以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像処理装置のハードウェア構成>
まず、本実施の形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。本実施の形態に係る画像処理装置100は、例えば、画像読み取り機能(スキャン機能)、印刷機能(プリント機能)、複写機能(コピー機能)及びファクシミリ機能等の各種の画像処理機能を備えた、いわゆる複合機である。なお、本実施の形態において、画像処理装置100は、情報処理装置の一例として用いられる。
図示するように、本実施の形態に係る画像処理装置100は、制御部110と、HDD(Hard Disk Drive)120と、操作パネル130と、画像読取部140と、画像形成部150と、通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)160とを備える。なお、これらの各機能部はバス170に接続されており、このバス170を介してデータの授受を行う。
制御部110は、画像処理装置100の各部の動作を制御する。この制御部110は、CPU(Central Processing Unit)110a、RAM(Random Access Memory)110b、ROM(Read Only Memory)110cにより構成される。
CPU110aは、ROM110c等に記憶された各種プログラムをRAM110bにロードして実行することにより、画像処理装置100における各機能を実現する。RAM110bは、CPU110aの作業用メモリ等として用いられるメモリ(記憶部)である。ROM110cは、CPU110aが実行する各種プログラム等を記憶するメモリ(記憶部)である。
HDD120は、各種データを記憶する記憶部である。HDD120には、例えば、画像読取部140の画像読み取りによって生成された画像データや、通信I/F160によって外部から受信した画像データ等が記憶される。
操作パネル130は、表示部の一例であり、各種の情報を表示するとともに、ユーザからの操作を受け付ける。この操作パネル130は、液晶ディスプレイ等で構成された表示パネル、表示パネルの上に配置され、ユーザによりタッチされた位置を検出するタッチパネル、ユーザにより押下される物理キー等から構成される。そして、操作パネル130は、例えば、画像処理装置100の操作画面等の各種画面を表示パネルに表示したり、タッチパネル及び物理キーによりユーザからの操作を受け付けたりする。
画像読取部140は、原稿台上にセットされた用紙等の記録材に形成されている画像を読み取って、読み取った画像を示す画像情報(画像データ)を生成する。ここで、画像読取部140は、例えばスキャナーであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
画像形成部150は、用紙等の記録材に画像を形成する印刷機構である。ここで、画像形成部150は、例えばプリンターであり、感光体に付着させたトナーを記録材に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録材上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
通信I/F160は、不図示のネットワークを介して他の装置との間で各種データの送受信を行う通信インタフェースである。
そして、この画像処理装置100では、制御部110による制御の下、画像読取部140によってスキャン機能が実現され、画像形成部150によってプリント機能が実現され、画像読取部140及び画像形成部150によってコピー機能が実現され、画像読取部140、画像形成部150及び通信I/F160によってファクシミリ機能が実現される。
<画像処理装置の機能構成>
次に、本実施の形態に係る画像処理装置100の機能構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る画像処理装置100の機能構成例を示したブロック図である。
本実施の形態に係る画像処理装置100は、対象情報取得部101と、誤り条件格納部102と、誤り判定部103と、確認画面生成部104と、表示制御部105と、修正部106と、ジョブ実行部107とを備える。
対象情報取得部101は、画像形成又は画像読取に関して誤りが存在している可能性があるか否かを判定する対象となる情報を取得する。ここで、判定の対象となる情報には、記録材への画像形成に用いられる画像データや、記録材の画像を読み取って生成された画像データが含まれる。また、判定の対象となる情報には、ジョブの実行に関する設定情報も含まれる。ジョブとは、画像処理装置100が実行する画像処理の単位を示し、例えば、プリントジョブ、スキャンジョブ、コピージョブ、FAXジョブ(ファクシミリジョブ)である。
プリントジョブとは、PC(Personal Computer)等の他装置から入力された画像データを用いて画像形成部150が印刷する処理を示す。スキャンジョブとは、画像読取部140が画像を読み取り、読み取った画像を示す画像データを生成する処理を示す。コピージョブとは、画像読取部140により生成された画像データを用いて画像形成部150が印刷する処理を示す。FAXジョブとは、例えば、画像読取部140により生成された画像データを宛先の他装置へ送信したり、他装置から画像データを受信して画像形成部150が印刷したりする処理を示す。
付言すると、プリントジョブの場合、対象情報取得部101は、記録材への画像形成に用いられる画像データに関する情報、言い換えると、他装置から入力されて画像形成部150が印刷の対象とする画像データに関する情報を取得する。この情報には、画像形成に用いられる画像データの他に、例えば、画像の拡大縮小の倍率や印刷に用いる用紙のサイズなど、画像形成に関する設定情報も含まれる。
スキャンジョブの場合、対象情報取得部101は、記録材の画像を読み取って生成された画像データに関する情報、言い換えると、画像読取部140により生成された画像データに関する情報を取得する。この情報には、スキャンにより生成された画像データの他に、例えば、画像の拡大縮小の倍率など、画像読取に関する設定情報も含まれる。
コピージョブの場合、スキャンの後にプリントが行われるため、対象情報取得部101は、スキャンジョブの場合に取得したのと同様の情報、及び、プリントジョブの場合に取得したのと同様の情報を取得する。即ち、対象情報取得部101は、記録材の画像を読み取って生成された画像データに関する情報を取得するとともに、記録材への画像形成に用いられる画像データに関する情報を取得する。
FAXジョブの場合、スキャンにより生成した画像データを他装置へ送信したり、他装置から受信した画像データを用いてプリントを行ったりする。そのため、対象情報取得部101は、FAXジョブで行う処理に応じて、スキャンジョブの場合に取得したのと同様の情報を取得したり、プリントジョブの場合に取得したのと同様の情報を取得したりする。即ち、対象情報取得部101は、記録材の画像を読み取って生成された画像データに関する情報、又は、記録材への画像形成に用いられる画像データに関する情報を取得する。
誤り条件格納部102は、ジョブにおける画像形成又は画像読取に関して誤りが存在している可能性のあることを示す条件(以下、「誤り条件」と称する場合がある)を格納する。この誤り条件は、予め定められた条件の一例であり、画像形成又は画像読取に関して特定の事象が発生していることを示す条件である。誤り条件格納部102に格納される誤り条件については、ユーザが追加したり削除したりすることにより更新される。誤り条件の詳細については、後述する。
誤り判定部103は、対象情報取得部101が取得した情報を、誤り条件格納部102に格納されている誤り条件と照合して、画像形成又は画像読取に関して誤りが存在している可能性があるか否か、即ち、画像形成又は画像読取に関して特定の事象が発生しているか否かを判定する。言い換えると、誤り判定部103は、対象情報取得部101が取得した情報が、誤り条件格納部102に格納されている誤り条件を満たすか否かを判定する。そして、対象情報取得部101の取得した情報が誤り条件を満たす場合、誤り判定部103は、その誤り条件に対応する誤りが存在している可能性がある、言い換えると、画像形成又は画像読取に関して特定の事象が発生している、と判定する。
より具体的には、例えば、誤り条件格納部102に複数の誤り条件が格納されている場合、誤り判定部103は、対象情報取得部101が取得した情報に対して、1つずつ誤り条件を照合し、誤り条件を満たすか否かを判定する。そして、誤り条件を満たす場合に、その誤り条件に対応する誤りが存在している可能性があると判定する。このようにして、誤り判定部103は、誤り条件格納部102に格納されている誤り条件を1つずつ照合していき、対象情報取得部101が取得した情報が誤り条件を満たすか否かを判定する。
確認画面生成部104は、ジョブ実行の結果をユーザに確認させるための確認画面や、誤りを修正した結果をユーザに確認させるための確認画面を生成する。ここで、確認画面生成部104は、誤り判定部103により誤りが存在している可能性があると判定された場合に、まず、誤りを修正せずにそのままジョブを実行した場合の結果を表す確認画面を生成する。この確認画面には、例えば、対象情報取得部101が取得した画像データに基づく画像が含まれる。また、確認画面生成部104は、後述するように、ユーザが修正手順を選択した場合には、選択された修正手順により誤りを修正した結果を表す確認画面を生成する。この確認画面には、例えば、画像データを修正した修正後の画像データに基づく画像や、修正を反映した状態を示すイメージ図が含まれる。
表示制御部105は、操作パネル130における表示を制御するための制御信号を生成し、操作パネル130の表示を制御する。ここで、表示制御部105は、誤り判定部103により誤りが存在している可能性があると判定された場合に、まず、誤りを修正せずにそのままジョブを実行した場合の結果を表す確認画面を操作パネル130に表示する。ここで、表示制御部105は、例えば、誤りに関わる箇所を赤枠で囲んで強調し、画像において誤りに関わる箇所がどこであるかを示すように表示する。
さらに、表示制御部105は、誤りに関わる箇所について、誤りの発生原因を示す情報や、誤りを修正するための修正手順を表示する。より具体的には、例えばユーザが操作パネル130上で誤りに関わる箇所を選択(押下)すると、表示制御部105は、誤りの発生原因を示す情報や誤りの修正手順など、誤りについての詳細な情報を表示する。さらに、例えばユーザが操作パネル130上で修正手順を選択すると、表示制御部105は、選択された修正手順により誤りを修正した結果を表す確認画面を操作パネル130に表示する。
修正部106は、ユーザに選択された修正手順により誤りを修正する。ここで、修正部106は、例えば、記録材への画像形成に用いられる画像データを修正して、修正後の画像データを生成する。また、修正部106は、例えば、拡大縮小の倍率や印刷に用いる用紙のサイズなど、画像形成や画像読取における設定情報を変更することにより、誤りを修正する。
ジョブ実行部107は、画像処理装置100のジョブを実行するように制御する。ここで、ジョブ実行部107は、例えば、記録材に画像を形成するように画像形成部150に指示したり、画像読み取りの処理を実行するように画像読取部140に指示したりする。また、例えば、ジョブ実行部107は、ジョブにおいてステープル綴じを実行する設定がされている場合には、ステープル綴じを行う綴じ処理装置(不図示)に対して、ステープル綴じを実行するように指示する。
より具体的には、ジョブ実行部107は、誤り判定部103により誤りが存在している可能性がないと判定された場合、又は誤りが存在している可能性があると判定されたが、誤りを修正するようにユーザに指示されなかった場合、誤りを修正せずにそのままジョブを実行するように制御する。一方、ジョブ実行部107は、誤り判定部103により誤りが存在している可能性があると判定され、かつ誤りを修正するようにユーザに指示された場合、修正を反映してジョブを実行するように制御する。
そして、図2に示す画像処理装置100を構成する各機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、画像処理装置100を図1に示したハードウェア構成にて実現した場合、例えば、ROM110cに格納されているOS(Operating System)のプログラムやアプリケーション・プログラムが、RAM110bに読み込まれてCPU110aに実行されることにより、対象情報取得部101、誤り判定部103、確認画面生成部104、表示制御部105、修正部106、ジョブ実行部107等の各機能部が実現される。また、誤り条件格納部102は、例えば、HDD120により実現される。
なお、本実施の形態では、取得手段の一例として、対象情報取得部101が用いられる。表示手段の一例として、表示制御部105が用いられる。
<画像処理装置による一連の処理手順>
次に、画像処理装置100による一連の処理手順について説明する。図3は、画像処理装置100による一連の処理手順の一例を示したフローチャートである。
まず、対象情報取得部101は、誤り判定部103による判定の対象となる画像データに関する情報を取得する(ステップ101)。次に、誤り判定部103は、対象情報取得部101が取得した情報と、誤り条件格納部102に格納されている誤り条件とを照合して、画像データに関する情報が誤り条件を満たすか否かを判定する(ステップ102)。
例えば、ステップ102において、誤り条件格納部102に複数の誤り条件が格納されている場合には、誤り判定部103は、画像データに関する情報に対して1つずつ誤り条件を照合していき、誤り条件を満たすか否かを判定する。複数の誤り条件のうち1つでも満たされている条件があれば、ステップ102において肯定の判断(Yes)がされる。一方、複数の誤り条件の何れの条件も満たしていないと判定されれば、ステップ102において否定の判断(No)がされる。
ステップ102で否定の判断(No)がされた場合、後述するステップ108へ移行する。一方、ステップ102で肯定の判断(Yes)がされた場合、確認画面生成部104は、誤りを修正せずにそのままジョブを実行した場合の結果を表す確認画面を生成する(ステップ103)。次に、表示制御部105は、ステップ103で生成された確認画面を操作パネル130に表示する(ステップ104)。
ステップ104で表示される確認画面では、例えば、対象情報取得部101が取得した画像データに基づく画像が表示されるとともに、画像内で誤りに関わる箇所の位置を示す情報が表示される。さらに、ユーザが確認画面上で誤りに関わる箇所を選択すると、表示制御部105は、誤りの発生原因を示す情報や誤りの修正手順など、誤りについての詳細な情報を表示する。
次に、確認画面生成部104は、確認画面に表示された修正手順がユーザに選択されたか否かを判定する(ステップ105)。ステップ105で否定の判断(No)がされた場合、後述するステップ108へ移行する。ここで、ステップ105で否定の判断がされた場合とは、例えば、ユーザが誤りを修正しないことを選択した場合や、修正手順が表示されて一定時間経過した場合である。
一方、ステップ105で肯定の判断(Yes)がされた場合、確認画面生成部104は、ユーザに選択された修正手順により誤りを修正した結果を表す確認画面を生成する(ステップ106)。次に、表示制御部105は、ステップ105で生成された確認画面を操作パネル130に表示する(ステップ107)。
ステップ107で表示される確認画面では、例えば、修正部106により修正された修正後の画像データに基づく画像や、修正を反映した状態を示すイメージ図が表示される。また、例えば、修正前の状態と修正後の状態とを並べて表示することをユーザが選択した場合には、表示制御部105は、誤りに関わる箇所について、修正手順による修正がなされる前の状態と修正がなされた後の状態とを並べて表示する。
次に、ジョブ実行部107は、画像処理装置100のジョブを実行するように制御する(ステップ108)。ここで、ステップ102で否定の判断がされた場合、又はステップ105で否定の判断がされた場合、ジョブ実行部107は、誤りを修正せずにそのままジョブを実行するように制御する。また、ステップ107の後、誤りを修正するようにユーザに指示されなかった場合にも、ジョブ実行部107は、誤りを修正せずにそのままジョブを実行するように制御する。一方、ステップ107の後、誤りを修正するようにユーザに指示された場合、ジョブ実行部107は、修正を反映してジョブを実行するように制御する。そして、本処理フローは終了する。
<誤り条件の説明>
次に、誤り条件格納部102に格納されている誤り条件について説明する。図4は、誤り条件格納部102に格納されている誤り条件の一例を示す図である。
ここで、「ジョブ」は、誤り条件が適用されるジョブを示す。例えば、項番1の誤り条件は、プリントジョブ、コピージョブ、又はFAXジョブに対して適用される誤り条件であることを示す。「誤り内容」は、誤り条件の内容であり、画像データに関する情報と照合されるものである。この誤り条件の内容は、画像形成又は画像読取に関する特定の事象の内容として捉えることができる。
「箇所」は、誤りに関わる箇所を示す。この誤りに関わる箇所は、誤り判定部103により誤り条件を満たすと判定された場合に、誤りに関わる箇所として表示される箇所である。この誤りに関わる箇所は、特定の事象に関わる箇所として捉えることができる。
「原因」は、誤りの発生原因を示す。この誤りの発生原因は、特定の事象の発生原因として捉えることができる。
「修正手順」は、誤りを修正するための修正手順を示す。この修正手順は、誤りの発生原因に対応している。また、修正手順は、特定の事象の修正手順として捉えることができる。なお、誤りの発生原因や修正手順は、誤りについての詳細な情報として表示される。
以下、項番1〜6のそれぞれの誤り条件について、説明する。
項番1の誤り条件は、プリント/コピー/FAXのジョブを対象として、「印刷後の用紙に対してステープル綴じが実行された場合に、文字が正しく読めない向きになる」という内容を示す。即ち、印刷後の用紙に対してステープル綴じが実行された場合に、文字が正立方向を向いていない、という内容を示す。
この誤り条件では、誤りに関わる箇所(図4に示す「箇所」)は、「文字」又は「ステープル綴じ」である。ここで、誤りに関わる箇所が「文字」の場合、誤りの発生原因(図4に示す「原因」)は、「文字の向き」である。一方、誤りに関わる箇所が「ステープル綴じ」の場合、誤りの発生原因は、「ステープル綴じの位置」である。
また、項番1のそれぞれの発生原因に対して、修正手順が定められている。発生原因が「文字の向き」の場合は、「文字の向きを変更」という修正手順が定められている。また、発生原因が「ステープル綴じの位置」の場合は、「ステープル綴じの位置をページ上端に変更」という修正手順が定められている。
より具体的には、誤り判定部103は、項番1の誤り条件を照合する場合、まず、対象情報取得部101が取得した情報において、ステープル綴じを実行する設定がされているか否かを判定する。ステープル綴じを実行する設定がされている場合、次に、誤り判定部103は、対象情報取得部101が取得した情報を基に、印刷後にステープル綴じが実行された場合の各ページの文字の向きを判定する。そして、誤り判定部103は、正立方向を向いていない文字のページがあれば、項番1の誤り条件を満たすと判定する。
また、「文字の向きを変更」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、正立方向を向いていないと判定された文字が正立方向を向くように回転された状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。また、修正部106は、画像形成で用いられる画像データにおいて、正立方向を向いていないと判定された文字が正立方向を向くように文字を回転させて、画像データの修正を行う。その後、修正後の画像データにて印刷が行われる。
一方、「ステープル綴じの位置をページ上端に変更」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、各ページの上端にステープル綴じがされた状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。また、修正部106は、各ページの上端にステープル綴じを行うように、綴じ処理装置(不図示)のステープル綴じの設定を変更する。その後、修正後の設定で印刷が行われ、変更後の位置でステープル綴じがなされる。
次に、項番2の誤り条件は、プリント/スキャン/コピー/FAXのジョブを対象として、「拡大縮小が実行された場合に、画像が用紙内に収まらない」という内容を示す。この誤り条件では、誤りに関わる箇所は画像全体、即ち、「原稿」である。また、誤りの発生原因は、拡大縮小の「倍率」、又は「用紙サイズ」である。ここで、発生原因が「倍率」の場合は、「倍率を変更」という修正手順が定められている。また、発生原因が「用紙サイズ」の場合は、「用紙サイズを変更」という修正手順が定められている。
例えば、A4のページ設定がなされている画像を200%に拡大して印刷する場合、A3の用紙で印刷すると、拡大後の画像はA3の用紙内に収まる。しかし、B4の用紙で印刷すると、拡大後の画像がB4の用紙内には収まらずに、拡大後の画像の一部しか用紙に印刷されない。このような場合に、項番2の誤り条件を満たすと判定される。
より具体的には、誤り判定部103は、項番2の誤り条件を照合する場合、まず、対象情報取得部101が取得した情報において、拡大縮小を実行する設定がされているか否かを判定する。拡大縮小を実行する設定がされている場合、次に、誤り判定部103は、対象情報取得部101が取得した情報を基に、拡大後(又は縮小後)の画像のサイズと出力する用紙サイズとを比較して、拡大後(又は縮小後)の画像が用紙内に収まるか否かを判定する。そして、拡大後(又は縮小後)の画像が用紙内に収まらない場合、誤り判定部103は、項番2の誤り条件を満たすと判定する。
また、「倍率を変更」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、画像が用紙内に収まるように拡大縮小の倍率を変更した状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。また、修正部106は、画像が用紙内に収まるように、拡大縮小の倍率の設定を変更する。その後、変更後の設定で印刷が行われたり、変更後の設定で再度画像の読み取りが行われたりする。
一方、「用紙サイズを変更」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、画像が用紙内に収まるように出力する用紙サイズを変更した状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。また、修正部106は、設定されている倍率で拡大後(又は縮小後)の画像が用紙内に収まるように、用紙サイズを変更する。その後、変更後の設定で印刷が行われたり、変更後の設定で再度画像の読み取りが行われたりする。
次に、項番3の誤り条件は、スキャン/コピー/FAXのジョブを対象として、「原稿がセットされていない箇所を読み取っている」という内容を示す。この誤り条件では、誤りに関わる箇所は画像全体であり、「原稿」である。また、誤りの発生原因は、「セットされた原稿の向き」、又は「原稿の読み取り方向」である。ここで、発生原因が「セットされた原稿の向き」の場合は、「セットする原稿の向きを変更」という修正手順が定められている。また、発生原因が「原稿の読み取り方向」の場合は、「原稿の読み取り方向を変更」という修正手順が定められている。
例えば、ユーザが原稿を縦向きにセットした場合に、原稿が横向きにセットされているものとして画像を読み取る設定がされていると、画像読取部140は原稿の一部しか読み取れずに、原稿がセットされていない箇所を読み取って画像データを生成してしまう。このような場合に、項番3の誤り条件を満たすと判定される。
より具体的には、誤り判定部103は、項番3の誤り条件を照合する場合、まず、スキャンにより生成された画像データに、原稿がセットされていない箇所を読み取ることにより生成された画素が含まれているか否かを判定する。原稿がセットされていない箇所を読み取ることにより生成された画素が含まれる場合、誤り判定部103は、項番3の誤り条件を満たすと判定する。ここで、誤り判定部103は、例えば、全画素のうちの原稿がセットされていない箇所を読み取ることにより生成された画素の割合が予め定められた割合以上の場合に、項番3の誤り条件を満たすと判定してもよい。
なお、画像読取部140は、センサー等を用いることにより、読み取り箇所に原稿がセットされているか否かを検知することができる。そこで、項番3の誤り条件を用いる場合には、画像読取部140は、例えば、読み取り箇所に原稿がセットされているか否かを検知し、原稿がセットされているか否かを示すフラグを各画素に付与して、画像データを生成する。
また、「セットする原稿の向きを変更」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、スキャンにより生成された画像データを基に、セットする原稿の向きを変更した状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。この修正手順では、ユーザが原稿の向きを変更して原稿を再度セットすることにより、画像読取部140にて画像読み取りが行われる。
一方、「原稿の読み取り方向を変更」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、スキャンにより生成された画像データを基に、原稿の読み取り方向を変更した状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。また、修正部106は、画像読取部140が読み取る原稿の方向を、例えば縦向きから横向きに変更する。この場合には、変更後の設定で再び画像の読み取りが行われる。
次に、項番4の誤り条件は、スキャン/コピー/FAXのジョブを対象として、「原稿のページ番号に漏れがある」という内容を示す。この誤り条件では、誤りに関わる箇所は「ページ番号」である。また、誤りの発生原因は、「原稿の不備」、又は「原稿読み取り」である。さらに、「追加で処理したページを、ページ番号が抜けている箇所に挿入」という修正手順が定められている。
例えば、連続したページ番号が印字された10枚の原稿をセットしてスキャンする場合、「5ページ」の原稿が抜けてセットされると、そのままスキャンが実行されて「5ページ」の原稿が抜けた状態の画像データが生成される。また、例えば、画像読取部140の誤動作により、「5ページ」の原稿を飛ばしてスキャンが実行されて、「5ページ」の原稿が抜けた状態の画像データが生成されることもある。このような場合に、項番4の誤り条件を満たすと判定される。
より具体的には、誤り判定部103は、項番4の誤り条件を照合する場合、スキャンにより生成された画像データに対してOCR(Optical Character Recognition)の処理を行い、各ページのページ番号を把握する。OCRとは、画像データ上にある文字を解析し、コンピュータで扱われる文字データに変換する技術である。そして、誤り判定部103は、把握したページ番号が連続した番号になっているか否かを判定する。ページ番号が連続した番号になっておらず、ページ番号に漏れがある場合、誤り判定部103は、項番4の誤り条件を満たすと判定する。
なお、誤り判定部103は、原稿のページ番号を把握する際、例えば、原稿内で予め指定された領域に対してOCRの処理を行う。原稿内でページ番号が印字されている可能性の高い領域として1又は複数の領域を予め指定しておくことにより、誤り判定部103が各ページのページ番号を把握し易くなる。
また、「追加で処理したページを、ページ番号が抜けている箇所に挿入」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、スキャンにより生成された画像データを基に、ページ番号が抜けている箇所に新たに原稿が挿入された状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。また、この修正手順では、ユーザは、抜けているページの原稿を新たにセットしたり、画像読取部140の誤動作により読み取りが正常に行われなかったページの原稿を再度セットしたりする。そして、セットされた原稿をスキャンして画像データが生成されると、修正部106は、追加で生成された画像データを、ページ番号が抜けている箇所に挿入する。
次に、項番5の誤り条件は、スキャン/コピー/FAXのジョブを対象として、「原稿のページ番号が順不同である」という内容を示す。この誤り条件では、誤りに関わる箇所は「ページ番号」である。また、誤りの発生原因は「原稿の順番」である。さらに、「順不同のページ番号を並び替える」という修正手順が定められている。
例えば、ページ番号が印字された10枚の原稿をセットしてスキャンする場合、ユーザのセットした原稿のページ番号が連続した番号になっておらず順不同であっても、そのままスキャンが実行されて、ページ番号が順不同の状態の画像データが生成される。このような場合に、項番5の誤り条件を満たすと判定される。
より具体的には、誤り判定部103は、項番5の誤り条件を照合する場合、項番4の誤り条件と同様に、スキャンにより生成された画像データに対してOCRの処理を行い、各ページのページ番号を把握する。そして、誤り判定部103は、把握したページ番号が順不同であるか否かを判定する。ここで、ページ番号が連続した番号になっておらず、順不同である場合、誤り判定部103は、項番5の誤り条件を満たすと判定する。
また、「順不同のページ番号を並び替える」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、スキャンにより生成された画像データを基に、ページ番号が連続した番号に並び替えられた状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。また、修正部106は、スキャンにより生成された画像データにおいて、ページ番号が連続した番号になるように各ページの順番を並び替えて、画像データの修正を行う。
次に、項番6の誤り条件は、スキャン/コピー/FAXのジョブを対象として、「解像度が予め定められた閾値以下である」という内容を示す。この誤り条件では、誤りに関わる箇所は画像全体であり、「原稿」である。また、誤りの発生原因は、「解像度」、又は「カラーモード」である。ここで、発生原因が「解像度」の場合は、「解像度の設定を変更」という修正手順が定められている。また、発生原因が「カラーモード」の場合は、「カラーから白黒に変更」という修正手順が定められている。
例えば、画像読取部140が画像を読み取る際の解像度が300dpi以下の場合、スキャンにより生成された画像データの文字が読み取りづらい場合がある。このような場合に、項番6の誤り条件を満たすと判定される。
より具体的には、誤り判定部103は、項番6の誤り条件を照合する場合、対象情報取得部101が取得した情報において、画像を読み取る際の解像度の値が予め定められた閾値(例えば、300dpi)以下であるか否かを判定する。解像度の値が閾値以下の場合、誤り判定部103は、項番6の誤り条件を満たすと判定する。
また、「解像度の設定を変更」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、スキャンにより生成された画像データを基に、閾値よりも大きい解像度で読み取った際の状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。また、修正部106は、画像を読み取る際の解像度を閾値よりも大きい値に変更する。その後、変更後の設定で再び画像の読み取りが行われる。
一方、「カラーから白黒に変更」の修正手順で修正する場合、確認画面生成部104は、例えば、スキャンにより生成された画像データを基に、白黒で読み込んだ状態を示す画像(イメージ図)の確認画面を生成する。また、修正部106は、画像を読み取る際のモードをカラーモードから白黒モードに変更する。その後、変更後の白黒モードで再び画像の読み取りが行われる。
<画像処理装置による処理の具体例>
次に、画像処理装置100による処理について、具体例を挙げて説明する。図5〜図7は、画像処理装置100による処理の具体例を説明するための図である。図5〜図7に示す例では、プリントジョブにおいて、印刷後の用紙にステープル綴じをする設定がなされている。なお、誤り条件格納部102には、図4に示す項番1〜6の誤り条件が格納されているものとして説明する。
まず、図5(a)は、プリントジョブで用いられる画像データに基づく画像を示す図である。画像11は1ページ目の原稿の画像であり、画像12は2ページ目の原稿の画像である。また、図5(b)は、1ページ目の原稿及び2ページ目の原稿について、2箇所でステープル綴じをした状態を表す画像である。画像13はステープル綴じの位置を示す画像である。
ここで、誤り判定部103は、この画像データに関する情報に対して、誤り条件格納部102に格納されている項番1〜6の誤り条件を順番に照合する。図示の例ではプリントジョブのため、対象になるのは項番1又は項番2の誤り条件であり、項番3〜6の誤り条件は対象外である。また、拡大縮小の設定はされていないため、項番2の誤り条件については満たしていないと判定される。
さらに説明すると、図5(b)に示すように、印刷後にステープル綴じされると、2ページ目の画像12の文字は正しく読める向きを向いているが、1ページ目の画像11の文字は正立方向から約180度回転しており、正しく読める方向を向いていない。よって、誤り判定部103は、項番1の誤り条件について、2ページ目の画像12は満たしていないが、1ページ目の画像11は満たしていると判定する。
次に、確認画面生成部104は確認画面を生成し、表示制御部105は、生成された確認画面を操作パネル130に表示する。図6及び図7は、確認画面の一例を示す図である。
表示制御部105は、まず、図6(a)に示す画面を表示する。図6(a)に示す画面では、プリントジョブで用いられる画像データに基づく画像として、画像11及び画像12が表示される。また、ステープル綴じの位置を示す画像13が表示される。さらに、誤りに関わる箇所の位置を示す画像14及び画像15が表示される。
より具体的には、画像14は、画像11の文字を囲む枠の画像である。誤り判定部103により、画像11の文字は正しく読めない方向を向いており、項番1の誤り条件を満たすと判定されたため、画像11の文字を囲む画像14が表示される。この画像14は、誤りに関わる箇所が「文字」であることを示している。また、画像15は、ステープル綴じの位置を示す画像13を囲む枠の画像である。この画像15は、誤りに関わる箇所が「ステープル綴じの位置」であることを示している。
付言すると、画像14は、図4の項番1の「箇所」である「文字」に対応する画像であり、誤りの箇所の位置を示すとともに、誤りの種類が「文字」であることを示している。また、画像15は、図4の項番1の「箇所」である「ステープル綴じの位置」に対応する画像であり、誤りの箇所の位置を示すとともに、誤りの種類が「ステープル綴じの位置」であることを示している。このように、表示制御部105は、確認画面において、誤りに関わる箇所及び誤りの種類を示す画像(情報)を表示する。
ここで、ユーザが誤りに関わる箇所、即ち、画像14又は画像15を選択すると、誤りについての詳細な情報が表示される。図6(b)に示す例では、誤りについての詳細な情報として画像16が表示されている。画像16には、誤りの発生原因は「文字の向き」、又は「ステープル綴じの位置」であることが示されている。これらの発生原因はそれぞれ、図4の項番1の「原因」に対応する。また、ユーザは誤りを修正するか否かを選択できるようになっており、誤りを修正する場合、「修正する」の項目17を選択すればよい。
なお、図6(b)の例では、2つの発生原因「文字の向き」、「ステープル綴じの位置」を1つの画像16で示しているが、例えば、それぞれの発生原因を別の画像で表示してもよい。また、例えば、ユーザが画像14を選択した場合には、発生原因「文字の向き」を示す画像を表示し、ユーザが画像15を選択した場合には、発生原因「ステープル綴じの位置」を示す画像を表示してもよい。
さらに、図6(b)に示す例では、ユーザが誤りに関わる箇所を選択すると画像16を表示することとしたが、このような構成に限られず、例えば、ユーザが画面上で誤りに関わる箇所以外の箇所を選択した場合に画像16を表示してもよい。また、表示制御部105は、例えば、ユーザの操作によらず、画像14及び画像15を表示するのと同じタイミングで画像16を表示してもよい。
次に、ユーザが「修正する」の項目17を選択すると、表示制御部105は、誤りを修正するための修正手順を表示する。図6(c)に示す例では、修正手順として2つの修正手順が示されている。修正手順1は「文字の向きを変更」という修正手順であり、修正手順2は「ステープル綴じの位置をページ上端に変更」という修正手順である。これらの修正手順はそれぞれ、図4の項番1の「修正手順」に対応する。ユーザは、修正手順1又は修正手順2の何れかを選択できるようになっており、修正手順1で修正する場合には「選択」の項目18を選択すればよく、修正手順2で修正する場合には「選択」の項目19を選択すればよい。
次に、図6(c)に示す確認画面上で、ユーザが修正手順1を選択した場合について説明する。ユーザが修正手順1の「選択」の項目18を選択すると、修正手順1による修正がなされた後の状態を示す確認画面が表示される。ここで、確認画面生成部104は、図7(a)に示すように、画像11の文字が正立方向を向くように約180度回転させた状態を示す確認画面を生成する。
図7(a)に示す確認画面では、画像11の文字の向きが修正されており、その文字を囲む画像14が表示される。なお、画像12及び画像13については変更されておらず、図6(a)に示した状態のままである。また、ここでは、画像20が表示される。この画像20では、ユーザが、修正後の画像データに決定すること、又は修正前の状態と修正後の状態とを並べて確認すること、を選択できるようになっている。
ここで、「この修正で決定」の「選択」の項目21をユーザが選択すると、修正手順1により誤りが修正された画像データを基にプリントジョブが実行される。即ち、画像11の文字が正立方向を向くように修正されて印刷が行われる。
また、「修正前と並べて確認」の「選択」の項目22をユーザが選択すると、修正前の状態と修正後の状態とが並べて表示される。なお、ユーザが「戻る」の「選択」の項目23を選択すると、図6(c)に示す確認画面が再度表示される。その後、ユーザは、例えば他の修正手順を選択する等の操作を行えばよい。
図7(b)は、修正前の状態と修正後の状態とを並べた画面の一例である。ここでは、画像11について、修正手順1による修正がなされる前の状態と修正がなされた後の状態とが並べて表示されている。また、ここでは、画像24が表示される。この画像24では、ユーザが修正後の画像データで決定するか否かを選択できるようになっている。ここで、「この修正で決定」の「選択」の項目25をユーザが選択すると、修正手順1により誤りが修正された画像データを基にプリントジョブが実行される。一方、ユーザが「戻る」の「選択」の項目26を選択すると、図7(a)に示す確認画面に戻る。
一方、図6(c)に示す確認画面上で、ユーザが修正手順2を選択した場合について説明する。ユーザが修正手順2の「選択」の項目19を選択すると、修正手順2による修正がなされた後の状態を示す確認画面が表示される。ここで、確認画面生成部104は、図7(c)に示すように、画像11及び画像12のステープル綴じの位置を、ページの上端に変更した状態を示す確認画面を生成する。
図7(c)に示す確認画面では、変更後のステープル綴じの位置を示す画像13とともに、画像13を囲む画像15が表示される。なお、画像11及び画像12については変更されておらず、図6(a)に示した状態のままである。また、図7(a)と同様に、画像20が表示される。
ここで、「この修正で決定」の「選択」の項目21をユーザが選択すると、プリントジョブが実行され、文字の向きはそのままで印刷された後に、修正手順2による修正後の位置でステープル綴じが行われる。
また、「修正前と並べて確認」の「選択」の項目22をユーザが選択すると、修正前の状態と修正後の状態とが並べて表示される。なお、ユーザが「戻る」の「選択」の項目23を選択すると、図6(c)に示す確認画面が再度表示される。その後、ユーザは、例えば他の修正手順を選択する等の操作を行えばよい。
図7(d)は、修正前の状態と修正後の状態とを並べた画面の一例である。ここでは、画像11及び画像12について、修正手順2による修正がなされる前の状態と修正がなされた後の状態とが並べて表示されている。また、図7(b)の場合と同様に、画像24が表示される。ここで、「この修正で決定」の「選択」の項目25をユーザが選択すると、プリントジョブが実行され、修正手順2による修正後の位置でステープル綴じが行われる。一方、ユーザが「戻る」の「選択」の項目26を選択すると、図7(c)に示す確認画面に戻る。
なお、図7(b)や図7(d)に示す確認画面において、修正前の状態を示す画像及び修正後の状態を示す画像に対して、ユーザの操作を連動させることとしてもよい。例えば、図7(b)に示す確認画面において、ユーザが修正前の画像11を拡大する操作を行った場合に、表示制御部105は、修正前の画像11を拡大するとともに修正後の画像11を拡大してもよい。同様に、例えば、ユーザが修正後の画像11を拡大する操作を行った場合に、表示制御部105は、修正後の画像11を拡大するとともに修正前の画像11を拡大してもよい。
また、図6及び図7に示す例では、誤りの発生原因を表示した後に、誤りを修正する修正手順を表示することとしたが、このような構成に限られるものではない。本実施の形態では、例えば、確認画面に誤りの発生原因を表示せずに、誤りを修正する修正手順を表示してもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係る画像処理装置100は、画像データに関する情報と誤り条件とを照合して、画像形成又は画像読取に関して誤りが存在している可能性があるか否かを判定する。そして、画像処理装置100は、誤りが存在している可能性があると判定した場合には、誤りに関わる箇所を示す確認画面を表示する。また、画像処理装置100は、誤りの発生原因を示す情報や誤りを修正する修正手順など、誤りについての詳細な情報を表示する。さらに、画像処理装置100は、ユーザが選択した修正手順による修正を反映してジョブを実行するように制御する。
そのため、本実施の形態に係る画像処理装置100を用いることにより、例えば、ジョブによる処理後の状態を示す画像しか表示しない構成と比較して、画像形成又は画像読取に関して誤りに関わる箇所の位置をユーザが把握し易くなる。また、確認画面が表示されるため、誤りに関わる箇所や誤りの発生原因、修正手順をユーザが把握し易くなる。さらに、誤りが存在している可能性があるか否かの判断をユーザが行わないため、誤りと判断されずに誤りがある状態でジョブが実行されることが抑制される。
また、本実施の形態において、誤り判定部103は、誤りが存在している可能性があると判定した場合に、ユーザが実際に誤りであると決定したか否かの情報を学習し、学習した内容を誤り判定に反映させることとしてもよい。例えば、ユーザがどのような内容を誤りとして扱うか否かについては、ユーザ毎に異なる傾向があるといえる。そこで、例えば、誤り判定部103は、ユーザが実際に誤りであると決定したか否かの情報を、ユーザ毎に蓄積しておく。そして、誤り判定部103は、例えば、あるユーザAがジョブを実行する場合に、誤りが存在している可能性があると判定した場合であっても、同様のケースで過去にユーザAが誤りを修正せずにそのままジョブを実行している場合には、誤りではないと判定することとしてもよい。
さらに、本実施の形態において、画像処理装置100は、実行中のジョブに対して誤りを修正する場合に、誤りを修正する対象のページまではジョブを完了させることとしてもよい。この場合、画像処理装置100は、誤りを修正する対象のページになるとジョブを停止し、ユーザの操作に応じて誤りを修正した後に、対象のページ以降のジョブを再開する。このような処理を行うことにより、例えば、対象のページの誤りをユーザが確認しているのと並行して、対象のページまでのジョブが行われることとなる。
<適用可能なコンピュータの説明>
ところで、本実施の形態に係る画像処理装置100による処理は、例えば、PC等の汎用のコンピュータにおいて実現してもよい。そこで、この処理をコンピュータ200で実現するものとして、そのハードウェア構成について説明する。図8は、本実施の形態を適用可能なコンピュータ200のハードウェア構成例を示した図である。なお、本実施の形態において、コンピュータ200は、情報処理装置の一例として用いられる。
コンピュータ200は、演算手段であるCPU201と、記憶手段であるメインメモリ202及び磁気ディスク装置(HDD)203とを備える。ここで、CPU201は、OSやアプリケーション等の各種プログラムを実行する。また、メインメモリ202は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置203は、図2に示す各機能部を実現するためのプログラムを格納する。そして、このプログラムがメインメモリ202にロードされ、このプログラムに基づく処理がCPU201により実行されることで、各機能部が実現される。
さらに、コンピュータ200は、外部との通信を行うための通信インタフェース(I/F)204と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構205と、キーボードやマウス等の入力デバイス206とを備える。
より具体的には、CPU201が、対象情報取得部101、誤り判定部103、確認画面生成部104、表示制御部105、修正部106、ジョブ実行部107等を実現するプログラムを、例えば磁気ディスク装置203からメインメモリ202に読み込んで実行することにより、これらの機能部が実現される。また、誤り条件格納部102は、例えば、磁気ディスク装置203により実現される。
また、本発明の実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。