JP4456296B2 - 地盤調査方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物を建てる建築地の地盤調査方法およびこの方法を用いて建築地に免震建物を建築する方法と建物の設計方法に係り、特に、免震建物を建築する際に必要な地盤調査を短時間に低コストで推定できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、免震建築物等の建築では、必ずボーリング調査を実施しなければならなかった。このボーリング調査は建築地の直下を原則とし、地層構造及び地下水位を調査し、併せて貫入試験によりN値を調査している。このようにして得られたデータ(地層構造、N値)から、せん断波速度構造と地盤の卓越周期を算定している。算定されたせん断波速度構造と地盤の卓越周期から、工学的基盤からの増幅倍率を算定する。そして、模擬地震動波に増幅倍率をかけて、設計用の地表波スペクトルを求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のボーリング調査は建築地の直下で実施できない場合もあり、建築地の近傍で実施する場合もある。このボーリング調査は建築地へ測定機材を搬送して測定するものであり、N値が50以上となる層が、5m以上確認できることを要する。そして、ボーリング調査より得られたデータから、せん断波速度構造と地盤の卓越周期を算定し、工学的基盤からの増幅倍率を算定して地表波スペクトルを求めるため、費用と時間がかかり、免震建築物のコストに影響を与えていた。また、層構造が水平方向に連続したものであるか、複数のボーリング地点におけるボーリングデータの層構造の同一性を確認するためには、柱状図を視察することによる類似点の考察によっていた。さらに、建築地における地盤の卓越周期の算出や、建築地の液状化の可能性の推定も費用と時間がかかり、免震建築物のコストアップの要因となっていた。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、短時間で容易に、建築地の設計用の地表波スペクトルを推定でき、層構造の同一性を客観的に評価できる地盤調査方法を提供することにある。また、建築地の地盤の卓越周期を容易に推定することができると共に、建築地における液状化の可能性の数値を容易に推定することができ、免震建築物のコストダウンを達成できる地盤調査方法、免震建物の建築方法、および建物の設計方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明による地盤調査方法は、建築地近傍において複数のボーリング地点のボーリングデータを収集し、該データに対応する複数地点の地表波スペクトルを算出し、各地表波スペクトルのうち規模の大きい側のデータを接続して合成することにより設計用地表波スペクトルを得ることを特徴とする。この構成によれば、建築地においてボーリング調査を実施することなく、近隣のボーリングデータを利用して短時間で、しかも低コストで精度よく、安全側の設計用地表波スペクトルを推定することができ、設計用地表波スペクトルから免震装置の設計等に反映させることができる。このため、地盤調査を必要とする免震建物のコストダウンに極めて有効である。
【0006】
発明による地盤調査方法は、建築地近傍において複数のボーリング地点のボーリングデータを収集し、該ボーリングデータのN値に基づいて各ボーリング地点の層構造パターンを作成し、該層構造パターンを比較して複数のボーリング地点の層構造が連続していることをパターン化して推定し、前記ボーリングデータに対応する複数の地表波スペクトルを算出し、各地表波スペクトルが交差する場合は規模の大きい側の地表波スペクトル同士を接続して合成することにより設計用地表波スペクトルを得ると共に、交差しない場合は大きい側の地表波スペクトルを用いることにより設計用地表波スペクトルを得ることを特徴としている。この構成によれば、複数地点のボーリングデータの層構造が連続しているのを確認するため、近隣のボーリングデータを利用して短時間で、しかも低コストで、より精度の高い、設計用の地表波スペクトルを推定することができ、免震建築物のコストダウンに貢献できる。
【0007】
発明による地盤調査方法は、前記した地盤調査方法において、複数のボーリング地点のボーリングデータから建築地と同一地形または同一地質のボーリングデータに絞り込み、絞り込まれた複数のボーリングデータから複数の地表波スペクトルを算出し、そのうちの最大のものを設計用地表波スペクトルとすることを特徴とする。この構成によれば、建築地周辺で公開されているボーリングデータを有効活用することにより、開削ボーリング調査が不要となり、地盤調査費用の削減が図れる。
【0008】
発明による地盤調査方法は、前記した地盤調査方法において、前記ボーリング調査データから求めた地盤均質度および地震動レベルに応じて、工学的基盤からの増幅特性係数を算出し、該増幅特性係数を基準スペクトルにかけて前記地表波スペクトルを算出することを特徴としている。この構成によれば、増幅特性係数をかけることにより、より精度の高い設計用地表波スペクトルを得ることができる。ここで、基準スペクトルは、解放工学的基盤上での応答スペクトル特性であり、所定の地震動レベル、所定の周期に対して決められる定数である。
【0009】
発明による地盤調査方法は、建築地近傍において複数のボーリング地点のボーリングデータを収集し、該データの層厚およびせん断波速度に対応する複数の地盤卓越周期を算出し、各地盤卓越周期のうち最長周期の地盤卓越周期を建築地における設計用地盤卓越周期と推定することを特徴としている。この構成によれば、複数のボーリングデータから算出した地盤卓越周期の最長周期のものを建築地点の卓越周期として推定するため、安全側の地盤卓越周期を推定でき、免震建築物のコストダウンが可能となる。
【0010】
発明による地盤調査方法は、建築地近傍において複数のボーリング地点のボーリングデータを収集し、該データより複数地点における液状化の可能性の数値を、FL法によりせん断応力比と液状化抵抗比を求めて算出し、各地点における前記数値のうち可能性の大きい側の数値を、建築地における液状化の可能性の数値と推定することを特徴としている。この構成によれば、複数のボーリングデータから液状化の可能性を算出し、可能性の高い側の数値を建築地点の数値とするため、近隣のボーリングデータを利用して容易に、短時間で建築地点の液状化の可能性を安全側に推定でき、免震建築物が建築できるか、地盤改良が必要かを判断できる。
【0011】
発明による地盤調査方法は、前記の地盤調査方法において、深度の浅い地盤調査で得られるN値と、孔内水位の測定結果から建築地における液状化の可能性の数値を算出し、各地点における前記数値のうちの高い側の数値を用いて、建築地における液状化の可能性を推定することを特徴とする。また、建築地近傍の調査地点における孔内水位を求め、該調査地点の深度の浅い地盤調査で得られる深度毎のN値を求め、求められた孔内水位に対応するF =(τ /τ )=1となる深さとN値に関する関係線図を求め、求められたN値と、それに対応する深度を前記関係線図と比較することで、建築地における液状化の可能性を推定することを特徴とする。ここで、F は孔内水位毎の安全率、τ は水平断面における液状化抵抗、τ は水平面に生じる等価な一定繰返しせん断応力振幅である。この構成によれば、スウェーデン式サウンディング試験等の深度の浅い地盤調査により液状化危険度の判定ができるので、調査費用の削減と調査時間の短縮が可能となる。
【0012】
また、発明による地盤調査方法は、前記の地盤調査方法において、前記ボーリング地点が2点であり、第1のボーリング地点と第2のボーリング地点との間に建築地が位置することを特徴としている。この構成によれば、例えば一直線上に位置する2つのボーリングデータから、2つの地表波スペクトルを算出し、安全側の地表波スペクトルを用いて建築地の設計用地表波スペクトルとして推定できるため、精度を向上させることができ、免震装置等の設計に反映させることができる。
【0013】
発明による地盤調査方法は、前記の地盤調査方法において、前記ボーリング地点が3点以上であり、建築地は複数のボーリング地点に囲まれていることを特徴としている。この構成によれば、建築地点を囲む3つのボーリングデータから、安全側の地表波スペクトルを用いて建築地の設計用地表波スペクトルとして推定できるため、精度をより向上させることができ、免震装置等の設計に反映させることができる。
【0014】
発明による地盤調査方法は、ある建築地域における建築物を耐震設計する際の地盤調査方法であって、最大規模の設計用模擬地表波または地表波スペクトルを作成するために、最大規模の設計用地表波スペクトルを算出することを特徴とする。この構成によれば、建築計画地ごとに必要であったボーリング調査や地表波作成を省略することができる。地域ごとに設計用模擬地表波が統一でき、建築設計の標準化ができ、建築設計が容易となり、コストダウンを達成できる。
【0015】
発明による地盤調査方法は、前記の地盤調査方法において、前記最大規模の設計用模擬地表波を、建築地近傍の活断層または歴史地震を震源とする地震波、または歴史地震のマグニチュードおよび震源距離から計算した地震波スペクトルより作成することを特徴とする。この構成によれば、近隣の活断層や過去の歴史地震を震源とする地震が懸念される場合でも、これらから最大規模の模擬地表波を作成し、適用範囲を検討するため、必要な強度での建築が可能となる。
【0016】
発明による地盤調査方法は、前記の地盤調査方法において、前記最大規模の設計用模擬地表波を、工学的基盤深度が所定値以上である地盤より作成することを特徴とする。この構成によれば、設計用模擬地表波を作成する際の地盤を選択するとき、工学的基盤の深度のみに注目すればよく、平均せん断波速度の計算に要する工数を削減でき、より簡便に、より効率的に計算できる。
【0017】
発明による地盤調査方法は、前記の地盤調査方法において、前記最大規模の設計用模擬地表波を、工学的基盤深度が30m以上である地盤より作成することを特徴とする。この構成によれば、設計用模擬地表波を、工学的基盤深度が30m以上である地盤から作成でき、工数を大幅に削減でき、より簡便に効率的に計算することができる。
【0018】
発明による地盤調査方法は、前記した地盤調査方法において、水平動基準応答スペク
トルと、前記活断層からの複数の距離における地震動スペクトルとを比較し、前記水平動基準応答スペクトルと前記複数の地震動スペクトルとの関係を求め、その大小関係から前記活断層の存在を考慮すべき距離を算出して前記設計用模擬地表波を作成することを特徴とする。この構成によれば、活断層からの距離と地震動スペクトルの関係が明らかとなり、活断層の距離を考慮して設計用模擬地表波を作成すべきであると判断できる。
【0019】
発明による地盤調査方法は、免震建築物等の供用期間が100年以上を対象とした模擬地震動スペクトルを基準とした応答スペクトルに、小規模建築物に適用できるように所定の低減率をかけて基準応答スペクトルを算出することを特徴とする。この構成によれば、小規模建築物の設計用再現期間に適した基準応答スペクトルを作成でき、それを地表波に引き上げて地震応答解析を行うことができる。
【0020】
本発明による地盤調査方法は、建築地において想定される最強の地震動に、再現期間200年の速度換算係数より求めた1/1.45の低減率をかけて求めたスペクトルと、建物の供用期間中に一回以上受ける可能性がある地震動に、再現期間50年の速度換算係数より求めた増幅率をかけて求めたスペクトルを比較し、安全側の規模が大きいスペクトルを地表波スペクトルとすることを特徴とする。この構成によれば、レベル2の最強の地震動を低減した地震動スペクトルと、一回以上受ける可能性があるレベル1の地震動を増幅した地震動スペクトルの内、規模の大きいものを地表波スペクトルとするため、過剰設計とならない最適で安全な構造設計や免震設計が可能となる。
【0021】
本発明による地盤調査方法は、建築地近隣の活断層の長さと平均変位速度から活断層の再現期間を求め、該再現期間を用いて地震動の最大加速度と最大速度の再現期間換算係数を算出し、該再現期間換算係数で補正して、設計用入力地震動スペクトルを算出することを特徴とする。この構成によれば、活断層の長さと活動度から再現期間を推定し、再現期間100年に換算する係数を算出して、活断層に起因する地震動スペクトルの補正に利用することができ、小規模建築物の設計用再現期間に適した入力地震動スペクトルを作成できるので、過剰設計とならない最適で安全な構造設計や免震層設計を行える。さらに、建築可能範囲を拡大でき、免震建物のコストダウンを達成できる。
【0022】
発明による地盤調査方法は、前記した地盤調査方法において、前記設計用地表波スペクトル、または前記設計用模擬地表波を、小規模建築物の設計用再現期間に合わせて補正することを特徴とする。この構成によれば、小規模建築物の設計用再現期間に適した基準応答スペクトルを作成でき、これを地表波に引き上げて地震応答解析を行うことができる。
【0023】
発明による免震建物の建築方法は、前記の地盤調査方法を用いて、建築地における設計用地表波スペクトル、地盤卓越周期および/または液状化の可能性を推定し、該推定値に基づき判断して前記建築地に免震建物を建築するか、前記建築地の地盤改良をしてから建築することを特徴とする。この構成によれば、建築地においてボーリング調査を実施しなくても、近隣の複数のボーリングデータを用いて設計用地表波スペクトル、地盤卓越周期および/または液状化の可能性を推定できるため、免震建物を短時間で効率よく、しかも低価格で建築することができる。
【0024】
発明による建物の設計方法は、前記の地盤調査方法を用いて、建築地における応答スペクトルを算出し、前記建築地に建築する建物の固有周期に対して前記応答スペクトルの応答が小さくなるように調整設計することを特徴とする。この構成によれば、免震建物以外の例えば一般住宅に対しても耐震性の向上を図ることができ、例えば壁クロスが切れる、剥がれる等の被害を軽減できる。
【0025】
発明による建物の設計方法は、前記の地盤調査方法を用いて、建築地における地盤卓越周期を推定し、前記建築地に建築する建物の固有周期と前記推定値とを外すように調整設計することを特徴とする。この構成によれば、地盤の卓越周期に注目して、その周期をはずすように建物を調整設計できるため、例えば家具転倒による物的、人的被害の防止が期待できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る地盤調査方法の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る地盤調査方法の建設地、ボーリング地点の位置関係を示す平面図、図2の(a)、(b)は、各ボーリング地点における地表波スペクトル図、(c)は推定した設計用地表波スペクトル図、図3の(a)、(b)は、他の各ボーリング地点における地表波スペクトル図、(c)は推定した設計用地表波スペクトル図である。
【0027】
地盤調査を行う前に事前調査を行い、当該建築地の地盤構成の概要と、その土質の軟弱を予め把握しておく。先ず資料調査として、(イ)地形・地質・地盤に関する既往の調査資料、(ロ)地史・地盤災害等の歴史的資料に関する資料、(ハ)近隣構造物の設計・施工に関する資料、(ニ)その他敷地及び周辺の状況に関する資料、(ホ)近隣のボーリングデータの有無等に関する資料を入手する。これらの資料から、(a)概略の地形・地質、(b)地盤災害(地震時の状況・地滑り・崖崩れ・地盤沈下等)の状況及びその後の利用状況の経過、(c)大略の地盤構成概要と各地震・水位の概況、(d)周辺の自然および社会環境の概況、(e)活断層および歴史地震の影響等について、調査する。
【0028】
次いで現地調査として、(ヘ)地表・地質(露頭)調査、(ト)聞き込み調査、(チ)周辺井戸(地下水)の状況調査、(リ)その他可能な予備試験等を行い、(f)地形・地質の状況、(g)地表(利用状況を含む)の状況、(h)周辺の自然および社会環境、(i)地盤災害の痕跡および災害発生の危険性、(j)地盤構成と各地層の性状、(k)地下水位および地下水の利用状況等について、調査する。
前記した事前調査および現地調査は、国土地理院発行の地形図(1/25000)、工業技術院地質調査所発行の「1/200,000地質図幅集(画像)」、「1/50,000地質図幅」、国土地理院発行の空中写真(1/10,000)、東京天文台発行の理科年表による地震データ等を用いて行うと効率よく行える。
【0029】
図1において、建築地1は、ボーリング地点2及び3のほぼ中間に位置している。換言すると、ボーリング地点2と建築地1のほぼ延長線上にボーリング地点3が位置している。建築地1およびボーリング地点2、3の距離は、それぞれ数百メートル程度離れていてもよいが、100メートル程度以内が好ましい。例えば、ボーリング地点2における調査により、標準貫入試験によるN値を含む層状状態図や地下水位状態等が得られる。同様のデータがもう1つのボーリング地点3においても得られる。これらの調査データから、ボーリング地点2、3の2地点における2つの地表波スペクトルを算出することができる。
【0030】
地表波スペクトルの算出について、以下に説明する。地表波スペクトルは、地震動のレベルに応じて、水平、上下各成分毎に定めることとし、地震活動度係数ζ、基準応答スペクトル、やや長周期補正係数、増幅特性係数により算定する。地震活動度係数ζは、地域毎の地震活動度を考慮して定める地震動強さに関わる係数である。地震動係数として当面建築基準法施行令第88条で定められるZ(地震地域係数)を用いることができる。
【0031】
水平動設計用応答スペクトル(地表波スペクトル)HS(T)は、次の式(1)により算定する。
HS(T)=ζ・HB(T)・HL(T)・HG(T) (1)
式(1)において、ζは地震活動度係数
HB(T)は水平動基準応答スペクトル
HL(T)は水平動やや長周期補正係数
HG(T)は水平動増幅特性係数、である。
【0032】
なお、砂質地盤にあって液状化の影響を考慮する必要がある場合や、特殊な地形の影響を考慮する必要がある場合には、水平動に対する補正された設計用スペクトルHS’(T)を次の式(1a)により算定する。
HS’(T)=HS(T)・HP(T)・HI(T) (1a)
ここに、HP(T)は水平動液状化補正係数
HI(T)は水平動地形効果補正係数、である。
ただし、解放工学的基盤面で設計用応答スペクトルを与える場合には、
HS(T)=ζ・HB(T)・HL(T) (2)
とする。設計用応答スペクトルHS(T)においては、加速度応答倍率は4倍を越えないものとする。
(1)式における水平動基準応答スペクトルHB(T)は、解放工学的基盤上での応答スペクトル特性で、表1より定める。
【0033】
【表1】
Figure 0004456296
【0034】
ここで、レベル1は耐用年数中一度以上受ける可能性が大きい地震動
レベル2は過去に受けたことのある地震動のうち最強と考えられるもの
および将来において受けることが考えられる最強の地震動
T(s)は周期である。
なお、各設定周期間のスペクトル値は両対数軸上での直線補間した値とする。
式(1)における水平動やや長周期補正係数HL(T)は、地域毎のやや長周期地震動の振幅特性を評価する係数で、表2に示す各地域区分に入る平野、盆地などの3つの地域区分1、2、3に対して、表3によって定める。なお、各設定周期間の係数は両対数軸上で直線補間した値とする。
【0035】
【表2】
Figure 0004456296
【0036】
【表3】
Figure 0004456296
【0037】
式(1)における水平動増幅特性係数HG(T)は、標準的な表層地盤の水平動の増幅特性を表す係数で、表4に示す表層地盤の地盤分類と地震動レベルに応じて表5のように定める。
【0038】
【表4】
Figure 0004456296
【0039】
ここで、Vbは工学的基盤のせん断波速度でVb≧400m/sの場合は、400m/sとしてよい。Veは表層地盤の平均せん断波速度で次の式(3)による。ΔVは表層地盤内のせん断波速度のばらつきであり、次の式(4)による。
【0040】
Ve=ΣVi・hi/Σhi (3)
ΔV=Σ(|Vi−Ve|・hi)/Σhi (4)
ここで、hiは表層地盤を構成する各層の層厚
Viは表層地盤を構成する各層のせん断波速度、である。
【0041】
次に、水平動増幅特性係数HG(T)を、表5を用いて求める。
【0042】
【表5】
Figure 0004456296
【0043】
ここに、Tiは増幅特性係数を規定するi番目の周期(s)
Tgは表層地盤の卓越周期(s)であり、次の式(5)による。
Tg=4Σhi/Ve (5)
αは次の表6に定める短周期側増幅率
βは次の表6に定める最大増幅率、である。
【0044】
このように、設計用地表波スペクトルHS’(T)を算出するときに、水平動増幅特性係数HG(T)をかけることにより、より精度の高い設計用地表波スペクトルを得ることができる。
【0045】
【表6】
Figure 0004456296
【0046】
このようにして求めた地表波スペクトル5、6は、横軸を周期、縦軸を速度としたとき、図2、3に示されるような折線で表される。そして、(o)ボーリング地点2、3が、連続した同一の地形、同一の地質および平坦地であること、(p)まさ土層、腐植土層、もり土(5m以上)以外であること、(q)工学的基盤を確認すること、(r)連続した成層であると判断できること、(s)前記した図1の位置関係にあることの5点を確認する。
【0047】
図2(a)はボーリング地点2における地表波スペクトル5、(b)はボーリング地点3における地表波スペクトル6を表している。そして、これらの地表波スペクトル5、6が交差している場合は、図2(c)のように交差部分より両方の地表波スペクトルの大きい値の部分を合成して、設計用地表波スペクトル7として推定する。また、2つのボーリング地点の調査データから算出した地表波スペクトル8、9が交差しない場合について説明する。この場合は、図3のように2つの地表波スペクトル8、9が交差しないので、2つのスペクトル値を比較し、一方の地表波スペクトル9が他方の地表波スペクトル8より大きい場合は、大きい方を設計用地表波スペクトル10として推定する。図2、3において、破線で示したスペクトルは水平動基準応答スペクトルである。
【0048】
このようにして、2つの地表波スペクトルの大きい値を用いて、建築地1における設計用地表波スペクトルを推定する。このため、建築地1における設計用地表波スペクトルは安全側の値となり、これを用いて、免震建物における免震装置の設計に反映させることができ、例えばダンパーの減衰定数を決定することができ、またゴムと鋼鈑を積層した免震ゴムの設計に反映させることができる。
【0049】
なお、建築地とボーリング地点が、例えば100m程度と極めて接近しており、連続した同一の地形であり、連続した同一の地質の場合は、1つのボーリング地点の調査データから地表波スペクトルを算出し、この算出値をそのまま設計用地表波スペクトルとして推定しても全く問題はない。
【0050】
本発明の他の実施形態を図4に基づき詳細に説明する。図4は本実施形態に係る地盤調査方法の説明図である。先ず、図4のように、ボーリング地点2、3の調査データから層構造を、次の表7を用いて、締まった/硬い地層A、中位の地層B、およびゆるい/やわらかい地層Cの地層としてパターン化して、層構造11および層構造13を作成する。
【0051】
【表7】
Figure 0004456296
【0052】
そして、ボーリング地点2、3の柱状図からパターン化のノイズとなる地層とN値を削除して土質を分類する。すなわち、他の土質に挟まれた層圧が1m未満の地層を削除すると共に、他の土質に挟まれた層圧が層全体の約5%未満の地層を削除する。そして、土質を分類された連続する同一土質地層のN値を平均して表7にしたがってパターン化し、連続する同一パターンは一つにまとめる。
【0053】
例えばボーリング地点2のボーリングデータの層構造11が、C、B、B、Aのパターンである場合、同一土質地層Bの連続する場合は1つの地層としてまとめて、C、B、Aの層構造12とする。また、ボーリング地点3のボーリングデータの層構造13が、C、C、B、Aのパターンである場合、同一土質地層Cの連続する場合は1つの地層としてまとめて、C、B、Aの層構造14とする。そして、ボーリング地点2のまとめた層構造12と、ボーリング地点3のまとめた層構造14とが同一である場合は、連続した成層であると判断する。
【0054】
このように、複雑な層構造を客観的に、且つマクロに表現でき、人為的な誤差を排除できるので、手順を明確にしておけば、専門家でなくても活用することができる。そして、ボーリング地点2とボーリング地点3とが成層であると判断できる場合は、地表波スペクトルも同一であると推定できる。すなわち、ボーリング地点2または3の地表波スペクトルを、設計用地表波スペクトルとして推定することができる。このため、免震建物を設計する際の地盤調査を効率的に行うことができ、免震建物のコストダウンを達成することができる。
【0055】
また、建築地周辺で公開されているボーリングデータを有効利用して設計用地表波スペクトルを算出する例について、図5を参照して説明する。建築地が決定されると(ステップS1)、建築地を中心として例えば半径500m以内に既存のボーリングデータが例えば3本以上あるかを確認する(ステップS2)。ボーリングデータとしては、例えば各都道府県による土地分類基本調査や市販の地盤図に公開されているもの等を利用する。無い場合は推定不可能とし(ステップS3)、実際に開削しボーリング調査を実施する。ある場合は建築地と地形、地質が同一であるかを絞り込み(ステップS4)、絞り込んだデータが3本以上あるかを判断する(ステップS5)。そして、無い場合は推定不可能とし(ステップS6)、同様に実際に開削しボーリング調査を実施する。3本以上ある場合は各データから地表波スペクトルを計算し(ステップS7)、そのうちの最大となるスペクトルを設計用地表波スペクトルとする(ステップS8)。そして、これに基づき設計用地震動データを作成する(ステップS9)。このように、建築地周辺で公開されているボーリングデータを有効活用して設計用地表波スペクトルを得ることができ、開削ボーリング調査が不要となり、地盤調査費用の削減が図れる。
【0056】
また、最大となるスペクトルを作成する際に、例えば国土交通省告示、平12−1457に記載の表層地盤の増幅率Gsを求める手順を用いてもよい。この手順を簡単に説明すると、表8の(い)欄に掲げる建築物の損傷限界固有周期又は安全限界固有周期に応じて所定の式によって計算した地盤の卓越周期、及び所定の式によって計算した表層地盤の増幅率を用いて、表8の(ろ)欄に掲げる式によって計算する。この場合において、建築物の損傷限界時及び安全限界時のGsが、それぞれ表8の(は)欄又は(に)欄の数値を下回るときは当該各欄の数値とするものとし、更に建築物と表層地盤との相互作用を考慮して、所定の別式によって計算される相互作用に関する係数を乗じることができるものとする。但し、表層地盤に伝わる弾性波の速度の実測に基づきGsを計算する場合にあっては、当該計算によることができる。
【0057】
【表8】
Figure 0004456296
【0058】
ここで、地盤の増幅率Gsを、大阪駅周辺のボーリング調査結果に基づき算出した事例について説明する。まず、ボーリングデータが公開されている地盤図等からデータを読み取り、データベース化した。今回は、沖洪積層の分類がきちんとされ、データの質が高い「新編大阪地盤図」から、図6に示すように、大阪駅周辺の2点鎖線でしめす2.0km×1.5kmのエリアのボーリングデータ(29本)を入力し、データベース化した。その内のある1点を建築地と想定し、そこから2点鎖線で示す500m以内のデータをピックアップする。
【0059】
同一地質にあるデータ数が3本以上の場合、活用できると判断し、そのデータから地盤増幅率Gsを計算し、その内の最大値を近隣の最大増幅率、Gs最大値とする。Gs最大値と建築地自体の増幅率Gs’を比較し、Gs’の方が小さい場合は問題ないが、逆に大きくなるケースも考えられる。その結果から、Gs最大値>Gs’となるような安全係数αを求める。以上の検証を想定建築地を入れ替えて行い、妥当性確認と安全係数αの設定を行った。
【0060】
図6に本地域の地質図を示す。この地域は、地質n(砂及び礫の地域…図6中、2点鎖線から右側のハッチングの部分)と地質a(砂・礫及び泥の地域…その他の部分)に分けられる。本検証では、地質a(砂・礫及び泥の地域)に存在するデータに限定することとした。ここで、建築地と同一地質でないデータと、地盤深部(N値50程度)までデータが存在せず、増幅率が計算できない建築地のデータの11データを、データ数が29から除外し、図7に示すP2,P3,P5,P6,P7,P8,P9,P10,P12,P13,P16,P17,P18,P19,P24,P25,P26,P27の18データについて算出した。
【0061】
各データから計算した地盤増幅率Gs、及び安全係数計算結果を図8に示す。図8は、横方向に想定した建築地の位置を示すラベル、縦方向に近隣データの位置を示すラベルを並べた表図である。図8中の○印は、想定建築地から500m以内のデータを示し、その数を「近隣データ数」の行に示す。近隣データが3本以上存在する建築地が多く、データ数が不足しているのは、想定建築地P2,P3,P16,P24の4例である。
【0062】
「近隣のGs最大値」と「建築地自体のGs’」の比較結果は、大小関係を示す行の不等号(∧、∨)で示した。∧は「近隣のGs最大値」が「建築地自体のGs’」より小さいケースを示しており、この結果から安全係数αを設定する必要がある。今回のデータでは、近隣データ数が3以上、かつ、「近隣のGs最大値」が「建築地自体のGs’」より小さいケースは、想定建築地がP18の場合(表1中、*を付した部分)のみであり、その結果から安全係数を1.16(=2.00/1.73)と設定した。また、P18以外の全ての想定建築地に対しては、「近隣のGs最大値」が、「建築地自体のGs’」を上回っており、この考え方の妥当性が確認できた。ちなみにP18の地盤は、かなり軟弱であり、深度28m程度までN値10以下であるため、大きな地盤増幅率を示したものと思われる。
【0063】
なお、前記したボーリングデータの絞込みは、地形、地質に注目して同一であるかを絞り込んでいるが、第1〜3種の地盤種別に注目して建築地の地盤種別と一致するボーリングデータに絞り込むようにしてもよい。また、建築地から例えば100m以内というように、ごく近傍のボーリングデータがあり、地形、地質が一致している場合、そのデータのみで建築地の地震動が推定できるものとしてもよい。前記の地盤種別は、建築基準法施行令、通達、昭56住指発第96号に示され、建築基準法施行令による地盤種別と卓越周期の分類を示しており、以下の表9のとおりである。
【0064】
【表9】
Figure 0004456296
【0065】
本発明の他の実施形態を説明する。この実施形態は、ボーリング地点における調査データから、卓越周期を求めて地盤調査を行う方法である。この方法においては、卓越周期を簡易的に算定する次の式(6)に基づいて、各ボーリング地点における地盤の卓越周期を算定する。なお、簡易算定式(6)において、hiは層厚であり、Hiはi番目の層の深度であり、Vsiはせん断波速度である。
【0066】
Tg=√[32Σ{hi(Hi-1+Hi)/2Vsi 2}] (6)
前記の簡易算定式(6)により、複数のボーリング地点における卓越周期が算定される。例えば、2地点の卓越周期を比較し、より長周期の卓越周期を建築地の卓越周期として推定する。この場合も建築地は2地点のほぼ中間に位置していることが必要である。ボーリング地点が3点の場合は前記の簡易算定式(6)から、3つの卓越周期が算定される。これらを比較し、最も長い卓越周期を建築地の卓越周期として推定する。3地点の場合は、建築地が3つのボーリング地点に囲まれていることが必要である。
このようにして、建築地における地盤の卓越周期を推定し、推定した設計用の卓越周期から、前記した例と同様に免震建物に必要な免震装置に用いる減衰装置の減衰定数等の仕様を決定することができる。
【0067】
次に、建築地における液状化の可能性を推定して地盤調査する方法について説明する。この方法では、ボーリング地点における調査データから、液状化発生に対する安全率を計算する。先ず、ボーリング地点の地盤内の各深さに発生する等価な繰返しせん断応力比を次式によって計算する。
【0068】
τd/σ’z=rn×(αmax/g)×(σz/σ’z)×rd
上式で、τdは水平面に生じる等価な一定繰返しせん断応力振幅
σ’zは検討深さにおける有効土被り圧
nは等価な繰返し回数に関する補正係数で、rn=0.1(M−1)
但し、Mは地震のマグニチュード
αmaxは地表面における設計用水平加速度(Gal)
σzは検討深さにおける全土被り圧(鉛直全応力)
dは地盤が剛体でないことによる低減係数で(1−0.015z)
zはメートル単位で表した地表面からの検討深さ
【0069】
次に、各深さにおける補正値を、次式および図9を用いて計算する。
a=N1+ΔNf
1=CN×N
N=√(10/σ’z
上式で、Naは補正N値、
1は換算N値、
ΔNfは細粒土含有率に応じた補正N値増分で図9による。
Nは換算N値係数(σ’zの単位はt/m2)、
Nは、とんび法又は自動落下法による実測N値、但しコーンプーリ法を用いたときは、ロープをプーリから外してハンマを自由落下させる努力をした場合、1割程度、自由落下をしなかった場合、2割程度割り引くこととする。
さらに、図10中のせん断歪振幅5%曲線を用いて、補正N値(Na)に対応する飽和土層の液状化抵抗比(τl/σ’z)を求める。ここに、τlは水平断面における液状化抵抗である。
【0070】
最後に、各深さにおける液状化発生に対する安全率Flを、式(7)により計算する。
l=[(τl/σ’z)/(τd/σ’z)]=(τl/τd) (7)
上式(7)より求めたFl値が1より大きくなる土層については液状化の可能性はないものと判定し、1以下となる場合はその可能性があり、値が小さくなるほどその土層の液状化発生危険度は高いと判定する。
【0071】
ボーリング地点2において、孔内水位が−20m以浅で且つ、砂質層が孔内水位以下で−20m以浅で且つ、その地点におけるFl値が1以下の場合、このボーリング地点2においては液状化の可能性があると判定する。そして、ボーリング地点2、3の少なくとも一方において、前記と同様に液状化の可能性があると判定された場合、建築地1においては液状化の可能性があると推定する。この場合の建築地1とボーリング地点2、3は、前記した例と同様に建築地1がボーリング地点2、3の中間に位置する位置関係が必要である。建築地における推定したFl値が1以下となり、液状化の可能性がある場合は、免震建築自体を断念するか、あるいは地盤改良をしてから免震建築する等の判断に反映される。
【0072】
各ボーリング地点2かつ3において、孔内水位が−20mより深いか、砂質層が孔内水位以下で−20mより深いか、またはその地点におけるFl値が1以上の場合、このボーリング地点2、3においては液状化の可能性がないと判定し、建築地1における液状化の可能性がないと推定する。この場合は、建築地における免震建物の建築は、地盤改良等をすることなく可能となる。このように、ボーリング地点2、3の液状化の可能性から、建築地1の液状化の可能性を容易に推定して判断できるため、建築地1において液状化の可能性を判断するためのボーリング調査を実施しないで液状化の可能性を推定できる。
【0073】
液状化の可能性の数値を推定して、その可能性を判定するとき、スウェーデン式サウンディング試験等の深度の浅い地盤調査で得られるN値と、孔内水位の測定結果により簡易的に判定することができる。前記の例では、地下深度20m程度までのボーリング地質調査による土質試験や、N値及び孔内水位の測定結果から算定式に基づいて判定しているが、ここでは戸建て住宅等の小規模建築物を建築する場合に十分に対応できる、地下深度5m程度までの液状化の可能性の判定について述べる。
【0074】
ここで、スウェーデン式サウンディング試験について、簡単に説明する。この試験はJIS A1221に規定する試験方法に準じて行うものであり、先端にスクリューポイントを固定したロッドを使用して、荷重1kNまでの静的載荷による沈下測定を行い、続いて1k N載荷のまま、回転貫入を行うものである。これは所定の方法によりロッドを貫入させ、25cmの長さを貫入させるのに要したロッドの半回転数(半回転を1回として計測する)を記録し、これを1m貫入量に換算した時の値(Nsw)を求めるものである。
【0075】
液状化を簡易的に判定するには、前記した判定法から孔内水位毎の安全率Fl=1となる安全限界での深さとN値(半回転数Nswに換算)の関係線図を求め、その線図の安全領域にスウェーデン式サウンディング試験結果があれば液状化発生の可能性は無いと判断する。そして、以下の検討において、より安全側の検討とするために、前記のαmax=200gal、M=7.5、土層は細砂とし、γ=1.8t/m3、細粒土含有率に応じた補正N値増分ΔNf=0とする。
【0076】
ここで、γは単位体積重量であり、液状化の可能性を推定するとき、有効土被り圧σ’z及び全土被り圧σzを算出する際に用いるものである。なお、検討深さより上部に存在する土の単位体積重量の和を「全土被り圧」と呼び、地下水位以下に関して水の単位体積重量(1.0)を引いたものを「有効土被り圧」と呼び、これは浮力の影響を考慮した値となる。
【0077】
これらの条件と前記の式から安全限界となる液状化抵抗比(τl/σ’z)を算出すると、
τl/σ’z=0.239z(1−0.015z)/(0.8z+W)
ここで、Wは孔内水位の深さを示している。
この液状化抵抗比からせん断幅ひずみ振幅5%曲線(図10)を表す次式から補正N値(Na)を算定する。
τl/σ’z=aCr{16√(Na/100)+(16√(Na/Cs)n
ここで、a=0.45、Cr=0.57、n=14、Cs=80である。
このようにして算定された補正N値(Na)から次式によりNswに変換する。N値=Na√{(0.8z+W)/10}
Nsw=(N値−2)/0.067
前記のように孔内水位の深さにより、その深さ以深の安全限界となるNsw値を算定して、図11に示す液状化危険度判定シートを作成した。このシートの使用法は、スウェーデン式サウンディング試験によるNsw値をシート上にプロットし、適用される孔内水位範囲の線図の右側の安全領域に孔内水位以下の全てのNsw値があれば安全と判断する。また、孔内水位測定を実施しない場合は孔内水位を−1mとして判定する。このように液状化の判定が簡易的にできるので、調査費用を削減でき、調査時間を短縮できる。
【0078】
さらに、建築地における最大規模の設計用地表波スペクトルを作成し、これを用いて設計用模擬地表波を作成して地盤調査する方法について説明する。先ず、近隣の活断層や過去の歴史地震を震源とする地震が懸念されない場合は、最大規模の模擬地表波は、例えば日本建築センター発行の設計用入力地震動作成手法技術指針に基づいて算定する。この場合の増幅率は表6のとおりとする。例えば、均質型地盤でレベル2の場合の計算式を以下に示す。
【0079】
短周期側増幅率 α=1.0−0.4Tg
最大増幅率 β=2.4−1.4(Ve/Vb)
なお、上式において、Tgは地盤卓越周期、Veは平均せん断波速度、Vbは工学的基盤のせん断波速度である。
【0080】
ここで、前記の式について検討すると、増幅率が大きくなる条件は短周期側増幅率αでは地盤卓越周期Tgが短周期の場合であり、最大増幅率βでは(Ve/Vb)が小さくなる場合であるが、一般に応答が大きくなるのは長周期成分が大きい場合であり、ここでは最大増幅率βで増幅率が大きくなる条件を検討する。工学的基盤のせん断波速度Vbは、定義から概ね400m/s以上であり、400m/sで一定であると仮定すると、Veが小さいほど最大増幅率βが大きくなる。
Veは、Ve=ΣVi・hi/Σhi
で示され、Viはi番目の地層のせん断波速度、hiはi番目の地層の層厚である。一般に過去の事例から工学的基盤の深度が深いほど(Σhiが大きいほど)Tgは長周期化し増幅率は大きくなるので、ここでは工学的基盤の深度が概ね30m以上で、Ve=ΣVi・hi/Σhiが小さいことを条件とする。
【0081】
前記した条件から全国規模または地域限定での多数の既存ボーリングデータから、大規模の模擬地表波となる地層構造を複数抽出する。そして、抽出した地層構造での設計用地表波スペクトルを前記した技術指針に基づいて算定する。このようにして算定された複数の設計用地表波スペクトルは、図12に示されるものであり、これらの複数のスペクトルを包含するスペクトルを合成する。図12(a)は3つの設計用地表波スペクトル15、16、17を示し、図12(b)は前記3つの設計用地表波スペクトルを包含する地表波スペクトル18を示している。ここで包含とは、それぞれの設計用地表波スペクトルの最大値部分を連続させることである。さらに本例では、安全率を考慮して包含した地表波スペクトルを1.2倍し、最大規模の設計用模擬地表波とする。
【0082】
次に、近隣の活断層や過去の歴史地震を震源とする地震が懸念される場合は、最大規模の模擬地表波は、近隣の活断層や過去の歴史地震を震源とする地震から作成する。先ず、建築地近傍の活断層を震源とする地震波より作成する場合について説明する。活断層の特性を考慮した、全国規模または地域限定で想定される全ての大規模な地震動スペクトルを表12に示すパラメータに基づき算定し、これらのスペクトルを包含するスペクトルを合成し、安全率を考慮して前記スペクトルを1.2倍して地震基盤における最大規模の地震動スペクトルを作成する。
【0083】
このように作成した地震基盤における最大規模の地震動スペクトルに、地盤基盤から工学的基盤までの震源からの距離5kmで想定される地質による最大の伝達関数を乗じて、工学的基盤での地震動スペクトルを作成する。ここで、震源からの距離を5kmとしたのは、耐震設計目標(設計クライテリア)が、活断層や歴史地震の震源からの震源距離を5kmとしているためである。工学的基盤での地震動スペクトルに、最大規模の設計用模擬地表波の工学的基盤からの増幅率である前記したα、βを乗じて、最大規模の設計用模擬地表波を作成する。
【0084】
そして、この最大規模の設計用模擬地表波の適用範囲を検討する。具体的には、活断層20からの距離が5kmから例えば1kmごとに離れた地点における工学的基盤での地震動スペクトルを作成する。この地震動スペクトルと、日本建築センターが発行する「設計用地震動作成手法技術指針」に基づく工学的基盤での模擬地震動スペクトルを比較し、作成した地震動スペクトルが模擬地震動スペクトルを超える範囲を検討する。例えば超える距離が20kmであるとすると、作成した地震動スペクトルの適用範囲Xは、図13に示すように5kmから20kmとなる。
【0085】
このようにして求めた地震動スペクトル範囲は、活断層や歴史地震を震源として想定される最大規模の地震動スペクトルなので、極めて安全な設計が可能となる。また、建築計画ごとにボーリング調査や地表波作成が省略でき、地盤調査を含めた建築計画や建築設計が容易となり、設計のコストダウンが達成できる。さらに、設計が簡素化できるため、知見の少ない設計者でも安全な設計ができ、建築確認業務も簡素化できる。
【0086】
最大規模の設計用模擬地表波を、建築地近傍の歴史地震を震源とする地震波より作成する場合は、前記と同様にして想定される最大規模の地震動スペクトルをマグニチュードおよび震源距離から作成し、適応範囲は図14に示すように震源地21を中心とする範囲Yとなる。この場合も、前記の活断層20を震源とする場合と同様の効果を奏する。
【0087】
さらに、最大規模の設計用模擬地表波を、工学的基盤深度が30m以上である地盤より作成する場合について説明する。設計用模擬地表波の定量的な検討をするに際し、表10に示す東京都の20箇所の地点の地盤を採用した。この20地点は様々な地盤を考慮するため、川や海沿いの地盤と内陸の地盤から各々5つの場所を選択し、各場所から2地点ずつ地盤を選択した。表10に示す20地点の地盤について、前記した「設計用入力地震動作成手法技術指針」に従い、地表波スペクトルを作成した。図15はその結果を示している。
【0088】
【表10】
Figure 0004456296
【0089】
図15において、免震周期について検討する。一般に、免震装置を含まない上部構造物のみの固有周期である建物周期に対し、免震装置を含む免震建築物全体での固有周期である免震周期は、数倍となるように設計するため、通常の建物の場合、免震周期は約2秒以上となる。図15に示す○枠22は、2秒以上の範囲を示しており、この範囲における地表波スペクトルpSv(免震)の値は100〜236(cm/s)であった。
【0090】
前記の結果から、より大きなpSv(免震)を示す地盤を選択する。平均せん断波速度Veまたは工学的基盤深度Σhiと、pSv(免震)の関係を図16に示す。図16は免震周期として2.5秒の値のものであるが、2.5秒に限定されるものでない。図16(a)から明らかなように、平均せん断波速度とpSv(免震)との間には、はっきりした相関が認められないのに対し、(b)に示すように、工学的基盤深度とpSv(免震)との間には深度が深いほど、すなわち深度が30mを超えると、pSv(免震)の値が大きくなる傾向が認められる。
【0091】
「設計用入力地震動作成手法技術指針」の手順において、最大増幅率βを適用する範囲は、0.2Tg〜2.2Tgの範囲であり、この範囲で地表波スペクトルはピークを示す場合が多い。ここでTgは地盤卓越周期であり、Tg=4Σhi/Veの関係で求めることができる。2.2Tgが免震周期範囲(2秒)以上に入ると、pSv(免震)が大きくなると考えられるから、その条件を計算するとTg≧0.91(秒)となる。一方、今回採用した地盤の平均せん断波速度のヒストグラムを示す図17を見ると、140m/s程度の頻度が多いことが分かる。Tg=4Σhi/Veの関係式より、Ve=140m/s、Tg=0.91secとして、工学的基盤深度Σhiを計算すると31.9mとなり、工学的基盤深度が30mを超えるとpSv(免震)が大きくなる傾向が分かる。
【0092】
例えば、ある地域のボーリングデータとして、表11に示す20箇所のデータが得られたとする。この場合、工学的基盤深度が30m以上であるa〜d、f〜gの7箇所の地盤(表11でハッチングした地盤)を選択する。このように選択した地盤について、前記した手順と同様の計算を実施し、地表波スペクトルpSvを得る。その結果、得られた免震周期2.5secでのpSv(免震)は、表12に示される。
【0093】
【表11】
Figure 0004456296
【0094】
【表12】
Figure 0004456296
【0095】
なお、表12は前記した7箇所以外の地盤の計算結果も示している。表12より、工学的基盤深度の深い7箇所の計算値(表12でハッチングした地盤)が、その他の地盤の計算値を概ね上回っていることが分かる。表12の結果より、地盤cの計算値が236(cm/s)で最大であり、この値を免震建築物の耐震設計及び応答解析設計に用いることができる。
【0096】
このように地盤を選択するとき、平均せん断波速度を計算することなく、工学的基盤の深度のみに注目し、基盤深度が所定値以上すなわち30m以上の地盤に限定して計算するので、より簡便に、より効率的に計算することができる。そして、最大規模の設計用模擬地表波を作成するときの工数が大幅に削減でき、短時間で作成できコストダウンを達成できる。
【0097】
本発明の他の実施形態として、公知の地震動スペクトルと、活断層の特性を考慮して活断層からの距離を変えて計算した複数の地震動スペクトルとを比較し、活断層の存在を考慮すべき距離を決定する例を説明する。この場合、公知の地震動スペクトルとして、日本建築センター発行の設計用入力地震動作成手法技術指針に記載されている、表1に記載のレベル2の水平動基準応答スペクトル25(以下、建築センタースペクトルという)を採用すると好適である。
【0098】
建築センタースペクトル(レベル2)25は、図18に示すように、長周期ほど大きな値を示し、0.6sec以上で速度レベルが100cm/secとなる特性を示している。建築センタースペクトルは、図19に示すように、工学的基盤面で定義されたスペクトルである。これに対し、日本建築学会論文報告集(1979)の「地震断層を考慮した地震動スペクトルの推定」に記載されている活断層スペクトルは、地震基盤面で定義されたものである。このため、工学的基盤面での活断層スペクトルを求めるためには、地震基盤と工学的基盤の間の増幅率を別途計算し、地震基盤面でのスペクトルにかけ合わせる必要がある。
【0099】
前記の増幅率は、例えば成層構造の重複反射理論(HaskellのMatrixを用いた手法)により計算できる。ここでは、埼玉県岩槻の地盤を例にとって計算を実施し、地盤特性を表13に、増幅率を図20に示す。図20で明らかなように、この地盤では、地震基盤から工学的基盤まで地震が伝わる際に、概ね6倍程度に増幅され、特に周期が2sec付近では増幅率が10倍程度になることが分かる。
【0100】
【表13】
Figure 0004456296
【0101】
次に、埼玉県南西部にある鶴川断層で、前記した活断層スペクトルを求めた。その特性を表14に、断層からの震央距離を20km、5km、2km、1kmの4通りとした地震基盤でのスペクトルを図21に示す。図21より、断層からの距離が短いほど速度レベルが大きく、長周期側で10cm/s程度となることが分かる。
【0102】
【表14】
Figure 0004456296
【0103】
そして、前記した図20に示す増幅率と、図21に示す地震基盤でのスペクトルとをかけ合わせた結果を、図22の工学的基盤でのスペクトル特性図に示す。図22より、震央距離を5kmまで近づけても建築センタースペクトル25のほうが大きく、建築センタースペクトル25で評価しておけば安全側の設計であるといえる。しかし、震央距離が1km程度では、活断層スペクトルのピーク値が建築センタースペクトル25と同レベルとなることが確認できた。このように活断層の存在を考慮すべき距離を定量的に表せるため、公知の建築センタースペクトル25が利用できる限界範囲を明確にでき、その限界において設計目標(クライテリア)の切り替えが可能となる。
【0104】
本発明の他に実施形態として、戸建て住宅や免震住宅等の小規模建築物の地震応答解析のための基準応答スペクトルについて説明する。この基準応答スペクトルは解放工学的基盤で設定された応答スペクトルである。先ず、地震動レベルとして、レベル1およびレベル2を定義する。レベル1は、小規模建物の供用期間は50年であるので設計用再現期間50年の地震動レベルとし、建物の供用期間中に1回以上受ける可能性がある地震動と定義する。レベル2は、供用期間50年に対して十分な余裕を考慮して設計再現期間100年の地震動レベルとし、建築地において過去および将来における最強の地震動と定義する。
【0105】
日本建築センターでは、水平動基準応答スペクトルは解放工学的基盤面での応答スペクトル特性を表すもので、前記した表1により定めるとしている。ここで、レベル1、2での基準応答スペクトルの値は、以下の数1、数2に示す算定式を用いて計算することができ、各設定周期間のスペクトル値は両対数軸上で直線補間され、図23に示される特性を示す。図23は、水平動基準応答スペクトル(レベル2)25と、水平動基準応答スペクトル(レベル1)26を示している。
【数1】
Figure 0004456296
【数2】
Figure 0004456296
【0106】
ここで、再現期間換算係数について説明する。地震動の最大加速度と最大速度の再現期間換算係数Ra、Rvは、それぞれの年最大値の確率分布に基づいて定められる。すなわち、統計年間400年の地震資料を用いた上下限値を有する分布による結果に、100年統計期間の資料による結果との比の全国平均である「0.94」を乗じて求め、7都市におけるr年再現期待値の値を100年再現期待値で基準化すると、概ね次式で推定可能である。
Ra=Rv=(r/100)0.54 (8)
rは再現期間(年)を示す。
【0107】
前記したレベル2の基準応答スペクトル(BCJ−L2)の換算について以下に説明する。BCJ−L2の再現期間は200年なので、式(8)のrに「200」を代入すると、速度換算係数Rv=(200/100)0.54=1.45となる。そして、再現期間100年の最大擬似速度応答スペクトルpSv1は、建築センタースペクトル25の最大擬似速度応答スペクトルが100cm/sであり、速度換算係数Rv=1.45で割ると、
pSv1=100/1.45=69m/s、と低減される。
【0108】
前記したレベル1の基準応答スペクトル(BCJ−L1)の換算も、同様に行う。BCJ−L1の再現期間は50年なので、式(8)のrに「50」を代入すると、速度換算係数Rv=(50/100)0.54=0.69となる。そして、再現期間100年の最大擬似速度応答スペクトルpSv2は、建築センタースペクトル26の最大擬似速度応答スペクトルが50cm/sであり、速度換算係数Rv=0.69で割ると、
pSv2=50/0.69=73m/s、と増加される。
前記のように求めたpSv1とpSv2とを比較し、設計用再現期間100年の最大擬似速度応答スペクトルは、安全側の検討を考慮して最大擬似速度応答スペクトルを73m/sとする。
【0109】
以上から、地震動レベルの設定は、レベル1の場合、再現期間50年は建築センタースペクトル26(BCJ−L1、最大擬似速度応答スペクトル50cm/s)を基準応答スペクトルとする。また、レベル2の場合、設計再現期間100年の最大擬似速度応答スペクトル73cm/sを、ばらつきや誤差を考慮して、10%割増して最大擬似速度応答スペクトルを80cm/sとなるように建築センタースペクトル25(BCJ−L2、最大擬似速度応答スペクトル100cm/s)を80%に低減したスペクトルを基準応答スペクトルとする。このようにして、小規模建築物の設計用再現期間に適した基準応答スペクトルを作成でき、それを地表波に引き上げて地震応答解析を行うことができるので、過剰設計とならない最適で安全な構造設計や免震設計が行える。これにより設計のコストを低減することができる。
【0110】
ここで、前記した活断層や歴史地震を震源とする地震波より作成した地震動スペクトルを、小規模建築物の設計用再現期間(再来期間)に合わせる例について説明する。例えば、模擬地震動スペクトル、活断層を震源とする地震や歴史地震の再現期間をr年、最大擬似速度応答スペクトルをpSvrとすると、再現期間100年からの再現期間換算係数(速度換算係数Rv)は、再現期間をr年とすると、
Rv=(r/100)0.54
となる。そして、再現期間100年の最大擬似速度応答スペクトルpSv1は、
pSv1=pSvr/(r/100)0.54
となり、誤差を考慮して、10%割増して、設計用再現期間100年の最大擬似速度応答スペクトルpSv100は、
pSv100=[pSvr/(r/100)0.54]×1.1
となる。
【0111】
このようにして求めた模擬地震動スペクトル、活断層を震源とする地震や歴史地震による地震動スペクトルを基準応答スペクトルとして地震応答解析を行い、最も大きい応答で構造設計や免震層設計を検討する。従って、小規模建築物の設計用再現期間に適した基準応答スペクトルを作成でき、これを地表波に引き上げて地震応答解析を行うことができるので、過剰設計にならない最適で安全な免震層設計が行える、このため、設計のコストを低減することができる。
【0112】
次に、前記の再現期間を活断層の再現期間から求める例について説明する。この例では、再現期間を活断層の長さと活動度から求めることを特徴とする。すなわち、活断層による地震の発生頻度は、平均変位速度が大きいほど大きく、平均変位速度が同じ場合は断層の長さが長く、発生する地震の規模が大きいほど発生頻度が小さくなることに基づくものであり、断層長さL(km)と平均変位速度S(mm/年)から、次式により計算できる。
logR=log(L/S)+1.9 (9)
ここで、平均変位速度S(=断層変位量D/年数T)は、表15に示すように、活動度に基づき安全側の値を採用する。
【0113】
【表15】
Figure 0004456296
【0114】
再現期間を活断層から求める例として、図24に示す東京都西部に位置する鶴川断層30と、栃木県北部に位置する関谷断層31について計算する。なお、図24において、福島県東部の断層は、双葉断層であり、長野県には松本盆地断層、木曽山脈山麓断層が示されている。
【0115】
鶴川断層30の場合、長さL=40.5km、活動度Cであるから、(9)式にL=40.5、S=0.1を代入すると、
R=10[log(40.5/0.1)+1.9]=32170(年)となる。これを適用範囲の上限500年に置き換えて、前記の(8)式と同様の式
Ra=Rv=(R/100)0.54 (10)に代入すると、
Ra=Rv=(500/100)0.54=2.38となる。
関谷断層31の場合、L=39.3km、活動度Aであるから、(9)式にL=39.3、S=10を代入すると、
R=10[log(39.3/10)+1.9]=312年となる。これを前記の(10)式に代入すると、
Ra=Rv=(312/100)0.54=1.85となる。
【0116】
よって、建築地が関東地方の場合、安全側の値Ra=Rv=1.85で補正したスペクトルを設計用入力地震動スペクトルとして採用する。このように、小規模建築物の設計用再現期間に適した入力地震動スペクトルを、活断層の長さと活動度から作成できるので、過剰設計とならない最適で安全な構造設計や免震層設計が行える。そして、建築可能範囲の拡大やコストダウン効果も期待できる。
【0117】
前記した地盤調査方法を用いて、建築地においてボーリング調査を実施しなくても設計用地表波スペクトル、地盤卓越周期、液状化の可能性を推定することができる。推定された設計用地表波スペクトル、地盤卓越周期および/または液状化の可能性を用いて、免震建物の減衰装置の設計に反映することができ、地盤の改良の必要性についても判断できるため、免震建物を低コストで建築することができる。
【0118】
また、前記した地盤調査方法を用いて、建築地における応答スペクトルを算出し、前記建築地に建築する建物の固有周期に対して前記応答スペクトルの応答が小さくなるように調整設計することができる。この場合、例えば実測データから応答スペクトルを算出する例について、以下に説明する。実測データとして、1995年兵庫県南部地震の際、神戸海洋気象台で記録された地震波を使用する。図25は、このデータの時刻歴データNS成分を示している。
【0119】
このデータは、神戸海洋気象台付近で発生しやすい地震波の特性及び表層地盤の特性等の地域性を反映しているものであり、このデータから加速度応答スペクトル等を算出できるが、本例では図26に示す変位応答スペクトルを算出した。図26において、横軸は建物の固有振動数(Hz)、縦軸はその振動数の建物に当該地震入力があった場合の応答変位(cm)である。同図において、例えば建物の階高を2.8m、層間変形角を1/100以下に抑えたい場合、応答変位を2.8cm以下にする必要がある。これから安全を見て応答変位の目標値を2.0cm以下と設定すると、ハッチングで示すように、建物の固有振動数は4.0Hz以上に調整することが望ましいことが分かる。
【0120】
次に、建物の固有振動数を調整する一例について、図27を参照して説明する。図27は外壁の固定イメージ図である。(a)に示す変更前の状態では2枚の外壁パネル40,40は左右の垂直辺が、それぞれ3本のリベット41でスタッド42に固定されている。このリベットの本数を例えば(b)に示すように、それぞれ5本とすることで建物の固有周期の調整をすることができる。また、リベット本数を増やす代わりに外壁パネルを固定するスタッド42の材厚を変更してもよく、スタッド42を水平部材43に固定する固定ボルト44をハイテンションボルトに変更することにより固有周期を調整することができる。このように、応答スペクトルの応答が小さくなるように、建物の固有振動数を調整設計することにより、建物の被害を軽減することができる。
【0121】
さらに、前記した設計用地盤卓越周期と推定する地盤調査方法を用いて、建築地における地盤卓越周期を推定し、前記建築地に建築する建物の固有周期と前記推定値とを外すように調整設計することができる。このときに使用する地盤卓越周期は解析により求めたものや、測定により求めたもののどちらでもよい。応答加速度に注目した場合の例として、1968年十勝沖地震の際、八戸港湾で図28に示す地震波時刻歴データNS成分が記録された。
【0122】
このデータから加速度(又は速度、変位)応答スペクトル等を算出できるが、本例では図29に示す加速度応答スペクトルを算出した。図29において、横軸は建物の固有振動数(Hz)、縦軸は当該地震入力があった場合の応答加速度(cm/s2)である。同図において、建物の固有振動数が3.0Hz或いは4.5Hz付近では大きな応答(800m/s2)を示すことが分かる。また、3.8Hz程度か、もしくは5.0Hz以上では応答が小さいことが分かり、ハッチングで示す範囲に建物の固有振動数が入るように調整すれば、地震時の応答加速度が低減できる。これにより家具転倒等による物的、人的被害の防止が期待できる。
【0123】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明による地盤調査方法によれば、建築地においてボーリング調査を実施することなく、近隣のボーリングデータを利用して短時間で、しかも低コストで精度よく、設計用の地表波スペクトルを推定することができる。このため、設計用地表波スペクトルを免震装置の設計等に反映させることができ、地盤調査を必要とする免震建物のコストダウンに極めて有効である。
【0124】
本発明による地盤調査方法によれば、建築地においてボーリング調査を実施することなく、近隣のボーリングデータを利用し、地盤の層構造より複数地点の層構造が連続していることを確認して短時間で、しかも低コストで精度よく、設計用の地表波スペクトルを推定することができる。このため、設計用地表波スペクトルを免震装置の設計等に反映させることができ、地盤調査を必要とする免震建物のコストダウンに極めて有効である。
【0125】
本発明による地盤調査方法によれば、複数のボーリングデータから絞り込んだ複数の地表波スペクトルを算出し、最大のものを設計用地表波スペクトルとするので、開削ボーリング調査が不要となり、地盤調査費用の削減が図れる。
【0126】
本発明による地盤調査方法によれば、近隣のボーリングデータから得られた地表波スペクトルに増幅特性係数をかけることにより、より精度の高い設計用地表波スペクトルを得ることができる。
【0127】
本発明による地盤調査方法によれば、近隣の複数のボーリングデータから算出した地盤卓越周期から安全側の地盤卓越周期を推定でき、免震建築物のコストダウンを達成することができる。
【0128】
本発明による地盤調査方法によれば、近隣のボーリングデータを利用して容易に、短時間で建築地の液状化の可能性を推定でき、免震建築物が建築できるかを判断することができるとともに、地盤改良が必要かを判断することができる。
【0129】
本発明による地盤調査方法によれば、深度の浅い地盤調査により液状化危険度の判定ができるので、調査費用の削減と調査時間の短縮が可能となる。
【0130】
本発明による地盤調査方法によれば、建築地における精度の高い設計用地表波スペクトルとして推定できるため、免震装置等の設計に役立てることができ、免震建築物のコストダウンに貢献できる。
【0131】
本発明による地盤調査方法によれば、建築地において、より精度の高い設計用地表波スペクトルとして推定できるため、免震装置等の設計に役立てることができ、免震建築物のコストダウンに貢献できる。
【0132】
本発明による地盤調査方法によれば、建築計画地ごとに必要であったボーリング調査や地表波作成を省略することができ、また地域ごとに設計用模擬地表波が統一でき、建築設計の標準化ができ、建築設計が容易となり、コストダウンを達成できる。
【0133】
本発明による地盤調査方法によれば、近隣の活断層や過去の歴史地震を震源とする地震から最大規模の模擬地表波を作成し、適用範囲を検討するため、必要な強度での建築が可能となる。
【0134】
本発明による地盤調査方法によれば、設計用模擬地表波を作成する際の地盤は、工学的基盤の深度のみに注目して選択すればよく、平均せん断波速度の計算が不要となり、工数を削減でき、より簡便に、より効率的に計算できる。また、本発明による地盤調査方法によれば、工学的基盤深度が30m以上である地盤より、最大規模の設計用模擬地表波を、より簡便に効率的に作成することができる。
【0135】
本発明による地盤調査方法によれば、活断層からの距離と地震動スペクトルの関係が明らかとなり、水平動基準応答スペクトルと、ある距離における地震動スペクトルとが接近する場合は、活断層の距離を考慮して設計用模擬地表波を作成することができる。
【0136】
本発明による地盤調査方法によれば、所定の低減率をかけて小規模建築物に適用できる基準応答スペクトルを算出するため、小規模建築物の設計用再現期間に適した基準応答スペクトルを作成でき、地震応答解析を行うことができる。
【0137】
本発明による地盤調査方法によれば、最強の地震動を低減した地震動スペクトルと、一回以上受ける可能性がある地震動を増幅した地震動スペクトルの内、規模の大きいものを
基準応答スペクトルとするため、過剰設計とならない最適で安全な構造設計や免震設計が可能となる。
【0138】
本発明による地盤調査方法によれば、小規模建築物の設計用再現期間に適した入力地震動スペクトルを建築地近隣の活断層の長さと活動度から求めた活断層の再現期間に合わせて作成できるので、過剰設計とならない最適で安全な構造設計や免震層設計を行え、建築可能範囲を拡大でき、免震建物のコストダウンを達成できる。
【0139】
本発明による地盤調査方法によれば、設計用地表波スペクトル、設計用模擬地表波を、小規模建築物の設計用再現期間に合わせて補正するので、小規模建築物の設計用再現期間に適した基準応答スペクトルを作成でき、これを地表波に引き上げて地震応答解析を行うことができる。
【0140】
本発明による免震建物を建築する方法によれば、建築地においてボーリング調査を実施しなくても設計用地表波スペクトル、地盤卓越周期および/または液状化の可能性を推定できるため、免震建物を短時間で効率よく、しかも低価格で建築することができ、地盤改良の判断もできる。
【0141】
本発明による建物の設計方法によれば、一般住宅に対しても耐震性の向上を図ることができ、例えば壁クロスが切れる、剥がれる等の被害を軽減できる。本発明による建物の設計方法によれば、建物内において、例えば家具転倒による物的、人的被害の防止が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地盤調査方法の一実施形態の建設地、ボーリング地点の位置関係を示す平面図。
【図2】(a)、(b)は、各ボーリング地点における地表波スペクトル図、(c)は推定した設計用地表波スペクトル図。
【図3】(a)、(b)は、他の各ボーリング地点における地表波スペクトル図、(c)は推定した設計用地表波スペクトル図。
【図4】本発明に係る地盤調査方法の他の実施形態の説明図。
【図5】設計用地表波スペクトルを算出するフローチャート。
【図6】大阪駅周辺のボーリングデータを示す概略平面図。
【図7】図6の不適当なボーリングデータを除外した概略平面図。
【図8】図7の想定建築地における近隣データ数、地盤増幅率Gs、安全係数等を示す表図。
【図9】細粒土含有率と補正N値増分ΔNfの関係を示すグラフ。
【図10】補正N値(Na)と飽和土層の液状化抵抗比τl/σ’zの関係を示すグラフ。
【図11】液状化危険度判定シートを示す線図。
【図12】(a)は、複数の地表波スペクトルを示すグラフ、(b)は、それらを包含する地表波スペクトルのグラフ。
【図13】活断層を震源として想定された模擬地震動スペクトルの適用範囲の説明図。
【図14】歴史地震を震源として想定された模擬地震動スペクトルの適用範囲の説明図。
【図15】表10の場所における設計用入力地震動の周期と地表波スペクトルpSvを示すグラフ。
【図16】(a)は、平均せん断波速度と地表波スペクトルpSvの関係を示すグラフ、(b)は工学的基盤深度と地表波スペクトルpSvの関係を示すグラフ。
【図17】平均せん断波速度の分布を示すグラフ。
【図18】水平動基準応答スペクトル、レベル2(建築センタースペクトル)の特性図。
【図19】建築センタースペクトルと、活断層スペクトルの説明図。
【図20】埼玉県岩槻の地震基盤から工学的基盤間の増幅率を示すグラフ。
【図21】断層からの震央距離を20km、5km、2km、1kmの4通りとした地震基盤でのスペクトル特性図。
【図22】図19のスペクトル特性に、図20の増幅率をかけた工学的基盤でのスペクトル特性図。
【図23】レベル1、レベル2を示す水平動基準応答スペクトルの特性図。
【図24】本州中央部の活断層を示す図。
【図25】兵庫県南部地震の時刻歴データNS成分を示す線図。
【図26】図25の変位応答スペクトル線図。
【図27】(a)は調整前、(b)は調整後の建物の外壁の固定イメージ図。
【図28】十勝沖地震の地震波時刻歴データNS成分を示す線図。
【図29】図28の加速度応答スペクトル線図。
【符号の説明】
1 建築地、
2、3 ボーリング地点
5、6 地表波スペクトル、
7 推定した設計用地表波スペクトル
8、9 地表波スペクトル、
10 推定した設計用地表波スペクトル、
11、13 層構造、
12、14 まとめた層構造、
15、16、17 複数の地震動スペクトル、
18 包含した地震動スペクトル、
20 活断層、 21 歴史地震の震源、
25 レベル2の水平動基準応答スペクトル(建築センタースペクトル)、
26 レベル1の水平動基準応答スペクトル(建築センタースペクトル)、
30 鶴川断層、 31 関谷断層、
X、Y 適用範囲

Claims (4)

  1. 建築地近傍において複数のボーリング地点のボーリングデータを収集し、該ボーリングデータのN値に基づいて各ボーリング地点の層構造パターンを作成し、該層構造パターンを比較して複数のボーリング地点の層構造が連続していることを推定し、前記ボーリングデータに対応する複数の地表波スペクトルを算出し、各地表波スペクトルが交差する場合は規模の大きい側の地表波スペクトル同士を接続して合成することにより設計用地表波スペクトルを得ると共に、交差しない場合は大きい側の地表波スペクトルを用いることにより設計用地表波スペクトルを得ることを特徴とする地盤調査方法。
  2. 前記複数のボーリング地点のボーリングデータから建築地と同一地形または同一地質のボーリングデータに絞り込み、絞り込まれた複数のボーリングデータが3本以上の場合は、該データから複数の地表波スペクトルを算出し、そのうちの最大のものを設計用地表波スペクトルとすることを特徴とする請求項1に記載の地盤調査方法。
  3. 建築地において想定される最強の地震動に、再現期間200年の速度換算係数より求めた1/1.45の低減率をかけて求めたスペクトルと、建物の供用期間中に一回以上受ける可能性がある地震動に、再現期間50年の速度換算係数より求めた増幅をかけて求めたスペクトルを比較し、安全側の規模が大きいスペクトルを地表波スペクトルとすることを特徴とする地盤調査方法。
  4. 建築地近隣の活断層の長さと平均変位速度から活断層の再現期間を求め、該再現期間を用いて地震動の最大加速度と最大速度の再現期間換算係数を算出し、該再現期間換算係数で補正して、設計用入力地震動スペクトルを算出することを特徴とする地盤調査方法。
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