JP2020199992A - 人力駆動車用の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータを好適に制御できる人力駆動車両用の制御装置を提供する。【解決手段】人力駆動車用の制御装置は、前記人力駆動車に推進力を付与するモータの制御状態を、人力駆動力に応じて変更するように構成される制御部を含み、前記モータの制御状態は、前記人力駆動力に応じて前記モータを駆動する複数の制御状態を含み、前記複数の制御状態において、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが異なり、前記制御部は、前記人力駆動力が予め定める閾値に到達し、かつ、前記人力駆動力に関して予め定める状態が継続される場合、前記モータの制御状態を変更するように構成される。【選択図】図2

Description

本開示は、人力駆動車用の制御装置に関する。
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用の制御装置は、人力駆動車両に入力される人力駆動力に対するモータの出力の比率が予め定める比率になるようにモータを制御している。
特開平10−59260号公報
本開示の目的の1つは、モータを好適に制御できる人力駆動車両用の制御装置を提供することである。
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車に推進力を付与するモータの制御状態を、人力駆動力に応じて変更するように構成される制御部を含み、前記モータの制御状態は、前記人力駆動力に応じて前記モータを駆動する複数の制御状態を含み、前記複数の制御状態において、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが異なり、前記制御部は、前記人力駆動力が予め定める閾値に到達し、かつ、前記人力駆動力に関して予め定める状態が継続される場合、前記モータの制御状態を変更するように構成される。
第1側面の制御装置によれば、人力駆動力が予め定める閾値に到達し、かつ、人力駆動力に関して予め定める状態が継続される場合に適した制御状態によってモータを制御できるため、モータを好適に制御できる。
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記制御部は、前記人力駆動力が予め定める閾値に到達し、かつ、前記人力駆動力に関して前記予め定める状態が予め定める期間以上にわたり継続される場合、前記モータの前記制御状態を変更するように構成される。
第2側面の制御装置によれば、人力駆動力が予め定める閾値に到達し、かつ、人力駆動力に関して予め定める状態が予め定める期間以上にわたり継続されるまで、モータの制御状態が変更されないため、モータの制御状態の変更の頻度が高くなることを抑制できる。
本開示の第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記予め定める閾値は、予め定める第1閾値を含み、前記予め定める期間は、予め定める第1期間を含み、前記予め定める状態は、前記人力駆動力のピーク値が前記予め定める第1閾値未満にならない第1状態を含み、前記制御部は、前記人力駆動力が前記予め定める第1閾値以上になり、かつ、前記第1状態が前記予め定める第1期間以上にわたり継続される場合、前記モータの前記制御状態を変更するように構成される。
第3側面の制御装置によれば、人力駆動力が予め定める第1閾値以上になり、かつ、第1状態が予め定める第1期間以上にわたり継続される場合、モータの制御状態を変更できる。
本開示の第2または第3側面に従う第4側面の制御装置において、前記予め定める閾値は、予め定める第2閾値を含み、前記予め定める期間は、予め定める第2期間を含み、前記予め定める状態は、前記人力駆動力のピーク値が前記予め定める第2閾値よりも大きくならない第2状態を含み、前記制御部は、前記人力駆動力が前記予め定める第2閾値未満になり、かつ、前記第2状態が前記予め定める第2期間以上にわたり継続される場合、前記モータの制御状態を変更するように構成される。
第4側面の制御装置によれば、人力駆動力が予め定める第2閾値未満になり、かつ、第2状態が予め定める第2期間以上にわたり継続される場合、モータの制御状態を変更できる。
本開示の第2側面に従う第5側面の制御装置において、前記予め定める閾値は、予め定める第1閾値および前記予め定める第1閾値とは異なる予め定める第2閾値を含み、前記予め定める期間は、予め定める第1期間および予め定める第2期間を含み、前記予め定める状態は、前記人力駆動力のピーク値が前記予め定める第1閾値以上である第1状態、および、前記人力駆動力のピーク値が前記予め定める第2閾値未満である第2状態を含み、前記制御部は、前記人力駆動力が前記予め定める第1閾値以上になり、かつ、前記第1状態が前記予め定める第1期間以上にわたり継続される場合、前記モータの前記制御状態を変更し、前記人力駆動力が前記予め定める第2閾値未満になり、かつ、前記第2状態が前記予め定める第2期間以上にわたり継続される場合、前記モータの前記制御状態を変更するように構成される。
第5側面の制御装置によれば、人力駆動力が予め定める第1閾値以上になり、かつ、第1状態が予め定める第1期間以上にわたり継続される場合、および、人力駆動力が予め定める第2閾値未満になり、かつ、第2状態が予め定める第2期間以上にわたり継続される場合、モータの制御状態を変更できる。
本開示の第5側面に従う第6側面の制御装置において、前記予め定める第1期間と、前記予め定める第2期間とは、異なる。
第6側面の制御装置によれば、予め定める第1期間と、予め定める第2期間と、をそれぞれに適した期間にできる。
本開示の第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記予め定める第2期間は、前記予め定める第1期間よりも短い。
第7側面の制御装置によれば、人力駆動力が予め定める第2閾値以上になり、かつ、第2状態が継続される場合、および、人力駆動力が予め定める第1閾値未満になり、かつ、第1状態が継続される場合よりも早期にモータの制御状態を変更できる。
本開示の第5から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の制御装置において、前記予め定める第1閾値は、前記予め定める第2閾値の1.5倍以上である。
第8側面の制御装置によれば、予め定める第1閾値を予め定める第2閾値の1.5倍以上にできる。
本開示の第9側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車に推進力を付与するモータの制御状態を、人力駆動力に応じて変更するように構成される制御部を含み、前記モータの制御状態は、前記人力駆動力に応じて前記モータを駆動する複数の制御状態を含み、前記複数の制御状態において、前記モータの制御状態は、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが異なり、前記制御部は、前記人力駆動力が予め定める第1閾値以上になった場合、前記モータの制御状態を変更し、前記人力駆動力が前記予め定める第2閾値未満になった場合、前記モータの制御状態を変更するように構成され、前記予め定める第1閾値は、前記予め定める第2閾値の1.5倍以上である。
第9側面の制御装置によれば、人力駆動力が予め定める第1閾値以上になった場合、および、人力駆動力が予め定める第2閾値未満になった場合に適した制御状態によってモータを制御できるため、モータを好適に制御できる。
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、前記複数の制御状態は、少なくとも第1制御状態、第2制御状態、および、第3制御状態を含み、前記第2制御状態では、前記第1制御状態の場合と比較して、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが高く、前記第3制御状態では、前記第2制御状態の場合と比較して、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが高く、前記制御部は、前記人力駆動力に応じて前記第2制御状態から前記第1制御状態および前記第3制御状態の一方に変更せず、かつ、前記人力駆動力に応じて前記第2制御状態から前記第1制御状態および前記第3制御状態の他方に変更可能な第1制御モードで前記モータを制御可能に構成される。
第10側面の制御装置によれば、第1制御モードにおいて、第2制御状態と、第1制御状態または第3制御状態とによって人力駆動力に応じた好適なモータの制御ができる。
本開示の第11側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車に推進力を付与するモータの制御状態を、人力駆動力に応じて変更する制御部を含み、前記モータの制御状態は、前記人力駆動力に応じて前記モータを駆動する複数の制御状態を含み、前記複数の制御状態において、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが異なり、前記複数の制御状態は、少なくとも第1制御状態、第2制御状態、および、第3制御状態を含み、前記第2制御状態では、前記第1制御状態の場合と比較して、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが高く、前記第3制御状態では、前記第2制御状態の場合と比較して、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが高く、前記制御部は、前記人力駆動力に応じて前記第2制御状態から前記第1制御状態および前記第3制御状態の一方に変更せず、かつ、前記人力駆動力に応じて前記第2制御状態から前記第1制御状態および前記第3制御状態の他方に変更する第1制御モードで前記モータを制御可能に構成される。
第11側面の制御装置によれば、第1制御モードにおいて、第2制御状態と、第1制御状態または第3制御状態とによって人力駆動力に応じた好適なモータの制御ができる。
本開示の第10または第11側面に従う第12側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1制御モードにおいて、前記人力駆動力に応じて前記第1制御状態および前記第3制御状態の前記他方から前記第2制御状態に変更する。
第12側面の制御装置によれば、第1制御モードにおいて、人力駆動力に応じて第1制御状態または第3制御状態から第2制御状態に変更できる。
本開示の第10から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の制御装置において、前記制御部は、前記人力駆動力に応じて前記モータの制御状態を変更しない第2制御モードで前記モータを制御可能に構成され、前記第1制御モードと前記第2制御モードとを切り替え可能に構成される。
第13側面の制御装置によれば、第2制御モードに切り替えることによって、人力駆動力に応じてモータの制御状態を変更しないようにできる。
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第14側面の制御装置において、前記制御部は、前記人力駆動力に応じて前記モータの制御状態を変更可能な第1制御モードと、前記人力駆動力に応じて前記制御状態を変更しない第2制御モードとによって前記モータを制御可能に構成され、前記第1制御モードと前記第2制御モードとを切り替え可能に構成される。
第14側面の制御装置によれば、第1制御モードと第2制御モードとを切り替えることができる。
本開示の第13または第14側面に従う第15側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1制御モードにおいて、前記モータの制御状態を変更するために操作装置が操作された場合、前記第2制御モードに切り替える。
第15側面の制御装置によれば、第1制御モードにおいて、モータの制御状態を変更するために操作装置が操作された場合、第2制御モードに切り替えられる。
本開示の第13から第15側面のいずれか1つに従う第16側面の制御装置において、前記制御部は、前記第2制御モードにおいて、前記人力駆動車の状態、および、前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて、前記第1制御モードに切り替える。
第16側面の制御装置によれば、第2制御モードにおいて、人力駆動車の状態、および、人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて、第1制御モードに切り替えられる。
本開示の第1から第16側面のいずれか1つに従う第17側面の制御装置において、前記制御部は、前記モータの制御状態に対応する情報を表示装置に表示させる。
第17側面の制御装置によれば、表示装置に表示される情報によってユーザがモータの制御状態を把握できる。
本開示の第1から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の制御装置において、前記制御部は、前記モータの制御状態を変更する場合、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つを徐々に変更する。
第18側面の制御装置によれば、モータの制御状態を変更する場合人力駆動力に対するモータによるアシスト力の比率、モータの出力の上限値、および、人力駆動力の変化に対するモータの出力の応答速度の少なくとも1つが徐々に変更されるため、モータの出力の急激な変化を抑制できる。
本開示の人力駆動車用の制御装置は、モータを好適に制御できる。
第1実施形態の人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の側面図。 第1実施形態の人力駆動車用の制御装置の電気的な構成を示すブロック図。 図2の制御部によって実行され、モータの制御状態を変更する処理のフローチャート。 図2の制御部によって実行され、モータの制御状態を表示装置に表示させる処理のフローチャート。 図2の制御部によって実行され、モータの制御モードを切り替える処理のフローチャート。 第2実施形態の制御部によって実行され、モータの制御状態を変更する処理のフローチャート。 第3実施形態の制御部によって実行され、モータの制御状態を変更する処理のフローチャート。 第1変形例の制御部によって実行され、モータの制御状態を変更する処理のフローチャート。 第2変形例の制御部によって実行され、モータの制御状態を変更する処理のフローチャート。
<第1実施形態>
図1から図5を参照して、第1実施形態の人力駆動車用の制御装置50について説明する。人力駆動車10は、少なくとも人力駆動力によって駆動することができる車である。人力駆動車10は、車輪の数が限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車も含む。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車、ならびに、電動自転車(E−bike)を含む。電動自転車は、電気モータによって車両の推進を補助する電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、自転車として説明する。
人力駆動車10は、後輪12Aと、前輪12Bと、クランク14と、車体16と、を含む。車体16は、フレーム18を含む。クランク14には、人力駆動力Hが入力される。クランク14は、フレーム18に対して回転可能なクランク軸14Aと、クランク軸14Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム14Bとを含む。各クランクアーム14Bには、一対のペダル20がそれぞれ連結される。後輪12Aは、クランク14が回転することによって駆動される。後輪12Aは、フレーム18に支持される。クランク14と後輪12Aとは、駆動機構22によって連結される。駆動機構22は、クランク軸14Aに連結される第1回転体24を含む。クランク軸14Aと第1回転体24とは、一体回転するように連結されてもよく、第1ワンウェイクラッチを介して連結されていてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランク14が前転した場合に、第1回転体24を前転させ、クランク14が後転した場合に、第1回転体24を後転させないように構成される。第1回転体24は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構22は、第2回転体26と、連結部材28とをさらに含む。連結部材28は、第1回転体24の回転力を第2回転体26に伝達する。連結部材28は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
第2回転体26は、後輪12Aに連結される。第2回転体26は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転体26と後輪12Aとの間には、好ましくは、第2ワンウェイクラッチが設けられている。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体26が前転した場合に、後輪12Aを前転させ、第2回転体26が後転した場合に、後輪12Aを後転させないように構成される。
フレーム18には、フロントフォーク30を介して前輪12Bが取り付けられている。フロントフォーク30には、ハンドルバー34がステム32を介して連結されている。本実施形態では、後輪12Aが駆動機構22によってクランク14に連結されるが、後輪12Aおよび前輪12Bの少なくとも1つが、駆動機構22によってクランク14に連結されてもよい。
人力駆動車10は、人力駆動車用のバッテリ36を含む。バッテリ36は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ36は、制御装置50に電力を供給する。バッテリ36は、好ましくは、制御装置50と電線または無線通信装置によって通信可能に接続される。バッテリ36は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)によって制御部52と通信可能である。
人力駆動車10は、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるモータ38を含む。モータ38は、1または複数の電気モータを含む。モータ38は、ペダル20から後輪12Aまでの人力駆動力Hの動力伝達経路、および、前輪12Bの少なくとも1つに回転を伝達するように構成される。ペダル20から後輪12Aまでの人力駆動力Hの動力伝達経路は、後輪12Aを含む。本実施形態では、モータ38は、人力駆動車10のフレーム18に設けられ、第1回転体24に回転を伝達するように構成される。モータ38およびモータ38が設けられるハウジングを含んで、ドライブユニット38Aが構成される。モータ38とクランク軸14Aとの間の動力伝達経路には、好ましくは、クランク軸14Aを人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合にクランク14の回転力によってモータ38が回転しないように構成される第3ワンウェイクラッチが設けられる。後輪12Aおよび前輪12Bの少なくとも1つにモータ38を設ける場合、モータ38は、ハブモータを含んでもよい。モータ38は、後輪12Aおよび前輪12Bの少なくとも1つを直接または間接的に駆動することができるように構成されれば、どのような構成であってもよい。モータ38は、好ましくは減速機を介して、ペダル20から後輪12Aまでの人力駆動力Hの動力伝達経路、および、前輪12Bの少なくとも1つに回転を伝達するように構成される。減速機は、ドライブユニット38Aのハウジングに設けられる。
好ましくは、人力駆動車10は、表示装置40をさらに含む。表示装置40は、例えば、表示パネルを備える携帯型電子機器、ディスプレイ、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つを含む。
好ましくは、人力駆動車10は、操作装置42をさらに含む。操作装置42は、モータ38の制御状態を変更させるために操作される。操作装置42は、制御部52と電線または無線通信装置によって通信可能に接続されている。操作装置42は、例えば電力線通信(PLC)によって制御部52と通信可能に構成される。操作装置42は、それぞれ例えば操作部材と、操作部材の動きを検出する検出部と、検出部の出力信号に応じて、制御部52と通信を行う電気回路とを含む。ユーザによって操作部材が操作されることによって、検出部は、制御部52に出力信号を送信する。操作部材および操作部材の動きを検出する検出部は、プッシュスイッチ、レバー式スイッチ、または、タッチパネルを含んで構成される。操作装置42は、例えばハンドルバー34に設けられる。
制御装置50は、制御部52を含む。制御部52は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部52は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。好ましくは、制御装置50は、記憶部54をさらに含む。記憶部54には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部54は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random access memory)を含む。好ましくは、制御部52は、タイマをさらに含む。
制御装置50は、好ましくは、モータ38の駆動回路56をさらに備える。駆動回路56と、制御部52とは、好ましくは、ドライブユニット38Aのハウジングに設けられる。駆動回路56と、制御部52とは、例えば同一の回路基板に設けられてもよい。駆動回路56は、インバータ回路を含む。駆動回路56は、バッテリ36からモータ38に供給される電力を制御する。駆動回路56は、制御部52と電線または無線通信装置によって通信可能に接続されている。駆動回路56は、制御部52からの制御信号に応じてモータ38を駆動させる。駆動回路56は、制御部52に含まれていてもよい。
制御装置50は、人力駆動力Hに応じてモータ38を制御する。制御装置50は、さらに、人力駆動車10の車速Vおよびクランク軸14Aの回転状態の少なくとも1つに応じて、モータ38を制御してもよい。好ましくは、制御装置50は、車速センサ58、クランク回転センサ60、および、トルクセンサ62をさらに備える。人力駆動力Hは、トルクHTで表されてもよく、仕事率HWで表されてもよい。
車速センサ58は、人力駆動車10の車速に関する情報を出力するように構成される。車速センサ58は、例えば、人力駆動車10の車輪12の回転速度に応じた信号を出力するよう構成される。車速センサ58は、例えば、磁気センサを含み、人力駆動車10の車輪12に設けられる磁石を検出するように構成される。磁気センサは、例えば、リードスイッチを構成する磁性リード、または、ホール素子を含む。車速センサ58は、好ましくは、車輪12が1回転する間に、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、1である。制御部52は、車輪12の回転速度に基づいて人力駆動車10の車速を算出できる。車速センサ58は、人力駆動車10のフレーム18のチェーンステイに取り付けられ、後輪12Aに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォーク30に設けられ、前輪12Bに取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。本実施形態において、車速センサ58は、車輪12が一回転した場合に、リードスイッチが磁石を1回検出するように構成される。車速センサ58は、例えば、磁気センサに代えて、光学センサまたはGPS(Global Positioning System)受信装置などを含んでいてもよく、人力駆動車10の車速に関する情報を出力するように構成されれば、いずれの構成であってもよい。車速センサ58は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部52に接続される。
クランク回転センサ60は、クランク14の回転状態に関する情報を出力するように構成される。クランク回転センサ60は、例えば、人力駆動車10のフレーム18またはドライブユニットに設けられる。クランク回転センサ60は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸14A、クランク軸14Aに連動して回転する部材、または、クランク軸14Aから第1回転体24までの間の動力伝達経路に設けられる。クランク軸14Aに連動して回転する部材は、モータ38の出力軸、または、減速機を構成する部材を含む。クランク回転センサ60は、クランク14の回転速度Nまたはクランク14の回転角度に応じた信号を出力する。クランク回転センサ60によって検出される磁石は、クランク軸14Aから第1回転体24までの人力駆動力Hの動力伝達経路において、クランク軸14Aと一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、クランク回転センサ60によって検出される磁石は、クランク軸14Aと第1回転体24との間に第1ワンウェイクラッチが設けられない場合、第1回転体24に設けられてもよい。クランク回転センサ60は、磁気センサに代えて、光学センサ、加速度センサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよく、クランク14の回転状態に関する情報を出力するように構成されれば、いずれの構成であってもよい。クランク回転センサ60は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部52に接続される。
トルクセンサ62は、人力駆動力Hによってクランク14に与えられるトルクに応じた信号を出力するように構成される。トルクセンサ62は、クランク14に入力される人力駆動力Hのトルクに応じた情報を出力するように構成される。トルクセンサ62は、例えば、動力伝達経路に第1ワンウェイクラッチが設けられる場合、好ましくは、第1ワンウェイクラッチよりも動力伝達経路の上流側に設けられる。トルクセンサ62は、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。トルクセンサ62は、動力伝達経路、または、動力伝達経路に含まれる部材の近傍に含まれる部材に設けられる。動力伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸14A、クランク軸14Aと第1回転体24との間において人力駆動力Hを伝達する部材、クランクアーム14B、または、ペダル20である。トルクセンサ62は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部52に接続される。人力駆動力Hの仕事率は、トルクセンサ62によって検出されたトルクとクランク回転センサ60によって検出されたクランク14の回転速度Nとを乗算することによって得られる。トルクセンサ62は、人力駆動力Hに応じた信号を出力できれば、他のセンサに置き換えてもよい。人力駆動力Hに応じた信号を出力するように構成されるセンサは、例えば、フレーム18の歪を検出するように構成される歪センサ、または、第2回転体26または駆動輪の歪を検出するように構成される歪センサ、などを含む。
制御部52は、モータ38を制御し、人力駆動力Hに対するモータ38によるアシスト力Mの比率Aを、人力駆動力Hに応じて変更するように構成される。人力駆動車10の人力駆動力HのトルクHTに対するモータ38によるアシスト力MのトルクMTの比率を、比率ATと記載する場合がある。制御部52は、例えば、人力駆動力Hの仕事率HW(ワット)に対するモータ38によるアシスト力Mの仕事率MW(ワット)の比率を比率AWと記載する場合がある。比率Aとしては、比率ATを用いてもよく、比率AWを用いてもよい。制御部52は、例えば、人力駆動力Hと比率Aとの対応関係の少なくとも一部が互いに異なる複数の制御状態から選択される1つの制御状態によって、モータ38を制御するように構成される。人力駆動力Hの仕事率HWは、人力駆動力HのトルクHTとクランク軸14Aの回転速度Nとの乗算によって算出される。モータ38の出力が減速機を介して人力駆動力Hの動力経路に入力される場合は、減速機の出力を、アシスト力Mとする。減速機がない場合、アシスト力Mの仕事率MWは、モータ38のトルクと、モータ38の回転速度との乗算によって算出される。減速機がある場合は、アシスト力Mの仕事率MWは、減速機の出力トルクと、減速機の出力回転速度との乗算によって算出される。モータ38またはモータ38の周囲には、モータ38の回転速度に応じた信号を出力するモータ回転速度センサが設けられる。制御部52は、モータ回転速度センサに接続され、モータ回転速度センサの出力信号に応じて、モータ38の回転速度を算出できる。減速機がある場合、記憶部54は、減速機の減速比に関する情報を記憶するように構成される。制御部52は、モータ38の回転速度と、減速機の減速比に関する情報とに応じて、減速機の出力回転速度を算出できる。記憶部54は、例えば、モータ38の制御指令とモータ38の出力トルクとの関係を示す情報を記憶している。制御部52は、例えば、記憶部54に記憶されているモータ38の制御指令とモータ38の出力トルクとの関係を示す情報に応じて、モータ38の出力トルクを算出できる。制御部52は、例えば、モータ38の出力トルクと、減速機の減速比に関する情報とに応じて、減速機の出力トルクを算出できる。制御部52は、人力駆動力HのトルクHTまたは仕事率HWに応じて、制御指令をモータ38の駆動回路56に出力するように構成される。制御指令は、例えばトルク指令値を含む。複数の制御状態は、モータ38を駆動しない制御状態を含んでいてもよい。
例えば、制御部52は、車速Vが予め定める第1車速VA以上になると、モータ38を停止する。予め定める第1車速VAは、例えば、時速45Kmである。予め定める速度は、時速45Km未満であってもよく、例えば、時速25Kmであってもよい。
制御部52は、モータ38の出力が上限値MX以下になるようにモータ38を制御する。アシスト力MがトルクMTによって表される場合、トルクMTは、モータ38によって発生するアシストトルクを含む。モータ38の出力が、減速機を介して人力駆動力Hの動力経路に入力される場合は、アシストトルクは、減速機の出力トルクを含む。アシスト力MがトルクMTによって表される場合、制御部52は、トルクMTが上限値MTX以下になるようにモータ38を制御する。好ましくは、上限値MTXは、50Nm以上90Nm以下の範囲の値である。上限値MTXは、例えば、80Nmである。好ましくは、上限値MTXは、モータ38の出力特性によって決定される。アシスト力Mが仕事率MWによって表される場合、制御部52は、仕事率MWが上限値MWX以下になるようにモータ38を制御する。
制御部52は、人力駆動車10に推進力を付与するモータ38の制御状態を、人力駆動力Hに応じて変更するように構成される。モータ38の制御状態は、人力駆動力Hに応じてモータ38を駆動する複数の制御状態を含み、複数の制御状態において、人力駆動力Hに対するモータ38によるアシスト力Mの比率A、モータ38の出力の上限値MX、および、人力駆動力Hの変化に対するモータ38の出力の応答速度Rの少なくとも1つが異なる。
好ましくは、複数の制御状態は、少なくとも第1制御状態、第2制御状態、および、第3制御状態を含む。第2制御状態では、第1制御状態の場合と比較して、人力駆動力Hに対するモータ38によるアシスト力Mの比率A、モータ38の出力の上限値MX、および、人力駆動力Hの変化に対するモータ38の出力の応答速度Rの少なくとも1つが高い。第3制御状態では、第2制御状態の場合と比較して、人力駆動力Hに対するモータ38によるアシスト力Mの比率A、モータ38の出力の上限値MX、および、人力駆動力Hの変化に対するモータ38の出力の応答速度Rの少なくとも1つが高い。
複数の制御状態において、比率Aを異ならせる場合、例えば、第1制御状態の比率Aは60%であり、第2制御状態の比率Aは90%であり、第3制御状態の比率Aは300%である。複数の制御状態において、上限値MXを異ならせる場合、例えば、第1制御状態の上限値MXは、30Nmであり、第2制御状態の上限値MXは、50Nmであり、第3制御状態の上限値MXは、85Nmである。
複数の制御状態において応答速度Rを異ならせる場合、制御部52は、好ましくは、人力駆動力Hの大きさに応じた信号を処理するフィルタを備える。制御部52は、フィルタの時定数を変更することによって、応答速度Rを異ならせる。
好ましくは、応答速度Rは、第1応答速度R1と、第2応答速度R2と、を含む。制御部52は、人力駆動力Hが増加する場合、第1応答速度R1に応じてモータ38を制御可能に構成される。制御部52は、人力駆動力Hが減少する場合、第2応答速度R2に応じてモータ38を制御可能に構成される。好ましくは、第2応答速度R2は、第1応答速度R1よりも低い。好ましくは、制御部52は、複数の制御状態において応答速度Rを異ならせる場合、第1応答速度R1を異ならせる。制御部52は、複数の制御状態において応答速度Rを異ならせる場合、第2応答速度R2を異ならせてもよく、第1応答速度R1および第2応答速度R2の両方を異ならせてもよい。制御部52は、複数の制御状態において第1応答速度R1および第2応答速度R2を異ならせる場合、第2制御状態では、第1制御状態の場合と比較して、第1応答速度R1が高く、かつ、第2応答速度R2が低く、第3制御状態では、第2制御状態の場合と比較して、第1応答速度R1が高く、かつ、第2応答速度R2が低くなるようにしてもよい。
好ましくは、制御部52は、人力駆動力Hに応じてモータ38の制御状態を変更可能な第1制御モードと、人力駆動力Hに応じて制御状態を変更しない第2制御モードとによってモータ38を制御可能に構成され、第1制御モードと第2制御モードとを切り替え可能に構成される。
好ましくは、制御部52は、第1制御モードにおいて、モータ38の制御状態を変更するために操作装置42が操作された場合、第2制御モードに切り替える。制御部52は、第2制御モードにおいて、人力駆動力H以外の条件に応じてモータ38の制御状態を変更するように構成されてもよい。例えば、人力駆動車10が操作装置42を含む場合、制御部52は、第2制御モードにおいて、操作装置42が操作された場合、モータ38の制御状態を操作装置42の操作と対応する制御状態に変更可能に構成されてもよく、第2制御モードにおいて、クランク14の回転速度Nに応じて、モータ38の制御状態を変更可能に構成されてもよい。好ましくは、制御部52は、第2制御モードにおいて、人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに応じて、第1制御モードに切り替える。制御部52は、第1制御モードと第2制御モードとを切り替えるための操作装置42の操作に応じて、第1制御モードと第2制御モードとを切り替えるように構成されてもよい。制御部52が第1制御モードと第2制御モードとを切り替えるための操作装置42の操作に応じて、第1制御モードと第2制御モードとを切り替えるように構成される場合、第1制御モードにおいて操作装置42が操作されても、第2制御モードに切り替えないようにしてもよい。制御部52が第1制御モードと第2制御モードとを切り替えるための操作装置42の操作に応じて、第1制御モードと第2制御モードとを切り替えるように構成される場合、第2制御モードにおいて、人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに応じて、第1制御モードに切り替えないようにしてもよい。
人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つは、例えば、人力駆動車10のモータ38の出力状態、車体16のピッチ角度、車体16のロール角度、車体16のヨーレート、および、車体16の前後荷重バランスの少なくとも1つを含む。好ましくは、制御装置50は、人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つを検出する検出部をさらに含む。制御部52は、第2制御モードにおいて、人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つを検出する検出部の出力に応じて、第1制御モードに切り替える。人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つを検出する検出部は、例えば、モータ回転速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、圧力センサ、および、歪センサの少なくとも1つを含む。人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つを検出する検出部は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部52に接続される。
制御部52は、人力駆動力Hが予め定める閾値HAに到達し、かつ、人力駆動力Hに関して予め定める状態が継続される場合、モータ38の制御状態を変更するように構成される。好ましくは、制御部52は、人力駆動力Hが予め定める閾値HAに到達し、かつ、人力駆動力Hに関して予め定める状態が予め定める期間TX以上にわたり継続される場合、モータ38の制御状態を変更するように構成される。
好ましくは、予め定める閾値HAは、予め定める第1閾値H1および予め定める第1閾値H1とは異なる予め定める第2閾値H2を含む。好ましくは、予め定める期間TXは、予め定める第1期間T1および予め定める第2期間T2を含む。好ましくは、予め定める状態は、人力駆動力Hのピーク値HXが予め定める第1閾値H1以上である第1状態、および、人力駆動力Hのピーク値HXが予め定める第2閾値H2未満である第2状態を含む。好ましくは、制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上になり、かつ、第1状態が予め定める第1期間T1以上にわたり継続される場合、モータ38の制御状態を変更するように構成される。好ましくは、制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2未満になり、かつ、第2状態が予め定める第2期間T2以上にわたり継続される場合、モータ38の制御状態を変更するように構成される。
好ましくは、制御部52は、モータ38の制御状態を変更する場合、人力駆動力Hに対するモータ38によるアシスト力Mの比率A、モータ38の出力の上限値MX、および、人力駆動力Hの変化に対するモータ38の出力の応答速度Rの少なくとも1つを徐々に変更する。
好ましくは、制御部52は、第1制御モードにおいて、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上になり、かつ、第1状態が予め定める第1期間T1以上にわたり継続される場合において、モータ38の制御状態が第2制御状態の場合は、モータ38の制御状態を第3制御状態に変更し、モータ38の制御状態が第1制御状態の場合は、モータ38の制御状態を第2制御状態に変更し、モータ38の制御状態が第3制御状態の場合、モータ38の制御状態を変更しないで、第3制御状態を維持する。
好ましくは、制御部52は、第1制御モードにおいて、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2未満になり、かつ、第2状態が予め定める第2期間T2以上にわたり継続される場合において、モータ38の制御状態が第2制御状態の場合は、モータ38の制御状態を第1制御状態に変更し、第3制御状態の場合は、モータ38の制御状態を第1制御状態に変更し、モータ38の制御状態が第1制御状態の場合、モータ38の制御状態を変更しないで、第1制御状態を維持する。
好ましくは、制御部52は、人力駆動力Hのピーク値HXを記憶部54に記憶する。人力駆動力Hのピーク値HXは、人力駆動力Hが増加から減少に変化した変曲点の値である。制御部52は、第1例では、人力駆動力Hが増加から減少に変化した変曲点の人力駆動力Hをピーク値HXとして記憶部54に記憶し、次に人力駆動力Hが増加から減少に変化した場合、記憶部54に記憶されるピーク値HXを更新するように構成される。制御部52は、第2例では、予め定める検出期間における人力駆動力Hの最大値をピーク値HXとして記憶部54に記憶し、予め定める検出期間ごとにピーク値HXを更新するように構成される。
好ましくは、予め定める第1期間T1と、予め定める第2期間T2とは、異なる。予め定める第1期間T1と、予め定める第2期間T2とは、同じでもよい。好ましくは、予め定める第2期間T2は、予め定める第1期間T1よりも短い。予め定める第1期間T1は、例えば、200ミリ秒以上2000ミリ秒以下の範囲の期間である。予め定める第2期間T2は、例えば、0ミリ秒以上1000ミリ秒以下の範囲の期間である。
好ましくは、予め定める第1閾値H1は、予め定める第2閾値H2の1.5倍以上である。予め定める第2期間T2は、予め定める第1期間T1の1.5倍未満であってもよい。予め定める第2期間T2は、予め定める第1期間T1以上であってもよい。予め定める第1閾値H1は、例えば、人力駆動力Hがトルクで表される場合、10Nm以上200Nm以下の範囲の値である。予め定める第2閾値H2は、例えば、人力駆動力Hがトルクで表される場合、0Nm以上30Nm以下の範囲の値である。予め定める第1閾値H1は、例えば、人力駆動力Hが仕事率で表される場合、70ワット以上500ワット以下の範囲の値である。予め定める第2閾値H2は、例えば、人力駆動力Hが仕事率で表される場合、0ワット以上200ワット以下の範囲の値である。
モータ38の制御状態が第1制御状態の場合と、第2制御状態の場合と、第3制御状態の場合とにおいて、予め定める第1期間T1、予め定める第2期間T2、予め定める第1閾値H1、および、予め定める第2閾値H2とは、同じであってもよい。モータ38の制御状態が第1制御状態の場合と、第2制御状態の場合と、第3制御状態の場合とにおいて、予め定める第1期間T1、予め定める第2期間T2、予め定める第1閾値H1、および、予め定める第2閾値H2の少なくとも1つが異なるようにしてもよい。表1は、モータ38の制御状態と、予め定める第1期間T1、予め定める第2期間T2、予め定める第1閾値H1、および、予め定める第2閾値H2との組み合わせの一例を示す。
表1の例では、第2制御状態における予め定める第1期間T1と、予め定める第2期間T2とは、異なる。表1では、第2制御状態における予め定める第1期間T1は、予め定める第2期間T2よりも長い。表1の例では、第2制御状態における予め定める第1閾値H1は、予め定める第2閾値H2よりも大きい。表1の例では、第2制御状態における予め定める第1閾値H1は、予め定める第2閾値H2の1.5倍以上である。
表1の例では、第2制御状態における予め定める第1期間T1は、第1制御状態における予め定める第1期間T1よりも長い。表1の例では、第2制御状態における予め定める第2期間T2は、第3制御状態における予め定める第2期間T2と等しい。
表1の例では、第2制御状態における予め定める第1閾値H1は、第1制御状態における予め定める第1閾値H1よりも大きい。表1の例では、第2制御状態における予め定める第1閾値H1は、第1制御状態における予め定める第1閾値H1の1.5倍以上である。表1の例では、第2制御状態における予め定める第2閾値H2は、第3制御状態における予め定める第2閾値H2と等しい。
図3を参照して、モータ38の制御状態を変更する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図3に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部52は、図3のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
制御部52は、ステップS11において、第1制御モードか否かを判定する。制御部52は、第1制御モードではない場合、処理を終了する。制御部52は、第1制御モードの場合、ステップS12に移行する。制御部52は、ステップS12において、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1に到達したか否かを判定する。制御部52は、例えば、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上の場合、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1に到達したと判定する。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1に到達した場合、ステップS13に移行する。制御部52は、例えば、表1のように第3制御状態に予め定める第1閾値H1が設定されておらず、かつ、モータ38の制御状態が第3制御状態の場合、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1に到達していないと判定する。
制御部52は、ステップS13において、第1状態が予め定める第1期間T1以上にわたり継続されるか否かを判定する。制御部52は、例えば、記憶部54に記憶される最新の人力駆動力Hのピーク値HXが予め定める第1閾値H1以上となる状態が、第1期間T1以上にわたり継続されている場合、第1状態が予め定める第1期間T1以上にわたり継続されると判定する。制御部52は、第1状態が予め定める第1期間T1以上にわたり継続されていない場合、処理を終了する。制御部52は、第1状態が予め定める第1期間T1以上にわたり継続されている場合、ステップS14に移行する。制御部52は、ステップS14において、モータ38の制御状態を変更し、処理を終了する。
制御部52は、ステップS12において、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1に到達していない場合、ステップS15に移行する。制御部52は、例えば、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2未満の場合、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2に到達したと判定する。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2に到達していない場合、処理を終了する。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2に到達した場合、ステップS16に移行する。制御部52は、例えば、表1のように第1制御状態に予め定める第2閾値H2が設定されておらず、かつ、モータ38の制御状態が第1制御状態の場合、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2に到達していないと判定する。
制御部52は、ステップS16において、第2状態が予め定める第2期間T2以上にわたり継続されるか否かを判定する。制御部52は、例えば、記憶部54に記憶される最新の人力駆動力Hのピーク値HXが予め定める第2閾値H2未満の状態が第2期間T2以上にわたり継続されている場合、第2状態が予め定める第2期間T2以上にわたり継続されると判定する。制御部52は、第2状態が予め定める第2期間T2以上にわたり継続されていない場合、処理を終了する。制御部52は、第2状態が予め定める第2期間T2以上にわたり継続されている場合、ステップS17に移行する。制御部52は、ステップS17において、モータ38の制御状態を変更し、処理を終了する。
好ましくは、制御部52は、モータ38の制御状態に対応する情報を表示装置40に表示させる。制御部52は、人力駆動力Hに応じてモータ38の制御状態を変更する場合、モータ38の制御状態に対応する情報を表示装置40に表示させてもよく、モータ38が駆動する場合、常にモータ38の制御状態に対応する情報を表示装置40に表示させてもよい。制御部52は、モータ38の制御状態を表示装置40に表示させる場合、表示を開始してから予め定める表示期間が経過すると、表示を消すようにしてもよい。
図4を参照して、モータ38の制御状態を表示装置40に表示させる処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図4に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部52は、図4のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
制御部52は、ステップS21において、モータ38の制御状態が変更されたか否かを判定する。制御部52は、モータ38の制御状態が変更されていない場合、処理を終了する。制御部52は、モータ38の制御状態が変更された場合、ステップS22に移行する。制御部52は、例えば、図3のステップS14およびステップS17の処理によってモータ38の制御状態が変更された場合、ステップS21からステップS22に移行する。制御部52は、ステップS22において、変更後のモータ38の制御状態を表示装置40に表示させ、処理を終了する。
図5を参照して、モータ38の制御モードを変更する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図5に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部52は、図5のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
制御部52は、ステップS31において、第1制御モードか否かを判定する。制御部52は、第1制御モードの場合、ステップS32に移行する。制御部52は、ステップS32において、操作装置42が操作されたか否かを判定する。制御部52は、操作装置42が操作されていない場合、処理を終了する。制御部52は、操作装置42が操作された場合、ステップS33に移行する。制御部52は、ステップS33において、第2制御モードに切り替え、処理を終了する。
制御部52は、ステップS31において、第1制御モードではないと判定した場合、ステップS34に移行する。制御部52は、ステップS34において、第1制御モードへの切り替え条件が成立しているか否かを判定する。切り替え条件は、ユーザビリティを向上できる、または、モータ38を好適に制御するための条件である。切り替え条件は、例えば、人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに関する。制御部52は、例えば、人力駆動力Hが予め定める駆動力HX以上の場合、切り替え条件が成立していると判定する。制御部52は、例えば、走行抵抗が予め定める抵抗以上の場合、切り替え条件が成立していると判定してもよい。制御部52は、切り替え条件が成立していない場合、処理を終了する。制御部52は、切り替え条件が成立している場合、ステップS35に移行する。制御部52は、ステップS35において、第1制御モードに切り替え、処理を終了する。
<第2実施形態>
図2および図6を参照して、第2実施形態の制御装置50について説明する。第2実施形態の制御装置50は、人力駆動力Hが第1閾値H1以上および第2閾値H2未満になった場合にモータ38の制御状態を変更するように構成される点以外は、第1実施形態の制御装置50と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
制御部52は、人力駆動車10に推進力を付与するモータ38の制御状態を、人力駆動力Hに応じて変更するように構成される。モータ38の制御状態は、人力駆動力Hに応じてモータ38を駆動する複数の制御状態を含み、複数の制御状態において、モータ38の制御状態は、人力駆動力Hに対するモータ38によるアシスト力Mの比率A、モータ38の出力の上限値MX、および、人力駆動力Hの変化に対するモータ38の出力の応答速度Rの少なくとも1つが異なる。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上になった場合、モータ38の制御状態を変更する。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2未満になった場合、モータ38の制御状態を変更するように構成される。予め定める第1閾値H1は、予め定める第2閾値H2の1.5倍以上である。
図6を参照して、モータ38の制御状態を変更する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図6に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部52は、図6のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS41からの処理を繰り返す。
制御部52は、ステップS41において、第1制御モードか否かを判定する。制御部52は、第1制御モードではない場合、処理を終了する。制御部52は、第1制御モードの場合、ステップS42に移行する。制御部52は、ステップS42において、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上か否かを判定する。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上の場合、ステップS43に移行する。制御部52は、ステップS43において、モータ38の制御状態を変更し、処理を終了する。好ましくは、制御部52は、ステップS43において、図3のステップS14と同様にモータ38の制御状態を変更する。
制御部52は、ステップS42において、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上ではない場合、ステップS44に移行する。制御部52は、ステップS44において、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2未満か否かを判定する。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2未満ではない場合、処理を終了する。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2未満の場合、ステップS45に移行する。制御部52は、ステップS45において、モータ38の制御状態を変更し、処理を終了する。好ましくは、制御部52は、ステップS45において、図3のステップS17と同様にモータ38の制御状態を変更する。
<第3実施形態>
図2および図7を参照して、第3実施形態の制御装置50について説明する。第2実施形態の制御装置50は、人力駆動力Hに応じて第2制御状態から第1制御状態および第3制御状態の一方に変更せず、かつ、人力駆動力Hに応じて第2制御状態から第1制御状態および第3制御状態の他方に変更可能に構成される点以外は、第1実施形態の制御装置50と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
制御部52は、人力駆動車10に推進力を付与するモータ38の制御状態を、人力駆動力Hに応じて変更する。モータ38の制御状態は、人力駆動力Hに応じてモータ38を駆動する複数の制御状態を含む。複数の制御状態において、人力駆動力Hに対するモータ38によるアシスト力Mの比率A、モータ38の出力の上限値MX、および、人力駆動力Hの変化に対するモータ38の出力の応答速度Rの少なくとも1つが異なる。複数の制御状態は、少なくとも第1制御状態、第2制御状態、および、第3制御状態を含む。第2制御状態では、第1制御状態の場合と比較して、人力駆動力Hに対するモータ38によるアシスト力Mの比率A、モータ38の出力の上限値MX、および、人力駆動力Hの変化に対するモータ38の出力の応答速度Rの少なくとも1つが高い。第3制御状態では、第2制御状態の場合と比較して、人力駆動力Hに対するモータ38によるアシスト力Mの比率A、モータ38の出力の上限値MX、および、人力駆動力Hの変化に対するモータ38の出力の応答速度Rの少なくとも1つが高い。
制御部52は、第1制御モードでモータ38を制御可能に構成される。第1制御モードは、制御部52は、人力駆動力Hに応じて第2制御状態から第1制御状態および第3制御状態の一方に変更せず、かつ、人力駆動力Hに応じて第2制御状態から第1制御状態および第3制御状態の他方に変更可能である。好ましくは、制御部52は、第1制御モードにおいて、人力駆動力Hに応じて第2制御状態から第1制御状態に変更せず、かつ、人力駆動力Hに応じて第2制御状態から第3制御状態に変更可能に構成される。好ましくは、制御部52は、第2制御モードから第1制御モードに切り替えられたときに第1制御状態の場合、第1制御状態を維持する。
好ましくは、制御部52は、第1制御モードにおいて、人力駆動力Hに応じて第1制御状態および第3制御状態の他方から第2制御状態に変更する。好ましくは、制御部52は、第1制御モードにおいて、第3制御状態から第2制御状態に変更可能に構成される。好ましくは、制御部52は、第1制御モードにおいて、第2制御状態から第3制御状態に変更された後、人力駆動力Hに応じて第3制御状態から第2制御状態に変更可能に構成される。好ましくは、制御部52は、第2制御モードから第1制御モードに切り替えられたときに第3制御状態である場合、モータ38の制御状態を変更しない。制御部52は、第2制御モードから第1制御モードに切り替えられたときに第3制御状態である場合、モータ38の制御状態を変更してもよい。
好ましくは、制御部52は、人力駆動力Hに応じてモータ38の制御状態を変更しない第2制御モードでモータ38を制御可能に構成される。制御部52は、第1制御モードと第2制御モードとを切り替え可能に構成される。
好ましくは、制御部52は、第1制御モードにおいて第2制御状態から第1制御状態および第3制御状態の他方への第1変更条件が成立した場合、モータ38の制御状態を第2制御状態から第1制御状態および第3制御状態の他方へ変更する。第1変更条件は、人力駆動車10の状態および人力駆動車10の走行状態の少なくとも1つに関する。第1変更条件は、例えば、人力駆動力Hに関する。第1変更条件は、例えば、人力駆動力Hが第1閾値H1以上の場合に成立する。
好ましくは、制御部52は、第1制御モードにおいて第1制御状態および第3制御状態の他方から第2制御状態への第2変更条件が成立した場合、モータ38の制御状態を第1制御状態および第3制御状態の他方から第2制御状態へ変更する。第2変更条件は、人力駆動車10の状態および人力駆動車10の走行状態の少なくとも1つに関する。第2変更条件は、例えば、人力駆動力Hに関する。第2変更条件は、例えば、人力駆動力Hが第2閾値H2未満の場合に成立する。
図7を参照して、モータ38の制御状態を変更する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図7に示すフローチャートのステップS51に移行する。制御部52は、図7のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS51からの処理を繰り返す。
制御部52は、ステップS51において、第1制御モードか否かを判定する。制御部52は、第1制御モードではない場合、処理を終了する。制御部52は、第1制御モードの場合、ステップS52に移行する。制御部52は、ステップS52において、第2制御状態か否かを判定する。制御部52は、第2制御状態ではない場合、処理を終了する。制御部52は、第2制御状態の場合、ステップS53に移行する。
制御部52は、ステップS53において、第1制御状態および第3制御状態の他方への第1変更条件が成立か否かを判定する。制御部52は、第1変更条件が成立ではない場合、処理を終了する。制御部52は、第1変更条件が成立の場合、ステップS54に移行する。制御部52は、ステップS54において、モータ38の制御状態を、第1制御状態および第3制御状態の他方へ変更し、ステップS55に移行する。
制御部52は、ステップS55において、第2制御状態への第2変更条件が成立か否かを判定する。制御部52は、第2変更条件が成立ではない場合、再びステップS55の判定処理を実行する。制御部52は、第2変更条件が成立の場合、ステップS56に移行する。制御部52は、ステップS56において、モータ38の制御状態を、第2制御状態へ変更し、処理を終了する。
第2制御状態では、第1制御状態の場合と比較して、比率A、上限値MX、および、応答速度Rの少なくとも1つが高く、第3制御状態では、第2制御状態の場合と比較して、比率A、上限値MX、および、応答速度Rの少なくとも1つが高い。制御部52が、第1制御モードにおいて、人力駆動力Hに応じて第2制御状態から第1制御状態に変更しないことによって、比率A、上限値MX、および、応答速度Rの少なくとも1つが、第2制御状態の比率A、上限値MX、および、応答速度Rの少なくとも1つ以上の状態によってモータ38が駆動される。このため、ライダの負荷の増加を抑制できる。
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
・第1実施形態、または、第1実施形態の変形例を含む実施形態において、図3のステップS15、ステップS16、および、ステップS17を省略して、図8のフローチャートにしてもよい。図8では、ステップS12において否定判定の場合、処理を終了する。この変形例では、予め定める閾値HAは、予め定める第1閾値H1を含み、予め定める期間TXは、予め定める第1期間T1を含み、予め定める状態は、人力駆動力Hのピーク値HXが予め定める第1閾値H1未満にならない第1状態を含む。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上になり、かつ、第1状態が予め定める第1期間T1以上にわたり継続される場合、モータ38の制御状態を変更するように構成される。
・第1実施形態、または、第1実施形態の変形例を含む実施形態において、図3のステップS12、ステップS13、および、ステップS14を省略して、図9のフローチャートにしてもよい。図9では、ステップS11において肯定判定の場合、ステップS15に移行する。この変形例では、予め定める閾値HAは、予め定める第2閾値H2を含み、予め定める期間TXは、予め定める第2期間T2を含み、予め定める状態は、人力駆動力Hのピーク値HXが予め定める第2閾値H2よりも大きくならない第2状態を含む。制御部52は、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2未満になり、かつ、第2状態が予め定める第2期間T2以上にわたり継続される場合、モータ38の制御状態を変更するように構成される。
・第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、または、第3実施形態の変形例を含む実施形態において、第2制御状態では、第1制御状態の場合と比較して、比率A、上限値MX、および、応答速度Rのうちの1つ、2つ、または、3つが低くてもよい。第3制御状態では、第2制御状態の場合と比較して、比率A、上限値MX、および、応答速度Rのうちの1つ、2つ、または、3つが低くてもよい。
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、または、第2実施形態の変形例を含む実施形態において、第2制御モードを省略してもよい。この場合、図3、図8、および、図9のフローチャートにおいては、ステップS11が省略され、図6のフローチャートにおいては、ステップS41が省略される。図3では、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図3に示すフローチャートのステップS12に移行する。図8では、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図8に示すフローチャートのステップS12に移行する。図9では、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図9に示すフローチャートのステップS15に移行する。
・第3実施形態、または、第3実施形態の変形例を含む実施形態において、第2制御状態では、第1制御状態の場合と比較して、比率A、上限値MX、および、応答速度Rの少なくとも1つ、2つ、または、3つが低くてもよい。第3制御状態では、第2制御状態の場合と比較して、比率A、上限値MX、および、応答速度Rの少なくとも1つ、2つ、または、3つが低くてもよい。この場合、好ましくは、制御部52は、人力駆動力Hが予め定める閾値HAに到達し、かつ、人力駆動力Hに関して予め定める状態が継続される場合、モータ38の制御状態を変更するように構成される。
・第1実施形態、第3実施形態、第1実施形態の変形例、または、第3実施形態の変形例を含む実施形態において、制御部52は、人力駆動力Hに加えて、人力駆動力H以外の人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに関する条件に応じて、モータ38の制御状態を変更するようにしてもよい。人力駆動力H以外の人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに関する条件は、例えば、人力駆動車10のモータ38の出力状態、車体16のピッチ角度、車体16のロール角度、車体16のヨー角度、および、車体16の前後荷重バランスの少なくとも1つに関する条件である。制御部52は、人力駆動力Hが閾値HAに達し、かつ、人力駆動力H以外の人力駆動車10の状態、および、人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに関する条件が成立した場合、モータ38の制御状態を変更する。
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、または、第2実施形態の変形例を含む実施形態において、複数の制御状態は、第1制御状態および第2制御状態のみを含んでもよく、第2制御状態および第3制御状態のみを含んでいてもよい。
・第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第1実施形態の変形例、第2実施形態の変形例、または、第3実施形態の変形例を含む実施形態において、モータ38の制御状態は、人力駆動力Hに応じてモータ38を駆動する複数の制御状態に加えて、人力駆動力Hに応じてモータ38を駆動しない第4制御状態をさらに含んでいてもよい。第4制御状態の場合、制御部52は、例えば、モータ38を停止させた状態を維持するように構成される。
制御部52は、例えば、第1制御モードにおいて、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上になり、かつ、第1状態が予め定める第1期間T1以上にわたり継続される場合において、モータ38の制御状態が第4制御状態の場合は、モータ38の制御状態を第2制御状態に変更する。制御部52は、例えば、第1制御モードにおいて、人力駆動力Hが予め定める第1閾値H1以上になり、かつ、第1状態が予め定める第1期間T1以上にわたり継続される場合において、モータ38の制御状態が第4制御状態の場合は、モータ38の制御状態を第1制御状態に変更してもよい。制御部52は、例えば、第1制御モードにおいて、人力駆動力Hが予め定める第2閾値H2未満になり、かつ、第2状態が予め定める第2期間T2以上にわたり継続される場合において、モータ38の制御状態が第1制御状態の場合は、モータ38の制御状態を第4制御状態に変更し、モータ38の制御状態が第4制御状態の場合は、モータ38の制御状態を変更しないで、第4制御状態を維持する。表2は、モータ38の制御状態と、予め定める第1期間T1、予め定める第2期間T2、予め定める第1閾値H1、および、予め定める第2閾値H2との組み合わせの一例を示す。
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
10…人力駆動車、38…モータ、40…表示装置、42…操作装置、50…制御装置、52…制御部。

Claims (18)

  1. 人力駆動車用の制御装置であって、
    前記人力駆動車に推進力を付与するモータの制御状態を、人力駆動力に応じて変更するように構成される制御部を含み、
    前記モータの制御状態は、前記人力駆動力に応じて前記モータを駆動する複数の制御状態を含み、前記複数の制御状態において、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが異なり、
    前記制御部は、前記人力駆動力が予め定める閾値に到達し、かつ、前記人力駆動力に関して予め定める状態が継続される場合、前記モータの制御状態を変更するように構成される、制御装置。
  2. 前記制御部は、前記人力駆動力が予め定める閾値に到達し、かつ、前記人力駆動力に関して前記予め定める状態が予め定める期間以上にわたり継続される場合、前記モータの前記制御状態を変更するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記予め定める閾値は、予め定める第1閾値を含み、
    前記予め定める期間は、予め定める第1期間を含み、
    前記予め定める状態は、前記人力駆動力のピーク値が前記予め定める第1閾値未満にならない第1状態を含み、
    前記制御部は、
    前記人力駆動力が前記予め定める第1閾値以上になり、かつ、前記第1状態が前記予め定める第1期間以上にわたり継続される場合、前記モータの前記制御状態を変更するように構成される、請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記予め定める閾値は、予め定める第2閾値を含み、
    前記予め定める期間は、予め定める第2期間を含み、
    前記予め定める状態は、前記人力駆動力のピーク値が前記予め定める第2閾値よりも大きくならない第2状態を含み、
    前記制御部は、
    前記人力駆動力が前記予め定める第2閾値未満になり、かつ、前記第2状態が前記予め定める第2期間以上にわたり継続される場合、前記モータの制御状態を変更するように構成される、請求項2または3に記載の制御装置。
  5. 前記予め定める閾値は、予め定める第1閾値および前記予め定める第1閾値とは異なる予め定める第2閾値を含み、
    前記予め定める期間は、予め定める第1期間および予め定める第2期間を含み、
    前記予め定める状態は、前記人力駆動力のピーク値が前記予め定める第1閾値以上である第1状態、および、前記人力駆動力のピーク値が前記予め定める第2閾値未満である第2状態を含み、
    前記制御部は、
    前記人力駆動力が前記予め定める第1閾値以上になり、かつ、前記第1状態が前記予め定める第1期間以上にわたり継続される場合、前記モータの前記制御状態を変更し、
    前記人力駆動力が前記予め定める第2閾値未満になり、かつ、前記第2状態が前記予め定める第2期間以上にわたり継続される場合、前記モータの前記制御状態を変更するように構成される、請求項2に記載の制御装置。
  6. 前記予め定める第1期間と、前記予め定める第2期間とは、異なる、請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記予め定める第2期間は、前記予め定める第1期間よりも短い、請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記予め定める第1閾値は、前記予め定める第2閾値の1.5倍以上である、請求項5から7のいずれか一項に記載の制御装置。
  9. 人力駆動車用の制御装置であって、
    前記人力駆動車に推進力を付与するモータの制御状態を、人力駆動力に応じて変更するように構成される制御部を含み、
    前記モータの制御状態は、前記人力駆動力に応じて前記モータを駆動する複数の制御状態を含み、前記複数の制御状態において、前記モータの制御状態は、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが異なり、
    前記制御部は、
    前記人力駆動力が予め定める第1閾値以上になった場合、前記モータの制御状態を変更し、
    前記人力駆動力が前記予め定める第2閾値未満になった場合、前記モータの制御状態を変更するように構成され、
    前記予め定める第1閾値は、前記予め定める第2閾値の1.5倍以上である、制御装置。
  10. 前記複数の制御状態は、少なくとも第1制御状態、第2制御状態、および、第3制御状態を含み、
    前記第2制御状態では、前記第1制御状態の場合と比較して、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが高く、
    前記第3制御状態では、前記第2制御状態の場合と比較して、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが高く、
    前記制御部は、
    前記人力駆動力に応じて前記第2制御状態から前記第1制御状態および前記第3制御状態の一方に変更せず、かつ、前記人力駆動力に応じて前記第2制御状態から前記第1制御状態および前記第3制御状態の他方に変更可能な第1制御モードで前記モータを制御可能に構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
  11. 人力駆動車用の制御装置であって、
    前記人力駆動車に推進力を付与するモータの制御状態を、人力駆動力に応じて変更する制御部を含み、
    前記モータの制御状態は、前記人力駆動力に応じて前記モータを駆動する複数の制御状態を含み、前記複数の制御状態において、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが異なり、
    前記複数の制御状態は、少なくとも第1制御状態、第2制御状態、および、第3制御状態を含み、
    前記第2制御状態では、前記第1制御状態の場合と比較して、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが高く、
    前記第3制御状態では、前記第2制御状態の場合と比較して、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つが高く、
    前記制御部は、
    前記人力駆動力に応じて前記第2制御状態から前記第1制御状態および前記第3制御状態の一方に変更せず、かつ、前記人力駆動力に応じて前記第2制御状態から前記第1制御状態および前記第3制御状態の他方に変更する第1制御モードで前記モータを制御可能に構成される、制御装置。
  12. 前記制御部は、前記第1制御モードにおいて、前記人力駆動力に応じて前記第1制御状態および前記第3制御状態の前記他方から前記第2制御状態に変更する、請求項10または11に記載の制御装置。
  13. 前記制御部は、
    前記人力駆動力に応じて前記モータの制御状態を変更しない第2制御モードで前記モータを制御可能に構成され、前記第1制御モードと前記第2制御モードとを切り替え可能に構成される、請求項10から12のいずれか一項に記載の制御装置。
  14. 前記制御部は、
    前記人力駆動力に応じて前記モータの制御状態を変更可能な第1制御モードと、前記人力駆動力に応じて前記制御状態を変更しない第2制御モードとによって前記モータを制御可能に構成され、前記第1制御モードと前記第2制御モードとを切り替え可能に構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置。
  15. 前記制御部は、前記第1制御モードにおいて、前記モータの制御状態を変更するために操作装置が操作された場合、前記第2制御モードに切り替える、請求項13または14に記載の制御装置。
  16. 前記制御部は、前記第2制御モードにおいて、前記人力駆動車の状態、および、前記人力駆動車の走行環境の少なくとも1つに応じて、前記第1制御モードに切り替える、請求項13から15のいずれか一項に記載の制御装置。
  17. 前記制御部は、前記モータの制御状態に対応する情報を表示装置に表示させる、請求項1から16のいずれか一項に記載の制御装置。
  18. 前記制御部は、前記モータの制御状態を変更する場合、前記人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力の比率、前記モータの出力の上限値、および、前記人力駆動力の変化に対する前記モータの出力の応答速度の少なくとも1つを徐々に変更する、請求項1から17のいずれか一項に記載の制御装置。
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