以上であり、2mm以上であってもよく、3mm以上であってもよい。張り出し寸法L12と張り出し寸法L22の差は、例えば10mm以下であり、7mm以下であってもよく、5mm以下であってもよい。
第2の変形例
図22は、パウチ10の一変形例を示す正面図である。図23は、図22のパウチ10の第2側部シール部35の第2中間シール部分38及び第2非シール部45を拡大して示す正面図である。
図23に示すように、第2内縁382は、内縁第1連結部386からパウチ10の上部11に向かうにつれて少なくとも部分的に第2側部14側へ変位するように延びていてもよい。第1内縁381が延びる方向と第2内縁332が延びる方向とが成す角度θ21は、90°よりも小さい。角度θ21は、例えば85°以下であり、80°以下であってもよく、75°以下であってもよい。角度θ21は、例えば30°以上であり、40°以上であってもよく、50°以上であってもよい。
図23に示すように、第2縁部482は、第1連結部486からパウチ10の上部11に向かうにつれて少なくとも部分的に第2側部14側へ変位するように延びていてもよい。第1縁部481が延びる方向と第2縁部482が延びる方向とが成す角度θ22は、90°より小さい。角度θ22は、例えば85°以下であり、80°以下であってもよく、75°以下であってもよい。角度θ22は、例えば30°以上であり、40°以上であってもよく、50°以上であってもよい。
第3の変形例
図24は、パウチ10の一変形例を示す正面図である。第1中間シール部分33及び第1非シール部40は、図22及び図23に示す第2中間シール部分38及び第2非シール部45と同様の形状を有していてもよい。すなわち、第2内縁332は、内縁第1連結部336からパウチ10の上部11に向かうにつれて少なくとも部分的に第1側部13側へ変位するように延びていてもよい。また、第2縁部432は、第1連結部436からパウチ10の上部11に向かうにつれて少なくとも部分的に第1側部13側へ変位するように延びていてもよい。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(包装材料1)
第1の二軸延伸プラスチックフィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(製品名「E5100」、東洋紡株式会社製)を準備した。その後、第1の二軸延伸プラスチックフィルムの内側の表面に印刷層を形成した。印刷層の厚みは3.0μmであった。
また、第2の二軸延伸プラスチックフィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(製品名「E5100」、東洋紡株式会社製)を準備した。続いて、このフィルムの一方の面にコロナ放電処理を施した後、厚み10nmのケイ素酸化物からなる透明蒸着層を形成した。続いて、透明蒸着層に、酸素およびアルゴンの混合ガスによるプラズマ処理を施した後、エチルシリケートおよびポリビニルアルコールを主成分とする塗工液をグラビアロールコーターで塗布して、乾燥後の厚みが300nmの透明ガスバリア性塗布膜を形成した。
また、シーラントフィルムとして、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「ZK500」、東レフィルム加工株式会社製)を準備した。
その後、ドライラミネート法により、第1の二軸延伸PETフィルム、印刷層、第1接着剤層、透明バリア性塗布膜、透明蒸着層、第2の二軸延伸PETフィルム、第2接着剤層、および未延伸ポリプロピレンフィルムを順に積層し、包装材料を作製した。第1接着剤層および第2接着剤層としては、ロックペイント株式会社製の2液型ポリウレタン系接着剤(主剤:RU-004、硬化剤:H-1)を用いた。第1接着剤層および第2接着剤層の厚さは、3.0μmであった。このようにして得られた包装材料を包装材料1とも称する。
(包装材料2)
第2の二軸延伸プラスチックフィルムとしての二軸延伸PETフィルム(製品名「E5100」、東洋紡株式会社製)の代わりに、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(製品名「ボニールW」、興人フィルム&ケミカルズ株式会社)を用いたこと以外は、包装材料1の場合と同様にして、包装材料を作製した。このようにして得られた包装材料を包装材料2とも称する。
(包装材料3)
シーラントフィルムとしての未延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「ZK500」、東レフィルム加工株式会社製)の代わりに、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「ZK207」、東レフィルム加工株式会社製)を用いたこと以外は、包装材料2の場合と同様にして、包装材料を作製した。このようにして得られた包装材料を包装材料3とも称する。
(包装材料4)
二軸延伸プラスチックフィルムとして、0.0017N以上のループスティフネスを有し、90質量%以上のPETを含む高スティフネスポリエステルフィルム(以下、高スティフネスPETフィルムとも称する)を準備した。具体的には、高スティフネスPETフィルムとして、東レ株式会社製のXP-55を用いた。高スティフネスPETフィルムの厚みは16μmであった。
続いて、高スティフネスPETフィルムの一方の面にコロナ放電処理を施した後、包装材料1の場合と同様にして、透明蒸着層、透明ガスバリア性塗布膜及び印刷層を形成した。また、シーラントフィルムとして、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(製品名「ZK500」、東レフィルム加工株式会社製)を準備した。
その後、ドライラミネート法により、高スティフネスPETフィルム、透明蒸着層、透明バリア性塗布膜、印刷層、接着剤層、および未延伸ポリプロピレンフィルムを順に積層し、包装材料を作製した。接着剤層としては、ロックペイント株式会社製の2液型ポリウレタン系接着剤(主剤:RU-004、硬化剤:H-1)を用いた。接着剤層の厚さは、3.0μmであった。このようにして得られた包装材料を包装材料4とも称する。
(包装材料1~4の評価)
包装材料1~4を用いて、図1のパウチ10を作成した。パウチ10の内部には200mlの水を充填した。ヒートシールの条件は以下のとおりである。
・ヒートシール装置:ヒートシーラーTP-701-A(テスター産業社株式会社製)
・ヒートシール温度:225℃
・ヒートシール圧力:0.1MPa
・ヒートシール時間:1秒間
続いて、パウチ10に対して以下の条件でレトルト処理を行った。
・方式:スプレー式
・レトルト温度:121℃
・レトルト時間:30分
パウチ10の各部の寸法は以下のとおりである。
・収容部18の寸法H1:118mm
・収容部18の寸法H2:159mm
・上部シール部11aの幅、下部シール部12aの幅:8mm
・第1下側シール部分32の幅W12、下側シール部分37の幅W22:6mm
包装材料1及び包装材料2によって構成されたパウチ10から切り出した試験片80A、80Bを用いて、流れ方向及び垂直方向における破断強度(熱間破断強度)を測定した。測定方法、測定条件は、上述の実施の形態の場合と同一である。結果を図25に示す。
包装材料4によって構成されたパウチ10から切り出した試験片80A、80Bを用いて、流れ方向及び垂直方向におけるヤング率を測定した。測定方法、測定条件は、上述の実施の形態の場合と同一である。結果を図26に示す。
包装材料4によって構成されたパウチ10から切り出した試験片を用いて、包装材料4の突き刺し強度を、JIS Z1707 7.4に準拠して測定した。測定器としては、A&D製のテンシロン万能材料試験機RTC-1310を用いた。具体的には、固定されている状態の包装材料4の試験片に対して、外面50y側から、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を、50mm/分(1分あたり50mm)の速度で突き刺した。針が包装材料4を貫通するまでの応力の最大値を測定した。5個以上の試験片について、応力の最大値を測定し、その平均値を包装材料4の突き刺し強度とした。測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%とした。結果を図26に示す。
包装材料1~包装材料4によって構成されたパウチ10から切り出した試験片80Cを用いて、熱間シール強度を測定した。測定方法、測定条件は、上述の実施の形態の場合と同一である。結果を図25及び図26に示す。
(実施例1)
パウチ10に充填する内容物として、内容物1及び内容物2を準備した。内容物1は、150gのキーマカレーである。内容物2は、180gのカレーである。内容物1及び内容物2に含まれる具材を分析した結果を図27に示す。
分析においては、まず、ざるを用いて内容物からカレーのルーを取り除いた。ざるの目は0.7mmであった。続いて、顕微鏡を用いて内容物1及び内容物2に含まれる具材を観察した。顕微鏡としては、キーエンス製のVHX-6000を用いた。顕微鏡のレンズとしては、キーエンス製のVH-ZSTを用いた。観察倍率は20倍であった。
内容物1に含まれていた肉の寸法及び個数を詳細に分析した。結果を図28に示す。
内容物1及び内容物2のカレーのルーの粘度を測定した。結果を図29に示す。粘度の測定器としては、英弘精機製デジタル粘度計DV-Eを用いた。
包装材料1を用いて、図1のパウチ10を作成した。続いて、パウチ10に上述の内容物1又は2を充填した。続いて、パウチ10の下部12をヒートシールして下部シール部12aを形成した。このようにして、内容物1又は2が収容された、図3に示すパウチ10を得た。具体的には、内容物1が収容された2個のパウチ10と、内容物2が収容された2個のパウチ10を作製した。
パウチ10の各部の寸法は以下のとおりである。
・収容部18の寸法H1:118mm
・収容部18の寸法H2:159mm
・上部シール部11aの幅、下部シール部12aの幅:8mm
・第1下側シール部分32の幅W12、下側シール部分37の幅W22:6mm
・第1上側シール部分31の幅W11、上側シール部分36の幅W36:10mm
:第1中間シール部分33の幅W13、W14、W15:3mm
・第1中間シール部分33の張り出し寸法L12:9mm
・第1開口縁部41の長さL11:15mm
:第2中間シール部分38の幅W23、W24、W25:3mm
・第2中間シール部分38の張り出し寸法L22:9mm
・第2開口縁部46の長さL21:15mm
ヒートシールの条件は以下のとおりである。
・ヒートシール装置:ヒートシーラーTP-701-A(テスター産業社株式会社製)
・ヒートシール温度:225℃
・ヒートシール圧力:0.1MPa
・ヒートシール時間:1秒間
続いて、パウチ10に対して以下の条件でレトルト処理を行った。
・方式:スプレー式
・レトルト温度:121℃
・レトルト時間:30分
続いて、パウチ10の表面の水分をふき取った後、パウチ10を1日にわたって静置した。その後、パウチ10をカートン100の中に収容した。
続いて、カートン100を開封し、図4に示すように、パウチ10が水平面120に対して角度θaで傾くように、電子レンジの中に配置した。水平面120は、レンジの内部の下面である。角度θaは17°であった。
内容物1が収容されたパウチ10を出力600Wの電子レンジで3分にわたって加熱した。また、内容物2が収容されたパウチ10を出力600Wの電子レンジで3分にわたって加熱した。また、内容物1が収容されたパウチ10を出力1000Wの電子レンジで5分にわたって加熱した。また、内容物2が収容されたパウチ10を出力1000Wの電子レンジで5分にわたって加熱した。電子レンジとしては、パナソニック製のNE-1801を用いた。
加熱後の各パウチ10の蒸通性を評価した。結果を図30の「蒸通性」の欄に示す。「蒸通性」の欄において、「great」は、中間シール部分33,38に形成された流路に内容物の具材が詰まっておらず、且つ、パウチ10の破裂が生じなかったことを意味する。「not good」は、流路に内容物の具材が詰まり、パウチ10の破裂が生じたことを意味する。
各パウチ10の「蒸通性」の評価結果のうち最も低いものを、図31に記載する。実施例1においては、各パウチ10の「蒸通性」の評価結果がいずれも「great」であったので、図31には「great」が記載される。仮に、複数のパウチ10の「蒸通性」の評価結果が「great」及び「not good」を含んでいる場合、図31には「not good」が記載される。
加熱後の各パウチ10の第1下側シール部分32又は第2下側シール部分37に剥離が生じているかどうかを確認した。結果を図30の「シール後退」の欄に示す。「シール後退」の欄において、「great」は、第1下側シール部分32又は第2下側シール部分37に生じていた剥離の、第1方向D1における幅が、1mm未満であるか、剥離が生じていなかったことを意味する。「good」は、第1下側シール部分32又は第2下側シール部分37に生じていた剥離の、第1方向D1における幅が、1mm以上2mm未満であったことを意味する。「not good」は、第1下側シール部分32又は第2下側シール部分37に生じていた剥離の、第1方向D1における幅が、2mm以上であったことを意味する。
各パウチ10の「シール後退」の評価結果のうち最も低いものを、図31に記載する。実施例1においては、各パウチ10の「シール後退」の評価結果がいずれも「great」であったので、図31には「great」が記載される。仮に、複数のパウチ10の「シール後退」の評価結果が「great」及び「not good」を含んでいる場合、図31には「not good」が記載される。
また、パウチ10の落下試験を行った。まず、包装材料1を用いて、図1のパウチ10を作成した。続いて、パウチ10に180gの水を充填した。続いて、パウチ10の下部12をヒートシールして下部シール部12aを形成した。このようにして、水が収容された、図3に示すパウチ10を得た。続いて、パウチ10に対して以下の条件でレトルト処理を行った。パウチ10の各部の寸法、ヒートシールの条件、レトルト処理の条件は、内容物1又は内容物2を充填した上述のパウチ10の場合と同一である。
続いて、パウチ10の表面の水分をふき取った後、パウチ10を1日にわたって静置した。その後、パウチ10を冷蔵庫に1日保管した。その後、パウチ10をカートン100の中に収容した。
続いて、パウチ10が収容されたカートン100を、1.2mの高さから落下させた。このとき、カートン100の表面又は裏面が下方を向くようにカートン100の姿勢を定めた。カートン100の表面及び裏面は、パウチ10の表面フィルム15及び裏面フィルム16に面している。
続いて、パウチ10が収容されたカートン100を、1.2mの高さから落下させた。このとき、カートン100の側面が下方を向くようにカートン100の姿勢を定めた。カートン100の側面は、パウチ10の第1側部13又は第2側部14に面している。
その後、パウチ10に破裂が生じているかどうかを確認した。このような落下試験を、10個のパウチ10に対して実施した。結果を図31の「落下強度」の欄に示す。「落下強度」の欄において、「great」は、10個のパウチ10のいずれも破裂していなかったことを意味する。「good」は、10個のパウチ10のうち1個のみが破裂したことを意味する。「not good」は、10個のパウチ10のうち2個以上が破裂したことを意味する。
(実施例2)
包装材料2を用いて、図1のパウチ10を作成した。ヒートシールの条件、レトルト処理の条件は、実施例1の場合と同一である。パウチ10の各部の寸法は、実施例1の場合と同一である。
実施例1の場合と同様に、「蒸通性」、「シール後退」及び「落下強度」を評価した。結果を図30及び図31に示す。
(実施例3)
包装材料4を用いて、図1のパウチ10を作成した。ヒートシールの条件、レトルト処理の条件は、実施例1の場合と同一である。パウチ10の各部の寸法は、実施例1の場合と同一である。
実施例1の場合と同様に、「蒸通性」、「シール後退」及び「落下強度」を評価した。結果を図30及び図31に示す。
(比較例1)
包装材料3を用いて、図32に示すパウチ10を作成した。ヒートシールの条件、レトルト処理の条件は、実施例1の場合と同一である。比較例1のパウチ10の収容部18、第1非シール部40及び第1中間シール部分33の各部の寸法は、実施例1の場合と同一である。一方、比較例1のパウチ10の第2非シール部45は、第2下側シール部分37の内縁37aよりも第1側部13の側の位置まで広がっていない。すなわち、第2非シール部45は、内縁37aよりも第2側部14側に位置する。このため、第2非シール部45は、実施例1の場合に比べて、蒸気抜き機構として機能しにくい。
実施例1の場合と同様に、「蒸通性」、「シール後退」及び「落下強度」を評価した。結果を図30及び図31に示す。
(比較例2)
包装材料1を用いて、比較例1の場合と同様に、図32に示すパウチ10を作成した。ヒートシールの条件、レトルト処理の条件は、実施例1の場合と同一である。パウチ10の各部の寸法は、比較例1の場合と同一である。
実施例1の場合と同様に、「蒸通性」、「シール後退」及び「落下強度」を評価した。結果を図30及び図31に示す。
(比較例3)
包装材料3を用いて、図1のパウチ10を作成した。ヒートシールの条件、レトルト処理の条件は、実施例1の場合と同一である。パウチ10の各部の寸法は、実施例1の場合と同一である。
実施例1の場合と同様に、「蒸通性」、「シール後退」及び「落下強度」を評価した。結果を図30及び図31に示す。
(比較例4)
包装材料1を用いて、図33に示すパウチ10を作成した。図33のパウチ10の第1非シール部40は、第1側縁13xに達していない点で、図1のパウチ10と異なる。この場合、第1非シール部40の面積を確保するためには、図1のパウチ10に比べて、第1非シール部40及び第1中間シール部分33が内側へ広がる必要がある。この結果、第1中間シール部分33の張り出し寸法L12が大きくなる。図33のパウチ10の第2側部14側には、第2非シール部が形成されていない。
ヒートシールの条件、レトルト処理の条件は、実施例1の場合と同一である。パウチ10の各部の寸法は以下のとおりである。
・収容部18の寸法H1:118mm
・収容部18の寸法H2:159mm
・上部シール部11aの幅、下部シール部12aの幅:8mm
・第1下側シール部分32の幅W12、下側シール部分37の幅W22:6mm
・第1上側シール部分31の幅W11、上側シール部分36の幅W36:10mm
:第1中間シール部分33の幅:3mm
・第1中間シール部分33の張り出し寸法L12:17mm
・貫通孔44の寸法:6mm(円形)
実施例1の場合と同様に、「蒸通性」、「シール後退」及び「落下強度」を評価した。結果を図31に示す。
10 パウチ
11 上部
11a 上部シール部
12 下部
12a 下部シール部
13 第1側部
13x 第1側縁
14 第2側部
14x 第2側縁
15 表面フィルム
16 裏面フィルム
18 収容部
19 内容物
19a 上面
30 第1側部シール部
31 第1上側シール部分
31a 内縁
32 第1下側シール部分
32a 内縁
33 第1中間シール部分
33a 内縁
331 第1内縁
332 第2内縁
333 第3内縁
336 内縁第1連結部
337 内縁第2連結部
35 第2側部シール部
36 第2上側シール部分
36a 内縁
37 第2下側シール部分
37a 内縁
38 第2中間シール部分
38a 内縁
381 第1内縁
382 第2内縁
383 第3内縁
40 第1非シール部
41 第1開口縁部
43 シール部側の縁部
431 第1縁部
432 第2縁部
433 第3縁部
436 第1連結部
437 第2連結部
44 貫通孔
45 第2非シール部
46 第2開口縁部
481 第1縁部
482 第2縁部
483 第3縁部
486 第1連結部
487 第2連結部
50 包装材料
50x 内面
50y 外面
51 第1の二軸延伸プラスチックフィルム
52 第2の二軸延伸プラスチックフィルム
55 シーラントフィルム
56 第1接着剤層
57 第2接着剤層
61 印刷層
62 透明蒸着層
63 透明ガスバリア性塗布膜

Claims (20)

  1. 内容物を収容する収容部が表面フィルムと裏面フィルムとの間に画成されたパウチであって、
    前記パウチの第1側部に位置し、前記表面フィルムの内面と前記裏面フィルムの内面とを接合する第1側部シール部と、
    前記パウチの前記第1側部に第1方向において対向する第2側部に位置し、前記第1側部シール部との間に前記収容部を画成する第2側部シール部と、
    前記パウチの上部寄りに位置し、前記第1側部シール部によって前記収容部から隔離された第1非シール部であって、前記パウチの前記第1側部の第1側縁に達するよう広がる第1非シール部と、
    前記パウチの上部寄りに位置し、前記第2側部シール部によって前記収容部から隔離された第2非シール部であって、前記パウチの前記第2側部の第2側縁に達するよう広がる第2非シール部と、を備え、
    前記第1側部シール部は、前記第1非シール部から前記パウチの下部へ向かって前記第1側部に沿って延びる第1下側シール部分を含み、
    前記第1非シール部は、前記第1下側シール部分の内縁よりも前記第2側部の側の位置まで広がっており、
    前記第2側部シール部は、前記第2非シール部から前記パウチの下部へ向かって前記第2側部に沿って延びる第2下側シール部分を含み、
    前記第2非シール部は、前記第2下側シール部分の内縁よりも前記第1側部の側の位置まで広がっている、パウチ。
  2. 前記第1側部シール部は、前記第1非シール部から前記パウチの上部へ向かって前記第1側部に沿って延びる第1上側シール部分と、前記第1下側シール部分と、一端が前記第1上側シール部分に連設され、他端が前記第1下側シール部分に連設され、前記収容部と前記第1非シール部との間に位置する第1中間シール部分と、を有し、
    前記第1非シール部は、前記第1上側シール部分の内縁よりも前記第2側部の側の位置まで広がっており、
    前記第2側部シール部は、前記第2非シール部から前記パウチの上部へ向かって前記第2側部に沿って延びる第2上側シール部分と、前記第2下側シール部分と、一端が前記第2上側シール部分に連設され、他端が前記第2下側シール部分に連設され、前記収容部と前記第2非シール部との間に位置する第2中間シール部分と、を有し、
    前記第2非シール部は、前記第2上側シール部分の内縁よりも前記第1側部の側の位置まで広がっている、請求項1に記載のパウチ。
  3. 前記第1側部シール部は、前記第1非シール部から前記パウチの上部へ向かって前記第1側部に沿って延びる第1上側シール部分と、前記第1下側シール部分と、一端が前記第1上側シール部分に連設され、他端が前記第1下側シール部分に連設され、前記収容部と前記第1非シール部との間に位置する第1中間シール部分と、を有し、
    前記第1下側シール部分の内縁と前記第1中間シール部分の内縁との間の、前記第1方向における距離の最大値(L12)が、15mm以下である、請求項1又は2に記載のパウチ。
  4. 前記第1方向における前記収容部の寸法に対する前記最大値(L12)の比率が0.10以下である、請求項3に記載のパウチ。
  5. 前記第1非シール部は、前記第1側縁に重なり、外部に開口した第1開口縁部を有し、
    前記収容部の中心点と前記第1非シール部とを最短距離で結ぶ直線の延長線が前記第1開口縁部に交わる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパウチ。
  6. 前記表面フィルムの内面と前記裏面フィルムの内面とを接合するシール部は、10N以下の熱間シール強度を有し、
    前記熱間シール強度は、前記シール部を含む試験片を100℃の環境下で1分間保持した後、100℃の環境下で測定したときのシール強度である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のパウチ。
  7. 前記表面フィルム及び前記裏面フィルムを構成する包装材料は、第1の二軸延伸プラスチックフィルムと、第2の二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備え、
    前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは2枚のみである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のパウチ。
  8. 前記包装材料を100℃の環境下で1分間保持した後、100℃の環境下で測定したときの前記包装材料の一方向における破断強度が、33.0MPa以上である、請求項7に記載のパウチ。
  9. 前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
    前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは二軸延伸ナイロンフィルムである、請求項7又は8に記載のパウチ。
  10. 前記包装材料が、前記第1の二軸延伸プラスチックフィルムと前記第2の二軸延伸プラスチックフィルムの間に位置する透明蒸着層をさらに備え、
    前記透明蒸着層が、金属酸化物または無機酸化物を含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載のパウチ。
  11. 前記表面フィルム及び前記裏面フィルムを構成する包装材料は、二軸延伸プラスチックフィルムと、シーラントフィルムとをこの順に備え、
    前記包装材料中に二軸延伸プラスチックフィルムは1枚のみである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のパウチ。
  12. 前記包装材料の一方向におけるヤング率が3600MPa以上である、請求項11に記載のパウチ。
  13. 前記包装材料が、前記二軸延伸プラスチックフィルムの面上に設けられた透明蒸着層をさらに備え、
    前記透明蒸着層が、金属酸化物または無機酸化物を含む、請求項11又は12に記載のパウチ。
  14. 前記包装材料が、前記透明蒸着層の面上に位置する透明ガスバリア性塗布膜をさらに備える、請求項10又は13に記載のパウチ。
  15. 前記シーラントフィルムが、プロピレン・エチレンブロック共重合体と、エラストマーとを含む、請求項7乃至14のいずれか一項に記載のパウチ。
  16. 前記パウチの前記収容部に肉を含む内容物が収容されており、
    前記パウチは電子レンジで加熱される、
    請求項1乃至15のいずれか一項に記載のパウチ。
  17. 前記内容物が、3mm以上の寸法を有する前記肉を50個以上含む、請求項16に記載のパウチ。
  18. 3mm以上の寸法を有する前記肉の数を前記内容物の重量で割った値が0.3個/g以上である、請求項16又は17に記載のパウチ。
  19. 前記内容物は、前記肉を含む具材と、粘性成分とを備え、
    前記内容物の重量に対する前記具材の重量の比率が8%以上であり、
    前記具材の重量に対する前記肉の重量の比率が20%以上である、請求項16乃至18のいずれか一項に記載のパウチ。
  20. 前記第1側部シール部は、前記第1非シール部から前記パウチの上部へ向かって前記第1側部に沿って延びる第1上側シール部分と、前記第1下側シール部分と、一端が前記第1上側シール部分に連設され、他端が前記第1下側シール部分に連設され、前記収容部と前記第1非シール部との間に位置する第1中間シール部分と、を有し、
    前記パウチを水平面に対して17°傾けた状態において、前記内容物の上面と前記第1中間シール部分との間の距離が5mm以上30mm以下である、請求項16乃至19のいずれか一項に記載のパウチ。
JP2021055889A 2021-03-29 2021-03-29 パウチ Pending JP2022152927A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021055889A JP2022152927A (ja) 2021-03-29 2021-03-29 パウチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021055889A JP2022152927A (ja) 2021-03-29 2021-03-29 パウチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022152927A true JP2022152927A (ja) 2022-10-12

Family

ID=83556298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021055889A Pending JP2022152927A (ja) 2021-03-29 2021-03-29 パウチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022152927A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7449493B2 (ja) 積層体及び該積層体で構成される袋
JP7377464B2 (ja) 積層体及び該積層体で構成される袋
US11535426B2 (en) Bag
JP2024028437A (ja) 包装材料及び包装材料を備える包装製品
JP7449035B2 (ja) 包装材料および包装袋
JP2019131290A (ja)
JP2019006422A (ja) 包装袋および積層体
JP2022152927A (ja) パウチ
JP2022179591A (ja) 積層体で構成される袋
JP2022152924A (ja) パウチ
JP2023051551A (ja) パウチ
JP2023051548A (ja) パウチ
JP2023051553A (ja) パウチ
JP2023051541A (ja) パウチ
JP2021054417A (ja) パウチ
JP7306031B2 (ja) 包装袋
JP2020142858A (ja) 包装材料及び包装材料を備えるパウチ
JP2020055633A (ja) 包装材料及び包装材料を備える袋
JP2017165480A (ja) テトラ型パウチ
JP2023097273A (ja) パウチ
JP7385822B2 (ja) 包装材料及び包装材料を備える包装製品
JP7389959B2 (ja) 包装材料及び包装材料を備えるパウチ
JP2024008288A (ja) 包装材料及びパウチ
JP2023097272A (ja) パウチ
JP2023097271A (ja) パウチ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240129