JP6860851B2 - ボイル殺菌用積層体およびそれを備えるボイル殺菌用包装袋 - Google Patents
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Description
少なくとも、第1基材層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備えるボイル殺菌用積層体であって、
前記第1基材層が、ポリエチレンテレフタレートを含み、
前記第2基材層が、ポリアミドを含み、
前記シーラント層が、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとを含み、
前記シーラント層中の低密度ポリエチレンの含有量が、5質量%以上25質量%以下である、積層体が提供される。
本発明による積層体は、少なくとも、第1基材層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備えるものであり、ボイル殺菌用として好適に使用することができる。積層体は、さらに、透明蒸着層、ガスバリア性塗布膜、印刷層や接着層、他の層等をさらに備えてもよい。積層体が他の層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
図1に示した積層体10は、第1基材層11と、第2基材層12と、シーラント層13とをこの順に備えるものである。積層体10を備える包装袋は、シーラント層13が内面側に位置する。
図2に示した積層体20は、第1基材層21と、透明蒸着層24と、ガスバリア性塗布膜25と、印刷層26と、接着層27と、第2基材層22と、接着層28と、シーラント層23とをこの順に備えるものである。積層体20を備える包装袋は、シーラント層23が内面側に位置する。
以下、積層体を構成する各層について説明する。
本発明による積層体は、第1基材層と、積層体の内側に位置する第2基材層とを少なくとも備えるものである。基材層を少なくとも2層備えることで、包装袋を製造した際に、手切れ性や強度を向上させることができる。
第2基材層が延伸ナイロンフィルムである場合、第2基材層に用いる延伸ナイロンフィルムは、引張強度が、MD方向で、好ましくは150MPa以上350MPa以下、より好ましくは200MPa以上300MPa以下、TD方向で、好ましくは150MPa以上400MPa以下、より好ましくは200MPa以上350MPa以下であり、また、引張伸度が、MD方向で、好ましくは50%以上200%以下、より好ましくは70%以上150%以下であり、TD方向で好ましくは30%以上200%以下、より好ましくは50%以上150%以下である。
上記の引張強度および引張伸度は、JIS K 7127に準拠して測定することができる。
本発明による積層体は、包装袋を製造する際に、最内層となるシーラント層を備えるものである。シーラント層は、バイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、低密度ポリエチレン(LDPE)とを含むものであり、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンをさらに含んでもよい。また、低密度ポリエチレンは、バイオマス由来であってもよいし、化石燃料由来であってもよい。
Pbio(%)=PC14/105.5×100
なお、PMCとは、Percent Modern Carbonの略である。
透明蒸着層は、無機酸化物の蒸着膜からなる層である。蒸着膜は、従来公知の方法により形成することができ、無機酸化物の組成および形成方法は特に限定されない。積層体が、透明蒸着層を備えることで、透明であるため内容物の透過性を保ちながら、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を付与ないし向上させることができる。なお、積層体は、透明蒸着層を2層以上備えてもよい。透明蒸着層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
必要に応じて、上記透明蒸着膜の上にガスバリア性塗布膜を設けてもよい。ガスバリア性塗布膜は、酸素ガスおよび水蒸気などの透過を抑制する層として機能する層である。ガスバリア性塗布膜は、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂および/またはエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物により得られる。
印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者などの表示、その他などの表示や美感の付与のために、文字、数字、絵柄、図形、記号、模様などの所望の任意の印刷模様を形成する層である。印刷層は、必要に応じて設けることができ、例えば、第1基材層と金属蒸着層の間に設けることができる。印刷層は、第1基材層の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、その形成方法は特に限定されない。
接着層は、任意の2層を接着する場合に設けられる層であり、例えば、印刷層と第2基材層の間や、第2基材層とシーラント層の間に設けることができる。
本発明による積層体の製造方法は特に限定されず、ドライラミネート法、サンドラミネート法等の従来公知の方法を用いて製造することができる。
本発明による包装袋は、上記積層体を備えるものであり、ボイル殺菌用として好適に使用することができる。例えば、上記積層体を使用し、これを二つ折にするか、又は該積層体2枚を用意し、そのシーラントの面を対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋を製造することができる。
図3に示したパウチ30は、スタンディングパウチ形式で作製したものであり、壁面フィルム(上記積層体を使用する)31、31′のシーラント層同士を対向して配置し、壁面フィルム31、31′の下部の間に底面フィルム(壁面フィルムと同じてあっても異なっていてもよい)32を中央で山折りして挿入し、ガセット部を有する形式に形成されており、周縁部を含む船底形の底部シール部33でヒートシールされ底部が形成される。このとき、山折りされた底面フィルム32の両側下端近傍に略半円形の底面シートの切り欠き部を設けておき、底部シール部33を形成するようにしてもよい。次いで、壁面フィルム31、31′の両側端縁部を側部シール部34でヒートシールして胴部が形成され、上端部を残して内容物の充填口とする。そして、上端部の充填口に設けた上部シール部35は、この部分から内容物を充填した後、例えば、脱気シールなどによりヒートシールして密封するものである。
<積層体1の作製>
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)にPVD法により酸化アルミニウムを蒸着させた。次に、下記に示す組成表に従って調製した、組成aの、ポリビニルアルコール、イソプロピルアルコール、およびイオン交換水からなる混合液に、組成bの、エチルシリケート、シランカップリング剤、イソプロピルアルコール、塩酸、およびイオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌し、無色透明のガスバリア塗布液を得た。得られたガスバリア塗布液を、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの蒸着面にコーティングしてガスバリア性塗布膜を形成した。
組成表
a
ポリビニルアルコール 2.30
イソプロピルアルコール 2.70
H2O 51.20
b
エチルシリケート 16.60
シランカップリング剤 0.20
イソプロピルアルコール 3.90
0.5N塩酸水溶液 0.50
H 2 O 22.60
合 計 100.00(wt%)
<積層体2の作製>
シーラント層用のポリエチレンフィルム1の配合を、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン70質量部、化石燃料由来の低密度ポリエチレン10質量部、およびバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン20質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、積層体2を得た。
<積層体3の作製>
シーラント層用のポリエチレンフィルム1の配合を、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン55質量部、化石燃料由来の低密度ポリエチレン25質量部、およびバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン20質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、積層体3を得た。
<積層体4の作製>
シーラント層用のポリエチレンフィルム1の配合を、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン10質量部、化石燃料由来の低密度ポリエチレン70質量部、およびバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン20質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、積層体4を得た。
<積層体5の作製>
シーラント層用のポリエチレンフィルム1の配合を、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン80質量部およびバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン20質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、積層体5を得た。
実施例1で得られた積層体を壁面フィルムおよび底面フィルムとして用い、シーラント層同士をヒートシールして、図3に示すスタンディングパウチを作製した。同様にして、実施例2〜3および比較例1〜2で得られた積層体を用いて図3に示すスタンディングパウチを作製した。
上記で得られた各パウチに、豆を真空充填し、95℃30分でボイルし、フィルムの内面同士が溶着しているか否かを、下記の基準で評価した。評価結果を表1に示した。
(評価基準)
○:パウチの内面のフィルム同士が溶着していなかった。
×:パウチの内面のフィルム同士が溶着していた。
実施例および比較例で得られた各積層体を用いて、上記と同様にして作製した図3に示すスタンディングパウチを各3つ用意した。続いて、スタンディングパウチをカットしたときの手切れ性を確認した。
(評価基準)
○:3つのサンプルとも、過度に力を掛けることなくカットすることができた。
×:1つのサンプルでも、過度に力を掛けないとカットすることができなかった。
11、21 第1基材層
12、22 第2基材層
13、23 シーラント層
24 透明蒸着層
25 ガスバリア性塗布膜
26 印刷層
27、28 接着層
30 包装袋
31、31′壁面フィルム
32 底面フィルム
33 底部シール部
34 側部シール部
35 上部シール部
Claims (10)
- 少なくとも、第1基材層と、第2基材層と、シーラント層とをこの順に備えるボイル殺菌用積層体であって、
前記第1基材層が、ポリエチレンテレフタレートを含み、
前記第2基材層が、ポリアミドを含み、
前記シーラント層が、サトウキビ由来の直鎖状低密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレンとを含み、
前記シーラント層中の低密度ポリエチレンの含有量が、5質量%以上25質量%以下であり、
前記サトウキビ由来の直鎖状低密度ポリエチレンの分散度が、4以上7以下である、積層体。 - 前記シーラント層が、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンをさらに含む、請求項1に記載の積層体。
- 前記シーラント層が、前記サトウキビ由来および/または化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンを合計で75質量%以上95質量%以下含む、請求項2に記載の積層体。
- 前記シーラント層のバイオマス度が、5%以上30%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記積層体が、前記第1基材層と前記第2基材層の間に、透明蒸着層をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記透明蒸着層が、酸化アルミニウム蒸着層である、請求項5に記載の積層体。
- 前記積層体が、前記透明蒸着層と前記第2基材層の間に、ガスバリア性塗布膜をさらに備える、請求項5または6に記載の積層体。
- 前記積層体が、前記第1基材層と前記第2基材層の間に、印刷層をさらに備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記積層体が、前記第1基材層と前記第2基材層の間および/または前記第2基材層と前記シーラント層の間に、接着層をさらに備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体を備える、ボイル殺菌用包装袋。
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