JP7132012B2 - 地盤改良基礎構造 - Google Patents

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本発明は、地盤と固化材とを混合撹拌させた改良体によって構築される地盤改良基礎構造に関するものである。
地盤上に住宅などの建物を建てる際には、建物の重量を支持できるだけの地耐力(支持力)があるか否かを調査することに加えて、地震によって被害を受ける地盤でないかどうかを調査することが望ましい。例えば、特許文献1には、地震基盤の加速度応答スペクトルと表層地盤の増幅率を求めて、その結果に基づいて求められた固有周期(卓越固有周期)を使用して建築物の耐震設計を行う方法が開示されている。
また、特許文献2では、液状化被害軽減を目的として上部構造物の下方地盤が囲まれるように壁状改良体を備えた地盤改良基礎構造に関して、鉛直荷重を負担する部分と液状化に対して剛性を高めるために配置される部分とを明確にすることによって、合理的かつ経済的な構造となることを提案している。
ここで、地震動の表層地盤増幅が懸念されると判定された場合、増幅を軽減するためには単純に地盤の剛性を高めることが考えられる。小規模建築物の地盤改良は敷地の制約や経済性から、その多くは、小口径の鋼管杭又は地盤とセメント系固化材とを混合撹拌させた改良体によるものとなる。
特開2011-80905号公報 特開2015-200173号公報
しかしながら、改良体によって支持地盤の水平剛性を高めて剛性が増加すると、上部構造物の振動特性に近似して、建物に有害な共振を起すようになることがある。
そこで、本発明は、地震動の表層地盤増幅による上部構造物の揺れを軽減させることが可能な地盤改良基礎構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の地盤改良基礎構造は、地盤とセメント系固化材とを混合撹拌させた改良体によって構築される地盤改良基礎構造であって、上部構造物の下方地盤が囲まれるように設けられる壁状改良体を備え、前記壁状改良体を含む支持地盤の卓越固有周期と前記上部構造物の固有周期とを乖離させるように調整がされていることを特徴とする。
ここで、前記上部構造物による鉛直荷重が作用する平面位置に設けられる複数の柱状改良体を備え、前記柱状改良体の深度は前記壁状改良体の深度よりも深い構成とすることができる。
また、別の地盤改良基礎構造の発明は、地盤と固化材とを混合撹拌させた改良体によって構築される地盤改良基礎構造であって、上部構造物の下方地盤の浅層部分に設けられる盤状改良体と、前記上部構造物による鉛直荷重が作用する平面位置に設けられる複数の柱状改良体とを備え、前記盤状改良体及び柱状改良体を含む支持地盤の卓越固有周期と前記上部構造物の固有周期とを乖離させるように調整がされていることを特徴とする。
そして、前記支持地盤の卓越固有周期と前記上部構造物の固有周期とを乖離させる調整は、前記改良体の剛性を低減させるために弾性樹脂の添加材を付加することによって行うことができる。
このように構成された本発明の地盤改良基礎構造は、地盤と固化材とを混合撹拌させた改良体によって構築される地盤改良基礎構造であって、改良体を含む支持地盤の卓越固有周期と上部構造物の固有周期とを乖離させるような調整がされる。
このため、建物などの上部構造物の振動特性が支持地盤に近似して共振が起きるような状態の発生が回避され、地震動の表層地盤増幅による上部構造物の揺れを軽減させることができる。
本実施の形態の地盤改良基礎構造の効果を説明する図である。 表面波探査によって得られた結果の一例であって、(a)は深度ごとのS波速度分布を示した図、(b)はS波速度から表層地盤増幅率を求めた結果を示した図である。 地盤調査方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 本実施の形態の地盤改良基礎構造の概略構成を示した斜視図である。 改良体の剛性の増加分を考慮して表層地盤増幅率を求めた結果を示した図である。 実施例1の地盤改良基礎構造の概略構成を示した斜視図である。 実施例2の地盤改良基礎構造の概略構成を示した斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態の地盤改良基礎構造は、住宅や小規模集合住宅などのような上部構造物となる建物の基礎として地盤に構築される。ここで、地盤改良基礎構造が設けられる上部構造物を下方から支える地盤を、「支持地盤」と呼ぶこととする。
地盤改良基礎構造が設けられる地盤に対しては、1地点又は複数地点において地盤調査が行われる。地盤調査としては、表面波探査試験や貫入試験などが行われる。
地盤調査の1手法である表面波探査試験とは、地盤の表面に当てた起振機によって人工的に発生させたレイリー波を、起振機から離れた位置に設置された複数のセンサ(検出器)で測定することで、地盤の硬さを調べる調査方法である。要するに、物質が硬質になれば伝播速度も速くなることを利用して、調査対象地盤が硬質であるか軟質であるかなどの硬さの度合いを、伝播速度の大きさから推定する方法である。
詳細には、起振機から異なる距離に設置された2つのセンサによって、起振機から地盤に付与されたレイリー波を検出した時間を検出する。ここで、2つのセンサは異なる位置に設置されているため、検出時間には時間差が生じる。
そこで、2つのセンサ間の距離と検出時間の時間差とから、表面波の伝播速度(S波速度)を算出する。この時間差を正確に求めるためには、スペクトルアナライザーを使用して、検出信号からノイズを完全に除去する必要がある。
一方、貫入試験とは、例えば標準貫入試験のように、対象層までボーリングを行い、当該層に対して錘を落下させたときの貫入量でその土層の硬軟を評価する動的貫入試験がある。また、スウェーデン式サウンディング試験のように、ロッドに錘を載荷したときの沈下の有無や回転貫入させたときの抵抗度合いから、間接的に当該層の支持性能を評価する静的貫入試験などがある。
ここで、ボーリングやスウェーデン式サウンディング試験の貫入装置に加振機を取り付けて、調査対象となる土層を動的に打撃する機構とした場合、いわば動的な載荷試験を行っていることと同じになり、地震時の当該層の剛性を評価していることになる。このため、これと相関性のあるS波速度が得られるという考え方ができる。
これらの地盤調査の結果から得られたS波速度から、地震時に地盤の揺れが大きく増幅されるか否かの判定を行うことができる。ここで、「地盤の揺れ(地震動)の増幅」とは、切土盛土などの地盤条件によって局所的に地震波が大きく増幅することをいう。
このような地震動の増幅がある地盤を事前に特定しておくことで、地震被害を低減又は防止することができるようになる。要するに「揺れ低減対策」とは、大地震時に地盤が大きく揺れることで誘引される建物被害を低減するための対策を指す。
地震動の増幅が起きるか否かの増幅判定は、例えば表層地盤増幅率を基準に行われる。表層地盤増幅率とは、地表近くの表層地盤の地震時の揺れの大きさを数値化したものであり、地震に対する地盤の弱さを示す。
この表層地盤増幅率は、例えば表面波探査試験又は貫入試験によって得られた調査対象地盤のS波速度から算出することができる。例えば図2(a)に示す深度ごとのS波速度の値は、表面波探査試験又は貫入試験によって得ることができる。
そして、これを解析することによって、図2(b)に示したような周期ごとの表層地盤増幅率を求めることができる。表層地盤増幅率は、数値が大きいほど地盤が弱く揺れも大きくなるといわれている。
また、建築される構造物の固有周期が当該地盤の表層地盤増幅率の高い周期帯にある場合には、構造物の固有周期に合致する地震動がより大きくなり、想定以上の変形を生じて被害を及ぼす可能性がある。
こうしたことから、建物の特性や過去の実験結果等の知見に基づいて、例えば周期0.5secにおいて表層地盤増幅率α=2.0倍を基準値として、その基準値以上の表層地盤増幅率が算出された場合は揺れ低減対策が必要とし、基準値未満であれば揺れ低減対策が不要であると判定することが考えられる。
ここで、深度ごとのS波速度の値は地盤ごとに様々である。住宅において表層地盤増幅率を求める場合には、充分な強度をもつ土層(硬質地盤)を「工学的基盤」とする。例えば、S波速度VS=400m/s程度の地盤が工学的基盤に該当する。
そして、この工学的基盤を底盤として、それ以浅の地盤のS波速度と、密度と、減衰定数と、土質とを設定する。ここで、表層地盤増幅率の検討においては、軟弱地盤を対象とするのであれば、例えば「小規模建築物基礎設計指針」(日本建築学会,2008年)などの文献を参考にすることができる。例えば、粘性土地盤を想定し、密度1.7t/m3、減衰定数は過大とならない0.03程度と仮定し、変数である工学的基盤以浅のS波速度に応じた検討を予め行うことができる。
以下では、図3を参照しながら地盤調査方法の処理の流れを説明する。地盤調査を行うにあたっては、それまでに蓄積されてきた既存の地盤調査結果や、文献などから得られる既存の地盤データなどが利用される。
ステップS1では、実際に住宅を建設する調査対象地盤において、地盤調査を行う。地盤調査は、例えば表面波探査試験が行われる。この表面波探査試験によって、調査対象地盤の深度ごとのS波速度が測定される。
そこで、S波速度が400m/s以上となる深さを、工学的基盤までの深さとして特定する(ステップS2)。さらに、工学的基盤までのS波速度を平均して、表層地盤の平均S波速度として算定する(ステップS3)。
そして、ステップS4では、上述したような既存の地盤データを使用して、調査対象地盤の特定された工学的基盤までの深さと平均S波速度との関係などから表層地盤増幅率を推定する。
この推定された表層地盤増幅率が、揺れ低減対策の要否判定の基準値となる。例えば周期0.5secにおいてα=2.0倍以上であれば、揺れ低減対策が必要であると判定される(ステップS5)。
このように地盤調査の結果から揺れ低減対策が必要と判定された場合、上部構造物の固有周期と、支持地盤の卓越固有周期とを乖離させた地盤改良基礎構造を設ける必要がある。基本的には、水平剛性を高めると短周期側に遷移することになる(図5参照)。
そこで、例えば図4に示すように、上部構造物の下方地盤が囲まれるように壁状改良体3を備えた地盤改良基礎構造1を設けて、地震動の表層地盤増幅を軽減させる。この図に示した地盤には、例えば上層に液状化するおそれのある液状化層G2が存在している。
液状化層G2には、地下水位以下の砂質土層が該当する。さらにこの地盤には、液状化層G2よりも深い位置に、硬い支持層G1が存在する。また、液状化層G2と支持層G1との間には、軟弱地盤層などが介在される。
支持層G1は、杭のような深い基礎の先端を埋設させたときに、先端支持力が確保できる程度の硬さを有する地層である。本実施の形態の地盤改良基礎構造1は、地盤とセメント系固化材とを混合撹拌させた改良体によって構築される。
このような改良体は、例えば深層混合処理工法やソイルセメント工法によって構築することができる。これらの工法では、セメントミルクのようなスラリー状のセメント系固化材を、切削された原位置の地盤の中に混入させて、混合撹拌させることによって改良体(ソイルセメント)を構築する。
具体的には、油圧モータによって回転駆動するオーガの先端に取り付けられた撹拌翼によって地盤を原位置で切削し、オーガの先端から吐出されるセメントミルクと切削された地盤とを撹拌翼よって混合撹拌させる。この混合撹拌によってソイルセメントとなった部分がセメント系固化材の化学的な固化反応によって固結し、原地盤よりも圧縮強度の高い改良体に形成される。
一方、本実施の形態の上部構造物は、例えば梁と柱とによって骨組みが形成される住宅などの建物である。例えば、間隔を置いて配置される柱間に梁を架け渡すことで構造部材となる骨組構造体が形成される。
この骨組構造体を構成する柱及び梁は、例えばH形鋼、溝形鋼(C形鋼)又は角形鋼管などの鋼材によって形成することができる。また、骨組構造体は、柱と梁とをボルトで接合させる鉄骨構造体であってもよいし、柱と梁とを溶接によって剛接合させるラーメン構造体であってもよい。
このような柱と梁によって骨組構造体が形成される建物の自重などの鉛直荷重は、柱脚部から集中的に基礎に伝達される。図4に模式的に示した図では、4箇所に集中荷重P,・・・が作用している。すなわち図4に集中荷重P,・・・を図示した平面位置は、建物の柱脚部が設置される四隅を示している。そして、この集中荷重Pが作用する位置に、柱状改良体2を構築する。
この柱状改良体2は、上述した深層混合処理工法などによって構築される円柱状の改良体である。そして、柱状改良体2の先端は、地盤の支持層G1まで到達させる。このようにして構築される柱状改良体2の支持力は、柱状改良体2の周面と地盤との間の摩擦抵抗と、支持層G1に埋め込まれた部分の先端抵抗との合計で表わされる。
一方、柱状改良体2,2間には、壁状改良体3が設けられる。この壁状改良体3は、上述した深層混合処理工法などによって構築される円柱状の改良体を連続させることによって構築される。具体的には、液状化層G2の深度に合わせた長さに構築される改良体である単位柱体31,・・・を、両側をそれぞれラップさせることで連続体となるように構築する。
本実施の形態では、柱状改良体2と単位柱体31とは、直径及び材質が同じになる。他方、柱状改良体2の深度は、壁状改良体3(換言すると単位柱体31)の深度よりも深くなる点で相違している。
ここで、改良の条件は、改良体の剛性と改良率によって設定される。一般的な軟弱地盤対策としてセメント系固化材と混合撹拌させた改良体を設計する場合には、地盤調査時に土を採取して配合試験を行って、その強度を設計に反映させる。
そして、地震動増幅に対しても同様の試験で検討することができ、剛性値を求めれば設計を行うことができるようになる。この結果から原地盤に対する改良率を考慮して再検討を行って、例えば図5に示すように基準値(周期0.5secにおいてα=2.0)を下回る最適設計を行うことができる。なお、配合試験を行わず、実績などから例えば原地盤に対して剛性増加率3倍と設定して検討することも考えられる。
基本的には、上述したように剛性を上げることで増幅を軽減することができるが、例えばもともと軟弱地盤であって地盤改良が必要で、その改良によって支持地盤の剛性が増加し、その結果、基準値(周期0.5secにおいてα=2.0)において地震動増幅のおそれがある状態になることがある。すなわち、支持地盤の振動特性が建物などの上部構造物の振動特性に近似して、共振が起きやすい状態になることがある。
このような場合には、支持地盤の剛性を軽減させる調整を行う必要がある。例えば、壁状改良体3の剛性を低減させることを目的に、弾性樹脂の添加材を付加する。この弾性樹脂には、廃タイヤチップなどが利用できる。
そして、壁状改良体3を含む支持地盤の剛性を低減させることで、支持地盤の卓越固有周期を長周期側に遷移させることで、図1に示したように、表層地盤増幅率が基準値(周期0.5secにおいてα=2.0)を下回るようにすることができるようになる。
ここで、添加材としてセメント系固化材で地盤補強する場合の添加量の考え方の一例について説明する。一般の地盤改良の場合、その強度が充分か否かを確認するために、現地土での配合試験及び一軸圧縮試験を行い、最低限必要な固化材配合量を決める。あるいは既存資料(「小規模建築物基礎設計指針」(日本建築学会)など)から、必要な圧縮強度を確保するための最低限必要な固化材配合量を決める。
このとき設定される最低限必要な一軸圧縮強さquに対して、剛性も考慮して最終的な添加量を決める。そのためには剛性の推定が必要だが、一軸圧縮強さと剛性には一定の関係性があり、例えば「建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針」(日本建築センター)で示されている設計資料の実験データを参照することで設定できる。例えば、砂地盤であれば設計用変形係数E50(MN/m2)が130 qu、シルトであればE50=260 quなどと推定できる。ここで、E50はqu/2における弾性係数であり、大地震時の揺れ低減を考えると、初期剛性で評価するよりも安全側である。
次に、本実施の形態の地盤改良基礎構造1の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の地盤改良基礎構造1は、地盤とセメント系固化材とを混合撹拌させた改良体(2,3)によって構築される。
そして、改良体(2,3)を含む支持地盤の卓越固有周期と上部構造物の固有周期とを乖離させるような調整がされる。この調整は、支持地盤の水平剛性を高めて短周期側に遷移させる調整(図5参照)であっても、支持地盤の水平剛性を低減して長周期側に遷移させる調整(図1)であってもよい。
要するに、建物などの上部構造物の振動特性と支持地盤の振動特性とが近似して共振が起きるような状態の発生を回避することで、地震動の表層地盤増幅による上部構造物の揺れを軽減させることができる。
また、柱状改良体2の先端を地盤の支持層G1まで到達させることで、柱状改良体2の鉛直荷重に対する支持力が確実に確保できるうえに、壁状改良体3を液状化層G2の範囲に限定して構築することで経済的に液状化を防ぐことができる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について、図6を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例1の地盤改良基礎構造1Aは、図6に示すように壁状改良体3Aのみが設けられる。すなわち、上部構造物の下方地盤が囲まれるように平面視長方形の各辺に壁状改良体3A,・・・が設けられる。壁状改良体3Aは、所望する深度に合わせた長さに構築される改良体である単位柱体31A,・・・を、両側をそれぞれラップさせることで連続体となるように構築する。
このように構成された実施例1の地盤改良基礎構造1Aにおいても、壁状改良体3Aを含む支持地盤の卓越固有周期と上部構造物の固有周期とを乖離させるような調整がされる。この調整は、支持地盤の水平剛性を高めて短周期側に遷移させる調整であっても、支持地盤の水平剛性を低減して長周期側に遷移させる調整であってもよい。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例2について、図7を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例2の地盤改良基礎構造1Bは、図7に示すように、上部構造物の下方地盤の浅層部分に設けられる盤状改良体4と、上部構造物による鉛直荷重が作用する平面位置に設けられる複数の柱状改良体2B,・・・とを備えている。
柱状改良体2Bは、前記実施の形態で説明した柱状改良体2と同様に、深層混合処理工法などによって構築される円柱状の改良体である。一方、盤状改良体4は、浅層混合処理工法(表層改良工法)などによって構築される。
例えば地盤剛性を上げることで地震動増幅を抑える場合、浅層混合処理工法などのセメント系固化材を原地盤に混合する方法が適用できる。一般的に浅層混合処理工法の設計では、現場で土試料の採取を行って、土質試験や室内配合試験により一軸圧縮強さを求める。
そして、この圧縮試験で得られた荷重-変位関係から剛性を確認することによって、地震動増幅を抑える最適な剛性を求め、同条件で施工することになる。なお、原地盤に添加する固化材は、不同沈下修復の注入工法で用いられる水ガラス系薬液とすることもできる。
一方、地盤剛性を下げることで地震動増幅を抑える場合には、例えば廃タイヤチップなどの弾性樹脂の添加材を原地盤の土と混合して締固めることで、盤状改良体4を構築することができる。この場合も、現場の土を採取して室内での圧縮試験で剛性を確認することで最適設計を行うことができる。なお、この場合は剛性を低下させることになるため、支持地盤が必要な鉛直支持力度を確保できることも確認する。
このように構成された本実施例2の地盤改良基礎構造1Bにおいても、盤状改良体4及び柱状改良体2Bを含む支持地盤の卓越固有周期と上部構造物の固有周期とを乖離させるような調整がされる。この調整は、支持地盤の水平剛性を高めて短周期側に遷移させる調整であっても、支持地盤の水平剛性を低減して長周期側に遷移させる調整であってもよい。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、柱状改良体2の先端を支持層G1に到達させたが、これに限定されるものではなく、周面摩擦抵抗のみで必要支持耐力が確保できる場合は、先端を支持層G1に到達させなくてもよい。
また、前記実施の形態及び実施例では、固化材を添加して剛性を高めたり弾性樹脂を添加して剛性を低減させたりすることで、支持地盤の卓越固有周期と上部構造物の固有周期とを乖離させる調整について説明したが、これに限定されるものではなく、支持地盤の減衰性能を上げて増幅を軽減させる調整や、固化材の添加量を減らして剛性を低減させる調整などであってもよい。
1,1A,1B:地盤改良基礎構造
2,2B :柱状改良体
3,3A :壁状改良体
4 :盤状改良体

Claims (1)

  1. 地盤とセメント系固化材とを混合撹拌させた改良体によって構築される地盤改良基礎構造であって、
    上部構造物の下方地盤が囲まれるように設けられる壁状改良体と、
    前記上部構造物による鉛直荷重が作用する平面位置に設けられるとともに、前記壁状改良体の深度よりも深い位置まで設けられる複数の柱状改良体とを備え、
    前記壁状改良体及び柱状改良体を含む支持地盤の卓越固有周期と前記上部構造物の固有周期とを乖離させるように調整がされていることを特徴とする地盤改良基礎構造。
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