JP2008138514A - 地盤調査方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 地盤を振動させることによって発生したレイリー波を検出し、検出した結果に基づいて前記地盤の性質を調査する地盤調査方法および装置において、前記検出した結果から前記地盤を構成するそれぞれの地層100と、前記それぞれの地層の土質200とをそれぞれ分類し、分類された前記地層と前記土質とに基づいて地盤解析演算式300を選択し、選択された地盤解析演算式を用いて前記検出した結果を解析して得る情報を利用して前記地盤の性質を調査する。
【選択図】 図1
Description
図3は、本発明の実施の形態1に係る地盤調査を実施するための構成を模式的に示す概念図である。図3において、Aは、地盤調査の各調査現場に持ち込まれ、地盤G上に設置して表面波であるレイリー波を発生させるために用いられる起振機を示している。また、aおよびbは、起振機Aの上下振動によって地盤Gの内部に発生したレイリー波を検出するための検出器である。図3に示すように、これらの検出器aおよびbは、起振機Aによる加振によって地盤Gの内部に発生したレイリー波の伝播速度を計測するために、所定の距離Lを隔てて、地盤G上に設置されている。そして、これらの起振機Aと検出器aおよびbとは、起振機Aが振動する振幅および周波数を制御すると共に、検出器aおよびbによって検出された信号を演算等するための制御演算装置Bに電気的に接続されている。この制御演算装置Bの記憶部には、後述する所定の演算式が記憶されている。
ここで、Vrはレイリー波の伝播速度(m/s)を、Lは検出器aおよびbの間の隔離距離(m)を、ΔTは検出器aおよびbがレイリー波を検出した時間の時間差(s)を、それぞれ示している。
λ=Vr/F ・・・(3)
ここで、Dはレイリー波の伝播深度(m)を、λはレイリー波の波長(m)を、Fは起振機Aの振動数すなわちレイリー波の周波数(Hz)を、それぞれ示している。
ここで、VRはレイリー波の平均伝播速度(m/s)を、VLは曲線Cの調査対象層に係る二つの変曲点の地核側のレイリー波の伝播速度(m/s)を示している。従って、地層10のレイリー波の平均伝播速度Vr1は、式(5)のように求められる。
また、図6に示す地層20のレイリー波の平均伝播速度Vr2を算出する場合には、その地層の種類が沖積層であり、また土質が粘性土(ここでは、内部摩擦角=0°とする)であることから、図1に示す対応する地盤解析演算式(6)により、レイリー波の平均伝播速度Vr2を算出する。
ここで、VRはレイリー波の平均伝播速度(m/s)を、VUおよびVLは曲線Cの調査対象層に係る二つの変曲点の地表側および地核側のレイリー波の伝播速度(m/s)を示している。従って、地層20のレイリー波の平均伝播速度Vr2は、式(7)のように求められる。
また、図6に示す地層30および40のレイリー波の平均伝播速度Vr3およびVr4を算出する場合には、その地層の種類が沖積層であり、また土質が砂質土および堆積土であることから、図1よりレイリー波の平均伝播速度Vr3およびVr4を前記の式(4)により算出する。従って、地層30および40のレイリー波の平均伝播速度Vr3およびVr4は、式(8)および式(9)のように求められる。
Vr4=V4 ・・・(9)
また、図6に示す地層50および60のレイリー波の平均伝播速度Vr5およびVr6を算出する場合には、その地層の種類が洪積層であり、また土質が固結した砂および土丹盤であることから、図1に示す対応する地盤解析演算式(10)により、レイリー波の平均伝播速度Vr5およびVr6を算出する。なお、この洪積層の土質としては、固結した砂および土丹盤以外に、岩盤、密実な礫層等も含まれる。
ここで、VRはレイリー波の平均伝播速度(m/s)を示している。なお、VUおよびVL、DUおよびDLについては前述と同様である。従って、地層50および60のレイリー波の平均伝播速度Vr5およびVr6は、式(11)および式(12)のように求められる。
Vr6≒((V6 2D6−V5 2D5)/(D6−D5))(1/2) ・・・(12)
なお、前記の式(10)は、従来の地盤調査において地盤を構成する各地層のレイリー波の平均伝播速度をマトリックス法により求める際に用いられている演算式である。
以上のようにして、各地層10〜70の地層の種類および土質に基づいて、レイリー波の平均伝播速度Vr1〜Vr7が算出される。
Py=(VR/99.6)(1/0.510) ・・・(15)
ここで、VRはレイリー波の平均伝播速度(m/s)を、quは一軸圧縮強度(kgf/cm2)を、Pyは圧密降伏応力(kgf/cm2)を、それぞれ示している。
qt=Py/2 ・・・(17)
ここで、Cは地層の粘着力(kgf/cm2)を、qtは平板載荷試験による降伏荷重度の二分の一の値(kgf/cm2)を、quは一軸圧縮強度(kgf/cm2)を、Pyは圧密降伏応力(kgf/cm2)を、それぞれ示している。
qa=qt+(N’γ2Df)/3 ・・・(19)
ここで、式(18)においては、qaは許容応力度(kN/m2)を、ic=iq=(1−θ/90)2、iγ=(1−θ/φ)2、θは鉛直方向に対する傾斜角(°)を、φは内部摩擦角(°)を、αおよびβは基礎底面の形状に関する形状係数を、Cは基礎底面下にある地層の粘着力(kgf/cm2)を、Bは基礎底面の短辺の長さ(m)を、Nc、NγおよびNqは支持力係数を、Dfは基礎底面までの深さ(m)を、γ1およびγ2は基礎荷重面下にある地盤の単位体積重量(kN/m3)を、それぞれ示している。また、式(19)においては、qtは平板載荷試験による降伏荷重度の二分の一の値(kgf/cm2)を、N’は基礎荷重面下の地盤の種類に応じた係数を、それぞれ示している。なお、式(19)においてγ2およびDfは、式(18)の場合と同等である。このようにして、地盤を構成する各地層の許容応力度qaは求められる。
ここで、Gは地盤の剛性率(kN/m2)を、gは重力加速度(m/s2)を、ρは地盤の密度(kg/m2)を、VRはレイリー波の平均伝播速度を、それぞれ示している。式(20)によって地盤の剛性率Gが算出された後、その算出された剛性率Gの値を以下に示す式(21)に代入することによって、地盤のヤング係数を算出する。
ここで、Eは地盤のヤング係数を、νは地盤のポアソン比を、Gは地盤の剛性率(kN/m2)を、それぞれ示している。そして、式(21)によって地盤のヤング係数Eが算出された後、その算出された地盤のヤング係数の値を以下に示す式(22)に代入して、地盤の即時沈下量を算出する。
ここで、SEは地盤の即時沈下量(cm)を、Isは基礎底面の形状と剛性によって決まる係数を、νは地盤のポアソン比を、Eは地盤のヤング係数を、σは基礎の圧縮荷重(kN/m2)を、Bは基礎の短辺の長さ(m)を、それぞれ示している。上述のようにして、地盤の即時沈下量SEは求められる。
ここで、Scは地盤の圧密沈下量(cm)を、mvは地盤の体積圧縮係数を、Δτは増加有効地中応力(kN/m2)を、hは圧密層厚(m)を、それぞれ示している。なお、地盤の圧密沈下量の算出は、以下に示す式(24)によって算出しても良い。
式(24)において、Scは地盤の圧密沈下量(cm)を、hは圧密層厚(m)を、Ccは圧縮指数を、eは初期間隙比を、Δτは増加有効地中応力(kN/m2)を、σzは建設前の地中応力(kN/m2)を、それぞれ示している。上述のようにして、地盤の圧密沈下量Scは求められる。
ここで、Swは繰り返しせん断応力比を、γnは予想される地震のマグニチュードに基づく補正係数を、αmaxは予想される地震の規模(Gal)を、gは重力加速度(Gal)を、κz=ηH(η:砂質土比重、H:求める深度)、κz’=ηL+(η−9.8)(H−L)(η:砂質土比重、L:地下常水位、H:求める深度)、γdは求める深度Hに基づく低減係数を、それぞれ示している。
ここで、Rは液状化抵抗比を、τ1は水平面における液状化抵抗(kN/m2)を、それぞれ示している。なお、式(26)におけるκz’は、前記の式(25)におけるκz’と同様である。
ここで、Fは液状化の発生率を、Rは液状化抵抗比を、Swは繰り返しせん断応力比を、それぞれ示している。なお、液状化の発生率を解釈する際には、F<1.0である場合には液状化は発生しないと解する。このようにして、地盤の液状化の発生率Fは求められる。
図4は、本発明の実施の形態2に係る地盤調査を実施するための構成を模式的に示す概念図である。図4において、Aは、地盤調査の各調査現場に持ち込まれ、地盤G上に設置して表面波であるレイリー波を発生させるために用いられる起振機を示している。また、a、bおよびcは、起振機Aの上下振動によって地盤Gの内部に発生したレイリー波を検出するための検出器である。図4に示すように、これらの検出器a、bおよびcは、起振機Aによる加振によって地盤Gの内部に発生したレイリー波の伝播速度を計測するために、それぞれ所定の距離Lを隔てて、地盤G上に設置されている。そして、これらの起振機Aと検出器a、bおよびcとは、起振機Aが振動する振幅および周波数を制御すると共に、検出器a、bおよびcによって検出された信号を演算等するための制御演算装置Bに電気的に接続されている。
10〜70 地層
100 地層
200 土質
300 地盤解析演算式
A 起振機
B 制御演算装置
C 曲線
G 地盤の表面
a〜c 検出器
Claims (10)
- 地盤を振動させることによって発生したレイリー波を検出し、検出した結果に基づいて前記地盤の性質を調査する地盤調査方法において、
前記検出した結果から前記地盤を構成するそれぞれの地層と、前記それぞれの地層の土質とをそれぞれ分類し、分類された前記地層と前記土質とに応じて地盤解析演算式を選択し、選択された地盤解析演算式と前記地層と前記土質とに基づいて前記地盤の性質を推定することを特徴とする地盤調査方法。 - 前記地盤を構成するそれぞれの地層の分類は、前記地盤を洪積層、沖積層および堆積土または造成土の何れかに分類することを特徴とする、請求項1に記載の地盤調査方法。
- 前記地層のそれぞれにおける土質の分類は、前記地層のそれぞれの土質を堆積土、砂質土、粘性土および造成土の何れかに分類することを特徴とする、請求項1に記載の地盤調査方法。
- 前記地盤解析演算式は、前記検出した結果を用いて前記地盤を構成するそれぞれの地層におけるレイリー波の平均伝播速度を算出するに係る演算式であることを特徴とする、請求項1に記載の地盤調査方法。
- 前記地盤の性質は、地盤の許容応力度、地盤の即時沈下量および圧密沈下量、および地盤の液状化の発生率を含み定義されていることを特徴とする、請求項1に記載の地盤調査方法。
- 地盤を振動させることによって発生したレイリー波を検出し、検出した結果に基づいて前記地盤の性質の調査を行う地盤調査装置において、
前記検出した結果から前記地盤を構成するそれぞれの地層を判定する地層判定手段と、前記それぞれの地層の土質を判定する土質判定手段と、分類された前記地層と前記土質とに応じて地盤解析演算式を選択する地盤解析演算式選択手段と、選択された地盤解析演算式と前記地層と前記土質とに基づいて前記地盤の性質を推定する推定手段とを備えることを特徴とする地盤調査装置。 - 前記地盤を構成するそれぞれの地層を判定する地層判定手段は、前記地盤を洪積層、沖積層および堆積土または造成土の何れかに分類する分類手段を備えることを特徴とする、請求項6に記載の地盤調査装置。
- 前記それぞれの地層の土質を判定する土質判定手段は、前記地層のそれぞれの土質を堆積土、砂質土、粘性土および造成土の何れかに分類する分類手段を備えることを特徴とする、請求項6に記載の地盤調査装置。
- 前記地層と前記土質とに応じて地盤解析演算式を選択する地盤解析演算式選択手段は、前記検出した結果を用いて前記地盤を構成するそれぞれの地層におけるレイリー波の平均伝播速度を算出するに係る演算式を識別する識別手段を備えることを特徴とする、請求項6に記載の地盤調査装置。
- 前記選択された地盤解析演算式と前記地層と前記土質とに基づいて前記地盤の性質を推定する推定手段は、地盤の許容応力度、地盤の即時沈下量および圧密沈下量、および地盤の液状化の発生率について演算する演算手段を備えることを特徴とする、請求項6に記載の地盤調査装置。
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