JP7369960B2 - 地盤沈下量を予測するための方法、プログラム、及びシステム - Google Patents

地盤沈下量を予測するための方法、プログラム、及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、地盤沈下量を予測するための方法、プログラム、及びシステムに関する。
軟弱地盤の上に建築物等が建築されると、建築物等の自重により沈下して建築物等の水平が損なわれる不同沈下を生じる場合がある。水平の復元が困難な場合には建築物が放棄され、たとえ復元できたとしても莫大な補修コストが発生する。水平が損なわれた建物等を続けて使用すると使用者の健康が損なわれる場合もある。従って、建築物等を建築する前に、地盤を構成する土質を調査することで、不同沈下のリスクが高い軟弱地盤か否か、どの程度の地盤沈下量が想定されるかを把握することが望ましい。
例えば、特許文献1には、建物の建築予定の敷地に、建物の重量による地盤沈下がどの程度生じるかを、事前に解析するための建物敷地の地盤解析装置が開示されている。当該地盤解析装置は、地盤に貫入される捻り角錐を用いるスウェーデン式サウンディング試験の試験結果である、捻り角錐に加えた荷重Wsw、捻り角錐を回転操作して地盤に貫入させた際における、捻り角錐の所定貫入量当たりの半回転数Nsw、及び、地盤の圧密層の厚さ寸法Hと、建物の単位面積当たりの荷重qとに基づいて、捻り角錐を貫入した地点の地盤沈下量Sを算出する地盤沈下量算出手段を備えていることを特徴としている。
また、例えば、特許文献2には、圧密による地盤沈下量を地盤に加わる荷重と地盤の間隙比との対応関係から算出する圧密計算装置が開示されている。当該圧密計算装置は、地盤の種類に基づく膨張指数を入力する膨張指数入力手段と、施工過程毎に地盤に加わる荷重を算出し、前回の施工過程の荷重と比較する比較手段と、前記比較の結果、今回の施工過程の荷重が前回の施工過程の荷重より小さければ地盤に加わる荷重と地盤の間隙比との対応関係を膨張指数に基づいて再設定する再設定手段とを有することを特徴としている。
特開2002-54128号公報 特開2001-81766号公報
ところで、地盤の不同沈下は、軟弱地盤の軟弱土が建物を支える力を失っていることによって発生する問題である。このため、地盤沈下量の予測は、精度よく地盤を構成する軟弱土の性質について判定し、地盤沈下量を予測する必要がある。
しかしながら、特許文献1に開示のスウェーデン式サウンディング試験による地盤沈下量を予測するスウェーデン式予測方法は、地盤が破壊されるときの荷重を測定することで、地盤の硬さを判別する方法であるが、直接軟弱土の性質について調査して判定する方法ではない。このため、このスウェーデン式予測方法の判定精度が低く、信頼性の高い地盤沈下量の予測を提供することができない。
また、特許文献2に開示の圧密による地盤沈下量の算出のような圧密試験方法は、精度よく地盤沈下量を予測することができるが、この圧密試験を実施するために、数週間に亘る長い時間が必要となり、試験の手間及びコストの増大が生じてしまう。よって、小規模の建築工事、例えば戸建住宅の建築に係る地盤沈下の予測調査に対しては、この圧密試験方法は、適切な地盤沈下量の予測方法ではない。
本発明はこのような事情に鑑みて発明されたものであり、本発明の目的は、簡易かつ高精度に地盤沈下量を予測することができる、地盤沈下量を予測するための方法、プログラム、及びシステムを提供することである。
本発明の一態様に係る地盤沈下量予測方法は、土試料に剪断応力を印加する応力印加工程と、剪断応力によって、土試料が弾性変形する第1状態から、非弾性変形する第2状態に移行しようとするときに、第1状態と第2状態との境界における剪断歪である降伏歪を取得する降伏歪取得工程と、降伏歪を用いて、土試料が属する地盤の沈下量を予測する沈下量予測工程と、を含む。
この方法によれば、簡易かつ高精度に地盤沈下量を予測することができる。
上記方法において、土試料は、地盤から採取されたシルト質の土であり、乱れた土によって構成されてもよい。
この方法によれば、土試料の準備を便宜にすることができる。
上記方法において、応力印加工程は、正弦波振動又は単方向の回転運動により、土試料に剪断応力を徐々に増加することを含んでもよい。
この方法によれば、再現性の高い測定データを得ることができる。
上記方法において、応力印加工程は、レオメータを用いて、土試料に剪断応力を印加することを含んでもよい。
この方法によれば、簡易な装置を用いて、降伏歪を取得することができる。
上記方法において、沈下予測工程は、降伏歪を用いて、降伏歪と相関する、予測圧縮指数又は予測膨張指数と、予測間隙比とのそれぞれを取得することを含んでもよい。
この方法によれば、簡易な方法を用いて、圧縮指数又は膨張指数と、間隙比とを予測することができる。
上記方法において、予測圧縮指数又は予測膨張指数と、予測間隙比とのそれぞれを取得することは、予め算定した剪断歪と圧縮指数との第1相関式を用いて、降伏歪に対応する予測圧縮指数を算定すること、又は予め算定した剪断歪と膨張指数との第2相関式を用いて、降伏歪に対応する予測膨張指数を算定することと、予め算定した剪断歪と間隙比との第3相関式を用いて、降伏歪に対応する予測間隙比を算定することと、を含んでもよい。
この方法によれば、簡易な方法を用いて、圧縮指数又は膨張指数と、間隙比とを予測することができる。
上記方法において、土試料情報を取得する情報取得工程、をさらに含んでもよい。
この方法によれば、測定対象となる土試料情報を簡単に取得することができる。
上記方法において、土試料の情報は、少なくとも、地盤から採取された土試料の採取位置と関連する、圧密層厚情報と圧力情報と、を含んでもよい。
この方法によれば、地盤沈下量を予測するための土試料情報を取得するができる。
上記方法において、圧力情報は、地盤の外部からの荷重がないときに、採取位置よりも浅い位置にある土が採取位置に与える有効上載圧である第1圧力情報と、地盤の外部からの荷重による採取位置に与える増加圧力である第2圧力情報と、地盤の土の圧密降伏応力である第3圧力情報と、を含んでもよい。
この方法によれば、地盤沈下量を予測するための土試料情報を取得するができる。
上記方法において、沈下予測工程は、予測圧縮指数又は予測膨張指数と、予測間隙比と、土試料の情報とを用いて、土試料が属する地盤の沈下量を計算して予測すること、を含んでもよい。
この方法によれば、簡易な方法を用いて、精度よく土試料が属する地盤の沈下量を計算することができる。
本発明の他の一態様に係る地盤沈下量予測方法は、土試料に剪断応力を徐々に増加して印加する応力印加工程と、剪断応力によって、土試料の貯蔵弾性率が一定な値である第1値から低下して第2値に至るときに、第2値に対応する剪断歪を降伏歪として取得する降伏歪取得工程と、降伏歪を用いて、土試料が属する地盤の沈下量を予測する沈下量予測工程と、を含み、第2値は、前記第1値よりも2%以上20%以下低下した数値であってもよい。
この方法によれば、簡易な方法を用いて、降伏歪を取得することができる。
上記方法において、第2値は、第1値よりも5%低下した数値である。
この方法によれば、簡易な方法を用いて、降伏歪を取得することができる。
本発明の一態様に係る地盤沈下量予測プログラムは、1つ又は複数のコンピュータに、本発明の何れか一つの態様に係る地盤沈下量予測方法を用いた処理を実行させる。
このプログラムによれば、簡易かつ高精度に地盤沈下量を予測することができる。
本発明の一態様に係る地盤沈下量予測システムは、本発明の何れか一つの態様に係る地盤沈下量予測方法に関する処理を実行する情報処理部を備える。
このシステムによれば、簡易かつ高精度に地盤沈下量を予測することができる。
本発明によれば、簡易かつ高精度に地盤沈下量を予測することが可能な、地盤沈下量を予測するための方法、プログラム、及びシステムを提供することである。
本実施形態に係る地盤沈下量予測システムの構成を説明するためのブロック図である。 本実施形態に係る回転型レオメータの構成を説明するための図である。 本実施形態に係る回転型レオメータの測定部の構成を説明するための図である。 本実施形態に係る回転型レオメータの測定部の構成を説明するための図である。 本実施形態に係る回転型レオメータの測定部の構成を説明するための図である。 本実施形態に係る回転型レオメータの測定部の構成を説明するための図である。 本実施形態に係る回転型レオメータの制御部の構成を説明するためのブロック図である。 本実施形態に係る回転型レオメータによって生成された貯蔵弾性率-剪断歪曲線を示す図である。 本実施形態に係るコンピュータの構成を説明するためのブロック図である。 本実施形態に係る第1相関情報DBの一例を示す図である。 本実施形態に係る第2相関情報DBの一例を示す図である。 本実施形態に係る第3相関情報DBの一例を示す図である。 本実施形態に係る第1相関情報DBに対応するγe-Ccプロット図及び近似曲線を示す図である。 本実施形態に係る第2相関情報DBに対応するγe-Csプロット図及び近似曲線を示す図である。 本実施形態に係る第3相関情報DBに対応するγe-eプロット図及び近似曲線を示す図である。 本実施形態に係る地盤沈下量予測システムによる地盤沈下量の予測を説明するためのフローチャート図である。 本実施形態に係る地盤沈下量予測システムの測定に用いられる土試料の種類を説明するための図である。 本実施形態に係る地盤沈下量予測システムの測定に用いられる土試料の種類を説明するための図である。 本実施形態に係る地盤沈下量予測システムの測定に用いられる土試料の品質を説明するための図である。 本実施形態に係る地盤沈下量予測システムによる予測地盤沈下量と公定法による地盤沈下量との差を説明するための図である。 本実施形態に係る地盤沈下量予測システムによる予測地盤沈下量と公定法による地盤沈下量との関係を説明するための図である。 本実施形態に係る地盤沈下量予測システムによる予測地盤沈下量の差の割合を説明するための図である。
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の構成要素は同一又は類似の符号で表している。図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
[実施形態]
<地盤沈下量予測システム1>
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1の構成を説明するためのブロック図である。
本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1は、試料のレオロジー特性を測定する回転型レオメータ2と、回転型レオメータ2の測定結果に対して計算や分析等の処理を実行するコンピュータ3とを備えている。この回転型レオメータ2及びコンピュータ3は、通信ケーブルLを介して通信可能に接続されている。なお、回転型レオメータ2及びコンピュータ3は、通信ケーブルLではなく、LAN、インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されていてもよい。
<回転型レオメータ2>
次に、図2乃至図5を参照しながら、本実施形態に係る回転型レオメータ2の構成について説明する。図2は、本実施形態の回転型レオメータ2の構成を説明するための図である。図3a乃至図3dは、本実施形態の回転型レオメータ2の測定部10の構成を説明するための図である。図4は、本実施形態に係る回転型レオメータ2の制御部20の構成を説明するためのブロック図である。図5は、本実施形態に係る回転型レオメータ2によって生成された貯蔵弾性率-剪断歪曲線を示す図である。
本実施形態に係る回転型レオメータ2は、測定部10と、測定部10の動作を制御する制御部20と、全体の動作を駆動する駆動部30と、測定部10を支持しながら制御部20及び駆動部30を収容するハウジング40とを備えている。
測定部10は、可動な上部測定部10aと、ハウジング40に固定されている下部測定部10bとを有する。また、上部測定部10a及び下部測定部10bの各構成部品が同軸に設けられている。
上部測定部10aは、上部センサ11と、この上部センサ11が取り付けられているロッド13とを有する。この上部センサ11は、円板状のセンサであり、表面に刻み加工が施されてもよい。また、上部センサ11の直径及びロッド13の直径とも、10mmである。ロッド13は、駆動部30の駆動力を上部センサ11に伝達するように、駆動部30に連結されている。
下部測定部10bは、下部センサ12と、下部プレート14と、フェンス16とを有する。下部プレート14は、ハウジング40に固定されており、下部センサ12は、下部プレート14の上面の中央側に設けられており、フェンス16は、下部センサ12の上面から突起するようにこの下部センサ12の中央側に設けられている。
また、下部センサ12は、円板状のセンサであり、表面に刻み加工が施されてもよい。この下部センサ12は、上部センサ11よりも大きく形成され、直径が21mmである。下部プレート14は、円板状をなしており、直径が70mmである。なお、以下の説明では、上部センサ11と下部センサ12とを区別しない場合に、「両センサ」と総称することがある。
フェンス16は、リング状をなしており、外壁面の直径が13mmであり、内壁面の直径が11mmである。すなわち、フェンス16の内壁面の形状は、上部センサ11の外形よりも少々大きく形成されている。こうして、上部センサ11がフェンス16の内側に入って下部センサ12に向かうことが可能である。また、フェンス16が下部センサ12に取り付けたときに、フェンス16の下部センサ12の上面から突起する高さ(以下、「フェンス16の突起高さ」とする。)は3mmである。こうして、フェンス16の内壁面と、下部センサ12の上面とは、凹部18を構成する。
この凹部18は、試料を収容するとともに、下部センサ12の機能を発揮する。また、凹部18によって、液体以外の試料、例えば粉末状の試料、小さな粒や塊等によって構成されている試料のような、レオロジー特性を測定するために一定の量(一定な厚さ)が必要な試料に対して、その測定条件を形成することができる。さらに、凹部18の内壁面、すなわちフェンス16の内壁面の直径は、この内壁面に対して正弦波振動又は単方向の回転をしながらこの内壁面を通過する上部センサ11の直径よりも1mm程度大きく形成されている。このような構成によって、上部センサ11の動作の自由度を確保することができるとともに、両センサによって測定されたデータの再現性を向上することができる。
制御部20は、情報処理部の一例であり、CPU又はGPUとして構成されるプロセッサ21と、DRAM等によって構成されデータやプログラムを一時的に記憶するメインメモリ22と、ユーザ等との間で情報のやり取りを行う入出力部23と、有線又は無線の通信を制御する通信部24と、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成されデータやプログラムを記憶するストレージ25とを備える。
プロセッサ21は、ストレージ25等に記憶されているプログラムをメインメモリ22に読み込んで、そのプログラムに含まれる命令を実行する。入出力部23は、例えば、キーボード等の入力装置、及びディスプレイ等の出力装置を含む。
通信部24は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。本実施形態では、通信部24は、コンピュータ3等の外部の装置との通信を行う。
また、プロセッサ21は、ストレージ25等に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行することによって、試料のレオロジー特性の測定に関する処理を実行する応力印加部211と、応力印加部211によって測定されたデータの処理に関する処理を実行する降伏歪取得部212とを有する。
応力印加部211は、試料に応力を印加することによって、試料のレオロジー特性を測定する。本実施形態に係る応力印加部211は、例えば、土試料に剪断応力を印加することによって、その土試料のレオロジー特性を測定する。また、本実施形態に係る測定の対象となるレオロジー特性は、剪断応力の増加による、土試料の貯蔵弾性率G´及びその貯蔵弾性率G´に対応する剪断歪γの変化特性である。なお、以下のでは、特別な説明がない場合、試料は、地盤から採取された土試料を例として説明する。
また、応力印加部211は、例えば、測定部10の上部センサ11を用いて、下部センサ12側の凹部18に保持されている土試料に接触して剪断応力を印加する。この応力印加部211は、例えば、上部センサ11の下部センサ12に対しての正回転と逆回転とが交差に行われる正弦波振動により、土試料への印加する剪断応力を徐々に増加する。また、応力印加部211は、単方向の回転運動により、土試料への印加する剪断応力を徐々に増加してもよい。
降伏歪取得部212は、応力印加部211によって測定された土試料の貯蔵弾性率G´及びその貯蔵弾性率G´に対応する剪断歪γの測定データを記憶してまとめることで、貯蔵弾性率-剪断歪曲線を生成する。そして、降伏歪取得部212は、生成した土試料に係る貯蔵弾性率-剪断歪曲線を用いて、降伏歪γeを取得する。
ここで、土試料は、印加される剪断応力の増加によって、弾性変形する第1状態から、非弾性変形する第2状態に移行する。貯蔵弾性率-剪断歪曲線の形状から捉えると、図5に示すように、土試料が弾性変形するときに、貯蔵弾性率-剪断歪曲線の形状はほぼ水平の直線状をなしている。一方、土試料が非弾性変形するときに、貯蔵弾性率-剪断歪曲線の形状は貯蔵弾性率G´が減少する方向に折れ曲がるように傾斜し、スリップ状をなしている。以下では、貯蔵弾性率-剪断歪曲線の、土試料が弾性変形するときに係るほぼ水平の直線である部分を「貯蔵弾性率プラト域」とし、この貯蔵弾性率プラト域に係る一定な値である貯蔵弾性率G´を「プラト域の貯蔵弾性率Gp´」とする。なお、非弾性変形する第2状態は、弾塑性変形及び塑性変形等の弾性変形以外の様々な変形状態を含む。
本実施形態に係る降伏歪γeは、土試料が剪断応力によって弾性変形する第1状態から、非弾性変形する第2状態に移行しようとするときに、第1状態と第2状態との境界における剪断歪γである。すなわち、降伏歪γeは、土試料の弾性限度である。図5の場合において、貯蔵弾性率-剪断歪曲線の降伏歪γeよりも左側の部分は、弾性変形する第1状態を示し、貯蔵弾性率-剪断歪曲線の降伏歪γeよりも右側の部分は、非弾性変形する第2状態を示す。また、本実施形態に係る境界は、弾性変形する第1状態から非弾性変形する第2状態に移行するときの変化点であるが、土の性質の相違によって、境界は一定な範囲を有する境界領域であってもよい。
また、本実施形態に係る降伏歪γeは、貯蔵弾性率-剪断歪曲線の折れ曲がり部分に位置する。降伏歪γeと貯蔵弾性率プラト域との関係から捉えると、普通の土や特殊土等の土の性質によって違いがあるが、降伏歪γeは、第1値であるプラト域の貯蔵弾性率Gp´から、この第1値の約2%以上20%以下低下した場合の第2値である貯蔵弾性率G´に対応する剪断歪γである。また、普通の住宅を建つための地盤に係る土試料の場合では、降伏歪γeは、第1値であるプラト域の貯蔵弾性率Gp´から約5%低下した第2値に対応する剪断歪γである。言い換えれば、図5に示すように、降伏歪γeに対応する第2値である貯蔵弾性率Ge´と第1値であるプラト域の貯蔵弾性率Gp´との差ΔG´は、約プラト域の貯蔵弾性率Gp´の5%である。
このように、本実施形態に係る回転型レオメータ2は、制御部20の制御に基づいて、上部センサ11が、その上部センサ11及び下部センサ12の間に配置されている土試料に対して正弦波振動を与える。そして、回転型レオメータ2の両センサは、両センサの間の試料に生じる応力(トルク)及び変位を検出し、土試料のレオロジー特性を測定し、降伏歪γeを取得する。
<コンピュータ3>
続いて、図6乃至図12を参照しながら、本実施形態に係るコンピュータ3の構成について説明する。図6は、本実施形態に係るコンピュータ3の構成を説明するためのブロック図である。図7は、本実施形態に係る第1相関情報DB351の一例を示す図である。図8は、本実施形態に係る第2相関情報DB352の一例を示す図である。図9は、本実施形態に係る第3相関情報DB353の一例を示す図である。図10は、本実施形態に係る第1相関情報DB351に対応するγe-Ccプロット図及び近似曲線を示す図である。図11は、本実施形態に係る第2相関情報DB352に対応するγe-Csプロット図及び近似曲線を示す図である。図12は、本実施形態に係る第3相関情報DB353に対応するγe-eプロット図及び近似曲線を示す図である。
コンピュータ3は、情報処理部の一例であり、CPU又はGPUとして構成されるプロセッサ31と、DRAM等によって構成されデータやプログラムを一時的に記憶するメインメモリ32と、ユーザ等との間で情報のやり取りを行う入出力部33と、有線又は無線の通信を制御する通信部34と、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成されデータやプログラムを記憶するストレージ35とを備える。
プロセッサ31は、ストレージ35等に記憶されているプログラムをメインメモリ32に読み込んで、そのプログラムに含まれる命令を実行する。
入出力部33は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置、ディスプレイ等の画像出力装置、及びスピーカ等の音声出力装置を含む。
通信部34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。本実施形態では、通信部34は、回転型レオメータ2等の外部の装置との通信を行う。
ストレージ35は、地盤の沈下量を予測するための様々な情報を記憶し、例えば、降伏歪γeと圧縮指数Ccとの相関性を示す第1相関情報DB351と、降伏歪γeと膨張指数Csとの相関性を示す第2相関情報DB352と、降伏歪γeと間隙比eとの相関性を示す第3相関情報DB353とを有する。また、第1相関情報DB351、第2相関情報DB352及び第3相関情報DB353の少なくとも一部が、コンピュータ3以外の他の装置において管理されるようにしてもよい。なお、ここでは、ストレージ35を第1相関情報DB351及び第2相関情報DB352の両方を有する構成として説明したが、ストレージ35は、必要に応じて、第1相関情報DB351又は第2相関情報DB352の任意の一方を有してもよい。
第1相関情報DB351は、後述する予測圧縮指数を算定するための数式(1)を生成するためのデータベースであり、図7に示すように、第1相関性の一例である様々な土試料の降伏歪γeと圧縮指数Ccの相関性を示すデータ、すなわち、各降伏歪γeの数値と、各降伏歪γeの数値に対応する各圧縮指数Ccの数値とに関する測定データを格納する。また、第1相関情報DB351に格納されている測定データは、予め公定法(例えば、JIS A 1217に係る土の段階載荷による圧密試験方法)に基づく圧密試験によって測定された試験結果データである。このため、このような圧密試験の方法等の説明を省略する。
第2相関情報DB352は、後述する予測膨張指数を算定するための数式(2)を生成するためのデータベースであり、図8に示すように、第2相関性の一例である様々な土試料の降伏歪γeと膨張指数Csの相関性を示すデータ、すなわち、各降伏歪γeの数値と、各降伏歪γeの数値に対応する各膨張指数Csの数値とに関する測定データを格納する。また、第2相関情報DB352に格納されている測定データは、予め公定法(例えば、JIS A 1217に係る土の段階載荷による圧密試験方法)に基づく圧密試験によって測定された試験結果データである。このため、このような圧密試験の方法等の説明を省略する。
第3相関情報DB353は、後述する予測間隙比を算定するための数式(3)を生成するためのデータベースであり、図9に示すように、第3相関性の一例である降伏歪γeと間間隙比eとの相関性を示すデータ、すなわち、各降伏歪γeの数値と、各降伏歪γeの数値に対応する各間隙比eの数値とに関する測定データを格納する。また、第3相関情報DB353に格納されている測定データは、予め公定法(例えば、JIS A 1202に係る土粒子の密度試験方法)に基づく密度試験によって測定された試験結果データである。このため、このような密度試験の方法等の説明を省略する。
また、プロセッサ31は、ストレージ35等に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行することによって、土試料情報の取得に関する処理を実行する試料情報取得部311と、土試料が属する地盤の沈下量Sの予測に関する処理を実行する沈下量予測部312とを有する。
試料情報取得部311は、例えば、コンピュータ3から入力された、土試料に関する土試料情報を取得する。ここで、土試料情報は、地盤沈下量の予測に必要なデータの一部であり、土試料の採取位置に関する情報、土試料に係る地盤情報、及びその地盤に建つ予定の建物等の情報を含む。
具体的には、土試料情報は、例えば、少なくとも、圧密層厚Hに関する情報と、圧力情報とを含む。また、圧力情報は、例えば、有効上載圧p0と、増加圧力Δpと、圧密降伏応力pcとを含む。ここで、有効上載圧p0、増加圧力Δp、及び圧密降伏応力pcは、一般的な意味を有する。すなわち、有効上載圧p0は、地盤の外部からの荷重(例えば、地盤の上に建つ建物による荷重等)がないときに、採取位置よりも浅い位置にある土がその採取位置に与える圧力である。増加圧力Δpは、地盤の外部からの荷重(例えば、地盤の上に建った建物による荷重等)による採取位置に与える増加圧力である。圧密降伏応力pcは、地盤の土の圧密降伏応力である。なお、有効上載圧p0は、第1圧力情報の一例であり、増加圧力Δpは、第2圧力情報の一例であり、圧密降伏応力pcは、第3圧力情報の一例である。
沈下量予測部312は、土試料の降伏歪γeを用いて、土試料が属する地盤の沈下量Sを予測する。具体的には、沈下量予測部312は、土試料の降伏歪γeを用いて予測圧縮指数Ccrの算定に関する処理を実行する圧縮指数予測部3121と、土試料の降伏歪γeを用いて予測膨張指数Csrの算定に関する処理を実行する膨張指数予測部3122と、土試料の降伏歪γeを用いて予測間隙比erの算定に関する処理を実行する間隙比予測部3123と、土試料の予測圧縮指数Ccr又は予測膨張指数Csrと、予測間隙比erとを用いて土試料が属する地盤の予測沈下量Sの算定に関する処理を実行する沈下量算定部3124とを有する。なお、ここでは、沈下量予測部312は圧縮指数予測部3121及び膨張指数予測部3122の両方を有する構成として説明したが、沈下量予測部312は、圧縮指数予測部3121又は膨張指数予測部3122の任意の一方を有してもよい。
圧縮指数予測部3121は、以下の数式(1)によって、土試料の予測圧縮指数Ccrを算定する。
cr=7.85*γe 0.60 ・・・ (1)
ここで、数式(1)を生成方法は以下となる。圧縮指数予測部3121は、第1相関情報DB351に格納されている測定データを取得し、それらの測定データを用いて図10に示すようなγe-Ccプロット図及び近似曲線を生成する。そして、圧縮指数予測部3121は、この近似曲線の指数関数近似により、上記の近似式である数式(1)を生成する。また、この場合に係る決定係数R1 2は、0.73である。なお、第1相関情報DB351に格納されている測定データが変更しない限り、圧縮指数予測部3121は、一回だけ上記の数式(1)を生成して記憶する。すなわち、圧縮指数予測部3121は、予測圧縮指数Ccrを算定する度に数式(1)を生成する必要がない。一方、第1相関情報DB351に格納されている測定データが変更した場合、圧縮指数予測部3121は、上述した数式(1)の生成方法に基づいて、改めて数式(1)を生成してもよい。
膨張指数予測部3122は、以下の数式(2)によって、土試料の予測膨張指数Csrを算定する。
sr=0.014*γe ・・・ (2)
ここで、数式(2)を生成方法は以下となる。膨張指数予測部3122は、第2相関情報DB352に格納されている測定データを取得し、それらの測定データを用いて図11に示すようなγe-Csプロット図及び近似曲線を生成する。そして、膨張指数予測部3122は、この近似曲線の指数関数近似により、上記の近似式である数式(2)を生成する。また、この場合に係る決定係数R2 2は、0.734である。なお、第2相関情報DB352に格納されている測定データが変更しない限り、膨張指数予測部3122は、一回だけ上記の数式(2)を生成して記憶する。すなわち、膨張指数予測部3122は、予測膨張指数Csrを算定する度に数式(2)を生成する必要がない。一方、第2相関情報DB352に格納されている測定データが変更した場合、膨張指数予測部3122は、上述した数式(2)の生成方法に基づいて、改めて数式(2)を生成してもよい。
間隙比予測部3123は、以下の数式(3)によって、予測間隙比erを算定する。
0r=8.97*γe^0.38 ・・・ (3)
ここで、数式(3)を生成方法は以下となる。間隙比予測部3123は、第3相関情報DB353に格納されている測定データを取得し、図12に示すようなγe-eプロット図及び近似曲線を生成する。そして、間隙比予測部3123は、この近似曲線の指数関数近似により、上記の近似式である数式(3)を生成する。また、この場合に係る決定係数R3 2は、0.57である。なお、第3相関情報DB353に格納されている測定データが変更しない限り、間隙比予測部3123は、一回だけ上記の数式(3)を生成して記憶する。すなわち、間隙比予測部3123は、予測間隙比erを算定する度に数式(3)を生成する必要がない。一方、第3相関情報DB353に格納されている測定データが変更した場合、間隙比予測部3123は、上述した数式(3)の生成方法に基づいて、改めて数式(3)を生成してもよい。
沈下量算定部3124は、予測沈下量Srを算出する。具体的には、圧縮指数予測部3121が土試料の予測圧縮指数Ccrを算定した場合に、沈下量算定部3124は、以下の数式(4)によって予測沈下量Srを算出する。一方、膨張指数予測部3122が土試料の予測膨張指数Csrを算定した場合に、沈下量算定部3124は、以下の数式(5)によって予測沈下量Srを算出する。
S=H*Cc/(1+e0)*log10{(p0+Δp)/pc} ・・・ (4)
S=H*Cs/(1+e0)*log10{(p0+Δp)/pc} ・・・ (5)
ここで、数式(4)及び数式(5)の違いは、予測圧縮指数Ccr及び予測膨張指数Csrのどちらを採用することのみである。また、数式(4)及び数式(5)に係る「H」、「p0」、「Δp」及び「pc」は、上述した土試料情報に係る「圧密層厚H」、「有効上載圧p0」、「増加圧力Δp」及び「圧密降伏応力pc」と同じものである。「S」は、土試料が属する地盤の沈下量を示し、単位は「m」である。「H」の単位は、「m」である。「p0」、「Δp」及び「pc」の単位は、「kN/m2」である。
また、この数式(4)及び数式(5)において、「Cc」、「Cs」及び「e0」には、公定法に基づいて行われる圧密試験及び密度試験によって測定された「圧縮指数Cc」、「膨張指数Cs」及び「間隙比e」(以下、「公定法による圧縮指数Cc」、「公定法による膨張指数Cs」及び「公定法による間隙比e」とする。)と、間隙比予測部3123及び沈下量算定部3124が算出した「予測圧縮指数Ccr」、「予測膨張指数Csr」及び「予測間隙比er」との両方が含まれる。同様に、「沈下量S」には、「公定法による圧縮指数Cc」又は「公定法による膨張指数Cs」と、「公定法による間隙比e」とを用いて算定される「公定法による沈下量S」と、「予測圧縮指数Ccr」又は「予測膨張指数Csr」と、「予測間隙比er」とを用いて算定される「予測沈下量Sr」との両方が含まれる。すなわち、数式(4)及び数式(5)は、公定法による沈下量Sの計算と、予測沈下量Srの計算と共通の数式である。
こうして、沈下量算定部3124は、予測圧縮指数Ccr又は予測膨張指数Csrと、予測間隙比erとのそれぞれを、対応する数式(4)又は数式(5)に係る「Cc」又は「Cs」と、「e0」とに代入して、土試料が属する地盤の予測沈下量Srを算定する。
このように、本実施形態に係るコンピュータ3は、土試料の降伏歪γeを用いて、予測圧縮指数Ccr及び予測間隙比erのそれぞれを算定する。そして、コンピュータ3は、算定した予測圧縮指数Ccr及び予測間隙比erを用いて、土試料が属する地盤の予測沈下量Srを予測する。
<地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量の予測工程>
続いて、図13を参照しながら、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量の予測工程について説明する。図13は、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量の予測を説明するためのフローチャート図である。
ここで、地盤沈下量予測システム1による地盤沈下の予測を説明する前に、まず、土塊を例として、降伏歪γeと、圧縮指数Cc又は膨張指数Csと、間隙比eとの相関性について説明する。降伏歪γeは、土塊の弾性変形と非弾性変形との境界における剪断歪γ、すなわち土塊の弾性限度である。土塊の間隙比eは、土塊における土と、水及び/又は空気との比率である。圧縮指数Cc及び膨張指数Csは、土塊の硬さを示す数値である。
土塊は、少なくとも、土粒子と、空気又は/及び水とによって構成されている。土塊における相隣する土粒子の間隙には、空気又は/及び水が存在している。また、一般的には、土粒子の間隙の大きい土塊は、柔軟性が高く、圧縮性が大きく、降伏歪γeが大きい。逆に、土粒子の間隙の小さい土塊は、柔軟性が低く、圧縮性が小さく、降伏歪γeが小さい。すなわち、土塊における降伏歪γeと、間隙比eと、圧縮指数Cc又は膨張指数Csとのそれぞれは、比例するように相関する。このため、土塊の降伏歪γeを測定して取得することによって、この土塊の降伏歪γeに相関する、間隙比eと、圧縮指数Cc又は膨張指数Csとを予測することができる。
本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による地盤沈下の予測工程の説明に戻る。
まず、土試料を準備する(S10)。
本実施形態では、地盤沈下量を予測しようとする地盤からシルト質の土を採取することで、土試料を準備する。具体的には、例えば、地盤沈下量を予測しようとする地盤にある採取位置から、シルト質の土試料をSWS試験機の試験孔から採取する。そして、採取された土試料をすみやかにポリエチレン製袋に封入し、冷暗所に保管する。なお、地盤に建てる建物等の重さ等の仕様によって、土試料の採取位置の深さは変化する。例えば、重さが約2t/m2である戸建住宅を建つ場合では、土試料の採取位置の深さは約0m以上5m以下の範囲であればよい。すなわち、土試料の採取位置は、地盤の一定な深さがある位置に限られることがなく、地盤の浅い位置であってもよく、さらに、地盤の表面であってもよい。
ここで、本実施形態に係る土試料について詳細に説明する。まず、図14(a)乃至図15を参照しながら、本実施形態に係る土試料の種類について説明する。本実施形態に係る土試料は、地盤沈下量の予測に用いられるものであり、シルト質を有する。また、異なる種類の土の降伏歪が異なるという視点から捉えると、図14(a)、(b)及び図15に示すように、測定ID1乃至29に係る腐植土の降伏歪γeはほぼ0.05以上の範囲に分布しており、測定ID30乃至112に係るシルト質の土の降伏歪γeはほぼ0.05以下の範囲に分布している。このため、本実施形態に係る土試料は、降伏歪γeが約0.05以下の土である。
次に、本実施形態に係る土試料の品質について説明する。本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による測定は、通常の地盤沈下量による測定(例えば、圧密試験及びSWS試験等による測定)と異なって、その降伏歪γeの測定結果が、測定対象である土試料の品質(土の乱れ程度)による影響を受けること少ない。言い換えれば、降伏歪γeの測定結果の精度を維持するために、通常の地盤沈下量による測定は、乱れの少ない土によって構成された土試料(以下、「乱れの少ない土試料」とする)を採用する必要がある。これに対して、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による測定は、様々な品質を有する土試料を使用することができる。すなわち、本実施形態に係る土試料は、乱れの少ない土試料に限られることがなく、乱れが多い土によって構成された土試料(以下、「乱れた土試料」とする)であってもよい。また、「乱れの少ない土試料」及び「乱れた土試料」のそれぞれを採用する場合に係る降伏歪γeの測定結果について、後述する「土試料の降伏歪γeを取得する(S13)」で説明する。
次に、土試料を設置する(S11)。
本実施形態では、土試料が回転型レオメータ2の測定部10に設置される。具体的には、測定部10の下部測定部10bの凹部18に、フェンス16の突起高さを超えるように、ステップS10において準備された土試料を乗せる。そして、凹部18に乗せられた土試料の表面をスパーテルで軽く慣らし、土試料の上面をフェンス16の突起高さと一致させる。
続いて、土試料に剪断応力を印加する(S12)。
本実施形態では、地盤沈下量予測システム1は、回転型レオメータ2の上部センサ11を用いて、ステップS11において下部測定部10bの凹部18に設置された土試料に対して作用する剪断応力を徐々に増加するように印加する。
具体的には、回転型レオメータ2の制御部20は、上部センサ11の土試料への剪断応力の印加動作を制御する。例えば、制御部20は、まず、上部センサ11が土試料に与える鉛直方向の荷重が5Nになるように、上部センサ11を土試料に接触させる。そして、制御部20は、上部センサ11が土試料に印加する剪断応力が10Paから直線的に増加するとともに、周波数が1Hzになるように、上部センサ11を土試料に対して正回転と逆回転とが交差に行われる正弦波振動させる。また、この場合において、上部センサ11が滑り始めた時点で、上部センサ11による剪断応力の印加が停止される。すなわち、土試料が弾性変形する第1状態から塑性変形する第2状態に移行した時点で、両センサによる土試料に対する測定が終了する。
また、地盤沈下量予測システム1は、上部センサ11を土試料に剪断応力を印加させるとともに、上部センサ11及び下部センサ12を用いて、剪断応力の増加による土試料の貯蔵弾性率G´及びその貯蔵弾性率G´に対応する剪断歪γの変化に関するデータを測定する。そして、地盤沈下量予測システム1は、回転型レオメータ2の制御部20を用いて、測定されたデータを記憶し、貯蔵弾性率-剪断歪曲線を生成する。
次に、土試料の降伏歪γeを取得する(S13)。
本実施形態では、地盤沈下量予測システム1は、回転型レオメータ2の制御部20を用いて、ステップS12において生成された貯蔵弾性率-剪断歪曲線から降伏歪γeを取得する。具体的には、制御部20は、土試料の貯蔵弾性率-剪断歪曲線を用いて、例えば、第1値であるプラト域の貯蔵弾性率Gp´から約5%低下した第2値に対応する剪断歪γを降伏歪γeとして取得する。
ここで、図16を参照しながら、品質の異なる土試料を採用する場合のそれぞれの降伏歪γeの測定結果について説明する。図16は、本実施形態に係る土試料の品質を説明するための図である。図16の表の左列に係るγe1は、乱れた土試料を採用する場合における降伏歪の測定結果であり、図16の表の中央列に係るγe2は、乱れが少ない土試料を採用する場合における降伏歪の測定結果であり、図16の表の右列に係るΔγeは、乱れた土試料の降伏歪γe1と、乱れが少ない土試料の降伏歪γe2との差である。また、これらの差Δγeの平均値は0.006であるため、乱れた土試料の降伏歪γe1と、乱れが少ない土試料の降伏歪γe2とはほぼ変わっていない。このように、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1は、乱れが少ない土試料のみならず、乱れた土試料の降伏歪γeを高精度に測定することができる。従って、本実施形態に係る地盤沈下量予測は、様々な品質を有する土試料を採用することができ、簡易に地盤沈下量の予測に係る土試料を準備することができる。
続いて、土試料の予測圧縮指数Ccr又は予測膨張指数CSrを算定する(S14)。
本実施形態では、地盤沈下量予測システム1は、コンピュータ3を用いて、ステップS13において回転型レオメータ2によって取得された土試料の降伏歪γeを用いて、土試料の予測圧縮指数Ccr又は予測膨張指数CSrを取得する。この場合において、コンピュータ3は、土試料の降伏歪γeを数式(1)に代入して、予測圧縮指数Ccrを算定し、又は土試料の降伏歪γeを数式(2)に代入して、予測膨張指数CSrを算定する。
また、ステップS14の実行とともに、土試料が属する地盤の予測間隙比erを算定する(S15)。
本実施形態では、コンピュータ3は、ステップS13において回転型レオメータ2によって取得された土試料の降伏歪γeを用いて、土試料の予測間隙比erを取得する。この場合において、コンピュータ3は、土試料の降伏歪γeを数式(3)に代入して、予測間隙比erを算定する。
また、ステップS10乃至S15の実行とともに、土試料に関する土試料情報を取得する(S20)。
本実施形態では、地盤沈下量予測システム1は、コンピュータ3に入力された、土試料に関する土試料情報を取得する。具体的には、地盤沈下量予測システム1のコンピュータ3は、例えば、入力された土試料に係る圧密層厚H、有効上載圧p0、増加圧力Δp及び圧密降伏応力pcを取得する。
その後、土試料が属する地盤の沈下量を予測する(S30)。
本実施形態では、地盤沈下量予測システム1は、地盤沈下量を予測しようとする土試料の降伏歪γeを用いて、土試料が属する地盤の沈下量を予測する。
具体的には、地盤沈下量予測システム1のコンピュータ3は、土試料の降伏歪γeによって、ステップS14において算定された土試料の予測圧縮指数Ccr又は予測膨張指数CSrと、ステップS15において算定された土試料の予測間隙比erと、ステップS20において取得された土試料情報とを用いて、土試料が属する地盤の予測沈下量Srを予測する。この場合において、コンピュータ3は、予測圧縮指数Ccr又は予測膨張指数CSrと、予測間隙比erと、土試料情報に係る圧密層厚H、有効上載圧p0、増加圧力Δp及び圧密降伏応力pcと、を数式(4)又は数式(5)に代入して、予測沈下量Srを算定する。
こうして、土試料が属する地盤の予測沈下量Srの予測が完了する。
なお、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量の予測工程では、測定する度に必要な土試料の量は約10cm3である。また、土試料を回転型レオメータ2に設置してから、土試料が属する地盤の予測沈下量Srの予測が完了するまでに必要な時間は、約10分である。このため、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量の予測は、迅速かつ簡易に行われることができる。
<地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量予測の精度の検証>
続いて、図17乃至図19を参照しながら、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量予測の精度について検証する。図17は、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による予測地盤沈下量Srと公定法による地盤沈下量Sとの差ΔSを説明するための図である。図17において、予測地盤沈下量Srと公定法による地盤沈下量Sとのそれぞれの単位は「m」であり、両者の差ΔSの単位は「cm」である。また、図18は、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による予測地盤沈下量Srと公定法による地盤沈下量Sとの関係を説明するための図である。図18において、直線は差ΔSが「0」のときを示し、直線及び破線によって挟まれている部分は差ΔSが1cm以内の範囲を示し、破線及び一点鎖線によって挟まれている部分は差ΔSが2cm以内の範囲を示す。さらに、図19(a)及び図19(b)は、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による予測地盤沈下量Srの差ΔSの割合を説明するための図である。
ところで、戸建住宅が不同沈下事故に認定される量では、国土交通省告示第1653号の傾斜に係る不具合の基準によると、住宅の傾きが6/1000以上のときに、住宅の品質に瑕疵が存する可能性が高いと判断される。また、住宅業界では、地盤の傾きが5/1000以上のときに、住宅の品質に瑕疵が存する可能性が高いと判断される。
また、この地盤の傾きが「5/1000以上」である判断基準について、一般的な大きさを有する戸建住宅(以下、「一般戸建住宅」とする。)を例として説明する。ここで、一般戸建住宅とは、平面視形状の長辺が8mであり、短辺が6mであるものをいう。5/1000の傾きが発生した場合に、このような一般戸建住宅の一部の沈下量は約5cmである。このため、一般戸建住宅では、地盤の傾きが5cm以上の場合に住宅の品質に瑕疵が生じ、地盤の傾きが5cm未満の場合に住宅の品質に瑕疵が生じないと言える。
従って、予測地盤沈下量Srが公定法による地盤沈下量Sに対しての差ΔSが5cm未満であれば、その予測地盤沈下量Srに係る予測対象となる地盤に一般戸建住宅を建つと、その一般戸建住宅は地盤の5cm以上の不同沈下による住宅の品質問題が生じる場合がほぼない。
これらのことから、以下では、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1による予測地盤沈下量Sr及び公定法による地盤沈下量Sの測定データの一部(23件)を用いて、それぞれの差ΔSが5cm未満であるか否かを分析することで、地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量予測の精度について検証する。なお、これらの測定データとも数式(3)によって算定されたデータである。
図17乃至図19(b)に示すように、比較データの23件において、予測地盤沈下量Srと公定法による地盤沈下量Sとの差ΔSが1cm以内のものは、比較ID1,3,4,5,7,8,10,11,13,15,17,18,19の13件があり、今回の検証対象の全体の約57%を占める。また、差ΔSが1cmを超えて2cm以内のものは、比較ID6,12,14,16,20,21,22の7件があり、今回の検証対象の全体の約30%を占める。差ΔSが2cmを超えて5cm以内のものは、比較ID2,9,23の3件があり、今回の検証対象の全体の約13%を占める。これらに対して、差ΔSが5cmを超えたものはない。
この結果によって、本実施形態に係る地盤沈下量予測システム1によって予測された23件の予測地盤沈下量Srの全件の差ΔSは、5cm以内という実用できる範囲内に収まれている。このため、地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量の予測は、実際に戸建住宅を建つための地盤の沈下量予測に使用することができる。
また、より詳しく説明すると、上記の検証例における23件の予測地盤沈下量Srの全件の差ΔSは、2.2cm以内、すなわち5cm以内という判断基準の半分以下の範囲内に収まれている。このため、地盤沈下量予測システム1による地盤沈下量の予測は、高精度の不同沈下を予測することを実現することができる。
このように、本実施形態では、上述した特徴を有する地盤沈下量を予測することによって、土試料の降伏歪γeを取得することだけによって、予測圧縮指数Ccr又は予測膨張指数CSrと、予測間隙比erとを予測し、土試料が属する地盤の予測沈下量Srを算定することが可能となる。このため、本実施形態に係る地盤沈下量の予測は、別途の圧密試験及び密度試験によって圧縮指数Cc又は予測膨張指数CSと、間隙比eとのそれぞれを算出する必要なく、地盤沈下量の予測に係る工夫、時間及びコスト等が減少される。よって、地盤沈下量の予測が簡易かつ迅速に行われることができる。
また、本実施形態に係る地盤沈下量の予測結果の差ΔSが、住宅品質に瑕疵があると判断する場合の基準範囲以外のものである。このため、地盤沈下量の予測結果は、高い精度及び信頼性を有するものであり、実際に戸建住宅を建つための地盤の沈下量予測に使用することができる。
また、本実施形態に係る地盤沈下量の予測は、乱れが少ない土試料のみならず、乱れた土試料を採用することができるため、土試料の採取や保存等が便宜になる。すなわち、本実施形態に係る地盤沈下量の予測は、様々な品質の土試料の使用を可能にすることで、簡易に地盤沈下量の予測に係る土試料の準備を実現できる。よって、地盤沈下量の予測が簡易かつ迅速に行われることができる。
また、本実施形態に係る地盤沈下量の予測に必要な土試料は、僅かの10cm3程であるため、土試料の採取がSWS調査機のような簡易な装置で行われることができ、専用の採取装置の用意及び大量な土試料の準備等に係る手間やコスト等の負担を抑制することができ、簡易に地盤沈下量予測のための準備を行うことができる。
また、本実施形態に係る地盤沈下量の予測に必要な時間は、僅かの10分程であるため、迅速に地盤沈下量の予測結果を得ることができる。よって、この地盤沈下量の予測結果に基づく建築工事等が効率よく行われることができ、地盤沈下量の予測による経済的な効果及び利益を向上することができる。
また、本実施形態に係る地盤沈下量の予測に係る操作は、準備された土試料を回転型レオメータ2に設置することのみであるため、地盤沈下量の予測に係る操作が簡単になり、地盤沈下量の予測に係る工夫やコスト等を低減できるとともに、操作ミス等による予測結果の精度不良を抑制することができる。
従って、本実施形態に係る土試料の降伏歪γeにより地盤沈下量を予測することは、簡易かつ高精度に地盤沈下量を予測することができる。
[変形例]
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。以下では、本発明に係る変形例について説明する。
上記実施形態では、土試料への剪断応力の印加は回転型レオメータ2によって行われるものとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、コンピュータ3が回転型レオメータ2の内部に設けられているものであってもよい。
上記実施形態では、コンピュータ3が回転型レオメータ2の外部に設けられているものとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、コンピュータ3が回転型レオメータ2の内部に設けられているものであってもよい。
上記実施形態では、ストレージ35は第1相関情報DB351、第2相関情報DB352及び第3相関情報DB353を有するものとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、ストレージ35は異なる情報DB又は他の情報DBを有してもよい。例えば、ストレージ35は、第1相関情報DB351、第2相関情報DB352及び第3相関情報DB353のほかに、特殊土に関する情報DBをさらに有してもよい。
上記実施形態では、土試料はSWS試験機によって採取されるものとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、異なる方法によって採取されるものであってもよい。
上記実施形態では、フェンス16は下部センサ12に取り付けられたものとして説明したが、上記構成に限定されるものではなく、土試料を保持するとともに、両センサによる測定が出来れば、フェンス16は様々な寸法、形状、及び取付位置を有することができる。例えば、フェンス16は、上部センサ11に取り付けられたものであってもよい。また、上部センサ11及び下部センサ12の両方に寸法が異なるフェンスが取り付けられてもよい。さらに、フェンス16は、リング状以外の形状であってもよい。
上記実施形態では、予測沈下量Srを計算するときに、回転型レオメータ2によって取得された降伏歪γeがそのまま予測沈下量Srの計算に使用されているが、上記方法に限定されるものではない。例えば、回転型レオメータ2によって取得された降伏歪γeに対して所定な量の調整を行ってもよい。この場合において、調整後の降伏歪γeを用いて予測沈下量Srを計算すればよい。また、降伏歪γeは、一定な公差を有するものであってもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
1…地盤沈下量予測システム、2…回転型レオメータ、3…コンピュータ、10…測定部、10a…上部測定部、10b…下部測定部、11…上部センサ、12…下部センサ、13…ロッド、14…下部プレート、16…フェンス、18…凹部、20…制御部、211…応力印加部、212…降伏歪取得部、311…試料情報取得部、312…沈下量予測部、3121…圧縮指数予測部、3122…膨張指数予測部、3123…間隙比予測部、3124…沈下量算定部

Claims (13)

  1. 土試料に剪断応力を印加する応力印加工程と、
    前記剪断応力によって、土試料が弾性変形する第1状態から、非弾性変形する第2状態に移行しようとするときに、前記第1状態と前記第2状態との境界における剪断歪である降伏歪を取得する降伏歪取得工程と、
    前記降伏歪を用いて、前記降伏歪と相関する、予測圧縮指数又は予測膨張指数と、予測間隙比とのそれぞれを取得し、前記予測圧縮指数又は前記予測膨張指数と、前記予測間隙比とに基づいて、土試料が属する地盤の予測沈下量を取得する沈下量予測工程と、
    を含む、
    地盤沈下量予測方法。
  2. 前記土試料は、地盤から採取されたシルト質の土であり、乱れた土によって構成されることができる、請求項1に記載の地盤沈下量予測方法。
  3. 前記応力印加工程は、正弦波振動又は単方向の回転運動により、土試料に剪断応力を徐々に増加することを含む、請求項1又は2に記載の地盤沈下量予測方法。
  4. 前記応力印加工程は、レオメータを用いて、土試料に剪断応力を印加することを含む、請求項1乃至3の何れか一項に記載の地盤沈下量予測方法。
  5. 前記沈下量予測工程は、
    予め算定した剪断歪と圧縮指数との第1相関式を用いて、前記降伏歪に対応する前記予測圧縮指数を算定すること、又は予め算定した剪断歪と膨張指数との第2相関式を用いて、前記降伏歪に対応する前記予測膨張指数を算定することと、
    予め算定した剪断歪と間隙比との第3相関式を用いて、前記降伏歪に対応する前記予測間隙比を算定することと、
    を含む、請求項1乃至4の何れか一項に記載の地盤沈下量予測方法。
  6. 土試料情報を取得する情報取得工程、をさらに含む、請求項1乃至の何れか一項に記載の地盤沈下量予測方法。
  7. 前記土試料情報は、少なくとも、地盤から採取された土試料の採取位置と関連する、圧密層厚情報と圧力情報とを含む、請求項に記載の地盤沈下量予測方法。
  8. 前記圧力情報は、前記地盤の外部からの荷重がないときに、前記採取位置よりも浅い位置にある土が前記採取位置に与える有効上載圧である第1圧力情報と、前記地盤の外部からの荷重による前記採取位置に与える増加圧力である第2圧力情報と、前記地盤の土の圧密降伏応力である第3圧力情報と、を含む、請求項に記載の地盤沈下量予測方法。
  9. 前記沈下量予測工程は、前記予測圧縮指数又は前記予測膨張指数と、前記予測間隙比と、前記土試料情報とを用いて、土試料が属する地盤の予測沈下量を取得すること、を含む、請求項乃至の何れか一項に記載の地盤沈下量予測方法。
  10. 土試料に剪断応力を徐々に増加して印加する応力印加工程と、
    前記剪断応力によって、土試料の貯蔵弾性率が一定な値である第1値から低下して第2値に至るときに、前記第2値に対応する剪断歪を降伏歪として取得する降伏歪取得工程と、
    前記降伏歪を用いて、前記降伏歪と相関する、予測圧縮指数又は予測膨張指数と、予測間隙比とのそれぞれを取得し、前記予測圧縮指数又は前記予測膨張指数と、前記予測間隙比とに基づいて、土試料が属する地盤の予測沈下量を取得する沈下量予測工程と、
    を含み、
    前記第2値は、前記第1値よりも2%以上20%以下低下した数値である、
    地盤沈下量予測方法。
  11. 前記第2値は、前記第1値よりも5%低下した数値である、請求項10に記載の地盤沈下量予測方法。
  12. 1つ又は複数のコンピュータに、請求項1乃至11の何れか一項に記載の地盤沈下量予測方法を用いた処理を実行させる、
    地盤の沈下量を予測するための地盤沈下量予測プログラム。
  13. 請求項1乃至11の何れか一項に記載の地盤沈下量予測方法に関する処理を実行する情報処理部を備える、
    地盤沈下量予測システム。
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