JP6917281B2 - 出力電流合成装置及び電力供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の逆変換回路の出力電流を合成する出力電流合成装置、及びこの出力電流合成装置を備えた電力供給装置に関する。
従来、インダクタンス成分を有する誘導電動機や誘導加熱装置などの負荷の出力を容量制御するにあたり、負荷に供給する交流電力の周波数を調節可能とした電力供給装置が利用されている。この電力供給装置は、商用電源から供給される交流電力を、一旦、順変換回路で直流電力に変換し、この直流電力をさらにインバータである逆変換回路で交流電力に変換することにより、所望の周波数の交流電力が得られるようにした構成が一般的に知られている。
このような電力供給装置における逆変換回路の最大出力は、主に逆変換回路に採用される電力制御用のスイッチング素子の容量によって決定される。このことから、電力供給装置では、スイッチング素子の電力許容範囲内で出力が小さい場合、例えば図8に示すような1つのブリッジ型、すなわち4つのスイッチング素子Qで1対のアームU,Vとなる簡単な回路構成で構成される。
しかしながら、より大きな出力容量が要求される場合、例えば図9に示すような一対のアームU,Vに多数のスイッチング素子Qを並列に接続して構成する必要がある(例えば、特許文献1参照)。図9に示すような逆変換回路は、特に周波数の低い領域で広く利用される回路構成であり、周波数が例えば数十kHz以上に高くなると、並列の各スイッチング素子Q間における僅かなインダクタンスの差により、各スイッチング素子Qに流れる電流にばらつきが生じる。
具体的には、図9において、出力端子tとの距離関係により、アームU4(V1)からアームU1(V4)の順でインダクタンスが大きくなるので、各スイッチング素子Qに流れる電流もその順に小さくなる。このことから、図10の電流波形図に示すように、インダクタンスの差が最も大きくなるアームU4(V1)とアームU1(V4)とで電流値に約20%〜30%のばらつきが生じている。このように、ばらつきが大きくなると、電流値が相対的に大きいスイッチング素子の定格によって逆変換回路の最大出力が制限されるため、一定の出力容量に対して、より多くのスイッチング素子が必要となり、回路構成が複雑となって、製造性の低減や装置コストの増大を生じるおそれがある。
そこで、例えばコアなどの磁性材にて構成されたバランサを用いて、各スイッチング素子に流れる電流のばらつきを防止する構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載のものは、例えば図11に示すように、円筒状に形成された複数の磁性体のコアTに、例えば4系統の逆変換回路に接続された導線Lから異なる組み合わせで選択される2本の導線Lを、電流方向が逆方向となる状態に挿通させる。すなわち、いずれか一方の導線LをコアTの軸方向の一端側から挿通させるとともに、いずれか他方の導線LをコアTの軸方向の他端側から挿通させる。この構成により、2本の導線Lに流れる電流値が同じ場合、コアTに発生する磁束が互いに打ち消し合う状態となり、コアTはインダクタとして作用しない。一方、電流値が異なる(ばらつき)場合には、コアTに電流値の差の大きさに対応して磁束が発生し、この発生する磁束に対するインダクタンスがコアTの両端に生じる。このインダクタンスが、2本の導線Lにそれぞれ流れる電流のばらつきを小さくする方向に作用する。そして、複数のコアTにて電流のばらつきを効率よく低減させ、アンバランス率を5%以下に抑制している。
また、特許文献3に記載のものは、例えば図12に示すように、長手方向の一端部に出力端子が設けられている一対の出力導体に、例えば4系統の逆変換回路(ブロック1〜4)を、アーム対U1−V1〜アーム対U4−V4を介して並列に接続する。そして、一対の出力端子から最も遠い位置に接続されるアーム対U4−V4の接続位置と一対の出力端子との間のインダクタンスを基準として、例えばアーム対U1−V1の接続位置と一対の出力端子との間のインダクタンスと基準との差と同じインダクタンスとなるように、アーム対U1−V1の導体間距離を広くする。同様にアーム対U2−V2、アーム対U3−V3それぞれの接続位置に応じてアーム対U2−V2、アーム対U3−V3それぞれの導体間距離を広くする。この構成により、インダクタンスの差による4系統の逆変換回路のそれぞれの出力電流にばらつきが生じることを抑制している。
特許第2816692号公報 特開平11−299252号公報 特許第4445216号公報
特許文献2に記載の電力供給装置では、逆変換回路が偶数系統の回路構成に限られ、汎用性に欠ける。これに対して、特許文献3に記載の電力供給装置では、逆変換回路が偶数系統の回路構成に限られず、汎用性の向上が図られる。しかし、アーム対U1−V1〜アーム対U3−V3それぞれの導体間距離を広くすることによってアーム対U1−V1〜アーム対U3−V3それぞれのインダクタンスを大きくする場合に、アームの導体幅が狭いほどインダクタンスは大きくなるが、一方でアームによる損失が増加する。
アームによる損失を低減するには相応の導体幅が必要であり、相応の導体幅を確保すると、逆変換回路の数が比較的多い場合に、必要なインダクタンスを得るための導体間距離が過度に大きくなってアームの構造が複雑となる虞がある。また、数十mm以上の導体間距離では、導体間距離を大きくしてもインダクタンスがあまり変化せず、必要なインダクタンスを得られない虞もある。そして、導体間距離の増大に伴い、アームの周囲への漏れ磁束が増大し、スイッチング素子及びその制御基板に対するノイズの増大が懸念され、また、スイッチング素子及びその制御基板が漏れ磁束によって誘導加熱されるローカルヒーティングも懸念される。
本発明は、このような問題点に鑑みて、簡単な構成で複数系統の逆変換回路の出力電流のばらつきを抑制でき、製造性の向上及び装置コストの低減を図ることができる出力電流合成装置及び電力供給装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の出力電流合成装置は、直流電力を交流電力に変換する複数の逆変換回路のそれぞれから出力される出力電流を合成して合成電流として出力する出力電流合成装置であって、前記逆変換回路毎に設けられ、前記逆変換回路の前記出力電流が流れる導体対と、前記導体対が並列に接続されている一対の出力導体と、前記一対の出力導体に設けられ、前記合成電流を出力する一対の出力端子と、少なくとも前記一対の出力導体において前記一対の出力端子から最も近い位置に接続されている前記導体対の各導体に設けられたインダクタと、を備え、前記インダクタは、互いに組み合わされることによって前記導体が挿通可能な環状体を形成し、且つ前記環状体の周上の二箇所で周方向にギャップをあけて分離可能な第1コア部材と第2コア部材とを有する出力電流合成装置。
また、本発明の一態様の電力供給装置は、直流電力を交流電力に変換する複数の逆変換回路と、前記出力電流合成装置と、を備える。
本発明によれば、簡単な構成で複数系統の逆変換回路の出力電流のばらつきを抑制でき、製造性の向上及び装置コストの低減を図ることができる出力電流合成装置及び電力供給装置を提供することができる。
本発明の実施形態を説明するための、電力供給装置の一例のブロック図である。 図1の電力供給装置の逆変換回路の回路図である。 図1の電力供給装置の出力電流合成部の模式図である。 図1の電力供給装置のアームの電流値を示す波形図である。 図3の出力電流合成部のインダクタの構成例を示す模式図である。 図3の出力電流合成部のインダクタの構成例を示す模式図である。 図5及び図6のインダクタのコアの構成例を示す模式図である。 従来の電力供給装置の逆変換回路の回路図である。 従来の他の電力供給装置の逆変換回路の回路図である。 図9に示す電力供給装置のアームの電流値を示す波形図である。 従来の他の電力供給装置の模式図である。 従来の他の電力供給装置の模式図である。
図1は、本発明の実施形態を説明するための、電力供給装置のブロック図である。図2は、図1の電力供給装置の逆変換回路の回路図である。図3は、図1の電力供給装置の出力電流合成部の模式図である。
〔電力供給装置の構成〕
図1に示す電力供給装置100は、電力変換回路200と、出力電流合成装置としての出力電流合成部300とを備えている。電力変換回路200は、商用交流電源である例えば三相交流電力を所定の周波数の交流電力に変換するものであり、1つの順変換回路210と、例えば4系統の逆変換回路220(ブロック1〜ブロック4)とを有している。なお、ブロックの数はこの限りではない。
順変換回路210は、商用交流電源である三相交流電力を直流電力に変換する。順変換回路210は、制御電極であるゲートを備えた能動的な整流素子である例えばサイリスタと、このサイリスタで整流した脈動を含む直流電力を平滑する平滑素子である例えばコンデンサやリアクトルを有している。サイリスタは、導通時間を制御することにより直流や交流出力の電圧又は電流が所定のものとなるように制御される。また、サイリスタ等の能動的な整流素子に替えて、受動的な整流素子である例えばダイオードを用いて整流してもよい。
図2に示すように、4系統の逆変換回路220は、順変換回路210で変換された直流電力が印加される一対の入力端子221を有している。これら入力端子221間には、例えばSi製又はSiC製のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの一対のスイッチング素子222が直列に接続された直列回路が、複数並列に接続されている。すなわち、一方のスイッチング素子222のソースが他方のスイッチング素子222のドレインに接続され直列回路が構成されている。なお、各スイッチング素子222のゲートには、図示しない位相同期ループ回路が送出する制御電圧信号が同時に入力される。位相同期ループ回路は、電力供給装置から出力される交流電力の周波数が負荷の共振周波数となるように制御する。
そして、スイッチング素子222A1,222B1,222C1,222D1にて第1の逆変換回路220(ブロック1)が構成され、スイッチング素子222A2,222B2,222C2,222D2にて第2の逆変換回路220(ブロック2)が構成され、スイッチング素子222A3,222B3,222C3,222D3にて第3の逆変換回路220(ブロック3)が構成され、スイッチング素子222A4,222B4,222C4,222D4にて第4の逆変換回路220(ブロック4)が構成される。
各直列回路におけるスイッチング素子222の接続点には、導体であるアームU1〜U4,V1〜V4が接続されている。アームU1〜U4,V1〜V4は、例えば導電性に優れた銅にて形成されたブスバー等が用いられる。そして、ブロック1には、ブロック1の出力電流が流れる導体対としてのアーム対U1−V1が接続されており、同様に、ブロック2にはアーム対U2−V2が接続されており、ブロック3にはアーム対U3−V3が接続されており、ブロック4にはアーム対U4−V4が接続されている。
また、4系統の逆変換回路220(ブロック1〜ブロック4)の正極側と負極側との間には、図示しないコンデンサがブロック毎に設けられている。なお、図2では、ブロック毎に設けられるコンデンサを入力端子221間に接続される等価コンデンサCとして示す。
図3に示すように、出力電流合成部300は、4系統の逆変換回路220(ブロック1〜ブロック4)から出力される電流の大きさを均等にして4系統の出力電流のバランスを取るものである。この出力電流合成部300は、複数のインダクタ310と、一対の出力導体320と、一対の出力端子330と、を有している。
一対の出力導体320は、アーム対U1−V1〜アーム対U4−V4が接続され、4系統の逆変換回路220から出力される出力電流を合成する。この出力導体320としては、例えば導電性に優れる銅にて形成されたブスバー等が用いられる。そして、この出力導体320の長手方向の一端に、出力端子330が設けられている。一対の出力端子330は、一対の出力導体320にて合成された合成電流を出力する。一対の出力端子330は、例えば誘導電動機や誘導加熱コイルなどの負荷に接続され、一対の出力導体320にて合成された合成電流を負荷に供給し、負荷を機能させる。
アーム対U1−V1〜アーム対U4−V4は、4系統の逆変換回路220(ブロック1〜ブロック4)が並列状態となるように、一対の出力導体320の長手方向に適宜な間隔をあけて並列に接続されている。一対の出力導体320の長手方向の一端に設けられている一対の出力端子330から、一対の出力導体320におけるアーム対U1−V1〜アーム対U4−V4それぞれの接続位置までの距離は互いに異なり、この距離に応じて、ブロック1〜ブロック4それぞれの一対の出力導体320に由来するインダクタンスも互いに異なる。
本例では、アーム対U1−V1が一対の出力端子330から最も近い位置に接続されており、アーム対U1−V1、アーム対U2−V2、アーム対U3−V3、アーム対U4−V4の順に、一対の出力端子330からアーム対それぞれの接続位置までの距離が大きくなっている。ここで、一対の出力導体320が銅板からなり、その導体幅が100mmであり、その導体間距離が2mmであり、また、アーム対U1−V1〜アーム対U4−V4が一対の出力導体320の長手方向に160mmの間隔をあけて並列に接続されている場合に、ブロック1〜ブロック4それぞれの一対の出力導体320に由来するインダクタンスを測定すると、ブロック4に対してブロック3は約36nH小さく、ブロック2で約72nH小さく、ブロック1で約108nH小さい。
例えばアームU1〜U4,V1〜V4が銅板からなり、アームによる損失を考慮して、その導体幅を50mmとし、その導体長を200mmとし、また、アーム対U4−V4の導体間距離を1mmとした場合に、アーム対U4−V4に由来するブロック4のインダクタンスは、計算値で25nHとなる。そして、アーム対U1−V1〜アーム対U3−V3それぞれの導体間距離をアーム対U4−V4の導体間距離よりも大きくすることによってブロック1〜ブロック4それぞれのインダクタンス(一対の出力導体320に由来するインダクタンスとアーム対に由来するインダクタンスとの和)を同値とすると、アーム対U3−V3に必要な導体間距離は約12mmとなり、アーム対U2−V2に必要な導体間距離は約19mmとなり、アーム対U1−V1に必要な導体間距離は約26mmとなる。出力電流合成部300では、アーム対の導体間距離を大きくすることに替えて、インダクタ310を用い、ブロック1〜ブロック4それぞれのインダクタンスが同値とされている。
インダクタ310は、少なくとも一対の出力端子330から最も近い位置に接続されているアーム対U1−V1の各アームに設けられ、本例では、一対の出力端子330から最も遠い位置に接続されているアーム対U4−V4を除くアーム対U1−V1、アーム対U2−V2、アーム対U3−V3の各アームに設けられている。そして、各インダクタ310のインダクタンスは、ブロック4に対するブロック1〜ブロック3それぞれの一対の出力導体320に由来するインダクタンスの差を相殺するように設定されている。
例えば、ブロック1の一対の出力導体320に由来するインダクタンスがブロック4の一対の出力導体320に由来するインダクタンスよりも108nH小さいとして、アームU1に設けられているインダクタ310U1のインダクタンスと、アームV1に設けられているインダクタ310V1のインダクタンスとは、それぞれ54nHに設定され、合計が108nHに設定され。同様に、ブロック2の一対の出力導体320に由来するインダクタンスがブロック4の一対の出力導体320に由来するインダクタンスよりも72nH小さいとして、アームU2に設けられているインダクタ310U2のインダクタンスと、アームV2に設けられているインダクタ310V2のインダクタンスとは、それぞれ36nHに設定され、両者の合計が72nHに設定される。また、ブロック3の一対の出力導体320に由来するインダクタンスがブロック4の一対の出力導体320に由来するインダクタンスよりも36nH小さいとして、アームU3に設けられているインダクタ310U3のインダクタンスと、アームV3に設けられているインダクタ310V3のインダクタンスとは、それぞれ18nHに設定され、両者の合計が36nHに設定される。
〔電力供給装置の動作〕
次に、上記電力供給装置の動作について図面を参照して説明する。図4は、アームV1の電流値とアームV4の電流値との関係を示す波形図である。
まず、商用電源から供給される交流電力が、電力変換回路200の順変換回路210にて所定の直流電力に変換される。この変換された直流電力は、電力変換回路200の4系統の逆変換回路220(ブロック1〜ブロック4)にて所定の周波数(高周波)の交流電力に変換され、アーム対U1−V1〜アーム対U4−V4を介して出力電流合成部300に出力される。ブロック1〜ブロック4それぞれのインダクタンスは、アーム対U1−V1、アーム対U2−V2、アーム対U3−V3の各アームに設けられているインダクタ310によって同値となっているので、一対の出力導体320にて良好に合成され、一対の出力端子330から合成電流として出力される。具体的には、図4に示すように、一対の出力端子330から最も近い位置に接続されているアーム対U1−V1のアームV1に流れる電流値と、最も遠い位置に接続されているアーム対U4−V4のアームV4に流れる電流値とがほぼ同値となる。
このように、少なくとも一対の出力端子330から最も近い位置に接続されているアーム対U1−V1の各アームに設けられ、好ましくは一対の出力端子330から最も遠い位置に接続されているアーム対U4−V4を除くアーム対U1−V1、アーム対U2−V2、アーム対U3−V3の各アームに設けられるインダクタ310によって、4系統の逆変換回路220の出力電流の均衡がとられるので、逆変換回路220の系統数の増減が容易にでき、汎用性に富み、製造性も向上できる。そして、4系統の逆変換回路220の出力電流の均衡をとるうえで、アーム対U1−V1〜アーム対U4−V4それぞれ接続位置との関係で各アーム対の導体間距離を変更する必要がないので、導体間距離を大きくすることによって発生する漏れ磁束の増大を抑制でき、漏れ磁束の増大に起因するノイズの増大やローカルヒーティングも抑制できる。なお、一対の出力端子330から最も遠い位置に接続されているアーム対U4−V4の各アームにもインダクタが設けられてもよい。この場合、アーム対U1−V1〜アーム対U3−V3の各アームに設けられるインダクタのインダクタンスは、一対の出力導体320に由来するインダクタンスの差に、アーム対U4−V4の各アームに設けられるインダクタのインダクタンスが加算されたものとなる。
さらに、例えばアーム対U1−V1のアームU1に流れる電流値とアームV1に流れる電流値とがずれる場合もあるが、アームU1に設けられているインダクタ310U1のインダクタンスと、アームV1に設けられているインダクタ310V1のインダクタンスとの合計を一定として、インダクタ310U1のインダクタンスと、インダクタ310V1のインダクタンスとを適宜増減することにより、アームU1に流れる電流値とアームV1に流れる電流値とを均衡させることもできる。同様にして、アームU2に流れる電流値とアームV2に流れる電流値とを均衡させることができ、アームU3に流れる電流値とアームV3に流れる電流値とを均衡させることができ、結果的にアームU4に流れる電流値とアームV4に流れる電流値とを均衡させることができる。なお、アーム対U4−V4の各アームにもインダクタが設けられる場合に、これらのインダクタによってアームU4に流れる電流値とアームV4に流れる電流値とを均衡させてもよい。
次に、図5〜図7を参照して、インダクタ310の構成例について説明する。
インダクタ310は、例えば磁性材にて形成された環状のコアの内周側にアームが挿通されることによって構成される。図5及び図6には、アーム対U1−V1のアームU1に設けられるインダクタ310U1とアームV1に設けられるインダクタ310V1とが示されているが、他のアームに設けられるインダクタ310も同様に構成される。
アーム対U1−V1が接続されている逆変換回路220(ブロック1)は、スイッチング素子222A1,222B1,222C1,222D1を含み、スイッチング素子222A1,222B1,222C1,222D1は、個々にモジュール化されている。直列回路を構成するスイッチング素子222A1とスイッチング素子222B1とは、一対の出力導体320の背後で、一対の出力導体320の左右に分かれて互いに隣設されている。同様に、直列回路を構成するスイッチング素子222C1とスイッチング素子222D1とは、一対の出力導体320の背後で、一対の出力導体320の左右に分かれて互いに隣設されている。そして、スイッチング素子222A1及びスイッチング素子222B1と、スイッチング素子222C1及びスイッチング素子222D1とは、一対の出力導体320の長手方向に隣り合って設置されている。
アームU1は、スイッチング素子222A1とスイッチング素子222B1とを直列に接続しているブスバー311U1と、ブスバー311U1に接合されているブスバー312U1と、ブスバー312U1に接合されている板状のブラケット313U1と、ブラケット313U1と一方の出力導体320とを接続しているロッド314U1とを有する。同様に、アームV1は、スイッチング素子222C1とスイッチング素子222D1とを直列に接続しているブスバー311V1と、ブスバー311V1に接合されているブスバー312V1と、ブスバー312V1に接合されている板状のブラケット313V1と、ブラケット313V1と他方の出力導体320とを接続しているロッド314V1とを有する。ブスバー311U1,311V1、ブスバー312U1,312V2、ブラケット313U1,313V1、及びロッド314U1,314V1は、例えば導電性に優れる銅にて形成されている。
なお、スイッチング素子222A1とスイッチング素子222B1とは、いわゆる2in1モジュールとして、一体にモジュール化されていてもよく、この場合に、2つのスイッチング素子222A1,222B1はモジュールの内部で直列に接続されるので、ブスバー311U1は省略され、ブスバー312U1はモジュールの端子に接続される。同様に、スイッチング素子222C1とスイッチング素子222D1もまた、一体にモジュール化されていてもよく、この場合に、ブスバー311V1は省略され、ブスバー312V1はモジュールの端子に接続される。
ブスバー312U1とブスバー312V1とは、両者の間に絶縁板315を挟み、一対の出力導体320に向けて互いに平行に延びている。アーム対U1−V1の導体間距離を大きくすることによってブロック1のインダクタンスをブロック4のインダクタンスと同値とする場合には、ブスバー312U1とブスバー312V1との距離、即ち絶縁板315の厚みが大きくされるが、インダクタ310U1及びインダクタ310V1によってブロック1のインダクタンスをブロック4のインダクタンスと同値とする本例では、アーム対U1−V1の絶縁板315の厚みと、アーム対U4−V4の絶縁板315の厚みとは同じである。インダクタ310U1及びインダクタ310V1によってブロック1のインダクタンスが調節されるので、ブスバー312U1及びブスバー312V1の導体幅がインダクタンスとの関係で制限されず、そこでブスバー312U1及びブスバー312V1を比較的幅広(例えば導体幅50mm)な平板状のブスバーとして、損失を低減することができる。
ブスバー312U1の先端部は、一対の出力導体320に沿って折り曲げられており、折り曲げられた先端部には、略L字状に形成されたブラケット313U1が接合されている。ブスバー312V1の先端部は、一対の出力導体320に沿って、ブスバー312U1とは逆向きに折り曲げられており、折り曲げられた先端部には、略L字状に形成されたブラケット313V1が接合されている。ブラケット313U1とブラケット313V1とは、一対の出力導体320の長手方向に適宜ずれて配置されている。
そして、ブラケット313U1は、一方の出力導体320との間に間隔をあけて、この出力導体320に対向して配置されており、この出力導体320とブラケット313U1とはロッド314U1によって接続されている。アームU1に設けられるインダクタ310U1は、環状のコア316U1を有し、コア316U1の内周側にロッド314U1が挿通されることによって構成されている。
一方、ブラケット313V1は、他方の出力導体320との間に間隔をあけて、この出力導体320に対向して配置されており、この出力導体320とブラケット313V1とはロッド314V1によって接続されている。アームV1に設けられるインダクタ310V1は、環状のコア316V1を有し、コア316V1の内周側にロッド314V1が挿通されることによって構成されている。
図7は、コア316の構成例を示す。
図7に示すコア316は、第1コア部材401と、第2コア部材402とを有する。第1コア部材401と第2コア部材402とは、双方が半円状に形成され、互いに同一形状であり、互いに組み合わされることによって、アーム(ロッド314)が挿通可能な略円形の環状体を形成する。そして、第1コア部材401と第2コア部材402とが組み合わされてなる略円形の環状体は、環状体の周上の二箇所で周方向にギャップGをあけて分離可能に構成されている。環状体の周上の二箇所にあけられたギャップGには絶縁体403が挟み込まれる。
環状体の内周側にロッド314が挿通され、且つギャップGがあけられる場合には絶縁体403がギャップGに挟み込まれた状態で、例えば第1コア部材401と第2コア部材402との外周に結束バンド等が巻き付けられ、第1コア部材401と第2コア部材402とが固定される。以上により構成されるインダクタ310のインダクタンスは、ギャップGの大きさ、すなわち絶縁体403の厚みによって調節され、インダクタ310のインダクタンスを大きくする場合には、絶縁体403の厚みが小さくされる。なお、コア316の内周とロッド314の外周との間に環状の絶縁体を配置し、コア316の略中心にロッド314が配置されるようにしてもよい。
4系統の逆変換回路220(ブロック1〜ブロック4)の出力電流の均衡をとるには、相対的に大きいインダクタンスが必要となるアーム対U1−V1の各アームに設けられるインダクタ310U1,310V1の絶縁体403の厚みを相対的に小さくし、相対的に小さいインダクタンスで足りるアーム対U3−V3の各アームに設けられるインダクタ310U3,310V3の絶縁体403の厚みを相対的に大きくすればよい。
絶縁体403としては、例えば一枚又は積層された複数枚のシートを好適に用いることができ、シートの枚数によって、インダクタ310のインダクタンスを微細に且つ正確に調節可能である。
このように、インダクタ310が、分離可能な第1コア部材401と第2コア部材402とを有することにより、単一種の第1コア部材401と第2コア部材402とによってもインダクタ310のインダクタンスを多様に設定できる。これにより、製造性の向上及び装置コストの低減を図ることができる。本例では、第1コア部材401と第2コア部材402とが同一形状であるので、コストのさらなる低減を図ることができる。なお、第1コア部材401と第2コア部材402とは、半円状に限定されず、互いに組み合わされた状態でアームが挿通可能であれば、例えばU字状、コ字状等であってもよい。
100 電力供給装置
220 逆変換回路
222 スイッチング素子
300 出力電流合成装置としての出力電流合成部
310 インダクタ
320 出力導体
330 出力端子
401 第1コア部材
402 第2コア部材
403 絶縁体
U1〜U4,V1〜V4 導体としてのアーム

Claims (7)

  1. 直流電力を交流電力に変換する複数の逆変換回路のそれぞれから出力される出力電流を合成して合成電流として出力する出力電流合成装置であって、
    前記逆変換回路毎に設けられ、前記逆変換回路の前記出力電流が流れる導体対と、
    前記導体対が並列に接続されている一対の出力導体と、
    前記一対の出力導体に設けられ、前記合成電流を出力する一対の出力端子と、
    少なくとも前記一対の出力導体において前記一対の出力端子から最も近い位置に接続されている前記導体対の各導体に設けられたインダクタと、
    を備え、
    前記インダクタは、互いに組み合わされることによって前記導体が挿通可能な環状体を形成し、且つ前記環状体の周上の二箇所で周方向にギャップをあけて分離可能な第1コア部材と第2コア部材とを有する出力電流合成装置。
  2. 請求項1記載の出力電流合成装置であって、
    前記インダクタは、前記一対の出力導体において前記一対の出力端子から最も遠い位置に接続されている前記導体対を除いた前記導体対の各導体に設けられている出力電流合成装置。
  3. 請求項1又は2記載の出力電流合成装置であって、
    前記一対の出力導体において前記一対の出力端子から近い位置に接続される前記導体対の各導体の前記インダクタほど、前記ギャップが小さい出力電流合成装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項記載の出力電流合成装置であって、
    前記インダクタの前記ギャップには、絶縁体が挟み込まれている出力電流合成装置。
  5. 請求項4記載の出力電流合成装置であって、
    前記絶縁体は、一枚又は積層された複数枚のシートである出力電流合成装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項記載の出力電流合成装置であって、
    前記第1コア部材と前記第2コア部材とは同一形状である出力電流合成装置。
  7. 直流電力を交流電力に変換する複数の逆変換回路と、
    請求項1から6のいずれか一項記載の出力電流合成装置と、
    を備える電力供給装置。
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