JP6920369B2 - ガンマ線照射血清を用いた間葉系幹細胞の培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガンマ線照射血清を用いた間葉系幹細胞の培養方法に関し、より詳細には、ガンマ線を照射した血清および抗酸化剤が含まれた培養培地を用いて幹細胞の付着力および増殖率を向上させることができる間葉系幹細胞の培養方法に関する。
幹細胞(stem cell)とは、自己複製能力を有すると共に、二つ以上の細胞に分化する能力を有する細胞をいい、万能幹細胞(totipotent stem cell)、分化万能性幹細胞(pluripotent stem cell)、多能性幹細胞(multipotent stem cell)に分類できる。
万能幹細胞(totipotent stem cell)は、一つの完全な個体に発生していくことができる万能性を有する細胞で、卵子と精子の受精以後8細胞期までの細胞がこのような性質を有し、この細胞を分離して子宮に移植すると一つの完全な個体に発生していくことができる。分化万能性幹細胞(pluripotent stem cell)は、外胚葉、中胚葉、内胚葉層由来の多様な細胞と組織から発生できる細胞であり、受精4〜5日後現れる胚盤胞(blastocyst)の内側に位置した内部細胞塊(inner cell mass)から由来し、これを胚芽幹細胞といい、多様な他の組織細胞に分化するが新しい生命体を形成することはできない。多能性幹細胞(multipotent stem cell)は、この細胞が含まれた組織及び器官に特異的な細胞だけに分化できる幹細胞で、胎児期、新生児期及び成体期の各組織及び臓器の成長と発達のみならず成体組織の恒常性維持と組織損傷時再生を誘導する機能に関与しており、組織特異的多能性細胞を総称して間葉系幹細胞という。
間葉系幹細胞(Rebecca S. Y. Wong, et al., J Biomed Biotechnol 24:2011, 2011)は、心臓疾患、骨形成不全症、および脊髄損傷などのような種々の疾病状態で細胞ベースの治療に用いられており、その結果が注目されている。かかる間葉系幹細胞を、幹細胞の性能を保持しながらも大量で得るためには、その培養方法が重要である。
脂肪由来幹細胞(ADSC;adipose−derived stem cells)の培養および維持には、殆ど、動物の血清、特に、ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)が含まれた培地が用いられる。FBSは、種々の成長因子(growth factors)、タンパク質、ビタミン類、ホルモンを含んでいるため(Wassman S. J et al., Dev Biol Stand 99:3-8, 1999)、幹細胞の培養において比較的好適に使用可能であるが、動物由来の原料は、細胞培養用に用いるには、その危険要素を完全に排除することはできない。
かかる危険要素を除去するために、近年、FBSを添加していない無血清培地(serum−free media)が多様に開発されて販売されており、細胞の種類に応じて、適した無血清培地を選定して使用することができる。しかし、無血清培地を用いた培養の効率は、殆どの場合、血清を添加して培養する際に比べて非常に低く(Mannello F. et al., Stem Cells. 25(7):1603-9, 2007)、それを補完するために、各種添加剤をさらに処理しなければならない。このように無血清培地における細胞の増殖率は相対的に低く、無血清培地に添加される様々な成長因子および添加剤により、コストが相当な負担となる。
生産過程におけるコスト負担および細胞増殖低下の問題を解決できる方法の1つとして、ガンマ線照射滅菌FBSが使用可能である。ガンマ線、電子線、およびX−線を活用した放射線の照射技術は、製品の完全な包装状態で、温度の上昇がなく、且つ有害成分が残らない低温滅菌、殺虫技術である。このような効果は、放射線の直接および間接作用により、細胞のDNA、タンパク質、または脂質などのような細胞構成成分に損傷を与えることで起こる。ガンマ線の照射は、滅菌濾過後にも存在し得るウイルスやマイコプラズマの範囲をより減少または除去することができる。したがって、全世界の医薬品工程で用いられており、動物由来の原資材に対してガンマ線照射滅菌を勧奨する傾向にある。
しかしながら、ガンマ線に曝されたタンパク質は、可逆的または不可逆的に変化し(チョヨンシク、忠南大学校学位論文、1999)、ガンマ線照射後に生成されるフリーラジカルは、種々の成長因子を損傷させる。すなわち、ガンマ線の照射により、FBS中の成長因子が破壊される可能性が存在する。
そこで、本発明者らは、感染などの危険要素が排除され、細胞治療剤として安全に使用可能な幹細胞を製造するために鋭意努力した結果、ガンマ線照射血清および抗酸化剤が含まれた培地で幹細胞を培養すると、付着力および増殖率が向上し、細胞治療剤として使用するにおいて優れた幹細胞を製造することができることを確認し、本発明を成すに至った。
本発明の目的は、ガンマ線を照射した血清および抗酸化剤が含まれた培養培地を用いて幹細胞の付着力および増殖率を向上させることができる間葉系幹細胞の培養方法を提供するところにある。
前記目的を達成するために、本発明は、(a)ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)にガンマ線を照射するステップと、(b)前記ガンマ線照射ウシ胎仔血清を幹細胞培養培地に添加するステップと、(c)前記培養培地を用いて間葉系幹細胞を培養するステップと、を含む、間葉系幹細胞の培養方法を提供する。
本発明の間葉系幹細胞の培養方法は、汚染源から安全であるが、細胞の付着および増殖効率を低下させるガンマ線滅菌FBSを用いて、幹細胞の培養時における幹細胞の付着率および増殖率を回復させることができるため、細胞治療用幹細胞の製造において有用である。
ガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)を示す図である。 ガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で4日間培養(ビタミンC後処理群)した後、細胞数および細胞倍増時間(doubling time)を調査した図である。 ビタミンC前処理後にガンマ線照射により滅菌したFBSを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC前処理群)と、ガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)とを比較した図である。 ビタミンC前処理後にガンマ線照射により滅菌したFBSを添加した培地(ビタミンC前処理群)、またはガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地(ビタミンC後処理群)で4日間培養した後、細胞数および細胞倍増時間を調査した図である。 ビタミンC前処理後にガンマ線照射により滅菌したFBSを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC前処理群)と、ガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)の、継代培養に達する期間を確認した図である。 ビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC前処理群)、30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)、ならびにビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で4日間培養した幹細胞(ビタミンC前+後処理群)を比較した図である。 ビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC前処理群)、30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)、ならびにビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で4日間培養した幹細胞(ビタミンC前+後処理群)の細胞数を比較した図である。 ビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC前処理群)、30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)、ならびにビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で4日間培養した幹細胞(ビタミンC前+後処理群)の細胞サイズを比較した図である。 ビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC前処理群)、30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)、ならびにビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で4日間培養した幹細胞(ビタミンC前+後処理群)の細胞生存率を比較した図である。 ビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC前処理群)、30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)、ならびにビタミンC前処理後に30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で4日間培養した幹細胞(ビタミンC前+後処理群)の細胞倍増時間を比較した図である。 30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)の細胞付着力を確認した図であって、1継代(passage 1)の細胞を示す。 30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)の細胞付着力を確認した図であって、2継代(passage 2)の細胞を示す。 30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)の細胞付着力を確認した図であって、3継代(passage 3)の細胞を示す。 30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)の幹細胞CDマーカーの発現を分析するために行われたFACSの結果を示す図である。 30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)の、脂肪細胞への分化誘導を示す図である。 30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)の、骨細胞への分化誘導を示す図である。 30kGyのガンマ線照射により滅菌したFBSおよびビタミンCを添加した培地で培養した幹細胞(ビタミンC後処理群)の、軟骨細胞への分化誘導を示す図である。
他の方式で定義されない限り、本明細書において使用されたあらゆる技術的・科学的用語は、本発明が属する技術分野に熟練した専門家によって通常理解されるものと同じ意味を有する。通常、本明細書において使用された命名法及び以下で詳述する實驗方法は、本技術分野において周知であり、しかも汎用されるものである。
本発明では、熱不活性化(heat inactivation)や濾過では解決できない動物由来FBSの危険要素を完全に排除することができるガンマ線滅菌ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)を用いて細胞治療用幹細胞を製造するために、ガンマ線の照射により生成されたフリーラジカルを、抗酸化剤を用いて解決することができた。すなわち、FBSのガンマ線照射により発生した幹細胞の付着および増殖への悪影響を、抗酸化剤を用いることで除去することができた。
したがって、本発明は、一観点において、(a)ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)にガンマ線を照射するステップと、(b)前記ガンマ線照射ウシ胎仔血清を幹細胞培養培地に添加するステップと、(c)前記培養培地を用いて間葉系幹細胞を培養するステップと、を含む、間葉系幹細胞の培養方法に関する。
本発明において、前記ステップ(a)のウシ胎仔血清には、抗酸化剤を含んでも含まなくでもよく、前記抗酸化剤は0.025%〜2%で添加されることが好ましく、1%で添加されることが最も好ましいが、これに限定されない。
血清タンパク質は、脂質、酵素類などの栄養素を細胞内に運ぶキャリアの役割を果たすこともある(Stein A et al., Biotechniques43:228-229,2007; Sterodimas A et al., J Plast Reconstr Aesthet Surg 63:1886-1892, 2010)。一般に、細胞培養用培地は、ビタミン類、無機塩類、ホルモン類、成長因子を含み、細胞の類型によって、微量で要求される栄養素の供給のためにFBSが添加される。
ガンマ線照射血清(Gamma Irradiated Fetal Bovine Serum)は、ウイルスおよびワクチンの生産、生物薬剤の生産工程、および診断製品の生産のような、業界で設定された最も厳格な無菌要求事項に適する。
本発明において、前記ステップ(b)の幹細胞培養培地は、抗酸化剤を含んでもよく、前記抗酸化剤は0.025%〜2%で添加されることが好ましく、1%で添加されることが最も好ましいが、これに限定されない。
培養の効率を増加させるための添加剤は、基本培地に含まれたビタミン類、無機塩類、ホルモン類などを、より多様な種類で補充したり高濃度で補充したりして基本培地の栄養成分を強化することとなり、細胞の類型によっては、特定の成長因子を添加することがある(Maurer HR et al., Send to Cytotechnology. 5(1):1, 1991)。
本発明において、前記抗酸化剤は、ビタミンC(ascorbic acid)、セレン、コエンザイムQ10、ビタミンE、カテキン、リコペン、ベータカロテン、 EPA(eicosapentaenoic acid),およびDHA(docosahexanoic acid)で構成された群から選択されてもよい。
Krumahar等は、ガンマ線が照射されたラクトアルブミン(lactalbumin)の溶解度に与えるアスコルビン酸(ascorbic acid)の効果について報告している(Krumhar et al., J. Food Sci.55:1127-1132, 1990)。放射線の照射によるタンパク質の損傷に関連して、酸素の効果は公知の事実であって(Singh, A et al., Methods in E nzymology, 186:686-696, 1990)、酸素は、放射線照射により引き起こされる生物学的損傷を促進するため、抗酸化剤は、放射線による損傷を抑える物質となることができる(Bienvenu, P et al., Adv. Exp. Med. Biol. 264:291-300, 1990)。実際に、放射線による生物学的損傷を抑える物質の殆どが抗酸化剤である(Bienvenu, P et al., Adv. Exp. Med. Biol. 264:291-300, 1990)。アスコルビン酸は、必須ビタミンで、且つ抗酸化剤であって、トコフェロール(tocopherol)とともに、動物実験による放射線損傷抑制の研究で多く使用されてきた(El-Nahas S. M et al., Mutat. Res. 301:143-147, 1993; O 'Connor M. K et al., Br. J. Radiol. 50:587-591, 1977; Niki, E et al., Ann. N. Y. Acad. Sci. 498:186-199, 1987; Niki, E et al., J. Biol. Chem. 259:4177-4182, 1984; Rana, K et al., Indian J. Exp. Biol. 31:847-849, 1993)。アスコルビン酸は、フリーラジカルと反応し、放射線の照射によって酸化されやすく(Woods, R. J et al., Applied radiation chemistry pp443-447, 1994)、デヒドロアスコルビン酸(dehydroa scorbic acid)に酸化される際に反応性が強くなると知られている(Kacem, B et al., J. Food Sci. 52:1665-1672, 1987)。ラジカルの形成に対するアスコルビン酸の効果的な放射線損傷抑制は、アスコルビン酸がタンパク質ラジカルを消去した観点から理解される(チョヨンシク、忠南大学校学位論文、1999)。
本発明の用語「ビタミンC前処理」または「AA2P前処理」とは、抗酸化剤をFBSに処理し、ガンマ滅菌することを意味する。つまり、抗酸化剤が含まれているFBSを培養培地に追加することである。
本発明の用語「ビタミンCの後処理」または「AA2P後処理」とは、抗酸化剤が含まれていないFBSをガンマ滅菌し、培養培地に処理するとき、抗酸化剤を一緒に培地に追加することを意味する。
本発明の一実施例では、ガンマ線滅菌FBSが含まれた培地で培養した幹細胞は、付着率および増殖率が著しく減少した。
本発明の一実施例では、米国のFDAガイドラインに提示されている最小要求量である25kGyで研究を行った。
本発明において、前記ガンマ線照射は、20〜35kGyの吸収線量で行われることが好ましが、これに限定されない。
放射線照射されたタンパク質に関する研究においては、タンパク質またはタンパク質を構成するアミノ酸を対象として多くの研究が行われてきたが(Garrison, W.M et al. Chem Rev. 87:381-398, 1987)、照射により生成された一次的なラジカルイオン、またはタンパク質と結合している水分子から生成された二次的なラジカルイオンの連鎖反応により、タンパク質が高分子化または低分子化される(Davies, K.J.A et al., J.Biol.Chem. 262:9895-9901, 1987)。また、タンパク質に放射線が照射されると、その分子構造が変わり、酵素活性と免疫学的性質が変わるという研究結果も報告されている(Yook, H.S et al. J. Kor. Soc. Food Sci. Nutr. 26:1116-1121, 1997)。すなわち、ガンマ線照射後に生成されるフリーラジカルは、種々の成長因子を損傷させ得る。
上記の結果は、汚染源から安全なガンマ線滅菌FBSを用いた幹細胞の培養において解決すべき問題である。
本発明において、前記ステップ(b)のウシ胎仔血清は、2%〜10%で添加されてもよく、5%で添加されることが好ましいが、これに限定されない。
細胞治療剤として用いるための幹細胞の培養において、熱不活性化または濾過などでは解決できない感染などの危険要素を除去することができる方法として、無血清培養またはガンマ線滅菌FBSを用いることができる。
しかし、無血清培養は増殖率が相対的に低いため、その効率を増加させるために、基本培地にビタミン類、無機塩類、ホルモン類などの添加剤を高濃度で添加して基本培地の栄養成分を強化することとなり、細胞の類型によって特定の成長因子を添加することもある(Maurer HR et al., Send to Cytotechnology. 5(1):1, 1991)。
ガンマ線滅菌FBSは、滅菌濾過後にも存在し得るウイルスやマイコプラズマの範囲をより減少または除去することができる。微生物の放射線敏感性は、温度、酸素条件、水分活性度によって変わるが、温度が高いほど、酸素が多いほど、水分活性度が高いほど、生物に与える放射線の影響が大きくなり、相対的に低い放射線量で微生物を制御することができる。
現在、放射線滅菌技術を活用し、農産物の発芽/発根の抑制、熟度の遅延、害虫および寄生虫の防除、ならびに腐敗微生物の殺菌など、食糧資源の長期貯蔵に用いられており、宇宙食、救護食品、および患者食の開発にも用いられている。また、医療用品を始めとする公衆保健製品の滅菌処理や、国間における農産物検疫および防疫処理時にも、化学的保存剤およびくん蒸剤に代替可能な最も効果的な技術として活用されている。再生医学分野では、同種および異種組織の病原性微生物を除去するために、国際標準技術の放射線処理を勧告しており、これから、放射線滅菌技術を活用して異種生体材料の免疫拒否反応の低減化および安全性の確保に関する研究開発が多く行われると予測される(キムゼキョンの他、大韓骨・軟骨組織移植学会誌13(2):49−57、2013)。
本発明において、前記ステップ(b)の幹細胞培養培地は、Defined Keratinocyte−SFMに、0.05〜1mMのL−ascorbic acid 2−phosphate、0.1〜100μg/mlのインスリン、0.2〜20mMのN−アセチル−L−システイン、0.01〜1mMの塩化カルシウム、5ng/ml〜1μg/ml のヒドロコルチゾン、および5%のFBSが含まれたKSFM−P培地とDMEM培地が1:1の比で混合された混合培地であることを特徴とする。さらに好ましくは、0.2mMのL−ascorbic acid 2−phosphate、5μg/ml のインスリン、2mMのN−アセチル−L−システイン、0.09mMの塩化カルシウム、および74ng/mlのヒドロコルチゾンを含むことができるが、これに限定されない。
本発明において、前記間葉系幹細胞は、脂肪組織由来であることが好ましいが、これに限定されない。
本発明では、25〜30kGyでガンマ線が照射されたFBSを含む培地にビタミンC1%を処理した後、幹細胞を付着および培養したところ、ガンマ線が照射されていない一般のFBSを用いて培養した陽性対照群と類似のレベルの増殖率および付着力を確認することができた。
以下、本発明を実施例に挙げて詳述する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に制限されないことは当業者において通常の知識を有する者にとって自明である。
実施例1:ヒト脂肪組織由来の間葉系幹細胞の分離
脂肪吸引(Liposuction)により腹部脂肪から得られたヒト脂肪組織を分離し、PBSで洗浄した。組織を細切した後、コラゲナーゼタイプ1(collagenase type1)(1mg/ml)を添加したDMEM培地を用いて、37℃で2時間組織を分解させた。コラゲナーゼ処理された組織をPBSで洗浄した後、1000rpmで5分間遠心分離して上清を除去し、ペレットをPBSで洗浄した後、1000rpmで5分間遠心分離した。100μmメッシュで濾過して浮遊物を除去した後、PBSで洗浄し、10%のFBS、2mMのNAC(N−acetyl−Lcysteine)、0.2mMのアスコルビン酸が添加されたDMEM培地で培養した。一晩経過後、付着されていない細胞をPBSで洗浄し、付着された細胞は、5%のFBS、2mMのNAC、0.2mMのアスコルビン酸、0.09mMのカルシウム、5ng/mlのrEGF、5μg/mlのインスリン、10ng/mlのbFGF、および74ng/mlのヒドロコルチゾンを含有するKeratinocyte−SFM培地を2日おきに交換しながら継代培養して、脂肪組織由来の間葉系幹細胞を分離した。
実施例2:ガンマ線照射FBSを用いた幹細胞の培養
ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)に25kGyのガンマ線を照射((株)SOYAGREENTEC)することで、ガンマ線滅菌されたFBSを準備した。
次に、実施例1で分離した3継代(passage 3)のヒト脂肪組織由来の幹細胞を解凍し、0.5x10細胞/T75フラスコの濃度でT75フラスコに接種し、接種された幹細胞を前記準備したガンマ線滅菌FBSが5%で含まれたAMSC+培養培地((株)RBio)で、37℃、COインキュベーターにて2日間培養した。2日培養後、培地を除去し、5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地(陰性対照群)、または5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンC(アスコルビン酸;L−Ascorbic Acid 2−phosphate)が添加された培地(ビタミンC後処理実験群)に交換した。ビタミンCは、培養培地に対して0.025、0.05、0.1、および1%の濃度で添加した。前記AMSC+培養培地((株)RBio)は、Defined Keratinocyte−SFM、0.2mMのL−ascorbic acid 2−phosphate、5μg/mlのインスリン、2mMのN−アセチル−L−システイン、0.09mMの塩化カルシウム、74ng/mlのヒドロコルチゾン、および5%のFBSが含まれたKSFM−P培地とDMEM培地が1:1の比で混合された混合培地である。
4日間培養した後、細胞増殖率および倍増時間を調査した。細胞生存率は、顕微鏡および血球計(Hemocytometer)で確認し、倍増時間は下記式により計算した。
[数学式1]
倍増時間 (Doubling Time)= デュレイション (duration) x log(2)/log(最終濃度)−log(初期濃度)
陽性対照群は、ガンマ線を照射していない5%のnormal FBSおよびAMSC+培養培地を用いて、前記陰性対照群および実験群と同様に培養した。
その結果、表1および図2に示されたように、ガンマ線滅菌FBSが含まれた培地(陰性対照群)で培養した幹細胞は、細胞数が減少し、倍増時間が増加したが、ガンマ線照射FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンC(アスコルビン酸;L−Ascorbic Acid 2−phosphate)が添加された培地(ビタミンC後処理実験群)で4日間培養した幹細胞の細胞数および倍増時間は、陽性対照群のレベルに向上した。
Figure 0006920369
また、それぞれの培地で、0、1、および4日目に幹細胞を顕微鏡で観察したところ、その結果も、ガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンC(アスコルビン酸;L−Ascorbic Acid 2−phosphate)が添加された培地(ビタミンC後処理実験群)で培養した幹細胞は、陽性対照群と類似のレベルを示した(図1)。
実施例3:抗酸化剤が含まれたガンマ線照射FBSを用いた幹細胞の培養
ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)に25kGyのガンマ線を照射してガンマ線滅菌FBSを準備し、FBSにビタミンC(アスコルビン酸;L−Ascorbic Acid 2−phosphate)を添加した後、25kGyのガンマ線を照射することで、ビタミンCが前処理されたガンマ線滅菌FBSを準備した。ビタミンCは、FBSに対して0.1%または1%の濃度で添加した。
次に、実施例1で分離した3継代(passage 3)のヒト脂肪組織由来の幹細胞を解凍し、0.5x10細胞/T75フラスコの濃度でT75フラスコに接種し、接種された幹細胞を前記準備したガンマ線照射FBSまたはビタミンCが前処理されたガンマ線滅菌FBSがそれぞれ5%で含まれたAMSC+培養培地((株)RBio)で、37℃、COインキュベーターにて2日間培養した。2日培養後、培地を除去し、5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地(陰性対照群)、5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンCが添加された培地(ビタミンC後処理実験群)またはビタミンCが前処理された5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地(ビタミンC前処理実験群)に交換した。ビタミンCは、培養培地またはFBSに対して0.1または1%の濃度で添加した。4日間培養した後、細胞増殖率および倍増時間を実施例2と同様の方法で調査した。陽性対照群も実施例2と同様に準備した。
その結果、表2および図4に示されたように、ガンマ線滅菌FBSが含まれた培地(陰性対照群)で培養した幹細胞は、細胞数が減少し、倍増時間が増加したが、ガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンCが添加された培地(ビタミンC後処理実験群)およびビタミンCが前処理されたガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地(ビタミンC前処理実験群)で4日間培養した幹細胞の細胞数および倍増時間は、陽性対照群のレベルに向上した。
Figure 0006920369
また、それぞれの培地で、4日目に幹細胞を顕微鏡で観察した結果、ガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンCが添加された培地(ビタミンC後処理実験群)およびビタミンCが前処理されたガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地(ビタミンC前処理実験群)で培養した幹細胞は、陽性対照群と類似のレベルを示した(図3)。
実施例4:25kGyのガンマ線照射FBSで培養した幹細胞の付着力
実施例3と同様に、ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)に25kGyのガンマ線を照射してガンマ線滅菌FBSを準備し、FBSにビタミンC(アスコルビン酸;L−Ascorbic Acid 2−phosphate)を添加した後、25kGyのガンマ線を照射することで、ビタミンCが前処理されたガンマ線滅菌FBSを準備した。ビタミンCは、FBSに対して1%の濃度で添加した。
次に、実施例1で分離した0継代(passage 0)のヒト脂肪組織由来の幹細胞を解凍し、1.7x10細胞/T25フラスコの濃度でT25フラスコに接種し、接種された幹細胞を前記準備したガンマ線照射FBSまたはビタミンCが前処理されたガンマ線滅菌FBSがそれぞれ5%で含まれたAMSC+培養培地((株)RBio)で、37℃、COインキュベーターにて2日間培養した。2日培養後、培地を除去し、5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地(陰性対照群)、5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンCが添加された培地(ビタミンC後処理実験群)またはビタミンCが前処理された5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地(ビタミンC前処理実験群)に交換した。ビタミンCは、培養培地またはFBSに対して1%の濃度で添加した。陽性対照群も実施例2および3と同様に準備した。
それぞれの対照群および実験群で、幹細胞の密度が90%となって継代培養可能な期間を調査した。
その結果、表3および図5に示されたように、ガンマ線を照射していない5%のnormal FBSおよびAMSC+培養培地の陽性対照群は、培養10日目に幹細胞の密度が90%となり、ガンマ線滅菌FBSが含まれた培地(陰性対照群)で培養した幹細胞は、培養8日目および培養13日目に、何れも付着された細胞が殆どなかった。しかし、ガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンCが添加された培地(ビタミンC後処理実験群)、およびビタミンCが前処理されたガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地(ビタミンC前処理実験群)で培養した幹細胞は、陽性対照群と類似に、それぞれ13日目および10日目に幹細胞の密度が90%となった。
Figure 0006920369
実施例5:30kGyのガンマ線照射FBSで培養した幹細胞の生存率
ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)に30kGyのガンマ線を照射してガンマ線滅菌FBSを準備し、FBSにビタミンC(アスコルビン酸;L−Ascorbic Acid 2−phosphate)を添加した後、30kGyのガンマ線を照射することで、ビタミンCが前処理されたガンマ線滅菌FBSを準備した。ビタミンCは、FBSに対して1%の濃度で添加した。
次に、実施例1で分離した3継代(passage 3)のヒト脂肪組織由来の幹細胞を解凍し、0.5x10細胞/T75フラスコの濃度でT75フラスコに接種し、接種された幹細胞を前記準備したガンマ線照射FBSまたはビタミンCが前処理されたガンマ線滅菌FBSがそれぞれ5%で含まれたAMSC+培養培地((株)RBio)で、37℃、COインキュベーターにて2日間培養した。2日培養後、培地を除去し、5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地(陰性対照群)、5%のガンマ滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンCが添加された培地(ビタミンC後処理実験群)、ビタミンCが前処理された5%のガンマ線照射FBSが含まれたAMSC+培養培地(ビタミンC前処理実験群)、またはビタミンCが前処理された5%のガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンCが添加された培地(ビタミンC前+後処理実験群)に交換した(表4)。ビタミンCは、培養培地またはFBSに対して0.1または1%の濃度で添加した。4日間培養した後(図6)、細胞増殖率、細胞数、生存率および倍増時間を調査した。陽性対照群も実施例2と同様に準備した。
Figure 0006920369
その結果、表5および図10に示されたように、ガンマ線滅菌FBSが含まれた培地(陰性対照群)で培養した幹細胞は、細胞数および細胞生存率が減少し、倍増時間が増加したが、ガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンCが添加された培地(ビタミンC後処理実験群)で4日間培養した幹細胞の細胞数、生存率および倍増時間は、陽性対照群のレベルに向上した。
Figure 0006920369
実施例6:30kGyのガンマ線照射FBSで培養した幹細胞の付着および増殖率
ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)に30kGyのガンマ線を照射してガンマ線滅菌FBSを準備し、前記ガンマ線滅菌FBSが5%で含まれたAMSC+培養培地((株)RBio)に1%ビタミンCが添加された培地(ビタミンC後処理実験群)を準備した。
次に、実施例1で分離した1継代(passage 1)のヒト脂肪組織由来の幹細胞を解凍し、1.7x10細胞/T25フラスコの濃度でT25フラスコに接種し、接種された幹細胞を前記準備したガンマ線照射FBSが5%で含まれたAMSC+培養培地((株)RBio)で、37℃、COインキュベーターにて2日間培養した。2日培養後、培地を除去し、5%の normal FBSが含まれたAMSC+培養培地(陽性対照群)、またはガンマ線滅菌FBSが含まれたAMSC+培養培地にビタミンCが添加された培地(ビタミンC後処理実験群)に交換した。ビタミンCは、培養培地に対して1%の濃度で添加した。
陽性対照群およびビタミンC後処理実験群の場合、2〜4継代(passage 2〜4) の幹細胞の付着力(図11a〜11c)、細胞数、細胞サイズ、および生存率を調査した(表6〜9)。図11中の幹細胞の付着力はLeica顕微鏡で調査し、表6〜9中の細胞数、細胞サイズ、および生存率はLunaTM Automated cell counter L10001(Logos biosystems)で調査した。
その結果、2〜4継代(passage 2〜4) の幹細胞の付着力、細胞数、細胞サイズ、および生存率は、陽性対照群と差がなかった。
Figure 0006920369
Figure 0006920369
Figure 0006920369
Figure 0006920369
実施例7:ガンマ線照射FBSおよびビタミンC後処理培地で培養された幹細胞の特性
実施例6の陽性対照群およびビタミンC後処理実験群で、4継代(passage 4)の幹細胞の純度および特性を調査した。
幹細胞の純度は、FACSを用いてCDマーカー発現を確認し(図12および表10)、幹細胞の特性は、脂肪細胞、骨細胞、および軟骨細胞への分化を確認した(図13〜15)。脂肪細胞への分化はsigma-aldrichプロトコルに従ってオイルレッドO染色により確認し、骨細胞への分化はlifeline cell techのプロトコルに従ってアリザリンレッドS(alizarin red S)染色で確認し、軟骨細胞への分化はTSP2 ELISAで確認した。
Figure 0006920369
その結果、30kGyのガンマ線照射および1%ビタミンC後処理実験群のCDマーカー発現は、陽性対照群と差がなく、実験群の脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞への分化特性も陽性対照群と差がなかった。
以上、本発明の内容の特定の部分を詳述したが、当業界における通常の知識を持った者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施態様に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されることはないという点は明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は特許請求の範囲とこれらの等価物により定義されると言える。

Claims (6)

  1. (a)ウシ胎仔血清(FBS;fetal bovine serum)にガンマ線を照射するステップと、
    (b)前記ガンマ線照射ウシ胎仔血清にビタミンC(ascorbic acid)を
    添加した後、幹細胞培養培地であるKSFM−P培地とDMEM培地の混合培地に添加するステップと、
    (c)前記培養培地を用いて間葉系幹細胞を培養するステップと、を含む、間葉系幹細胞の培養方法。
  2. 前記ビタミンCは、前記前記ガンマ線照射ウシ胎仔血清に対して0.025%〜1%の濃度で添加されることを特徴とする請求項に記載の間葉系幹細胞の培養方法。
  3. 前記ステップ(b)のウシ胎仔血清は、2〜10%の濃度で添加されることを特徴とする請求項1又は2に記載の間葉系幹細胞の培養方法。
  4. 前記KSFM−P培地 は、 L-アスコルビン酸2-リン酸 、インスリン、N−アセチル
    −L−システイン、塩化カルシウム、ヒドロコルチゾンおよびFBSを含むDefinedケラチノサイト−SFMであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の間葉系幹細胞の培養方法。
  5. 前記ガンマ線照射は、吸収線量が20〜35kGyであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の間葉系幹細胞の培養方法。
  6. 前記間葉系幹細胞は、脂肪組織由来であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の間葉系幹細胞の培養方法。
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