JP6919684B2 - エレベータ - Google Patents

エレベータ Download PDF

Info

Publication number
JP6919684B2
JP6919684B2 JP2019133260A JP2019133260A JP6919684B2 JP 6919684 B2 JP6919684 B2 JP 6919684B2 JP 2019133260 A JP2019133260 A JP 2019133260A JP 2019133260 A JP2019133260 A JP 2019133260A JP 6919684 B2 JP6919684 B2 JP 6919684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
car
ceiling
elevator
reflected
inclined surfaces
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019133260A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021017321A (ja
Inventor
裕之 大脇
裕之 大脇
元樹 金子
元樹 金子
維彪 鄭
維彪 鄭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitec Co Ltd
Original Assignee
Fujitec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitec Co Ltd filed Critical Fujitec Co Ltd
Priority to JP2019133260A priority Critical patent/JP6919684B2/ja
Publication of JP2021017321A publication Critical patent/JP2021017321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6919684B2 publication Critical patent/JP6919684B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)

Description

本発明は、エレベータに関し、特に、かご室内の騒音低減技術に関する。
建物に設置されるエレベータの多くは、かごの昇降路最上部よりも上に機械室が設けられ、かごを駆動する巻上機が当該機械室に設置されている。巻上機を構成する綱車には、主ロープが掛けられており、主ロープの一端側にはかごが、他端側には釣合おもりが連結されて、それぞれが主ロープによって吊り下げられている。
そして、原動機によって綱車を正転または逆転させることにより、鉛直方向に敷設された一対のかご用ガイドレールに案内されながら、かごが昇降する。かごの昇降運転を含むエレベータの運転全般は、機械室に設置された制御盤により統括的に制御される。
上記したかごは、方形状のかご枠を有する。かご枠は、上枠と下枠とを一対のたて枠で相互に連結した枠体であり、上枠部分に主ロープが取り付けられている。下枠には床受梁が固定され、かご室がこの床受梁上に支持されている。かご室は、人や物を乗せるための搬器であり、床受梁上に設置されたかご床と天井の間にある空間の周囲をかご戸及び袖壁並びに複数の側壁によって取り囲まれた構成となっている。
このような構成のエレベータにおいて、かごの昇降運転に伴う騒音により、かご室内の乗客が不快感を覚えることがある。騒音の原因は大別すると、かご室外にある音源(例えば、巻上機の原動機や綱車、制御盤)の駆動音が伝播し、かご室内に侵入する透過音と、かご室内で生じる共鳴音とに分けられる。とりわけ、共鳴音は、かご室内において透過音とかご室内面で反射した反射音が合成されて増幅した定在波であり、減衰しにくく、かご室内の騒音を悪化させる主たる要因となる。
これに対し、エレベータのかご室内における騒音対策技術が特許文献1に開示されている。特許文献1では、かご室を構成する側壁、天井、床のうち少なくとも1つを、内側の表面板と外側の裏面板とを有する中空構造の壁体とし、表面板の面重量を裏面板よりも小さくすることとしている。また、壁体の中空部分には、吸音材や音響反射体、あるいは、ヘルムホルツ型吸音器といった吸音構造部を設けるなどの対策も講じられている。これにより、かご室外部からの騒音を遮断しつつ、かご室内部の定在波騒音の大部分は吸音構造部へと導かれ、静粛なかご室が実現される旨が記載されている。
特開2002−193569号公報
しかしながら、上記した技術では、騒音対策を講じる壁体を、表面板と裏面板との間の中空部分に吸音構造部を設けた多層構造とする必要がある。そうすると、吸音構造部が内側の表面板で覆われるので、かご室内の意匠性を損なうことはないものの、かご室自体の構造は複雑になり、製作性に難がある。
なお、この課題は、上記した構成のエレベータに限らず、例えば、機械室を有しないマシンルームレスエレベータや、上下に2層のかご室を有するダブルデッキエレベータといった様々な構成のエレベータに共通するものである。
上記した課題に鑑み、本発明は、簡易な構造でありながら、意匠性を損なうことなく、かご室内の騒音を低減できるエレベータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るエレベータは、昇降路を上下方向に移動するかごを備えたエレベータであって、前記かごは、かご床と天井の間にある空間の周囲をかご戸及び袖壁並びに複数の側壁によって取り囲まれたかご室を有し、前記かご室の内面のうち前記かご床並びに前記かご戸及び前記袖壁を除く少なくとも1つの面が、当該面を前記空間側から投影する仮想投影面に対して平面状又は曲面状に傾斜した1又は複数の傾斜面で構成されていることを特徴とする。
また、前記少なくとも1つの面は前記天井であり、前記空間側に凸な断面V字形状となる一対の傾斜面を含み、当該一対の傾斜面同士の二面角が鈍角であることを特徴とする。
この場合に、前記一対の傾斜面各々の前記仮想投影面に対する傾斜角度は、前記かご床の方から向かってくる音が当該一対の傾斜面で反射したときの反射音の進路が、前記かご戸若しくは前記袖壁又は前記複数の側壁のいずれかに至る進路となる角度に設定されていることを特徴とする。
また、前記少なくとも1つの面は前記天井であり、第1の端縁部が当該第1の端縁部とは反対側の第2の端縁部よりも高い位置にある傾斜面を含む勾配天井になっており、前記傾斜面の前記仮想投影面に対する傾斜角度は、前記かご床の方から向かってくる音が当該傾斜面で反射したときの反射音の進路が、前記かご戸若しくは前記袖壁又は前記複数の側壁のいずれかに至る進路となる角度に設定されていることを特徴とする。
あるいは、前記少なくとも1つの面は前記複数の側壁のいずれかであり、前記空間側に凸な断面V字形状となる一対の傾斜面を含み、当該一対の傾斜面同士の二面角が鈍角であることを特徴とする。
この場合に、前記一対の傾斜面各々の前記仮想投影面に対する傾斜角度は、対面の方から向かってくる音が当該一対の傾斜面で反射したときの反射音の進路が、前記かご戸若しくは前記袖壁若しくは他の側壁若しくは前記天井又は前記かご床に至る進路となる角度に設定されていることを特徴とする。
また、前記少なくとも1つの面は前記複数の側壁のいずれかであり、第1の端縁部が当該第1の端縁部とは反対側の第2の端縁部よりも前記対面側に近い位置にある傾斜面を含む斜め壁になっており、前記傾斜面の前記仮想投影面に対する傾斜角度は、対面の方から向かってくる音が当該傾斜面で反射したときの反射音の進路が、前記かご戸若しくは前記袖壁若しくは他の側壁若しくは前記天井又は前記かご床に至る進路となる角度に設定されていることを特徴とする。
上記構成を有する本発明のエレベータによれば、かご室の内面のうちかご床並びにかご戸及び袖壁を除く少なくとも1つの面が、当該面を空間側から投影する仮想投影面に対して平面状又は曲面状に傾斜した1又は複数の傾斜面で構成されているため、かご室内における反射音の進行方向を変えることが可能となる。これにより、かご室内の共鳴周波数や反射音の反射率が変化し、その結果、かご室内の騒音が低減される。また、かご室内の内面の一部を傾斜面に変更するだけで足りるので、簡易な構造であり、意匠性を損なうこともない。
実施形態1に係るエレベータの概略構成を示す図である。 上記エレベータのかごを構成するかご室の概略図であり、(a)はA−A線断面図、(b)はB−B線断面図である。 上記かご室内の騒音低減対策を説明するための概略図である。 実施形態2に係るエレベータを構成するかご室内の騒音低減対策を説明するための概略図である。 変形例に係るかご室の概略図である。
以下、本発明に係るエレベータの実施形態について図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
実施形態1に係るエレベータ10は、図1に示すように、昇降路12最上部よりも上に機械室14を備えたトラクション式エレベータであって、機械室14に設置された巻上機16の綱車18に掛けられた主ロープ20の一端部にかご22が連結され、他端部に釣合おもり24が連結された構成を有している。
不図示の電動機からの回転動力が、不図示の動力伝達機構を介して、巻上機16の綱車18に伝達され、綱車18が回転駆動されると、綱車18に掛けられた主ロープ20に連結されているかご22が、不図示のガイドレールに案内されて、昇降路12を上下方向に移動する。
かご22は、方形状のかご枠26を有する。かご枠26は、上枠26Uと下枠26Lとを一対のたて枠26B(図面には、手前側のたて枠26Bのみが現れている。)で相互に連結した枠体であり、上枠26U部分に主ロープ20が取り付けられている。下枠26Lには床受梁28が固定され、人や物を乗せるための搬器であるかご室30が、この床受梁28上に支持されている。
かご室30の出入口には、かごドア装置32が設けられている。かごドア装置32は、たて枠26Bの各々に水平に固定された一対の支持部材34(図面には、手前側の支持部材34のみが現れている。)の一端部に取り付けられている。また、エレベータ10が設置されている建物の異なる階毎に設けられた乗り場36の各々には、乗り場ドア装置38が設けられている。かご22が目的階の乗り場36に着床すると、かごドア装置32が駆動され、後述するかご戸48L,48R(図2)と不図示の乗り場ドアの両方が開閉される。
機械室14には、また、制御盤40が設置されている。上記したかごドア装置32の駆動やかご22の昇降運転といったエレベータ10の運転全般は、この制御盤40によって統括的に制御される。
このような構成を有するエレベータ10では、上記背景技術で述べた「騒音」を低減するため、かご22を構成するかご室30の内面形状の設計に工夫を凝らした騒音低減対策を講じている。以下、騒音低減対策が講じられたかご室30の構成について、具体的に説明する。
図2に示すように、かご室30は、床受梁28上に設置されたかご床42と天井44との間にある空間Gの周囲を複数の側壁46によって取り囲まれた構成となっている。本例では、方形状をしたかご床42の周縁部分に沿って4つの側壁46が配されており、そのうちの1つに出入口が設けられている。
かご室30の出入口には、かごドア装置32(図1)により開閉されるかご戸48L,48Rが設けられている。かご室30内から見て出入口横の壁部分は袖壁50である。袖壁50は、かご戸48L,48Rの戸袋を形成し、その表面には不図示のかご操作盤が取り付けられている。
ここで、かご室30の内面を構成する4つの側壁46の面を区別する場合には、かご戸48L,48R及び袖壁50を含む面を正面46F、その反対側の対向面を背面46B、正面46Fに向かって左右にある面をそれぞれ左側面46L、右側面46Rということとする。
かご室30の天井44は、室内の空間G側から投影した仮想投影面VPに対して平面状に傾斜した2つの傾斜面44A,44Bで構成されている。天井44は、一対の傾斜面44A,44Bが空間G側に凸な断面V字形状をなし、両傾斜面44A,44B同士の二面角が鈍角になっている。
本実施形態では、天井44を構成する傾斜面44A,44B各々の仮想投影面VPに対する傾斜角度θを以下に示すような設計思想に基づいて設定している。以下、図3を参照しながら、この傾斜角度θを設定するための設計思想について、かご室30内における騒音低減効果のメカニズムと併せて詳細に説明する。
かご室内で生じる共鳴音が騒音の一因となっていることは上記背景技術で既述したが、この共鳴音は、かご室内に侵入する透過音がかご室の寸法に依存する固有の共鳴周波数と一致することで増幅する。一方、透過音は、かご室外の音源(例えば、巻上機の原動機や綱車、制御盤)の駆動音が伝播するものであるから、その周波数は、エレベータを設置する建物やエレベータの機種固有のものとなる。この点に着目し、傾斜角度θを適切に設定することで、かご室固有の共鳴周波数を変化させるのである。
以下の説明では、かご室30の高さ方向における共鳴を例示する。かご室30内に侵入した透過音の進路がかご床42側から天井44に向かう方向であるとする。この場合、図3(a)に示すように、天井44で反射した反射音の進路は、再び、かご床42へ向かう方向となる。本実施形態のように、天井44が傾斜面44A,44Bで構成されている場合、反射音がかご床42に到達する位置は、その反射前の進路(本例では、かご室30の中央)から間口方向(図3では、左右方向)へ距離xだけずれることとなる。
そして、図3(b)に示すように、反射音が側壁46(図3では、左側面46L)に到達する進路となると、反射音は主に間口方向となり、その結果、高さ方向における共鳴現象に変化が生じるものと考えられる。よって、本実施形態では、天井44で反射した反射音が側壁46に到達する傾斜角度θが、かご室30内の高さ方向の共鳴周波数を変化させるための最小角度とすることとしている。
ここで、かご室30の高さを「H」、かご室30内の幅(間口)を「W」とすると、かご室30の中央からの間口方向の距離xは、下記の数式1で表される。
Figure 0006919684
これを傾斜角度θについて解くと、数式2となる。
Figure 0006919684
すなわち、本実施形態では、天井44を構成する傾斜面44A,44B各々の仮想投影面VPに対する傾斜角度θが、数式2を満たす角度に設定されている。例えば、かご室30の高さHが2500mm、かご室30内の幅Wが2050mmであるとすると、これを数式2に代入すれば、θ>12.1°,77.9°となるため、傾斜角度θを約12°以上に設定すればよい。
なお、上記した説明では、かご室30内の高さ方向の共鳴周波数を変化させる場合を例示したが、かご室30内における共鳴は高さ方向に限らず、間口方向や奥行方向においても生じ得る。この場合、図示を省略するが、上記した天井44の構成と同様の構成を側壁46のいずれかに適用すればよい。
具体的には、騒音低減対策を講じる対象とする側壁46を、室内の空間G側から投影した仮想投影面に対して平面状に傾斜した2つの傾斜面で構成し、一対の傾斜面が空間G側に凸な断面V字形状をなし、両傾斜面同士の二面角を鈍角とする。そして、上記した間口方向の距離xを高さ方向の距離yとして、上記と同様の設計思想に基づいて、傾斜角度を設定すればよい。
なお、本実施形態では、側壁46のうち、かご室30の内面を構成する4つの側壁46のうち、かご戸48L,48R及び袖壁50を含む正面46Fについては、構造の複雑化を避けるため、上記した騒音低減対策の対象から除外する。また、かご床42についても水平な平坦面である方が好ましいため、同様に、上記した騒音低減対策の対象から除外するとする。つまり、本実施形態では、かご室30の内面のうち、正面46Fおよびかご床42以外の面で騒音低減対策を講じることとなる。
本実施形態のエレベータ10によれば、かご室30の天井44を上記のように構成することで、かご床42の方から向かってくる透過音が一対の傾斜面44A,44Bで反射したときの反射音の進路が、かご戸48L,48R若しくは袖壁50又は他の3つの側壁46いずれかに至る進路となる。これにより、かご室30内の高さ方向の共鳴周波数を変化させ、その結果、かご室30内の高さ方向における共鳴を低減することが可能となる。
同様に、かご戸48L,48R若しくは袖壁50を含む側壁46以外の他の3つの側壁46のうちの何れかを天井44と同様の構成とすることで、対面の方から向かってくる透過音が一対の傾斜面で反射したときの反射音の進路が、かご戸48L,48R若しくは前記袖壁50若しくは他の側壁46若しくは天井44又はかご床42に至る進路となる。これにより、かご室30内の間口方向又は奥行方向の共鳴周波数を変化させ、その結果、かご室30内の高さ方向における共鳴を低減することが可能となる。
また、かご室30内の内面の一部である天井44あるいは側壁46を傾斜面に変更するだけで足りるので、構造が至って簡易であり、意匠性を損なうこともない。
<実施形態2>
上記実施形態1では、天井44を構成する傾斜面44A,44B各々の仮想投影面VPに対する傾斜角度θや側壁46を天井44と同様の構成にした場合の傾斜角度を、かご室30内の特定方向における共鳴周波数を変化させる角度に設定した。これに対し、実施形態2では、かご室内における反射音の反射率(反射回数)を変化させて、かご室内の騒音レベルの低減目標値を達成するために必要な傾斜角度に設定することとしている。
実施形態2は、天井や側壁を構成する傾斜面の仮想投影面に対する傾斜角度についての設計思想が異なる以外は、基本的に実施形態1と同様である。よって、実施形態2において、実施形態1と実質的に同じ構成部分については、実施形態1と同じ符号を付して、その説明については必要に応じて言及するに止め、以下異なる部分を中心に説明する。
上記背景技術で既述したとおり、かご室内の騒音には、透過音と共鳴音があり、共鳴音は透過音とかご室内面で反射した反射音が合成されて増幅した定在波である。ここで、図4(a)に示すように、直方体形状をした通常のかご室60内に侵入し、下側から上側へ向かう透過音は、天井64で反射し、その後、かご床62と天井64との間で反射を繰り返す。
かご室60内における反射係数を「γ」、透過音の振幅を「P」とし、天井64とかご床62との間でn回の反射が生じた場合の騒音の振幅は、γ×Pで表される。かご室60内の騒音レベルSPL1は、かご室60内における透過音と反射音の総和であり、下記の数式3となる。なお、数式3における「P」は音圧の基準値であり、この基準音圧Pには、P=2×10−5[Pa]が用いられる(後述する数式4、5においても同様)。
Figure 0006919684
続いて、実施形態2のかご室70の場合について説明する。図4(b)に示すように、かご室70は、天井74を構成する一対の傾斜面74A,74B各々の仮想投影面VPに対する傾斜角度θが実施形態1とは異なる以外は、上記したかご室30と同様の構成である。
かご室70内に侵入した透過音が天井74で反射すると、反射音の進行方向が変化し、かご床42と天井74との間で何回か反射を繰り返した後に側壁46に到達する。その後は、反射音が主に間口方向へと変化する。すなわち、天井74が傾斜していることで、反射音の反射回数が変化し、その結果、かご室60とかご室70との間で、高さ方向における透過音と反射音の総和に差が生じることとなる。
ここで、かご室70内における高さ方向の反射回数をm回とすると、かご室70内の騒音レベルSPL2は、下記の数式4で表される。
Figure 0006919684
当然ながら、かご室70内における高さ方向の反射回数mは、通常のかご室60内の反射回数nよりも少ないので、n>m,SPL1>SPL2となり、騒音レベルが減少する。
次に、騒音レベルの低減目標値を達成するために必要な傾斜角度θについて説明する。本例では、騒音レベルの低減目標値を10dBに設定する場合を例示する。かご室70の騒音レベルを10dB低減するには、SPL1−SPL2=10となればよいので、数式3と数式4より、下記の数式5と示すことができる。
Figure 0006919684
この数式5をmについて解くと、数式6となる。
Figure 0006919684
一方、図4(b)に示すように、反射音がm回目に反射するときのかご室70中央からの距離x(図4(b)では、m=2の場合が示されている。)は、傾斜角度θが微小であるとして「tanθ≒θ」として近似すると、下記の数式7のように表される。なお、数式7において、「A」は、反射回数が奇数である場合と偶数である場合とを1つの数式で表すための媒介変数である。
Figure 0006919684
この数式7を傾斜角度θについて解くと、数式8になる。
Figure 0006919684
数式8において、かご室70の高さHが2500mm、かご室70内の幅Wが2050mmであるとすると、m≒6となり、θ=2.42,0.017となる。よって、実施形態2では、天井74の傾斜角度θを2.42°程度に設定すればよい。
このように、実施形態2で説明した設計思想に基づいて天井74の傾斜角度θを設定した構成のかご室70においても、騒音低減効果を得ることが可能となる。
なお、上記した天井74の設計思想が側壁46にも適用できることは実施形態1と同じであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
以上、本発明に係るエレベータを実施形態に基いて説明してきたが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態としても構わない。
<変形例>
(1)上記実施形態では、かご室内において騒音低減対策を講じる天井または側壁が2つの傾斜面で構成されていたが、単一の傾斜面で構成されていても構わない。例えば、図5(a)に示すかご室80のように、第1の端縁部84aが当該第1の端縁部84aとは反対側の第2の端縁部84bよりも高い位置にある傾斜面を含む片流れ型の勾配天井84であってもよい。この場合、天井84の仮想投影面VPに対する傾斜角度θは、実施形態1,2いずれの設計思想を適用することとしても構わない。また、側壁の場合は、第1の端縁部が当該第1の端縁部とは反対側の第2の端縁部よりも前記対面側に近い位置にある斜め壁となる。
あるいは、図示を省略するが、逆ピラミッド型の天井や側壁を採用することとしても構わない。要は、かご室の内面のうち、かご床並びにかご戸及び袖壁を含む側面を除く少なくとも1つの面が傾斜面で構成されていれば、上記実施形態の設計思想を適用し得る。
(2)上記実施形態では、かご室内において騒音低減対策を講じる天井または側壁が平坦な平面状の傾斜面で構成されていたが、傾斜面は湾曲した曲面状であっても構わない。例えば、図5(b)に示すかご室90のように、天井94が空間G側に凸な曲面状の天井であっても構わない。この場合、仮想投影面VPに対する傾斜角度は平坦面のように一様ではなくなるが、少なくとも反射音の進行方向を変えられるような曲率であれば、上記した実施形態と同様の効果を奏するものと考えられる。
また、図示を省略するが、変形例(1)のような片流れ型の勾配天井が曲面状に傾斜していても構わない。
(3)上記実施形態および変形例の各々は、上記した構成のエレベータ10に限らず、例えば、機械室を有しないマシンルームレスエレベータや、上下に2層のかご室を有するダブルデッキエレベータといった様々な構成のエレベータに対しても適用することが可能である。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
10 エレベータ
22 かご
30 かご室
42 かご床
44 天井
46 側壁
48L かご戸
48R かご戸
50 袖壁
VP 仮想投影面

Claims (7)

  1. 昇降路を上下方向に移動するかごを備えたエレベータであって、
    前記かごは、かご床と天井の間にある空間の周囲をかご戸及び袖壁並びに複数の側壁によって取り囲まれたかご室を有し、
    前記かご室の内面のうち前記かご床並びに前記かご戸及び前記袖壁を除く少なくとも1つの面が、当該面を前記空間側から投影する当該面に対向する対向面と平行な仮想投影面に対して前記空間側へ平面状又は曲面状に傾斜した1又は複数の傾斜面で構成されていることを特徴とするエレベータ。
  2. 前記少なくとも1つの面は前記天井であり、前記空間側に凸な断面V字形状となる一対の傾斜面を含み、当該一対の傾斜面同士の二面角が鈍角であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  3. 前記一対の傾斜面各々の前記仮想投影面に対する傾斜角度は、前記かご床の方から向かってくる音が当該一対の傾斜面で反射したときの反射音の進路が、前記かご戸若しくは前記袖壁又は前記複数の側壁のいずれかに至る進路となる角度に設定されていることを特徴とする請求項2に記載のエレベータ。
  4. 前記少なくとも1つの面は前記天井であり、第1の端縁部が当該第1の端縁部とは反対側の第2の端縁部よりも高い位置にある傾斜面を含む勾配天井になっており、
    前記傾斜面の前記仮想投影面に対する傾斜角度は、前記かご床の方から向かってくる音が当該傾斜面で反射したときの反射音の進路が、前記かご戸若しくは前記袖壁又は前記複数の側壁のいずれかに至る進路となる角度に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  5. 前記少なくとも1つの面は前記複数の側壁のいずれかであり、前記空間側に凸な断面V字形状となる一対の傾斜面を含み、当該一対の傾斜面同士の二面角が鈍角であることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  6. 前記一対の傾斜面各々の前記仮想投影面に対する傾斜角度は、対面の方から向かってくる音が当該一対の傾斜面で反射したときの反射音の進路が、前記かご戸若しくは前記袖壁若しくは他の側壁若しくは前記天井又は前記かご床に至る進路となる角度に設定されていることを特徴とする請求項5に記載のエレベータ。
  7. 前記少なくとも1つの面は前記複数の側壁のいずれかであり、第1の端縁部が当該第1の端縁部とは反対側の第2の端縁部よりも対面側に近い位置にある傾斜面を含む斜め壁になっており、
    前記傾斜面の前記仮想投影面に対する傾斜角度は、対面の方から向かってくる音が当該傾斜面で反射したときの反射音の進路が、前記かご戸若しくは前記袖壁若しくは他の側壁若しくは前記天井又は前記かご床に至る進路となる角度に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
JP2019133260A 2019-07-19 2019-07-19 エレベータ Active JP6919684B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019133260A JP6919684B2 (ja) 2019-07-19 2019-07-19 エレベータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019133260A JP6919684B2 (ja) 2019-07-19 2019-07-19 エレベータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021017321A JP2021017321A (ja) 2021-02-15
JP6919684B2 true JP6919684B2 (ja) 2021-08-18

Family

ID=74565864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019133260A Active JP6919684B2 (ja) 2019-07-19 2019-07-19 エレベータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6919684B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5837235B2 (ja) * 1976-02-10 1983-08-15 株式会社東芝 エレベ−タ
JPH11343083A (ja) * 1998-03-30 1999-12-14 Toray Ind Inc エレベ―タ―用かご
JP5773720B2 (ja) * 2011-04-14 2015-09-02 三菱電機株式会社 エレベータのかご室

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021017321A (ja) 2021-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100726910B1 (ko) 머신룸이 없는 엘리베이터
JP2734943B2 (ja) エレベーター装置
KR101994433B1 (ko) 직각 관통형 엘리베이터
EP1767485B1 (en) Elevator
JP6919684B2 (ja) エレベータ
JP4849712B2 (ja) エレベータ
FI93439C (fi) Hissikorikokoonpano
JP2001294384A (ja) エレベーターかご室
RU2493092C2 (ru) Система подъемников в здании, имеющем, по меньшей мере, один пересадочный этаж
JP2001072352A (ja) エレベータ昇降路内に配置された駆動ユニットを有するエレベータ装置
JP2008520514A (ja) エレベータのローピング構造
KR102034750B1 (ko) 직각 관통형 기계실 없는 엘리베이터
JP4964504B2 (ja) 乗客コンベア
US8839911B2 (en) Elevator machine frame with noise reducing configuration
CN110023222B (zh) 电梯装置
KR102116356B1 (ko) 직각 관통형 엘리베이터
KR102116355B1 (ko) 직각 관통형 엘리베이터
JP2011162325A (ja) エレベータのかご
KR100911079B1 (ko) 엘리베이터 장치
JP2007308257A (ja) エレベータ装置
WO2023119548A1 (ja) エレベーター
JP6997967B2 (ja) エレベータのドア装置
JP7439992B2 (ja) エレベーター
JP4425689B2 (ja) 免震建物用エレベーター装置
WO2023119547A1 (ja) エレベーター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200923

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6919684

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150