JP6921764B2 - 無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤 - Google Patents

無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤 Download PDF

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本発明は無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤に関する。より詳細には、耐熱性積層体用材料のガラス繊維等の無機材料の接着性に優れる無機材料用水性接着剤に関する。
従来、耐熱性を有する無機繊維積層体は、グラスウール、ロックウール等の無機繊維から構成され、接着するため、バインダーを付着させた該無機繊維を機械的手段でマット状等に成形して製造され、建築物や各種装置の断熱材等として幅広く使用されている。該バインダーとしては、従来からフェノール化合物とホルムアルデヒドとの縮合物であるフェノール樹脂からなる水性バインダーが多く使用されてきたが、該バインダーは通常ホルムアルデヒドを含有し、これを用いた積層体からはホルムアルデヒドが環境中に放出されるという問題があることから、ホルムアルデヒドを含有しない改良バインダーが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2007−9206号公報 特開2005−68399号公報
しかしながら、上記特許文献1のバインダーは、300から900の数平均分子量を有する、エチレン性不飽和カルボン酸のオリゴマーまたはコオリゴマーの水溶液およびポリオールを含む組成物であるが、バインダーの接着性が十分ではなかった。
また、上記特許文献2のバインダーは、少なくとも2個のカルボン酸基、酸無水物基またはこれらの塩を含有するポリ酸と、少なくとも2個のヒドロキシル基を含有するポリオールおよび炭素数5以上のアルキル基を含有するエチレン性不飽和アクリルモノマーを共重合単位とするエマルションポリマーからなるバインダーであるが、エマルションポリマーを含むため、バインダーのスプレー性が劣るため、接着性が十分でないという問題があった。
本発明の目的は、上記課題を解決し、無機材料の接着性に優れる無機材料用水性接着剤を与える無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明は、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(a1)と、(メタ)アクリル酸のアルキル(アルキルの炭素数2〜40)エステル(a2)とを構成単量体として含む(共)重合体(A)を含有してなり、無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J)である。
本発明の無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J)は、下記の効果を奏する。
(1)無機材料用水性接着剤に優れた接着性を付与する。
(2)無機材料用水性接着剤に優れた柔軟性を付与する。
(3)無機材料用水性接着剤に優れた耐水性を付与する。
<(共)重合体(A)>
本発明における(共)重合体(A)は、不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(a1)と、(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数2〜40)エステル(a2)とを構成単量体[以下、構成単位と略記することがある]として含有する。
(a1)は、重合性不飽和基を1個有する炭素数[以下においてCと略記することがある]3〜30の(ポリ)カルボン酸(無水物)である。なお、本発明において不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)は、不飽和モノカルボン酸、不飽和ポリカルボン酸および/または不飽和ポリカルボン酸無水物を意味する。
該(a1)のうち、不飽和モノカルボン酸としては、脂肪族(C3〜24、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸)、脂環含有(C6〜24、例えばシクロヘキセンカルボン酸);不飽和ポリ(2〜3またはそれ以上)カルボン酸(無水物)としては、不飽和ジカルボン酸(無水物)[脂肪族ジカルボン酸(無水物)(C4〜24、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびこれらの無水物)、脂環含有ジカルボン酸(無水物)(C8〜24、例えばシクロヘキセンジカルボン酸、シクロヘプテンジカルボン酸、ビシクロヘプテンジカルボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、およびこれらの無水物)等]等が挙げられる。(a1)は1種単独でも、2種以上併用してもいずれでもよい。
上記(a1)のうち、(a2)との重合性、および無機材料の接着性の観点から好ましいのはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、さらに好ましいのはアクリル酸、メタクリル酸、とくに好ましいのはアクリル酸である。
(a2)は、(メタ)アクリル酸のアルキル(アルキルのC2〜40)エステルである。
該(a2)としては、[(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸トリアコンチル、(メタ)アクリル酸ヘキサトリアコンチル、(メタ)アクリル酸テトラコンチル、(メタ)アクリル酸2−オクチルノニル、(メタ)アクリル酸1−ヘキシルトリデシル、(メタ)アクリル酸2−ブチルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸1−オクチルペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸2−ドデシルペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘプタデシルイコシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルドコシル、(メタ)アクリル酸2−エイコシルドコシル、(メタ)アクリル酸2−テトラコシルヘキサコシル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルテトラコンチル、(メタ)アクリル酸2−ドデシルヘキサテトラコンチル、(メタ)アクリル酸1−オクタコシルトリコンチル]等が挙げられる。
上記(a2)のうち、(a1)との重合性、および無機材料の接着性の観点から好ましいのは該アルキルがC2〜30のもの、さらに好ましいのは該アルキルエステルが、分岐鎖アルキルエステル、直鎖アルキルエステルと分岐アルキルエステルとの併用である。
(A)を構成するモノマーの重量比[(a1)/(a2)]は、無機材料の接着性、および無機材料の接着物の耐水性、柔軟性の観点から、好ましくは40/60〜99/1、さらに好ましくは60/40〜98/2、とくに好ましくは70/30〜97/3である。
(A)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記(a1)、(a2)のモノマー以外の不飽和モノマー(x)をさらに構成単量体とする(共)重合体としてもよい。
不飽和モノマー(x)としては、ヒドロキシアルキル(C1〜5)(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、スチレン、アリルアミン、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
上記(x)は、(a1)と(a2)との合計重量に基づいて、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、とくに好ましくは1重量%以下である。
(A)の重量平均分子量[以下Mwと略記。測定は後述のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]は、接着性および取扱いの観点から、好ましくは4,000〜100,000、さらに好ましくは6,000〜60,000、とくに好ましくは8,000〜30,000である。
本発明におけるMw、数平均分子量(Mn)のGPC測定条件は下記のとおりである。
<GPC測定条件>
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
[型番「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製]
[2]カラム :「TSKgelG6000PWxl」、「TSKgel
G3000PWxl」[いずれも東ソー(株)製]を直列に連結。
[3]溶離液 :メタノール/水=30/70(容量比)に
0.5重量%の酢酸ナトリウムを溶解させたもの。
[4]基準物質:ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
(共)重合体(A)は、公知の溶液重合法で製造することができ、生産性の観点から好ましいのは水を含む溶液重合法である。水の含有量としては、使用する全溶媒量に対して水を40質量%以上使用することが好ましく、使用する溶媒の全量を水とすることが好ましい。
有機溶剤を使用する場合は、重合後脱溶剤して水に溶解させても、脱溶剤せずにそのまま用いてもいずれでもよい。単独で、または水と共に使用できる有機溶剤としては、水性溶剤(25℃での水への溶解度が10g以上/100g水)、例えばケトン(アセトン、メチルエチルケトン(以下MEKと略記)、ジエチルケトン等)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)等が挙げられ、生産性の観点から好ましいのはアセトン、MEK、イソプロパノールである。有機溶剤は1種または2種以上で使用することができる。
該(A)は、通常溶液(工業上の観点から好ましいのは水溶液)として得られ、溶液中の(A)の含有量(重量%)は、生産性および後工程の水性接着剤製造時のハンドリング性の観点から好ましくは5〜80%、さらに好ましくは10〜70%、とくに好ましくは20〜60%である。
(A)製造時の重合温度は、生産性および(A)の分子量制御の観点から好ましくは0〜200℃、さらに好ましくは40〜150℃である。
重合時間は、製品中の残存モノマー含量の低減および生産性の観点から好ましくは1〜10時間、さらに好ましくは2〜8時間である。
重合反応の終点は残存モノマー量で確認できる。残存モノマー量は、水性接着剤の無機材料に対する接着性の観点から、(A)の重量に基づいて好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。残存モノマー量はガスクロマトグラフィー法により測定できる。
<無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J)>
本発明の無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J)は、前記(共)重合体(A)を含有してなる。(J)の重量に基づく、(A)の重量は、工業上および取扱いの観点から、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜60重量%である。なお、(J)には後述の無機材料用水性接着剤(X)に用いられる架橋剤(B)の一部を含有していてもよい。
この接着性向上剤(J)は、後述の無機材料用水性接着剤(X)用の接着性向上剤として好適に用いられる。
<カルボキシル基を有する主剤(D)>
本発明におけるカルボキシル基を有する主剤(D)は、前記(A)以外であってカルボキシル基を有するものである。
該主剤(D)は、例えば、前記(A)以外であって不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(a1)を構成単量体として含む(共)重合体(D1)が挙げられる。好ましいのは前記(a2)を構成単量体として含まない(共)重合体である。
なお、(D1)には、前記不飽和モノマー(x)は、本発明の効果を阻害しない範囲で、構成単量体として含んでいてもよい。
(共)重合体(D1)を構成する単量体重量に基づく、(x)の重量は、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、とくに好ましくは1重量%以下である。
該(D1)としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸メチルとの(共)重合体が挙げられる。
上記(D1)のうち、好ましいのはポリ(メタ)アクリル酸、さらに好ましいのはアクリル酸を構成単量体として90重量%以上含むもの、とくに好ましいのはポリアクリル酸である。
上記(D)の重量平均分子量[以下Mwと略記。測定は後述のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]は、接着性および取扱いの観点から、好ましくは5,000〜50,000、さらに好ましくは6,000〜40,000、とくに好ましくは7,000〜20,000である。
<架橋剤(B)>
本発明における架橋剤(B)は、水酸基を有しないアミン化合物(B1)、水酸基を1個有するアミン化合物(B2)、水酸基を2個または3個以上有する化合物(B3)、およびこれらの混合物が挙げられる。
水酸基を有しないアミン化合物(B1)としては、C2以上かつMn2,000以下のポリ(2〜6価またはそれ以上)アミンで、脂肪族ポリアミン(B11)、脂環式ポリアミン(B12)、複素環式ポリアミン(B13)、芳香族ポリアミン(B14)およびポリアミドポリアミン(B15)が挙げられる。
脂肪族ポリアミン(B11)としては、脂肪族ポリアミン〔C2〜6のアルキレンジアミン(C2〜10、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン(1,6−ヘキサンジアミン))、ポリアルキレン(C2〜6)ポリアミン[C4〜10、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン]〕等およびこれらのアルキル(C1〜4)置換体〔例えば、ジアルキル(C1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン〕等、脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン〔C5〜20、例えば、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン〕等、芳香環含有脂肪族アミン〔C6〜14、例えば、キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン〕等が挙げられる。
脂環式ポリアミン(B12)としては、C6〜20、例えば1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)が挙げられる。
複素環式ポリアミン(B13)としては、C4〜20、例えばピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンが挙げられる。
芳香族ポリアミン(B14)としては、非置換芳香族ポリアミン[C6〜30、例えば、1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)]、核置換アルキル基〔メチル、エチル、n−およびi−プロピル、ブチル等のC1〜C4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミン[C7〜30、例えば、2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン]、イミノ基を有する芳香族ポリアミン[C7〜30、例えば、4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン]等が挙げられる。
ポリアミドポリアミン(B15)としては、ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰(アミノ基/カルボキシル基の当量比が2以上)のポリアミン(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量(Mn100〜1,000)ポリアミドポリアミンが挙げられる。
水酸基を1個有するアミン化合物(B2)としては、C2以上かつMn1,000以下のもの、下記(B21)〜(B23)等が挙げられる。
(B21)モノアルカノールアミン
C2〜15、例えば、エタノールアミン、n−プロパノールアミン、i−プロパノールアミン、6−アミノ−1−ヘキサノール等が挙げられる。
(B22)前記(B1)のアルキレンオキサイド(以下AOと略記)(C2〜4)1モル付加物
C4以上かつMn1,000以下、例えば、エチレンジアミンのプロピレンオキサイド1モル付加物、1,4−フェニレンジアミンのエチレンオキサイド1モル付加物、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール等が挙げられる。
(B23)前記(B21)、(B22)以外のもの
C3〜20、例えば、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−ペンチルヘキサノールアミンが挙げられる。
水酸基を2個または3個以上有する化合物(B3)としては、C4以上かつMn1,000以下のもの、下記(B31)〜(B34)等が挙げられる。
(B31)ジアルカノールアミン
C4〜10、例えば、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等が挙げられる。
(B32)トリアルカノールアミン
C6〜15、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
(B33)前記(B2)のAO付加物(付加モル数は2〜20モル)
C6以上かつMn1,000以下、例えば、ジエチレントリアミンの2〜20モルAO付加物、テトラメチレンペンタミンの2〜20モルAO付加物等が挙げられる。
(B34)C2以上かつMn1,000以下のポリ(2価〜3価またはそれ以上)オール
例えば脂肪族ポリオール[C2〜12のもの、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−ヒドロキシメチル−2−メチル‐1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール];脂環式ポリオール[C5〜12のもの、例えば1,3−シクロペンタンジオール、1,4‐シクロヘキサンジオール];糖類[C6〜12のもの、例えばグルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖];並びに、これらポリオールのAO(C2〜4)付加物等が挙げられる。
これらの(B1)〜(B3)のうち、無機材料の接着性、無機材料の接着物の耐水性、柔軟性の観点から、好ましいのは(B2)、(B3)、さらに好ましいのは(B21)、(B31)、(B32)、とくに好ましいのは(B21)、(B31)、最も好ましいのはイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、それらの併用である。
<無機材料用水性接着剤(X)>
本発明の無機材料用水性接着剤(X)は、前記(共)重合体(A)を含有してなる接着性向上剤(J)、前記カルボキシル基を有する主剤(D)、および水を含有してなる。なお、該(X)には、接着性の観点から、後述の架橋剤(B)を含有することが好ましい。
この無機材料用水性接着剤(X)は、無機材料(ガラス、セラミック、金属)用の水性接着剤として用いることができ、とりわけグラスウール、ロックウール等の無機繊維用の水性接着剤(いわゆるバインダー)として好適に用いることができる。
前記(X)中の(A)と、(D)との重量比[(A)/(D)]は、柔軟性、耐水性および接着性の観点から、好ましくは1/99〜50/50、さらに好ましくは3/97〜40/60、とくに好ましくは5/95〜30/70である。
(A)および(D)中のカルボキシル基のモル数(α)に対する前記(B)中の1級アミノ基、2級アミノ基および水酸基の合計モル数(β)の比[(β)/(α)]は、無機材料の接着性、無機材料の接着物の柔軟性の観点から好ましくは0.2〜1.5、さらに好ましくは0.4〜1.2、とくに好ましくは0.5〜0.9である。該比[(β)/(α)]は当量比と略記することがある。
該当量比[(β)/(α)]は、(B)の1、2級アミン価を後述の測定方法で、また、(B)の水酸基価および(A)の酸価をJISK−0070「化学製品の酸価、水酸基の試験方法」に準拠して測定した結果から下記の計算式を用いて求めることができる。
なお、以下において、各アミン価、水酸基価および酸価の単位はいずれもmgKOH/gで表される。

当量比=[(B)の水酸基価+(B)の1、2級アミン価]×[(B)の重量]
/〔[(A)の酸価]×[(A)の重量]〕
<(B)の1、2級アミン価測定方法>
(B)の[1]全アミン価(全A)、[2]3級アミン価(3A)を後述の方法で測定し、下記の計算式より、1、2級アミン価(12A)を求める。

(12A)=(全A)−(3A)

但し、(12A):1、2級アミン価を表す。
(全A) :全アミン価を表す。
(3A) :3級アミン価を表す。
[1]全アミン価(全A)測定方法
全アミン価とは、試料1g中に含まれる1級、2級および3級アミンを中和するのに要する塩酸と等当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTMD2074に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S1g)
(2) 中性エタノール[ブロムクレゾールグリーン(BCG)中性]30mLを加え溶解
する。
(3)0.2モル/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f1)で滴定し、緑色から黄色に変わった点を終点とする。(滴定量:A1mL)
(4)次式から全アミン価(全A)を算出する。

全アミン価(全A)=A1×f1×0.2×56.108/S1
[2]3級アミン価(3A)測定方法
3級アミン価(3A)とは、試料1g中に含まれる3級アミンを中和するのに要する過塩素酸と等当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTMD2073に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S3g)
(2)無水酢酸/酢酸混合溶液(9/1)20mLを加えて溶解し、室温で3時間静置する。
(3)酢酸30mLを加えて、電位差滴定装置にて0.1モル/L過塩素酸/酢酸溶液(力価:f3)で滴定する。(滴定量:A3mL)
(4)上記と同様にして空試験を行う。(滴定量:B1mL)
(5)次式から3級アミン価(3A)を算出する。

3級アミン価(3A)=(A3−B1)×f3×0.1×56.108/S3
本発明の無機材料用水性接着剤(X)中の(A)と(D)と(B)の合計含有量は、後述する無機材料の接着物の生産性および無機材料用水性接着剤(X)の均一散布性、塗布性の観点から好ましくは2〜80重量%、さらに好ましくは4〜70重量%、とくに好ましくは6〜50重量%である。
本発明の無機材料用水性接着剤(X)には、前記(A)、(D)、および水の他に、必要により(B)、さらに必要により硬化促進剤(C1)、撥水剤(C2)、シランカップリング剤(C3)および中和剤(C4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)を含有させてもよい。
硬化促進剤(C1)としては、プロトン酸[リン酸化合物(リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アルキルホスフィン酸等)、カルボン酸、炭酸等]、およびその塩[金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、2B族、4A族、4B族、5B族等)塩等]、金属(上記のもの)の、酸化物、塩化物、水酸化物およびアルコキシド、チタンラクテート、ジルコニルアセテート等の水溶性有機金属化合物等が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上併用してもいずれでもよい。
これらのうち硬化速度の観点から好ましいのはリン酸化合物およびその塩、チタンラクテート、ジルコニルアセート、さらに好ましいのはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アルキルホスフィン酸、およびそれらの塩と、チタンラクテート、ジルコニルアセート、とくに好ましいのは次亜リン酸の塩である。
(C1)の含有量は、硬化性および無機材料の接着性の観点から(A)と(D)との合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.3〜15%、とくに好ましくは0.5〜10%である。
撥水剤(C2)としては、ワックス、重質オイルおよびシリコーンオイルが挙げられる。ワックスとしては、動物由来ワックス[蜜ろう、ラノリンワックス、セラックワックス等]、植物由来ワックス[カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス等]、鉱物由来ワックス[モンタンワックス、オゾケライト等]、石油由来ワックス[パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等]、合成ワックス[フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリカーボネートワックス、やし油脂肪酸エステル、牛脂脂肪酸エステル、ステアリン酸アミド、ジヘプタデシルケトン、硬化ひまし油等]が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上併用してもいずれでもよい。
重質オイルとしては、C15〜120のパラフィンあるいはナフテンで構成されているものが挙げられる。
シリコーンオイルとしては、反応性または非反応性のシリコーンオイルが挙げられる。
これらのうち撥水性の観点から好ましいのはパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、反応性シリコーンオイル、とくに好ましいのはパラフィンワックスである。
シランカップリング剤(C3)としては、アミノシランカップリング剤[γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等]、エポキシシランカップリング剤[γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等]が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上併用してもいずれでもよい。
(C3)の含有量は、無機材料の接着性の観点から(A)と(D)との合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜2%、さらに好ましくは0.2〜2%である。
中和剤(C4)は、必要により、水性接着剤を中和、pH調整するために用いる。(C4)としては、無機酸のアンモニウム塩[硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、亜硫酸アンモニム、リン酸アンモニウム、亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、次亜硫酸アンモニウム、塩素酸塩アンモニウム、ペルオキソ二硫酸二アンモニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム等]が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上併用してもいずれでもよい。
(C4)の含有量は、無機材料の接着物の耐加水分解性および無機材料の接着性の観点から(A)と(D)との合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは1〜3%である。
本発明の無機材料用水性接着剤(X)の製造方法としては、(共)重合体(A)を含有する接着性向上剤(J)、主剤(D)、水、および必要により加えられる架橋剤(B)、添加剤(C)を混合、分散できる方法であれば、とくに限定されることはない。混合時間は通常30分〜3時間であり、水性接着剤(X)の均一混合は目視で確認することができる。
本発明の水性接着剤(X)は、従来の、フェノール化合物とホルムアルデヒドとの縮合物であるフェノール樹脂からなるものではないことから、ホルムアルデヒドは含有しない。また、該水性接着剤(X)は、後述の方法で評価される無機材料の接着性、無機材料の接着物の柔軟性、耐水性において極めて優れている。
本発明の無機材料用水性接着剤(X)は、とりわけ耐熱性積層体材料である無機繊維用の水性接着剤として好適に用いられる。
無機繊維としては、ガラス繊維、スラグ繊維、岩綿、石綿、金属繊維等が挙げられる。
<無機材料接着物>
本発明の無機材料接着物は、無機材料が無機材料用水性接着剤(X)の硬化物で接着したものである。なお、無機材料が、無機繊維である場合、好ましくは後述の無機繊維積層体である。
無機材料の重量に基づく水性接着剤(X)の硬化物付着量は、無機材料の接着性、および無機材料接着物の柔軟性、耐水性の観点から好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%、とくに好ましくは2〜15%である。
<無機繊維積層体>
無機繊維積層体は、前記水性接着剤(X)の硬化物が無機繊維積層物に付着した無機繊維積層体である。すなわち、例えば、無機繊維に前記水性接着剤(X)を付着させ、これを積層して積層物とした後、これを加熱、成形するか、あるいは、該無機繊維またはそのストランド(繊維束)を積層して積層物とし、これに前記水水性接着剤(X)を散布し付着させて、これを加熱、成形することにより得られる。
水性接着剤(X)の該無機繊維またはその積層物への付着方法としては、例えばエアスプレー法またはエアレススプレー法、パッディング法、含浸法、ロール塗布法、カーテンコーティング法、ビーターデポジション法、凝固法等の公知の方法が挙げられる。
無機繊維積層体を構成する無機繊維(無機繊維積層物)の重量に基づく水性接着剤(X)の硬化物付着量は、無機繊維の接着性、積層体表面の平滑性および積層体の柔軟性、耐水性の観点から好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%、とくに好ましくは2〜15%である。
本発明の無機材料接着物(好ましくは無機繊維積層体)の製造に際して、水性接着剤(X)は、例えば、無機材料(好ましくは無機繊維)に適当量付着させた後、加熱して硬化させる。
加熱温度は、該積層体の、接着性、耐水性および該積層体の着色抑制、工業上の観点から好ましくは100〜400℃、さらに好ましくは200〜350℃である。
加熱時間は、反応率および該無機材料接着物(好ましくは無機繊維積層体)の着色抑制の観点から好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜40分である。
本発明の無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J)は、無機材料用水性接着剤に優れた接着性、柔軟性、耐水性を付与できる。
また、本発明の無機材料用水性接着剤(X)は、無機材料(好ましくは無機繊維)の接着性に優れ、無機材料接着物(好ましくは無機繊維積層体)に優れた柔軟性、耐水性を付与できる。これは、前記(A)を含有する(J)と(D)と、必要により加えられる(B)との構成により、硬化途上で接着剤溶融物が無機材料の接着面、無機繊維の場合には無機繊維の交点に効率的に集まりやすく、該接着面、該交点で効率的に硬化が進行するとともに、その硬化物の樹脂物性に優れるためと推定される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
<実施例1>
オートクレーブに、水50部、イソプロパノール430部[溶媒]を仕込み、撹拌下窒素を通気してオートクレーブ内の窒素置換を行った(気相酸素濃度500ppm以下)。窒素を吹き込みながら82℃に昇温した後、3−メルカプトプロピオン酸0.1部[連鎖移動剤]、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.71部をイソプロパノール50部に溶解させた溶液[開始剤]と、アクリル酸(a1−1)216部とアクリル酸ブチル(a2−1)42.6部を同時に2時間かけて滴下し、さらに8382℃で2時間撹拌して重合反応を行った。
その後、溶液中のイソプロパノールを脱溶剤し、不揮発分が40%になるように水を加え、(共)重合体(A−1)を含有してなり、無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J−1)[水溶液]を得た。なお、(A−1)はMw12,000、酸価700であった。
<実施例2〜5、7〜11>、<比較例1>
実施例1において、表1に従った以外は実施例1と同様に行い、無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J−2)〜(J−5)、(J−7)〜(J−10)、(比J−1)を得た。
<実施例6>
オートクレーブに、溶媒として水400部、イソプロパノール200部、硫酸鉄0.051部を仕込み、撹拌下窒素を通気してオートクレーブ内の窒素置換を行った(気相酸素濃度500ppm以下)。窒素を吹き込みながら、100℃に昇温した後、3−メルカプトプロピオン酸10.5部[連鎖移動剤]、過酸化水素水(30重量%水溶液)12.3部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.28部を、水50部とイソプロパノール50部とに溶解した溶液と、アクリル酸(a1−1)280部、アクリル酸2−エチルヘキシル(a2−5)150部を混合した溶液とを、別々に同時に3時間かけて滴下し、さらに100℃で2時間撹拌して重合させ、溶媒を300部留去した後、さらに、アンモニア水溶液[25重量%]を25部加えて、不揮発成分が40%になるように水を加え、(共)重合体(A−6)を含有してなり、無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J−6)[水溶液]を得た。なお、(A−6)はMw4,600、酸価450であった。
<製造例1〜2>
実施例6において、表1に従った以外は、アンモニア水溶液を加えずに、実施例6と同様に行い、(共)重合体であるカルボキシル基を有する主剤(D−1)の水溶液、(共)重合体であるカルボキシル基を有する主剤(D−2)の水溶液を得た。
実施例1〜11、比較例1、製造例1〜2の結果を表1に示す。
Figure 0006921764
<実施例21〜40、比較例2>
表2に示した配合組成(部)に従って、配合、混合して、各無機材料用水性接着剤(X)を得た。該接着剤を用いて下記要領で無機繊維積層体の試験片を作成し、それぞれ後述の方法で評価した。結果を表2示す。
<無機繊維積層体の作成>
タテ×ヨコ×厚みが30cm×30cm×2cm、密度が0.035g/cm3のガラス繊維積層物を、離型処理したタテ×ヨコ×深さが30cm×30cm×5cmの平板金型内に載置した。
次に、硬化物付着量が該積層物の重量に対して15%相当量となる水性接着剤をエアスプレーを使用して該積層物に均一噴霧した。その後、210℃の循風乾燥機で50分間熱処理(乾燥、硬化)を行い、厚み約2cm、密度0.040g/cm3の積層体(S−1)を得た。同様にして積層体(S−1)を合計5個作成した。
(1)接着性の評価
各積層体(S−1)から、長さ×幅×厚みが10cm×1.5cm×2cmの試験片を5個切り出した。これらをオートグラフ[型番「AGS−500D」、(株)島津製作所製]を用いてJISR3420「ガラス繊維一般試験方法」の「7.4引張強さ」に準拠して引張強さを測定し、試験片5個の平均値を下記の基準で接着性を評価した。
<評価基準>
☆:550N/m2以上
◎:500N/m2以上550N/m2未満
○:450N/m2以上500N/m2未満
△:350N/m2以上450N/m2未満
×:350N/m2未満
(2) 耐水性の評価
各積層体(S−1)から長さ×幅×厚みが10cm×1.5cm×2cmの試験片を5個切り出した。それらを25℃の水道水に10分間浸漬した。その後取り出し、30℃、40%RHで20分間、目開き400μmの篩の上に静置した。
その試験片について前記(1)と同様の評価基準で耐水性の評価を行った。
(3)柔軟性の評価
各積層体(S−1)から長さ×幅×厚みが10cm×1.5cm×2cmの試験片を5個切り出した。該試験片の厚みをノギスを用いて0.1mmの単位で測定した(L0)。
これらの試験片に、ステンレス製板(長さ、幅は試験片と同じ)を載置して、1.4g/cm2の荷重をかけて10秒後の試験片を厚みを測定した(L1)。
次に、ステンレス製板を取り除き、取り除いてから60秒後の試験片の厚みを測定した(L2)。
下記式(1)により柔軟度合(%)、式(2)により維持度合(%)を算出し、試験片5個の平均値を下記の基準で柔軟性を評価した。

柔軟度合(%)=[(L0)−(L1)]×100/(L0) (1)

維持度合(%)=100−[(L0)−(L2)]×100/(L0) (2)

<評価基準>
☆:柔軟度合30%以上、かつ維持度合95%以上
◎:柔軟度合25%以上30%未満、かつ維持度合95%以上
○:柔軟度合20%以上25%未満、かつ維持度合95%以上
△:柔軟度合15%以上20%未満、かつ維持度合95%以上
×:柔軟度合15%未満、または維持度合95%未満
Figure 0006921764
表1〜2の結果から、本発明の無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J)は、比較のものに比べて、無機材料用水性接着剤に、優れた接着性、耐水性、柔軟性とを付与することがわかる。
本発明の無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤は、無機材料用水性接着剤に優れた接着性、柔軟性、耐水性を付与できる。それを用いた無機材料用水性接着剤は、無機材料(とりわけ耐熱性積層体材料である無機繊維であるガラス繊維等)を接着するのに好適であり、該水性接着剤を用いた無機材料接着物(とくに無機繊維積層体)は、各種無機材料の接着物、とくに建築物や各種装置の断熱材、保温材および吸音材等として幅広い分野に適用できることから、極めて有用である。

Claims (12)

  1. 不飽和(ポリ)カルボン酸(無水物)(a1)と、(メタ)アクリル酸のアルキル(アルキルの炭素数2〜40)エステル(a2)とを構成単量体として含む(共)重合体(A)を含有してなる無機材料用水性接着剤と併用するための接着性向上剤(J)、前記(A)以外であってカルボキシル基を有する主剤(D)、および水を含有してなる無機材料用水性接着剤(X)。
  2. 前記(a1)と(a2)との重量比[(a1)/(a2)]が、40/60〜99/1である請求項1記載の無機材料用水性接着剤(X)。
  3. 前記(a1)が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の無機材料用水性接着剤(X)。
  4. 前記(共)重合体(A)の重量平均分子量が、4,000〜100,000である請求項1〜3のいずれか記載の無機材料用水性接着剤(X)。
  5. 前記(A)と(D)との重量比[(A)/(D)]が、1/99〜50/50である請求項1〜4のいずれか記載の無機材料用水性接着剤。
  6. さらに、架橋剤(B)を含有してなる請求項1〜5のいずれか記載の無機材料用水性接着剤。
  7. 前記(B)が水酸基を有しないアミン化合物(B1)、水酸基を1個有するアミン化合物(B2)および、水酸基を2個または3個以上有する化合物(B3)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項6記載の無機材料用水性接着剤。
  8. 前記(A)および(D)中のカルボキシル基のモル数(α)に対する前記(B)中の1級アミノ基、2級アミノ基および水酸基の合計モル数(β)との比[(β)/(α)]が0.2〜1.5である請求項6または7記載の無機材料用水性接着剤。
  9. 前記(A)と(D)と(B)の合計含有量が、無機材料用水性接着剤の重量に基づいて2〜80重量%である請求項6〜8のいずれか記載の無機材料用水性接着剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載の無機材料用水性接着剤(X)の硬化物で接着した無機材料接着物。
  11. 無機材料用水性接着剤の硬化物付着量が、無機材料の重量に基づいて0.5〜30重量%である請求項10記載の無機材料接着物。
  12. 請求項1〜9のいずれか記載の無機材料用水性接着剤(X)が付着した無機材料を加熱する無機材料接着物の製造方法。
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