JPH09117125A - 並列回路の配線構造 - Google Patents

並列回路の配線構造

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JPH09117125A
JPH09117125A JP7271422A JP27142295A JPH09117125A JP H09117125 A JPH09117125 A JP H09117125A JP 7271422 A JP7271422 A JP 7271422A JP 27142295 A JP27142295 A JP 27142295A JP H09117125 A JPH09117125 A JP H09117125A
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JP
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magnetic
conductor
parallel
parallel circuit
wiring structure
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JP7271422A
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Inventor
Masaya Inoue
正哉 井上
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の並列回路の配線構造では、相互インダ
クタンスの影響を逃れるために各配線間の距離が増大し
て配線構造が大型化する課題がある。 【解決手段】 能動素子あるいは受動素子を含む並列接
続される複数の回路をそれぞれ接続する導体のいずれか
に、磁気的に結合する磁気回路を構成する磁性体を配置
することで、前記導体のインダクタンス成分を調整し、
前記導体間のインピーダンスの均等化を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば半導体素
子などのスイッチング素子を含む能動素子あるいは受動
素子により構成された複数の回路を並列接続する導体に
流れる電流のアンバランスを抑制するための並列回路の
配線構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子などのスイッチング素子を含
む回路において前記スイッチング素子の電流容量を増大
させるためには、複数のスイッチング素子を並列的に接
続することで電流容量の増大を図ることが行われる。こ
のスイッチング素子の並列化に際しては、各スイッチン
グ素子に流れる電流値を等しくすることが望ましい。こ
の場合、並列接続された各スイッチング素子の分担電流
は、前記並列接続された各スイッチング素子を接続する
並列回路配線のインピーダンス、および各スイッチング
素子の特性によって決定される。しかしながら小型化の
要請に応じるため配線間距離を小さくすると各配線間の
相互インダクタンスの影響が生じる。このため、各スイ
ッチング素子の特性が全く等しい場合でも、各素子を流
れる電流が不均等になることがある。この原因は、前記
各スイッチング素子を接続する並列回路配線におけるイ
ンピーダンスが異なるためであり、従って前記並列回路
配線におけるそれぞれのインピーダンスを均等にする必
要が生じる。
【0003】上記のような問題を回避するために、特開
平2−155475号公報に示されているように、配線
間の距離を保つことにより配線間の相互インダクタンス
の影響を排除する手段が提案されている。あるいは、配
線間の相互インダクタンスを見込んで並列回路への分流
点を非対称に配置して並列回路の各配線のインダクタン
スを均等にする提案が、特開平4−229079号公報
に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の並列回路の配線
構造は以上のように構成されているので、相互インダク
タンスの影響を逃れようとすると各配線間の距離が増大
して配線回路が大型化する課題があった。
【0005】あるいは、配線間の相互インダクタンスを
利用して各並列回路のインダクタンスを均等化しようと
すると、配線距離が均等にならず直流抵抗値もそれぞれ
異なるため各配線のインピーダンスが異なってくる。ま
たこの場合、インピーダンスの絶対値が等しくなるよう
に配置した場合でも、インダクタンス成分と実抵抗成分
とが異なれば電流の位相が異なる課題があった。
【0006】また、並列回路の分岐点、配線間距離に関
しても、接続部ならびに相互作用距離などの制限があ
り、素子配置、配線空間配置に制限を受け、設計の自由
度が減少する。また、大電流回路の場合には、ダイオー
ド,抵抗,コイル素子はその電流容量を大きくする必要
があることから大型化するが、これら大型化したダイオ
ード,抵抗,コイル素子などを付加して電流を均等化す
る場合には装置が複雑となる課題があった。
【0007】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、簡単な構成で各配線間のインピー
ダンスの均等化を実現できる並列回路の配線構造を得る
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る並列回路の配線構造は、能動素子あるいは受動素子を
含む並列接続される複数の回路をそれぞれ接続する導体
のいずれかに磁気的に結合する磁気回路を形成する磁性
体を配置したものである。
【0009】請求項2記載の発明に係る並列回路の配線
構造は、能動素子あるいは受動素子を含む並列接続され
る複数の回路へ電流を供給する同一母線に流れる電流に
よる磁気的な影響が電流を大きくする方向に生じている
導体に対し、該導体と磁気的に結合する磁気回路を形成
する磁性体を配置したものである。
【0010】請求項3記載の発明に係る並列回路の配線
構造は、絶縁基板上、あるいは絶縁基板に埋め込まれて
配線された導体に対して前記絶縁基板の両面に配置した
板状磁性体と、前記絶縁基板を貫通させて前記絶縁基板
の両面に配置した前記板状磁性体と磁気的に結合させる
ことで前記導体を取り囲む磁気回路を形成する磁性体部
材とから、前記導体と磁気的に結合する磁気回路を形成
する磁性体を構成するようにしたものである。
【0011】請求項4記載の発明に係る並列回路の配線
構造は、磁気回路を構成する磁性体に磁気飽和を回避す
るためのギャップを設けたものである。
【0012】請求項5記載の発明に係る並列回路の配線
構造は、複数の回路を接続する導体を流れる電流に生じ
るアンバランスを軽減するため、前記導体に寸法的な調
整を施したものである。
【0013】請求項6記載の発明に係る並列回路の配線
構造は、磁性体として、フェライト系磁性体を用いたも
のである。
【0014】請求項7記載の発明に係る並列回路の配線
構造は、磁性体として、アモルファス合金を用いたもの
である。
【0015】請求項8記載の発明に係る並列回路の配線
構造は、磁性体として、積層された磁性鋼板を用いたも
のである。
【0016】請求項9記載の発明に係る並列回路の配線
構造は、磁性体を積層された磁性鋼板から構成したとき
に、導体を流れる電流により生じる磁束の方向と磁性鋼
板の積層方向が一致しないようにしたものである。
【0017】請求項10記載の発明に係る並列回路の配
線構造は、能動素子あるいは受動素子を含む並列接続さ
れる複数の回路へ電流を供給する同一母線に流れる電流
による磁気的な影響による前記複数の回路を接続する導
体を流れる電流に生じるアンバランスを、前記導体に対
する寸法的な調整を施すことで補正したものである。
【0018】請求項11記載の発明に係る並列回路の配
線構造は、能動素子あるいは受動素子を含む並列接続さ
れる複数の回路へ電流を供給する同一母線に流れる電流
による磁気的な影響による前記複数の回路を接続する導
体を流れる電流に生じるアンバランスを、前記導体の幅
あるいは厚さを調整を施すことで補正したものである。
【0019】請求項12記載の発明に係る並列回路の配
線構造は、導体の幅あるいは厚さを調整したことにより
実抵抗に生じるアンバランスを、前記導体の種類を変え
ることによる導電率の違いにより補正したものである。
【0020】請求項13記載の発明に係る並列回路の配
線構造は、比較的大きな電流を流すためのバスバーに磁
性体を配置したものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態に
ついて説明する。 実施の形態1.図1は、この実施の形態1の並列回路の
配線構造が適用される回路の構成を示す斜視図である。
図において、1は電流の流入側の母線、2a,2b,2
c,2dは半導体素子4を並列接続するための並列回路
配線(導体)、3は並列回路配線2aと並列回路配線2
dとがそれぞれ貫通する磁性体である。母線1から分岐
した並列回路配線2a,2b,2c,2dにはそれぞれ
半導体素子4が接続され、各半導体素子4を流れる電流
は母線5で合流して流出する。
【0022】次に動作について説明する。先ず、図1に
示す回路構成で磁性体3が設けられていない場合には、
母線1および並列回路配線2a,2b,2c,2dを流
れる交流電流により発生する交番磁界は、両外側の並列
回路配線2a,2dに比べ内側の並列回路配線2b,2
cに対して、より大きく影響する。この結果、内側の並
列回路配線2bと並列回路配線2cとには前記影響によ
る反抗起電力が生じ、これによるループ電流が流れる
が、内側の並列回路配線2bと並列回路配線2cとに流
れる前記反抗起電力によるループ電流は互いに方向が逆
方向であることから相殺される。これに対し、外側の並
列回路配線2aと並列回路配線2dでは他の並列回路配
線を流れる交流電流による交番磁界の影響によるループ
電流の方向が、母線1から流れ込む電流の方向と同一で
あることから、並列回路配線2a,2dにより多くの電
流が流れ、電流のアンバランスが生じる。
【0023】一方、磁性体3が付加された図1に示す回
路構成では、磁性体3を適当な断面積および周長に選ぶ
ことにより、並列回路配線2a,2dの自己インダクタ
ンスは増加し、並列回路配線2a,2dのインダクタン
ス成分が増加し、並列回路配線2a,2dのインピーダ
ンスが大きくなり、前述した並列回路配線2a,2dに
おける交流電流の増加を抑制し、各並列回路配線の電流
のアンバランスを防ぐことができる。なお、以上説明し
たこの実施の形態において、インバータなどの大電流を
流すためのバスバーに適用してもよいことは言うまでも
ない。
【0024】実施の形態2.図2は、この実施の形態2
の並列回路の配線構造が適用される回路の構成を示す斜
視図である。図2において図1と同一または相当の部分
については同一の符号を付し説明を省略する。図におい
て、2eおよび2fは並行して配置されている並列回路
配線(導体)である。1aは母線1から並列回路配線2
eへ交流電流を供給するための配線部、1bは母線1か
ら並列回路配線2fへ交流電流を供給するための配線部
である。また、5aは並列回路配線2eを流れる交流電
流を母線5へ導くための配線部、5bは並列回路配線2
fを流れる交流電流を母線5へ導くための配線部であ
る。母線1は配線部1aと並行に配線されている箇所を
有し、また母線5は配線部5aと並行に配線されている
箇所を有している。
【0025】次に動作について説明する。母線1から供
給される交流電流は配線部1aと配線部1bとにより並
列回路配線2eおよび並列回路配線2fに分流され、半
導体素子4と配線部5a,5bを経て母線5で合流す
る。この場合、母線1および母線5に流れる交流電流に
より生じる磁束の内で、配線部1a,1b,5a,5b
さらに並列回路配線2eおよび並列回路配線2fにより
形成されるループに鎖交する磁束により、前記ループに
ループ電流が流れる。このループ電流の方向は、並列回
路配線2eでは母線1から供給される交流電流の方向と
同一方向、並列回路配線2fでは母線1から供給される
交流電流の方向と逆方向である。この結果、並列回路配
線2eには並列回路配線2fに比べてより多くの電流が
流れる。しかしながら並列回路配線2eのみに、並列回
路配線2eが貫通する磁性体3を設けることにより並列
回路配線2eの自己インダクタンスを増加させ、並列回
路配線2eにおけるインピーダンスを増加させ、前記並
列回路配線2eにおける交流電流の増加分を抑制し、並
列回路配線2eと並列回路配線2fとの間の電流アンバ
ランスを均等化することができる。なお、以上説明した
この実施の形態においてインバータなどの大電流を流す
ためのバスバーに適用してもよいことは言うまでもな
い。
【0026】実施の形態3.図3は、この実施の形態3
の並列回路の配線構造の部分的な構成を示す斜視図であ
る。図において、6は絶縁基板、7は絶縁基板中に埋め
込まれた導体である。8は絶縁基板6の両面へ固定した
板状磁性体、9は絶縁基板6に形成された孔に挿入され
る円柱状磁性体(磁性体部材)であり、絶縁基板6を貫
通し、絶縁基板6の表面と裏面とに固定される板状磁性
体8の間に配置され、絶縁基板6の表面の板状磁性体8
と裏面の板状磁性体8とを磁気的に一体化させ、導体7
を取り囲むように磁気回路を構成する。これにより板状
磁性体8および円柱状磁性体9は図4に示すような断面
を構成し、導体7に流れる交流電流に対しインダクタン
ス成分を増加させることができ、導体7のインピーダン
スの調整が可能となって電流のアンバランスを抑制する
ことができる。
【0027】円柱状磁性体9はその軸方向の断面は円で
あるのでドリルなどにより絶縁基板6へ前記断面に合致
した円形の孔を容易に穴あけ加工することが可能であ
る。また、前記円柱状磁性体9は直方体あるいは三角柱
形状の磁性体などであってもよい。
【0028】実施の形態4.図5は、この実施の形態4
の並列回路の配線構造が適用される分岐部分における導
体構造を示す斜視図である。図において、11は実施の
形態1で説明した母線1を示す導体、12gは導体11
から分岐する一方の分岐導体(導体)であり、図2の配
線部1bを示している。12hは導体11から分岐する
他方の分岐導体(導体)であり、図2の配線部1aを示
している。
【0029】母線1を示す導体11では一方の分岐導体
12gと他方の分岐導体12hとの幾何学的な距離が異
なっているために、相互インダククタンスがそれぞれの
分岐導体で異なり、他方の分岐導体12hにより多くの
電流が流れることになる。このような電流のアンバラン
スに対し、この実施の形態では図5に示すように一方の
分岐導体12gおよび他方の分岐導体12hの導体幅を
変えることにより、他方の分岐導体12hのインピーダ
ンスを一方の分岐導体12gのそれよりも大きくして、
母線11の相互インダククタンスの影響を抑制すること
が可能となる。なお、以上説明したこの実施の形態にお
いてインバータなどの大電流を流すためのバスバーに適
用してもよいことは言うまでもない。
【0030】実施の形態5.実施の形態4では、分岐導
体12gと分岐導体12hとのインピーダンスの大きさ
の差を小さくすることができるのであるが、直流抵抗は
導体断面積により変わるため直流抵抗のアンバランスが
生じ、分岐導体12gと分岐導体12hとに流れる交流
電流には位相差が生じることになる。この実施の形態5
では、幅広となる分岐導体の導電率を幅狭となる分岐導
体の導電率より小さくすることより、前記直流抵抗の差
を小さくする。このために分岐導体12gをアルミ、分
岐導体12hを銅によって構成する。
【0031】この結果、分岐導体12gと分岐導体12
hとのインピーダンスの大きさの差を小さくすることが
できるだけでなく、インピーダンスの位相についても差
を小さくすることができ、分岐導体12gと分岐導体1
2hとにそれぞれ流れる交流電流に生じる位相差につい
ても調整を行うことができる。
【0032】実施の形態6.実施の形態1,2,3に示
した並列回路配線や導体が貫通する磁性体としては鉄が
考えられるが、鉄などの金属はそのまま使用した場合に
は交番磁界による誘導で渦電流が生じる。このため、前
記並列回路配線や導体が貫通するように鉄による磁性体
を配置しても、前記磁性体に発生する渦電流により前記
並列回路配線や導体自体の自己インダクタンスを増大さ
せることができない。渦電流による磁束の遮蔽の効果は
周波数が100Hz以下程度の範囲では1/抵抗率に比
例して減少し、高周波においては1/(抵抗率十α)に
比例して減少する。ここでαは形状、物性、周波数に依
存する値である。従って、高抵抗の磁性体、例えばフェ
ライトなどを使用することが考えられる。また、高周波
においても高透磁率を維持できるものとしてアモルファ
ス合金なども考えられる。
【0033】磁性体を高抵抗化した場合の各材料の優劣
比較は図6のように示される。比較的低周波(1MHz
以下程度)であれば、インバータなどの大電流を流すた
めのバスバーなどではコスト的に積層鋼板が適してい
る。小型の装置として構成するためにはフェライトなど
が適している。また高周波領域においてはコストを無視
すればアモルファス合金が適している。
【0034】実施の形態7.図7は、この発明の実施の
形態7による並列回路の配線構造を示す斜視図である。
図において、20は導体21を取り囲むように配置され
た磁性体である。大電流が導体21に流れる場合には、
その大電流により生じる磁束は磁性体20により構成さ
れる磁気回路に集中し、磁性体20内の磁束密度は高く
なり磁気飽和してしまうことが考えられる。このため、
図7に示すように磁性体20による磁気回路中にギャッ
プ22を設け磁気抵抗を大きくし磁気飽和を防ぎ、導体
21の自己インダクタンスの調整を可能にする。
【0035】実施の形態8.この実施の形態では、交流
通電時の実抵抗の差を調整する。なお、導体としてはバ
スバーに限らず、円筒形状の導線などにも適用すること
のできるものである。
【0036】図8は、この実施の形態8による並列回路
の配線構造が適用される回路の構成を示す模式図であ
る。図において、31は母線、32iおよび32jは母
線31から分岐する配線部であり、並列接続されている
均等な特性を持つ素子34にそれぞれ接続される。この
場合に配置寸法の制約などで配線部32iおよび配線部
32jの配線距離が配線部32iの方が配線部32jよ
り大きいと、配線部32iの実抵抗が大きくなり配線部
32jの方により多く交流電流が流れる。このような電
流のアンバランスを抑制するために配線部32jに磁性
体35を設けることで、配線部32jのインダクタンス
成分を増大させ、配線部32iと配線部32jそれぞれ
のインピーダンスが等しくなるように調整を行い、配線
部32iおよび配線部32jにそれぞれ流れる交流電流
のアンバランスを抑制できる。
【0037】実施の形態9.この実施の形態では、積層
鋼板により構成された磁性体をインダクタンス成分増加
の手段として用いる。この場合、鎖交する磁束により前
記磁性体に発生する渦電流は、導体を流れる交流電流の
周波数が100Hz以下程度の範囲では1/nに比例し
て減少し、それ以上の高周波においては1/(n+α)
に比例して減少する。ここでnは積層枚数、αは形状と
物性と周波数とに依存する値である。
【0038】図9は、この実施の形態9における積層鋼
板により構成される磁性体を用いた並列回路の配線構造
を示す斜視図である。図において、42は導体41が貫
通するように配置された積層鋼板により構成される磁性
体である。磁性体42による磁気回路中の磁束の方向に
対して垂直な方向に積層された鋼板により前記磁性体を
形成することで、磁性体42に発生する渦電流を抑制
し、磁性体42を貫通する導体41には等価的にインダ
クタンス成分が付与されることになり、導体41のイン
ピーダンスを調整することが可能となり、電流のアンバ
ランスを調整することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、能動素子あるいは受動素子を含む並列接続される
複数の回路をそれぞれ接続する導体のいずれかに、磁気
的に結合する磁気回路を形成する磁性体を配置するよう
に構成したので、前記磁性体が配置された導体のインダ
クタンス成分を増加させて、各導体のインピーダンスの
調整を容易に行うことができ、並列接続される複数の回
路の配線の自由度を増やすことができる効果がある。
【0040】請求項2記載の発明によれば、電流に生じ
るアンバランスが電流を大きくする方向に生じている複
数の回路を並列接続する導体に対し、前記導体と磁気的
に結合する磁気回路を構成する磁性体を配置するように
構成したので、前記磁性体の配置による簡単な構成で前
記導体による各配線間のインピーダンスの均等化を実現
でき、前記複数の回路を並列接続する導体に流れる電流
のアンバランスを抑制できる効果がある。
【0041】請求項3記載の発明によれば、絶縁基板
上、あるいは絶縁基板に埋め込まれて配線された導体に
対して前記絶縁基板の両面に配置した板状磁性体と、前
記絶縁基板を貫通させて前記絶縁基板の両面に配置した
前記板状磁性体に対し磁気的に結合させることで前記導
体を取り囲む磁気回路を形成する磁性体部材とから前記
磁気回路を構成する磁性体を形成するように構成したの
で、前記絶縁基板上、あるいは絶縁基板に埋め込まれて
配線された導体に対し、交流電流が流れるときにはイン
ダクタンス成分を増加させることができ、前記導体のイ
ンピーダンスの調整を行うことができる効果がある。
【0042】請求項4記載の発明によれば、磁気回路を
構成する磁性体に磁気飽和を回避するためのギャップを
設けるように構成したので、導体に大電流が流れる場合
の前記磁性体の磁気飽和を回避することができる効果が
ある。
【0043】請求項5記載の発明によれば、複数の回路
をそれぞれ並列接続する導体を流れる電流に生じるアン
バランスを軽減するため、前記導体に寸法的な調整を施
すように構成したので、前記導体の寸法を調整すること
により前記電流のアンバランスを軽減できる効果があ
る。
【0044】請求項6記載の発明によれば、磁性体とし
てフェライト系磁性体を用いるように構成したので、比
較的高い周波数の交流電流に対しても前記磁性体に生じ
る渦電流を抑制でき、高透磁率であることから寸法的に
コンパクトに構成できる効果がある。
【0045】請求項7記載の発明によれば、磁性体とし
てアモルファス合金を用いるように構成したので、高い
周波数の交流電流に対しても前記磁性体に生じる渦電流
を抑制でき、高透磁率であることから寸法的にコンパク
トに構成できる効果がある。
【0046】請求項8記載の発明によれば、磁性体とし
て積層された磁性鋼板により形成するように構成したの
で、低い周波数の比較的大きな交流電流に対して磁気飽
和を回避でき、また前記磁性体に生じる渦電流を抑制で
き、前記磁性体をコスト的に安価に構成できる効果があ
る。
【0047】請求項9記載の発明によれば、磁性体とし
て積層された磁性鋼板から構成したときに、導体を流れ
る電流により生じる磁束の方向と一致しないように前記
磁性鋼板を積層するように構成したので、低い周波数の
比較的大きな交流電流に対して磁気飽和を回避でき、ま
た磁気抵抗および渦電流の増大を抑制でき、前記磁性体
をコスト的に安価に構成できる効果がある。
【0048】請求項10記載の発明によれば、能動素子
あるいは受動素子を含む並列接続される複数の回路へ電
流を供給する同一母線に流れる電流による磁気的な影響
による前記複数の回路を接続する導体の電流に生じるア
ンバランスを、前記導体に対し寸法的な調整を施すこと
で軽減するように構成したので、前記導体の断面形状を
変えるだけの簡単な構成で前記アンバランスを解消する
ことができる効果がある。
【0049】請求項11記載の発明によれば、能動素子
あるいは受動素子を含む並列接続される複数の回路へ電
流を供給する同一母線に流れる電流による磁気的な影響
による前記複数の回路を接続する導体の電流に生じるア
ンバランスを、前記導体の幅あるいは厚さを調整するこ
とで軽減するように構成したので、前記導体の断面形状
を変えるだけの簡単な構成で前記アンバランスを解消す
ることができる効果がある。
【0050】請求項12記載の発明によれば、導体の幅
あるいは厚さを調整したことにより実抵抗に生じるアン
バランスを、前記導体の種類を変えることによる導電率
の違いにより補正するように構成したので、各導体のイ
ンピーダンスにおける実抵抗の違いについても直流し、
前記各導体のインピーダンスの位相差についても補正す
ることが可能となり、導体の電流に生じるアンバランス
を簡単な構成で位相的な面からも解消できる効果があ
る。
【0051】請求項13記載の発明によれば、比較的大
きな電流を流すためのバスバーに対し磁性体を配置する
ように構成したので、バスバーを流れる大電流に対して
もインピーダンスの調整を行うことができ、さらにバス
バーによる配線の自由度が増大する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による並列回路の配
線構造が適用される回路の構成を示す斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による並列回路の配
線構造が適用される回路の構成を示す斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による並列回路の配
線構造の部分的な構成を示す斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による並列回路の配
線構造の部分的な構成を示す斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による並列回路の配
線構造が適用される分岐部分における導体構造を示す斜
視図である。
【図6】 この発明の実施の形態6における磁性体を高
抵抗化した場合の各材料の優劣比較を示す説明図であ
る。
【図7】 この発明の実施の形態7による並列回路の配
線構造を示す斜視図である。
【図8】 この発明の実施の形態8による並列回路の配
線構造が適用される回路の構成を示す模式図である。
【図9】 この発明の実施の形態9における積層鋼板に
より構成される磁性体を用いた並列回路の配線構造を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1,5,31 母線、2a,2b,2c,2d,2e,
2f 並列回路配線(導体)、3,20,35,42
磁性体、6 絶縁基板、7,11,21,41導体、8
板状磁性体、9 円柱状磁性体(磁性体部材)、12
g、12h分岐導体(導体)、22 ギャップ。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 能動素子あるいは受動素子を含む並列接
    続される複数の回路をそれぞれ接続する導体のいずれか
    に、磁気的に結合する磁気回路を構成する磁性体を配置
    したことを特徴とする並列回路の配線構造。
  2. 【請求項2】 能動素子あるいは受動素子を含む並列接
    続される複数の回路へ電流を供給する同一母線に流れる
    電流による磁気的な影響が電流を大きくする方向に生じ
    ている導体に対し、該導体と磁気的に結合する磁気回路
    を構成する磁性体を配置したことを特徴とする請求項1
    記載の並列回路の配線構造。
  3. 【請求項3】 絶縁基板上、あるいは絶縁基板に埋め込
    まれて配線された導体に対して前記絶縁基板の両面に配
    置した板状磁性体と、前記絶縁基板を貫通させて前記絶
    縁基板の両面に配置した前記板状磁性体と磁気的に結合
    させることで前記導体を取り囲む磁気回路を形成する磁
    性体部材とから、磁気回路を構成する磁性体を形成した
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の並列回
    路の配線構造。
  4. 【請求項4】 磁気回路を構成する磁性体は磁気飽和を
    回避するためのギャップを有していることを特徴とする
    請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の並列
    回路の配線構造。
  5. 【請求項5】 能動素子あるいは受動素子を含む並列接
    続される複数の回路へ電流を供給する同一母線に流れる
    電流による磁気的な影響による前記複数の回路を接続す
    る導体を流れる電流に生じるアンバランスを軽減するた
    めの前記導体に対する寸法的な調整が施されていること
    を特徴とする請求項1記載の並列回路の配線構造。
  6. 【請求項6】 磁気回路を構成する磁性体をフェライト
    系磁性体で構成したことを特徴とする請求項1から請求
    項5のうちのいずれか1項記載の並列回路の配線構造。
  7. 【請求項7】 磁気回路を構成する磁性体をアモルファ
    ス合金で構成したことを特徴とする請求項1から請求項
    5のうちのいずれか1項記載の並列回路の配線構造。
  8. 【請求項8】 磁気回路を構成する磁性体を積層された
    磁性鋼板で構成したことを特徴とする請求項1から請求
    項5のうちのいずれか1項記載の並列回路の配線構造。
  9. 【請求項9】 磁性体を積層された磁性鋼板から構成し
    たときの前記磁性鋼板の積層方向は、導体を流れる電流
    により生じる磁束の方向と一致していないことを特徴と
    する請求項8記載の並列回路の配線構造。
  10. 【請求項10】 能動素子あるいは受動素子を含む並列
    接続される複数の回路へ電流を供給する同一母線に流れ
    る電流による磁気的な影響による前記複数の回路を接続
    する導体の電流に生じるアンバランスを軽減するため、
    前記導体に対する寸法的な調整が施されていることを特
    徴とする並列回路の配線構造。
  11. 【請求項11】 寸法的な調整は、導体の幅あるいは厚
    さを調整したことを特徴とする請求項10記載の並列回
    路の配線構造。
  12. 【請求項12】 導体の幅あるいは厚さを調整したこと
    により実抵抗に生じるアンバランスを、前記導体の種類
    を変えることによる導電率の違いにより補正したことを
    特徴とする請求項11記載の並列回路の配線構造。
  13. 【請求項13】 磁性体の配置される導体は、比較的大
    きな電流を流すためのバスバーであることを特徴とする
    請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記載の並
    列回路の配線構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010284014A (ja) * 2009-06-05 2010-12-16 Nippon Denki Keiki Kenteisho 大電流発生回路
JP2019097276A (ja) * 2017-11-21 2019-06-20 高周波熱錬株式会社 出力電流合成装置及び電力供給装置
WO2022149438A1 (ja) * 2021-01-08 2022-07-14 三菱電機株式会社 電力変換装置

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