JP7288876B2 - ラック式倉庫の設計支援装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、設計対象の建物の用途を表す建物用途情報と、設計対象の建物の室の用途を表す室用途情報とを、既に設計が完了した建物である実績建物の用途を表す実績建物用途情報及び実績建物の室の用途を表す実績室用途情報と、実績建物の室の設計条件との組み合わせを表す実績情報とに基づいて、設計対象の建物の室の設計条件を出力する構成を備えた設計支援装置が開示されている。このような設計支援装置を用いることで、既に設計が完了した建物の実績情報に応じて、建物の各室の設計支援を適切に行うことができる。
これに対し、上記の特許文献1に開示された構成は、上記のような様々な要因を考慮して設計する必要がある自動ラック倉庫を想定してなされたものではなく、自動ラック倉庫にも有効な設計支援技術の開発が望まれる。
特許文献2に開示されたような構成では、物品を、ラックの高さ方向位置に対応する質点に、所定の摩擦係数で保持されているものとして扱うことで、ラックの棚上に載置された物品の影響を考慮し、ラックの地震応答解析を行ってはいるものの、ラック式倉庫におけるラックの高さや部材等を、具体的にどのように設計するのかが開示されていない。
特許文献3に開示された構成においても、ラックに格納された積荷の落下の有無を推定するものの、ラック式倉庫におけるラックの高さや部材等を、具体的にどのように設計するのかが開示されていない。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のラック式倉庫の設計支援装置は、ラック式倉庫の設計支援装置であって、前記ラック式倉庫が建設される敷地地盤の地盤物性値から地盤の卓越周期を推定する卓越周期推定部と、複数のラック架構形式の各々に対し、ラック高さとラック固有周期との関係を示すデータが記憶されたラック固有周期データベースと、複数の前記ラック架構形式から一のラック架構形式を選択する選択部と、前記ラック固有周期データベースを参照して、前記一のラック架構形式に対し、前記地盤の卓越周期を基に地盤とラックとが共振する共振高さを算出し、算出された前記共振高さに係数を乗じて、前記共振高さよりも共振する可能性が低いラック推奨高さを推定するラック高さ推定部と、前記ラック高さ推定部で推定された前記ラック推奨高さを有する前記一のラック架構形式を対象に、ラックの推定応答加速度、及び推定応答変位を含む、地震時応答を推定する地震応答解析部と、前記地震応答解析部で算出された前記ラックの推定応答加速度、及び前記推定応答変位が閾値を超えないように、前記一のラック架構形式を構成する使用部材を決定する部材決定部と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、卓越周期推定部で、敷地の地盤の卓越周期を推定する。また、選択部で、複数のラック架構形式から一のラック架構形式が選択されると、ラック高さ推定部は、選択された一のラック架構形式について、ラック固有周期データベースに記憶されたラック高さとラック固有周期と、卓越周期推定部で推定された地盤の卓越周期とに基づいて、地盤とラックとが共振する共振高さを算出する。ラック高さ推定部は、算出された共振高さに係数を乗じることで、共振高さよりも地盤とラックとが共振する可能性が低いラック推奨高さを推定する。さらに、地震応答解析部は、推定されたラック推奨高さを有する一のラック架構形式について、地震時応答を推定する。部材決定部では、推定された地震時応答に含まれるラックの推定応答加速度、推定応答変位が閾値を超えないように、一のラック架構形式を構成する使用部材を決定する。このようにして、敷地地盤の卓越周期と、過去の設計実績に基づくラック固有周期データベースの情報とを活用して、新たに建設する敷地地盤において、共振が生じにくいラック推奨高さを算出し、さらにそのラック推奨高さで推定応答加速度、推定応答変位が閾値以下となるように、ラック架構を構成する使用部材を決定する。これにより、設計作業の手戻り(後戻り、やり直し)を最小限に抑えて、設計作業を円滑に進めることができる。その結果、ラック式倉庫におけるラックの高さやラック式倉庫の柱梁架構を構成する使用部材の設計を効率的に行うことが可能となる。
このような構成によれば、落下推定部が、落下率データベースを参照し、部材決定部で決定された使用部材を用いて構成されるラックについて、ラック固有周期から保管物の落下の有無を推定することで、ラックを構成する使用部材を決定するのに加えて、ラックからの保管物の落下を抑えることができる。
このような構成によれば、ラックを設計する過程で推定された地盤の卓越周期、ラック推奨高さ、及び地震時応答を含むデータを蓄積していくことで、ラック式倉庫を構成するラック及び柱梁架構を構成する使用部材の地震時応答を高い精度で推定可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明によるラック式倉庫の設計支援装置を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本実施形態におけるラック式倉庫の設計支援装置によって設計されるラック式倉庫の一例を示す概略図を図1に示す。
図1に示されるように、本実施形態におけるラック式倉庫の設計支援装置によって設計されるラック式倉庫1は、敷地の地盤G上に構築された建屋2と、建屋2内に設けられた複数のラック3と、を備えている。ラック3は、建屋2内の床上に設けられている。各ラック3は、上下方向に複数段の棚を有し、各段の棚に保管物を保管する。建屋2内で、複数のラック3の間には通路4が形成され、この通路4を図示しないスタッカークレーンが移動し、各ラック3の棚への保管物の載置、棚からの保管物の取り出し等を自動的に行う。
図2に示されるラック式倉庫1の設計支援装置10は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等のコンピュータ装置からなる。設計支援装置10は、コンピュータ装置を構成するCPU、メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶装置を含むハードウェアと、コンピュータ装置に予め設定されたコンピュータプログラムとが協働して所定の処理を実行する。この設計支援装置10は、情報入力受付部11と、卓越周期推定部12と、選択部13と、ラック固有周期データベース20と、ラック高さ推定部14と、地震応答解析部15と、部材決定部16と、落下率データベース21と、落下推定部17と、データベース更新部18と、情報出力部19と、を機能的に備えている。
ラック固有周期データベース20には、ラック3を構成するための複数のラック架構形式の各々に対し、ラック高さとラック固有周期との関係を示すデータが記憶されている。
ラック架構形式としては、例えば、後に説明するユニット式ラックやビル式ラックが挙げられる。また、ラック架構形式としては、これも後に説明する頭ツナギや背面ツナギ、これらの組み合わせなど、複数のラック同士を互いに接合する形態も含まれ得る。
選択部13は、ラック3の設計処理を行う過程で、複数のラック架構形式から一のラック架構形式を仮に選択する。
ラック高さ推定部14は、後に詳述するようにして、選択部13で仮に選択された一のラック架構形式について、共振が生じにくいラック3の高さを、ラック推奨高さとして推定する。ラック高さ推定部14は、ラック固有周期データベース20を参照して、地盤Gとラック3とが共振する共振高さと異なる高さを、ラック推奨高さとして算出する。
部材決定部16は、地震応答解析部15で算出されたラック3の推定応答加速度、及び推定応答変位が、予め定めた閾値を超えないように、一のラック架構形式で形成されるラック3を構成する使用部材を決定する。
落下推定部17は、落下率データベース21を参照し、部材決定部16で決定された使用部材を用いて構成されるラック3について、ラック固有周期から保管物の落下の有無を推定する。
情報出力部19は、設計支援装置10で所定の処理を行う過程で、作業者による確認、判断、選択等が必要な情報や、設計支援装置10で設計処理を終えた結果を示す情報、すなわちラック3の設計情報等を、外部に出力する。情報出力部19は、前記の情報を表示するモニター、プリンター、他のコンピュータ装置に情報を送信するインターフェイス等であってもよい。
図3は、上記したような設計支援装置10でラック3の設計支援を行う処理の流れを示すフローチャートである。
設計支援装置10では、ラック3自体の計画与条件(例えば、保管量や保管物の諸条件など)に加え、敷地の地盤Gの性状や予期される地震などの立地条件を加味した検討を行い、地震時のラック3からの積荷の落下被害(地震リスク)が抑えられるように、ラック3の設計支援を行う。図3に示すように、設計支援装置10におけるラック3の設計支援処理は、事前検討処理S2と、詳細検討処理S3と、を含んでいる。事前検討処理S2では、敷地の地盤Gの卓越周期とラック3の固有周期を推定し、ラック3の塔状比について仮設定を行う。その後、詳細検討処理S3で、塔状比が仮設定されたラック3について、地震応答解析、ラック3の固有値解析等を行い、その結果に基づいた評価を行うことで、ラック3を構成する使用部材を決定する。このように、地盤Gの性状等を考慮したうえで仮決定したラック3について、さらに詳細な検討を行うことで、検討対象となるラック3のモデルの数を抑える。
敷地の地盤Gの卓越周期を推定する処理(ステップS21)では、卓越周期推定部12が、ラック式倉庫1が建設される敷地の地盤Gの地盤物性値から地盤Gの卓越周期を推定する。これには、まず、敷地の地盤Gの土質柱状図のN値から、せん断波速度Vs(m/s)を推定する。せん断波速度Vsは、例えば、統計式(太田裕、後藤典俊、「S波速度を他の土質的諸指標から推定する試み」、物理探鉱、第29巻、第4号、pp.31-41、1976)を用いて推定することができる。この統計式によりせん断波速度Vsを推定するには、敷地の地盤Gの土質柱状図に基づいて、標準貫入試験深さ毎にN値を、上記統計式に入力する。この場合、地盤Gを構成する各土質層の層厚が、例えば0.3m以下の薄い層は無視する。また、地盤Gの表層で層厚が1mを超える層がある場合には2分割する。
また、検層、密度検層を実施している場合は、深度、土質分類、せん断波速度Vs、密度を直接入力してもよい。この場合、深度は、土質分類、Vs境界を参考に、ほぼ1mピッチで分割する。
次いで、得られたせん断波速度Vsに基づいて、地盤のせん断弾性係数を算出する。
その後、表層地盤の非線形地震応答解析から求めた地表面の加速度応答スペクトルと入力地震動の加速度応答スペクトルとの比において、一番長いピーク周期を表層地盤の卓越周期Trespとする。この両者の関係を明らかにすることで、土質柱状図から算出した地盤Gの固有周期TVsから、表層地盤の卓越周期Trespを推定可能となる。
このようにして得られた、敷地の地盤Gの固有周期TVsと卓越周期Trespとの関係の一例を図4に示す。
図4により、地盤の非線形性を考慮した地盤Gの卓越周期Trespは、概ね下式により推定可能であることがわかる。
敷地の地盤Gの卓越周期を推定する処理(ステップS21)と、ラック3の固有周期を取得する処理(ステップS22)とを終えたら、ステップS21、S22で得られた地盤の卓越周期とラックの固有周期を比較し(ステップS23)、その比較結果に基づき、ラック3の塔状比を仮設定する(ステップS24)。ラック3の塔状比は、ラック3と地盤Gとの共振が生じにくくなるように設定する必要がある。
この図5において、ラック3としては、ユニット式ラックと、ビル式ラックとを例示した。ビル式ラックは、ラックに小屋組と屋根・壁が加わり建屋一体型を形成している。ユニット式ラックは、建屋2とは独立して設けられている。ユニット式ラックは、通常の設計条件に基づき部材算定された標準モデルであり、ビル式ラックは、ユニット式ラックに補強材を組み合わせた同等のモデルである。図5において、横軸にラック高さ、縦軸にラック固有周期をとり、ユニット式ラックは設計重量に対する運用重量(平均運用重量×充填率[運用時に保管されている荷の質量を、保管可能な荷の質量(平均運用荷重×総棚数)で除した比率のこと])の割合ごと、及びビル式ラックのラック高さと固有周期の関係を線形近似した。図5において、ステップS21で推定した地盤Gの卓越周期の値を縦軸にとり、各ラックの近似直線と交差するポイントが、地盤Gとラック3との共振が生じやすいラック3の共振高さとなる。例えば、図5の例で、ステップS21で推定した地盤Gの卓越周期の値が1.25秒である場合、共振高さは、ラック形式や設計重量に対する運用重量の割合(ラック設計条件)により異なり、ユニット式ラックの場合、おおよそ21m、23m、25m、28.5mとなる。
ラック高さ推定部14では、計画するラック3の高さにおけるラック固有周期と地盤Gの卓越周期を比較して、双方が近接する場合は、共振を避けるために、ラック3の高さを変更することでラック3の塔状比を変更する。
このようにして、ラック高さ推定部14では、ステップS21、S22で得られた地盤の卓越周期とラックの固有周期とが近接している場合に、ラック推奨高さH2を算出することで、ラック3の塔状比を見直す。応答の大きい周期を避けることにより、ラック3の応答を減少させ、ラック3からの積荷落下被害を最小限に抑制する。
詳細検討処理S3では、地震応答解析部15が、ラック高さ推定部14で推定されたラック推奨高さを有する一のラック架構形式を対象に、ラック3の地震時応答を推定する。これには、まず、ステップS21で得られた敷地の地盤の卓越周期と、ステップS1で入力された土質柱状図とに基づいて、敷地の地盤Gの地盤モデルを作成する(ステップS31)。地盤モデルの作成には、適宜の解析ソフトウェアを用いればよい。
次いで、ステップS1で入力された、敷地の地盤Gで想定される地震波(入力地震波)を用いて、ステップS31で作成した地盤モデルについて、地盤地震応答解析を行い(ステップS32)、地盤Gにおける加速度応答スペクトルを得る(ステップS33)。
続いて、部材算定を行ったラック3について、解析を行うためのラック構造モデルを作成する(ステップS35)。さらに、作成したラック構造モデルについて、固有値解析を行う(ステップS36)。
比較の結果、地震波の卓越周期と、ラックの固有周期とが近い場合は、ステップS34に戻り、ラック3を構成する部材の再算定を行う。この場合、ラック3の固有周期が変わるように、ラック3の構造について見直す。
また、ラック3を構成する使用部材を見直す場合、施工時のラック建て方精度を調節しやすい丸鋼(ターンバックル)や、部材耐力の大きい平鋼(フラットバー)を要所要所で使い分けるのが良い。
また、通路4を挟んで互いに対向するラック3の頭部同士を、ラック全幅に配したツナギ材にピン接合するようにしてもよい(図6、7中における「頭ツナギ」)。あるいは、最下節と、最下節よりも上方の節の柱材をサイズアップしたラック3に対し、頭部同士をツナギ材にピン接合してもよい(図6中における「耐震化検討(3)」)。
また、二本の通路4間で、互いに背中合わせに配置されるラック3同士の間に板材を挟み込み、各ラック3の柱材を板材に接続することで、ラック3の曲げ変形を抑制するようにしてもよい(図6、7中における「背面ツナギ」)。あるいは、ラック3に対し、頭部同士をツナギ材にピン接合するとともに、上記のような板材による接続を行ってもよい(図6中における「頭+背面ツナギ)。
また、ラック高さとラック固有周期の関係には、ラック3に設けられた棚当たりの設計重量に対する運用重量(平均運用重量×充填率)の割合が影響する。運用重量が大きく(平均運用重量が重く、且つ充填率が高い)、設計重量との余裕度が小さいほど、ラック固有周期は長くなる。このため、運用重量を、設計重量に対して適正に設定するのも有効である(図6中における「荷重軽減」)。
また、ビル式ラックは、ラック3に小屋組と屋根・壁が加わり建屋一体型を形成している。このため、ラックの剛性が高く、ラック高さが同じ場合は、建屋2とは独立しているユニット式のラック3よりも固有周期が短い。ラック架構をビル式に変更することにより、大幅な周期短縮が可能となる。
このようにして、ラック3の部材の再算定を行った後は、上記と同様に、ラック構造モデルの作成(ステップS35)、固有値解析(ステップS36)を行う。
図7は、複数の建設場所での各耐震架構形式による地震時の推定応答値を示す比較図である。
この図7に示すように、ラック周期が長くなるほど応答加速度は小さくなる傾向にある。また、ラック周期に対する最大応答加速度の増減傾向は概ね対応している。このことから、入力地震波の加速度応答スペクトルとラックの固有周期が分かれば、地震対策による応答の増減傾向は掴めると考えられる。
また、ラック3の構造を見直すため、頭ツナギ、頭ツナギ+背面ツナギの対策を施すと、固有周期が短く(剛性が高く)なる。
また、頭ツナギ+背面ツナギの対策を施すと、対策効果(ラックの固有周期を短くすること)によって、地震動の卓越周期から外れる方向に移動することになる場合と、卓越周期に近づく方向に移動する場合とがある。
図7において、落下率は、荷すべり変位が43cm以下に収まっているため、荷すべりによる積荷全体の落下ではなく、加速度による荷崩れ落下が支配的である。そのため、落下率の変化は、最大応答加速度と類似した性状を示す。すなわち、ラック周期が短いほど落下率は大きくなる。
頭ツナギ、頭ツナギ+背面ツナギの対策をラックに施すと、ほぼ標準ラックに比べ落下率は増加する傾向にある。これは、ラック周期を短周期化(剛性を増加)することにより最大応答加速度が増加する傾向にあるためである。
ステップS38、S39の結果に問題がなければ、ステップS35で作成したラック構造モデルの構造計算を行い、詳細検討処理S3における一連の処理は完了する。
このような構成によれば、卓越周期推定部12で、敷地の地盤Gの卓越周期を推定する。また、選択部13で、複数のラック架構形式から一のラック架構形式が選択されると、ラック高さ推定部14は、選択された一のラック架構形式について、ラック固有周期データベース20に記憶されたラック高さとラック固有周期と、卓越周期推定部12で推定された地盤Gの卓越周期とに基づいて、地盤Gとがラック3とが共振する共振高さを算出する。ラック高さ推定部14は、算出された共振高さに係数kを乗じることで、共振高さよりも地盤Gとラック3とが共振する可能性が低いラック推奨高さを推定する。さらに、地震応答解析部15は、推定されたラック推奨高さを有する一のラック架構形式について、地震時応答を推定する。部材決定部16では、推定された地震時応答に含まれるラック3の推定応答加速度、推定応答変位が閾値を超えないように、一のラック架構形式を構成する使用部材を決定する。このようにして、敷地の地盤Gの卓越周期と、過去の設計実績に基づくラック固有周期データベース20の情報とを活用して、新たにラック式倉庫1を建設する敷地の地盤Gにおいて、共振が生じにくいラック推奨高さを算出し、さらにそのラック推奨高さで推定応答加速度、推定応答変位が閾値以下となるように、ラック3を構成する使用部材を決定する。これにより、設計作業の手戻りを最小限に抑えて、設計作業を円滑に進めることができる。その結果、ラック式倉庫1におけるラック3の高さや、ラック式倉庫1の柱梁架構を構成する使用部材等の設計を効率的に行うことが可能となる。
このような構成によれば、落下推定部17が、落下率データベース21を参照し、部材決定部16で決定された使用部材を用いて構成されるラック3について、ラック固有周期から保管物の落下の有無を推定することで、ラック3を構成する使用部材を決定するのに加えて、ラック3からの保管物の落下を抑えることができる。
このような構成によれば、ラック3を設計する過程で推定された地盤Gの卓越周期、ラック推奨高さ、及び地震時応答を含むデータを蓄積していくことで、ラック式倉庫1を構成するラック3及び柱梁架構を構成する使用部材の地震時応答を高い精度で推定可能となる。
3 ラック 17 落下推定部
10 設計支援装置 18 データベース更新部
12 卓越周期推定部 20 ラック固有周期データベース
13 選択部 21 落下率データベース
14 ラック高さ推定部 G 地盤
15 地震応答解析部
Claims (3)
- ラック式倉庫の設計支援装置であって、
前記ラック式倉庫が建設される敷地地盤の地盤物性値から地盤の卓越周期を推定する卓越周期推定部と、
複数のラック架構形式の各々に対し、ラック高さとラック固有周期との関係を示すデータが記憶されたラック固有周期データベースと、
複数の前記ラック架構形式から一のラック架構形式を選択する選択部と、
前記ラック固有周期データベースを参照して、前記一のラック架構形式に対し、前記地盤の卓越周期を基に地盤とラックとが共振する共振高さを算出し、算出された前記共振高さに係数を乗じて、前記共振高さよりも共振する可能性が低いラック推奨高さを推定するラック高さ推定部と、
前記ラック高さ推定部で推定された前記ラック推奨高さを有する前記一のラック架構形式を対象に、ラックの推定応答加速度、及び推定応答変位を含む、地震時応答を推定する地震応答解析部と、
前記地震応答解析部で算出された前記ラックの推定応答加速度、及び前記推定応答変位が閾値を超えないように、前記一のラック架構形式を構成する使用部材を決定する部材決定部と、を備える
ことを特徴とするラック式倉庫の設計支援装置。 - 前記地盤の卓越周期別に、前記ラック固有周期と落下率との関係を示すデータが記憶された落下率データベースと、
前記落下率データベースを参照し、前記部材決定部で決定された使用部材を用いて構成される前記ラックについて、前記ラック固有周期から保管物の落下の有無を推定する落下推定部と、を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のラック式倉庫の設計支援装置。 - 前記卓越周期推定部で推定された前記地盤の卓越周期と、前記ラック高さ推定部で推定された前記ラック推奨高さ、及び前記地震応答解析部で推定された地震時応答値を、前記ラック固有周期データベースに登録することで、前記ラック固有周期データベースを更新する、データベース更新部を備えている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のラック式倉庫の設計支援装置。
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