JP2019180352A - 茶飲料、茶飲料の葛花風味抑制方法及び茶飲料の葛花風味抑制剤 - Google Patents
茶飲料、茶飲料の葛花風味抑制方法及び茶飲料の葛花風味抑制剤 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】葛花が用いられているにもかかわらず葛花の独特な風味が抑制された茶飲料、茶飲料の葛花風味抑制方法及び茶飲料の葛花風味抑制剤の提供。【解決手段】茶抽出物と、葛花エキスと、前記茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物とを含有する、茶飲料。又、茶抽出物及び葛花エキスを含有する茶飲料に、前記茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を含有させる、茶飲料の葛花風味抑制方法。又、茶飲料が含有する茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を有効成分とする、茶飲料の葛花風味抑制剤。植物抽出物がマメ科、シソ科又はバラ科の植物から抽出された植物抽出物を含むことが好ましく、植物抽出物がマメ科植物抽出物を含むことがより好ましく、カワラケツメイ抽出物を含むことが特に好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、葛花エキスを含有する茶飲料、茶飲料の葛花風味抑制方法及び茶飲料の葛花風味抑制剤に関する。
葛花は体脂肪低減効果が知られている。このような葛花を摂取するために、葛花の食品への利用は極めて価値がある。しかしながら、葛花は、独特な風味(豆臭及び芋臭)を有するため、葛花を食品に利用する場合は、葛花の独特な風味を改善することが課題となる。
このような葛花の独特な風味を改善する技術として、特許文献1には、葛花と、ツバキ科植物由来の茶葉、甜茶、コーヒー、ココア、麦若葉、アシタバ、ケール、甘藷茎葉、および桑葉からなる群より選択される少なくとも1種の食品素材とを含有する食品組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法では葛花を用いた茶飲料としては不十分であり、葛花を用いた茶飲料の葛花の独特な風味をより抑制することが望まれる。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、葛花が用いられているにもかかわらず葛花の独特な風味が抑制された茶飲料、茶飲料の葛花風味抑制方法及び茶飲料の葛花風味抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、茶抽出物及び葛花エキスを含有する茶飲料に、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を含有させることで、葛花の独特の風味を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 茶抽出物と、葛花エキスと、前記茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物とを含有する、茶飲料。
(2) 前記植物抽出物が、マメ科、シソ科又はバラ科の植物から抽出された植物抽出物を含む、(1)に記載の茶飲料。
(3) 前記植物抽出物が、マメ科植物抽出物を含む、(2)に記載の茶飲料。
(4) 前記マメ科植物抽出物が、カワラケツメイ抽出物を含む、(3)に記載の茶飲料。
(5) 前記植物抽出物が、茶飲料1Lに対して前記植物抽出物の植物原料0.1g以上1.0g以下の配合割合で抽出された植物抽出物である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の茶飲料。
(6) 茶抽出物及び葛花エキスを含有する茶飲料に、前記茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を含有させる、茶飲料の葛花風味抑制方法。
(7) 茶飲料が含有する茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を有効成分とする、茶飲料の葛花風味抑制剤。
本発明によれば、茶抽出物と、葛花エキスと、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物とを含有する茶飲料とすることにより、葛花エキスを含有する茶飲料であるにもかかわらず葛花の独特な風味が抑制されたものとなる。したがって、体脂肪低減効果がある葛花の成分を摂取でき且つ嗜好性に優れた茶飲料となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<茶飲料>
本実施の形態に係る茶飲料は、茶抽出物と、葛花エキスと、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物とを含有する。
本実施の形態に係る茶飲料は、茶抽出物と、葛花エキスと、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物とを含有する。
このように、茶抽出物と、葛花エキスと、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物(以下「特定植物抽出物」ともいう)とを含有する茶飲料とすることにより、茶飲料中の葛花の独特の風味が特定植物抽出物でマスキングされるためか、葛花エキスを含有するにもかかわらず、葛花の独特な風味である豆臭及び芋臭を抑制することができる。したがって、体脂肪低減効果がある葛花の成分を摂取でき且つ風味が良い茶飲料とすることができる。なお、豆臭とは大豆を茹でたときのような臭いであり、芋臭とは芋を茹でたときのような臭いであり、いずれの臭いも、茶飲料において後味の悪さや不快な味を感じる、葛花に由来する独特な風味である。
本実施の形態の茶飲料は、茶抽出物を含有する。「茶抽出物」とは、本実施の形態の茶飲料の素材(ベース)となる抽出物であり、茶原料を、必要に応じて焙煎した後、抽出溶媒を用いて抽出した抽出物である。茶原料としては、茶飲料の原料として通常用いられるものを使用でき、大麦、発芽大麦、小麦等の麦類、玄米、発芽玄米等の米類、大豆、小豆、黒豆等の豆類、ハトムギ、トウモロコシ、芋、あわ、キビ等の穀物、チャノキ由来の葉(緑茶葉等)、紅茶葉、半発酵茶葉、ビワの葉、桑の葉、エゴマの葉、クマザサの葉、柿の葉、アマチャヅルの葉、アシタバの葉、ドクダミの葉、クコの葉、シソの葉、ヨモギの葉、杜仲葉、グァバ葉等の葉類、ナツメ、ユズ、ミカン、レモン等の果実類や、エビスグサの種子(ケツメイシ)を乾燥させたものが挙げられる。茶原料の抽出物(茶抽出物)は、茶原料から抽出物を得るために通常採用される抽出工程によって得られる。抽出物を得る抽出工程の詳細については、後述する。
本実施の形態の茶飲料は、葛花エキスを含有する。「葛花」とは、葛の花や蕾であり、本実施の形態の茶飲料が含有する「葛花エキス」とは、葛花を、必要に応じて乾燥や粉砕した後、抽出溶媒を用いて抽出した抽出物又はこの抽出物の乾燥物であり、イソフラボンやサポニン等を含有しうる。なお、葛花エキスとして、市販品を用いてもよい。葛花エキスの市販品としては、商品名葛の花エキス(東洋新薬社製)等が挙げられる。
本実施の形態の茶飲料は、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を含有する。すなわち、本実施の形態の茶飲料が含有する特定植物抽出物は、植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物のうち、茶飲料が含有する茶抽出物の茶原料とは種類及び部位の少なくとも一方が異なる植物原料(特定植物抽出物の植物)から抽出された抽出物である。特定植物抽出物は、植物の葉から抽出された抽出物が好ましい。
特定植物抽出物の植物としては、カワラケツメイ、エビスグサの種子(ケツメイシ)等のマメ科の植物、エゴマ等のシソ科の植物又はびわ等のバラ科の植物が挙げられる。すなわち、特定植物抽出物としては、マメ科の植物から抽出された抽出物であるマメ科植物抽出物、シソ科の植物から抽出された抽出物であるシソ科植物抽出物や、バラ科の植物から抽出された抽出物であるバラ科植物抽出物が挙げられる。なお、豆臭及び芋臭の抑制の観点で、特定植物抽出物の植物は、ツバキ科の植物を含まないことが好ましい。
特定植物抽出物の植物としては、マメ科の植物やバラ科の植物が好ましい。マメ科の植物やバラ科の植物を用いることにより、葛花の独特な風味をマスキングにより抑制しつつ、茶飲料の素材感を引き立てることができる。「素材感」とは、素材(ベース)となる茶原料の風味であり、「素材感を引き立てる」とは、例えば緑茶飲料では緑茶感を、紅茶飲料では紅茶感を、ハトムギ茶ではハトムギ茶感を強くすることをいう。また、マメ科の植物やバラ科の植物を用いることにより、おいしさ、香りの良さ、はなやかさや、飲みやすさ、さわやかさや、バランスの良さ(おいしさ、香りの良さ、はなやかさ、甘みの良さ、飲みやすさ及びさわやかさのバランスの良さ)にも優れた飲料とすることができる。
特定植物抽出物の植物としては、より好ましくはマメ科の植物であり、さらに好ましくはカワラケツメイである。マメ科の植物を使用することにより、葛花の独特な風味である豆臭及び芋臭をより抑制することができ、また、茶飲料の素材感をより引き立てることができる。そして、マメ科の植物を使用することにより、おいしさ、香りの良さ、はなやかさや、飲みやすさ、さわやかさや、バランスの良さがより優れた飲料とすることができ、さらには、甘みの良さにも優れた茶飲料とすることができる。
本実施の形態の茶飲料が含有する、茶抽出物、葛花エキスや特定植物抽出物の配合割合は限定されない。茶飲料が含有する特定植物抽出物は、例えば特定植物抽出物が、茶飲料1Lに対して特定植物抽出物の植物原料0.1g以上1.0g以下の配合割合で抽出された植物抽出物であることが好ましい。この植物原料の配合割合は、葛花の独特の風味をより抑制できるという観点では0.3g/L以上が好ましく、0.5g/L以上がより好ましく、また、おいしさ、甘みの良さ、飲みやすさ、バランスの良さや素材感の強さの観点では、0.3g/L以上0.5g/L以下が好ましい。また、本実施の形態の茶飲料が含有する葛花エキスの配合割合は、例えば、茶飲料1Lに対して、0.05g/L以上が好ましく、0.1g/L以上や、0.5g/L以上にすることもできる。本実施の形態においては、葛花の独特な風味を抑制できるため、葛花エキスを多く含有させることができる。また、本実施の形態の茶飲料が含有する葛花エキスの配合割合は、1.5g/L以下が好ましく、1.0g/L以下でもよい。茶飲料が含有する葛花エキスに対する抽出に供する植物原料の質量比(抽出に供する植物原料の質量/葛花エキスの質量)は、例えば、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、また、5.0以下が好ましく、3.0以下がさらに好ましい。また、茶飲料が含有する茶抽出物の配合割合は特に限定されず、例えば、茶飲料1Lに対して茶原料0.1g以上の配合割合で抽出された茶抽出物であることが好ましく、茶飲料1Lに対して茶原料1.0g以上の配合割合で抽出された茶抽出物であることがより好ましく、また、茶飲料1Lに対して茶原料20.0g以下の配合割合で抽出された茶抽出物であることが好ましい。なお、上記配合割合は、植物原料、茶原料や葛花エキスについて乾燥物(焙煎物)での量として記載してある。
本実施の形態の茶飲料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、一般的な茶飲料に通常用いられる他の添加剤等を適宜配合することができる。配合量は得ようとする効果に応じて適宜設定できる。
本実施の形態の茶飲料に配合し得る添加剤としては、食物繊維(難消化性デキストリン等)、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等が挙げられる。なお、本実施の形態の茶飲料は、茶飲料としての自然な風味に近づけるため、人工甘味料等の甘味料を含有しないことが好ましい。
本実施の形態の茶飲料は、葛花エキス及び上記抽出物そのものからなるものでもよく、葛花エキス及び抽出物に必要に応じて水や上記添加剤等を添加したものでもよく、また、これらを容器に詰めたもののいずれでもよい。容器としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるペットボトル)、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、金属缶、ガラス瓶等の密封容器等が挙げられる。
<茶飲料の製造方法>
上記茶飲料を製造する方法は特に限定されず、例えば、葛花エキス製造工程、焙煎工程、抽出工程、調合工程、殺菌工程や、容器充填工程等を適宜行うことにより、製造することができる。以下、各工程について説明する。
上記茶飲料を製造する方法は特に限定されず、例えば、葛花エキス製造工程、焙煎工程、抽出工程、調合工程、殺菌工程や、容器充填工程等を適宜行うことにより、製造することができる。以下、各工程について説明する。
[葛花エキス製造工程]
葛花エキス製造工程では、葛の花や蕾から、抽出溶媒を用いて抽出物を得る。葛花エキス製造工程に供する葛の花や蕾は、乾燥工程や、粉砕工程を経た後のものであってもよい。葛花エキス製造工程では、一般的な抽出方法を採用可能であり、例えば、水蒸気蒸留、液化炭酸ガス抽出、アルコール抽出、熱水抽出等の従来公知の抽出方法を用いることができる。また、抽出に用いる抽出溶媒の種類は、特に限定されないが、水、エタノールやその他の親水性有機溶媒が挙げられる。加温する場合の抽出温度は、特に限定されないが、例えば、50〜130℃である。また、抽出時間も特に限定されないが、例えば、30分〜48時間である。得られた抽出物を葛花エキスとして用いてもよく、また、得られた抽出物をスプレードライ等により乾燥した乾燥物を、葛花エキスとして用いてもよい。なお、葛花エキスとして、市販品を用いてもよい。
葛花エキス製造工程では、葛の花や蕾から、抽出溶媒を用いて抽出物を得る。葛花エキス製造工程に供する葛の花や蕾は、乾燥工程や、粉砕工程を経た後のものであってもよい。葛花エキス製造工程では、一般的な抽出方法を採用可能であり、例えば、水蒸気蒸留、液化炭酸ガス抽出、アルコール抽出、熱水抽出等の従来公知の抽出方法を用いることができる。また、抽出に用いる抽出溶媒の種類は、特に限定されないが、水、エタノールやその他の親水性有機溶媒が挙げられる。加温する場合の抽出温度は、特に限定されないが、例えば、50〜130℃である。また、抽出時間も特に限定されないが、例えば、30分〜48時間である。得られた抽出物を葛花エキスとして用いてもよく、また、得られた抽出物をスプレードライ等により乾燥した乾燥物を、葛花エキスとして用いてもよい。なお、葛花エキスとして、市販品を用いてもよい。
[焙煎工程]
焙煎工程では、茶抽出物の茶原料や特定植物抽出物の植物原料を焙煎する。焙煎工程では、一般的な焙煎方法を採用可能であり、例えば、熱風焙煎、直火焙煎、砂炒焙煎、遠赤外焙煎等が挙げられる。焙煎工程を有さなくてもよいが、香ばしさ等を付与できる観点から、焙煎工程を有することが好ましい。
焙煎工程では、茶抽出物の茶原料や特定植物抽出物の植物原料を焙煎する。焙煎工程では、一般的な焙煎方法を採用可能であり、例えば、熱風焙煎、直火焙煎、砂炒焙煎、遠赤外焙煎等が挙げられる。焙煎工程を有さなくてもよいが、香ばしさ等を付与できる観点から、焙煎工程を有することが好ましい。
[抽出工程]
抽出工程では、茶原料及び植物原料から、抽出溶媒を用いて抽出物を得る。抽出工程に供する茶原料や植物原料は、焙煎工程を経た後のものであることが好ましい。
抽出工程では、茶原料及び植物原料から、抽出溶媒を用いて抽出物を得る。抽出工程に供する茶原料や植物原料は、焙煎工程を経た後のものであることが好ましい。
上記茶原料及植物原料を抽出工程に供する方法は特に限定されず、例えば、茶原料や植物原料をそれぞれ単独で抽出工程に供してもよいし、茶原料及び植物原料を予め混合して抽出工程に供してもよい。製造効率の観点から、茶原料及び植物原料の全てを予め混合して抽出工程に供することが好ましい。
抽出工程では、一般的な抽出方法を採用可能であり、例えば、水蒸気蒸留、液化炭酸ガス抽出、アルコール抽出、熱水抽出等の従来公知の抽出方法を用いることができる。また、抽出に用いる抽出溶媒の種類は、特に限定されないが、水を抽出溶媒とする場合は、脱イオン交換処理精製したもの又は蒸留水を用いることが好ましい。これらは、安価、手軽であり、且つ安全に調製し抽出設備に供することができる。水以外の抽出溶媒としては、エタノールやその他の親水性有機溶媒が挙げられる。また、抽出溶媒に対して、抽出効率化の目的で、食品添加物のいわゆる炭酸塩(炭酸水素ナトリウム(重曹)等)、リン酸塩、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸等を適宜添加してもよい。
抽出温度は、特に限定されないが、例えば、80℃以上100℃以下であることが好ましい。上記温度範囲で抽出を行えば、抽出効率が高い。抽出時間も特に限定されないが、5分以上60分以下の範囲内で行うことが好ましい。上記抽出時間で抽出物を得れば、熱による風味変化や香気成分の散逸を抑えつつ、甘味、香ばしさの各成分を抽出しやすい傾向にある。これにより、より嗜好性に優れた茶飲料が得やすくなる。
[調合工程]
調合工程では、抽出工程で得られた抽出物(茶抽出物、特定植物抽出物)に、葛花エキス、水や添加物を添加する。抽出工程で得られた抽出物は、葛花エキスを添加して、そのまま本実施の形態の茶飲料として提供することができるが、調合工程において、抽出工程で得られた抽出物に対して、葛花エキスの添加に加えて、水での希釈や、各種添加剤の配合をしてもよい。なお、抽出工程において複数の抽出物を得る場合は、調合工程で、該複数の抽出物を混合することができる。
調合工程では、抽出工程で得られた抽出物(茶抽出物、特定植物抽出物)に、葛花エキス、水や添加物を添加する。抽出工程で得られた抽出物は、葛花エキスを添加して、そのまま本実施の形態の茶飲料として提供することができるが、調合工程において、抽出工程で得られた抽出物に対して、葛花エキスの添加に加えて、水での希釈や、各種添加剤の配合をしてもよい。なお、抽出工程において複数の抽出物を得る場合は、調合工程で、該複数の抽出物を混合することができる。
[殺菌工程及び容器充填工程]
殺菌工程では、加熱等により、抽出物等を殺菌する。また、容器充填工程では、抽出物等を容器に充填する。金属缶や瓶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合は、レトルト殺菌(加圧加熱処理:110〜140℃、1〜数十分間)により製造できる。ペットボトルや紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、予めレトルト殺菌と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換機等で超高温加熱処理(UHT殺菌:110〜150℃、1〜数十秒間)し、一定の温度まで冷却後、容器に充填する等の方法が選択できる。容器充填工程の方法としては、例えば、アセプティック(無菌)充填法、ホットパック充填法等が挙げられる。
殺菌工程では、加熱等により、抽出物等を殺菌する。また、容器充填工程では、抽出物等を容器に充填する。金属缶や瓶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合は、レトルト殺菌(加圧加熱処理:110〜140℃、1〜数十分間)により製造できる。ペットボトルや紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、予めレトルト殺菌と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換機等で超高温加熱処理(UHT殺菌:110〜150℃、1〜数十秒間)し、一定の温度まで冷却後、容器に充填する等の方法が選択できる。容器充填工程の方法としては、例えば、アセプティック(無菌)充填法、ホットパック充填法等が挙げられる。
茶飲料の製造方法の各工程に用いられる装置や条件は、通常茶飲料の製造工程に採用されるものを使用できる。
<茶飲料の葛花風味抑制方法>
本実施の形態に係る茶飲料の葛花風味抑制方法は、茶抽出物及び葛花エキスを含有する茶飲料に、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を含有させるものである。茶抽出物、葛花エキス、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物や添加剤等は、上記茶飲料と同様である。
本実施の形態に係る茶飲料の葛花風味抑制方法は、茶抽出物及び葛花エキスを含有する茶飲料に、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を含有させるものである。茶抽出物、葛花エキス、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物や添加剤等は、上記茶飲料と同様である。
このように、茶抽出物及び葛花エキスを含有する茶飲料に特定植物抽出物を含有させることにより、葛花の独特な風味である豆臭や芋臭を抑制することができる。そして、特定植物抽出物の植物としてマメ科の植物を使用することにより、葛花の独特な風味である豆臭及び芋臭をより抑制することができ、茶飲料の素材感をより引き立てることができる。
<茶飲料の葛花風味抑制剤>
本実施の形態に係る茶飲料の葛花風味抑制剤は、茶飲料が含有する茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を有効成分とする。茶抽出物、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物や添加剤等は、上記茶飲料と同様である。
本実施の形態に係る茶飲料の葛花風味抑制剤は、茶飲料が含有する茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を有効成分とする。茶抽出物、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物や添加剤等は、上記茶飲料と同様である。
このように、茶飲料が含有する茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を有効成分とすることにより、葛花を用いた茶飲料の葛花の独特な風味である豆臭や芋臭を抑制することができる葛花風味抑制剤となる。したがって、本実施の形態に係る葛花風味抑制剤を、葛花を用いた茶飲料に添加することにより、葛花の風味が抑制された茶飲料を得ることができる。そして、特定植物抽出物の植物としてマメ科の植物を使用することにより、葛花の独特な風味である豆臭及び芋臭をより抑制することができ、茶飲料の素材感をより引き立てることができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<茶飲料の作製>
緑茶葉(煎茶)、紅茶葉、桑の葉、ハトムギ(種子)、カワラケツメイの葉、エゴマの葉、びわの葉の焙煎後の粉砕物を、それぞれ準備した。そして、準備した粉砕物を、得られる茶飲料1Lに対して表1に示す配合になるように混合し、熱湯で2分間浸漬抽出を行い、濾過後に常温まで冷却した。得られた抽出液に、得られる飲料1Lに対して表1に示す配合になるように、葛花エキス(東洋新薬社製、商品名:葛の花エキス)、アスコルビン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム(重曹)を添加し、水でメスアップして、調合液を得た。なお、表1の濃度は、全て最終的に得られた茶飲料における濃度である。
緑茶葉(煎茶)、紅茶葉、桑の葉、ハトムギ(種子)、カワラケツメイの葉、エゴマの葉、びわの葉の焙煎後の粉砕物を、それぞれ準備した。そして、準備した粉砕物を、得られる茶飲料1Lに対して表1に示す配合になるように混合し、熱湯で2分間浸漬抽出を行い、濾過後に常温まで冷却した。得られた抽出液に、得られる飲料1Lに対して表1に示す配合になるように、葛花エキス(東洋新薬社製、商品名:葛の花エキス)、アスコルビン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム(重曹)を添加し、水でメスアップして、調合液を得た。なお、表1の濃度は、全て最終的に得られた茶飲料における濃度である。
得られた各調合液を容器に詰めレトルト殺菌して、実施例1〜9及び比較例1〜5の茶飲料を得た。
<茶飲料の官能評価>
得られた各茶飲料について、専門パネル5名による官能評価を実施した。具体的には、茶飲料の、「豆臭及び芋臭の強さ」、「おいしさ」、「香りの良さ」、「はなやかさ」、「甘みの良さ」、「飲みやすさ」、「さわやかさ」、「バランスの良さ」、「素材感の強さ」について、7段階評価で行った。また、「素材感の強さ」は、実施例1及び比較例1については緑茶感の強さ、実施例2及び比較例2については紅茶感の強さ、実施例3及び比較例3については桑の葉感の強さ、実施例4〜9及び比較例4〜5についてはハトムギ感の強さを評価した。
得られた各茶飲料について、専門パネル5名による官能評価を実施した。具体的には、茶飲料の、「豆臭及び芋臭の強さ」、「おいしさ」、「香りの良さ」、「はなやかさ」、「甘みの良さ」、「飲みやすさ」、「さわやかさ」、「バランスの良さ」、「素材感の強さ」について、7段階評価で行った。また、「素材感の強さ」は、実施例1及び比較例1については緑茶感の強さ、実施例2及び比較例2については紅茶感の強さ、実施例3及び比較例3については桑の葉感の強さ、実施例4〜9及び比較例4〜5についてはハトムギ感の強さを評価した。
各評価項目は、「強弱」又は「良悪」の観点から、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。なお、各評価結果は、各パネルが付けた評価点数の平均値によって示した。
[良悪]
1:とても悪い
2:悪い
3:やや悪い
4:どちらともいえない
5:やや良い
6:良い
7:とても良い
1:とても悪い
2:悪い
3:やや悪い
4:どちらともいえない
5:やや良い
6:良い
7:とても良い
[強弱]
1:とても弱い
2:弱い
3:やや弱い
4:どちらともいえない
5:やや強い
6:強い
7:とても強い
1:とても弱い
2:弱い
3:やや弱い
4:どちらともいえない
5:やや強い
6:強い
7:とても強い
表1に示すように、茶抽出物と、葛花エキスと、茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物とを含有する実施例1〜9では、素材(ベース)となる茶抽出物や葛花エキスの種類や量を同じにした比較例とそれぞれ比べて、豆臭及び芋臭が弱く、葛花の独特な風味が抑制されていた。植物原料として、茶飲料1Lに対して0.5g以上のカワラケツメイ焙煎後粉砕物を用いた実施例8及び9は、葛花の独特な風味がより抑制されていた。また、植物原料として、茶飲料1Lに対して0.3g以上0.5g/L以下のカワラケツメイ焙煎後粉砕物を用いた実施例7及び8では、おいしさ、甘みの良さ、飲みやすさやバランスの良さが特に優れていた。
また、カワラケツメイ抽出物を用いた実施例1〜4及び7〜9や、びわの葉抽出物を用いた実施例6では、豆臭及び芋臭が弱かったことに加えて、素材感の強さも際立っており、また、おいしさ、香りの良さ、はなやかさや、飲みやすさ、さわやかさや、バランスの良さにも優れていた。
そして、カワラケツメイ抽出物を用いた実施例1〜4及び7〜9では、エゴマの葉抽出物を用いた実施例5やびわの葉抽出物を用いた実施例6よりも、さらに豆臭及び芋臭が弱く、また、茶飲料の素材感が強かった。そして、おいしさ、香りの良さ、はなやかさや、飲みやすさ、さわやかさや、バランスの良さにより優れ、さらには、甘みの良さにも優れていた。
Claims (7)
- 茶抽出物と、葛花エキスと、前記茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物とを含有する、茶飲料。
- 前記植物抽出物が、マメ科、シソ科又はバラ科の植物から抽出された植物抽出物を含む、請求項1に記載の茶飲料。
- 前記植物抽出物が、マメ科植物抽出物を含む、請求項2に記載の茶飲料。
- 前記マメ科植物抽出物が、カワラケツメイ抽出物を含む、請求項3に記載の茶飲料。
- 前記植物抽出物が、茶飲料1Lに対して前記植物抽出物の植物原料0.1g以上1.0g以下の配合割合で抽出された植物抽出物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の茶飲料。
- 茶抽出物及び葛花エキスを含有する茶飲料に、前記茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を含有させる、茶飲料の葛花風味抑制方法。
- 茶飲料が含有する茶抽出物とは異なる植物抽出物であって植物の葉、茎、根又は種子から抽出された植物抽出物を有効成分とする、茶飲料の葛花風味抑制剤。
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JP2018078250A JP2019180352A (ja) | 2018-04-16 | 2018-04-16 | 茶飲料、茶飲料の葛花風味抑制方法及び茶飲料の葛花風味抑制剤 |
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JP2021078402A (ja) * | 2019-11-18 | 2021-05-27 | 株式会社東洋新薬 | 葛花及びルイボスを含有する食品 |
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