JP6157950B2 - 鉱物繊維用水性バインダー - Google Patents

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本発明は鉱物繊維用水性バインダーに関する。より詳細には、耐熱性積層体用材料のガラス繊維等の鉱物繊維の接着性に優れ、ホルムアルデヒドを含有しない水性バインダー、およびそれを用いた鉱物繊維積層体に関する。
従来、耐熱性を有する鉱物繊維積層体は、グラスウール、ロックウール等の鉱物繊維から構成され、バインダーを付着させた該鉱物繊維を機械的手段でマット状等に成形して、製造され、建築物や各種装置の断熱材等として幅広く使用されている。該バインダーとしては、従来からフェノール化合物とホルムアルデヒドとの縮合物であるフェノール樹脂からなる水性バインダーが多く使用されてきたが、該バインダーは通常ホルムアルデヒドを含有し、これを用いた積層体からはホルムアルデヒドが環境中に放出されるという問題があることから、ホルムアルデヒドを含有しない改良バインダーが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特表平10−509485号公報 特表2000−506940号公報
しかしながら、上記特許文献1のバインダーは、カルボキシ官能モノマーとヒドロキシ官能モノマーとのコポリマーおよびリン含有酸のアルカリ金属塩触媒からなるものであるが、バインダーの耐加水分解性が劣り、バインダーで接着してなるガラス繊維マットの後述する復元性(ガラス繊維マットを圧縮した後の該マットの厚み等が元の状態にもどる性質)にも難があるという問題がある。
また、上記特許文献2のバインダーは、エチレン性不飽和ジカルボン酸からなるポリマーと、少なくとも2つのヒドロキシル基を有するアルカノールアミン、リン含有反応促進剤からなるものであるが、硬化後のバインダーの耐加水分解性が劣り、復元性にも難があるという問題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、耐熱性積層体用材料のガラス繊維等の鉱物繊維の接着性に優れ、耐加水分解性、復元性に優れた鉱物繊維積層体を与える水性バインダーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明は、少なくとも2個のカルボキシル基を有する(共)重合体(A)、水酸基1個と1級アミノ基1個を有する炭素数3〜6のモノアルカノールアミン(B1)を含有する架橋剤(B)、並びに水を含有してなる鉱物繊維用水性バインダー(X)である。
本発明の鉱物繊維用水性バインダー(X)は、下記の効果を奏する。
(1)鉱物繊維の接着性に優れる。
(2)該バインダーで接着してなる鉱物繊維積層体は、耐加水分解性に優れる。
(3)該鉱物繊維積層体は圧縮に対する復元性に優れる。
[(共)重合体(A)]
本発明における(共)重合体(A)は、少なくとも2個のカルボキシル基を有する。ここにおいて、該カルボキシル基には、加水分解によりカルボキシル基を生じる酸無水物基由来の潜在性カルボキシル基も含まれるものとする。
(A)は、カルボキシル基もしくは酸無水物基を有し、かつ1個の不飽和基を有するカルボン酸(無水物)(a)を含有する不飽和モノマーを付加重合させることにより得られる。(a)としては、重合性不飽和基を1個有する、1〜2価および3価またはそれ以上のカルボン酸、およびそれらの混合物が挙げられる。
(a)のうち、カルボキシル基を有する不飽和カルボン酸(a1)としては、炭素数(以下Cと略記)3〜20の不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸(アクリル酸および/またはメタアクリル酸を意味する。以下同じ)、クロトン酸、桂皮酸、ビニル安息香酸、3−メチル−3−ブテン酸、3−ペンテン酸、4−および5−ヘキセン酸、ビニル酢酸等]、不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(C1〜8)エステル(C5〜16、例えばマレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル)、水酸基を有する不飽和ジカルボン酸モノエステル(C5〜20、例えばマレイン酸のジエチレングリコールモノエステル、フマル酸のジエチレングリコールモノエステル、イタコン酸ジエチレングリコールモノエステル)等];C4〜20(好ましくはC4〜16)の不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等];3価またはそれ以上の、C5〜20の不飽和多価カルボン酸(例えばアコニット酸等)等が挙げられる。
(a)のうち、酸無水物基を有する不飽和基カルボン酸無水物(a2)としては、(a1)における不飽和多価カルボン酸の無水物、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸が挙げられる。
上記(a1)、(a2)のうち、バインダーの硬化速度の観点から好ましいのは(a1)、さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸、とくに好ましいのはアクリル酸である。
(A)を構成するモノマーとしては、(a)以外の不飽和モノマーのうち、オクタノール/水分配係数が0.7〜5.0の1個の不飽和基を有する不飽和モノマー(b)および/または(a)、(b)以外の不飽和モノマー(x)を、さらに加えてもよい。
ここにおいて、該オクタノール/水分配係数(logPow)は、JIS Z7260−107(2000)に記載のフラスコ振とう法により求めることができる。該係数は、対象とする物質が、オクタノール相と水相の接した系中で平衡状態にある場合において、各相における濃度の比の常用対数で示され、該対象物質の疎水性の指標となるものである。該係数が大であるほど疎水性が大であることを示す。
(b)のオクタノール/水分配係数(logPow)は、0.7〜5.0であり、後述の鉱物繊維積層体の耐加水分解性および鉱物繊維の接着性の観点から、好ましくは1.0〜4.5、さらに好ましくは1.35〜4.0である。(b)としては、下記のもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
(b1)(メタ)アクリレート
C4〜30のもの、例えばアルキル(C1〜18)(メタ)アクリレートおよびアルコキシ(C1〜4)アルキル(C1〜18)(メタ)アクリレート;
(b2)(メタ)アクリルアミド化合物
C4〜18のもの、例えば、N−アルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N−アルケニル(C2〜5)(メタ)アクリルアミド、アルコキシ(C1〜4)アルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、アミノアルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜5)アミノアルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(C1〜5)アミノアルキル(C1〜5)(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド;
(b3)ビニルエーテル
C6〜30のもの、例えばビニルアルキル(C4〜20)エーテル;
(b4)不飽和炭化水素
脂肪族(C2〜30のもの、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、イソプレン、)、芳香族(C8〜30のもの、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン)、脂環含有(C8〜30のもの、例えばビニルシクロヘキサン);
(b5)ビニルエステル
C4〜30のもの、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル。
上記(b)は1種単独使用でも、2種以上の併用でもいずれでもよい。
上記(b)のうち、鉱物繊維の接着性、鉱物繊維積層体の耐加水分解性、および共重合性の観点から好ましいのは、(b1)、(b4)、(b5)、さらに好ましいのは(b1)、とくに好ましいのはアルキル(C2〜4)アクリレート、アルキル(C1〜4)メタクリレート、最も好ましいのはアルキル(C1〜4)メタクリレートである。
(A)は、上記(a)、(b)のモノマー以外の不飽和モノマー(x)をさらに構成単位とする(共)重合体としてもよい。
不飽和モノマー(x)としては、ヒドロキシアルキル(C1〜5)(メタ)クリレート、(メタ)アクリルアミド、アリルアミン、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
(A)を構成する不飽和モノマーに(a)以外を含有する場合、各モノマーの含有量(重量%)は、(a)は、接着性および耐加水分解性の観点から好ましくは60〜99.9%、さらに好ましくは80〜99.5%;(b)は、耐加水分解性および接着性の観点から好ましくは0.1〜40%、さらに好ましくは0.5〜20%;(x)は、生産性および接着性の観点から好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0.1〜5%である。
(a)と(b)の重量比は、後述の鉱物繊維の接着性および鉱物繊維積層体の耐加水分解性の観点から、好ましくは60/40〜99.9/0.1、さらに好ましくは80/20〜99.5/0.5、とくに好ましくは90/10〜99/1である。
(A)の重量平均分子量[以下Mwと略記。測定は後述のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]は、鉱物繊維の接着性および水性バインダーのハンドリング性の観点から好ましくは500〜200,000、さらに好ましくは1,000〜150,000、とくに好ましくは5,000〜80,000、最も好ましくは7,000〜60,000である。
本発明におけるMwのGPC測定条件は下記のとおりである。
<GPC測定条件>
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
[型番「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製]
[2]カラム :「TSKgel G6000PWxl」、「TSKgel
G3000PWxl」[いずれも東ソー(株)製]を直列に連結。
[3]溶離液 :メタノール/水=30/70(容量比)に
0.5重量%の酢酸ナトリウムを溶解させたもの。
[4]基準物質:ポリエチレングリコール(以下PEGと略記)
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
(A)中のカルボキシル基の数は、少なくとも2個、好ましくは3〜2,000、さらに好ましくは5〜1,000、とくに好ましくは10〜700である。カルボキシル基の数が2未満では鉱物繊維の接着性が悪くなる。
なお、該カルボキシル基の数は、前記GPC法による(A)の数平均分子量(Mn)と後述の(A)の酸価から、(A)の1分子当たりのカルボキシル基の平均数(以下カルボキシル基の数と略記)として算出できる。
(共)重合体(A)は、公知の溶液重合法で製造することができ、生産性の観点から好ましいのは水溶液重合法である。
有機溶剤を使用する場合は、重合後脱溶剤して水に溶解させても、脱溶剤せずにそのまま用いてもいずれでもよい。該有機溶剤としては、水性溶剤(25℃での水への溶解度が10g以上/100g水)、例えばメチルエチルケトン(以下MEKと略記)、アルコール(エタノール、イソプロパノール等)等が挙げられ、生産性の観点から好ましいのはMEKである。
該(A)は、通常溶液(工業上の観点から好ましいのは水溶液)として得られ、溶液中の(A)の含有量(重量%)は、生産性および後工程の水性バインダー製造時のハンドリング性の観点から好ましくは5〜80%、さらに好ましくは10〜70%、とくに好ましくは20〜60%である。
(A)製造時の重合温度は、生産性および(A)の分子量制御の観点から好ましくは0〜200℃、さらに好ましくは40〜150℃である。
重合時間は、製品中の残存モノマー含量の低減および生産性の観点から好ましくは1〜10時間、さらに好ましくは2〜8時間である。
重合反応の終点は残存モノマー量で確認できる。残存モノマー量は、バインダーの鉱物繊維に対する接着性の観点から、(A)の重量に基づいて好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下である。残存モノマー量はガスクロマトグラフィー法により測定できる。
[架橋剤(B)]
本発明における架橋剤(B)は、水酸基1個と1級アミノ基1個を有する炭素数3〜6のモノアルカノールアミン(B1)を含有してなる。(B1)が炭素数2以下では取り扱い上の安全性に問題があり、7以上では鉱物繊維の接着性および鉱物繊維積層体の復元性が悪くなる。
(B1)が水酸基2個以上では、鉱物繊維積層体の耐加水分解性が悪くなり、(B1)が1級アミノ基2個以上では、接着性が悪くなる。
(B1)としては、例えばn−プロパノールアミン(3−アミノ−1−プロパノール)、i−プロパノールアミン(イソプロパノールアミン)、2−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、1−アミノ−2−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、4−アミノシクロヘキサノールおよびこれらの2種またはそれ以上の混合物が挙げられる。(B1)のうち、鉱物繊維の接着性、鉱物繊維積層体の復元性の観点から、好ましいのはC3のもの、さらに好ましいのはi−プロパノールアミン(イソプロパノールアミン)である。
架橋剤(B)には必要により、本発明の効果を阻害しない範囲で、水酸基を有しないアミン化合物(B2)、前記(B1)以外の水酸基を1個有するアミン化合物(B3)、水酸基を2個〜3個またはそれ以上有する化合物(B4)およびこれらの混合物を含有させてもよい。
水酸基を有しないアミン化合物(B2)としては、C2以上かつ数平均分子量(以下Mnと略記。測定は前記GPC法による)2,000以下のポリ(2価〜6価またはそれ以上)アミン、脂肪族ポリアミン(B21)、脂環含有ポリアミン(B22)、複素環含有ポリアミン(B23)、芳香環含有ポリアミン(B24)およびポリアミドポリアミン(B25)が挙げられる。
脂肪族ポリアミン(B21)としては、C2〜6のアルキレンジアミン(C2〜10、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン)、ポリアルキレン(C2〜6)ポリアミン[C4〜10、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン]、およびこれらのアルキル(C1〜4)置換体〔例えば、ジアルキル(C1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン〕等;
脂環含有ポリアミン(B22)としては、C5〜20、例えば1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが挙げられる。
複素環含有ポリアミン(B23)としては、C4〜20、例えばピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンが挙げられる。
芳香環含有ポリアミン(B24)としては、非置換芳香族ポリアミン[C6〜30、例えば、1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)]、核置換アルキル基〔メチル、エチル、n−およびi−プロピル、ブチル等のC1〜C4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミン[C7〜30、例えば、2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン]、2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン[C7〜30、例えば、4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン]、芳香脂肪族ポリアミン[C6〜14、例えば、キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン]等が挙げられる。
ポリアミドポリアミン(B25)としては、ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰(アミノ基/カルボキシル基の当量比が2以上)のポリアミン(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量(Mn100〜1,000)ポリアミドポリアミンが挙げられる。
(B3)水酸基を1個有するアミン化合物[(B1)以外のもの]としては、前記(B1)以外のモノアルカノールアミン(C7〜15、例えば7−アミノ−1−ヘプタノール)、前記(B2)のアルキレンオキサイド(以下AOと略記)(C2〜4)1モル付加物、1級アミノ基および2級アミノ基を有するもの[2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール等]等が挙げられる。
(B4)2個〜3個またはそれ以上の水酸基を有する化合物としては、C4以上かつMn1,000以下のもの、例えば(B41)〜(B44)が挙げられる。
(B41)ジアルカノールアミン
C4〜10、例えば、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン;
(B42)トリアルカノールアミン
C6〜15、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン;
(B43)前記(B2)のAO付加物(付加モル数は2〜20モル)
C6以上かつMn1,000以下、例えば、ジエチレントリアミンの2〜20モルAO付加物、テトラエチレンペンタミンの2〜20モルAO付加物;
(B44)C2以上かつMn1,000以下のポリ(2価〜3価またはそれ以上)オール
例えば脂肪族ポリオール[C2〜12のもの、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール];脂環式ポリオール[C5〜12のもの、例えば1,3−シクロペンタンジオール、1,4‐シクロヘキサンジオール];糖類[C6〜12のもの、例えばグルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖];並びに、これらポリオールのAO(C2〜4)付加物等が挙げられる。
(B)中の(B1)の含有量は、鉱物繊維積層体の復元性、耐加水分解性および鉱物繊維の接着性の観点から好ましくは30〜100重量%、さらに好ましくは65〜100重量%、とくに好ましくは80〜100重量%である。
[鉱物繊維用水性バインダー(X)]
本発明の鉱物繊維用水性バインダー(X)は、前記(共)重合体(A)、架橋剤(B)および水を含有してなる。(A)中のカルボキシル基に対する(B)中の1級アミノ基、2級アミノ基および水酸基の合計の当量比は、鉱物繊維の接着性および鉱物繊維積層体の復元性、耐加水分解性の観点から好ましくは0.2〜1.5、さらに好ましくは0.3〜1.0、とくに好ましくは0.4以上0.8未満である。
該当量比は、(B)の1、2級アミン価を後述の測定方法で、また、(B)の水酸基価および(A)の酸価をJIS K0070「化学製品の酸価、水酸基の試験方法」に準拠して測定した結果から下記の計算式を用いて求めることができる。
なお、以下において、各アミン価、水酸基価および酸価の単位はいずれもmgKOH/gで表される。

当量比=[(B)の水酸基価+(B)の1、2級アミン価]×[(B)の重量]
/〔[(A)の酸価]×[(A)の重量]〕
<(B)の1、2級アミン価測定方法>
(B)の[1]全アミン価(全A)、[2]3級アミン価(3A)を後述の方法で測定し、下記の計算式より、1、2級アミン価(12A)を求める。

(12A)=(全A)−(3A)

但し、(12A):1、2級アミン価を表す。
(全A) :全アミン価を表す。
(3A) :3級アミン価を表す。
[1]全アミン価(全A)測定方法
全アミン価とは、試料1g中に含まれる1級、2級および3級アミンを中和するのに要する塩酸と等当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTM D2074に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S1g)
(2)中性エタノール[ブロムクレゾールグリーン(BCG)中性]30mLを加え溶解
する。
(3)0.2モル/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f1)で滴定し、緑色から黄色に変
わった点を終点とする。(滴定量:A1mL)
(4)次式から全アミン価(全A)を算出する。

全アミン価 (全A)=A1×f1×0.2×56.108/S1
[2]3級アミン価(3A)測定方法
3級アミン価(3A)とは、試料1g中に含まれる3級アミンを中和するのに要する過塩素酸と等当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTM D2073に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S3g)
(2)無水酢酸/酢酸混合溶液(9/1)20mLを加えて溶解し、室温で3時間静置する。
(3)酢酸30mLを加えて、電位差滴定装置にて0.1モル/L過塩素酸/酢酸溶液(力価:f3)で滴定する。(滴定量:A3mL)
(4)上記と同様にして空試験を行う。(滴定量:B1mL)
(5)次式から3級アミン価(3A)を算出する。

3級アミン価(3A)=(A3−B1)×f3×0.1×56.108/S3
本発明の水性バインダー(X)中の(A)と(B)の合計含有量は、後述する鉱物繊維積層体の生産性および水性バインダー(X)の均一散布性の観点から好ましくは2〜80重量%、さらに好ましくは4〜70重量%、とくに好ましくは6〜50重量%である。
本発明の水性バインダー(X)には、前記(A)、(B)および水の他に、さらに必要により硬化促進剤(C1)、撥水剤(C2)、シランカップリング剤(C3)および中和剤(C4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤(C)を含有させてもよい。
硬化促進剤(C1)としては、プロトン酸[リン酸化合物(リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アルキルホスフィン酸等)、カルボン酸、炭酸等]、およびその塩[金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、2B族、4A族、4B族、5B族等)塩等]、金属(上記のもの)の、酸化物、塩化物、水酸化物およびアルコキシド、チタンラクテート、ジルコニルアセテート等の水溶性有機金属化合物等が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上併用してもいずれでもよい。
これらのうち硬化速度の観点から好ましいのはリン酸化合物およびその塩、チタンラクテート、ジルコニルアセート、さらに好ましいのはリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アルキルホスフィン酸、およびそれらの塩と、チタンラクテート、ジルコニルアセート、とくに好ましいのは次亜リン酸の塩である。
(C1)の含有量は、硬化性および鉱物繊維の接着性の観点から(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜20%、さらに好ましくは0.3〜15%、とくに好ましくは0.5〜10%である。
撥水剤(C2)としては、ワックスおよび重質オイルが挙げられる。ワックスとしては、動物由来ワックス[蜜ろう、ラノリンワックス、セラックワックス等]、植物由来ワックス[カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス等]、鉱物由来ワックス[モンタンワックス、オゾケライト等]、石油由来ワックス[パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等]、合成ワックス[フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリカーボネートワックス、やし油脂肪酸エステル、牛脂脂肪酸エステル、ステアリン酸アミド、ジへプタデシルケトン、硬化ひまし油等]が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上併用してもいずれでもよい。
重質オイルとしては、C15〜120のパラフィンあるいはナフテンで構成されるものが挙げられる。
これらのうち撥水性の観点から好ましいのはパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、とくに好ましいのはパラフィンワックスである。
(C2)の含有量は、撥水性および鉱物繊維の接着性の観点から(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは0.3〜3%、とくに好ましくは0.5〜2%である。
シランカップリング剤(C3)としては、アミノシランカップリング剤[γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等]、エポキシシランカップリング剤[γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等]が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上併用してもいずれでもよい。
(C3)の含有量は、鉱物繊維の接着性の観点から(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜2%、さらに好ましくは0.2〜1%である。
中和剤(C4)は、鉱物繊維から溶出するアルカリ成分を中和するために用いられる。(C4)としては、無機酸のアンモニウム塩[硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、亜硫酸アンモニム、リン酸アンモニウム、亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、チオ硫酸アンモニウム、次亜硫酸アンモニウム、塩素酸塩アンモニウム、ペルオキソ二硫酸二アンモニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム等]が挙げられ、これらは単独使用でも2種類以上併用してもいずれでもよい。
(C4)の含有量は、鉱物繊維積層体の耐加水分解性および鉱物繊維の接着性の観点から(A)と(B)の合計重量に基づいて、好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは1〜3%である。
本発明の水性バインダー(X)の製造方法としては、(共)重合体(A)、架橋剤(B)、水、および必要により加えられる添加剤(C)を混合、分散できる方法であればとくに限定されることはない。混合時間は通常30分〜3時間であり、水性バインダー(X)の均一混合は目視で確認することができる。
本発明の水性バインダー(X)は、従来の、フェノール化合物とホルムアルデヒドとの縮合物であるフェノール樹脂からなるものではないことから、ホルムアルデヒドは含有しない。また、該水性バインダー(X)は、後述の方法で評価される鉱物繊維の接着性、鉱物繊維積層体の耐加水分解性および復元性において極めて優れている。
本発明の水性バインダー(X)は、耐熱性積層体材料である鉱物繊維用のバインダーとして好適に用いられる。鉱物繊維としては、ガラス繊維、スラグ繊維、岩綿、石綿、金属繊維等が挙げられる。
[鉱物繊維積層体]
本発明の鉱物繊維積層体は、鉱物繊維に前記水性バインダー(X)を付着させ、これを積層して積層物とした後、これを加熱、成形するか、あるいは、該鉱物繊維またはそのストランド(繊維束)を積層して積層物とし、これに前記水性バインダー(X)を散布し付着させて、これを加熱、成形することにより得られる。
水性バインダー(X)の該鉱物繊維またはその積層物への付着方法としては、例えばエアスプレー法またはエアレススプレー法、パッディング法、含浸法、ロール塗布法、カーテンコーティング法、ビーターデポジション法、凝固法等の公知の方法が挙げられる。
鉱物繊維積層体を構成する鉱物繊維(鉱物繊維積層物)の重量に基づく水性バインダー(X)の付着量(固形分)は、鉱物繊維の接着性、積層体表面の平滑性および積層体の柔軟性、圧縮に対する復元性の観点から好ましくは0.4〜40%、さらに好ましくは1〜20%、とくに好ましくは2〜15%である。
本発明の鉱物繊維積層体の製造に際して、水性バインダー(X)は、通常、鉱物繊維に適当量付着させた後、加熱、乾燥して硬化させる。
加熱温度は、該積層体の復元性および該積層体の着色抑制、工業上の観点から好ましくは100〜400℃、さらに好ましくは200〜350℃である。
加熱時間は、反応率および該積層体の着色抑制の観点から好ましくは2〜90分、さらに好ましくは5〜45分である。
本発明の水性バインダー(X)は、(A)中のカルボキシル基(酸無水物基を含む)が、(B)中の1級アミノ基と迅速に反応し、さらに(B)中の水酸基等と反応することで架橋硬化し、強固な硬化物となるとともに、鉱物繊維間を接着する優れたバインダーの機能を発揮することができる。
本発明の鉱物繊維積層体は、圧縮に対する復元性に優れる。該復元性は後述の復元性試験で評価することができ、本発明の鉱物繊維積層体の復元性試験における復元割合は、該積層体の機能(断熱性、保温性、吸音性等)維持の観点から好ましくは80%以上、さらに好ましくは85%以上、とくに好ましくは90%以上である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
[(共)重合体(A)の製造]
製造例1
オートクレーブに、水160部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部を仕込み、撹拌下窒素を通気してオートクレーブ内の窒素置換を行った(気相酸素濃度500ppm以下)。窒素を吹き込みながら、100℃に昇温した後、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液と、アクリル酸(a1−1)135部を別々に同時に3時間かけて滴下し、さらに100℃で2時間撹拌して重合させ、不揮発分が40%になるように水を加え、(共)重合体(A−1)の水溶液を得た。(A−1)はMw23,000、酸価770、カルボキシル基の数は200個であった。
製造例2
製造例1において、水160部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、アクリル酸(a1−1)135部を、水170部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン2.9部、硫酸鉄0.0396部、アクリル酸(a1−1)132部、メチルメタクリレート(logPow:1.38)(b1−1)2.5部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−2)の水溶液を得た。(A−2)はMw40,000、酸価740、カルボキシル基の数は295個であった。
製造例3
オートクレーブに、水230部、イソプロパノール120部を仕込み、撹拌下窒素を通気してオートクレーブ内の窒素置換を行った(気相酸素濃度500ppm以下)。窒素を吹き込みながら、80℃に昇温した後、過硫酸ナトリウム3.1部を水49部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)102部、ブチルアクリレート(logPow:2.88)(b1−2)65部を別々に同時に3時間かけて滴下し、さらに80℃で2時間撹拌して重合させた。窒素を吹き込みながら、88℃まで昇温し、イソプロパノールを留去させた後、圧力を15kPa以下、温度を50℃にしてイソプロパノールが0.5%以下になるまでさらにイソプロパノールを留去させ、不揮発分が40%になるように水を加え、(共)重合体(A−3)の水溶液を得た。(A−3)はMw30,000、酸価450、カルボキシル基の数は156個であった。
製造例4
製造例3において、アクリル酸(a1−1)102部、ブチルアクリレート(b1−2)65部を、アクリル酸(a1−1)157部、スチレン(logPow:3.05)(b4−1)8.5部に変更したこと以外は製造例3と同様にして、(共)重合体(A−4)の水溶液を得た。(A−4)はMw45,000、酸価700、カルボキシル基の数は298個であった。
製造例5
製造例1において、水160部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)135部を、水170部、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン2.4部、硫酸鉄0.0226部、30重量%過酸化水素水4.92部を水25部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)108部、メタクリル酸(a1−2)26.2部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−5)の水溶液を得た。(A−5)はMw54,000、酸価650、カルボキシル基の数は310個であった。
製造例6
製造例1において、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)135部を、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン5.1部、硫酸鉄0.0465部、30重量%過酸化水素水5.76部を水25部に溶解した水溶液、アクリル酸(a1−1)125部、メチルアクリレート(logPow:0.8)(b1−3)13.5部に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−6)の水溶液を得た。(A−6)はMw18,000、酸価710、カルボキシル基の数は115個であった。
製造例7
製造例1において、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液を、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン6.8部、硫酸鉄0.0547部、30重量%過酸化水素水5.76部を水20部に溶解した水溶液に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−7)の水溶液を得た。(A−7)はMw8,000、酸価760、カルボキシル基の数は85個であった。
製造例8
製造例1において、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン4.7部、硫酸鉄0.0421部、30重量%過酸化水素水溶液5.76部を水23部に溶解した水溶液を、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン7.2部、硫酸鉄0.0610部、30重量%過酸化水素水5.76部を水20部に溶解した水溶液に変更したこと以外は製造例1と同様にして、(共)重合体(A−8)の水溶液を得た。(A−8)はMw5,500、酸価765、カルボキシル基の数は55個であった。
実施例1〜22、比較例1〜4
表1、2に示した配合組成(部)に従って水性バインダーを調製した。該バインダーを用いて下記の要領で鉱物繊維積層体の試験片を作成し、それぞれ後述の方法で評価した。
<接着性試験用鉱物繊維積層体(S−1)の作成>
タテ×ヨコ×厚みが30cm×30cm×1cm、密度が0.025g/cm3のガラス繊維積層物を、離型処理したタテ×ヨコ×深さが30cm×30cm×5cmの平板金型内に載置した。次に、付着固形分量が該積層物の重量に対して15%相当量となる水性バインダーをエアスプレーを使用して該積層物に均一噴霧した。その後、230℃の循風乾燥機で45分間熱処理(乾燥、硬化)を行い、厚み約1cm、密度0.029g/cm3の積層体(S−1)を得た。同様にして積層体(S−1)を合計2個作成した。
<復元性試験用鉱物繊維積層体(S−2)の作成>
タテ×ヨコ×厚みが30cm×30cm×1cm、密度が0.025gd/cm3のガラス繊維積層物を、離型処理したタテ×ヨコ×深さが30cm×30cm×5cmの平板金型内に載置した。次に、付着固形分量が該積層物の重量に対して15%相当量となる水性バインダーをエアスプレーを使用して該積層物に均一噴霧した。該積層物を5個作成し、前記平板金型内に厚さが約5cmとなるように積み重ねた。その後、230℃の循風乾燥機で45分間熱処理(乾燥、硬化)を行い、厚み約5cm、密度0.029g/cm3の積層体(S−2)を得た。同様にして積層体(S−2)を合計2個作成した。
<鉱物繊維積層体の評価方法>
前記得られた積層体(S−1)、(S−2)について、下記の方法に従って性能評価した。結果を表1、2に示す。
(1)鉱物繊維積層体の接着性(接着性試験)
積層体(S−1)から、長さ×幅×厚みが10cm×1.5cm×1cmの試験片を5個切り出した。これらをオートグラフ[型番「AGS−500D」、(株)島津製作所製]を用いてJIS R3420「ガラス繊維一般試験方法」の「7.4引張強さ」に準拠して引張強さを測定し、試験片5個の平均値を下記の基準で接着性を評価した。
<評価基準>
☆:500N/m2以上
◎:450N/m2以上500N/m2未満
○:400N/m2以上450N/m2未満
△:300N/m2以上400N/m2未満
×:300N/m2未満
(2)鉱物繊維積層体の圧縮後の復元性(復元性試験)
積層体(S−2)から、長さ×幅×厚みが5cm×5cm×5cmの試験片5個を切り出した。各試験片の厚みをノギスを用いて0.1mmの単位まで測定した。該試験片を積層体の厚みが元の厚みの1/3になるまで全面圧縮した状態で、温度40℃、湿度50%の環境下で1日静置した。その後圧縮した状態を解除し、解除直後(5分後)の厚みを測定した。下記の式から復元割合(%)を求め、試験片5個の平均値を下記の基準で評価した。

復元割合(%)=(圧縮後の試験片の厚み/圧縮前の試験片の厚み)×100

<評価基準>
☆:復元割合が90%以上
◎:復元割合が85%以上90%未満
○:復元割合が80%以上85%未満
△:復元割合が75%以上80%未満
×:復元割合が75%未満
(3)耐加水分解性試験
積層体(S−1)、(S−2)を60℃、80%RHの恒温恒湿機内に7日間静置した。その後取り出し、25℃、45%RHで1日間乾燥した。乾燥後の積層体について前記(1)、(2)と同様に、接着性および復元性を評価した。
Figure 0006157950
Figure 0006157950
表1、2から、本発明の鉱物繊維用水性バインダーを用いて成形した鉱物繊維積層体は、比較例に比べて、鉱物繊維の接着性、該積層体の圧縮後の復元性に優れ、さらに耐加水分解性試験後の接着性、圧縮後の復元性にも優れていることがわかる。
本発明の鉱物繊維用水性バインダー(X)は、耐熱性積層体材料である鉱物繊維(ガラス繊維等)を接着するのに好適であり、該水性バインダーを用いて成形した鉱物繊維積層体は、建築物や各種装置の断熱材、保温材および吸音材等として幅広い分野に適用できることから、極めて有用である。

Claims (9)

  1. 少なくとも2個のカルボキシル基を有する(共)重合体(A)、水酸基1個と1級アミノ基1個を有する炭素数3〜6のモノアルカノールアミン(B1)を含有する架橋剤(B)、並びに水を含有してなり、前記(A)中のカルボキシル基に対する(B)中の1級アミノ基、2級アミノ基および水酸基の合計の当量比が0.2〜1.5である鉱物繊維用水性バインダー(X)。
  2. (B)中の(B1)の含有量が30〜100重量%である請求項1記載の水性バインダー。
  3. (A)が、1個の不飽和基を有するカルボン酸(無水物)(a)、または(a)および0.7〜5.0のオクタノール/水分配係数(logPow)を有する、(a)以外の1個の不飽和基を有する不飽和モノマー(b)を構成単位とする(共)重合体である請求項1または2記載の水性バインダー。
  4. (a)と(b)の重量比が60/40〜99.9/0.1である請求項3記載の水性バインダー。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の水性バインダーを付着させた鉱物繊維積層物を加熱、成形してなる鉱物繊維積層体。
  6. 水性バインダーの固形分付着量が、鉱物繊維積層物の重量に基づいて0.4〜40%である請求項5記載の積層体。
  7. 復元性試験における復元割合が80%以上である請求項5または6記載の鉱物繊維積層体。
  8. 断熱材、保温材または吸音材用である請求項5〜7のいずれか記載の積層体。
  9. 請求項1〜4のいずれか記載の水性バインダーを付着させた鉱物繊維積層物を加熱、成形することを特徴とする鉱物繊維積層体の製造方法。
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