JP6921701B2 - 地盤調査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地震波増幅地盤などの地盤の状況を調査する地盤調査方法に関するものである。
地盤上に住宅などの建物を建てる際には、建物の重量を支持できるだけの地耐力(支持力)があるか否かを調査することに加えて、地震によって被害を受ける地盤でないかどうかを調査することが望ましい。
例えば,特許文献1,2には、レイリー波などの表面波を利用した表面波探査による地盤解析方法が開示されている。この表面波探査による地盤解析方法では、起振機によって地盤に加えられた振動を離れた位置に配置された複数の検出器で検出させることによって、地盤の強度や地層構造などを解析する。
また、特許文献3には、地震基盤の加速度応答スペクトルと表層地盤の増幅率を求めて、その結果に基づいて求められた固有周期(卓越周期)を使用して建築物の耐震設計を行う方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、軟弱地盤及び液状化地盤の検討とあわせて、従来から住宅などの地盤調査で用いられるスウェーデン式サウンディング試験を含めた各試験工程と、各判定工程とを最適化し、より精度の高い地盤の調査結果を導くことが可能となる地盤調査方法が開示されている。
特開2005−127760号公報 特開平9−178863号公報 特開2011−80905号公報 特開2017−61797号公報
しかしながら、表層地盤増幅率を求めるための地盤定数は、一般に住宅を対象とした軟弱地盤や液状化地盤の検討を行う場合よりも比較的硬質な層を含めて対象とする必要がある。特許文献1,2に開示されている表面波探査試験や貫入試験を、すべての地盤で当該層まで行った上で事務所に持ち帰り、表層地盤の増幅率を求めることとなると、地盤調査の費用と期間が増加することになる。そして、このような地盤調査は、支持力の補強や地震による揺れ低減対策の必要のない地盤に住宅を建てる場合には、負担が増えるだけでメリットがない。
そこで、本発明は、必要最低限の地盤調査によって地震の揺れ低減対策の要否を判定することが可能な地盤調査方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の地盤調査方法は、地盤の状況を調査する地盤調査方法であって、硬質地盤に至るまでの深さと表層地盤の剛性に関する地盤定数の値との関係に基づいて前記表層地盤の地震動の増幅に関する値が算出された判定データベースを予め準備する工程と、調査対象地盤において前記硬質地盤に至るまでの深さと表層地盤の剛性に関する地盤定数の値とを地盤調査によって取得する工程と、前記地盤調査によって得られた結果と前記判定データベースとによって、前記調査対象地盤の揺れ低減対策の要否を判定する工程とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記判定データベースは、地盤改良が施された地盤のデータを含むのが好ましい。また、前記地盤改良は、浅層地盤改良及び深層地盤改良の少なくとも一方とすることができる。
また、前記表層地盤の剛性に関する地盤定数の値は、平均S波速度であることが好ましい。さらに、前記表層地盤の地震動の増幅に関する値は、表層地盤増幅率であることが好ましい。
このように構成された本発明の地盤調査方法は、硬質地盤に至るまでの深さと表層地盤の剛性に関する地盤定数の値との関係に基づいて、表層地盤の地震動の増幅に関する値を算出した判定データベースを予め準備しておき、そのうえで調査対象地盤において地盤調査を行う。
そして、地盤調査によって得られた結果と判定データベースとによって、調査対象地盤の揺れ低減対策の要否を判定する。すなわち、必要最低限の地盤調査によって地震の揺れ低減対策の要否を判定することができる。
本実施の形態の地盤調査方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 表面波探査によって得られた結果の一例であって、(a)は深度ごとのS波速度分布を示した図、(b)はS波速度から表層地盤増幅率を求めた結果を示した図である。 表面波探査によって得られた深度ごとのS波速度分布から表層地盤増幅率を求めるために平均化される平均S波速度分布の一例を示した図である。 地盤改良がされていない地盤のモデルを模式的に示した説明図である。 地盤改良がされている地盤のモデルを模式的に示した説明図である。 地盤改良がされていない地盤において、地震の揺れ低減対策の要否を判定するための図表の一例である。 浅層改良がされた地盤において、地震の揺れ低減対策の要否を判定するための図表の一例である。 深層改良がされた地盤において、地震の揺れ低減対策の要否を判定するための図表の一例である。 無補強地盤に対して地震の揺れ低減対策の要否と対策方法を同時に判定するための図表の一例である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態の地盤調査方法は、住宅などの建物を建設する調査対象地盤に対して適用される。調査対象地盤に対しては、1地点又は複数地点において、直接、表面波探査試験又は貫入試験などの地盤調査を行うことになる。
地盤調査の1手法である表面波探査試験とは、地盤の表面に当てた起振機によって人工的に発生させたレイリー波を、起振機から離れた位置に設置された複数のセンサ(検出器)で測定することで、地盤の硬さを調べる調査方法である。
要するに、物質が硬質になれば伝播速度も速くなることを利用して、調査対象地盤が硬質であるか軟質であるかなどの硬さの度合いを、伝播速度の大きさから推定する方法である。
詳細には、起振機から異なる距離に設置された2つのセンサによって、起振機から地盤に付与されたレイリー波を検出した時間を検出する。ここで、2つのセンサは異なる位置に設置されているため、検出時間には時間差が生じる。
そこで、2つのセンサ間の距離と検出時間の時間差とから、表面波の伝播速度(S波速度)を算出する。この時間差を正確に求めるためには、スペクトルアナライザーを使用して、検出信号からノイズを完全に除去する必要がある。
一方、貫入試験とは、例えば標準貫入試験のように、対象層までボーリングを行い、当該層に対して錘を落下させたときの貫入量でその土層の硬軟を評価する動的貫入試験がある。また、スウェーデン式サウンディング試験のように、ロッドに錘を載荷したときの沈下の有無や回転貫入させたときの抵抗度合いから、間接的に当該層の支持性能を評価する静的貫入試験などがある。
ここで、ボーリングやスウェーデン式サウンディング試験の貫入装置に加振機を取り付けて、調査対象となる土層を動的に打撃する機構とした場合、いわば動的な載荷試験を行っていることと同じになり、地震時の当該層の剛性を評価していることになる。このため、これと相関性のあるS波速度が得られるという考え方ができる。
これらの地盤調査の結果から得られたS波速度から、地震時に地盤の揺れが大きく増幅されるか否かの判定を行うことができる。ここで、「地盤の揺れ(地震動)の増幅」とは、切土盛土などの地盤条件によって局所的に地震波が大きく増幅することをいう。
このような地震動の増幅がある地盤を事前に特定しておくことで、地震被害を低減又は防止することができるようになる。要するに「揺れ低減対策」とは、大地震時に地盤が大きく揺れることで誘引される建物被害を低減するための対策を指す。
地震動の増幅が起きるか否かの増幅判定は、例えば表層地盤増幅率を基準に行われる。表層地盤増幅率とは、地表近くの表層地盤の地震時の揺れの大きさを数値化したものであり、地震に対する地盤の弱さを示す。
この表層地盤増幅率は、例えば表面波探査試験又は貫入試験によって得られた調査対象地盤のS波速度から算出することができる。例えば図2(a)に示す深度ごとのS波速度の値は、表面波探査試験又は貫入試験によって得ることができる。
そして、これを解析することによって、図2(b)に示したような周期ごとの表層地盤増幅率を求めることができる。表層地盤増幅率は、数値が大きいほど地盤が弱く揺れも大きくなるといわれている。
また、建築される構造物の固有周期が当該地盤の表層地盤増幅率の高い周期帯にある場合には、構造物の固有周期に合致する地震動がより大きくなり、想定以上の変形を生じて被害を及ぼす可能性がある。
こうしたことから、建物の特性や過去の実験結果等の知見に基づいて、例えば周期0.5secにおいて表層地盤増幅率α=2.0倍を基準値として、その基準値以上の表層地盤増幅率が算出された場合は揺れ低減対策が必要とし、基準値未満であれば揺れ低減対策が不要であると判定することができる。
ここで、深度ごとのS波速度の値は地盤ごとに様々である。住宅において表層地盤増幅率を求める場合には、充分な強度をもつ土層(硬質地盤)を「工学的基盤」とする。例えば、S波速度VS=400m/s程度の地盤が工学的基盤に該当する。
そして、この工学的基盤を底盤として、それ以浅の地盤のS波速度と、密度と、減衰定数と、土質とを設定する。ここで、表層地盤増幅率の検討においては、軟弱地盤を対象としているため、例えば「小規模建築物基礎設計指針」(日本建築学会,2008年)などの文献を参考にすることができる。例えば、粘性土地盤を想定し、密度1.7t/m3、減衰定数は過大とならない0.03程度と仮定し、変数である工学的基盤以浅のS波速度に応じた検討を予め行うことができる。
図3では、工学的基盤以浅のS波速度を平均化した一例を示している。小規模な住宅を対象とする場合、中〜大規模建築物が対象とする土層と比較すると、対象層は浅く、また全体の層厚も薄くなる。
さらに、対象とする土層は大小があっても全体的に剛性は低く、このように簡便化することの影響度は小さいと言える。そこで、このようにS波速度を仮定して、平均S波速度をその層厚ごとに予め算出しておくことができるようにする。そして、本実施の形態の地盤調査方法では、表層地盤の剛性に関する地盤定数の値として、平均S波速度を使用する。
図4が、平均S波速度が適用された地盤のモデルを模式的に示した説明図である。この地盤モデルは、地盤改良がされていない原地盤(無補強地盤)をモデル化している。
一方、例えばセメント系固化材を用いて現地盤の土と撹拌することで地盤を補強する浅層改良や、柱状の改良体を連続して構築して地盤を補強する深層改良を行うと、地震時の地盤の揺れ方が変化する。こうしたことを考慮して、図5は、地盤改良がされている地盤のモデルを模式的に示した説明図である。地盤改良を行う場合、従来からある軟弱地盤対策工法であってその改良地盤の水平剛性が予測可能な場合には、改良対象層を考慮して検討することも可能である。すなわち、改良部分のみ別途、平均S波速度を算出し、明らかに剛性に差がある範囲が平均化されるのを防ぎ、実際の地盤に近いモデル化を行うことができる。
そして、図4の地盤モデルについて、工学的基盤までの深さを変化させるとともに、表層地盤の平均S波速度を変化させて、2つの関係に基づく表層地盤増幅率をそれぞれ算出する。
図6に、原地盤の表層地盤増幅率を検討するためのマトリクス化した図表の一例を示した。ここで、例えば基準値を1.7倍とした場合、平均S波速度と工学的基盤までの深度とから該当する箇所の表層地盤増幅率が基準値を超えている場合(図6で濃く示したマス目の範囲)には、揺れ低減対策が必要と判定する。
他方、該当する箇所の表層地盤増幅率が基準値未満であれば、揺れ低減対策が不要であると判定することができる。このようにマトリクス化された判定データベースを使用する場合は、個別の解析が不要になるため、現場で計測した値から即時判定することが可能になる。
また、地盤調査時において、ある程度高いS波速度が測定されていて、判定データベースと対比して揺れ低減対策が必要とならないことが容易に予見できる場合には、それ以上の地盤調査を取りやめる判断材料にすることもできる。
ここで、表層地盤増幅率が基準値以上となった場合の揺れ低減対策としては、建物自体を補強して剛性を高める耐震補強、又は建物自体の揺れを低減する制振構造や免震構造の採用など、建物構造に施される対策が挙げられる。
一方、地盤側に施す揺れ低減対策として、表層地盤改良工法や置換工法等の地盤の水平剛性を高める工法により、表層地盤増幅率を下げるとともに、増幅率の高い周期帯を短周期側に遷移させて建物の固有周期と離隔させる方法がある。このため、従来から住宅の軟弱地盤対策として用いられている浅層地盤改良や深層地盤改良によって、揺れを低減できれば効率的である。
これに対して、軟弱地盤のために上記したような地盤改良が実施された場合、改良によって剛性が変化して、表層地盤増幅率の卓越周期帯と建物の固有周期とが一致又は近付くことがあり、このような場合には地震の揺れとしては大きくなってしまうので注意が必要である。
例えば、地盤調査の結果、工学的基盤までの深さが6mで、当該深度までの平均S波速度がVS=50m/sである地盤の場合、図6によれば、現地盤のままであれば、表層地盤増幅率は基準値未満であるので、地震の揺れ低減としての地盤補強は不要である。しかし、不同沈下を生じさせる軟弱地盤の観点で検討した結果、6mまでの深層改良を行うとした場合、図8を参照すると表層地盤増幅率が基準値を超えてしまうことになる。提案するマトリクスではこのような予測も可能であり、こうした場合は現地盤からなるべく水平剛性が変化しない鋼管杭によって地盤補強することが考えられる。
そこで、地盤改良がされている図5の地盤モデルについても、工学的基盤までの深さを変化させるとともに、表層地盤の平均S波速度を変化させて、2つの関係に基づく表層地盤増幅率をそれぞれ算出する。
図7に、層厚2m程度の浅層地盤改良を施した場合の表層地盤増幅率を検討するためのマトリクス化した図表の一例を示した。このマトリクス化された判定データベースを使用することで、原地盤のままでは地震の揺れが大きくなる場合に、浅層地盤改良によって地震の揺れ低減が可能かどうかを判定することができる。
さらには、軟弱地盤であることを理由に、地耐力等の確保のために地盤改良を施す必要がある場合に、浅層地盤改良によって地震の揺れが大きくなる可能性がないかを予め予測することもできるようになる。そして、揺れが大きくなると予測された場合には、深層地盤改良や水平剛性の小さい杭状地盤補強などの他の工法に切り替えることを検討することができる。
同様に図8には、深さ5m程度までの水平剛性を高める深層地盤改良を施した場合の表層地盤増幅率を検討するためのマトリクス化した図表の一例を示した。このマトリクス化された判定データベースを使用することで、深層地盤改良によって地震の揺れ低減が可能かどうかを判定することができるようになる。
さらに、軟弱地盤のために深層地盤改良を施す必要がある場合に、地震の揺れが大きくなる可能性を予め予測することもできるようになる。そして、揺れが大きくなると予想された場合には、水平剛性の小さい杭状地盤補強など他の工法に切り替えることを検討することができる。
ところで、基本的には軟弱地盤である場合には、表層地盤増幅率は大きくなる傾向にある。そこで、図6から図8までの原地盤、浅層改良地盤及び深層改良地盤のマトリクス化された判定データベースを整理して、無補強地盤(原地盤)に対する検討を行うための判定データベースを作成することができる。
図9に、無補強地盤の地震の揺れ低減対策の要否と対策方法を同時に判定することができる図表の一例を示した。このマトリクス化された判定データベースを使用することで、地震の揺れ低減対策の要否の判定を適切かつ効率的に行うことができるうえに、揺れ低減対策が必要な場合には、浅層地盤改良又は深層地盤改良のいずれの対策方法が適しているかを容易に把握することができる。要するに、建物の構造設計や地盤側の揺れ低減対策などの適切な対策を、迅速に施すことができるようになる。
次に、本実施の形態の地盤調査方法の工程及びその作用について説明する。
図1の地盤調査方法の処理の流れを説明するフローチャートに示したように、ステップS1では、判定データベースを作成する。具体的には、図6−図8に示したような原地盤、浅層改良地盤若しくは深層改良地盤の判定データベース、又は図9に示したような地震の揺れ低減対策の要否と対策方法を同時に判定することが可能な判定データベースを、予め作成しておく。
この判定データベースを作成するための基礎となるデータは、それまでに蓄積されてきた既存の地盤調査結果や、文献などから得られる地盤データなどが利用される。すなわち、この判定データベースの基になるデータは、調査対象地盤の地盤調査結果ではない。
続いてステップS2では、実際に住宅を建設する調査対象地盤において、地盤調査を行う。地盤調査は、例えば表面波探査試験が行われる。この表面波探査試験によって、調査対象地盤の深度ごとのS波速度が測定される。
そこで、S波速度が400m/s以上となる深さを、工学的基盤までの深さとして特定する(ステップS3)。さらに、工学的基盤までのS波速度を平均して、表層地盤の平均S波速度として算定する(ステップS4)。
そして、ステップS5では、例えば図6のマトリクス図表を使用して、調査対象地盤の特定された工学的基盤までの深さと、平均S波速度とが交わる箇所の表層地盤増幅率を抽出する。
この抽出された表層地盤増幅率が、揺れ低減対策の要否判定の基準値となる例えば1.7倍を超えていれば、揺れ低減対策が必要であると判定される(ステップS6)。
一方、図9で示した地震の揺れ低減対策の要否と対策方法を同時に判定できる図表を使用する場合は、ステップS4に続いて、調査対象地盤の特定された工学的基盤までの深さと、平均S波速度とが交わる箇所の抽出が行われる。ここで、抽出された箇所に何も記載がなければ、揺れ低減対策は不要となり、「浅」の記載があれば浅層地盤改良による揺れ低減対策を行い、「深」の記載があれば深層地盤改良による揺れ低減対策を行えば良いことになる。
このように構成された本実施の形態の地盤調査方法は、硬質地盤となる工学的基盤に至るまでの深さと表層地盤の剛性に関する地盤定数の値である平均S波速度との関係に基づいて、表層地盤の地震動の増幅に関する値(表層地盤増幅率)を算出した判定データベース(図6−図9)を、予め準備しておく。
そして、そのうえで調査対象地盤において、表面波探査試験による地盤調査を行う。この地盤調査によって得られた結果は、判定データベースと照合することで、該当する表層地盤増幅率を迅速に抽出することができる。
そこで、この抽出された表層地盤増幅率に基づいて、調査対象地盤の地震による揺れ低減対策の要否を判定する。すなわち、表面波探査試験という必要最低限の地盤調査を行うだけで、地震の揺れ低減対策の要否を判定することができる。
また、判定データベースが、浅層地盤改良や深層地盤改良などの地盤改良が施された地盤のデータを含んでいれば、地盤改良後の地震動による増幅の程度の把握や、適切な対策工法の選定を効率的に行うことができるようになる。
さらに、軟弱地盤であれば、浅層地盤改良や深層地盤改良などの地盤改良が揺れ低減対策以外の目的でも頻繁に行われるため、実情に即した有用な判断が行えるようになる。
また、表層地盤の剛性に関する地盤定数の値が平均S波速度であれば、深度ごとに算定されたS波速度から簡単に求めることができる。そして、表層地盤の地震動の増幅に関する値が表層地盤増幅率であれば、これまでの実績から精度の高い判定結果を得ることができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、説明の便宜上、深さ方向は2m単位、平均S波速度は50m/s単位のマトリクス化された判別データベースを例示したが、これに限定されるものではなく、さらに細かい単位で予めデータベース化しておくこともできる。
また、前記実施の形態では、土質や密度などを固定して説明しているが、これに限定されるものではなく、土質や密度などを変数として多次元化することもできる。
さらに、前記実施の形態では、調査対象地盤の地盤調査を表面波探査試験によって行うケースを主に説明したが、これに限定されるものではなく、スウェーデン式サウンディング試験のみを調査対象地盤における地盤調査とすることもできる。

Claims (5)

  1. 地盤の状況を調査する地盤調査方法であって、
    硬質地盤に至るまでの深さと表層地盤の剛性に関する地盤定数の値との関係に基づいて前記表層地盤の地震動の増幅に関する値が算出された判定データベースを予め準備する工程と、
    調査対象地盤において前記硬質地盤に至るまでの深さと表層地盤の剛性に関する地盤定数の値とを地盤調査によって取得する工程と、
    前記地盤調査によって得られた結果と前記判定データベースとによって、前記調査対象地盤の揺れ低減対策の要否を判定する工程とを備えたことを特徴とする地盤調査方法。
  2. 前記判定データベースは、地盤改良が施された地盤のデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の地盤調査方法。
  3. 前記地盤改良は、浅層地盤改良及び深層地盤改良の少なくとも一方であることを特徴とする請求項2に記載の地盤調査方法。
  4. 前記表層地盤の剛性に関する地盤定数の値は、平均S波速度であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地盤調査方法。
  5. 前記表層地盤の地震動の増幅に関する値は、表層地盤増幅率であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地盤調査方法。
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