仕様情報は、たとえばユーザ、ディーラ、および、製造者などによって、入力されるが、仕様情報に不備があると、仕様情報に応じて算出される情報が不正確になったり、仕様情報に応じた制御が不適切になったりする場合がある。
本発明の目的は、仕様情報の不備に対応可能な、人力駆動車両に用いられる制御装置を提供することにある。
本発明の第1側面に従う制御装置は、人力駆動力によって駆動される回転体と、前記回転体の回転状態を検出するための第1のセンサと、を含む人力駆動車両に用いられる制御装置を対象にして、前記回転体の仕様に関する仕様情報と、前記第1のセンサを用いて取得される前記回転体の回転状態と、前記第1のセンサとは異なる第2のセンサを用いて取得される前記人力駆動車両の走行情報と、に基づいて、前記仕様情報の不備を検出した場合、報知装置に所定の報知情報を出力させるための信号を出力する制御部を含む。
第1側面の制御装置によれば、仕様情報の不備に対応して、報知装置から所定の報知情報を出力することができる。これによって、人力駆動車両の搭乗者などは、仕様情報の不備を知ることができる。
本発明の第2側面に従う制御装置は、第1側面に従う制御装置において、前記人力駆動車両の走行情報は、前記人力駆動車両の走行速度を含み、前記制御部は、前記仕様情報および前記回転状態に基づいて算出される前記人力駆動車両の走行速度に関する第1の値と、前記第2のセンサを用いて取得される前記人力駆動車両の走行速度に関する第2の値との差が所定の範囲外の場合、前記仕様情報の不備を検出する。
第2側面の制御装置によれば、第1の値と第2の値との差が所定の範囲外となると、仕様情報の不備を検出する構成とすることによって、第1のセンサおよび第2のセンサの検出精度を緩和することができる。
本発明の第3側面に従う制御装置は、第1側面または第2側面に従う制御装置において、前記回転体は、前記人力駆動車両の車輪を含み、前記第1のセンサは、前記車輪の回転を検出するための第1の回転センサを含み、前記仕様情報は、駆動輪の周長に関する情報を含み、前記制御部は、前記車輪の回転状態と、前記駆動輪の周長に関する情報と、に基づいて前記第1の値を算出する。
第3側面の制御装置によれば、車輪の回転状態と、車輪の周長に関する情報とに基づいて、人力駆動車両の走行速度を算出することができる。
本発明の第4側面に従う制御装置は、第2側面または第3側面に従う制御装置において、前記回転体は、前記人力駆動車両の駆動輪と、前記人力駆動力が入力される第1スプロケットと、前記駆動輪に連結されて前記第1スプロケットが回転することによって回転する第2スプロケットと、を含み、前記第1のセンサは、前記第1スプロケットの回転状態を検出するための第2の回転センサを含み、前記人力駆動車両は、前記第1スプロケットおよび前記第2スプロケットによって定義される変速比を検出するための変速センサをさらに含み、前記仕様情報は、前記駆動輪の周長に関する情報と、第1スプロケットおよび前記第2スプロケットの歯数に関する情報とを含み、前記制御部は、前記駆動輪の周長に関する情報と、前記第1スプロケットの回転状態と、前記変速センサによって検出された変速比と、に基づいて前記第1の値を算出する。
第4側面の制御装置によれば、駆動輪の周長に関する情報と、第1スプロケットの回転状態と、変速センサによって検出された変速比と、に基づいて人力駆動車両の走行速度を算出することができる。
本発明の第5側面に従う制御装置は、第4側面に従う制御装置において、前記第1スプロケットおよび前記第2スプロケットの少なくとも一方は、複数のスプロケットを含み、前記人力駆動車両は、前記複数のスプロケットの間でチェーンを掛け替えるように構成される変速機を含み、前記変速センサは、前記変速機の状態を検出するように構成される。
第5側面の制御装置によれば、変速センサによって検出された変速機の状態から、変速比を定義することができる。
本発明の第6側面に従う制御装置は、第1〜第5側面のいずれか1つに従う制御装置において、前記報知装置は、表示装置および発音装置の少なくとも一方を含む。
第6側面の制御装置によれば、視覚で認識できる報知情報、および、聴覚で認識できる報知情報を報知装置に報知させることができる。
本発明の第7側面に従う制御装置は、人力駆動力によって駆動される回転体と、前記回転体の回転状態を検出するための第1のセンサと、電気コンポーネントとを含む人力駆動車両に用いられる制御装置を対象にして、前記回転体の仕様に関する仕様情報と、前記第1のセンサを用いて取得される前記回転体の回転状態と、前記第1のセンサとは異なる第2のセンサを用いて取得される前記人力駆動車両の走行情報と、に基づいて、前記仕様情報の不備を検出しない場合には、前記電気コンポーネントを第1の制御状態で制御する一方、前記仕様情報の不備を検出した場合には、前記電気コンポーネントを第1の制御状態とは異なる第2の制御状態で制御する制御部を含む。
第7側面の制御装置によれば、仕様情報の不備に対応して、電気コンポーネントの制御状態を変更することができる。
本発明の第8側面に従う制御装置は、第7側面に従う制御装置において、前記人力駆動車両の走行情報は、前記人力駆動車両の走行速度を含み、前記制御部は、前記仕様情報および前記回転状態に基づいて算出される前記人力駆動車両の走行速度に関する第1の値と、前記第2のセンサを用いて取得される前記人力駆動車両の走行速度に関する第2の値との差が所定の範囲外の場合、前記仕様情報の不備を検出する。
第8側面の制御装置によれば、第1の値と第2の値との差が所定の範囲外となると、仕様情報の不備を検出する構成とすることによって、第1のセンサおよび第2のセンサの検出精度を緩和することができる。
本発明の第9側面に従う制御装置は、第8側面に従う制御装置において、前記電気コンポーネントは、前記人力駆動車両の推進をアシストするように構成されるモータを含み、前記制御部は、前記第1の値に応じて前記モータを制御する。
第9側面の制御装置によれば、人力駆動車両の走行速度に応じてモータによるアシスト力を制御することができる。
本発明の第10側面に従う制御装置は、第7側面に従う制御装置において、前記電気コンポーネントは、前記人力駆動車両の推進をアシストするように構成されるモータを含み、前記制御部は、前記仕様情報および前記回転状態に基づいて算出される前記人力駆動車両の走行速度に関する第1の値に応じて前記モータを制御する。
第10側面の制御装置によれば、人力駆動車両の走行速度に応じてモータによるアシスト力を制御することができる。
本発明の第11側面に従う制御装置は、第9側面または第10側面に従う制御装置において、前記制御部は、前記第1の制御状態では、前記第1の値が、第1の所定値以上になると、前記モータによるアシストを停止させ、前記第2の制御状態では、前記第1の値が、前記第1の所定値よりも小さい第2の所定値以上になると、前記モータによるアシストを停止させる。
第11側面の制御装置によれば、仕様情報の不備がある場合には、仕様情報の不備がない場合と比較して、モータによるアシストが停止する走行速度を小さくすることができる。
本発明の第12側面に従う制御装置は、第8〜11側面のいずれか1つに従う制御装置において、前記回転体は、前記人力駆動車両の車輪を含み、前記第1のセンサは、前記車輪の回転を検出するための第1の回転センサを含み、前記仕様情報は、駆動輪の周長に関する情報を含み、前記制御部は、前記車輪の回転状態と、前記駆動輪の周長に関する情報と、に基づいて前記第1の値を算出する。
第12側面の制御装置によれば、車輪の回転状態と、車輪の周長に関する情報とに基づいて、人力駆動車両の走行速度を算出することができる。
本発明の第13側面に従う制御装置は、第8〜12側面のいずれか1つに従う制御装置において、前記回転体は、前記人力駆動車両の駆動輪と、前記人力駆動力が入力される第1スプロケットと、前記駆動輪に連結されて前記第1スプロケットが回転することによって回転する第2スプロケットと、を含み、前記第1のセンサは、前記第1スプロケットの回転状態を検出するための第2の回転センサを含み、前記人力駆動車両は、前記第1スプロケットおよび前記第2スプロケットによって定義される変速比を検出するための変速センサをさらに含み、前記仕様情報は、前記駆動輪の周長に関する情報と、前記第1スプロケットおよび前記第2スプロケットの歯数に関する情報とを含み、前記制御部は、前記駆動輪の周長に関する情報と、前記第1スプロケットの回転状態と、前記変速センサによって検出された変速比と、に基づいて前記第1の値を算出する。
第13側面の制御装置によれば、駆動輪の周長に関する情報と、第1スプロケットの回転状態と、変速センサによって検出された変速比と、に基づいて人力駆動車両の走行速度を算出することができる。
本発明の第14側面に従う制御装置は、第13側面に従う制御装置において、前記第1スプロケットおよび前記第2スプロケットの少なくとも一方は、複数のスプロケットを含み、前記人力駆動車両は、前記複数のスプロケットの間でチェーンを掛け替えるように構成される変速機を含み、前記変速センサは、前記変速機の状態を検出するように構成される。
第14側面の制御装置によれば、変速センサによって検出された変速機の状態から、変速比を定義することができる。
本発明の第15側面に従う制御装置は、第1〜14側面のいずれか1つに従う制御装置において、前記仕様情報を変更可能に記憶する記憶部をさらに含む。
第15側面の制御装置によれば、仕様情報に誤りがある場合、記憶部に記憶されている仕様情報を変更することができる。
本発明の第16側面に従う制御装置は、人力駆動力によって駆動される回転体と、前記回転体の回転状態を検出するための第1のセンサとを含む人力駆動車両に用いられる制御装置を対象にして、前記回転体の仕様に関する仕様情報を変更可能に記憶する記憶部と、前記仕様情報と、前記第1のセンサを用いて取得される前記回転体の前記回転状態と、前記第1のセンサとは異なる第2のセンサを用いて取得される前記人力駆動車両の走行情報と、に基づいて、前記仕様情報の不備を検出した場合、前記仕様情報を修正して前記記憶部に記憶させる制御部を含む。
第16側面の制御装置によれば、仕様情報の不備に対応して、仕様情報を修正することができる。
本発明の第17側面に従う制御装置は、第16側面に従う制御装置において、前記人力駆動車両の走行情報は、前記人力駆動車両の走行速度を含み、前記制御部は、前記仕様情報および前記回転状態に基づいて算出される前記人力駆動車両の走行速度に関する第1の値と、前記第2のセンサを用いて取得される前記人力駆動車両の走行速度に関する第2の値との差が所定の範囲外の場合、前記仕様情報の不備を検出する。
第17側面の制御装置によれば、第1の値と第2の値との差が所定の範囲外となると、仕様情報の不備を検出する構成とすることによって、第1のセンサおよび第2のセンサの検出精度を緩和することができる。
本発明の第18側面に従う制御装置は、第17側面に従う制御装置において、前記制御部は、前記第1の値と前記第2の値との差が前記所定の範囲内になるように、前記仕様情報を修正する。
第18側面の制御装置によれば、仕様情報に不備があっても、第1のセンサの検出結果を用いて算出される人力駆動車両の走行速度を、実際の走行速度に近づけることができる。
本発明の第19側面に従う制御装置は、第17または18側面に従う制御装置において、前記回転体は、前記人力駆動車両の車輪を含み、前記仕様情報は、前記車輪の周長に関する情報を含み、前記第1のセンサは、前記車輪の回転を検出するための第1の回転センサを含み、前記制御部は、前記車輪の回転状態と、前記車輪の周長に関する情報とに基づいて、前記第1の値を算出する。
第19側面の制御装置によれば、車輪の回転状態と、車輪の周長に関する情報とに基づいて、人力駆動車両の走行速度を算出することができる。
本発明の第20側面に従う制御装置は、第17〜19のいずれか1つに従う制御装置において、前記回転体は、前記人力駆動車両の駆動輪と、前記人力駆動力が入力される第1スプロケットと、前記駆動輪に連結されて前記第1スプロケットが回転することによって回転する第2スプロケットと、を含み、前記第1のセンサは、前記第1スプロケットの回転状態を検出するための第2の回転センサを含み、前記人力駆動車両は、前記第1スプロケットおよび前記第2スプロケットによって定義される変速比を検出するための変速センサと、をさらに含み、前記仕様情報は、前記駆動輪の周長に関する情報と、前記第1スプロケットおよび前記第2スプロケットの歯数に関する情報とを含み、前記制御部は、前記駆動輪の周長に関する情報と、前記第2の回転センサによって検出された前記第1スプロケットの回転状態と、前記変速センサによって検出された変速比とに基づいて、前記第1の値を算出する、ように構成してもよい。
第20側面の制御装置によれば、駆動輪の周長に関する情報と、第1スプロケットの回転状態と、変速センサによって検出された変速比と、に基づいて人力駆動車両の走行速度を算出することができる。
本発明の第21側面に従う制御装置は、第20側面に従う制御装置において、前記第1スプロケットおよび前記第2スプロケットの少なくとも一方は、複数のスプロケットを含み、前記人力駆動車両は、前記複数のスプロケットの間でチェーンを掛け替えるように構成される変速機を含み、前記変速センサは、前記変速機の状態を検出するように構成される。
第21側面の制御装置によれば、変速センサによって検出された変速機の状態から、変速比を定義することができる。
本発明の第22側面に従う制御装置は、人力駆動力によって駆動される回転体と、前記回転体の回転状態を検出するための第1のセンサと、電気コンポーネントとを含む人力駆動車両に用いられる制御装置を対象にして、前記第1のセンサを用いて取得される前記回転体の回転状態と、前記第1のセンサとは異なる第2のセンサを用いて取得される前記人力駆動車両の速度とに基づいて、前記回転体の仕様に関する仕様情報を取得し、前記仕様情報に基づいて前記電気コンポーネントを制御する制御部を含む。
第22側面の制御装置によれば、第1のセンサおよび第2のセンサの検出結果に基づいて、実際の仕様情報が取得され、取得された仕様情報に基づいて電気コンポーネントが制御される。これにより、回転体の実際の仕様に基づいて人力駆動車両を制御することが可能になる。
本発明の第23側面に従う制御装置は、第22側面に従う制御装置において、前記回転体は、前記人力駆動車両の車輪を含み、前記第1のセンサは、前記車輪の回転状態を検出する第1の回転センサを含む。
第23側面の制御装置によれば、第1の回転センサによって車輪の回転状態を検出することができる。
本発明の第24側面に従う制御装置は、第22または23側面に従う制御装置において、前記電気コンポーネントは、前記人力駆動車両の推進をアシスト可能なモータ、を含む。
第24側面の制御装置によれば、人力駆動車両の推進をモータによってアシストさせることができる。
本発明の第25側面に従う制御装置は、第1〜24側面のいずれか1つに従う制御装置において、第2のセンサは、前記人力駆動車両の位置を検出するための位置センサ、および、前記人力駆動車両の加速度を検出するための加速度センサの少なくとも一方を含む。
第25側面の制御装置によれば、第2のセンサを用いることによって、仕様情報とは無関係に、人力駆動車両の走行情報を取得することができる。
本発明の第26側面に従う制御装置は、人力駆動力が入力される第1スプロケットと、前記第1スプロケットが回転することによって回転する第2スプロケットと、前記第2スプロケットに連結される駆動輪と、前記駆動輪の回転状態を検出するための第1の回転センサと、前記第1スプロケットの回転状態を検出するための第2の回転センサと、を含む人力駆動車両に用いられる制御装置を対象にして、前記第1の回転センサおよび前記第2の回転センサの出力に基づいて算出される変速比に関する第3の値と、前記第1スプロケットの歯数および前記第2スプロケットの歯数に基づいて算出される変速比に関する第4の値との差が所定の範囲外の場合、報知装置に所定の報知情報を出力させるための信号を出力する制御部を含む。
第26側面の制御装置によれば、人力駆動車両の乗員は、報知装置によって、第1スプロケットの歯数に関する情報および第2スプロケットの歯数に関する情報の少なくとも一方に不備場合、報知装置から所定の報知情報を出力することができる。第26側面の制御装置によれば、仕様情報の不備に対応して、報知装置から所定の報知情報を出力することができる。これによって、人力駆動車両の搭乗者などは、仕様情報の不備を知ることができる。
本発明の制御装置によると、仕様情報の不備に対応可能である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、第1実施形態の制御装置70について説明する。自転車10は、本発明における人力駆動車両の一例である。人力駆動車両は、少なくとも人力駆動力によって駆動することができる車両である。人力駆動車両は、たとえば、自転車を含む。人力駆動車両は、車輪の数が限定されず、たとえば1輪車および3輪以上の車輪を有する車両を含む。人力駆動車両は、たとえばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントを含む。本実施形態における自転車10は、電動アシスト自転車である。自転車10は、車体12、バッテリ14、車輪15、駆動機構20、電気コンポーネント40、変速機50、および、報知装置60を含む。車輪15は、前輪16および後輪18を含む。
駆動機構20は、クランク22、第1スプロケット24、第2スプロケット26、チェーン28、および、ペダル30を含む。本実施形態において、第1スプロケット24は、フロントスプロケットである。本実施形態において、第2スプロケット26は、リアスプロケットである。
クランク22は、車体12に回転可能に支持されるクランク軸32および左右のクランクアーム34を含む。左右のクランクアーム34は、クランク軸32に取り付けられている。ペダル30の本体は、ペダル軸36のまわりに回転可能にクランクアーム34に取り付けられている。
第1スプロケット24は、クランク軸32に連結されている。第1スプロケット24は、クランク軸32と同軸に設けられている。第1スプロケット24は、クランク軸32と相対回転しないように連結されていてもよいし、クランク軸32が前転するときには、第1スプロケット24も前転するようにワンウェイクラッチ(図示省略)を介して連結されていてもよい。本実施形態では、第1スプロケット24が1つのスプロケットのみを含む場合について説明するが、第1スプロケット24は複数のスプロケットを含んでいてもよい。
第2スプロケット26は、後輪18の車軸まわりに回転可能に取り付けられている。第2スプロケット26は、ワンウェイクラッチ(図示省略)を介して後輪18に連結されている。本実施形態では、第2スプロケット26が、複数のスプロケットを含んでいる場合について説明するが、第2スプロケット26が1つのスプロケットのみを含む構成でもよい。
チェーン28は、第1スプロケット24と第2スプロケット26とに巻き付けられている。ペダル30に加えられる人力駆動力によりクランク22が回転すると、第1スプロケット24、チェーン28、および、第2スプロケット26によって、後輪18が回転する。後輪18が回転して自転車10が前進すると、前輪16が従動して回転する。本実施形態では、後輪18が、駆動輪17である。第1スプロケット24には、人力駆動力が入力される。第2スプロケット26は、駆動輪17に連結されて第1スプロケット24が回転することによって回転する。本実施形態では、前輪16、後輪18、第1スプロケット24、および、第2スプロケット26は、人力駆動力によって駆動される回転体の一例である。
電気コンポーネント40は、自転車10の推進をアシストするように構成されるモータ42と、モータ42を制御するための駆動回路44とを含む。
変速機50は、第2スプロケット26を構成する複数のスプロケットの間でチェーン28を掛け替えるように構成される。本実施形態では、変速機50は、ディレーラを含む。変速機50は、駆動回路54と、アクチュエータ52を含む。アクチュエータ52が作動によって、ディレーラが駆動される。アクチュエータ52は、たとえば電気モータを含む。アクチュエータ52は、減速機を含んでいてもよい。変速機50は、自転車10の搭乗者による変速操作部90の操作に基づいて作動される。変速操作部90は、たとえば車体12のハンドルバーに設けられる。変速機50によって、変速比を変更することができる。変速比は、第1スプロケット24および第2スプロケット26によって定義される。詳しくは、変速比は、第1スプロケット24の歯数に対する第2スプロケット26の歯数によって定義される。本実施形態では、第1スプロケット24は1つのスプロケットのみを含んでいるため、現在の変速比は、チェーン28が掛けられた第2スプロケット26の位置に対応している。
報知装置60は、表示装置62と発音装置64との少なくとも一方を含む。表示装置62は、たとえば、液晶表示装置、および、有機EL表示装置などを含む。表示装置62は、車体12に予め取り付けられていてもよく、自転車10の搭乗者が所持していてもよい。表示装置62は、携帯型電子装置に含まれていてもよい。発音装置64は、たとえば、ブザー、および、スピーカなどを含む。発音装置64は、車体12に予め取り付けられていてもよく、自転車10の搭乗者が所持していてもよい。発音装置64は、携帯型電子端末に含まれていてもよい。のスピーカである。携帯型電子装置は、たとえば、サイクルコンピュータ、スマートフォン、および、タブレット型コンピュータなどを含む。本実施形態では、報知装置60は表示装置62と発音装置64との両方を含んでいるが、表示装置62または発音装置64の一方をのみを含む構成でもよい。
自転車10は、図2に示すように、制御装置70と、回転体の回転状態を検出するための第1のセンサ80と、第1のセンサ80とは異なる第2のセンサ86と、を含む。自転車10は、変速比を検出するための変速センサ88をさらに含む。
第1のセンサ80は、車輪15の回転を検出するための第1の回転センサ82を含む。第1のセンサ80は、第1スプロケット24の回転状態を検出するための第2の回転センサ84をさらに含む。本実施形態では、第1の回転センサ82は、後輪18の回転を検出する。本実施形態では、第1のセンサ80は第1の回転センサ82と第2の回転センサ84との両方を含んでいるが、第1の回転センサ82または第2の回転センサ84の一方をのみを含む構成でもよい。
第1の回転センサ82は、ボルトおよびナット、またはバンドなどのファスナーによって図1に示す車体12に取り付けられている。第1の回転センサ82は、たとえば、磁界を検出する素子82Bを含む。磁石を後輪18のスポーク18Aまたはハブに取り付け、素子82Bを車体12のチェーンステイ12Aに取り付ければ、第1の回転センサ82によって後輪18の回転を検出することができる。第1の回転センサ82は、有線または無線によって制御装置70の制御部72と電気的に接続されている。第1の回転センサ82は、図2に示すように、後輪18の回転状態に関する情報を制御部72に出力する。回転状態は、回転速度および回転数を含む。本実施形態では、第1の回転センサ82が後輪18の回転状態を検出する場合について説明するが、第1の回転センサ82が前輪16の回転状態を検出してもよいし、前輪16と後輪18とのそれぞれの回転状態を検出してもよい。第1の回転センサ82により前輪16の回転状態を検出する場合、第1の回転センサ82の磁石を前輪16のスポーク16Aまたはハブに取り付け、素子82Bを車体12のフロントフォーク12Bに取り付ければよい。前輪16と後輪18とのそれぞれの回転状態を検出する場合には、第1の回転センサ82は、車体12において前輪16の近傍と後輪18の近傍とにそれぞれに設けられる。第1の回転センサ82は、光学式のセンサを含んでいてもよい。
第2の回転センサ84は、クランク軸32の回転状態を検出することによって第1スプロケット24の回転状態を検出する。第2の回転センサ84は、磁界を検出する素子84Bを含む。第2の回転センサ84は、クランク軸32またはクランク32と第1スプロケット24とを連結する連結部材に取り付けられた磁石の磁界を検出する。第2の回転センサ84は、有線または無線によって制御部72と電気的に接続されている。第2の回転センサ84は、図2に示すように、第1スプロケット24の回転状態に関する情報を制御部72に出力する。第2の回転センサ84は、光学式のセンサで構成されていてもよい。
第2のセンサ86は、自転車10の位置を検出するための位置センサ86A、および、自転車10の加速度を検出するための加速度センサ86Bの少なくとも一方を含む。位置センサ86Aは、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を利用したセンサである。本実施形態では、第2のセンサ86は位置センサ86Aと加速度センサ86Bとの両方を含む。第2のセンサ86は、位置センサ86Aまたは加速度センサ86Bの一方をのみを含む構成でもよい。
第2のセンサ86は、有線または無線によって制御装置70の制御部72と電気的に接続されている。本実施形態では、第2のセンサ86は、自転車10の走行情報を制御部72に出力する。自転車10の走行情報は、自転車10の走行速度を含む。自転車10の走行情報は、自転車10の走行距離を含んでいてもよい。第2のセンサ86は、演算処理部さらに含んでいてもよい。第2のセンサ86が位置センサ86Aを含む場合、第2のセンサ86の演算処理部が、は自転車10の位置の時間変化から、自転車10の走行情報を算出する。第2のセンサ86の演算処理部は、たとえばマイクロコンピュータを含む。第2のセンサ86が加速度センサ86Bを含む場合、第2のセンサ86の演算処理部は、自転車10の加速度を時間について積分して、自転車10の走行情報を算出する。第2のセンサ86は、自転車10の車体12に取り付けられていてもよいし、自転車10の搭乗者が所持する携帯型電子装置が備えていてもよい。第2のセンサ86は、位置センサ86Aによって検出される自転車10の位置に関する情報、および加速度センサ86Bによって検出さえる自転車10の加速度に関する情報の少なくとも一方を制御部72に出力する構成としてもよい。この場合、制御部72は、第2センサ86から出力される情報に基づいて、自転車10の位置の時間変化から自転車10の走行情報を算出してもよく、自転車10の加速度を時間について積分して、自転車10の走行情報を算出してもよい。
変速センサ88は、変速機50の状態を検出するように構成されている。変速センサ88によって、現在の変速比を検出することができる。変速センサ88は、好ましくは変速機50に設けられる。変速機50の状態は、チェーンガイドの位置、アクチュエータ52の状態、アクチュエータ52の変位量、または、変速機50の変位量を含む。アクチュエータ52の状態は、アクチュエータ52に含まれる電気モータの回転軸またはロータの回転位置、または、減速機に含まれる回転部材の回転位置を含む。変速センサ88は、たとえば、磁気センサ、または、ポテンショメータを含む。変速センサ88が、磁気センサを含む場合、磁気センサによって検出する磁石を、たとえば減速機の回転体、または、変速機50に磁石を設けておく。変速センサ88の演算処理部は、磁気センサによって変速機50の状態を検出することで、第2スプロケット26のうち現在チェーン28が掛けられているスプロケットを判定する。変速センサ88は、第2スプロケット26のうち現在チェーン28が掛けられているスプロケットに関する情報を、制御部72に出力する。制御部72は、変速センサ88から出力された情報に基づいて、現在の変速比を定義する。変速センサ88は、変速機50の状態に関する情報を、制御部72に出力してもよい。この場合、制御部72は、変速センサ88から出力される変速機50の状態に関する情報に基づいて、第2スプロケット26のうち現在チェーン28が掛けられているスプロケットを判定し、現在の変速比を定義する。第2スプロケット26の各スプロケットと、変速比とを対応させたテーブルが、記憶部74に記憶されていてもよい。この場合、制御部72は、第2スプロケット26の各スプロケットと、変速比とを対応させたテーブルを参照して、現在の変速比を定義する。第1スプロケット24が複数のスプロケットを含み、第2スプロケット26が複数のスプロケットを含んでいる場合、たとえば、記憶部74には、第1スプロケット24の各スプロケットおよび第2スプロケット26の各スプロケットと、変速比とを対応させたテーブルが記憶されていてもよい。
制御装置70は、制御部72を含む。制御装置70は、記憶部74をさらに含む。制御装置70は、自転車10に組み込まれていている。
制御部72は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、たとえばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部72は、1つまたは複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部72が複数のマイクロコンピュータを含む場合、複数のマイクロコンピュータは異なるコンポーネントに配置されていてもよい。
記憶部74には、各制御プログラムおよび各制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部74は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶媒体と、ROM(Read Only momory)、フラッシュメモリ、および、ハードディスクなどの不揮発性記憶媒体と、を含む。制御部72は、記憶部74には、回転体の仕様に関する仕様情報が記憶される。仕様情報は、車輪15の周長に関する情報と、第1スプロケット24および第2スプロケット26のそれぞれの歯数に関する情報とを含む。本実施形態では、仕様情報は、駆動輪17の周長に関する情報と、第1スプロケット24および第2スプロケット26のそれぞれの歯数に関する情報とを含む。記憶部74に記憶された仕様情報は、書き換え可能である。記憶部74は、仕様情報を変更可能に記憶する。本実施形態では、記憶部74に記憶される仕様情報は、自転車10のユーザによって予め入力される。車輪15の周長に関する情報は、車輪15の周長、車輪15の半径、および、車輪15の直径のいずれの情報を含んでいてもよい。駆動輪17の周長に関する情報は、駆動輪17の周長、駆動輪17の半径、および、駆動輪17の直径のいずれの情報を含んでいてもよい。記憶部74に記憶される仕様情報は、たとえば、自転車10に設けられる操作部92、および、外部装置の少なくとも一方によって変更することができる。操作部92は、たとえば自転車10のハンドルバーに設けられる。外部装置によって仕様情報を入力する場合、制御装置70は、インタフェース部を含む。インタフェース部は、有線通信部および無線通信部の少なくとも一方を含む。外部装置は、インタフェース部を介して、有線または無線によって制御装置80と通信を行うように構成される。外部装置は、たとえばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、および、パーソナルコンピュータなどを含む。仕様情報を記憶部74に記憶させる場合、操作部92または外部装置によって、制御部72を設定モードに移行させる。制御部72は、設定モードに移行すると、記憶部74を制御して、操作部92または外部装置から入力される仕様情報を記憶部74に記憶させる。
制御部72は、モータ42を制御する。制御部72は、自転車10に入力される人力駆動力および車速に応じてモータ42を制御することが好ましい。本実施形態では、自転車10には人力駆動力を検出するための駆動力センサ89が設けられている。制御部72は、人力駆動力に対するモータ42によるアシスト力が予め定める比率になるようにモータ42を制御する。人力駆動力に対するモータ42によるアシスト力の比率を、アシスト比と記載する。制御部72は、車速が予め定める速度以上になると、モータ42によるアシストを停止する。予め定める比率に関する情報と、予め定める速度に関する情報とは、記憶部74に記憶されている。制御部72は、仕様情報および第1のセンサ80を用いて取得される回転体の回転状態に基づいて算出される第1の値に応じて、モータ42を制御する。制御部72は、第1の値に応じて、たとえば、駆動回路44を制御してモータ42への電力の供給を停止する。本実施形態では、制御部72は、第1の値が予め定める速度を超えた場合、駆動回路44を制御してモータ42への電力の供給を停止する。予め定める速度は、特に限定されないが、たとえば24km/hまたは45km/hである。駆動回路44は、インバータを含む。第1の値は、後述する第1速度または第3速度である。
制御部72は、変速操作部90からの変速信号に基づいて変速機50を制御する。制御部72と変速操作部90とは、有線または無線で通信可能に接続されている。変速操作部90は、シフトアップするために操作される第1操作スイッチと、シフトダウンするために操作される第2操作スイッチとを含むことが好ましい。制御部72は、変速操作部90からシフトアップ信号が入力された場合には、変速比が大きくなるように変速機50のアクチュエータ52を作動させる。制御部72は、変速操作部90からシフトダウン信号が入力された場合には、変速比が小さくなるように変速機50のアクチュエータ52を作動させる。
制御部72は、仕様情報と、第1のセンサ60を用いて取得される前記回転体の回転状態と、第2のセンサ86を用いて取得される自転車10の走行情報と、に基づいて、仕様情報の不備を検出する。仕様情報の不備は、たとえば、以下の(1)〜(4)の条件の少なくとも1つを含む。
(1)車輪15の周長に関する情報が、車輪15の実際の周長と異なっている。
(2)駆動輪17の周長に関する情報が、駆動輪17の実際の周長と異なっている。
(3)第1スプロケット24の歯数に関する情報が第1スプロケット24の実際の歯数と異なっている。
(4)第2スプロケット26のそれぞれの歯数に関する情報が、第2スプロケット26の実際の歯数と異なっている。
制御部72は、仕様情報の不備を検出した場合、報知装置60に所定の報知情報を出力させるための信号を出力する。制御部72は、報知装置60と、有線または無線によって通信可能に接続されている。所定の報知情報とは、仕様情報の不備を自転車10の搭乗者に伝達するための情報である。報知装置60が表示装置62を含む場合には、制御部72からの出力信号によって、表示装置62は所定の報知情報を表示する。表示装置62は、所定の報知情報を文字で表示してもよいし、図形で表示してもよいし、ランプを点灯または点滅させることによって表示してもよい。報知装置60が発音装置64を含む場合には、制御部72からの出力信号によって、発音装置64は所定の報知情報を音で表示する。
図3を参照して、制御部72によって実行される報知処理について説明する。本処理は、制御装置70に電力が与えられている間、所定周期毎に繰り返し実行される。
制御部72は、ステップS11において、各センサ80,86,88からの出力信号を受けることによって、各センサ80,86,88からの情報を取得する。ステップS11において、制御部72は、第2のセンサ86を用いて取得される自転車10の走行情報から、第2速度を取得する。第2速度は、第2のセンサ86を用いて取得される自転車10の走行速度である。第2速度は、人力駆動車両の走行速度に関する第2の値の一例である。
制御部72は、ステップS12において、第1のセンサ80の第1の回転センサ82を用いて取得される駆動輪17の回転状態と、駆動輪17の周長に関する情報とに基づいて、第1速度を算出する。第1速度は、人力駆動車両の走行速度に関する第1の値の一例である。制御部72は、たとえば駆動輪17の回転数に駆動輪17の周長を乗じて第1速度を算出する。また、制御部72は、ステップ12において、駆動輪17の周長に関する情報と、第2の回転センサ84を用いて取得される第1スプロケット24の回転状態と、変速センサ88によって検出された変速比と、に基づいて第3速度を算出する。第3速度は、人力駆動車両の走行速度に関する第1の値の一例である。制御部72は、たとえば第1スプロケット24の回転数に変速比を乗じて駆動輪17の回転数を算出し、これに駆動輪17の周長を乗じて第3速度を算出する。制御部72は、ステップS12を終了すると、ステップS13に移る。
制御部72は、ステップS13において、前のステップで算出した第1速度と、第2のセンサ86を用いて取得される第2速度との差を算出する。制御部72は、ステップS13を終了すると、ステップS14に移る。
制御部72は、ステップS14において、第1速度と第2速度との差が第1の範囲外であるか否かを判定する。第1の範囲は、所定の範囲の一例である。制御部72は、第1速度と第2速度との差が第1の範囲内であると判定した場合、ステップS15に移る。第1速度と第2速度との差が第1の範囲内である場合、制御部72は、前記仕様情報のうち駆動輪17の周長に関する情報には不備がないと判定することができる。制御部72は、第1速度と第2速度との差が第1の範囲外であると判定した場合、ステップS17に移る。第1速度と第2速度との差が第1の範囲外である場合、制御部72は、仕様情報のうち駆動輪17の周長に関する情報の不備があると判定することができる。第1速度は、予め記憶部72に記憶された駆動輪17の周長に関する情報に基づいて算出された走行速度であるが、第2速度は、駆動輪17の周長に関する情報とは無関係に算出された走行速度である。駆動輪17の周長に関する情報に不備があれば、第1速度と第2速度との間には比較的大きな差が生じる。このため、第1速度と第2速度との差が第1の範囲外である場合、駆動輪17の周長に関する情報に不備があると判定できる。第1の範囲は、たとえば、ゼロ(0)、プラスの値、および、マイナスの値を含む。第1速度と第2速度との差は、第1速度と第2速度との差の絶対値としてもよく、この場合、第1の範囲は、ゼロ(0)およびプラスの値を含む。第1の範囲は、第1の回転センサ82および第2のセンサ86の検出精度によって生じる誤差を含まないように設定されていることが好ましい。第1の範囲は、ゼロ(0)のみを含んでいてもよい。本実施形態では、第1の範囲外は、第1の範囲の上限値および下限値を含み、第1の範囲内は、第1の範囲の上限値および下限値を含まない。第1の範囲外は、第1の範囲の上限値および下限値を含まず、第1の範囲内は、第1の範囲の上限値および下限値を含んでいてもよい。
制御部72は、ステップS15において、前のステップで算出した第3速度と、第2のセンサ86を用いて取得される第2速度との差を算出する。制御部72は、ステップS15を終了すると、ステップS16に移る。
制御部72は、ステップS16において、第3速度と第2速度との差が第2の範囲外であるか否かを判定する。第2の範囲は、所定の範囲の一例である。制御部72は、第3速度と第2速度との差が第2の範囲外であると判定した場合、ステップS17に移る。第3速度と第2速度との差が所定の範囲外である場合、制御部72は、仕様情報のうち第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方に不備があると判定することができる。制御部72は、第3速度と第2速度との差が第2の範囲内である場合、報知処理を終了する。第3速度と第2速度との差が第2の範囲内である場合、制御部72は、前記仕様情報のうち第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の両方に不備がないと判定することができる。第3速度の算出に用いられる変速比は、記憶部72に予め記憶された第1スプロケット24の歯数および第2スプロケット26の歯数によって定義される。仕様情報のうち第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方に不備があれば、第3速度と第2速度との間には比較的大きな差が生じる。ステップS16は、ステップS14の後に実行されるので、第3速度と第2速度との間には比較的大きな差がある場合、第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方に不備があると判定することができる。第2の範囲は、たとえば、ゼロ(0)、プラスの値、および、マイナスの値を含む。第3速度と第2速度との差は、第3速度と第2速度との差の絶対値としてもよく、この場合、第2の範囲は、ゼロ(0)およびプラスの値を含む。第2の範囲は、第2の回転センサ84および第2のセンサ86の検出精度によって生じる誤差を含まないように設定されていることが好ましい。第2の範囲は、第1の範囲と同じでもよく、異なっていてもよい。本実施形態では、第2の範囲外は、第2の範囲の上限値および下限値を含み、第2の範囲内は、第2の範囲の上限値および下限値を含まない。第2の範囲外は、第2の範囲の上限値および下限値を含まず、第2の範囲内は、第2の範囲の上限値および下限値を含んでいてもよい。
制御部72は、ステップS17において、報知装置60に所定の報知情報を出力させるための信号を出力する。報知情報は、ステップS13からステップS17に移った場合と、ステップS16からステップS17に移った場合とにおいて、内容の異なる情報を含むことができる。たとえばステップS13からステップS17に移った場合、報知情報は、駆動輪17の周長に関する情報の不備があることを示す情報を含む。たとえばステップS16からステップS17に移った場合、報知情報は、第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方に不備があることを示す情報を含む。ステップS17の処理を実行した後は、報知処理を終了する。
本実施形態の制御装置70によれば、制御部72は、第1速度に基づいて仕様情報の不備の検出をした後に、第3速度に基づいて仕様情報の不備の検出をする。これにより、駆動輪17の周長に関する情報の不備があるか、または、第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも1つに不備があるかを判定することができる。制御装置70が報知装置60に不備の内容を報知させることによって、自転車10の搭乗者などに、修正すべき仕様情報を認識させることができる。
(第2実施形態)
図4〜図6を参照して、第2実施形態の制御装置70について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、詳細な説明を省略する。第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付す。
第2実施形態では、自転車10が報知装置60を備えていない点で第1実施形態とは異なる。また、第2実施形態では、制御部72により仕様情報の不備が検出された場合に、電気コンポーネント40、特にモータ42の制御状態を変更する点で第1実施形態とは異なる。
図5を参照して、制御部72によるモータ42の制御について説明する。制御部72は、第1実施形態と同様に、仕様情報および第1のセンサ80を用いて取得される回転体の回転状態に基づいて算出される自転車10の走行速度に関する第1の値に応じて、モータ42を制御する。第1の値は、第1実施形態で説明した第1速度または第3速度である。本実施形態では、制御部72は、図5に示すように、第1の値が第3の所定値に到達するまでは、人力駆動力に対するモータ42によるアシスト力が一定になるように、モータ42を制御する。制御部72は、第1の値が第3の所定値に到達した後は、図5に点線で示すように、第1の値が第1の所定値に到達するまで徐々にモータ42のアシスト比を小さくして、第1の値が第1の所定値以上になると、モータ42によるアシストを停止させる。制御部72は、第1の制御状態では、第1の値が第1の所定値以上になると、モータ42によるアシストを停止させる。
仕様情報に不備がある場合には、第1の値を正確に算出することができない。仮に、仕様情報に不備があって、第1の値を実際の自転車10の車速よりも小さく算出してしまうと、第1の値が第1の所定値以上の場合でもアシスト力を発生させてしまう可能性がある。第2実施形態では、仕様情報の不備が検出された場合には、第1の制御状態とは異なる第2の制御状態でモータ42を制御する。
制御部72は、第2の制御状態では、第1の値が、第1の所定値よりも小さい第2の所定値以上になると、モータ42によるアシストを停止させる。本実施形態では、制御部72は、図5に示すように、第1の値が第3の所定値に到達するまでは、人力駆動力に対するモータ42によるアシスト力が一定になるように、モータ42を制御する。制御部72は、第1の値が第3の所定値に到達した後は、図5に実線で示すように、第1の値が第2の所定値に到達するまで徐々にモータ42のアシスト比を小さくする。制御部72は、第1の値が第1の所定値よりも小さい第2の所定値以上になると、モータ42によるアシストを停止させる。
図6のフローチャートを参照して、制御部72で実行される制御状態の変更処理について説明する。本処理は、制御装置70に電力が与えられている間、所定周期毎に繰り返し実行される。
制御部72は、ステップS21において、各センサ80,86,88からの出力信号を受けることによって、各センサ80,86,88からの情報を取得する。ステップS21において、制御部72は、第2のセンサ86を用いて取得される自転車10の走行情報から第2の値を取得する。第2の値は、第2のセンサ86を用いて取得される自転車10の走行速度である。制御部72は、ステップS21を終了すると、ステップS22に移る。
制御部72は、ステップS22において、仕様情報および第1のセンサ80を用いて取得される回転状態に基づいて算出される自転車10の走行速度に関する第1の値を算出する。第1の値は、第1実施形態で説明した第1速度または第3速度である。本実施形態では、仕様情報に不備があることを検出できればよいため、第1速度および第3速度をそれぞれ算出する必要はない。第1の値として、第1速度を採用する場合には、制御部72は、第1のセンサ80の第1の回転センサ82を用いて取得される駆動輪17の回転状態と、駆動輪17の周長に関する情報とに基づいて第1速度を算出する。第1の値として、第3速度を採用する場合には、制御部72は、駆動輪17の周長に関する情報と、第2の回転センサ84を用いて取得される第1スプロケット24の回転状態と、変速センサ88によって検出された変速比と、に基づいて第3速度を算出する。制御部72は、ステップS22を終了すると、ステップS23に移る。
制御部72は、ステップS23において、前のステップで算出した第1の値と、第2のセンサ86を用いて取得される第2の値との差を算出する。
制御部72は、ステップS24において、第1の値と第2の値との差が所定の範囲外であるか否かを判定する。制御部72は、第1の値と第2の値との差が所定の範囲内である場合、ステップS25に移る。制御部72は、第1の値と第2の値との差が所定の範囲外である場合、ステップS26に移る。
制御部72は、ステップS25において、制御状態を第1の制御状態に設定する。第1の制御状態でのモータ42の制御は、図5のフローチャートとは別の処理で行われる。ステップS25の処理を実行した後は、制御状態の変更処理を終了する。
制御部72は、ステップS26において、制御状態を第2の制御状態に設定する。第2の制御状態でのモータ42の制御は、図5のフローチャートとは別の処理で行われる。ステップS26の処理を実行した後は、制御状態の変更処理を終了する。
(第3実施形態)
図7を参照して、第3実施形態の制御装置70について説明する。本実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については、その詳細な説明を省略する。第3実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付す。
本実施形態は、自転車10が報知装置60を備えていない点で第1実施形態とは異なる。本実施形態では、制御部72により仕様情報の不備が検出された場合に、不備が検出された仕様情報を修正する点で第1および第2実施形態とは異なる。
図7のフローチャートを参照して、制御部72で実行される情報修正処理について説明する。本処理は、制御装置70に電力が与えられている間、所定周期毎に繰り返し実行される。
ステップS31の処理は、ステップS11の処理と同様である。制御部72は、ステップS31が終了すると、ステップS32に移る。
制御部72は、ステップS32において、第1のセンサ80の第1の回転センサ82を用いて取得される後輪18の回転状態と、後輪18の周長に関する情報とに基づいて第1速度を算出する。第1速度は、人力駆動車両の走行速度に関する第1の値の一例である。制御部72は、ステップS32を終了すると、ステップS33に移る。ステップS33の処理は、ステップS13の処理と同様である。制御部72は、ステップS33を終了すると、ステップS34に移る。
ステップS34の処理は、ステップS14の処理と同様である。
制御部72は、ステップS34において、第1速度と第2速度との差が第1の範囲外であると判定した場合、ステップS35に移る。制御部72は、第1速度と第2速度との差が所定の範囲内であると判定した場合、ステップS36に移る。
制御部72は、ステップS35において、記憶部74に記憶された仕様情報のうち駆動輪17の周長に関する情報を修正する。制御部72は、第1速度と第2速度との差が第1の範囲内になるように、仕様情報を修正する。たとえば、制御部72は、第2速度を、第1の回転センサ82を用いて取得される駆動輪17の回転数で割ることで、駆動輪17の周長を算出する。制御部72は、記憶部74に記憶された駆動輪17の周長に関する情報を、第2速度に基づいて算出された駆動輪17の周長に修正して、記憶部74に記憶させる。
制御部72は、ステップS36において、駆動輪17の周長に関する情報と、第2の回転センサ84を用いて取得される第1スプロケット24の回転状態と、変速センサ88によって検出された変速比と、に基づいて第3速度を算出する。ステップS35からステップS36に移った場合には、ステップS36において、ステップS35で修正された駆動輪17の周長に関する情報が用いられる。第3速度は、人力駆動車両の走行速度に関する第1の値の一例である。制御部72は、ステップS36を終了すると、ステップS37に移る。
ステップS37の処理は、ステップS15の処理と同様である。制御部72は、ステップS37を終了すると、ステップS38に移る。
ステップS38の処理は、ステップS16の処理と同様である。制御部72は、ステップS38において、第3速度と第2速度との差が所定の範囲外であると判定した場合、ステップS39に移る。制御部72は、第3速度と第2速度との差が所定の範囲内であると判定した場合、情報修正処理を終了する。
制御部72は、ステップS39において、記憶部74に記憶された仕様情報のうち第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方を修正する。制御部72は、第3速度と第2速度との差が第2の範囲内になるように、仕様情報を修正する。たとえば、制御部72は、第3速度と第2速度との差が第2の範囲内となるような変速比を算出する。その後、制御部72は、算出した変速比となるように、記憶部74に記憶された、第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方を修正して、記憶部74に記憶させる。ステップS39の処理を実行した後は、情報修正処理を終了する。
(第4実施形態)
図8および図9を参照して、第4実施形態の制御装置70について説明する。本実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については、その詳細な説明を省略する。第4実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付す。
本実施形態では、図8に示すように、自転車10が変速センサ88および報知装置60を備えていない点で第1〜第3実施形態とは異なる。本実施形態では、制御部72により仕様情報の不備を検出しない点で、第1〜第3実施形態とは異なる。
本実施形態では、制御部72は、第1のセンサ80を用いて取得される回転体の回転状態と、第1のセンサ80とは異なる第2のセンサ86を用いて取得される自転車10の速度とに基づいて、回転体の仕様に関する仕様情報を取得する。本実施形態において回転体は、駆動輪17であり、回転体の仕様に関する仕様情報は、駆動輪17の周長を含む。制御部72は、駆動輪17の周長を算出することによって、仕様情報を取得する。詳しくは、制御部72は、第2のセンサ86を用いて取得される第2速度を、第1の回転センサ82を用いて取得される駆動輪17の回転数で割ることで、駆動輪17の周長を算出する。制御部72は、取得した仕様情報を記憶部74に記憶させる。
本実施形態では、制御部72は、取得した仕様情報に基づいて電気コンポーネント40を制御する。たとえば、制御部72は、算出した駆動輪17の周長に、駆動輪17の回転数を乗じて、自転車10の第4速度を算出する。制御部72は、たとえば、第4速度に基づいて電気コンポーネント40のモータ42を制御する。制御部72は、第1実施形態の制御部72と同様に、人力駆動力に対するモータ42によるアシスト力が予め定める比率になるようにモータ42を制御し、たとえば第4速度が予め定める速度以上になると、モータ42によるアシストを停止する。
図9のフローチャートは、第4実施形態の制御部72で実行されるモータ42の仕様情報の設定処理を示す。本処理は、たとえば制御装置70に電力が与えられると実行される。
制御部72は、ステップS41において、記憶部74に仕様情報が記憶されているか否かを判定する。ステップS41において、制御部72は、記憶部74に仕様情報が記憶されていないと判定すると、ステップS42に移り、記憶部74に仕様情報が記憶されていないと判定すると、ステップS44に移る。ステップS42の処理は、ステップS11の処理と同様である。制御部72は、ステップS42が終了すると、ステップS43に移る。
制御部72は、ステップS43において、第1の回転センサ82を用いて取得される駆動輪17の回転状態と、第2の回転センサ84を用いて取得される第2速度と、に基づいて、駆動輪17の周長に関する仕様情報を取得する。制御部72は、ステップS43が終了すると、ステップS44に移る。
制御部72は、ステップS44において、仕様情報を記憶部74に記憶させて、仕様情報の設定処理を終了する。
制御部72は、仕様情報が記憶部74に記憶されていない場合は、モータ42を停止した状態に維持する。制御部72は、仕様情報が記憶部74に記憶されている場合は、モータ42を駆動可能に制御する。
(第5実施形態)
図10および図11を参照して、第5実施形態の制御装置70について説明する。本実施形態5の説明において、前記実施形態1と共通する構成については、その詳細な説明を省略する。第5実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付す。
本実施形態では、図10に示すように、自転車10が第2のセンサ86を備えていない点で第1〜第4実施形態とは異なる。
本実施形態では、記憶部74には、予め第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報が記憶されている。
本実施形態では、制御部72は、第1の回転センサ82および第2の回転センサ84の出力に基づいて変速比に関する第3の値を算出する。詳しくは、制御部72は、第1の回転センサ82を用いて取得される駆動輪17の回転数と、第2の回転センサ84を用いて取得される第1スプロケット24の回転数とに基づいて、第3の値を算出する。第2スプロケット26は、駆動輪17に連結されているため、駆動輪17の回転数と第2スプロケット26の回転数とは等しい。制御部72は、第1スプロケット24の回転数に対する後輪18の回転数の比を、変速比に関する第3の値として算出する。
本実施形態では、制御部72は、第1の回転センサ82および第2の回転センサ84の出力に基づいて算出される変速比に関する第3の値と、第1スプロケット24の歯数および第2スプロケット26の歯数に基づいて算出される変速比に関する第4の値との差が所定の範囲外の場合、報知装置60に所定の報知情報を出力させるための信号を出力する。制御部72は、第1スプロケット24の歯数および第2スプロケット26の歯数に基づいての出力に基づいて変速比に関する第4の値を算出する。第1スプロケット24の歯数および第2スプロケット26の歯数は、たとえば、変速センサ88の出力に基づいて求められる。制御部72は、第1実施形態と同様に現在の変速比を定義することによって第4の値を取得する。所定の報知情報は、第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方に不備があることを自転車10の搭乗者に伝達するための情報を含む。第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方に不備があれば、第3の値と第4の値との間には比較的大きな差が生じる。このため、第3の値と第4の値との差が所定の範囲外である場合、第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方に不備があると判定できる。所定の範囲は、たとえば、ゼロ(0)、プラスの値、および、マイナスの値を含む。第3の値と第4の値との差は、第3の値と第4の値との差の絶対値としてもよく、この場合、所定の範囲は、ゼロ(0)およびプラスの値を含む。所定の範囲は、第1の回転センサ82および第2の回転センサ84の検出精度によって生じる誤差を含まないように設定されていることが好ましい。本実施形態では、所定の範囲外は、所定の範囲の上限値および下限値を含み、所定の範囲内は、所定の範囲の上限値および下限値を含まない。所定の範囲外は、所定の範囲の上限値および下限値を含まず、所定の範囲内は、所定の範囲の上限値および下限値を含んでいてもよい。
図11のフローチャートには、第4実施形態の制御部72で実行される報知処理について示す。本処理は、制御装置70に電源が投入されている間、所定周期毎に繰り返し実行される。
制御部72は、ステップS51において、各センサ80,86,88からの出力信号を受けることによって、各センサ80,86,88からの情報を取得する。ステップS51において、制御部72は、変速センサ88の出力に基づいて第4の値を取得する。
制御部72は、ステップS52において、第1の回転センサ82を用いて取得される後輪18の回転数と、第2の回転センサ84を用いて取得される第1スプロケット24の回転状態と、に基づいて、変速比に関する第3の値を算出する。
制御部72は、ステップS53において、算出した第3の値と、変速センサ88を用いて取得された第4の値との差を算出する。
制御部72は、ステップS54において、第3の値と第4の値との差が所定の範囲外であるか否かを判定する。制御部72は、第3の値と第4の値との差が所定の範囲外である場合、ステップS55に移る。第3の値と第4の値との差が所定の範囲外である場合、第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の少なくとも一方に不備があると判定することができる。制御部72は、第3の値と第4の値との差が所定の範囲内である場合、報知処理を終了する。第3の値と第4の値との差が所定の範囲内である場合、第1スプロケット24の歯数に関する情報および第2スプロケット26の歯数に関する情報の両方に不備がないと判定することができる。
制御部72は、ステップS55において、報知装置60に所定の報知情報を出力させるための信号を出力する。ステップS55の処理を実行した後、報知処理を終了する。
(その他の実施形態)
本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、各実施形態では、制御装置70が記憶部74を有しているが、制御装置70は記憶部74を有していなくてもよい。この場合、制御装置70以外の装置、たとえば第1のセンサ80が記憶部を有し、この記憶部に回転体の仕様情報を記憶するように構成することができる。
第1実施形態では、制御部72が第1の値としての第1速度および第3速度を算出していたが、図12に示すように、第1のセンサ180が演算部182を有していて、演算部182で第1の値としての第1速度および第3速度の少なくとも一方を算出してもよい。第1のセンサ180は、第1センサ80の構成に加えて、演算部182を含む。この場合、図3に示すフローチャートにおいて、ステップS12は省略される。第2および第3実施形態においても、第1のセンサが第1の値としての第1速度や第3速度を算出する構成とすることができる。この場合、第2実施形態については、図6に示すフローチャートにおいて、ステップS22を省略することができ、第3実施形態については、図7に示すフローチャートにおいて、ステップS32およびステップS36を省略することができる。
前述の第1〜第3実施形態では、各センサ80,86,88の検出結果から算出される速度を比較して、仕様情報の不備を検出しているが、これに限らず、各センサ80,86,88の検出結果から仕様情報を算出して、算出した仕様情報と、記憶部74または第1のセンサ180に記憶された仕様情報とを比較するようにしてもよい。
第1〜第3実施形態では、2つの車輪のうち駆動輪17に関する仕様情報の不備のみを検出しているが、これに限らず、第1の回転センサ82によって、前輪16の回転状態を検出して、前輪16に関する仕様情報の不備も検出するようにしてもよい。また、第1〜第3実施形態では、第2の回転センサ84によって駆動輪17の回転状態を検出しているが、第2の回転センサ84によって前輪16の回転状態を検出してもよい。また、第4実施形態では、駆動輪17に関する仕様情報を算出しているが、これに限らず、前輪16に関する仕様情報も算出するようにしてもよい。第4実施形態では、駆動輪17に関する仕様情報を算出しているが、駆動輪17に関する仕様情報を算出するのではなく、前輪16に関する仕様情報も算出するようにしてもよい。
各実施形態では、変速機50は、操作スイッチの操作によって作動されるが、これに限らず、変速機50は、自転車10の加速度、車速、および、クランクの回転数の少なくとも1つに基づいて、自動で作動する構成してもよい。この場合、制御部72が、第1センサ80の出力信号に応じて、変速機50を制御する。変速機50が自動で作動する場合、変速機50は電気コンポーネント40に含まれる。自転車10の加速度は、自転車10の進行方向における加速度を含む。自転車10の加速度は、第2のセンサ86の加速度センサ86Aにより検出できる。車速については、回転体の仕様に関する仕様情報と、第1のセンサ80を用いて取得される回転体の回転数とに基づいて算出することができる。記憶部74には、自転車10の加速度、車速、および、クランクの回転数の少なくとも1つに関する変速閾値が記憶されている。制御部74は、自転車10の加速度、車速、および、クランクの回転数の少なくとも1つが、対応する変速閾値を超える場合に変速する。変速閾値は、変速比を大きくする場合に用いられる第1変速閾値と、変速比を小さくする場合に用いられる第2変速閾値をと、を含む。例えば、自転車10の加速度、車速、および、クランクの回転数の少なくとも1つが大きくなって、第1変速閾値を超えると、制御部72は、変速比が大きくなるように変速機50を制御する。例えば、自転車10の加速度、車速、および、クランクの回転数の少なくとも1つが小さくなって、第2変速閾値を超えると、制御部72は、変速比が小さくなるように変速機50を制御する。
変速機50を自動で作動させる場合、第2実施形態では、変速機50の変速制御の制御状態を、仕様情報の不備の有無に基づいて変更するようにしてもよい。例えば、仕様情報に不備がある場合の変速閾値は、仕様情報に不備がない場合の変速閾値よりも小さくする。仕様情報に不備がない場合の変速閾値と、仕様情報に不備がある場合の変速閾値とは、記憶部74に予めに記憶されていてもよい。記憶部74には、仕様情報に不備がない場合の変速閾値のみが予め記憶されており、仕様情報に不備がある場合、制御部72が記憶部74に記憶されている変速閾値から所定の値を減算することによって仕様情報に不備がある場合の変速閾値を生成してもよい。
変速機50を自動で作動させる場合、第4実施形態では、第1のセンサ80を用いて取得される回転体の回転状態と、第2のセンサ86を用いて取得される自転車10の速度とに基づいて、回転体の仕様に関する仕様情報を取得して、取得した仕様情報に基づいて、変速機50を制御するようにしてもよい。
第1〜第5実施形態では、制御装置70は自転車10に組み込まれているが、これに限らず、制御装置70の制御部72の少なくとも一部は、自転車10の搭乗者が所持する携帯型電子装置が備えていてもよい。この場合、各センサ80,86,88,180と制御装置70の制御部72の少なくとも一部とは無線で電気的に接続される。
第1実施形態において、第2の回転センサ84、変速センサ88を省略してもよい。この場合、図3のフローチャートにおいて、第3速度に関連する処理を省略し、たとえばステップS12、ステップS15およびステップS16を省略することができる。
第1実施形態において、第1の回転センサ84を省略してもよい。この場合、図3のフローチャートにおいて、第1速度に関連する処理を省略し、たとえばステップS12、ステップS13およびステップS14を省略することができる。
第2実施形態において、第2の回転センサ84、変速センサ88を省略してもよい。この場合、図3のフローチャートにおいて、第3速度に関連する処理を省略し、たとえばステップS12、ステップS15およびステップS16を省略することができる。
第3実施形態において、第2の回転センサ84、変速センサ88を省略してもよい。この場合、図7のフローチャートにおいて、第3速度に関連する処理を省略し、たとえばステップS36、ステップS37、ステップS38およびステップS39を省略することができる。
第3実施形態において、第1の回転センサ84を省略してもよい。この場合、図7のフローチャートにおいて、第1速度に関連する処理を省略し、たとえばステップS32、ステップS33、ステップS34およびステップS35を省略することができる。
第2実施形態において、報知装置60を設けて、制御部72は、仕様情報を修正した場合、仕様情報を修正したことを示す情報を報知装置60に報知させるようにしてもよい。
各フローチャートの処理は、制御装置70に電力が与えられている間、所定周期毎に繰り返し実行されるのではなく、制御部72に電力供給された後、制御部72に電力供給されるまでの間に1度だけ実行されてもよく、操作部92に予め定める操作を行った場合に実行されてもよい。
各実施形態において、駆動回路44および駆動回路54の少なくとも一方は、制御部72に含まれていてもよい。
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、本発明の範囲内のものである。