JP6157950B2 - 鉱物繊維用水性バインダー - Google Patents
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Description
また、上記特許文献2のバインダーは、エチレン性不飽和ジカルボン酸からなるポリマーと、少なくとも2つのヒドロキシル基を有するアルカノールアミン、リン含有反応促進剤からなるものであるが、硬化後のバインダーの耐加水分解性が劣り、復元性にも難があるという問題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、耐熱性積層体用材料のガラス繊維等の鉱物繊維の接着性に優れ、耐加水分解性、復元性に優れた鉱物繊維積層体を与える水性バインダーを提供することにある。
(1)鉱物繊維の接着性に優れる。
(2)該バインダーで接着してなる鉱物繊維積層体は、耐加水分解性に優れる。
(3)該鉱物繊維積層体は圧縮に対する復元性に優れる。
本発明における(共)重合体(A)は、少なくとも2個のカルボキシル基を有する。ここにおいて、該カルボキシル基には、加水分解によりカルボキシル基を生じる酸無水物基由来の潜在性カルボキシル基も含まれるものとする。
上記(a1)、(a2)のうち、バインダーの硬化速度の観点から好ましいのは(a1)、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸、とくに好ましいのはアクリル酸である。
ここにおいて、該オクタノール/水分配係数(logPow)は、JIS Z7260−107(2000)に記載のフラスコ振とう法により求めることができる。該係数は、対象とする物質が、オクタノール相と水相の接した系中で平衡状態にある場合において、各相における濃度の比の常用対数で示され、該対象物質の疎水性の指標となるものである。該係数が大であるほど疎水性が大であることを示す。
C4〜30のもの、例えばアルキル(C1〜18)(メタ)アクリレートおよびアルコキシ(C1〜4)アルキル(C1〜18)(メタ)アクリレート;
C4〜18のもの、例えば、N−アルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N−アルケニル(C2〜5)(メタ)アクリルアミド、アルコキシ(C1〜4)アルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、アミノアルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜5)アミノアルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(C1〜5)アミノアルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド;
C6〜30のもの、例えばビニルアルキル(C4〜20)エーテル;
脂肪族(C2〜30のもの、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、イソプレン、)、芳香族(C8〜30のもの、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン)、脂環含有(C8〜30のもの、例えばビニルシクロヘキサン);
(b5)ビニルエステル
C4〜30のもの、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル。
上記(b)は1種単独使用でも、2種以上の併用でもいずれでもよい。
不飽和モノマー(x)としては、ヒドロキシアルキル(C1〜5)(メタ)クリレート、(メタ)アクリルアミド、アリルアミン、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
<GPC測定条件>
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
[型番「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製]
[2]カラム :「TSKgel G6000PWxl」、「TSKgel
G3000PWxl」[いずれも東ソー(株)製]を直列に連結。
[3]溶離液 :メタノール/水=30/70(容量比)に
0.5重量%の酢酸ナトリウムを溶解させたもの。
[4]基準物質:ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
なお、該カルボキシル基の数は、前記GPC法による(A)の数平均分子量(Mn)と後述の(A)の酸価から、(A)の1分子当たりのカルボキシル基の平均数(以下カルボキシル基の数と略記)として算出できる。
有機溶剤を使用する場合は、重合後脱溶剤して水に溶解させても、脱溶剤せずにそのまま用いてもいずれでもよい。該有機溶剤としては、水性溶剤(25℃での水への溶解度が10g以上/100g水)、例えばメチルエチルケトン(以下MEKと略記)、アルコール(エタノール、イソプロパノール等)等が挙げられ、生産性の観点から好ましいのはMEKである。
該(A)は、通常溶液(工業上の観点から好ましいのは水溶液)として得られ、溶液中の(A)の含有量(重量%)は、生産性および後工程の水性バインダー製造時のハンドリング性の観点から好ましくは5〜80%、さらに好ましくは10〜70%、とくに好ましくは20〜60%である。
重合時間は、製品中の残存モノマー含量の低減および生産性の観点から好ましくは1〜10時間、さらに好ましくは2〜8時間である。
重合反応の終点は残存モノマー量で確認できる。残存モノマー量は、バインダーの鉱物繊維に対する接着性の観点から、(A)の重量に基づいて好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。残存モノマー量はガスクロマトグラフィー法により測定できる。
本発明における架橋剤(B)は、水酸基1個と1級アミノ基1個を有する炭素数3〜6のモノアルカノールアミン(B1)を含有してなる。(B1)が炭素数2以下では取り扱い上の安全性に問題があり、7以上では鉱物繊維の接着性および鉱物繊維積層体の復元性が悪くなる。
(B1)が水酸基2個以上では、鉱物繊維積層体の耐加水分解性が悪くなり、(B1)が1級アミノ基2個以上では、接着性が悪くなる。
C4〜10、例えば、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン;
(B42)トリアルカノールアミン
C6〜15、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン;
(B43)前記(B2)のAO付加物(付加モル数は2〜20モル)
C6以上かつMn1,000以下、例えば、ジエチレントリアミンの2〜20モルAO付加物、テトラエチレンペンタミンの2〜20モルAO付加物;
例えば脂肪族ポリオール[C2〜12のもの、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール];脂環式ポリオール[C5〜12のもの、例えば1,3−シクロペンタンジオール、1,4‐シクロヘキサンジオール];糖類[C6〜12のもの、例えばグルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖];並びに、これらポリオールのAO(C2〜4)付加物等が挙げられる。
本発明の鉱物繊維用水性バインダー(X)は、前記(共)重合体(A)、架橋剤(B)および水を含有してなる。(A)中のカルボキシル基に対する(B)中の1級アミノ基、2級アミノ基および水酸基の合計の当量比は、鉱物繊維の接着性および鉱物繊維積層体の復元性、耐加水分解性の観点から好ましくは0.2〜1.5、さらに好ましくは0.3〜1.0、とくに好ましくは0.4以上0.8未満である。
なお、以下において、各アミン価、水酸基価および酸価の単位はいずれもmgKOH/gで表される。
当量比=[(B)の水酸基価+(B)の1、2級アミン価]×[(B)の重量]
/〔[(A)の酸価]×[(A)の重量]〕
(B)の[1]全アミン価(全A)、[2]3級アミン価(3A)を後述の方法で測定し、下記の計算式より、1、2級アミン価(12A)を求める。
(12A)=(全A)−(3A)
但し、(12A):1、2級アミン価を表す。
(全A) :全アミン価を表す。
(3A) :3級アミン価を表す。
全アミン価とは、試料1g中に含まれる1級、2級および3級アミンを中和するのに要する塩酸と等当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTM D2074に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S1g)
(2)中性エタノール[ブロムクレゾールグリーン(BCG)中性]30mLを加え溶解
する。
(3)0.2モル/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f1)で滴定し、緑色から黄色に変
わった点を終点とする。(滴定量:A1mL)
(4)次式から全アミン価(全A)を算出する。
全アミン価 (全A)=A1×f1×0.2×56.108/S1
3級アミン価(3A)とは、試料1g中に含まれる3級アミンを中和するのに要する過塩素酸と等当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTM D2073に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S3g)
(2)無水酢酸/酢酸混合溶液(9/1)20mLを加えて溶解し、室温で3時間静置する。
(3)酢酸30mLを加えて、電位差滴定装置にて0.1モル/L過塩素酸/酢酸溶液(力価:f3)で滴定する。(滴定量:A3mL)
(4)上記と同様にして空試験を行う。(滴定量:B1mL)
(5)次式から3級アミン価(3A)を算出する。
3級アミン価(3A)=(A3−B1)×f3×0.1×56.108/S3
これらのうち硬化速度の観点から好ましいのはリン酸化合物およびその塩、チタンラクテート、ジルコニルアセート、さらに好ましいのはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アルキルホスフィン酸、およびそれらの塩と、チタンラクテート、ジルコニルアセート、とくに好ましいのは次亜リン酸の塩である。
(C1)の含有量は、硬化性および鉱物繊維の接着性の観点から(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.3〜15%、とくに好ましくは0.5〜10%である。
重質オイルとしては、C15〜120のパラフィンあるいはナフテンで構成されるものが挙げられる。
(C2)の含有量は、撥水性および鉱物繊維の接着性の観点から(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは0.3〜3%、とくに好ましくは0.5〜2%である。
(C3)の含有量は、鉱物繊維の接着性の観点から(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜2%、さらに好ましくは0.2〜1%である。
(C4)の含有量は、鉱物繊維積層体の耐加水分解性および鉱物繊維の接着性の観点から(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは1〜3%である。
本発明の鉱物繊維積層体は、鉱物繊維に前記水性バインダー(X)を付着させ、これを積層して積層物とした後、これを加熱、成形するか、あるいは、該鉱物繊維またはそのストランド(繊維束)を積層して積層物とし、これに前記水性バインダー(X)を散布し付着させて、これを加熱、成形することにより得られる。
水性バインダー(X)の該鉱物繊維またはその積層物への付着方法としては、例えばエアスプレー法またはエアレススプレー法、パッディング法、含浸法、ロール塗布法、カーテンコーティング法、ビーターデポジション法、凝固法等の公知の方法が挙げられる。
加熱温度は、該積層体の復元性および該積層体の着色抑制、工業上の観点から好ましくは100〜400℃、さらに好ましくは200〜350℃である。
加熱時間は、反応率および該積層体の着色抑制の観点から好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜45分である。
製造例1
オートクレーブに、水160部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部を仕込み、撹拌下窒素を通気してオートクレーブ内の窒素置換を行った(気相酸素濃度500ppm以下)。窒素を吹き込みながら、100℃に昇温した後、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液と、アクリル酸(a1−1)135部を別々に同時に3時間かけて滴下し、さらに100℃で2時間撹拌して重合させ、不揮発分が40%になるように水を加え、(共)重合体(A−1)の水溶液を得た。(A−1)はMw23,000、酸価770、カルボキシル基の数は200個であった。
製造例1において、水160部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、アクリル酸(a1−1)135部を、水170部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン2.9部、硫酸鉄0.0396部、アクリル酸(a1−1)132部、メチルメタクリレート(logPow:1.38)(b1−1)2.5部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−2)の水溶液を得た。(A−2)はMw40,000、酸価740、カルボキシル基の数は295個であった。
オートクレーブに、水230部、イソプロパノール120部を仕込み、撹拌下窒素を通気してオートクレーブ内の窒素置換を行った(気相酸素濃度500ppm以下)。窒素を吹き込みながら、80℃に昇温した後、過硫酸ナトリウム3.1部を水49部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)102部、ブチルアクリレート(logPow:2.88)(b1−2)65部を別々に同時に3時間かけて滴下し、さらに80℃で2時間撹拌して重合させた。窒素を吹き込みながら、88℃まで昇温し、イソプロパノールを留去させた後、圧力を15kPa以下、温度を50℃にしてイソプロパノールが0.5%以下になるまでさらにイソプロパノールを留去させ、不揮発分が40%になるように水を加え、(共)重合体(A−3)の水溶液を得た。(A−3)はMw30,000、酸価450、カルボキシル基の数は156個であった。
製造例3において、アクリル酸(a1−1)102部、ブチルアクリレート(b1−2)65部を、アクリル酸(a1−1)157部、スチレン(logPow:3.05)(b4−1)8.5部に変更したこと以外は製造例3と同様にして、(共)重合体(A−4)の水溶液を得た。(A−4)はMw45,000、酸価700、カルボキシル基の数は298個であった。
製造例1において、水160部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)135部を、水170部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン2.4部、硫酸鉄0.0226部、30重量%過酸化水素水4.92部を水25部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)108部、メタクリル酸(a1−2)26.2部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−5)の水溶液を得た。(A−5)はMw54,000、酸価650、カルボキシル基の数は310個であった。
製造例1において、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)135部を、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン5.1部、硫酸鉄0.0465部、30重量%過酸化水素水5.76部を水25部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)125部、メチルアクリレート(logPow:0.8)(b1−3)13.5部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−6)の水溶液を得た。(A−6)はMw18,000、酸価710、カルボキシル基の数は115個であった。
製造例1において、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液を、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン6.8部、硫酸鉄0.0547部、30重量%過酸化水素水5.76部を水20部に溶解した水溶液に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−7)の水溶液を得た。(A−7)はMw8,000、酸価760、カルボキシル基の数は85個であった。
製造例1において、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液を、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン7.2部、硫酸鉄0.0610部、30重量%過酸化水素水5.76部を水20部に溶解した水溶液に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−8)の水溶液を得た。(A−8)はMw5,500、酸価765、カルボキシル基の数は55個であった。
表1、2に示した配合組成(部)に従って水性バインダーを調製した。該バインダーを用いて下記の要領で鉱物繊維積層体の試験片を作成し、それぞれ後述の方法で評価した。
タテ×ヨコ×厚みが30cm×30cm×1cm、密度が0.025g/cm3のガラス繊維積層物を、離型処理したタテ×ヨコ×深さが30cm×30cm×5cmの平板金型内に載置した。次に、付着固形分量が該積層物の重量に対して15%相当量となる水性バインダーをエアスプレーを使用して該積層物に均一噴霧した。その後、230℃の循風乾燥機で45分間熱処理(乾燥、硬化)を行い、厚み約1cm、密度0.029g/cm3の積層体(S−1)を得た。同様にして積層体(S−1)を合計2個作成した。
タテ×ヨコ×厚みが30cm×30cm×1cm、密度が0.025gd/cm3のガラス繊維積層物を、離型処理したタテ×ヨコ×深さが30cm×30cm×5cmの平板金型内に載置した。次に、付着固形分量が該積層物の重量に対して15%相当量となる水性バインダーをエアスプレーを使用して該積層物に均一噴霧した。該積層物を5個作成し、前記平板金型内に厚さが約5cmとなるように積み重ねた。その後、230℃の循風乾燥機で45分間熱処理(乾燥、硬化)を行い、厚み約5cm、密度0.029g/cm3の積層体(S−2)を得た。同様にして積層体(S−2)を合計2個作成した。
前記得られた積層体(S−1)、(S−2)について、下記の方法に従って性能評価した。結果を表1、2に示す。
(1)鉱物繊維積層体の接着性(接着性試験)
積層体(S−1)から、長さ×幅×厚みが10cm×1.5cm×1cmの試験片を5個切り出した。これらをオートグラフ[型番「AGS−500D」、(株)島津製作所製]を用いてJIS R3420「ガラス繊維一般試験方法」の「7.4引張強さ」に準拠して引張強さを測定し、試験片5個の平均値を下記の基準で接着性を評価した。
<評価基準>
☆:500N/m2以上
◎:450N/m2以上500N/m2未満
○:400N/m2以上450N/m2未満
△:300N/m2以上400N/m2未満
×:300N/m2未満
積層体(S−2)から、長さ×幅×厚みが5cm×5cm×5cmの試験片5個を切り出した。各試験片の厚みをノギスを用いて0.1mmの単位まで測定した。該試験片を積層体の厚みが元の厚みの1/3になるまで全面圧縮した状態で、温度40℃、湿度50%の環境下で1日静置した。その後圧縮した状態を解除し、解除直後(5分後)の厚みを測定した。下記の式から復元割合(%)を求め、試験片5個の平均値を下記の基準で評価した。
復元割合(%)=(圧縮後の試験片の厚み/圧縮前の試験片の厚み)×100
<評価基準>
☆:復元割合が90%以上
◎:復元割合が85%以上90%未満
○:復元割合が80%以上85%未満
△:復元割合が75%以上80%未満
×:復元割合が75%未満
積層体(S−1)、(S−2)を60℃、80%RHの恒温恒湿機内に7日間静置した。その後取り出し、25℃、45%RHで1日間乾燥した。乾燥後の積層体について前記(1)、(2)と同様に、接着性および復元性を評価した。
Claims (9)
- 少なくとも2個のカルボキシル基を有する(共)重合体(A)、水酸基1個と1級アミノ基1個を有する炭素数3〜6のモノアルカノールアミン(B1)を含有する架橋剤(B)、並びに水を含有してなり、前記(A)中のカルボキシル基に対する(B)中の1級アミノ基、2級アミノ基および水酸基の合計の当量比が0.2〜1.5である鉱物繊維用水性バインダー(X)。
- (B)中の(B1)の含有量が30〜100重量%である請求項1記載の水性バインダー。
- (A)が、1個の不飽和基を有するカルボン酸(無水物)(a)、または(a)および0.7〜5.0のオクタノール/水分配係数(logPow)を有する、(a)以外の1個の不飽和基を有する不飽和モノマー(b)を構成単位とする(共)重合体である請求項1または2記載の水性バインダー。
- (a)と(b)の重量比が60/40〜99.9/0.1である請求項3記載の水性バインダー。
- 請求項1〜4のいずれか記載の水性バインダーを付着させた鉱物繊維積層物を加熱、成形してなる鉱物繊維積層体。
- 水性バインダーの固形分付着量が、鉱物繊維積層物の重量に基づいて0.4〜40%である請求項5記載の積層体。
- 復元性試験における復元割合が80%以上である請求項5または6記載の鉱物繊維積層体。
- 断熱材、保温材または吸音材用である請求項5〜7のいずれか記載の積層体。
- 請求項1〜4のいずれか記載の水性バインダーを付着させた鉱物繊維積層物を加熱、成形することを特徴とする鉱物繊維積層体の製造方法。
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2013
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