JP2021030533A - 樹脂フィルム及びラミネートチューブ容器 - Google Patents

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【課題】環境負荷低減性を向上させることができると共に、滑り性及び剛性を向上させることができる樹脂フィルムの提供。【解決手段】本発明の樹脂フィルムは、第1層と、第2層とを少なくとも備え、第1層が、樹脂フィルムの少なくとも一方の最外層を構成し、第1層と、前記第2層とが、直接積層され、第1層が、化石燃料由来のポリエチレン樹脂から構成され、第2層が、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂により構成され、第2層の密度が、第1層の密度よりも小さく、特定の式により規定される樹脂フィルムの剛性パラメータ(K)が、3.5以上6.5以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂フィルム、及びこれを備えるラミネートチューブ容器に関する。
近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれており、バイオマスの利用が注目されている。バイオマスは、二酸化炭素と水から光合成された有機化合物であり、それを利用することにより、再度二酸化炭素と水になる、いわゆるカーボンニュートラルな再生可能エネルギーである。昨今、これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでおり、各種の樹脂をバイオマス原料から製造する試みも行われている。
バイオマス由来の樹脂としては、乳酸発酵を経由して製造されるポリ乳酸(PLA)が先行して商業生産が始まったが、生分解性であることをはじめ、プラスチックとしての性能が現在の汎用プラスチックとは大きく異なるため、製品用途や製品製造方法に限界があり広く普及するには至っていない。また、PLAに対しては、ライフサイクルアセスメント(LCA)評価が行われており、PLA製造時の消費エネルギー及び汎用プラスチック代替時の等価性等について議論がなされている。
ここで、汎用プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル等、様々な種類が用いられている。特に、ポリエチレンは、フィルム、シート、ボトル等に成形され、包装材等の種々の用途に供されており、世界中での使用量が多い。そのため、従来の化石燃料由来のポリエチレンを用いることは環境負荷が大きい。そのため、ポリエチレンの製造にバイオマス由来の原料を用いて、化石燃料の使用量を削減することが望まれている。例えば、現在までに、ポリオレフィン樹脂の原料となるエチレンやブチレンを、再生可能な天然原料から製造することが研究されてきた(特許文献1参照)。
一方で、包装袋において、バイオマス由来の樹脂組成物を原料に用いたものは、化石燃料由来の樹脂組成物を用いたものと比較して、加工適性が著しく劣り、生産性の向上ができないことが知られている。これを解決するために、引用文献2には、バイオマス由来の樹脂組成物を中間層とし、化石燃料由来のポリエチレン樹脂を外層及び内層とした多層構造を有するフィルムが提案されている。
特表2011−506628号公報 特許第5799520号公報
ところで、ラミネートチューブ容器では、胴部を溶着(ラミネート)して溶着部を形成し、筒状の容器を形成するために、容器を構成する積層体の内側及び外側の両面にシーラント層が設けられている。本発明者らは、バイオマス由来の樹脂により構成された中間層と、その両面に化石燃料由来のポリエチレン樹脂により構成された2つの層とを備える樹脂フィルムを、積層体のシーラント層に用いてラミネートチューブ容器を製造したところ、積層体を筒状に貼り合せる際に、積層体と積層体を沿わせる金属筒(マンドレル)との滑り性が悪化して積層体の送り速度が変動し、溶着部のシール性が不安定になることや、内容物充填時の容器供給において、ラミネートチューブ容器同士の滑り性が悪化して容器が詰まり、ラミネートチューブ容器表面に傷が生ずることによって、生産性が低下することが判明した。
更に、本発明者らは、ラミネートチューブ容器の上記樹脂フィルムにおいて、環境負荷の更なる低減を目的として、樹脂フィルムの厚さを薄くしたところ、ラミネートチューブ容器の胴体部分が屈曲し、ラミネートチューブ容器が倒立し難くなるという現象が生じることが判明した。
そして、鋭意検討した結果、各層間の密度、及び剛性パラメータの数値を特定の範囲内とすることにより、上記したような問題点を解決できるとの知見を得た。本発明は係る知見によるものである。
従って、本発明の目的は、環境負荷低減性を向上させることができると共に、滑り性及び剛性を向上させることができる樹脂フィルムを提供することである。
また、本発明の別の目的は、この樹脂フィルムを備えるラミネートチューブ容器を提供することである。
本発明は、第1層と、第2層とを少なくとも備える樹脂フィルムであって、
前記第1層が、前記樹脂フィルムの少なくとも一方の最外層を構成し、
前記第1層と、前記第2層とが、直接積層され、
前記第1層が、化石燃料由来のポリエチレン樹脂から構成され、
前記第2層が、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂により構成され、
前記第2層の密度が、前記第1層の密度よりも小さく、
以下の式により規定される前記樹脂フィルムの剛性パラメータ(K)が、3.5以上6.5以下である、樹脂フィルムである。
K=ρ40×t
ρ:樹脂フィルムの密度
t:樹脂フィルムの厚さ
一実施形態においては、樹脂フィルムは、前記第2層と、前記第1層との密度差が、0.001g/cm以上であることが好ましい。
一実施形態においては、前記樹脂フィルムが、前記第1層とは反対側に第3層を更に備え、
前記第3層が、前記樹脂フィルムの他方の最外層を構成し、
前記第2層と、前記第3層とが、直接又は熱可塑性樹脂層を介して積層され、
前記第3層が、化石燃料由来のポリエチレン樹脂から構成されていることが好ましい。
一実施形態においては、樹脂フィルムは、バイオマス度が1%以上80%以下であることが好ましい。
本発明は、肩部及び注出口部からなる頭部と、
前記頭部の前記肩部と連結した胴部と、
を備えたラミネートチューブ容器であって、
前記胴部が、外側シーラント層と、基材層と、内側シーラント層とを少なくとも順に備える積層体から構成され、
前記外側シーラント層が、上記樹脂フィルムを備え、前記外側シーラント層が備える前記樹脂フィルムの第1層が、前記胴部の最外面に位置しているか、又は前記内側シーラント層が、上記樹脂フィルムを備え、前記内側シーラント層が備える前記樹脂フィルムの第1層が、前記胴部の最内面に位置している、ラミネートチューブ容器である。
一実施形態においては、前記外側シーラント層及び前記内側シーラント層が、上記樹脂フィルムを備え、
前記外側シーラント層が備える前記樹脂フィルムの第1層が、前記胴部の最外面に位置しており、前記内側シーラント層が備える前記樹脂フィルムの第1層が、前記胴部の最内面に位置していることが好ましい。
本発明によれば、環境負荷低減性を向上させることができると共に、滑り性及び剛性を向上させることができる樹脂フィルムを提供することができる。
また、本発明によれば、この樹脂フィルムを備えるラミネートチューブ容器を提供することができる。
本発明の樹脂フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の樹脂フィルムの一例を示す断面図である。 本発明の樹脂フィルムの一例を示す断面図である。 本発明のラミネートチューブ容器の一例を示す図である。 図4のA―A断面図である。 チューブ容器の胴部を形成する積層体の構成の一例を示す部分断面図である。
<樹脂フィルム>
本発明の樹脂フィルムは、第1層と、第2層とを少なくとも備え、第1層と、第2層とは、直接積層されている。樹脂フィルムは、第3層を更に備えてもよく、第2層と、第3層とは、直接又は熱可塑性樹脂層を介して積層されていてもよい。本発明の樹脂フィルムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の樹脂フィルム10の一例を示す断面図である。樹脂フィルム10は、第1層11と、第2層12とを備える。第1層11は、樹脂フィルム10の一方の最外層を構成している。第1層11と、第2層12とは、直接積層されている。
図2は、本発明の樹脂フィルム10のその他の一例を示す断面図である。樹脂フィルム10は、第1層11と、第2層12と、第3層13とを順に備える。第1層11は、樹脂フィルム10の一方の最外層を構成している。第3層13は、樹脂フィルム10の他方の最外層を構成している。第1層11と、第2層12とは、直接積層されている。第2層12と、第3層13とは、直接積層されている。
図3は、本発明の樹脂フィルム10のその他の一例を示す断面図である。樹脂フィルム10は、第1層11と、第2層12と、熱可塑性樹脂層14と、第3層13とを順に備える。第1層11は、樹脂フィルム10の一方の最外層を構成している。第3層13は、樹脂フィルム10の他方の最外層を構成している。第1層11と、第2層12とは、直接積層されている。第2層12と、第3層13とは、熱可塑性樹脂層14を介して積層されている。
なお、上記した図1〜図3に示す樹脂フィルム10の複数の層構成を適宜組み合わせることも可能である。
本発明の樹脂フィルムは、樹脂フィルムの剛性パラメータ(K)が、3.5以上6.5以下であることを特徴とする。剛性パラメータを3.5以上とすることにより、剛性に優れた樹脂フィルムとすることができる。剛性パラメータを6.5以下とすることにより、環境負荷低減性に優れた樹脂フィルムとすることができる。剛性パラメータは、3.7以上6.2以下であることがより好ましく、4.0以上6.0以下であることが更に好ましい。
本発明において、剛性パラメータ(K)は、以下の式により規定されるものである。
K=ρ40×t
ρ:樹脂フィルムの密度
t:樹脂フィルムの厚さ
樹脂フィルムの密度(ρ)は、単位が「g/cm」の場合の数値であり、樹脂フィルムの厚さ(t)は、単位が「μm」の場合の数値である。なお、樹脂フィルムの密度の数値は、小数点第4位を四捨五入した値とする。
樹脂フィルムの厚さは、15μm以上150μm以下であることが好ましい。樹脂フィルムの厚さを15μm以上とすることにより、樹脂フィルムの剛性及びシール強度をより向上することができると共に、他の層と積層体を形成した際に、層間剥離をより抑制することができる。樹脂フィルムの厚さを150μm以下とすることにより、環境負荷低減性及び樹脂フィルムの生産性をより向上することができる。40μm以上140μm以下であることがより好ましく、70μm以上130μm以下であることが更に好ましい。
樹脂フィルムの剛性は、60mN/20mm以上であることが好ましく、80mN/20mm以上であることがより好ましい。樹脂フィルムの剛性は、以下の方法により測定したものである。
長辺及び短辺を有する短冊に切断して試験片を作製する。続いて、試験片の長辺方向の両端をチャックで固定し、湾曲させてループ状にする。その後、該ループを外側から圧子とチャック間距離が所定の距離になるよう押し込む。そして、押し込みに対する抵抗をループスティフネス(剛性)として記録する。
本実施の形態においては、短冊の短辺の長さを20mmとし、長辺の長さを130mmとした。また、ループ長を60mmとし、圧子とチャック間距離を15mmとした。この時、圧縮速度は3.3mm/s、保持時間は3秒とした。剛性を測定する剛性試験機としては、例えば、東洋精機社製のループステフネステスタを用いることができる。
本発明の樹脂フィルムにおいて、樹脂フィルム同士の静止摩擦係数(μS)は、1.00以下であることが好ましく、0.70以下であることがより好ましく、0.40以下であることが更に好ましく、動摩擦係数(μD)は、1.00以下であることが好ましく、0.70以下であることがより好ましく、0.40以下であることが更に好ましい。
樹脂フィルム同士の静止摩擦係数(μS)及び動摩擦係数(μD)の測定は、JIS K−7125に準じて、2つの樹脂フィルムの第1層表面同士で行う。測定機器として、(株)東洋精機製作所製 TR−2を用いることができる。
本発明の樹脂フィルムにおいて、樹脂フィルム対金属の静止摩擦係数(μS)は、0.40以下であることが好ましく、0.30以下であることがより好ましく、0.25以下であることが更に好ましく、動摩擦係数(μD)は、0.40以下であることが好ましく、0.30以下であることがより好ましく、0.25以下であることが更に好ましい。
樹脂フィルム対金属の静止摩擦係数(μS)及び動摩擦係数(μD)の測定は、JIS K−7125に準じて、樹脂フィルムの第1層表面と金属の表面とで行う。測定機器として、(株)東洋精機製作所製 TR−2を用いることができる。
樹脂フィルムの密度は、0.910g/cm以上0.950g/cm以下であることが好ましい。樹脂フィルムの密度を0.910g/cm以上とすることにより、樹脂フィルムの剛性をより向上することができる。樹脂フィルムの密度を0.950g/cm以上とすることにより、シール強度をより向上することができる。樹脂フィルムの密度は、0.915g/cm以上0.945g/cm以下であることがより好ましく、0.920g/cm以上0.940g/cm以下であることが更に好ましい。
なお、樹脂フィルムの密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。
本発明の樹脂フィルムは、下記で説明するバイオマス度が、1%以上80%以下であることが好ましい。バイオマス度を1%以上とすることにより、環境負荷低減性を向上することができる。バイオマス度を80%以下にすることにより、樹脂フィルムの剛性及び生産性を向上することができる。バイオマス度は、5%以上70%以下であることがより好ましく、10%以上60%以下であることが更に好ましい。なお、特に断りのない限り、「バイオマス度」とはバイオマス由来成分の重量比率を示したものとする。
(第1層)
第1層は、樹脂フィルムの少なくとも一方の最外層を構成し、化石燃料由来のポリエチレン樹脂から構成されている。これにより、樹脂フィルム表面の滑り性を向上することができる。化石燃料由来のポリエチレン樹脂とは、化石燃料由来の原料のみで製造されたポリエチレン樹脂であり、化石燃料由来のポリエチレン樹脂におけるバイオマス由来のエチレン濃度は0%である。従って、化石燃料由来のポリエチレン樹脂のバイオマス度は0%となる。
第1層の密度は、0.910g/cm以上0.960g/cm以下であることが好ましい。第1層の密度を0.910g/cm以上とすることにより、樹脂フィルムの剛性及び樹脂フィルム表面の滑り性をより向上することができる。第1層の密度を0.960g/cm以下とすることにより、シール強度をより向上することができる。第1層の密度は、0.915g/cm以上0.955g/cm以下であることがより好ましく、0.920g/cm以上0.950g/cm以下であることが更に好ましい。
なお、第1層の密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。
第1層の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましい。第1の厚さを5μm以上とすることにより、樹脂フィルムの剛性及びシール強度をより向上することができると共に、樹脂フィルム表面の滑り性をより向上することができる。第1の厚さを100μm以下とすることにより、環境負荷低減性及び樹脂フィルムの生産性をより向上することができる。第1層の厚さは、10μm以上80μm以下であることがより好ましく、15μm以上50μm以下であることが更に好ましい。
第1層:第2層の厚みの比率は、1:5〜2:1であることが好ましく、1:4〜1:1であることがより好ましい。
第1層を構成するポリエチレン樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び後述する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等を1種又は2種以上含んでもよい。なお、高密度ポリエチレンとは、0.942g/cm以上の密度を有するポリエチレンを意味し、中密度ポリエチレンとは、0.930g/cm以上0.942g/cm未満の密度を有するポリエチレンを意味し、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンとは、0.930g/cm未満の密度を有するポリエチレンを意味する。
第1層を構成するポリエチレン樹脂は、好ましくは0.1g/10分以上10g/10分以下、より好ましくは0.2g/10分以上5g/10分以下、更に好ましくは0.5g/10分以上3g/10分以下のメルトフローレート(MFR)を有するものである。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。
なお、メルトフローレートとは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
本発明の特性を損なわない範囲において、第1層は、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、有機粒子、離型剤及び分散剤等の添加剤を1種又は2種以上含んでいてもよい。
(第2層)
第2層は、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂により構成されている。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、樹脂フィルムのシール強度及び落下強度等の耐衝撃性を向上することができる。
第2層は、下記で説明するバイオマス度が、5%以上95%以下であることが好ましい。バイオマス度を5%以上とすることにより、環境負荷低減性を向上することができる。バイオマス度を95%以下にすることにより、樹脂フィルムの剛性及び生産性を向上することができる。バイオマス度は、10%以上90%以下であることがより好ましく、15%以上80%以下であることが更に好ましい。
バイオマス由来のポリエチレン(以下、バイオマスポリエチレンとも称する)の原料となるバイオマス由来のエチレンの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により得ることができる。以下、バイオマス由来のエチレンの製造方法の一例を説明する。
バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、及びマニオクを挙げることができる。
バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物又はその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、及び抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、又は膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
上記エチレンを得るために、この段階で、エタノール中の不純物総量が1ppm以下にする等の高度な精製を更に行ってもよい。
エタノールの脱水反応によりエチレンを得る際には通常触媒が用いられるが、この触媒は、特に限定されず、従来公知の触媒を用いることができる。プロセス上有利なのは、触媒と生成物の分離が容易な固定床流通反応であり、例えば、γ―アルミナ等が好ましい。
この脱水反応は吸熱反応であるため、通常加熱条件で行う。商業的に有用な反応速度で反応が進行すれば、加熱温度は限定されないが、好ましくは100℃以上、より好ましくは250℃以上、更に好ましくは300℃以上の温度が適当である。上限も特に限定されないが、エネルギー収支及び設備の観点から、好ましくは500℃以下、より好ましくは400℃以下である。
エタノールの脱水反応においては、原料として供給するエタノール中に含まれる水分量によって反応の収率が左右される。一般的に、脱水反応を行う場合には、水の除去効率を考えると水が無いほうが好ましい。しかしながら、固体触媒を用いたエタノールの脱水反応の場合、水が存在しないと他のオレフィン、特にブテンの生成量が増加する傾向にあることが判明した。恐らく、少量の水が存在しないと脱水後のエチレン二量化を押さえることができないためと推察している。許容される水の含有量の下限は、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上必要である。上限は特に限定されないが、物質収支上及び熱収支の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
このようにしてエタノールの脱水反応を行うことによりエチレン、水及び少量の未反応エタノールの混合部が得られるが、常温において約5MPa以下ではエチレンは気体であるため、これら混合部から気液分離により水やエタノールを除きエチレンを得ることができる。この方法は公知の方法で行えばよい。
気液分離により得られたエチレンは更に蒸留され、このときの操作圧力が常圧以上であること以外は、蒸留方法、操作温度、及び滞留時間等は特に制約されない。
原料がバイオマス由来のエタノールの場合、得られたエチレンには、エタノール発酵工程で混入した不純物であるケトン、アルデヒド、及びエステル等のカルボニル化合物ならびにその分解物である炭酸ガスや、酵素の分解物・夾雑物であるアミン及びアミノ酸等の含窒素化合物ならびにその分解物であるアンモニア等が極微量含まれる。エチレンの用途によっては、これら極微量の不純物が問題となるおそれがあるので、精製により除去してもよい。精製方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。好適な精製操作としては、例えば、吸着精製法をあげることができる。用いる吸着剤は特に限定されず、従来公知の吸着剤を用いることができる。例えば、高表面積の材料が好ましく、吸着剤の種類としては、バイオマス由来のエタノールの脱水反応により得られるエチレン中の不純物の種類・量に応じて選択される。
なお、エチレン中の不純物の精製方法として苛性水処理を併用してもよい。苛性水処理をする場合は、吸着精製前に行うことが望ましい。その場合、苛性処理後、吸着精製前に水分除去処理を施す必要がある。
バイオマスポリエチレンは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーが重合してなるものである。バイオマス由来のエチレンには、上記の製造方法により得られたものを用いることが好ましい。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレンを用いているため、重合されてなるポリエチレンはバイオマス由来となる。バイオマスポリエチレンが、バイオマス由来の低密度ポリエチレンである場合は、バイオマス由来のエチレンを用いて、上記重合方法により重合したポリエチレンである。なお、ポリエチレンの原料モノマーは、バイオマス由来のエチレンを100質量%含むものでなくてもよい。
本発明の目的を損なわない範囲であれば、バイオマスポリエチレンの原料であるモノマーは、化石燃料由来のエチレンを更に含んでもよい。
上記のポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度(以下、「バイオマス度」ということがある)は、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量を測定した値である。大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。従って、ポリエチレン中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出し、バイオマス由来成分の重量比率を求めることができる。
本発明においては、理論上、ポリエチレンの原料として、全てバイオマス由来のエチレンを用いれば、バイオマス由来のエチレン濃度は100%であり、バイオマスポリエチレンのバイオマス度は100%となる。
本発明において、バイオマスポリエチレンやバイオマス由来の樹脂層は、バイオマス度が100%である必要はない。樹脂フィルムの一部にでもバイオマス由来の原料が用いられていれば、従来に比べて化石燃料の使用量を削減するという本発明の趣旨に沿うからである。
化石燃料由来ポリエチレン樹脂から構成された樹脂フィルムは、原材料調達、フィルム製造、廃棄の工程において、理論上、1kgあたり5.03kg−COe/kgの二酸化炭素を排出する。バイオマス度が100%のバイオマス由来ポリエチレン樹脂から構成されたフィルムの場合には、理論上0.41kg−COe/kgの二酸化炭素を排出する。従って、理論的には、バイオマス度10%あたり、0.46kg−COe/kgの二酸化炭素を削減することができる。なお、「COe」とは、COequivalentのことであり、二酸化炭素換算の数値のことである。また、フィルム製造は、インフレーション法で製膜した場合で算出し、廃棄は100%焼却した場合で算出した。
ここで、直鎖状低密度ポリエチレンについて説明する。直鎖状低密度ポリエチレンとは、チーグラーナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒又はメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である。従って、高圧法エチレン単独重合体であり、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる低密度ポリエチレンとは区別される。密度が0.930g/cm未満のものを指す。直鎖状低密度ポリエチレンのコモノマーとなるα−オレフィンとしては、炭素数3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、1−ノネン、4−メチルペンテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。ここで、ポリエチレンの密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。
上記のシングルサイト触媒とは、均一な活性種を形成しうる触媒であり、通常、メタロセン系遷移金属化合物や非メタロセン系遷移金属化合物と活性化用助触媒とを接触させることにより調整される。シングルサイト触媒は、マルチサイト触媒に比べて、活性点構造が均一であるため、高分子量かつ均一度の高い構造の重合体を重合することができるため好ましい。シングルサイト触媒としては、特に、メタロセン系触媒を用いることが好ましい。メタロセン系触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と、助触媒と、必要により有機金属化合物と、担体の各触媒成分とを含む触媒である。
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜30の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも一種の置換基を有するものである。その置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、また置換基同士が互いに結合して環を形成し、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環、その水添体等を形成してもよい。置換基同士が互いに結合し形成された環が更に互いに置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、その遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウム、ハフニウムが好ましい。該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常2個を有し、各々のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は架橋基により互いに結合しているものが好ましい。なお、架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン基、シリレン基、ジアルキルシリレン基、ジアリールシリレン基等の置換シリレン基、ジアルキルゲルミレン基、ジアリールゲルミレン基等の置換ゲルミレン基等が挙げられる。好ましくは、置換シリレン基である。
周期律表第IV族の遷移金属化合物において、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基等が挙げられる。
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、1種又は2種以上の混合物を触媒成分とすることができる。
助触媒としては、上記の周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、又は触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させうるものをいう。助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、イオン交換性層状珪酸塩、ホウ素化合物、活性水素基含有あるいは非含有のカチオンと非配位性アニオンからなるイオン性化合物、酸化ランタン等のランタノイド塩、酸化スズ、フルオロ基を含有するフェノキシ化合物等が挙げられる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、無機又は有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機又は有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的には、モンモリロナイト等のイオン交換性層状珪酸塩、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等又はこれらの混合物が挙げられる。
また更に必要により使用される有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物等が例示される。このうち有機アルミニウムが好適に使用される。
本発明の樹脂フィルムにおいて、第2層の密度は、第1層の密度よりも小さい。これにより、第2層のバイオマス由来の樹脂に含まれる低分子量成分等が、樹脂フィルムの表面に析出することを抑制でき、樹脂フィルム表面の滑り性を向上することができる。なお、低分子量成分とは、分子量が30,000以下の成分をいう。
本発明の樹脂フィルムにおいて、第2層と、第1層との密度差は、0.001g/cm以上であることが好ましい。これにより、樹脂フィルム表面の滑り性をより向上することができる。第2層と、第1層との密度差は、0.003g/cm以上であることがより好ましく、0.005g/cm以上であることが更に好ましい。
第2層の密度は、0.901g/cm以上0.950g/cm以下であることが好ましい。第1層の密度を0.901g/cm以上とすることにより、樹脂フィルムの剛性をより向上することができる。第1層の密度を0.950g/cm以下とすることにより、シール強度をより向上することができる。第1層の密度は、0.905g/cm以上0.945g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.940g/cm以下であることが更に好ましい。
第1層の厚さは、10μm以上150μm以下であることが好ましい。第1の厚さを10μm以上とすることにより、樹脂フィルムの剛性及びシール強度をより向上することができると共に、樹脂フィルム表面の滑り性をより向上することができる。第1の厚さを150μm以下とすることにより、樹脂フィルムの生産性をより向上することができる。第1層の厚さは、15μm以上120μm以下であることがより好ましく、20μm以上100μm以下であることが更に好ましい。
第2層を構成する樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、及び低密度ポリエチレン(LDPE)を1種又は2種以上含んでもよく、これらは化石燃料由来のものであっても、バイオマス由来のものであってもよい。また、第2層を構成する樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲において、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含んでもよい。
本発明の特性を損なわない範囲において、第2層は、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、有機粒子、離型剤及び分散剤等の添加剤を1種又は2種含んでいてもよい。
第2層を構成する樹脂は、好ましくは0.1g/10分以上10g/10分以下、より好ましくは0.2g/10分以上5g/10分以下、更に好ましくは0.5g/10分以上3g/10分以下のメルトフローレート(MFR)を有するものである。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。
(第3層)
第3層は、樹脂フィルムの他方の最外層を構成し、化石燃料由来ポリエチレン樹脂から構成されている。これにより、他の層と積層体を形成した際に、他の層との密着性を向上することができる。
第3層の密度は、0.910g/cm以上0.960g/cm以下であることが好ましい。第3層の密度を0.910g/cm以上とすることにより、樹脂フィルムの剛性をより向上することができる。第3層の密度を0.960g/cm以下とすることにより、シール強度をより向上することができる。第3層の密度は、0.915g/cm以上0.955g/cm以下であることがより好ましく、0.920g/cm以上0.950g/cm以下であることが更に好ましい。
第3層の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましい。第3の厚さを5μm以上とすることにより、樹脂フィルムの剛性及びシール強度をより向上することができる。第3の厚さを100μm以下とすることにより、環境負荷低減性及び樹脂フィルムの生産性をより向上することができる。第3層の厚さは、10μm以上80μm以下であることがより好ましく、15μm以上50μm以下であることが更に好ましい。
第3層:第2層の厚みの比率は、1:5〜2:1であることが好ましく、1:4〜1:1であることがより好ましい。
第3層を構成するポリエチレン樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレン等を1種又は2種以上含んでもよい。
第3層を構成するポリエチレン樹脂は、好ましくは0.1g/10分以上10g/10分以下、より好ましくは0.2g/10分以上5g/10分以下、更に好ましくは0.5g/10分以上3g/10分以下のメルトフローレート(MFR)を有するものである。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、樹脂フィルムの機械的強度を高めることができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、第3層は、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、有機粒子、離型剤及び分散剤等の添加剤を1種又は2種以上含んでいてもよい。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層は、いずれか2層をラミネートにより貼合するために形成される層である。熱可塑性樹脂層は、従来公知の方法、例えば溶融押出しラミネート法やサンドラミネート法により形成することができる。熱可塑性樹脂層の材料としては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、又は環状ポリオレフィン系樹脂、又はこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、又は、混合体(アロイを含む)を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、又は、共重合した樹脂等を用いることができる。これらの材料は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネン等の環状ポリオレフィン等を用いることができる。これらの樹脂は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。熱可塑性樹脂層は、バイオマス由来の材料を含んでもよく、化石燃料由来の材料を含んでもよい。
<樹脂フィルムの製造方法>
本発明の樹脂フィルムの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。樹脂フィルムは、共押出成形されてなることが好ましく、共押出成形が、Tダイ法又はインフレーション法により行われることがより好ましい。以下、Tダイ法及びインフレーション法により樹脂フィルムを製造する方法の一例を説明する。
Tダイ法においては、上記第1層を構成する樹脂及び第2層を構成する樹脂をそれぞれ乾燥させた後、これらのそれぞれ融点以上の温度(Tm)〜Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、Tダイのダイよりシート状に共押出し、共押出されたシート状物を回転している冷却ドラム等で急冷固化することにより樹脂フィルムを成形することができる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
インフレーション法においては、まず、上記第1層を構成する樹脂及び第2層を構成する樹脂をそれぞれ乾燥させた後、これらのそれぞれ融点以上の温度(Tm)〜Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、環状ダイのダイにより円筒状に共押出しする。このときに、円筒状の溶融樹脂内に下方から空気を送り、円筒の径を所定の大きさに膨張させると共に、円筒外に下方から冷却用空気を送る。この膨張した円筒状体をバブルと呼ぶ。続いて、バブルを、案内板及びピンチロールによってフィルム状に折り畳み、巻き上げ部において巻き取る。折り畳まれたフィルムは、筒状のまま巻き取っても、筒の両端をスリッター等で除去し、2枚のフィルムに切り離してから、それぞれを巻き取ってもよい。これにより樹脂フィルムを成形することができる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
<ラミネートチューブ容器>
本発明によるラミネートチューブ容器について図面を参照しながら説明する。図4は、本発明のラミネートチューブ容器の一例を示す図であり、図5は、図4のA―A断面図である。図4に示すように、チューブ容器20は、頭部21と、胴部22とを備えている。
[頭部]
頭部21は、胴部の一端部と連接した肩部23と、肩部に連接している注出口部24とからなり、樹脂組成物を用いて圧縮成形法や射出成型法等の成形法により一体的に形成することができる。以下、チューブ容器の頭部21に使用される樹脂組成物について説明する。
(樹脂組成物)
頭部の成形に使用される樹脂組成物は、ポリオレフィンを主成分として含むものであってもよい。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらを含む共重合体等が挙げられ、これらの中でもポリエチレンであることが好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び後述する直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられ、これらの中でも、高密度ポリエチレンが好ましい。また、ポリオレフィンとして、ポリエチレンを用いる場合、化石燃料由来のポリエチレン樹脂に代えて、バイオマス由来のポリエチレン樹脂を用いてもよい。
上記の樹脂組成物の製造工程において、又は製造された樹脂組成物には、その特性が損なわれない範囲において、主成分であるポリオレフィン以外に、各種の添加剤を1種又は2種以上添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、着色顔料等を添加することができる。これら添加剤は、樹脂組成物全体に対して、好ましくは1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%の範囲で添加される。
頭部の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。頭部は、圧縮成形法(コンプレッション成形法)、射出成形法(インジェクション成形法)等を用いて成形すると共に、胴部と接合させることができる。
[胴部]
胴部22は、頭部21の肩部23と連接されている。胴部22は、積層体を筒状に丸めて、その両端を重ね合せ、その重合部分を溶着して溶着部26を形成し、筒状の容器を形成している。図6は、チューブ容器20の胴部22を形成する積層体30の部分断面図である。図6に示すように、胴部22を形成する積層フィルム30は、外側シーラント層31、基材層32、及び内側シーラント層33を備え、外側シーラント層31、基材層32、及び内側シーラント層33を、胴部22の外面側から内面側に向かってこの順に積層して構成されている。
(外側シーラント層、内側シーラント層)
外側シーラント層31及び内側シーラント層33は、図6に示すように、基材層32の両面にそれぞれ設けられている。外側シーラント層及び内側シーラント層は、熱によって相互に融着し得るヒートシール性樹脂フィルムにより形成される層である。
本発明のラミネートチューブ容器の胴部において、外側シーラント層又は内側シーラント層は、本発明の樹脂フィルムを備える。また、外側シーラント層が本発明の樹脂フィルムを備える場合には、樹脂フィルムの第1層は、ラミネートチューブ容器の胴部の最外面に位置しており、内側シーラント層が本発明の樹脂フィルムを備える場合には、樹脂フィルムの第1層は、ラミネートチューブ容器の胴部の最内面に位置している。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、滑り性及び剛性に優れるラミネートチューブ容器とすることができる。また、ラミネートチューブ容器の生産性を向上することができる。本発明のラミネートチューブ容器の胴部においては、外側シーラント層及び内側シーラント層の両方が、本発明の樹脂フィルムを備え、外側シーラント層が備える樹脂フィルムの第1層が、胴部の最外面に位置しており、内側シーラント層が備える樹脂フィルムの第1層が、胴部の最内面に位置していることが好ましい。
外側シーラント層及び内側シーラント層は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、又は環状ポリオレフィン系樹脂、又はこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、又は、混合体(アロイを含む)を用いて形成された層であってもよい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、又は、共重合した樹脂等用いることができる。これらの材料は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネン等の環状ポリオレフィン等を用いることができる。これらの樹脂は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。内側シーラント層は、バイオマス由来の材料を含んでもよく、化石燃料由来の材料を含んでもよい。
外側シーラント層及び内側シーラント層は、2層以上であってもよい。外側シーラント層を2層以上とする場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
(基材層)
基材層は、胴部を構成する積層体を支持する機能を有するものであり、積層体を支持できるような材料であれば特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、その他等の各種の樹脂、及び紙等を使用することができる。また、上記した樹脂は、化石燃料由来の樹脂だけでなく、バイオマス由来の樹脂を用いてもよい。例えば、上記したバイオマス由来のポリエチレン樹脂の他、特開2012−116082号公報に記載されているようなバイオマス由来のエチレングリコールをジオール成分として使用したバイオマスポリエステルや、ポリ乳酸樹脂、でんぷん、セルロース等を使用することができる。
基材層は、2層以上であってもよい。基材層を2層以上とする場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
基材層は、上記したような樹脂からなるフィルムを使用することができるが、強度等の観点からは、一軸ないし二軸方向に延伸されたフィルムを用いることが好ましい。以下、本発明のラミネートチューブ容器の胴部において、樹脂からなるフィルムを、基材フィルムとも称する。
本発明の特性を損なわない範囲において、基材層は、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、無機粒子、有機粒子、離型剤及び分散剤等の添加剤を含んでいてもよい。
(その他の層)
積層体は、外側シーラント層、基材層及び内側シーラント層以外に、その他の層を少なくとも1層有してもよい。その他の層としては、例えば、ガスバリア層、遮光層、印刷層を挙げることができる。その他の層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
ガスバリア層は樹脂から構成してもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂等の樹脂を使用することができる。また、水蒸気バリア性を有する樹脂として、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂を使用することができる。また、ガスバリア層は、上記したような樹脂からなるフィルムを使用することができるが、強度等の観点からは、一軸ないし二軸方向に延伸されたフィルムを用いることが好ましい。
また、ガスバリア層として、アルミ箔等の金属箔を設けてもよく、あるいはアルミニウム等の無機物の蒸着層、又は無機酸化物の蒸着層等を1層又は2層以上設けてもよい。基材フィルムの表面に金属箔や蒸着層を設ける場合、基材フィルムの表面に予め不活性ガスによるプラズマ処理等を施しておいてもよい。このような表面処理により、基材フィルムと、金属箔又は蒸着層との密着性が向上し、層間剥離の発生を防止することができる。
蒸着膜としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の1種又は2種以上の無機物又は無機酸化物の蒸着膜を使用することができる
上記の樹脂のフィルムの片面に上記の無機物又は無機酸化物の蒸着層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の公知の方法で蒸着膜を形成することができる。
無機物又は無機酸化物の蒸着層の膜厚としては、100Å〜2000Å程度、好ましくは200Å〜1000Å程度である。
ガスバリア層において、ガスバリア性を高めるために、上記したような無機物ないし無機酸化物の蒸着層を基材フィルムに設けた後、蒸着層上にガスバリア性塗布膜を設けてもよい。ガスバリア性塗布膜としては、一般式R M(OR(ただし、式中、R、Rは、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法触媒、酸、水、及び、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を調製する工程、基材フィルムの一方の面に設けた蒸着層の上に、必要ならば、酸素ガスによるプラズマ処理面を介して、上記のゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設ける工程、上記の塗工膜を設けた基材フィルムを、20℃〜180℃で、かつ、上記の基材フィルムの融点以下の温度で10秒〜10分間加熱処理して、上記の基材フィルムの一方の面に設けた蒸着層の上に、要すれば、酸素ガスによるプラズマ処理面を介して、上記のガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を形成する工程等を包含する製造工程により製造することができる。
ガスバリア性塗布膜を形成する一般式R M(ORで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解縮合物の少なくとも1種以上を使用することができ、また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、及び、その混合物であってもよく、更に、加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2〜6量体のものを使用される。
上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他等を使用することができる。本発明において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタン等を挙げることができる。また、本発明において、アルコキシドの用い方としては、単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、その他等のアルキル基を挙げることができる。また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他等を挙げることができる。なお、本発明において、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記のガスバリア性塗布膜を形成するポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体としては、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、又は、エチレン・ビニルアルコ−ル共重合体を単独で各々使用することができ、あるいは、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及びエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを組み合わせて使用することができる。本発明においては、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体を使用することにより、ガスバリア性塗布膜のガスバリア性、耐水性、耐候性、その他等の物性を著しく向上させることができる。特に、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂と、エチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することにより、上記のガスバリア性に加えて、耐熱水性及び熱水処理後のガスバリア性等に著しく優れた積層フィルムを形成することができる。
遮光層は、ベース樹脂に黒色顔料や白色顔料等を添加した樹脂組成物から形成することができる。ベース樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂を用いることができる。
黒色顔料としては、少なくとも、主に近紫外から可視領域を吸収する黒色系の顔料を用いる。具体的には、カーボンブラックの他に、黒鉛、鉄黒、電気伝導性材料(ポリアニリン、ポリピロール)を用いることができる。
白色顔料としては、主に外観意匠性を考慮した美麗でデザインの設定しやすい白色系の顔料を添加する。具体的には、酸化チタンの他に、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等を用いることができる。
印刷層は、例えば、外側シーラント層、基材層、及び/又はガスバリア層に設けることができる。印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他等の表示のために、文字、絵柄、図形、記号、模様等の所望の任意の印刷模様を形成する層であってもよい。また、印刷層は、グロスニス(OPニス)等を用いて、光沢性を付与する層であってもよい。グロスニスとしては、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン共重合体、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩素化ポリプロピレン系樹脂等を用いることができる。
印刷層は、全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよく、また2層以上であってもよい。
印刷層の形成は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷により行うことができる。
外側シーラント層、基材層、内側シーラント層、及びその他の層は、ドライラミネート法により接着剤層を介して、あるいは溶融押出ラミネート法やサンドラミネート法により接着樹脂層を介して互いに積層することができる。
接着剤層は、積層しようとする層の表面に、ラミネートに用いられる接着剤(ラミネート用接着剤)を塗布して乾燥させることにより形成することができる。ラミネート用接着剤としては、例えば、1液型あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等の接着剤を用いることができる。上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で積層フィルムを構成する層の塗布面に塗布することができる。塗布量としては、0.1g/m〜10g/m(乾燥状態)が好ましく、1g/m〜5g/m(乾燥状態)がより好ましい。
接着樹脂層は、熱可塑性樹脂を用いて溶融押出しラミネート法により形成される。接着樹脂層に使用できる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、又は環状ポリオレフィン系樹脂、又はこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、又は、混合体(アロイを含む)を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、又は、共重合した樹脂等を用いることができる。これらの材料は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネン等の環状ポリオレフィン等を用いることができる。これらの樹脂は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。接着樹脂層は、バイオマス由来の材料を含んでもよく、化石燃料由来の材料を含んでもよい。
また、接着樹脂層の密着性を向上させるためにアンカーコート層を形成してもよい。アンカーコート層は、積層しようとする層の表面に、アンカーコート剤を塗布して乾燥させることにより形成することができる。アンカーコート剤としては、耐熱温度が135℃以上である任意の樹脂、例えばビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等からなるアンカーコート剤が挙げられるが、特に、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂と、硬化剤としてのイソシアネート化合物とからなるアンカーコート剤を、好ましく使用することができる。また、これに添加剤としてシランカップリング剤を併用してもよく、また、硝化綿を、耐熱性を高めるために併用してもよい。
胴部を構成する積層体は、充填包装する内容物の種類、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件に応じて、種々の層構成を採用することができる。積層体の層構成の一例として、例えば、以下のような構成が挙げられる。
PEフィルム/接着剤層/PET/印刷層/接着剤層/PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/EVOH/印刷層/接着剤層/PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/PET/蒸着層/ガスバリア性塗布膜/印刷層/接着剤層/PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/PET/蒸着層/ガスバリア性塗布膜/印刷層/接着剤層/CPP
PEフィルム/接着剤層/PET/蒸着層/ガスバリア性塗布膜/印刷層/接着剤層/乳白PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/ガスバリア性塗布膜/蒸着層/PET/印刷層/接着剤層/乳白PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/PET/印刷層/接着剤層/ガスバリア性塗布膜/蒸着層/PET/接着剤層/PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/PET/印刷層/接着剤層/蒸着層/PET/接着剤層/PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/PET/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/PET/接着剤層/PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/PET/印刷層/接着剤層/AL/PE/PEフィルム/PE/接着剤層/PEフィルム
PEフィルム/PE/AC/PET/印刷層/AC/PE/乳白PEフィルム/AC/EMAA/AL/EMAA/PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/PET/印刷層/接着剤層/蒸着層/PET/EAA/AL/EAA/PEフィルム
PEフィルム/接着剤層/印刷層/PE/EAA/AL/EAA/PET/接着剤層/PEフィルム
PEフィルム/PE/印刷層/紙/EMAA/蒸着層/PET/AC/PE/PEフィルム
PEフィルム/PE/印刷層/紙/EMAA/AL/EMAA/PEフィルム
PE/印刷層/紙/EMAA/AL/EMAA/PEフィルム
PE/印刷層/紙/EMAA/蒸着層/PET/AC/PE/PEフィルム
印刷層/PE/PEフィルム/EMAA/AL/EMAA/PEフィルム
印刷層/PE/PEフィルム/EAA/AL/EAA/PET/接着剤層/PEフィルム
印刷層/PE/PEフィルム/PE/AC/PET/印刷層/AC/PE/乳白PEフィルム/AC/EMAA/AL/EMAA/PEフィルム
印刷層/PE/PEフィルム/PE/PET/印刷層/接着剤層/蒸着層/PET/接着剤層/PEフィルム
印刷層/PE/乳白PEフィルム/PE/PEフィルム
印刷層/PE/PEフィルム/接着剤層/EVOH/接着剤層/PEフィルム
印刷層/PEフィルム/接着剤層/PET/蒸着層/ガスバリア性塗布膜/接着剤層/PEフィルム
印刷層/PE/PEフィルム/PE/AC/PET/印刷層/接着剤層/蒸着層/PET/接着剤層/PEフィルム
印刷層/PEフィルム/接着剤層/蒸着層/PEフィルム/PE/EVOH/PE/PEフィルム
上記層構成の一例において、左側は胴部の外側を意味し、右側は胴部の内側を意味する。「/」の記号は各層の境界を示し、各層は、上述のようにドライラミネート法、サンドラミネート法又は溶融押出しラミネート法によって積層することができる。上記層構成の一例において、「PEフィルム」は、本発明の樹脂フィルムを用いることができる。なお、その他の各略称の名称は、以下のとおりである。PE:ポリエチレン、PET:ポリエチレンテレフタレート、AL:アルミニウム箔、CPP:未延伸ポリプロピレン、EVOH:エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、EMAA:エチレン−メタクリル酸共重合体、EAA:エチレン−アクリル酸共重合体、AC:アンカーコート層。
胴部は、積層体を筒状に丸めて、胴部の両端部の外側シーラント層と内側シーラント層とを重ね合わせ、その重合部分をヒートシールして溶着部を形成して作製される。胴部は、その一方の開口部の上部に頭部が連結される。その他にも、積層体を重ね合わせず、積層体の端部を突き合わせて溶着し、少なくとも突合せ部の内面側をプラスチック製シールテープで被覆することで筒を形成してもよい。
ヒートシールする方法としては、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シール等の従来公知の方法で行うことができる。
<ラミネートチューブ容器の製造方法>
ラミネートチューブ容器の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。ラミネートチューブ容器20の製造方法の一例を、図4を参照しながら説明する。上記バイオマス原料を含む樹脂組成物を成形原料として使用し、これに、例えば、乳白顔料、その他所望の添加剤を任意に添加し、充分に混練してなる樹脂組成物を製造する。上記の樹脂組成物を使用して、これを、上記の筒状の胴部22の一方の開口部に、例えば、圧縮成形法(コンプレッション成形法)、射出成形法(インジェクション成形法)等その他の通常の成形法によって、頭部21を形成する。これにより、頭部21と胴部22とからなるラミネートチューブ容器20を成形することができる。
圧縮成形法(コンプレッション成形法)を用いてラミネートチューブ容器20を成形する場合、上部に凸部を有する雄型に胴部22を装着した後、雄型と雌型を対向させ、雌雄内に樹脂組成物の溶融樹脂を供給し、圧縮成形して頭部21を成形すると共に胴部22の一方の開口に接合させることにより、頭部21と胴部22とからなるラミネートチューブ容器20を成形することができる。また、射出成形法(インジェクション成形法)を用いてラミネートチューブ容器20を成形する場合、上部に凸部を有する雄型に胴部22を装着した後、雄型と雌型を対向させ、ゲートから溶融樹脂を供給し、射出成形して頭部21を成形すると共に胴部22の一方の開口に接合させることにより、頭部21と胴部22とからなるラミネートチューブ容器20を成形することができる。
ラミネートチューブ容器20を成形した後、胴部22の頭部21と連結した他方の開放端から内容物を充填し、開口部を溶着して底シール部25を形成する。これにより、内容物が充填包装されたラミネートチューブ容器20を得ることができる。注出口部24に装着するキャップは、注出口部24の形状に対応して、例えば螺合させ、又は嵌合させる等、各種の方法により装着する。
また、ラミネートチューブ容器20は、頭部21にキャップを備えていてもよい。キャップは、熱可塑性樹脂からなり、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。キャップとしては、胴部22の口部に打栓することにより、嵌合される打栓タイプ、胴部22の口部外面に設けられた螺条に螺合するスクリュータイプが挙げられる。打栓タイプあるいはスクリュータイプの何れにおいても、開口を有するキャップ本体と開口を閉塞する上蓋とがヒンジを介して接合されたヒンジキャップとすることもできる。なお、ヒンジキャップとする場合は、ヒンジの耐久性の観点からポリプロピレン樹脂を使用することが好ましい。
本発明のラミネートチューブ容器は、例えば、練り歯磨き、化粧品、食料品、医薬品、及びその他の従来公知の内容物を充填するための製品を包装容器として好適に使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
第1層を構成する樹脂として、100質量部の化石燃料由来の中密度ポリエチレン((株)プライムポリマー社製、商品名:UZ3520L、密度:0.931g/cm、MFR:2.1g/10分、バイオマス度:0%)を溶融した。
次いで、第2層を構成する樹脂として、70質量部の化石燃料由来の中密度ポリエチレン((株)プライムポリマー社製、商品名:UZ3520L、密度:0.931g/cm、MFR:2.1g/10分、バイオマス度:0%)と、30質量部のバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(ブラスケム社製、商品名:SLL−118、密度:0.916g/cm、MFR:1.0g/10分、バイオマス度87%)とを別途溶融した。
次いで、第3層を構成する樹脂として、100質量部の化石燃料由来の中密度ポリエチレン((株)プライムポリマー社製、商品名:UZ3520L、密度:0.931g/cm、MFR:2.1g/10分、バイオマス度:0%)を別途溶融した。
これらの溶融物を、第1層及び第3層が樹脂フィルムの最外層を構成するように、インフレーション成形にて共押出し、層厚比が1:3:1(第1層:第2層:第3層)の樹脂フィルムを作製した。樹脂フィルムの厚さは120μmであった。第2の層の平均密度は0.927g/cmであり、樹脂フィルムの平均密度は0.928g/cmであった。樹脂フィルムのバイオマス度は16%であった。樹脂フィルムの剛性パラメータ(K)は、6.04であった。得られた樹脂フィルムの詳細を表1にまとめる。なお、以下の表1及び表2において、「石化MDPE_A」は化石燃料由来の中密度ポリエチレン((株)プライムポリマー社製、商品名:UZ3520L、密度:0.931g/cm、MFR:2.1g/10分、バイオマス度:0%)を意味し、「バイオLLDPE」は、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(ブラスケム社製、商品名:SLL−118、密度:0.916g/cm、MFR:1.0g/10分、バイオマス度87%)を意味する。
[実施例2〜6][比較例1〜4]
樹脂フィルムの構成を表1及び表2に示した通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製した。なお、「石化MDPE_B」は、化石燃料由来の中密度ポリエチレン((株)プライムポリマー社製、商品名:SP4020、密度:0.937g/cm、MFR:1.8g/10分、バイオマス度:0%)を意味し、「石化HDPE」は、化石燃料由来の高密度ポリエチレン((株)プライムポリマー社製、商品名:HZ3300L、密度:0.950g/cm、MFR:1.1g/10分、バイオマス度:0%)を意味し、「石化LLDPE」は、((株)プライムポリマー社製、商品名:SP2320、密度:0.920/cm、MFR:1.9g/10分、バイオマス度:0%)を意味する。
<剛性評価>
上記実施例及び比較例で得られた樹脂フィルムを、幅20mm、長さ130mmに切り出し、剛性試験機(株式会社東洋精機製作所製、商品名:ループステフネステスタ)を用いてフィルムの剛性(mN)の測定を行った。ループの長さは60mm、ループを固定しているチャックと圧子間の距離は15mm、圧縮速度は3.3mm/s、保持時間は3秒とした。測定結果を表3にまとめた。
<滑り性評価>
(シーラント層対シーラント層)
シーラント層と、基材層とを備える積層体を2枚準備した。基材層は12μmのPETフィルムであり、シーラント層は、上記実施例及び比較例で得られた樹脂フィルムである。シーラント層と基材層とは接着剤を用いて貼り合わせた。なお、シーラント層の樹脂フィルムの第1層は、最外面に位置している。
測定機器として、(株)東洋精機製作所製 TR−2を使用し、JIS K−7125に準じて、上記積層体のシーラント層(第1層)対シーラント層(第1層)の静止摩擦係数(μS)と動摩擦係数(μD)の測定を行った。試験回数はn=3とし、平均値を算出した。試験速度は100mm/minであった。測定結果を表3にまとめた。
(シーラント層対金属板)
シーラント層と、基材層とを備える積層体を準備した。基材層はPETフィルム12μmであり、シーラント層は、上記実施例及び比較例で得られた樹脂フィルムである。シーラント層と基材層とは接着剤を用いて貼り合わせた。なお、シーラント層の樹脂フィルムの第1層は、最外面に位置している。
測定機器として、(株)東洋精機製作所製 TR−2を使用し、JIS K−7125に準じて、上記積層体のシーラント層(第1層)対金属板の静止摩擦係数(μS)と動摩擦係数(μD)の測定を行った。試験回数はn=3とし、平均値を算出した。試験速度は100mm/minであった。なお、金属板としては、SUS304を用いた。測定結果を表3にまとめた。
<環境負荷低減性>
上記実施例及び比較例で得られた樹脂フィルムのCO排出量を算出した。各樹脂フィルムのCO排出量は、各樹脂フィルムの1kgあたりのCO排出量に、樹脂フィルムの平均密度及び樹脂フィルムの厚さを掛けたものである。計算結果を表3にまとめた。
上記表から明らかなように、本発明の樹脂フィルムは、第2層の密度が、第1層の密度よりも大きい比較例1及び比較例2よりも滑り性が優れていることがわかる。
また、本願発明の樹脂フィルムは、剛性パラメータが上限値を超える比較例2よりも環境負荷が更に低減されていることがわかる。
更に、本願発明の樹脂フィルムは、剛性パラメータが下限値未満の比較例3及び4よりも剛性が優れていることがわかる。
10:樹脂フィルム
11:第1層
12:第2層
13:第3層
14:熱可塑性樹脂層
20:ラミネートチューブ容器
21:頭部
22:胴部
23:肩部
24:注出口部
25:底シール部
26:接着部
30:積層体
31:外側シーラント層
32:基材層
33:内側シーラント層

Claims (6)

  1. 第1層と、第2層とを少なくとも備える樹脂フィルムであって、
    前記第1層が、前記樹脂フィルムの少なくとも一方の最外層を構成し、
    前記第1層と、前記第2層とが、直接積層され、
    前記第1層が、化石燃料由来のポリエチレン樹脂から構成され、
    前記第2層が、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂により構成され、
    前記第2層の密度が、前記第1層の密度よりも小さく、
    以下の式により規定される前記樹脂フィルムの剛性パラメータ(K)が、3.5以上6.5以下である、樹脂フィルム。
    K=ρ40×t
    ρ:樹脂フィルムの密度
    t:樹脂フィルムの厚さ
  2. 前記第2層と、前記第1層との密度差が、0.001g/cm以上である、請求項1に記載の樹脂フィルム。
  3. 前記樹脂フィルムが、前記第1層とは反対側に第3層を更に備え、
    前記第3層が、前記樹脂フィルムの他方の最外層を構成し、
    前記第2層と、前記第3層とが、直接又は熱可塑性樹脂層を介して積層され、
    前記第3層が、化石燃料由来のポリエチレン樹脂から構成されている、請求項1又は2に記載の樹脂フィルム。
  4. バイオマス度が1%以上80%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
  5. 肩部及び注出口部からなる頭部と、
    前記頭部の前記肩部と連結した胴部と、
    を備えたラミネートチューブ容器であって、
    前記胴部が、外側シーラント層と、基材層と、内側シーラント層とを少なくとも順に備える積層体から構成され、
    前記外側シーラント層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂フィルムを備え、前記外側シーラント層が備える前記樹脂フィルムの第1層が、前記胴部の最外面に位置しているか、又は前記内側シーラント層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂フィルムを備え、前記内側シーラント層が備える前記樹脂フィルムの第1層が、前記胴部の最内面に位置している、ラミネートチューブ容器。
  6. 前記外側シーラント層及び前記内側シーラント層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂フィルムを備え、
    前記外側シーラント層が備える前記樹脂フィルムの第1層が、前記胴部の最外面に位置しており、前記内側シーラント層が備える前記樹脂フィルムの第1層が、前記胴部の最内面に位置している、請求項5に記載のラミネートチューブ容器。
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