JP6917635B2 - 濾過処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、工場から排出されるエマルジョン廃液の濾過、医薬品や医療用水製造時のウイルスや内毒素の濾過、蛋白質や酵素など熱に弱い物質の濾過等を行って、処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置に関する。詳しくは、チューブラ式濾過膜を用いてクロスフロー方式で濾過対象液を濾過して処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置に関する。
この種の濾過処理装置として、例えば、特許文献1に記載のものがあった。この濾過処理装置は、濾過対象液(原水)をチューブラ式膜モジュール内に圧送することにより濾過対象液を濾過して処理済み液(膜透過水)と濃縮液とに分離している。具体的な構成を図29に基づいて説明する。
先ず、図29(a)を参照して、圧力容器216の左右両端に原水の導入排出口210、212が設けられている。圧力容器216の内部は、仕切り部材222、224で3つの領域に分けられている。中央の領域にはチューブラ式膜218が複数本並列状態に設けられている。左右の領域は、複数本のチューブラ式膜218内を通過してきた濃縮液を合流させる合流室230に構成されている。導入排出口210、212の一方から導入された原水が合流室230に入った後各々のチューブラ式膜218に供給され、各チューブラ式膜218を通過してきた濃縮液が合流室230に受け入れられて合流した後、導入排出口210、212の他方から排出される。
複数本のチューブラ式膜218各々の端部に圧送された濾過対象液が他方の端部まで移動する間に、膜を通過した膜透過水(処理済み液)と膜を通過しなかった濃縮液とに分離される。膜透過水(処理済み液)は排出口214から排出される。
このような濾過処理によって複数本のチューブラ式膜218の膜内面に濾過対象液の汚濁物質等が付着する。この付着物を洗浄する方法として、特許文献1の濾過処理装置では、複数本のチューブラ式膜218内に1つずつ洗浄用のスポンジボール220からなる拭浄体を入れておき、チューブラ式膜218内に導入する原水の流入方向を切り換えて、各スポンジボール220をそれぞれのチューブラ式膜218内で往復させることにより、膜内をスポンジボールで拭って洗浄している。
この特許文献1に記載の濾過処理装置では、各チューブラ式膜218の両端に洗浄材抜け止め機構222が設けられており(図29(b)参照)、チューブラ式膜218内を移動してきたスポンジボール220が受止められてチューブラ式膜218端部から抜け落ちるのを防止している。この洗浄材抜け止め機構222はスポンジボール220を受止めた状態でも濾過対象液は通過できるように構成されている。
特開平6−304455号公報
この特許文献1に記載の濾過処理装置では、チューブラ式膜モジュール内を往復することによって拭浄体としてのスポンジボール自体に汚濁物質等が付着し、洗浄機能が低下する欠点があった。
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、拭浄体自体の汚れに伴い洗浄機能が低下するという問題を解消できる濾過処理装置を提供することである。
以下には、課題を解決するための手段に対応する実施形態の具体的内容を括弧書き挿入して示す。
本発明は、チューブラ式濾過膜(例えば、UF膜チューブ15)を用いてクロスフロー方式で濾過対象液を濾過して処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置であって、
前記チューブラ式濾過膜が内蔵され、該チューブラ式濾過膜内に濾過対象液を流して濾過するための濾過処理部(例えば、チューブラ式膜分離装置10)と、
濾過処理によって前記チューブラ式濾過膜内面に付着した付着物を洗浄する洗浄手段(例えば、膜洗浄槽8、装置制御盤23、三方弁36,37,38、受止め機構18、スポンジボール17)と、を備え、
前記洗浄手段は、前記チューブラ式濾過膜内面に接触している拭浄体(例えば、スポンジボール17)を移動させて該チューブラ式濾過膜内面に付着した付着物を拭い取り、
前記チューブラ式濾過膜内を移動して前記濾過処理部から出てきた前記拭浄体を交換にするための交換機構(例えば、受止め機構18および着脱キャップ20)をさらに備えている。
また、前記濾過処理部は、第1か所と第2か所とに形成された濾過対象液の出入り口(例えば、図2の液出入り118)を有し、一方の前記出入り口から進入した濾過対象液が他方の前記出入り口に到達するまでの移動経路(例えば、移動経路125)が1本となるように構成されており(例えば、図2)、
前記拭浄体は、液体のクロスフローにより移動して該チューブラ式濾過膜内面に付着した付着物を拭い取り、
前記交換機構は、前記チューブラ式濾過膜内を移動して前記出入り口から出てきた前記拭浄体を受止めると共に、濃縮液の通過は許容する拭浄体受止め機構(例えば、受止め機構1)を有し、
前記拭浄体受止め機構は、受止めた前記拭浄体を取出して交換可能にするための取出し機構(例えば、着脱キャップ20)を有してもよい。
また、前記移動経路(例えば、移動経路125)が前記濾過処理部の全長よりも長くなるように、当該移動経路を前記濾過処理部内で屈曲させてもよい(例えば、図2)。
また、前記洗浄手段は、前記チューブラ式濾過膜に沿って洗浄用液体を流すための洗浄用液体クロスフロー手段(例えば、膜洗浄槽8、図24(a)の洗浄工程切換え処理、図24(b)の工程流路切換え処理)を含んでもよい。
また、前記処理済み液を回収して貯留するための処理済み液貯留槽(例えば、膜洗浄槽8)をさらに備え、
前記洗浄用液体クロスフロー手段は、前記処理済み液貯留槽に貯留されている処理済み液を前記洗浄用液体として使用するための処理済み液使用手段(例えば、S79、モータバルブMV6)を有してもよい。
また、前記濾過処理部により濾過対象液を濾過する濾過工程(例えば、図1と図10)から前記洗浄用液体を流して洗浄する洗浄工程(例えば、図12と図13)に切り換えるための工程切換え手段(例えば、図22(b)の工程切換え処理、図23(b)の工程切換え処理)と、
前記濾過工程から前記洗浄工程に切り換わるときに、残存している濾過対象液を前記洗浄用液体で押し流すための押し流し手段(例えば、図23(c)の水押し工程流路制御処理)と、をさらに備えてもよい。
また、前記濾過処理部により濾過対象液を濾過する濾過工程と前記洗浄手段による洗浄工程との実行時間を調整するための時間調整手段(例えば、S182、S231)をさらに備えてもよい。
また、前記濾過対象液を貯留すると共に該濾過対象液が前記濾過処理部に供給されて濾過された後の濃縮液を受入れて貯留するための濃縮循環槽(例えば、濃縮循環槽2)と、
前記濃縮循環槽から前記濾過処理部を経由して前記濃縮循環槽に戻る濾過対象液の循環に伴って前記濾過処理部による濾過が進行することにより、前記濃縮循環槽内の濾過対象液が濃縮されて所定の貯留量(例えば、L1レベル)まで減少したことに応じて、原液を前記濃縮循環槽内に注ぎ足すための原液注ぎ足し手段(例えば、原水槽1、原液送水ポンプ27、pH調整槽5、pH調整水ポンプ30、S162、S164、S30、S31〜S34)と、
前記原液注ぎ足し手段による注ぎ足し回数が所定回数(例えば、S61により予め入力設定された濃縮回数NK)に達したことに応じて(例えば、S163によりYES)、前記濃縮循環槽内に貯留されている濃縮液を取り出すための濃縮液取り出し手段(例えば、S167、S251〜S254)と、をさらに備えてもよい。
また、前記濾過対象液の種類に応じて分類された各濾過環境毎(例えば、図26の濾過環境A、B・・・)に適応した知識を獲得する機械学習を行うための機械学習手段(例えば、人工知能サーバ55)をさらに備え、
前記機械学習手段は、前記濾過処理部での濾過による濾過対象液の濾過効率を特定可能なデータを前記濾過環境に対する状態(例えば、図26の状態データs)として入力する
と共に、前記濾過効率に影響する制御を前記濾過環境に対する行為(例えば、図26の行為データa)として出力し、前記入力と出力とを繰り返すことにより前記濾過効率を向上
させるための強化学習を行う強化学習手段(例えば、図26(b)の強化学習処理)を含んでもよい。
本発明によれば、1つの濾過処理部内に設けられた一本のチューブラ式濾過膜内を通過する拭浄体を当該濾過処理部の外で交換可能となり、拭浄体自体の汚れに伴い洗浄機能が低下するという問題を解消できる。
図1は濃縮工程1の状態での濾過処理装置の全体構成図である。
図2はチューブラ式膜分離装置の概略図である。
図3はチューブラ式膜分離装置の要部分解斜視図である。
図4はチューブラ式膜分離装置の端部付近の内部構造を示す図である。
図5はチューブラ式膜分離装置のシール機能を説明するための要部断面図である。
図6の(a)は入排出側のエンドキャップの断面図であり、(b)はリターン側のエンドキャップの断面図である。
図7の(a)はハウジング内での複数本のパイプの保持状態を示す横断面図であり、(b)はハウジングを取り除いた状態での複数本のパイプの保持状態を示す図である。
図8はUF膜チューブによる濾過の原理およびスポンジボールによるUF膜チューブ内面の洗浄作用を示す図である。
図9はスポンジボールをストレーナで保持する受止め機構を示す図である。
図10は濃縮工程2の状態での濾過処理装置の構成図である。
図11は水押し工程の状態での濾過処理装置の構成図である。
図12は洗浄工程1の状態での濾過処理装置の構成図である。
図13は洗浄工程2の状態での濾過処理装置の構成図である。
図14はpH調整制御盤および装置制御盤の制御回路を示すブロック図である。
図15の(a)はpH調整制御処理のメインルーチンを示すフローチャートであり、(b)は各槽異常チェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
図16の(a)は各槽間液移動処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、(b)はpH調整処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
図17の(a)は装置制御処理のメインルーチンを示すフローチャートであり、(b)は運転設定値入力処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
図18の(a)は運転設定値入力処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートであり、(b)は異常設定値入力処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
図19は異常チェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
図20は異常チェック処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートである。
図21の(a)は流路切換え処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートであり、(b)は原液補給工程処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートである。
図22の(a)は濃縮工程処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートであり、(b)は工程切換え処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートであり、(c)は濃縮工程流路制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
図23の(a)は水押し工程処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートであり、(b)は工程切換え処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートであり、(c)は水押し工程流路制御処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートである。
図24の(a)は洗浄工程処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートであり、(b)は工程切換え処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートであり、(c)は洗浄工程流路制御処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートである。
図25の(a)は濃縮液排出工程処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートであり、(b)はモニター表示処理のサブルーチンプログラムの続きを示すフローチャートである。
図26は人工知能を応用した実施形態における全体システムを示す図である。
図27の(a)は人工知能サーバの制御回路を示すブロック図であり、(b)はエージェントによる強化学習の原理を説明する図であり、(c)は人工知能サーバによる制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
図28の(a)は濾過環境分類処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、(b)は強化学習処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
図29は従来例を示し、(a)はチューブラ式膜モジュールの縦断面図であり、(b)は洗浄材抜け止め機構を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。本実施の形態において示す濾過処理装置は、例えば、各種工場から排出されるエマルジョン廃液の濾過、医薬品や医療用水製造時のウイルスや内毒素の濾過、蛋白質や酵素など熱に弱い物質の濾過等を行って、処理済み液と濃縮液とに分離する際に用いられるものである。例えば、洗浄廃水、切削廃水、研磨廃水、コンプレッサードレン廃水、洗車廃水、高周波クーラント廃液、ダイカスト廃水、圧延クーラント廃水、食品工場からの排水等が、主な用途である。より詳しくは、例えばUF膜チューブを用いたチューブラ式膜分離により濾過対象液を濾過して処理水と濃縮液とに分離する際に用いられるものである。なお、本発明における濾過処理装置は、単体の装置ばかりでなく、例えば図26に示すように、ネットワークを介して複数の装置やコンピュータが連携したシステムをも包含する広い概念である。
図1を参照して、濾過装置の全体構成を説明する。この濾過装置には、工場廃液等の原液を貯留する原水槽1、原液のペーハー(以下単に「pH」という)を調整するためのpH調整槽5、濾過されて濃縮された濃縮液を貯留する濃縮循環槽2、チューブラ式膜分離装置10のUF膜チューブ15に付着した付着物を洗浄する洗浄水を貯留している膜洗浄槽8、チューブラ式膜分離装置10により濾過された処理水を受け入れて中継する処理水中継槽11、濃縮循環槽2に貯留されている濃縮液を受け入れて中継する濃縮液中継槽(廃液中継槽ともいう)3、濃縮液中継槽3に貯留されている濃縮液を受け入れて貯留する濃縮貯水槽4が設けられている。図1中エマルジョン分離装置を二点鎖線で囲んで示している。
まず、工場廃液等の原液が原水槽1に供給される。原水槽1には、レベルセンサLS4が設けられており、原水槽1内に貯留されている原液の貯留量が検出される。レベルセンサLS4により原水槽1が満杯になったことが検出されれば原液の供給が停止される。
原液送水ポンプ27を作動させることにより、原水槽1内に貯留されている原液が配管80を通ってpH調整槽5へ供給される。pH調整槽5には、レベルセンサLS6が設けられており、pH調整槽5内の原液の貯留量が検出される。pH調整槽5が原液で満杯となればポンプ27の作動が停止される。また、pH調整槽5には、pHセンサ24が設けられている。このpHセンサ24により、pH調整槽5内に貯留されている原液のpHが検出される。pHセンサ24により原液がアルカリ性であると検出された場合には酸注入ポンプ29が作動して薬注タンク7内の酸がpH調整槽5に注入される。逆に、pHセンサ24により原液が酸性であると検出された場合にはアルカリ注入ポンプ28が作動して薬注タンク6内のアルカリがPH調整槽5に注入される。これにより、pH調整槽5内で原液を中和させて中性の状態に調整する。
UF膜チューブ15の材質はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)が用いられているため、pH2〜pH12の範囲の原液を濾過できる。pH2未満の酸性原液の場合には金属製の配管が腐食して原液が漏れ出す不都合が生じる。pH12を超えるアルカリ原液の場合にはUF膜チューブ15が劣化する不都合が生じる。pH調整槽5内で原液を中和させることにより、上記のような不都合を防止している。また、UF膜チューブ15の材質がPVDF(ポリフッ化ビニリデン)であるため、上限60°Cまでの原液を濾過可能であり、原液に対する耐熱性が高いという利点がある。なお、PH調整槽5には、撹拌プロペラ50が設けられており、この撹拌プロペラ50を撹拌モータ35により回転させることにより、pH調整槽5内の原液を撹拌させて、満遍なく中和させる。
pH調整槽5と濃縮循環槽2とを接続している配管81にはpH調整水ポンプ30が設けられている。このpH調整水ポンプ30を駆動させることにより、pH調整槽5内で中和された原液が配管81を経て濃縮循環槽2へ供給される。濃縮循環槽2には、レベルセンサLS1が設けられており、濃縮循環槽2内の原液の貯留量が検出される。濃縮循環槽2内の原液が運転開始レベルとなればpH調整水ポンプ30の作動が停止されると共に、循環ポンプ33を作動させて濃縮循環槽2内の原液(濃縮液)がチューブラ式膜分離装置10に供給される。このとき、図1では、モータバルブMV3により流路が切換えられる三方弁36がB→Cの流路となっている。その結果、濃縮循環槽2内の原液(濃縮液)が配管82、モータバルブMV1、循環ポンプ33、配管83を経由して三方弁36のところでB→Cの方向に流れ、配管84を介して複数(図では6個)のチューブラ式膜分離装置10へ供給される。
このチューブラ式膜分離装置10により原液(濃縮液)が濾過されて処理水と濃縮液とに分離される。処理水は処理水取出管21から取り出されてモータバルブMV5と配管91とを経由して処理水中継槽11に供給される。処理水中継槽11内に貯留された処理水は処理水送出しポンプ34を作動させることにより活性炭12、13で浄化された後外部に排出される。なお、活性炭での浄化に代えてまたはそれに加えて、イオン交換を用いて処理水(電解質溶液)に含まれるイオンを除去してもよい。イオン交換とは、ある種の物質が示す、接触している電解質溶液に含まれるイオン(例えばアンモニアイオンNH+)を取り込み、代わりに自らの持つ別種のイオンを放出することで、イオン種の入れ換えを行うことである。イオン交換作用を示す物質をイオン交換体という。このイオン交換体として、例えばイオン交換樹脂を用いる。
なお、チューブラ式膜分離装置10により原液(濃縮液)が濾過された処理水を、処理水中継槽11に供給するのに代えて膜洗浄槽8へ供給するように制御してもよい。具体的には、モータバルブMV5を閉制御するとともにモータバルブMV6を開制御することにより、配管90を経由して処理水を膜洗浄槽8へ供給する。このようにすれば、水道水や工業用水や農業用水等の清水を得にくい場所(例えば砂漠地帯)でも処理水を膜洗浄槽8に貯めて洗浄水として利用することができる利点がある。
一方、チューブラ式膜分離装置10により濾過されて濃縮された濃縮液は、三方弁38を経由して濃縮循環槽2に還元される。具体的には、図1では、モータバルブMV4により切換えられる三方弁37の流路がC→Aとなっている。また、モータバルブMV9により切換えられる三方弁38がC→Bの流路となっている。その結果、チューブラ式膜分離装置10により濾過されて濃縮された濃縮液が三方弁37、配管87、三方弁38、配管89を経由してかつ流量調整バルブ48を経由して濃縮循環槽2へ還元される。
この流量調整バルブ48を調整した状態で循環ポンプ33を作動させることにより、適度な圧力を保った状態で原液(濃縮液)をチューブラ式膜分離装置10内に圧送することができ、適度な圧力によりUF膜チューブ15への濾過が可能となる。その適度な圧力を保つために、圧力センサPS1、PS2が設けられている。チューブラ式膜分離装置10の上手側に設けられた圧力センサPS1と、チューブラ式膜分離装置10の下手側に設けられた圧力センサPS2との各検出値に基づいて流量調整バルブ48を調整することにより、UF膜チューブ15に適度な圧力をかけて濾過する。なお、図1および図10に示す濾過工程の場合にはモータバルブMV2は閉じられている。
この濾過装置は、pH調整制御盤22と装置制御盤23とにより制御される。pH調整制御盤22の制御テリトリーは図1の2点鎖線で示した範囲であり、主にpH調整を行う。一方、装置制御盤23の制御テリトリーは図1の2点鎖線で示した範囲であり、主にチューブラ式膜分離装置10による濾過およびチューブラ式膜分離装置の洗浄等の制御を行う。pH調整制御盤22と装置制御盤23とは互いに交信可能に構成されており、装置制御盤23からpH調整制御盤22に対して原液供給信号が送信され、pH調整制御盤22から装置制御盤23に対して一括異常信号および原水供給信号が送信される。また、装置制御盤23から、原水供給信号、一括異常信号、運転信号、異常信号が出力される。
図1中、FL1、FL2、FL3は流量計、26は温度センサ、25は光電センサ、40、41、42、43、44は逆止弁である。
配管97と濃縮循環槽2とを結ぶ配管にモータバルブMV8が設けられている。このモータバルブMV8はチューブラ式膜分離装置10内のUF膜チューブ15が負圧になることを防止するものである。詳しくは後述する。
チューブラ式膜分離装置10の両端にはスポンジボール17を保持する受止め機構18が設けられている。スポンジボール17は、球形のスポンジで構成されており、UF膜チューブ15内面に付着した不純物を拭って除去するものである。スポンジボール17はウレタン材質を発泡させてものである。ゴム材質に比べてウレタン材質の場合、油に対する耐性が高く且つ膨張を抑えることができる利点がある。
次に、図2〜図7に基づいてチューブラ式膜分離装置10を詳細に説明する。先ず図2を参照してチューブラ式膜分離装置10の概略を説明する。チューブラ式膜分離装置10は、ハウジング14内にUF膜チューブ15が複数本(例えば18本)設けられている。そのハウジング14の左右両端にはエンドキャップ101が設けられている。図2中の一点鎖線はUF膜チューブ15内を流動する濾過対象液(原液)の移動経路125を示している。UF膜チューブ15はパイプ106内に挿入されている(図3参照)。左右のエンドキャップ101は、或るUF膜チューブ15から受け入れた濾過対象液の流れをUターンさせて他のUF膜チューブ15に流し込むリターン経路117が形成されている。これについては図6に基づいて後述する。さらに図2中向かって左側のエンドキャップ101には、液出入り口118が2か所に形成されている。
原液は、受止め機構18とバルブ10とを経由して一方の液出入り口118に供給されてエンドキャップ101内の入出経路110aを通ってUF膜チューブ15内に送り込まれる。送り込まれた原液はそのUF膜チューブ15内を通って他方のエンドキャップ101に到達し、そこでリターン経路117を通ってUターンして次のUF膜チューブ15内に送り込まれる。そのUF膜チューブ15内を通ってもう一方のエンドキャップ101に到達した原液は、そこで再度リターン経路117を通ってUターンして次のUF膜チューブ15内に送り込まれる。このUターンを繰り返して全てのUF膜チューブ15を通過した濃縮液が入出経路110aを通って他方の液出入り口118から排出される。チューブラ式膜分離装置10内でのこのような原液の移動経路125を図2の一点鎖線で示している。この屈曲して複数回ハウジング14内を往復する移動経路125に沿って原液が移動することによりUF膜チューブ15によって濾過され、処理水と濃縮液とに分離される。処理水はハウジング14に設けられた処理水取出管21から排出されて処理水中継槽11に送られる。濃縮液は液出入り口118から排出されて濃縮循環槽2へ還元される。
図2に示すように、チューブラ式膜分離装置10内で移動経路125を屈曲させているため、原液がUF膜チューブ15により濾過される経路をチューブラ式膜分離装置10の全長(一方のエンドキャップ101の外端面から他方のエンドキャップ101の外端面までの長さ)よりも長くすることができる。その結果、効率の良い濾過を行うことができる利点がある。なお、移動経路125を長くする手段としては、図2に示した移動経路125の往復に限定されるものではなく、例えば、コイル状に屈曲した移動経路またはサイン曲線状に屈曲した移動経路等、どのような形のものであってもよい。
次に、主に図3を参照してチューブラ式膜分離装置10の内部構造を説明する。図3では、ハウジング14の一方端に設けられたエンドキャップ101を取外してハウジング14内の各種部品を外部に引き出した状態が示されている。ハウジング14内にはパイプ保持版105と円盤状の金属プレート103とが収納されている。金属プレート103のパイプ保持版105側の面にはシール用のゴムプレート104が貼着されている。前述したように、ハウジング14内には複数本のUF膜チューブ15が設けられているが、そのUF膜チューブ15の各々は金属製のパイプ106に挿入されている。UF膜チューブ15は、帯状の不織布を螺旋状に巻いて熱溶着してチューブ状に形成し、そのチューブ内面にUF膜をコーティングしている。
このUF膜チューブ15が挿入されている各パイプ106の端部を保持するものがパイプ保持版105である。このパイプ保持版105に複数のパイプ挿入孔が形成されており、その挿入孔に各パイプ106の端部が挿入される。その挿入状態の各パイプ106がパイプ保持版105に溶接されて固定されている。これにより、複数本(18本)のパイプ106がパイプ保持版105によって保持される。
ゴムプレート104および金属プレート103にはパイプ106の数だけの差込み孔109が形成されており、金属プレート103側から差込み継手108を各差込み孔109に挿入できるように構成されている。この差込み継手108は、ゴム等のシール機能のある材質でキノコの形状に構成されており、断面ノコギリ状の挿入部108aと傘部108bとを有している。各パイプ106を差込み孔109に位置合わせした状態で反対側(金属プレート103側)から差込み継手108の挿入部108aを挿入することにより、ノコギリ状の挿入部108aがパイプ106内のUF膜チューブ15内に挿入された状態となる。その状態で傘部108bが金属プレート103に当接した状態となる(図4、図5参照)。なお、挿入部108aをUF膜チューブ15内に挿入する際に、UF膜チューブ15をパイプ106から少し引き出した状態で挿入すれば、挿入しやすくなる。このUF膜チューブ15内に挿入されたノコギリ状の挿入部108aによってUF膜チューブ15の抜け止め効果が奏される。つまり、差込み継手108の挿入部108aとパイプ106端部とにより、UF膜チューブ15の端部を挟持して保持することができる。この挿入部108aはパイプ106の両端部に挿入されており(図5参照)、パイプ106の両端部でUF膜チューブ15の各端部を保持している。その結果、パイプ106端部付近のUF膜チューブ15がパイプ106中央側に位置ずれすることが防止でき、位置ずれした箇所から濃縮液(原液)がパイプ106の小孔120を通って外部に漏れ出す不都合を防止できる。この差込み継手108の挿入部108aにより、UF膜チューブ15の端部をパイプ106端部に固定保持する固定保持部材(固定保持手段)が構成されている。また、パイプ保持版105の外周にはOリング用の溝119が形成されており、この溝119にシール用のOリング111が嵌め込まれている。
各パイプ106には、長手方向に沿って一列または数列の小孔120が多数穿設されている。この小孔120を通って処理水がハウジング14内に排出される。ハウジング14内に排出され処理水は処理水取出管21(図2参照)からチューブラ式膜分離装置10の外に排出される。
パイプ保持版105には位置決め突起112a、112bが形成されている。金属プレート103及びゴムプレート104には位置決め挿通孔113a、113bが形成されている。さらに、エンドキャップ101には位置決め孔114a、114bが形成されている。突起112a、112bを位置決め挿通孔113a、113bに挿通させた状態で位置決め孔114a、114bに挿入することにより、パイプ保持版105とゴムプレート104付きの金属プレート103とエンドキャップ101とが、互いに位置決めされる。
さらに、パイプ保持版105の中心にスタッドボルト107が設けられている。このスタッドボルト107を挿通するための挿通孔115がエンドキャップ101に形成されている。また、スタッドボルト107を挿通するための挿通孔150がゴムプレート104及び金属プレート103にも形成されている。スタッドボルト107を両挿通孔115、150に挿通した上で、前述の位置決め突起112a、112bによりエンドキャップ101、ゴムプレート104付きの金属プレート103、およびパイプ保持版105の位置決めを行う。その状態でスタッドボルト107にナット102を螺合させてねじ込むことにより、エンドキャップ101、ゴムプレート104付きの金属プレート103、およびパイプ保持版105が締め付けられて互いに密着した状態で固定される。その状態を図4に基づいて説明する。
図4はチューブラ式膜分離装置10の端部付近の縦断面図である。複数本のパイプ106は、その端部がパイプ保持版105の端面に達する深さまで挿入されている。この状態でスタッドボルト107とナット102とによる締め付け力により、パイプ106とUF膜チューブ15との各端部がゴムプレート104に圧接した状態になる。このゴムプレート104に圧接されたUF膜チューブ15内に差込み継手108が挿入されている。
エンドキャップ101に形成された複数のリターン経路117(図2、図6参照)への原液の出入り口部分の周囲を窪ませて複数の凹部110が形成されている(図3参照)。この凹部110に差込み継手108の傘部108bが入り込む。この状態で、UF膜チューブ15とリターン経路117とが差込み継手108を経由して連通状態になっている。
さらに、図5に示すように、液出入り口118に続く入出経路110aにも凹部110が形成されており、この凹部110に差込み継手108の傘部108bが入り込む。この状態で、UF膜チューブ15と入出経路110aとが差込み継手108を経由して連通状態になっている。
この図5を参照し、チューブラ式膜分離装置10のシール機能を説明する。前述したナット102をスタッドボルト107に螺合させて締め付けることにより、パイプ106の端部がゴムプレート104に圧接し、かつ、差込み継手108の傘部108bが金属プレート103とエンドキャップ101の凹部110とに圧接する。その結果、UF膜チューブ15内に圧送された原液が外部に漏れだすことがない。この差込み継手108により、濾過対象液のUF膜チューブ15外への漏洩を防止するシール部材(シール手段)が構成されている。また、UF膜チューブ15により濾過され小孔120を通ってハウジング14内に出てきた処理水は、Oリング111によりハウジング14外に漏れ出すことが防止される。このOリング111により、処理水の漏洩を防止するためのシール部材(シール手段)が構成されている。
次に、エンドキャップ101について説明する。先ず、図6(a)に基づいて、液出入り口118が形成された入排出側のエンドキャップ101を説明する。このエンドキャップ101には、液出入り口118が2か所に形成されていると共に、各液出入り口118に続いている入出経路110aが形成されている。これにより、一方の液出入り口118から圧送された原液が一方の入出経路110aを通ってUF膜チューブ15内に送り込まれ、他のUF膜チューブ15から出てきた濃縮液が他方の入出経路110aを経由して他方の液出入り口118から排出されるように構成されている。また、入排出側のエンドキャップ101には、U字状のリターン経路117が8か所に形成されている。なお、図中110は差込み継手108の傘部108bが入り込む凹部である
液出入り口118が形成されていないリターン側のエンドキャップ101は、図6(b)に示すように、リターン経路117が9か所に形成されているが、液出入り口118は形成されていない。このようなリターン経路117や入出経路110aが形成されているエンドキャップ101は、鋳物により製造される。
このような構成において、入排出側のエンドキャップ101(図6(a))の液出入り口118から圧送された原液は差込み継手108からUF膜チューブ15内に送り込まれ、リターン側のエンドキャップ101図6(b)に到達する。そこで原液は、リターン側のエンドキャップ101に形成されたリターン経路117を通ってUターンし、次のUF膜チューブ15内に送り込まれて入排出側のエンドキャップ101にまで帰ってくる。そこで原液は、入排出側のエンドキャップ101に形成されたリターン経路117を通ってUターンし、次のUF膜チューブ15内に送り込まれて再度リターン側のエンドキャップ101まで移動する。このUターンを複数回(17回)繰り返して全てのUF膜チューブ15を通過した濃縮液が他方の液出入り口118から排出される。このエンドキャップ101により、或るUF膜チューブ15から受け入れた濾過対象液をリターンさせて他のUF膜チューブ15に送り込む濾過対象液リターン部材(濾過対象液リターン手段)が構成されている。
次に、複数本のパイプ106の長手方向途中箇所は、保持プレート116によって保持されることにより位置決めされている。このことを図7(a)(b)に基づいて説明する。18本のパイプ106のうちの外周に位置するパイプ106に6個の保持プレート116が設けられている。各保持プレート116はそれぞれ3本のパイプ106に亘って1個ずつ設けられている。その3本のパイプ106のうちの中央のパイプ106に保持プレート116が溶接されて固定されている。3本のパイプのうちの両端側のパイプ106は、当該パイプ106の両側に位置する保持プレート116各々の端部により挟持されている。
このようにして、外周に位置する全てのパイプの長手方向途中箇所が保持されて位置決めされている。これらの保持プレート116は、パイプ106の長手方向に所定間隔を隔てて複数位置に設けられている。その結果、各パイプ106を極力まっすぐに保持でき、UF膜チューブ15をパイプ106内に挿入しやすくなる利点がある。この保持プレート116により、パイプの長手方向途中箇所を保持する保持部材(保持手段)が構成されている。
図8を参照してUF膜チューブ15による濾過機能を説明する。このUF膜チューブ15の材質はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)であり、耐熱性が高く且つ濾過対象液のpH範囲が広い利点がある。UF膜チューブ15の直径は、約15mm程度である。この約15mm程度は一例に過ぎず、例えば、直径5mm〜26mmの範囲のものを用いることができる。このUF膜チューブ15は概ね0.01〜0.001μmの孔径の多孔質膜である。低分子やイオンや水等に対して油や高分子や濁質等の不純物16が混在した原液を適度な圧力によりUF膜チューブ15内に送り込むことにより、低分子やイオンや水等がUF膜チューブ15を透過してパイプ106に形成された多数の小孔120(図3参照)からハウジング14内に排出され、透過液(処理水)として処理水取出管21から取り出される。一方、原液中の油や高分子や濁質等の不純物16はUF膜チューブ15を透過することなく濃縮された状態で出入り口118から排出され濃縮循環層2内に還元される。
このUF膜チューブ15で原液を濾過することにより、UF膜チューブ15の内面に不純物16が付着する。不純物16が付着すると濾過性能が低下するためにその不純物を除去する必要がある。そのUF膜チューブ15の内面に付着した不純物を除去するためにスポンジボール17がUF膜チューブ15内に入れられている。このスポンジボール17は、UF膜チューブ15の直径(約15mm)よりも多少大きな寸法に構成されている。その結果、UF膜チューブ15内に挿入されたスポンジボール17は、その外周面がUF膜チューブ15内面に接触した状態となる(図8参照)。UF膜チューブ15内に圧送される原液によってこのスポンジボール17がUF膜チューブ15内で移動し、UF膜チューブ15の内面に付着した不純物を拭い取って除去する。このUF膜チューブ15内を移動してチューブラ式膜分離装置10の他方端に押し流されてきたスポンジボール17が受止め機構18(図2、図9参照)により受止められて保持される。このスポンジボール17により、UF膜チューブ15内を移動してUF膜チューブ15の内面に付着した不純物を拭い取る拭浄体が構成されている。なお、拭浄体としては、スポンジボール17に限定されるものではなく、例えば、ピグ(砲弾)やブラシ等であってもよい。
次に、図9に基づいて受止め機構18を説明する。受止め機構18は筒状部121を有し、その筒状部121内に平面視M字型のストレーナ19が設けられている。筒状部121には、左右の配管122、123がそれぞれ管継ぎ手124により接続されている。一方の配管122がチューブラ式膜分離装置10の液出入り口118に接続され(図2参照)、他方の配管123が配管97に接続されている(図1参照)。また、筒状部121の上部にはネジ溝が形成されており、そのネジ溝に着脱キャップ20がねじ込まれている。
一方の液出入り口118に原液を送り込むことによりスポンジボール17がチューブラ式膜分離装置10のUF膜チューブ15内を移動して他方の液出入り口118から排出される。そのスポンジボール17が配管122を通って筒状部121のストレーナ19に到達し、そのストレーナ19により受け止められる。ストレーナ19には、スポンジボール17は受け止めるが濃縮液は通過させるように編み目19aが形成さられている。この編み目19aを通って濃縮液が濃縮還元槽2へ還元されるように構成されている。このストレーナ19により、濾過対象液は通過させるがスポンジボール17(拭浄体)は受け止める受止め部材が構成されている。また、
チューブラ式膜分離装置10の他方端の受止め機構18に保持されたスポンジボール17は、原液(濃縮液)の流れを逆方向に切換えることにより、再度UF膜チューブ15内を移動してチューブラ式膜分離装置10の一方端側の受止め機構18にまで流れ着く。このように、原液(濃縮液)の流れを切換えることにより、スポンジボール17をUF膜チューブ15内で往復移動させて不純物16の除去を行う。
スポンジボール17をUF膜チューブ15内で複数回往復移動させることにより、スポンジボール17自体に不純物が付着し、洗浄効果が低下する不都合が生じる。その不都合を解消するために、汚れたスポンジボール17を取り替え可能に構成している。先ず、スポンジボール17を受止めている受止め機構18に接続さている配管122(図9参照)にバルブ100が設けられており、このバルブ100を閉める。これにより、チューブラ式膜分離装置10から受止め機構18へ濃縮液が流れないようにする。その状態で受止め機構18の着脱キャップ20を回転して開ける。この着脱キャップ20により、受止めた前記拭浄体を取出して交換可能にするための取出し機構が構成されている。チューブラ式膜分離装置10よりも受止め機構18の方が低位置に設けられているが、前述のバルブ100を閉めているために着脱キャップ20を開けても濃縮液が噴き出すことがない。なお、バルブ100が設けられていない側の配管123(図9参照)に対し受止め機構18の方が高位置に設けられているために、着脱キャップ20を開放しても濃縮液が配管123を逆流して噴き出すことがない。そして、着脱キャップ20が開放されることにより、ストレーナ19に受け止められているスポンジボール17を取出して新しいものに交換できる。交換後に着脱キャップ20を筒状部121にねじ込んで蓋をし、バルブ100を開放する。なお、配管123(図9参照)に対し受止め機構18の方が低位置に設けられている場合には、配管123にもバルブを設けるようにすればよい。このバルブ100により、着脱キャップ20を開放したときに濾過対象液の噴出を防止する噴出防止機構(噴出防止手段)が構成されている。
図1は、原液(濃縮液)をチューブラ式膜分離装置10に対して順方向に流す濃縮工程1が示されており、チューブラ式膜分離装置10に対して原液(濃縮液)を逆方向に流す濃縮工程2が図10に示されている。図10を参照して、濃縮工程2では、三方弁36がC→Aの流路に切換えられている。また三方弁37がB→Cの流路に切換えられている。その結果、循環ポンプ33により送り出された濃縮液が、配管83、85、三方弁37のB→C、配管86、配管97を経てチューブラ式膜分離装置10に逆方向から圧送される。そしてチューブラ式膜分離装置10へ濃縮された濃縮液が、配管84、三方弁36のC→A、配管88、三方弁38のC→B、配管89を経て濃縮循環槽2に還元される。
図1に示した濃縮工程1と図10に示した濃縮工程2とを所定回数繰り返して実行した後、濾過装置が水押し工程に移行する。この水押し工程は、チューブラ式膜分離装置10や配管内に残留している濃縮液を洗浄液で押し出して濃縮循環槽2へ還元させるものである。
この水押し工程は約10秒ほどの短い時間実行されるものであり、図11に基づいて説明する。膜洗浄槽8に貯留される洗浄液は、水道水等の清水を用いる場合(S78の清水洗浄モード)と、チューブラ式膜分離装置10により分離された処理水を用いる場合(S79の処理水洗浄モード)とがある。清水を用いる場合にはモータバルブ10を開いて配管92を通して清水を膜洗浄槽8に供給する。膜洗浄槽8にはレベルセンサLS2が設けられており、満水レベルHH2、運転開始レベルH2、運転停止レベルL2、渇水レベルLL2の4段階のレベル検出ができる。一方、清水ではなく処理水を用いて洗浄する場合には、チューブラ式膜分離装置10により分離された処理水を膜洗浄槽8に供給する必要がある。そのために、モータバルブMV5と閉じモータバルブMV6を開き、処理水が配管90、モータバルブMV6を経由して膜洗浄槽8に供給されるように制御する。清水洗浄モードと処理水洗浄モードとの何れの場合も、膜洗浄槽8が上記運転開始レベルH2に達するまで清水または処理水が補給される。
膜洗浄槽8には、洗浄用ヒータ49が設けられており、UF膜チューブ15を洗浄するために適した温度(例えば40〜50℃)に洗浄液が温められる。よって、この膜洗浄槽8は耐熱性に優れたステンレス製材料が用いられている。なお、洗浄用ヒータ49を設けることなく常温の洗浄液で洗浄する場合は、膜洗浄槽8を樹脂製材料で構成してもよい。また、洗浄剤注入ポンプ32を作動させることにより、アルカリ洗浄剤が膜洗浄槽8に供給される。このアルカリ洗浄剤により、より洗浄効率を向上させることができる。また、原液の(濃縮液)の種類如何では酸性洗浄剤を用いた方が洗浄効率を向上させることができる。そのような場合にはアルカリ洗浄剤の代わりに酸性洗浄剤を用いる。
水押し工程では、モータバルブMV1を閉じかつモータバルブMV2を開いた状態で循環ポンプ33を作動させる。この水押し工程の直前に実行されていた濃縮工程が濃縮工程1(図1参照)の場合には、洗浄液をチューブラ式膜分離装置10に対して逆方向に流す。一方、水押し工程の直前に実行されていた濃縮工程が濃縮工程2(図10)の場合には、洗浄液をチューブラ式膜分離装置10に対して順方向に流して水押しを行う。図11は、洗浄液を順方向に流して残留濃縮液を押し出す水押し工程が示されている。三方弁36をB→Cの流路に切換えかつ三方弁37をC→Aの流路に切換える。その結果、膜洗浄槽8内の洗浄液が、配管95、循環ポンプ33、三方弁36のB→C、配管84を経てチューブラ式膜分離装置10の一方端からUF膜チューブ15に供給される。その結果、チューブラ式膜分離装置10の一方端側の受止め機構18内に保持されているスポンジボールがUF膜チューブ15内に押し出されてUF膜チューブ15内を移動してUF膜チューブ15内に付着している付着物を拭い取って洗浄する。押し出された濃縮液は、配管86、三方弁37のC→A、配管87、三方弁38のC→B、配管89を経て濃縮還元槽2へ還元される。チューブラ式膜分離装置10や配管内に残留していた濃縮液が濃縮還元槽2内に押し出されて水押し工程が終了した後に、洗浄工程に移行する。
洗浄工程では、膜洗浄槽8内に貯留されている洗浄液をチューブラ式膜分離装置10に供給してUF膜チューブ15を洗浄する。洗浄工程は、膜洗浄槽8に貯留されている洗浄液をチューブラ式膜分離装置10に対して順方向に流して洗浄する洗浄工程1と、チューブラ式膜分離装置10に対して逆方向に洗浄液を流して洗浄する洗浄工程2とがある。洗浄工程1では、図12に示すように、三方弁38がC→Aの流路に切換えられ、洗浄水が膜洗浄槽8に還元されるように制御される。その結果、膜洗浄槽8内の洗浄液が、配管95、三方弁36のB→C、配管84を経てチューブラ式膜分離装置10を通過した後、三方弁37のC→A、配管87、三方弁38のC→A、廃案96を経て膜洗浄槽8に還元される。この洗浄工程1が所定時間実行された後洗浄下程2に切り替わる。
洗浄工程2では、図13を参照して、三方弁36がC→Aの流路に切り替わり、三方弁37がB→Cの流路に切り替わる。その結果、膜洗浄槽8内の洗浄液が、配管95、循環ポンプ33、配管83、85、三方弁37の流路B→C、配管86を経てチューブラ式膜分離装置10に対して逆方向から供給される。チューブラ式膜分離装置10内のUF膜チューブ15を通過した洗浄液が、配管84、三方弁36のC→A、配管88、三方弁38のC→A、配管96を経て膜洗浄槽8に還元される。この洗浄工程1(図12参照)および洗浄工程2(図13参照)を繰り返し実行した後再度濃縮工程に移行する。
以上のような濃縮工程と水押し工程と洗浄工程とを繰り返し実行することにより、チューブラ式膜分離装置10による濾過によって濃縮液が徐々に濃縮され、濃縮循環槽2内の濃縮液の貯留量が減少する。濃縮循環槽2内の濃縮液が所定量(L1レベル)に減少した
ことがレベルセンサLS1により検出された段階で、pH調整水ポンプ30を作動させてpH調整槽5内の原液を濃縮循環槽2へ供給する。原液が継ぎ足されることによって濃縮循環槽2内の濃縮液が運転開始レベルH1に達したことがレベルセンサ1により検出されれば、pH調整水ポンプ30が停止して原液の注ぎ足しが停止される。その状態で、前述した濃縮工程と水押し工程と洗浄工程とを繰り返し実行する。そして、濃縮循環槽2内の濃縮液が再度所定量(L1レベル)にまで減少した段階で、pH調整槽5内の原液を再度
濃縮循環槽2内に注ぎ足して供給する。この原液の注ぎ足し回数(濃縮回数)が所定回数に達したとき、モータバルブMV7を開いて濃縮循環槽2内の濃縮液を配管93を通して濃縮液中継槽3へ排出する。濃縮循環槽2内の濃縮液が排出完了レベルLLになったことがレベルセンサLS1により検出されたときにモータバルブMV7が閉じられて濃縮液の排出が完了する。一方、濃縮液中継槽3では、レベルセンサLS3により濃縮液の貯留量が増加したことが検出されれば、濃縮液送水ポンプ31を作動させて濃縮液中継槽3内の濃縮液を配管94を通して濃縮貯留槽4へ送り出す。この濃縮貯留槽4にはレベルセンサLS5が設けられており、濃縮貯留槽4内の濃縮液が満杯となったことがレベルセンサLS5により検出されれば、濃縮貯留槽4内の濃縮液を取り出す作業が行われる。
最初の濃縮工程が開始されてから濃縮が完了した濃縮循環槽2内の濃縮液を排出するまでの工程を1バッチと称する。この1バッチの工程を所定回数実行することにより、濾過装置による濾過作業が終了して濾過装置が停止される。
処理水取出管21から取り出された処理水は光電センサ25により混濁度が検出される。その混濁度が所定値以上の場合には濾過不良のエラーと判断してエラー報知処理がなされる。
また、循環ポンプ33により押し出された洗浄液の温度が温度センサ26により検出される。その検出値に基づいて洗浄液の温度が所定温度(40〜50℃)に保たれるように洗浄用ヒータ49を制御する。
次に、図14に基づいて、pH調整制御盤22と装置制御盤23との制御回路を説明する。pH調整制御盤22にはpH調整制御盤マイクロコンピュータ60が設けられている。このpH調整制御盤マイクロコンピュータ60には、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)66、制御用のプログラムやデータが記憶されているROM(Read Only Memory)67、CPU66のワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)68等が設けられている。
一方、装置制御盤23には装置制御盤マイクロコンピュータ63が設けられている。この装置制御盤マイクロコンピュータ63には、制御中枢としてのCPU69、制御用のプログラムやデータが記憶されているROM70、CPU69のワークエリアとして機能するRAM71、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)72等が設けられている。
pH調整制御盤マイクロコンピュータ60には、pHセンサ24、レベルセンサLS4〜LS6の各検出信号が入力される。またキーボードやマウスやタッチパネル等の入力操作部61からの操作信号がpH調整制御盤マイクロコンピュータ60に入力される。
pH調整制御盤マイクロコンピュータ60から、原液送水ポンプ27、アルカリ注入ポンプ28、酸注入ポンプ29、pH調整水ポンプ30の各ポンプ制御信号が出力される。また撹拌モータ30を駆動するための制御信号が出力される。さらに、オペレータに対して各種のエラー表示や濾過装置の動作状態等のモニタ表示信号が表示部62に出力される。
装置制御盤マイクロコンピュータ63には、レベルセンサLS1〜LS3の各センサ信号が入力される。また流量計FL1〜FL3の各流量検出信号が入力される。さらに、光電センサ25、温度センサ26、圧力センサPS1、PS2の各センサ信号が入力される。また、キーボードやマウスやタッチパネル等の入力操作部64からの操作信号が入力される。
装置制御盤マイクロコンピュータ63から、ヒータ制御信号が洗浄用ヒータ49に出力される。さらに、濃縮液送水ポンプ31、洗浄剤注入ポンプ32、循環ポンプ33に対して各ポンプ制御信号が出力される。また、モータバルブMV1〜MV10に対して各バルブ制御信号が出力される。さらに、オペレータに対してエラー表示や濾過装置の動作状態のモニタ表示を行うための表示制御信号が表示部65に出力される。
pH調整制御盤マイクロコンピュータ60と装置制御盤マイクロコンピュータ63とは、互いに信号の送受信が可能となっている。装置制御盤マイクロコンピュータ63からpH調整制御盤マイクロコンピュータ60に対して、原液を濃縮貯留槽2に供給してもらうための原液供給信号が出力される。それを受けたpH調整制御盤マイクロコンピュータ60は、前述したように原液を濃縮還元槽2に供給する制御を開始するとともに原液の供給を開始した旨の原水供給信号を装置制御盤マイクロコンピュータ63へ返信する。さらに、pH調整制御盤マイクロコンピュータ60は、制御テリトリー内での異常が発生した場合に一括異常信号を装置制御盤マイクロコンピュータ63へ送信する。
次に、図15および図16に基づいて、pH調整制御盤マイクロコンピュータ60による制御動作を説明する。図15、図16に示された各フローチャートのプログラムはROM67に記憶されているものである。まず図15(a)に基づいて、pH調整制御処理のメインルーチンを説明する。ステップ(以下単に「S」という)1により、各槽異常チェック処理が行われる。これは、原水槽1および濃縮貯留槽4の貯留状態の異常をチェックするものである。次にS2により、各槽間液移動処理が行われる。次にS3により、pH調整処理が行われる。このPH調整処理は、pH調整槽5内の原液をアルカリまたは酸で中和させてpHを調整するための処理である。
図15(b)を参照して、前述の各槽異常チェック処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを説明する。S7により、レベルセンサLS4の値が異常低下したか否か判定される。原水槽1に貯留されている原水の貯留量が異常に低下して渇水状態になった場合にはS7によりYESの判断がなされて制御がS8へ進み、原水槽渇水エラーフラグをONにする処理がなされる。一方、レベルセンサLS4の値が異常低下していないと判定された場合には制御がS9へ進み、原水槽渇水エラーフラグをOFFにする制御がなされる。
次に、S10により、レベルセンサLS4の値が異常上昇したか否か判定される。異常上昇したと判定された場合には制御がS11へ進み、原水槽満水エラーフラグをONにする制御がなされる。一方、レベルセンサLS4が異常上昇していないと判定された場合にはS12へ進み、原水槽満水エラーフラグをOFFにする処理がなされる。
S13によりレベルセンサLS6の値が異常低下したか否か判定される。pH調整槽5内の原液が異常レベルまで低下した場合にはS13によりYESの判断がなされて制御がS14へ進み、pH調整槽渇水エラーフラグをONにする処理がなされる。一方、レベルセンサ6の値が異常低下していない場合には制御がS15へ進み、pH調整槽渇水エラーフラグをOFFにする。次にS16により、レベルセンサLS6の値が異常上昇したか否か判定される。pH調整槽5内に貯留されている原液が異常レベルまで上昇した場合にはS16によりYESの判断がなされて制御がS17へ進み、pH調整槽満水エラーフラグをONにする。一方、レベルセンサ6の値が異常上昇していないと判定された場合にはS18により、pH調整槽満水エラーフラグをOFFにする。
次に制御がS19へ進み、レベルセンサ5が異常上昇しているか否か判定される。濃縮貯留槽4に貯留されている濃縮液が満杯となりレベルセンサLS5がその満杯を検出した場合にはS19によりYESの判断がなされて制御がS20へ進み、濃縮貯留槽満水エラーフラグをONにする。一方、レベルセンサ5の値が異常上昇していない場合には制御がS21へ進み、濃縮貯留槽満水エラーフラグをOFFにする制御が行われる。
次に制御がS22へ進み、いずれかのエラーフラグがONになっているか否か判定され、ONになっていない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンして制御がS2へ進む。
一方、いずれかのエラーフラグがONになっている場合には制御がS23へ進み、一括異常信号を装置制御盤マイクロコンピュータ63へ送信し、S24により、そのONになっているエラーフラグに応じた異常表示を表示部62により表示させる制御を行って、リターンする。
次に、前述のS2に示した各槽間液移動処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図16(a)に基づいて説明する。S30により、原水供給信号を受信したか否か判定される。装置制御盤マイクロコンピュータ63から原水供給信号が送信されてくればS30によりYESの判断がなされて制御がS31へ進み、pH調整水ポンプ30を作動させてpH調整槽5内の原水を濃縮循環槽2へ供給する。次にS32により、原水供給を開始した旨の原水供給信号を装置制御盤マイクロコンピュータ63へ返信する。次にS33により、レベルセンサLS6の値が補給レベルまで低下しているか否か判定する。pH調整槽5内の原液が減少して補給が必要なレベルになったときにS33によりYESの判断がなされて制御がS34へ進み、原液送水ポンプ27を作動させて原水槽1内の原液をpH調整槽5内に補給する。
前述のS3に示したpH調整処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図16(b)に基づいて説明する。S40により、pH調整値の入力があったか否か判定される。オペレータが入力操作部61を操作してpH調整槽5内のPH調整値を入力すればS41によりpH調整値をその入力された新たなpH調整値に更新する処理がなされる。次にS42により、現時点におけるPHセンサの値PSとpH調整値PTと比較する処理がなされ、S43により、PSがPTを超えているか否か判定される。PSがPTを超えている場合には制御がS44へ進み、アルカリ注入ポンプ28を作動させてアルカリをpH調整槽5内に注入する制御がなされる。一方、PSがPTを超えていない場合には制御がS45へ進み、酸注入ポンプ29を作動させて酸をpH調整槽5内に注入する制御がなされる。このPH調整処理により、pH調整槽5内の原液が、オペレータによって入力されたpH調整値となるように制御される。
次に、図17〜図25に基づいて装置制御盤マイクロコンピュータ63の制御用プログラムのフローチャートを説明する。これらフローチャートは、ROM70に記憶されている。まず図17(a)に基づいて装置制御処理のメインルーチンを説明する。S50により濾過装置の運転に必要な各種運転値設定入力処理がなされ、S51により、異常が発生したか否かの判定基準となる各種異常値の設定入力処理がなされ、S52により、異常が発生したか否かの異常チェック処理がなされ、S53により、各モータバルブを制御して流量を切換える処理がなされ、S54によりモニター表示処理がなされる。
次に、S50に示した運転設定値入力処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図17(b)および図18(a)に基づいて説明する。この運転設定値入力処理は、濾過装置の運転を行う上で必要な各種値をオペレータが入力操作部64により入力設定するための処理である。S60により濃縮回数の入力があったか否か判定され、ない場合にはS62によりバッチ回数の入力があったか否か判定され、ない場合にはS64により濃縮循環槽レベル入力があったか否か判定され、ない場合にはS66により排出中継槽レベル入力があったか否か判定され、ない場合にはS67により自動洗浄時間の入力があったか否か判定され、ない場合にはS70により水押し時間の入力があったか否か判定され、ない場合にはS72により逆運転時間の入力があったか否か判定され、ない場合にはS74により廃液排出時間の入力があったか否か判定されない場合にはS76により洗浄モード切換操作があったか否か判定され、ない場合にはS80により薬品洗浄設定入力があったか否か判定され、ない場合にはS82により膜洗浄槽清水補給時間の入力があったか否か判定され、ない場合にはS84により熱交換運転温度の入力があったか否か判定され、ない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。
前述したように、オペレータが入力操作部64を操作して濃縮循環槽2への原液の注ぎ足し回数(濃縮回数)を入力すれば、S60によりYESの判断がなされて制御がS61へ進み、記憶している濃縮回数をその新たに入力された濃縮回数NKに更新する処理がなされる。1バッチの工程を何回実行するかのバッチ回数が入力操作部64により入力された場合にはS62によりYESの判断がなされ制御がS63に進み、記憶しているバッチ回数をその新たに入力されたバッチ回数VCに更新する処理がなされる。
濃縮循環槽2に貯留されている濃縮液のレベルを入力設定する操作が入力操作部64により行われた場合にはS64によりYESの判断がなされて制御がS65へ進み、記憶されている濃縮循環槽レベルをその新たに入力された各レベルHH1,H1,L1,LL1に更新する処理がなされる。このHH1は満水異常レベルであり、H1は運転開始レベルであり、L1は運転停止レベルであり、LL1は排水完了レベルである。
オペレータが入力操作部64を操作して、廃液中継槽(濃縮液中継槽)3のレベル入力を行えば、S66によりYESの判断がなされて制御がS68へ進み、記憶している廃液中継槽レベルの値を新たに入力された各レベルHH2,H2,L2,LL2に更新する処理がなされる。このHH2は満水異常のレベルであり、H2はモータバルブMV7を閉じてそれ以上濃縮液が濃縮中継槽3内に入らないようにするためのレベルであり、L2は濃縮液送水ポンプ31を運転開始させるレベルであり、LL2は濃縮液送水ポンプ31を停止させるレベルである。
入力操作部64により自動洗浄時間が入力された場合にはS67によりYESの判断がなされて制御がS69へ進み、記憶している自動洗浄時間をその新たに入力された自動洗浄時間に更新する処理がなされる。この自動洗浄時間とは、前述した洗浄工程1(図12参照)および洗浄工程2(図13参照)を繰り返し実行する時間のことである。入力操作部64により水押し時間が入力されればS70によりYESの判断がなされて制御がS71へ進み、記憶している水押し時間を新たに入力された水押し時間に更新する処理がなされる。
入力操作部64により逆運転時間が入力される場合はS72によりYESの判断がなされて制御がS73へ進み、記憶している逆運転時間をその新たに入力された逆運転時間に更新する処理がなされる。この逆運転時間とは、濃縮工程1が開始されてからその濃縮工程1が終了するまでの時間、濃縮工程2が開始されてからその濃縮工程2が終了するまでの時間、洗浄工程1が開始されてからその洗浄工程1が終了するまでの時間、および、洗浄工程2が開始されてからその洗浄工程2が終了するまでの時間である。濃縮循環槽2に貯留されている濃縮液を濃縮中継槽5へ排出するための廃液排出時間が入力操作部64により入力された場合にはS74によりYESの判断がなされて制御がS75へ進み、記憶している廃液排出時間をその新たに入力された廃液排出時間に更新する処理がなされる。
清水を用いての洗浄あるいは処理液を用いての洗浄のいずれの洗浄モードにするかの操作が入力操作部64により行われた場合には、S76によりYESの判断がなされて制御がS77へ進み、現時点のモードが処理水洗浄モードであるか否かの判定がなされる。現在のモードが処理水洗浄モードの場合には制御がS78へ進み、清水洗浄モードに切換える処理が行われる。一方、現在のモードが処理水洗浄モードでない場合すなわち清水洗浄モードであった場合には制御がS79へ進み、処理水洗浄モードに切換える処理がなされる。
入力操作部64により薬品洗浄の設定入力操作があった場合にはS80によりYESの判断がなされて制御がS81へ進み、設定バッチ回数に応じた薬品の注入時間がその入力された値に更新される。この膜洗浄槽8に清水を供給するための膜洗浄槽清水補給時間が入力操作部64により入力された場合にはS82によりYESの判断がなされS83へ進み、記憶している膜洗浄槽清水補給時間をその新たに入力された膜洗浄槽清水補給時間に更新する処理がなされる。
膜洗浄槽8内の洗浄液の温度である熱交換運転温度が入力操作部64から入力された場合にはS84によりYESの判断がなされて制御がS85へ進み、記憶している熱交換運転温度をその新たに入力された熱交換運転温度に更新する処理がなされる。そしてこのサブルーチンプログラムがリターンする。
次に、前述したS51に示した異常値設定入力処理のサブルーチンプログラムを図18(b)に基づいて説明する。S90により処理流量低下入力があったか否か判定され、ない場合にはS92により循環流量の入力があったか否かの判定がなされ、ない場合にはS94により圧力の入力があったか否か判定され、ない場合S96により濃縮排出エラーの入力があったか否か判定され、ない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。
チューブラ式膜分離装置10により濾過された処理水の流量が異常であるか否かを判定するための処理流量低下の入力が入力操作部64により行われた場合には制御がS91へ進み、記憶している処理流量低下値をその新たに入力された処理流量低下値SRに更新する処理が行われる。循環ポンプ33によって循環される濃縮液の循環量である循環流量が入力操作部64により入力された場合には制御がS93へ進み、記憶している循環流量をその新たに入力された循環流量の上限値JRUと下限値JRLとに更新する処理が行われる。濃縮工程におけるチューブラ式膜分離装置10に圧送される濃縮液の圧力が入力操作部64により入力された場合には制御がS95へ進み、記憶している圧力をその新たに入力された圧力の上限PUと下限PLとに更新する処理が行われる。濃縮循環槽2に貯留されている濃縮液を排出する時間が所定値を超えた場合に異常と判定するための濃縮排出エラー時間が入力操作部64により入力された場合には制御がS97へ進み、記憶している濃縮排出エラー時間をその新たに入力された濃縮排出エラー時間NHTに更新する処理が行われる。そしてこのサブルーチンプログラムがリターンする。
次に、S52に示した異常チェック処理のサブルーチンプログラムを図19および図20に基づいて説明する。まずS105により現時点での各センサの値が読み取られて記憶される。具体的には、レベルセンサLS1の値がLS1として記憶され、レベルセンサLS2の値がLS2として記憶され、レベルセンサLS3の値がLS3として記憶され、流量計FL1の値がF1として記憶され、流量計FL2の値がF2として記憶され、流量計FL3の値がF3として記憶され、光電センサ25の値がPSとして記憶され、温度センサ26の値がTとして記憶され、圧力センサPS1の値がPS1として記憶され、圧力センサPS2の値がPS2として記憶される。
次に、濾過装置により現在行われている工程が濃縮工程であるか否かがS106により判定される。濃縮工程でなければこのサブルーチンプログラムがリターンするが、濃縮工程の場合には制御がS107へ進み、流量計FL2の値F2が処理流量低下値SR未満であるか否か判定される。その判定結果がYESの場合にはS108により処理流量低下エラーフラグをONにする。一方、S107の判定結果がNOの場合にはS109により、処理流量低下エラーフラグをOFFにする処理がなされる。次に制御がS110へ進み、流量計FL1の値F1が循環流量の上限JRUを超えているか否か判定される。超えている場合にはS111により運転流量上限エラーフラグをONにする。その後制御がS116へ進む。一方、S110により超えていないと判定された場合には制御がS112へ進み、運転流量上限エラーフラグをOFFにした後制御がS113へ進む。S113では、流量計FL1の値F1が循環流量の下限JRL未満であるか否か判定される。未満である場合にはS114により運転流量下限エラーフラグをONにし、一方S113によりNOと判定された場合にはS115により運転流量下限エラーフラグをOFFにする制御がなされる。
S116では、圧力センサPS1の値PS1が圧力の上限PUを超えているか否か判定される。超えている場合にはS117により運転圧力上限エラーフラグをONにする処理がなされた後S112へ進む。一方、PS1がPUを超えていない場合にはS118により運転圧力上限エラーフラグをOFFにする処理がなされる。次にS119により、圧力センサPS1の値PS1が圧力の下限PLを下回っているか否か判定される。下回っている場合にはS120により運転圧力下限エラーフラグをONにする。一方、下回っていない場合にはS121により運転圧力下限エラーフラグをOFFにする。
次に制御がS122へ進み、廃液排水フラグがOFFからONに切り替わったか否か判定される。この廃液排出フラグは、濃縮循環槽2内への濃縮液を濃縮液中継槽3に排出するためのフラグであり、後述するS127によりONとなり後述するS129によりOFFに切り替わる。また、濃縮回数(注ぎ足し回数)が入力設定された濃縮回数NK(S61参照)に達すればバッチ回数がVCに達していないときに、後述するS167により廃液排出フラグがONになる。S122では、その廃液排出フラグがOFFからONに切り替わった瞬間だけYESの判断がなされる。S122によりYESの判断がなされた場合には制御がS123へ進み、廃液排出タイマーHHPをセットする処理がなされる。またS124によりモータバルブMV7を開く制御が行われたのち制御がS131へ進む。
S122によりNOの判定がなされた場合には制御がS125へ進み、廃液排出フラグがONになっているか否か判定される。ONになっていない場合にはS130へ進み、廃液排出タイマーHHPをクリアするとともに、モータバルブMV7を閉じる状態にする制御がなされた後にS131へ進む。
一方、S125により廃液排出フラグがONであると判定された場合には制御がS126へ進み、廃液排出タイマーHHTが濃縮排出エラー時間NHTを超えているか否か判定
される。超えている場合には、S127により廃液排出フラグをONにする制御がなされたた後制御がS128へ進む。廃液排出タイマーHHTが濃縮排出エラー時間NHTを超えていない場合には制御がS128へ進み、レベルセンサLS1が排出完了レベル(LL1)か否か判定される。排出完了レベルになっていない場合には制御がS131へ進むが、排出完了レベルになっている場合には制御がS12へ進み、廃液排出フラグをOFFに切換える制御が行われた後制御がS131へ進む。
S131では、レベルセンサLS3の値が満水異常のレベルHH2を超えているか否か判定される。超えている場合には制御がS132へ進み、排出PエラーフラグをONにするとともに、濃縮液中継槽満水エラーフラグをONにする処理がなされた後S134へ進む。
一方、S131によりNOの判定がなされた場合には制御がS133へ進み、廃液PエラーフラグをOFFにすると共に、濃縮液中継槽満水エラーフラグをOFFにする制御がなされる。次に制御がS134へ進む。
S134では、レベルセンサLS1の値が満水異常レベルHH1を超えているか否か判定される。超えている場合には制御がS135へ進み、濃縮循環槽満水エラーフラグをONにする制御がなされる。一方、LS1の値がHH1を超えていない場合には制御がS136へ進み、濃縮循環槽満水エラーフラグをOFFにする処理がなされる。次にS137により、レベルセンサLS2の値が膜洗浄槽8の満水レベルMLを超えたか否か判定される。超えた場合には制御がS138へ進み、膜洗浄槽満水エラーフラグをONにする処理が行われた後制御がS143へ進む。一方、LS2が満水レベルMLを超えていない場合には制御がS139へ進み、膜洗浄槽満水エラーフラグをOFFにする制御が行われる。
次に制御がS140へ進み、レベルセンサLS2の値が膜洗浄槽8の渇水レベルKLを下回ったか否か判定される。下回った場合には制御がS141へ進み、膜洗浄槽渇水エラーフラグをONにする処理がなされる。一方、LS2の値が渇水レベルKLを下回っていない場合には制御がS142へ進み、膜洗浄槽渇水エラーフラグをOFFにする制御が行われる。次にS143により、いずれかのエラーフラグがONになっているか否かの判定が行われ、いずれかのエラーフラグがONになっている場合にはS144により非常停止の制御が行われる。
次に、S53で示した流路切換え処理のサブルーチンプログラムを図21(a)に基づいて説明する。S150により、原液を濃縮循環槽に供給する原液補給工程処理が行われる。次にS151により、濃縮循環槽2に貯留されている原液を濾過して濃縮する濃縮工程処理が行われる。次にS152により、水押し工程処理が行われる。次にS153により、膜洗浄槽8に貯留されている洗浄液を用いてチューブラ式膜分離装置10のUF膜チューブ15を洗浄する洗浄工程が行われる。次にS154により、濃縮循環槽2に貯留されている濃縮液を排出する濃縮液排出工程処理が行われる。
次に、S150に示した原液補給工程処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図21(b)に基づいて説明する。S160により、濾過処理装置が作動中であることを示す作動フラグがONになっているか否か判定される。作動フラグは、濾過処理装置の電源をONにした状態でオペレータが作動開始スイッチをON操作したときにNOとなり、S168でOFFとなる。作動フラグがONになっていない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。作動フラグがONになっている場合には制御がS161へ進み、レベルセンサLS1の値が濃縮循環槽2の排出完了レベルLL1以下になっているか否か判定される。LL1以下になっていない場合には制御がS162へ進み、レベルセンサLS1の値が運転停止レベルL1になっているか否か判定される。L1になっていない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。
濃縮循環槽2内の濃縮液が排出されている状態でこの原液補給工程処理が実行された場合には、レベルセンサLS1の値が排出完了レベルLL1以下になっているために、制御がS169へ進み、原液を初期補給量だけ補給する原液供給信号をpH調整制御盤22へ送信する処理が行われる。この「初期補給量」とは、濃縮液が排出された状態の濃縮循環槽2内において原液が運転開始レベルH1に達する補給量のことである。
濃縮工程が進行して濃縮循環槽2内の濃縮液が濾過されて濃くなり運転停止レベルL1にまで体積が減少した状態でこの原液補給工程処理が実行された場合には、S162によりYESの判断がなされて制御がS163へ進み、濃縮回数カウンターがNKになっているか否か判定される。この濃縮回数カウンターは濃縮循環槽2内に原液を継ぎ足す注ぎ足し回数を計数するカウンターである。またNKとは、S61により予め入力設定された濃縮回数(注ぎ足し回数)のことである。現時点での濃縮回数(注ぎ足し回数)が予め入力設定された濃縮回数NKに未だ達していない場合には制御がS164へ進み、濃縮循環槽2における運転開始レベルH1まで原液を補給する原液供給信号をpH調整制御盤22へ送信する処理が行われる。これによりS30でYESと判定されてS31により原液を濃縮循環槽2へ供給して原液の注ぎ足しが行われる。
この原液の注ぎ足しが行われている最中、装置制御マイクロコンピュータ63が循環ポンプ33を停止制御する。これにより、原液(濃縮液)のチューブラ式膜分離装置10への供給が停止される。この循環ポンプ33の停止時に循環ポンプ33において原液(濃縮液)の逆流が生じる場合がある。逆流が生じた場合には、複数のチューブラ式膜分離装置10のうちの上方に位置するチューブラ式膜分離装置10内のUF膜チューブ15が負圧となり、処理水が逆流してUF膜チューブ15が潰れて扁平な形になる不都合が生じる。この不都合を防止するべく、循環ポンプ33の停止中に装置制御マイクロコンピュータ63がモータバルブMV8を開制御する。すると、チューブラ式膜分離装置10内のUF膜チューブ15が濃縮循環槽2の上部と連通状態となる。濃縮循環槽2に貯留されている原液(濃縮液)の液面と濃縮循環槽2の天井部分との間の空間は外気と連通している。その結果、チューブラ式膜分離装置10内のUF膜チューブ15が外気と連通状態となり、UF膜チューブ15が負圧になることが回避され、UF膜チューブ15が潰れて扁平な形になる不都合が防止される。次に制御がS165へ進み、濃縮回数カウンターを1加算更新する処理が行われる。
一方、S163により、現時点における濃縮回数カウンターがNKに達していると判定された場合には制御がS166へ進み、バッチ回数カウンターがVCに達しているか否か判定される。このVCは、S63により予め入力設定されたバッチ回数のことである。現時点におけるバッチ回数が未だVCに達していない場合には制御がS167へ進み、濃縮循環槽2内の濃縮液を排出するための廃液排出フラグをONにする処理が行われる。一方、現時点におけるバッチ回数がVCに達している場合には制御がS168へ進み、作動フラグをOFFに切換える処理が行われる。
以上のように、本実施の形態では、原液の濃縮の進行に伴って濃縮液循環槽2内の原液が減少して所定量(L1レベル)に達する毎に原液の注ぎ足しを行っているが、その代わりに、濃縮の進行に合わせて原液を常時少しずつ濃縮循環槽2に供給するようにしてもよい。前者の注ぎ足し方式の場合には、濃縮の進行に伴って濃縮液の温度が徐々に上昇するため、濾過性能が向上する利点がある一方、継ぎ足し時に循環ポンプ33をストップさせることによる稼動停止の不都合が生じる。後者の常時供給方式の場合には、濃縮液の温度があまり上昇せず濾過性能の向上があまり期待できない一方、継ぎ足し時の稼動停止が生じない利点がある。
次に、S151に示した濃縮工程処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図22(a)に基づいて説明する。S175により工程切換え処理が行われる。次にS176により、三方弁等の流量を切換える濃縮工程流量制御処理が行われる。
次にS175に示した工程切換え処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図22(b)に基づいて説明する。S180により洗浄工程フラグがONになっているか否か判定される。この洗浄工程フラグは洗浄工程が実行中であることを示すフラグである。洗浄工程フラグがONの場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。洗浄工程フラグがONになっていない場合には制御がS181へ進み、水押し工程フラグがONになっているか否か判定される。この水押し工程フラグは水押し工程が実行中であることを示すフラグである。水押し工程フラグがONになっていない場合には制御がS184へ進み、濃縮工程フラグがONになっているか否か判定される。この濃縮工程フラグは濃縮工程が実行中であることを示すフラグである。濃縮工程フラグがONになっていない場合には制御がS185へ進み、レベルセンサLS1の値が濃縮循環槽2における運転開始レベルH1に達したか否か判定される。達していない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンするが、原液が補給されてレベルセンサLS1の値が運転開始レベルH1に達した場合には制御がS186へ進み、濃縮工程フラグをONにする処理が行われる。
濃縮工程フラグがONになれば、S184によりYESの判断がなされて制御がS182へ進み、1単位濃縮時間が経過したか否か判定される。この1単位濃縮時間とは、濃縮工程が開始されてから濃縮工程1(図1参照)と濃縮工程2(図10参照)とが複数回繰り返された後、水押し工程(図11参照)に移行するためにその濃縮工程を終了するまでの時間である。この1単位濃縮時間を所望の時間に調整できるように予め入力設定しておく。濃縮工程が開始されてから未だ1単位濃縮時間が経過していない場合には制御がS183へ進み、逆運転時間が経過したか否か判定される。この逆運転時間とは、濃縮工程1が開始されてから濃縮工程2を開始するべくその濃縮工程1を終了するまでの時間、および、濃縮工程2が開始されてから濃縮工程1に移行するためにその濃縮工程2を終了するまでの時間のことである。この逆運転時間は、S73により予め入力設定された逆運転時間のことである。
未だ逆運転時間が経過していない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。一方、逆運転時間が経過した段階でS183によりYESの判断がなされて制御がS187へ進み、逆方向フラグがONであるか否か判定される。この逆方向フラグとは、濃縮液または洗浄液をチューブラ式膜分離装置10に対して逆方向に流していることを示すフラグである。現時点で逆方向に流している場合には逆方向フラグがONになっているために、S187によりYESの判断がなされて制御がS188へ進み、逆方向フラグをOFFにする処理がなされる。一方、逆方向フラグをOFFの場合には制御がS192へ進み、逆方向フラグをONにする処理がなされる。そのうちこのサブルーチンプログラムがリターンする。
1単位濃縮時間が経過した段階でS182によりYESの判断がなされて制御がS189へ進み、濃縮回数カウンターがNKに達しているか否か判定される。原液の濃縮循環槽2への注ぎ足し回数が予め入力設定された濃縮回数NKに達している場合には制御がS190へ進み、濃縮工程フラグをOFFにする処理がなされる。一方、濃縮回数カウンターがNKに達していない場合には制御がS191へ進み、濃縮工程フラグをOFFにすると共に水押し工程フラグをONにする処理がなされる。
その結果、S181によりYESの判断がなされることとなり、工程切換え処理のサブルーチンプログラムがリターンする。また、洗浄工程フラグがONになっている場合にもこの工程切換え処理のサブルーチンプログラムがリターンする。
次に、S176に示した濃縮工程流路制御処理のサブルーチンプログラムを図22(c)に基づいて説明する。S195により濃縮工程フラグがONになっているか否か判定される。ONになっていない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。ONになっている場合には制御がS196へ進み、逆方向フラグがOFFになっているか否か判定される。逆方向フラグがOFFになっている場合には制御がS197へ進み、モータバルブMV1を開き、モータバルブMV3をB→Cの流路に切換え、モータバルブMV4をC→Aの流路に切換え、モータバルブMV9をC→Bの流路に切換え、モータバルブMV2を閉じる制御が行われた後このサブルーチンプログラムがリターンする。このS197の制御により、濃縮液(原液)が図1に示すように順方向に流れ、濃縮工程1が実行される。
一方、逆方向フラグがONになっている場合にはS196によりNOの判断がなされて制御がS198へ進み、モータバルブMV1を開き、モータバルブMV3をC→Aの流路に切換え、モータバルブMV4をB→Cの流路に切換え、モータバルブMV9をC→Bの流路に切換え、モータバルブMV2を閉じる制御が行われる。その結果、濃縮液(原液)が図10に示すように逆方向に流れ、濃縮工程2が実行されることとなる。
次に、S152に示した水押し工程処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図23(a)に基づいて説明する。S205により工程切換え処理が行われ、S206により水押し工程流路制御処理が行われる。
次に、S205に示した工程切換え処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図23(b)に基づいて説明する。S210により、水押し工程フラグがONになっているか否か判定される。水押し工程フラグがONになっていない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンするがONになっている場合には制御がS211へ進み、水押し時間が経過したか否か判定される。この水押し時間とは、S71により予め入力設定された水押し時間のことである。水押し工程が進行してこの水押し時間だけ水押し処理が実行された段階でS211によりYESの判断がなされて制御がS212へ進み、水押し工程フラグをOFFにすると共に洗浄工程フラグをONに切換える制御が行われる。
次に、S206に示した水押し工程流路制御処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図23(c)に基づいて説明する。S215により水押し工程フラグがONになっているか否か判定される。水押工程フラグがOFFの場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンするが、水押し工程フラグがONになっている場合には制御がS216へ進み、逆方向フラグがONになっているか否か判定される。水押し工程の直前で実行されていた濃縮工程で原液(濃縮液)を逆方向に流す濃縮工程2が実行されていた場合には、S216によりYESの判断がなされて制御がS217へ進み、モータバルブMV1を閉じ、モータバルブMV2を開き、モータバルブMV3をB→Cの流路に切換え、モータバルブMV4をC→Aの流路に切換え、モータバルブMV9をC→Bの流路に切換える制御が行われる。その結果、図11に示すように洗浄水を順方向に流して水押しを行う状態となる。
一方、水押し工程の直前で実行されていた濃縮工程が原液(濃縮液)を順方向に流す濃縮工程1であった場合には、逆方向フラグがOFFとなっているためにS216によりNOの判断がなされて制御がS218へ進み、モータバルブMV1を閉じ、モータバルブMV2を開き、モータバルブMV3をC→Aの流路に切換え、モータバルブMV4をB→Cの流路に切換え、モータバルブMV9をC→Bの流路に切換える制御が行われる。
その結果、水押し工程の直前で実行されていた濃縮工程が濃縮液を逆方向に流す濃縮工程2であった場合には、次に実行される水押し工程においては、洗浄液を順方向に流す流路制御が行われ(S217)、チューブラ式膜分離装置10の一方端側の受止め機構18に保持されているスポンジボールをUF膜チューブ15内に押し出してUF膜チューブ15内をスポンジボール17により洗浄しつつ水押しが実行される状態となる。また、水押し工程の直前で実行されていた濃縮工程が原液(濃縮液)を順方向に流す濃縮工程1であった場合には、逆方向フラグがOFFになっているために洗浄液をチューブラ式膜分離装置10に対して逆方向に流す水押しが実行され(S218)、チューブラ式膜分離装置10の他方単側の受止め機構18に保持されているスポンジボール17をUF膜チューブ15内に押し出してUF膜チューブ15内を洗浄しつつ水押しが実行されることとなる。
次に、S153に示した洗浄工程処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図24(a)に基づいて説明する。S225により工程切換え処理が行われ、S226により洗浄工程流路制御処理が実行される。
次に、S225に示した工程切換え処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図24(b)に基づいて説明する。S230により洗浄工程フラグがONになっているか否か判定される。ONになっていない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。洗浄工程フラグがONになっている場合には制御がS231へ進み、1単位洗浄時間が経過したか否か判定される。この1単位洗浄時間とは、洗浄工程1(図12参照)と洗浄工程2(図13参照)とを複数回実行してその洗浄工程を終了するまでの時間である。この1単位洗浄時間を所望の時間に調整できるように予め入力設定しておく。洗浄工程が開始されてから未だ1単位洗浄時間が経過していない場合にはS231によりNOの判断がなされて制御がS234へ進み、逆運転時間が経過したか否か判定される。この逆運転時間は、S73により予め入力設定された逆運転時間である。逆運転時間が経過していない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンするが、逆運転時間が経過した段階で制御がS235へ進み、逆方向フラグがONになっているか否か判定される。逆方向フラグがONになっている場合にはS236により逆方向フラグをOFFに切換える制御が行われ、逆方向フラグがONになっていない場合にはS237により逆方向フラグをONに切換える制御が行われる。
次に、S226に示した洗浄工程流路制御処理のサブルーチンプログラムを図24(c)に基づいて説明する。S240により洗浄工程フラグがONになっているか否か判定される。ONになっていない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。洗浄工程フラグがONになっている場合には制御がS241へ進み、逆方向フラグがOFFになっているか否か判定される。この逆方向フラグは、前述した水押し工程においては切換えられることがないために(図23参照)、濃縮工程の終了時点における逆方向フラグがそのまま洗浄工程において引き継がれてS241により判定される。その結果、洗浄工程の開始時においては、濃縮工程の終了時点で実行されていた原液(濃縮液)の流れ方向と同じ方向に洗浄液を流す制御が行われる。還元すれば、水押し工程で実行されていた洗浄液の流れる方向とは逆方向に洗浄液を流して洗浄を開始する制御が行われる。具体的には、逆方向フラグがONの場合には制御がS243へ進み、モータバルブMV1を閉じ、モータバルブMV3をC→Aの流路に切換え、モータバルブMV2を開き、モータバルブMV4をB→Cの流路に切換え、モータバルブMV9をC→Aの流路に切換える制御が行われる。その結果、図13に示すように、チューブラ式膜分離装置10に対して洗浄液を逆方向に流す洗浄工程2が実行されることとなる。
また、逆方向フラグがOFFの場合には制御がS242へ進み、モータバルブMV1を閉じ、モータバルブMV3をB→Cの流路に切換え、モータバルブMV2を開き、モータバルブMV4をC→Aの流路に切換え、モータバルブMV9をC→Aの流路に切換える制御が行われる。その結果、図12に示すように、チューブラ式膜分離装置10に対して洗浄液を順方向に流して洗浄を行う状態となる。そして、逆転時間が経過することにより逆方向フラグが切換えられるために(S234〜S237)、洗浄工程1から2へ、または洗浄工程2から1へ洗浄工程が切換えられる。
次に、S154に示した濃縮液排出工程処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図25(a)に基づいて説明する。S250により、廃液排出フラグがONになっているか否か判定される。ONになっていない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンするが、ONになっている場合には制御がS251へ進み、モータバルブMV7を開く制御が行われる。その結果、濃縮循環槽2に貯留されている濃縮液がモータバルブMV7を経由して濃縮液中継槽3へ排出される。次に、S252により、レベルセンサLS1の値が濃縮循環槽2における排出完了レベルLL1になったか否か判定される。未だLL1になっていない場合には、このサブルーチンプログラムがリターンするが、LL1になった段階で、S252によりYESの判断がなされて制御がS253へ進み、廃液排出フラグをOFFにし、S254により、バッチ回数カウンターを1加算更新する処理がなされた後にこのサブルーチンプログラムがリターンする。
次に、S54に示したモニター表示処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図25(b)に基づいて説明する。S260によりモニター表示操作があったか否か判定され、ない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。オペレータが入力操作部64を操作してモニター表示を行う操作が入力されれば、S260によりYESの判断がなされて制御がS261へ進み、表示対象となる各種表示項目を表示部65に表示するメニュー表示が実行される。それを見たオペレータが表示してもらいたいメニューを入力操作部64により選択すればS262によりYESの判断がなされて制御がS263へ進み、その選択された項目が表示部65に表示される。
モニター表示の具体例としては、例えば、自動洗浄時間、水押し時間、逆運転時間、廃液排出時間、濃縮循環槽2における満水異常レベルHH1、運転開始レベルH1、運転停止レベルL1、排出完了レベルLL1、現在水位、濃縮液中継槽3における満水異常レベルHH2、MV7を閉じるレベルH1、濃縮液送水ポンプ31を運転開始するレベルL2、濃縮液送水ポンプ31を停止させるレベルLL2、現在水位、さらには、濃縮回数(注ぎ足し回数)、バッチ回数等の、入力された各種運転設定値をモニター表示する。さらには、ONになっている各種エラーフラグに対応するエラー表示を行ってもよい。
次に、人工知能による機械学習を利用して最適な濾過制御を行う実施形態を図26〜図28に基づいて説明する。図26を参照して、多数の濾過処理装置の装置制御盤23の各々がインターネット60を介して人工知能サーバ55に接続されている。濾過処理装置の稼働中に発生する各種データが各装置制御盤23から人工知能サーバ55へ送信され、その送信されてきた各種データに基づいて人工知能サーバ5が機械学習を行い、その学習結果を反映した制御指令を各装置制御盤23へ返信する。このようなサービスを人工知能サーバ55がクラウドサービスとして実行してもよい。この人工知能サーバ55は、ノイマン型の一般的なコンピュータを用いているが、ニューラル・ネット・プロセッサー(NNP)を用いてもよい。NNPのチップ上には本物のニューロンをモデルにした「人工ニューロン」が多数搭載されており、各ニューロンはネットワークでそれぞれ連携し合う。また、「量子アニーリング方式」を採用した量子コンピュータを用いてもよい。これにより、機械学習における最適化計算の所要時間を大幅に短縮できる。なお、「人工知能」とは、ソフトウェアエージェントを含む広い概念である。さらに、ディープラーニングと組み合わせて後述の機械学習を行ってもよい。
人工知能サーバ55には、学習データベース56と装置制御盤データベース57とが接続されている。学習データベース56には、強化学習における環境に相当する各種濾過環境と、当該濾過環境の状態を示す状態データsと、当該濾過環境に対して人工知能サーバ55が行う行為としての行為データaとが、各種濾過環境ごとに記憶されている。
濾過環境としては、例えば、食品工場からの廃液、機械研削工場からの廃液、石油化学プラント工場からの廃液、薬品工場からの廃液等の、濾過対象廃液の種類に応じて分類されている。また、例えば食品工場からの廃液を濾過する濾過環境であっても、対象としている食品の種類ごとに更に細分化して濾過環境を分類してもよい。また、分類された濾過環境ごとに廃液の成分を人工知能が知識として記憶すれば、より有益なサービスが提供可能となる。
状態データsは、各装置制御盤23から送信されてきたデータに基づいて、現時点における濾過環境における状態を特定するためのデータである。例えば、レベルセンサLS1の値が運転開始レベルH1から、運転停止レベルL1まで低下するのに要した時間や、ONになっているエラーフラグのデータに基づいたエラー情報等である。レベルセンサLS1がH1からL1にまで低下する時間が短ければ短いほど、濃縮循環槽2内の濃縮液が効率的に濃縮されたこととなり、この時間が短いほど高い報酬rを人工知能サーバ55の強化学習用エージェントエンジン56に与える。一方、発生したエラー情報に基づいて、エラーの発生頻度が低いほど高い報酬rを強化学習用エージェントエンジン56に与える。
各装置制御盤23は、レベルセンサLS1がH1からL1まで低下するのに要した時間をインターネット60を介して人工知能サーバ55へ送信する。また装置制御盤23は、前述した各エラーフラグのうちONとなっているエラーフラグのデータをインターネット60を介して人工知能サーバ55へ送信する。
人工知能サーバ55が対応する装置制御盤23へ指令する行為データaとしては、例えば、濃縮回数(注ぎ足し回数)NK、自動洗浄時間、逆運転時間、熱交換運転温度、濃縮液循環流量、洗浄液循環流量、濃縮圧力等である。
装置制御盤データベース57には各装置制御盤23に割り振られている制御盤IDに対応づけて当該装置制御盤23が現在濾過処理を行っている濾過環境が記録されている。
次に、図27(a)に基づいて人工知能サーバ55の制御回路を説明する。人工知能サーバ55は、制御中枢としてのCPU161、制御用プログラムや制御用データを記憶しているROM163、CPU161のワークエリアとして機能するRAM162が設けられている。また、データ用制御信号を転送するためのバス164と、外部装置とのデータの送受信を行うためのインタフェース部165が設けられている。まず、インターネット60を経由して信号やデータを送受信するための通信部166、オペレータに対して各種情報を表示するための表示部167、オペレータが人工知能サーバ55に対して入力操作するための入力操作部168等が設けられている。
次に、図27(b)に基づいて、強化学習の基本原理を説明する。人工知能サーバ55に記憶されている強化学習用エージェントエンジン56が濾過環境Sと情報のやりとりを行う。濾過環境Sは、離散的な状態の集合S={s|s∈S}でモデル化できる。そのような環境Sに対して強化学習用エージェントエンジン56が行為aを行うと、それに対する報酬rが得られる。機械学習用エージェントエンジン56は、濾過環境Sの状態sのデータを取得し、その状態sに基づいて行為aを決定し、濾過環境Sに対してその行為aを実行する。
このような人工知能サーバ55の制御プログラムを説明する。図27(c)は、人工知能サーバのメインルーチンが示されている。S270により、濾過環境分類処理が行われる。次にS271により強化学習処理が行われる。濾過環境分類処理は、現在濾過処理を行っている濾過処理装置がどの濾過環境に属するかを決定するものである。
具体的には図28(a)を参照して説明する。S275により装置制御盤23から濾過環境特定データが送信されてきたか否か判定される。この濾過環境特定データは、例えば、食品工場廃液、薬品工場廃液等の濾過対象廃液を特定するデータであり、オペレータが入力操作部64により手動入力して人工知能サーバ55へ送信することが考えられる。濾過環境特定データを受信すれば制御がS276へ進み、学習データベース56に既に記憶されている濾過環境のうち対応する濾過環境があるか否か判定される。対応する濾過環境がある場合には制御がS279へ進み、送信されてきた装置制御盤のIDに対応づけて対応する濾過環境を記憶する処理がなされる。次にS280により、濾過環境に対応する行為データaを学習データベース56から割り出して装置制御盤23に返信する処理がなされる。これを受けた装置制御盤23では、受信した行為データa(例えば、濃縮回数、自動洗浄時間、逆運転時間等)に従って濾過処理装置を制御する。その制御結果としての状態データsが再度インターネット60を経由して人工知能サーバ55へ送信されることとなる。
一方、装置制御盤23から送信されてきた濾過環境特定データが学習データベース56に記憶されている濾過環境に当てはまらない場合には、制御がS281へ進み、新たな濾過環境を作成して装置制御盤のIDに対応づけて装置制御盤データベース57に記憶する処理がなされる。次にS282へ進み、行為データaの初期値を装置制御盤23に要求する処理がなされる。これを受けた装置制御盤23は表示部65にその旨を表示し、それを見たオペレータが濾過環境に適していると思われる行為データaを入力操作部64から入力してインターネット60を経由して人工知能サーバ50へ送信する。
それを受けた人工知能サーバ55は、S277により、YESの判定を行い、S278により、その新たな濾過環境と行為データaの初期値とを学習データベース56に記憶する処理が行われる。
なお、新たな濾過環境に対する行為データaの初期値を人工知能サーバ55側で類推設定してもよい。その際には、新たに濾過する濾過対象液の大まかな成分等を入力操作部64から入力してもらってインターネット60経由で人工知能サーバ55へ送信してもらう。それを受けた人工知能サーバ55では、既に学習データベース56に記憶されている濾過環境ごとの濾過対象液(廃液)の成分に基づいて行為データaの初期値を決定する。これは、例えば、教師あり学習における回帰の手法を用いてもよい。回帰とは、入力から予測される妥当な出力値を求めるアルゴリズムである。未知データに対して妥当な出力値を求めるために、入力データがある関数に基づいてターゲットを出力していると考え、その関数を求める問題が回帰問題である。
次に、S271に示された強化学習処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図28(b)に基づいて説明する。S283により状態データsを受信したか否か判定される。受信してない場合にはこのサブルーチンプログラムがリターンする。
装置制御盤23は、状態データsと自己の制御盤IDとをインターネット60経由で人工知能サーバ55へ送信する。それを受信した場合には制御がS284へ進み、装置制御盤データベース57を検索して受信した制御盤IDに対応する濾過環境を割り出し、学習データベース56を検索して、その濾過環境に対応する状態データsを更新する処理が行われる。この更新は複数種類の手法が考えられる。まず考えられるものとしては、状態データsの全体の平均として更新する方法である。例えば濾過環境Aとしての状態データsを送信してきた装置制御盤23の数をNとし、今回新たに送信されてきた状態データをssとした場合に、更新された後の状態データは、(s×N+ss)/(N+1)となる。
2番目の考えられる手法としては、前述した全体としての平均と新たに送信してきた装置制御盤23固有の状態データとの2種類を用意し、それぞれ重み付けを掛けたデータを利用する方法である。全体としての平均状態データは前述の数式で算出できる。また固有状態データは制御盤IDごとに送信されてきた状態データを集計したデータである。全体平均状態データをszとし、固有状態データをskとし、全体平均状態データの重み付けをwg、固有状態データの重み付けをwdとした場合に、人工知能サーバ55が当該固有の装置制御盤23に対して行為データaを算出する場合には、状態データとして、w1×sz+w2×skを用いる。ただし、w1+w2=1である。
このようにすれば、各濾過処理装置固有の状態データをも加味した具体的妥当性のある行為データaを各装置制御盤23に対してフィードバックすることが可能となる。
状態データsを更新した後には制御がS285へ進み、報酬rを算出する処理がなされる。S283による状態データsの受信は、前回の行為データaを装置制御盤23へフィードバックしたその結果として装置制御盤23から送信されてくるデータであり、この結果データである状態データsに基づいて報酬rが算出される。例えば、レベルセンサLS1が運転開始レベルH1から運転停止レベルL1にまで低下するのに要した時間が短縮されておれば、高い報酬rを算出し、また、発生したエラーが少ないほど高い報酬rを算出する。
次にS286により、Q(a)=rとして、Q値が一番高い行為aを算出する処理がなされる。行為aの価値をQ(a)と定義し、学習過程によって正しいQ(a)の値(以下Q値という)が得られれば、Q値を最大とする行為が学習の結果となる。最初は、行為aを行ってどれだけの報酬が得られるか分からないために、すべての行為aについてQ(a)の値を0初期化しておく。次に、可能なaを順番に行って、そのときの報酬rを取得する。そして、各aについてQ(a)=rとして、Q値が一番高いaを求める。学習データベース56に記憶されている行為データaを、S286により算出された新たな行為データaに更新してその行為データaを対応する装置制御盤23へ送信してフィードバックする処理が行われる。
以上説明した実施形態には次の発明が開示されている。
(1) 特開2014−14745号に記載の廃水処理設備では、例えば、水は通すが油分等の汚濁物質は遮断するような微細な穴が空いている限外濾過膜を筒状にし、その筒内に産業排水を圧送して流すことにより水を濾過して汚濁物質と分離していた。そして、設備の停止時に限外濾過膜に水を流して洗浄している。しかし、水を確保することが困難な地域(例えば砂漠地帯)では洗浄用の水を十分に確保することが困難であり、十分な洗浄を行うことができないという不都合が生じる。また、水道が完備された地域において水道水を用いて洗浄した場合には、その水道水の使用料に応じて水道料金が加算される不都合が生じる。
係る実情に鑑み考え出された濾過処理装置は、濾過膜(例えば、UF膜チューブ15)を用いてクロスフロー方式で濾過対象液を濾過して処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置であって、
前記濾過膜に沿って濾過対象液を流して濾過するための濾過処理部(例えば、チューブラ式膜分離装置10)と、
濾過処理によって前記濾過膜に付着した付着物を洗浄するための洗浄手段(例えば、膜洗浄槽8、装置制御盤23、三方弁36,37,38、受止め機構18、スポンジボール17)と、
前記処理済み液を回収して貯留するための処理済み液貯留槽(例えば、膜洗浄槽8)と、を備え、
前記洗浄手段は、前記濾過膜に沿って洗浄用液体を流すための洗浄用液体クロスフロー手段(例えば、膜洗浄槽8、図24(a)の工程切換え処理、図24(b)の洗浄工程流路切換え処理)を含み、
前記洗浄用液体クロスフロー手段は、前記処理済み液貯留槽に貯留されている処理済み液を前記洗浄用液体として使用するための処理済み液使用手段(例えば、S79、モータバルブMV6)を有する。
このような構成により、濾過することによって生じる処理液を有効利用して濾過膜に付着した付着物を洗浄することができる。
(2) 特開2014−14745号に記載の廃水処理設備では、水(又は洗浄液)を貯留する洗浄液タンクを設け、設備の停止時に限外濾過膜に水(又は洗浄液)を流して洗浄している。その限外濾過膜を通過した洗浄液を再び洗浄液タンクに戻している。
しかし、洗浄開始時においては限外濾過膜内に未だ産業排水が残存しており、その産業排水が水(又は洗浄液)に押し出されて洗浄液タンクに戻される。その結果、洗浄液タンク内の水(又は洗浄液)に産業排水が混じり汚れた水(又は洗浄液)になってしまう欠点があった。
このような欠点を解消するべく、洗浄開始時に押し出された産業排水を洗浄液タンクに戻すことなく廃棄した場合には、廃棄料金が高くつく不都合が生じる。つまり、産業廃棄物を廃棄するにあたっては、その廃棄物の種類と廃棄量に応じた料金が定めらており、廃棄量が増えれば廃棄料金も増加する。
係る実情に鑑み考え出された濾過処理装置は、濾過膜(例えば、UF膜チューブ15)を用いてクロスフロー方式で濾過対象液を濾過して処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置であって、
前記濾過対象液を貯留すると共に該濾過対象液が前記濾過膜に供給されて濾過された後の濃縮液を受入れて貯留するための濃縮循環槽(例えば、濃縮循環槽2)と、
前記濾過膜に沿って濾過対象液を流して濾過するための濾過処理部(例えば、チューブラ式膜分離装置10)と、
濾過処理によって前記濾過膜に付着した付着物を洗浄用液体で洗浄するための洗浄手段(例えば、膜洗浄槽8、装置制御盤23、三方弁36,37,38、受止め機構18、スポンジボール17)と、
前記濾過処理部により濾過対象液を濾過する濾過工程(例えば、図1と図10)から前記洗浄用液体を流して前記濾過膜を洗浄する洗浄工程(例えば、図12と図13)に切り換えるための工程切換え手段(例えば、図22(b)の工程切換え処理、図23(b)の工程切換え処理)と、
前記濾過工程から前記洗浄工程に切り換わるときに、残存している濾過対象液を前記洗浄用液体で押し流すための押し流し手段(例えば、図23(c)の水押し工程流路制御処理)と、
前記押し流し手段により押し流された濾過対象液を前記濃縮循環槽に還元する濾過対象液還元手段(例えば、S217、S218、モータバルブMV3、MV4、MV9)と、を備えた。
このような構成によれば、押し流し手段により押し流された濾過対象液が濃縮循環槽に還元されてさらなる濃縮が可能となり、濾過対象液の廃棄量を極力減少させることができる。
また、前記押し流し手段による押し流し時間を変更設定するための押し流し時間設定手段(例えば、S70、S71)をさらに備えてもよい。
さらに、前記洗浄用液体を貯留する洗浄液貯留槽(例えば、膜洗浄槽8)をさらに備え、
前記洗浄手段は、前記押し流し手段による押し流しが終了した後に実行される前記洗浄工程において、前記濾過膜洗浄後の洗浄用液体を前記洗浄液貯留槽に還元する(例えば、S242、S243、モータバルブMV9)。
(3) 濾過膜を用いてクロスフロー方式で濾過対象液を濾過して処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置においては、種々の工程を経て濾過が進行する。
この発明は、良好な濾過処理を行うために必要な各工程を自動的に切換えて人為的操作を極力省くことのできる濾過処理装置を提供することを目的とする。
係る実情に鑑み考え出された濾過処理装置は、濾過膜ユニット(例えば、チューブラ式膜分離装置10)内に設けられた濾過膜(例えば、UF膜チューブ15)を用いてクロスフロー方式で濾過対象液を濾過して処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置であって、
濃縮循環槽(例えば、濃縮循環槽2)に貯留されている濾過対象液を前記濾過膜ユニットに供給して前記濾過膜で濾過することにより分離された濃縮液を濃縮循環槽に還元する濃縮還元工程を実行する濃縮還元手段(例えば、S197、S198、モータバルブMV1、MV2、MV3、MV4、MV9)と、
洗浄用液体を前記濾過膜ユニットに供給して該濾過膜ユニット内に残存している濾過対象液を押し流して前記濃縮循環槽に還元する押し流し工程を実行する押し流し手段(例えば、図23(c)の水押し工程流路制御処理)と、
前記濾過膜に付着した付着物を洗浄用液体で洗浄する洗浄工程を実行する洗浄手段(例えば、膜洗浄槽8、装置制御盤23、三方弁36,37,38、受止め機構18、スポンジボール17)と、
前記濃縮還元工程、前記押し流し工程、前記洗浄工程の順に実行する工程を自動的に切換える工程切換え制御を実行する工程切換え制御手段(例えば、図21(a)の流路切換え処理)と、を備え、
前記工程切換え制御手段は、前記洗浄工程の終了後再度前記濃縮還元工程に戻り前記工程切換え制御を繰り返し実行する(例えば、S231〜S233)。
(4) 特開2014−14745号に記載の廃水処理設備では、設備の停止時に限外濾過膜に水を流して洗浄している。しかし、濾過対象液の種類に適した濾過処理を行うことが困難であるという欠点があった。
係る実情に鑑み考え出された濾過処理装置は、濾過膜(例えば、UF膜チューブ15)を用いてクロスフロー方式で濾過対象液を濾過して処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置であって、
前記濾過膜に沿って濾過対象液を流して濾過するための濾過処理部(例えば、チューブラ式膜分離装置10)と、
濾過処理によって前記濾過膜に付着した付着物を洗浄するための洗浄手段(例えば、膜洗浄槽8、装置制御盤23、三方弁36,37,38、受止め機構18、スポンジボール17)と、
前記濾過対象液の種類に応じて分類された各濾過環境毎(例えば、図26の濾過環境A、B・・・)に適応した知識を獲得する機械学習を行うための機械学習手段(例えば、人工知能サーバ55)と、を備え、
前記機械学習手段は、前記濾過処理部での濾過による濾過対象液の濾過効率を特定可能なデータを前記濾過環境に対する状態(例えば、図26の状態データs)として入力する
と共に、前記濾過効率に影響する制御を前記濾過環境に対する行為(例えば、図26の行為データa)として出力し、前記入力と出力とを繰り返すことにより前記濾過効率を向上させるための強化学習を行う強化学習手段(例えば、図26(b)の強化学習処理)を含む。
このような構成により、強化学習の結果を反映した濾過処理が可能となり、濾過処理性能を向上させることができる。
(5) 特開2014−14745号に記載の廃水処理設備では、限外濾過膜に水を流して洗浄している。設備を停止するべく限外濾過膜へ原液を供給するポンプを停止した際に、そのポンプにおいて原液(濃縮液)の逆流が生じる場合がある。逆流が生じた場合には、限外濾過膜が負圧となる。この限外濾過膜が例えば保形力のないチューブで構成されていた場合には、負圧に起因して処理水が逆流して限外濾過膜のチューブが潰れて扁平な形になる不都合が生じる。
係る実情に鑑み考え出されたこの発明の目的は、濾過膜チューブへの濾過対象液の供給を停止した際に濾過膜チューブ内が負圧となる不都合を解消することである。
この発明は、濾過膜チューブ(例えば、UF膜チューブ15)を用いて濾過対象液を濾過して処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置であって、
前記濾過膜チューブへ濾過対象液を送り込む送込み手段(例えば、循環ポンプ33)と、
前記送込み手段による原液の送り込みが停止したときに、前記濾過膜チューブ内と外気とを連通させる連通手段(例えば、モータバルブMV8)とを、備えた。
これにより、濾過膜チューブへの濾過対象液の供給を停止した際に濾過膜チューブ内が負圧となる不都合を解消することができる。
以上説明した実施形態の特徴点や変形例等を以下に記載する。
水押し工程において、残存している濾過対象液と洗浄用液体とが拭浄体(例えばスポンジボール)で仕切られて区分された状態で濾過対象液を押し流すように構成してもよい。つまり、濾過処理部に残存している濾過対象液を押し流し手段により押し流す際に、残存している濾過対象液と洗浄用液体とが拭浄体で仕切られて区分された状態で濾過対象液を押し流すように構成する。これにより、濾過処理部に残存している濾過対象液と洗浄用液体とが混ざり合うことを極力防止した上で濾過対象液を押し流すことができ、効果的に濾過対象液を押し流すことができる。
前述の実施形態では、UF膜(限外濾過膜)の材質としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いたが、それ以外の材質のものを用いてもよい。また、前述の実施形態では、濾過膜の一例としてUF膜(限外濾過膜)を採用したが、濾過膜はこれに限定されない。例えば、MF膜(精密ろ過膜)等であってもよい。また、RO膜(逆浸透)、NF膜(ナノ濾過膜)を用いてイオンレベルの分離濃縮を可能にしてもよい。なお、膜の細孔径としては、RO膜は塩除去率が約99〜99.8%、NF膜は塩除去率が約40〜97%、UF膜は膜孔径が約0.001〜0.01μm、MF膜は膜孔径が約0.01〜10μm程度である。
また、前述の実施形態では、スポンジボールの材質としてウレタン系を用いたが、これに限らず、ビニル系、ゴム系、ポリエチレン系を用いてもよい。
前述の実施形態では、設定値として入力される自動洗浄時間(S69)、水押し時間(S71)、逆運転時間(S73)、熱交換運転温度(S85)、処理流量低下値SR(S91)、循環流量の上限JRUと下限JRL(S93)、濃縮排出エラー時間NHT(S97)等を、変動しない固定値とした。しかし、これらの値を濃縮工程の進行度合い(例えば現時点での濃縮回数NKや濃縮工程の経過時間等)および/または洗浄工程の進行度合い等に応じて、最適な値に変動させるように制御してもよい。このような変動制御(動的な最適化制御)を前述の人工知能サーバ55による機械学習(例えば強化学習)を用いて行えば、人手を極力省いて実現可能となる。
前述の実施形態で示された濾過装置を遠隔監視できるように制御してもよい。例えば、現場に設置された濾過装置にイーサネットユニットを内蔵し、PLC(Programmable Logic Controller)を経由することにより、下記のようなことを可能にする。
a 濾過装置が運転記録をメール送信する。
b 濾過装置が異常発生時にメール送信をする。
c PCからのメールを受信した濾過装置が異常をリセットする。
d PCからのメールを受信した濾過装置が運転を開始・停止する。
前述の実施形態で示された原液送水ポンプ27は、メカニカルシールのポンプを用いている。これは、例えば、ポンプ軸がケーシングを貫通する箇所にシールが設けられ、ケーシングの内部と外部とを遮断し、内部液の漏洩や外部からの空気または液体の浸入を防ぐものである。このメカニカルシールのポンプに代えて、マグネットポンプ(シールレスポンプの一種)を用いてもよい。このマグネットポンプは、シールポンプ(sealed pumps)の軸シールの機構上どうしても避けられないシールからの液漏れを防ぐため、動力伝達シャフトをポンプの外側から内側へ貫通させるのをやめ、ポンプケーシングの壁を隔てて永久磁石や電磁石で動力伝達をするようにしたものである。したがって軸シールがないのであるから洩れも全くない。これがマグネットポンプの特徴である。この無漏洩の特質は信頼性と安全性を生む。また、原液送水ポンプ27以外のポンプ(pH調整水ポンプ30、アルカリ注入ポンプ28、酸注入ポンプ29、循環ポンプ33、処理水送出しポンプ34、洗浄剤注入ポンプ32、濃縮液送水ポンプ31)も、メカニカルシールのポンプの代わりにマグネットポンプを用いてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 原水槽
2 濃縮循環槽
3 濃縮液中継槽
4 濃縮貯留槽
8 膜洗浄槽
10 チューブラ式膜分離装置
14 ハウジング
15 UF膜チューブ
17 スポンジボール
18 保持筒
19 ストレーナ
23 装置制御盤
55 人工知能サーバ
56 学習データベース
108 液出入り口

Claims (6)

  1. チューブラ式濾過膜を用いてクロスフロー方式で濾過対象液を濾過して処理済み液と濃縮液とに分離する濾過処理装置であって、
    前記チューブラ式濾過膜が内蔵され、該チューブラ式濾過膜内に濾過対象液を流して濾過するための濾過処理部と、
    前記濾過対象液を貯留すると共に該濾過対象液が前記濾過処理部に供給されて濾過された後の濃縮液を受入れて貯留するための濃縮循環槽と、
    濾過処理によって前記チューブラ式濾過膜内面に付着した付着物を洗浄する手段であって、前記チューブラ式濾過膜内面に接触している拭浄体を移動させて該チューブラ式濾過膜内面に付着した付着物を拭い取る洗浄手段と、
    を備え、
    前記洗浄手段は、前記チューブラ式濾過膜に沿って洗浄用液体を流すための洗浄用液体クロスフロー手段を含み、
    前記濾過処理装置は、前記チューブラ式濾過膜内を移動して前記濾過処理部から出てきた前記拭浄体を交換するための交換機構と、
    前記濾過処理部により濾過対象液を濾過する濾過工程から前記洗浄用液体を流して洗浄する洗浄工程に切り換えるための工程切換え手段と、
    前記濾過工程から前記洗浄工程に切り換わるときに、残存している濾過対象液を前記洗浄用液体で押し流して前記濃縮循環に還元するための押し流し手段と、をさらに備えていることを特徴とする、濾過処理装置。
  2. 前記濾過処理部は、第1か所と第2か所とに形成された濾過対象液の出入り口を有し、一方の前記出入り口から進入した濾過対象液が他方の前記出入り口に到達するまでの移動経路が1本となるように構成されており、
    前記拭浄体は、液体のクロスフローにより移動して該チューブラ式濾過膜内面に付着した付着物を拭い取り、
    前記交換機構は、前記チューブラ式濾過膜内を移動して前記出入り口から出てきた前記拭浄体を受止めると共に、濃縮液の通過は許容する拭浄体受止め機構を有し、
    前記拭浄体受止め機構は、受止めた前記拭浄体を取出して交換可能にするための取出し機構を有することを特徴とする、請求項1に記載の濾過処理装置。
  3. 前記移動経路が前記濾過処理部の全長よりも長くなるように、当該移動経路を前記濾過処理部内で屈曲させていることを特徴とする、請求項2に記載の濾過処理装置。
  4. 前記処理済み液を回収して貯留するための処理済み液貯留槽をさらに備え、
    前記洗浄用液体クロスフロー手段は、前記処理済み液貯留槽に貯留されている処理済み液を前記洗浄用液体として使用するための処理済み液使用手段を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の濾過処理装置。
  5. 前記濾過処理部により濾過対象液を濾過する濾過工程と前記洗浄手段による洗浄工程との実行時間を調整するための時間調整手段をさらに備えた、請求項1〜4の何れか1項に記載の濾過処理装置。
  6. 前記濃縮循環槽から前記濾過処理部を経由して前記濃縮循環槽に戻る濾過対象液の循環に伴って前記濾過処理部による濾過が進行することにより、前記濃縮循環槽内の濾過対象液が濃縮されて所定の貯留量まで減少したことに応じて、原液を前記濃縮循環槽内に注ぎ足すための原液注ぎ足し手段と、
    前記原液注ぎ足し手段による注ぎ足し回数が所定回数に達したことに応じて、前記濃縮循環槽内に貯留されている濃縮液を取り出すための濃縮液取り出し手段と、をさらに備えた、請求項1〜5の何れか1項に記載の濾過処理装置。
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