JP6921051B2 - 穀物茶飲料、穀物茶飲料の製造方法及び穀物茶飲料の苦味の良さを調整する方法 - Google Patents

穀物茶飲料、穀物茶飲料の製造方法及び穀物茶飲料の苦味の良さを調整する方法 Download PDF

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Description

本発明は、穀物茶飲料、穀物茶飲料の製造方法及び穀物茶飲料の苦味の良さを調整する方法に関する。
穀物からの抽出液を含む茶飲料(以下、「穀物茶飲料」という。)は、その甘みや苦味等の風味により、消費者に幅広く受け入れられている。このような穀物茶飲料は、風味等の改良が重ねられている。例えば、特許文献1では、0.009重量%以上のでんぷん質と、平均粒子径が1μm以下の抹茶や煎茶等の超微粉砕茶葉とを含有する穀物茶飲料とすることで、穀類の持つまろやかさや香味を損なわずに、穀類由来のベタツキ感を抑制した、すっきりとした後味を有する穀類茶飲料とする技術が開示されている。また、特許文献2には、穀物原料の抽出液及び食物繊維を含有し、穀物原料に対する食物繊維の重量比率(食物繊維/穀物原料)が0.02〜3.00であり、不溶性粒子の平均粒子径が10〜70μmである穀物茶飲料とすることで、食物繊維の添加による香味バランスの欠如及び性状劣化を抑制した穀物茶飲料とする技術が開示されている。
特開2009−082086号公報 特開2017−127332号公報
このように、穀物茶飲料の風味等の改良が重ねられているが、穀物の甘さの良さを損なわずに、苦味の良さを付与することは難しかった。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、穀物の甘さの良さを損なわずに、苦味の良さが付与された穀物茶飲料、穀物茶飲料の製造方法及び穀物茶飲料の苦味の良さを調整する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、穀物茶飲料において、穀物抽出液と大麦粉末とを含み、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bを0.6以下とし、且つ、A/Bを1.35以上1.90以下とすることにより、穀物の甘さの良さを損なわずに、苦味の良さを付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 穀物抽出液と、大麦粉末とを含む穀物茶飲料であって、前記穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、前記穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bが0.6以下であり、A/Bが1.35以上1.90以下である、穀物茶飲料。
(2) カフェインレスである、(1)記載の穀物茶飲料。
(3) 穀物抽出液と大麦粉末とを含む穀物茶飲料の製造方法であって、前記穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、前記穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bが0.6以下で、且つ、A/Bが1.35以上1.90以下となるように、前記穀物抽出液と前記大麦粉末とを混合する調合工程を有する、穀物茶飲料の製造方法。
(4) 穀物抽出液と大麦粉末とを含む穀物茶飲料における、前記穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、前記穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bを所定値以下とし、且つ、A/Bを所定範囲内とする、穀物茶飲料の苦味の良さを調整する方法。
本発明によれば、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bを0.6以下とし、且つ、A/Bを1.35以上1.90以下とすることにより、穀物の甘さの良さを損なわずに、苦味の良さが付与された穀物茶飲料を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<穀物茶飲料>
本実施の形態に係る穀物茶飲料は、穀物抽出液と大麦粉末とを含む。
本実施の形態に係る穀物茶飲料が含む「穀物抽出液」とは、穀物茶飲料の素材(ベース)となる抽出物であり、穀物抽出液の原料穀物を、必要に応じて焙煎した後、抽出溶媒を用いて抽出した抽出液である。穀物抽出液の原料穀物としては、穀物茶飲料の原料として通常用いられる穀物を使用でき、大麦、発芽大麦、小麦等の麦類、玄米、発芽玄米等の米類、大豆、小豆、黒豆等の豆類、ハトムギ、トウモロコシ、芋、あわ、キビ等が挙げられる。穀物抽出液は穀物由来の甘みが良好である。穀物抽出液の原料穀物としては、甘みの観点から、大麦、ハトムギや、玄米が好ましい。穀物抽出液は、抽出液の原料穀物(穀物茶原料)から抽出液を得るために通常採用される抽出工程によって得られる。穀物抽出液を得る抽出工程の詳細については、後述する。
本実施の形態に係る穀物茶飲料は、穀物抽出液に加えて、さらに穀物以外の茶原料の抽出液を含んでいてもよい。穀物以外の茶原料の抽出液を得る茶原料としては、Camellia属(C.sinensis、C.assamica等)の茶葉(緑茶葉、紅茶葉、半発酵茶葉)、ビワの葉、桑の葉、エゴマの葉、クマザサの葉、柿の葉、アマチャヅルの葉、アシタバの葉、ドクダミの葉、シソの葉、ヨモギの葉、杜仲葉、グァバ葉、月見草、大麦若葉、カワラケツメイ等の葉類、ナツメ、クコ、ユズ、ミカン、レモン等の果実類、チコリーの根、タンポポの根や、エビスグサの種子(ケツメイシ)を乾燥等させたものが挙げられる。例えば、エビスグサの種子(ケツメイシ)を乾燥等させたものを茶原料とする抽出液は、独特の香味を付与できる観点では本実施の形態にかかる穀物茶飲料に含有させることが好ましいが、大麦粉末による苦味の良さの付与効果をマスクしないようにする観点からは穀物茶飲料に含有させないことが好ましい。
本実施の形態に係る穀物茶飲料が含む「大麦粉末」とは、原料大麦を必要に応じて焙煎した後、粉砕して得られる粉末状の大麦である。本実施の形態で使用する大麦とは、一般に食品業界において大麦と称される麦である。一般的には、大麦の成分は炭水化物が約70%存在し、その炭水化物の大部分が澱粉である。本実施の形態において大麦の産地、種類、形態等は限定されるものではない。大麦の具体例としては、六条大麦、二条大麦、六条裸麦、二条裸麦、六条麦芽、二条麦芽、精麦(皮をむく、磨く加工を施したもの)六条大麦、精麦二条大麦等を挙げることができる。
そして、本実施の形態に係る穀物茶飲料は、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bが0.6以下であり、A/Bが1.35以上1.90以下である。すなわち、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度をa1とし、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度をa2としたときの、a1−a2をAとする。また、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度をb1とし、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度をb2としたときの、b1−b2をBとする。そして、本実施の形態に係る穀物茶飲料は、A+Bが0.6以下であり、A/Bが1.35以上1.90以下である。このように、本実施の形態においては、0.45μm以上の大きさの大麦粉末等に由来する420nm及び720nmにおける吸光度に着目している。
なお、吸光度は、分光光度計 U−3900H型(日立ハイテクノロジーズ株式会社製)等によって測定することができる。
このように、穀物抽出液と大麦粉末とを含み、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bを0.6以下とし、且つ、A/Bを1.35以上1.90以下とすることにより、後述する実施例に示すように、粉末を添加しない場合(すなわち穀物抽出液)の穀物に由来する甘さの良さを損なわずに、且つ、苦味の良さを付与することができるため、穀物の甘みの良さ及び苦味の良さに優れた穀物茶飲料を提供することができる。上記所定の関係を満たす吸光度になるように存在する大麦粉末が、飲用時に苦味の良さを感じる要因となり、また、このような大麦粉末による穀物の甘さの良さの阻害が生じ難いため、穀物茶飲料の甘さの良さを損なわずに苦味の良さを付与できると考えられる。
一方、A+Bが0.6以下且つA/Bが1.35以上1.90以下の関係を満たさない場合は、穀物に由来する甘さの良さを損なわずに且つ苦味の良さを付与することはできない。例えば、A+Bが過剰な場合やA/Bが過小な場合は、大麦粉末を添加しない場合と比べて、穀物の甘さの良さが低下する。
A+Bは0.6以下であればよく、0.5以下、0.4以下や、0.3以下でもよい。A+Bは、0.01以上、0.05以上、0.1以上や、0.2以上でもよい。
また、A/Bは1.35以上1.90以下であればよく、1.80以下、1.70以下、1.60以下、1.50以下や、1.40以下でもよい。A/Bは、1.36以上、1.38以上、1.39以上でもよい。
苦味の良さの観点から、A/Bは1.350以上1.390以下であることが好ましい。
本実施の形態に係る穀物茶飲料は、大麦粉末を添加しない場合と比べて、穀物の甘さの良さを向上させることもできる。
なお、穀物茶飲料の420nmや720nmでの吸光度値や、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmや720nmでの吸光度値は特に限定されない。例えば、穀物茶飲料の420nmでの吸光度値は0.30以上1.50以下であり、より好ましくは0.40以上1.40以下である。穀物茶飲料の720nmでの吸光度値は0.01以上0.80以下であり、より好ましくは0.02以上0.70以下であり、さらに好ましくは0.02以上0.50以下である。穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmの吸光度は0.20以上1.00以下であり、より好ましくは0.30以上0.80以下である。穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmの吸光度は0.005以上0.05以下であり、より好ましくは0.01以上0.04以下である。
なお、上記穀物茶飲料の420nmや720nmにおける吸光度は、原料穀物の種類・配合割合・焙煎の深さ等の製造条件や、大麦粉末の配合割合・粒径・粒度分布・焙煎の深さ等の製造条件によって調整することができ、また、上記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmや720nmにおける吸光度は、原料穀物の種類・配合割合・焙煎の深さ等の製造条件によって調整することができる。
本実施の形態の穀物茶飲料が含有する穀物抽出液や大麦粉末の配合割合は、A+B及びA/Bが上記範囲を満たせば、特に限定されない。本実施の形態の穀物茶飲料が含有する穀物抽出液は、例えば、穀物茶飲料に対して穀物抽出液の原料穀物を0.1g/L以上30.0g/L以下の配合割合で抽出された抽出液である。また、本実施の形態の穀物茶飲料が含有する大麦粉末は、穀物茶飲料に対して、例えば0.01g/L以上1.5g/L以下である。0.05g/L以上や、0.1g/L以上でもよく、また、1.0g/L以下、0.5g/L以下や、0.3g/L以下でもよい。なお、上記配合割合は、穀物抽出液の穀物原料や大麦粉末について、乾燥物(焙煎物)での量として記載してある。
本実施の形態の穀物茶飲料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、一般的な穀物茶飲料に通常用いられる他の添加剤等を適宜配合することができる。配合量は得ようとする効果に応じて適宜設定できる。
本実施の形態の穀物茶飲料に配合し得る添加剤としては、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等が挙げられる。
本実施の形態の穀物茶飲料は、添加剤としてカフェインを含有していてもよいが、カフェインレスとすることが好ましい。本実施の形態の穀物茶飲料は、苦味の良さが付与されているため、カフェインレスであるにも関わらず良好な苦味を有する穀物茶飲料とすることができる。カフェインを含有すると中枢神経系統や心臓が刺激されることがある。本実施の形態の穀物茶飲料中のカフェインの含有量は、例えば、10mg/L以下、1mg/L以下であってもよい。カフェイン含有量は、高速液体クロマトグラフィ法(HPLC法)によって測定する。
本実施の形態の穀物茶飲料は、上記穀物抽出液及び大麦粉末そのものからなるものでもよく、穀物抽出液及び大麦粉末に必要に応じて水や上記添加剤等を添加したものでもよく、また、これらを容器に詰めたもののいずれでもよい。容器としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるペットボトル)、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、金属缶、ガラス瓶等の密封容器等が挙げられる。
<穀物茶飲料の製造方法>
上記穀物茶飲料を製造することができる本実施の形態に係る穀物茶飲料の製造方法は、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bが0.6以下で、且つ、A/Bが1.35以上1.90以下となるように、穀物抽出液と大麦粉末とを混合する調合工程を有する。例えば、この調合工程の他、必要に応じて、大麦粉末製造工程、焙煎工程、抽出工程、殺菌工程や、容器充填工程等を有する。以下、各工程について説明する。
[大麦粉末製造工程]
大麦粉末製造工程では、原料大麦を粉砕することで、大麦粉末を製造する。大麦穀物を粉砕する方法は特に限定されず、例えば、ジェットミル、ボールミル、ビーズミル、遊星ミル、ハンマーミル、ピンミル、ロールミル、カッターミル、ホモゲナイザー、フレンチプレス等を用いて粉砕することができる。なお、大麦粉砕工程に供する原料大麦は、焙煎後の大麦を用いることが好ましい。原料大麦の焙煎の深さを反映するL値は特に限定されないが、原料大麦(焙煎後)のL値は、例えば、20以上50以下とすることができる。また、得られる大麦粉末の粒度分布も特に限定されないが、例えば、メジアン径が10μm以上100μm以下とすることができる。
[焙煎工程]
焙煎工程では、穀物抽出液の原料穀物を焙煎する。焙煎工程では、一般的な焙煎方法を採用可能であり、例えば、熱風焙煎、直火焙煎、砂炒焙煎、遠赤外焙煎等が挙げられる。焙煎工程を有さなくてもよいが、香ばしさ等を付与できる観点から、焙煎工程を有することが好ましい。
[抽出工程]
抽出工程では、原料穀物から、抽出溶媒を用いて抽出物を得る。抽出工程に供する穀物原料は、焙煎工程を経た後のものであることが好ましい。
なお、複数の穀物原料を用いる場合、上記穀物原料を抽出工程に供する方法は特に限定されず、例えば、複数の穀物原料をそれぞれ単独で抽出工程に供してもよいし、複数の穀物原料を予め混合して抽出工程に供してもよい。製造効率の観点から、複数の穀物原料の全てを予め混合して抽出工程に供することが好ましい。
抽出工程では、一般的な抽出方法を採用可能であり、例えば、水蒸気蒸留、液化炭酸ガス抽出、アルコール抽出、熱水抽出等の従来公知の抽出方法を用いることができる。また、抽出に用いる抽出溶媒の種類は、特に限定されないが、水を抽出溶媒とする場合は、脱イオン交換処理精製したもの又は蒸留水を用いることが好ましい。これらは、安価、手軽であり、且つ安全に調製し抽出設備に供することができる。水以外の抽出溶媒としては、エタノールやその他の親水性有機溶媒が挙げられる。また、抽出溶媒に対して、抽出効率化の目的で、食品添加物のいわゆる炭酸塩(炭酸水素ナトリウム(重曹)等)、リン酸塩、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸等を適宜添加してもよい。
抽出温度は、特に限定されないが、例えば、80℃以上100℃以下であることが好ましい。上記温度範囲で抽出を行えば、抽出効率が高い。抽出時間も特に限定されないが、5分以上60分以下の範囲内で行うことが好ましい。上記抽出時間で抽出物を得れば、熱による風味変化や香気成分の散逸を抑えつつ、甘味、香ばしさの各成分を抽出しやすい傾向にある。これにより、嗜好性に優れた茶飲料が得やすくなる。
[調合工程]
調合工程では、大麦粉末製造工程で得られた大麦粉末と抽出工程で得られた穀物抽出液とを、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bが0.6以下で、且つ、A/Bが1.35以上1.90以下となるように、混合する。必要に応じて、水や添加物を添加してもよい。なお、抽出工程において複数の抽出液を得る場合は、調合工程で、該複数の抽出液を混合することができる。
[殺菌工程及び容器充填工程]
殺菌工程では、加熱等により、穀物抽出液及び大麦粉末等を殺菌する。また、容器充填工程では、穀物抽出液及び大麦粉末等を容器に充填する。金属缶や瓶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合は、レトルト殺菌(加圧加熱処理:110〜140℃、1〜数十分間)により製造できる。ペットボトルや紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、予めレトルト殺菌と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換機等で超高温加熱処理(UHT殺菌:110〜150℃、1〜数十秒間)し、一定の温度まで冷却後、容器に充填する等の方法が選択できる。容器充填工程の方法としては、例えば、アセプティック(無菌)充填法、ホットパック充填法等が挙げられる。
穀物茶飲料の製造方法の各工程に用いられる装置や条件は、通常穀物茶飲料の製造工程に採用されるものを使用できる。
<穀物茶飲料の苦味の良さを調整する方法>
本実施の形態に係る穀物茶飲料の苦味の良さを調整する方法は、穀物抽出液と大麦粉末とを含む穀物茶飲料における、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bを所定値以下とし、且つ、A/Bを所定範囲内とするものである。穀物抽出液、大麦粉末、添加剤等の含有成分や、吸光度の関係等の物性については、上記穀物茶飲料と同様である。
このように、穀物抽出液と大麦粉末とを含む穀物茶飲料における、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bを所定値以下とし、且つ、A/Bを所定範囲内とすることにより、穀物の甘さの良さを損なわずに、苦味の良さを調整することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<穀物抽出液及び粉末の作製>
ドリップ抽出器を用い、焙煎後のハトムギ、大麦、エビスグサの種子(ケツメイシ)、玄米を、表1に示す配合割合で、20倍量のお湯(90℃)で30分間浸漬ドリップ抽出し、濾過してベースとなる穀物抽出液を得た。
また、焙煎深度が異なるカナダ産六条大麦をそれぞれ粉砕して、大麦粉末1〜5を得た。
用いたカナダ産六条大麦(焙煎後)を、ミルサーにて粉砕し、分光色差計(日本電色工業株式会社製「SE6000」で、L値を測定した。
また、得られた大麦粉末のメジアン径を、レーザー回折散乱法(堀場製作所社製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−920)により、測定した。
測定結果を表2に示す。
<穀物茶飲料の作製>
得られた穀物抽出液に、得られた各大麦粉末1〜5、アスコルビン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム(重曹)を、添加した。各大麦粉末1〜5は、それぞれ、得られる穀物茶飲料1Lに対して、0.05g/L、0.1g/L、0.3g/L及び0.5g/L、0.9g/Lになるように、添加した。また、アスコルビン酸ナトリウムは得られる穀物茶飲料1Lに対して0.4g/L、炭酸水素ナトリウム(重曹)は得られる穀物茶飲料1Lに対して0.1g/Lになるように添加した。なお、これらの濃度は、全て最終的に得られた穀物茶飲料における濃度である。
得られた各穀物茶飲料を、缶に充填してレトルト殺菌した。
<穀物茶飲料の吸光度の測定>
穀物茶飲料の420nmにおける吸光度a1、この穀物茶飲料の720nmにおける吸光度b1、及び、得られた穀物茶飲料を0.45μmのフィルター(アジレント・テクノロジー社製、エコノフィルタ PES 25mm/孔径0.45μm)で濾過して得られた濾液の420nmにおける吸光度a2、この濾液の720nmにおける吸光度b2を、分光光度計(分光光度計 U−3900H型)を用いて測定した。なお、吸光度の測定は、振とうして穀物茶飲料が均一になる状態にして、行った。結果を表3に示す。
また、表3の結果から、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度a1から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度a2を引いた値であるAと、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度b1から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度b2を引いた値であるBを求め、A+Bと、A/Bを求めた。結果を表4に示す。
<穀物茶飲料の官能評価>
得られた各穀物茶飲料について、専門パネル5名による官能評価を実施した。具体的には、穀物茶飲料の、「苦味の強さ」、「苦味の良さ」、「焦げ感の強さ」、「穀物の甘さの強さ」、「穀物の甘さの良さ」について、粉末を添加しない穀物茶飲料(穀物抽出液)の評価を「4.00」とした場合の7段階評価で行った。
各評価項目は、「良さ」又は「強さ」の観点から、以下の基準で評価した。結果を表5に示す。なお、各評価結果は、各パネルが付けた評価点数の平均値によって示した。結果を表5に示す。
「良さ」
7:とても良い
6:良い
5:やや良い
4:どちらでもない(粉末を添加しない穀物茶飲料と同じ)
3:やや悪い
2:悪い
1:とても悪い
「強さ」
7:とても強い
6:強い
5:やや強い
4:どちらでもない(粉末を添加しない穀物茶飲料と同じ)
3:やや弱い
2:弱い
1:とても弱い
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上記に示すように、大麦粉末を穀物茶飲料に添加し、穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bが0.6以下であり、A/Bが1.35以上1.90以下である穀物茶飲料は、粉末を添加しない穀物茶飲料(穀物抽出液)と比べて「苦味の良さ」が向上しており、また、甘みの良さは粉末を添加しない穀物茶飲料(穀物抽出液)と同等以上であった。なお、大麦粉末の添加量が増加するにつれて「焦げ感」や「苦味の強さ」が増加する傾向があった。
また、穀物抽出液を作製する際にエビスグサの種子(ケツメイシ)を用いなかった以外は上記と同様にして穀物茶飲料を作製し上記と同様にして官能評価を行ったところ、大麦粉末の味がより強くでる傾向があった、すなわち、苦味の良さや穀物の甘さの良さがさらに向上した。

Claims (6)

  1. 穀物抽出液と、大麦粉末とを含む穀物茶飲料であって、
    前記穀物抽出液が、麦類、米類、豆類、ハトムギ、トウモロコシ、芋、あわ、及びキビからなる群から選択される1以上を含む原料穀物の抽出液であり、
    前記穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、
    前記穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、
    A+Bが0.6以下であり、A/Bが1.35以上1.90以下である、穀物茶飲料。
  2. カフェインレスである、請求項1に記載の穀物茶飲料。
  3. 前記穀物抽出液が、前記穀物茶飲料に対して穀物抽出液の原料穀物を0.1g/L以上30.0g/L以下の配合割合で抽出された抽出液である、請求項1又は2に記載の穀物茶飲料。
  4. 前記大麦粉末のL値が、20以上50以下である、請求項1から3のいずれかに記載の穀物茶飲料。
  5. 穀物抽出液と大麦粉末とを含む穀物茶飲料の製造方法であって、
    前記穀物抽出液が、麦類、米類、豆類、ハトムギ、トウモロコシ、芋、あわ、及びキビからなる群から選択される1以上を含む原料穀物の抽出液であり、
    前記穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、前記穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bが0.6以下で、且つ、A/Bが1.35以上1.90以下となるように、前記穀物抽出液と前記大麦粉末とを混合する調合工程を有する、穀物茶飲料の製造方法。
  6. 穀物抽出液と大麦粉末とを含み、前記穀物抽出液が、麦類、米類、豆類、ハトムギ、トウモロコシ、芋、あわ、及びキビからなる群から選択される1以上を含む原料穀物の抽出液である穀物茶飲料における、前記穀物茶飲料の420nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の420nmにおける吸光度を引いた値をAとし、前記穀物茶飲料の720nmにおける吸光度から、前記穀物茶飲料を0.45μmのフィルターで濾過した後の720nmにおける吸光度を引いた値をBとしたときの、A+Bを0.6以下とし、且つ、A/Bを1.35以上1.90以下とする、穀物茶飲料の苦味の良さを調整する方法。
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