JP6915248B2 - 光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置 - Google Patents

光学材料用樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、透明性と耐透湿性に優れるフィルムが得られ、光学部材の製造に好適に用いることができる樹脂組成物と、該樹脂組成物を用いて得られる光学フィルム及びこれを用いた液晶表示装置に関する。
従来より、液晶表示装置には種々のフィルムが使用されている。具体的には、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)を原料とする偏光板には光学特性や耐熱性に優れることから環状オレフィン樹脂を原料とする保護フィルムが用いられている。
前記環状オレフィン樹脂を原料とするフィルムは、環状オレフィン樹脂と種々の添加剤とを混合した樹脂組成物を用いて製造される。具体的には、例えば、成形時の金型との離形性に優れ、成形時などの高温環境下においてもゲル成分の発生などが抑制されたフィルムを得るために、環状オレフィン樹脂と、グリセリンと脂肪酸とのエステル化物でありエステル化率が90%以上であるエステル化物とを含有する樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、偏光板を構成する偏光子膜への接着性に優れる偏光膜保護フィルムを得るために環状オレフィン樹脂と、多価アルコール縮合物と飽和脂肪酸とをエステル化反応させて得られる、末端に水酸基を有するエステル化物とを含有する樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、帯電防止性に優れるフィルムを得るために環状オレフィン樹脂と、長鎖のアルキル基、具体的にはステアリル基や2−エチルヘキシル基等の長鎖アルキル基を有するモノカルボン酸と多価アルコールとのエステル化物とを含有する樹脂組成物も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、前記特許文献1〜3において用いるエステル化物は、環状オレフィン樹脂への溶解性が良好でなく、その為、透明なフィルムを得にくい問題がある。また、前記特許文献1〜3に開示されたフィルムは空気中の水分を透過しやすい問題もある。
特開2006−077257号公報 特開2008−250180号公報 特開2011−153317号公報
本発明が解決しようとする課題は、透明性と耐透湿性に優れるフィルムが得られ、光学部材の製造に好適に用いることができる樹脂組成物と、該樹脂組成物を用いて得られる光学フィルム及びこれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、グリコールとジカルボン酸とを反応させて得られる末端に水酸基を有するポリエステル樹脂を芳香環または炭素原子数1〜6の短鎖の脂肪族基を有するモノカルボン酸で封止された末端封止ポリエステル樹脂で、特定範囲の分子量を有する第一のポリエステル樹脂を添加剤として用いる事により、環状オレフィン樹脂フィルムの透明性を損なうことなく耐透湿性にも優れるフィルムが得られること、また、グリコールとジカルボン酸とを反応させて得られる末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂と炭素原子数1〜12の脂肪族基を有するモノアルコールとを反応させて得られる末端封止ポリエステル樹脂で、特定範囲の分子量を有する第二のポリエステル樹脂を添加剤として用いても、前記第一のポリエステル樹脂を用いた場合と同様のフィルムが得られること等を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、環状オレフィン樹脂(X)と、下記一般式(1)または一般式(2)
Figure 0006915248
(式中、Bは炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基または炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸残基を表す。Bは炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基を表す。Gは炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基または炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。m、nはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位数で、0以上である。)
で表され、且つ、数平均分子量が200〜2,000のポリエステル樹脂(Y)を含有することを特徴とする光学材料用樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記光学材料用樹脂組成物を含有することを特徴とする光学フィルムを提供するものである。
更に、本発明は、前記光学フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置を提供するものである。
本発明によれば、透明性に優れ、光学部材の製造に好適に用いることができる樹脂組成物を提供することができる。この樹脂組成物を用いることにより、透明性に優れると共に耐透湿性にも優れる光学フィルムを得ることができる。そして、この光学フィルムを偏光子膜の保護フィルムとして用いることで、偏光子膜の水分による劣化を防止し、耐久性の高い液晶表示装置を提供することができる。
本発明で用いる環状オレフィン樹脂(X)は主鎖が炭素−炭素結合からなり、主鎖の少なくとも一部に環状炭化水素構造を有する高分子化合物である。この環状炭化水素構造は、ノルボルネンやテトラシクロドデセンに代表されるような、環状炭化水素構造中に少なくとも一つのオレフィン性二重結合を有する化合物(環状オレフィン)を単量体として用いることで導入される。
前記環状オレフィン樹脂は、例えば、環状オレフィンの付加(共)重合体又はその水素添加物(1)、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物(2)、環状オレフィンの開環(共)重合体又はその水素添加物(3)に分類される。
前記環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン;シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等の1環の環状オレフィン;ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環の環状オレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3,8−ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の3環の環状オレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン(テトラシクロドデセン)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン等の4環の環状オレフィン;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13.6.01.9.02.7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[8.4.14.7.01.10.03.8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−へキサヒドロアントラセン);ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02.7.13.6.110.13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.03.8.14.7.012.17.113.16]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィン等が挙げられる。これらの環状オレフィンは、それぞれ単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
前記環状オレフィンと共重合可能なα−オレフィンの具体例としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数2〜20のエチレン又はα−オレフィン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのα−オレフィンの使用量は、例えば、前記環状オレフィンに対して、5〜200mol%の範囲である。
環状オレフィン又は環状オレフィンとα−オレフィンとの重合方法及び得られた重合体の水素添加方法に、格別な制限はなく、種々の方法に従って行うことができる。
環状オレフィン樹脂(X)の構造は、特に制限はなく、鎖状でも、分岐状でも、架橋状でもよいが、好ましくは直鎖状である。
環状オレフィン樹脂(X)の数平均分子量(Mn)は、強度に優れ、且つ、製造もしやすい光学フィルムが得られることから、5,000〜300,000が好ましく、10,000〜150,000がより好ましく、15,000〜150,000が更に好ましい
ここで、本発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)はGPC測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテック製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
また、本発明で用いる環状オレフィン樹脂(X)は、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等の極性基を有していても良い。極性基を有する事により、アクリル樹脂フィルムやセルロースエステル樹脂フィルム等の他のフィルムと本発明の光学フィルムとが接着層を介して積層した積層フィルムを製造する際に、前記接着層との密着性が良好な光学フィルムが得られる。
極性基を有する環状オレフィン樹脂は、例えば、環状オレフィン樹脂(X)を製造した後、極性基を有する不飽和化合物をグラフト重合する、環状オレフィン樹脂(X)を製造する際に極性基を有する不飽和化合物を環状オレフィン樹脂の原料と共に共重合する等の方法により得ることができる。
前記極性基を有する不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
環状オレフィン樹脂(X)に極性基を導入する際の導入量は、アクリル樹脂フィルムやセルロースエステル樹脂フィルム等の他のフィルムと本発明の光学フィルムとが接着層を介して積層した積層フィルムを製造する際に、前記接着層との密着性が良好な光学フィルムが得られることから環状オレフィン系樹脂1kg当り0.1〜1molであることが好ましい。
本発明で用いる環状オレフィン樹脂(X)としては、例えば、下記構造単位を有する樹脂等が挙げられる。
Figure 0006915248
Figure 0006915248
本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)は、下記一般式(1)または一般式(2)
Figure 0006915248
(式中、Bは炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基または炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸残基を表す。Bは炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基を表す。Gは炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基または炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。m、nはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位数で、0以上である。)
で表され、且つ、数平均分子量が200〜2,000である。このような構造のポリエステル樹脂(Y)は、ベースポリマーである環状オレフィン樹脂(X)の自由体積部にうまく入り込む事により水分の拡散が抑制され、結果として耐透湿性に優れる光学フィルムが得られる組成物となると発明者は考えている。
本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)は、前記の通り数平均分子量(Mn)が200〜2,000である必要がある。(Mn)が200より小さいと、揮発し、その結果、耐透湿性に優れるフィルムが得にくくなることから好ましくない。また、(Mn)が2,000より大きいと環状オレフィン樹脂(X)との相溶性が悪化し、その結果、透明性に優れるフィルムが得にくい組成物となることから好ましくない。本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)の(Mn)は200〜1,000がより好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)においては、一般式(1)中のmが0の場合はジエステル体となり、このジエステル体は、下記一般式(1−1)
Figure 0006915248
で表される構造を有する。また、一般式(2)中のnが0の場合もジエステル体となり、このジエステル体は、下記一般式(2−1)
Figure 0006915248
で表される構造を有する。
ここで、前記Bは炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基または炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸残基である。Bは炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基である。Gは炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基または炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基である。Aは、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基である。本発明において、一般式(1)中に複数存在するB、G、Aは、おのおの同一であっても良いし、異なっていても良い。また、一般式(2)中に複数存在するB、G、Aについても、おのおの同一であっても良いし、異なっていても良い。
前記Bである炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸残基としては、例えば、安息香酸残基、ジメチル安息香酸残基、トリメチル安息香酸残基、テトラメチル安息香酸残基、エチル安息香酸残基、プロピル安息香酸残基、ブチル安息香酸残基、クミン酸残基、パラターシャリブチル安息香酸残基、オルソトルイル酸残基、メタトルイル酸残基、パラトルイル酸残基、エトキシ安息香酸残基、プロポキシ安息香酸残基、ナフトエ酸残基、アニス酸残基等が挙げられる。
前記Bである炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸残基としては、例えば、酢酸残基、プロピオン酸残基、ブタン酸残基、ヘキサン酸残基、シクロヘキサンカルボン酸残基等が挙げられる。
前記Bとしては炭素原子数6〜10のアリールモノカルボン酸残基または炭素原子数2〜6の脂肪族モノカルボン酸残基が、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましく、安息香酸残基、パラトルイル酸残基及びシクロヘキサンカルボン酸残基からなる群から選ばれる一種以上の残基がより好ましい。
本発明において、「モノカルボン酸残基」とは、モノカルボン酸からカルボキシル基を除いた残りの有機基を言う。
前記Bである炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基としては、例えば、メタノール残基、エタノール残基、プロパノール残基、ブタノール残基、ヘプタノール残基、ヘキサノール残基、シクロヘキサノール残基、ヘプタノール残基、オクタノール残基、ノナノール残基、デカノール残基、ウンデカノール残基、ドデカノール残基等が挙げられる。
前記Bとしては、炭素原子数2〜10の脂肪族モノアルコール残基が、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましく、ブタノール残基またはシクロヘキサノール残基がより好ましい。
本発明において、「モノアルコール残基」とは、モノアルコールから水酸基を除いた残りの有機基を言う。
前記Gである炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基としては、例えば、エチレングリコール残基、1,2−プロピレングリコール残基、1,3−プロピレングリコール残基、1,2−ブタンジオール残基、1,3−ブタンジオール残基、2−メチル−1,3−プロパンジオール残基、1,4−ブタンジオール残基、1,5−ペンタンジオール残基、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)残基、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)残基、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)残基、3−メチル−1,5−ペンタンジオール残基、1,6−ヘキサンジオール残基、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール残基、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール残基、2−メチル−1,8−オクタンジオール残基、1,9−ノナンジオール残基、1,10−デカンジオール残基、1,12−ドデカンジオール残基、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン残基等が挙げられる。
前記Gである炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基としては、例えば、ジエチレングリコール残基、トリエチレングリコール残基、テトラエチレングリコール残基、ジプロピレングリコール残基、トリプロピレングリコール残基等が挙げられる。
前記Gとしては、炭素原子数2〜6のアルキレングリコール残基、シクロヘキサンジメタノール残基および水添ビスフェノールA残基からなる群から選ばれる一種以上の残基が、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましい。炭素原子数2〜6のアルキレングリコール残基の中でも、エチレングリコール残基、プロピレングリコール残基がより好ましい。
本発明において「グリコール残基」とはグリコールから水酸基を除いた残りの有機基を言う。
前記Aである炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基としては、例えば、コハク酸残基、マレイン酸残基、フマル酸残基、グルタール酸残基、アジピン酸残基、アゼライン酸残基、セバシン酸残基、ドデカンジカルボン酸残基、シクロヘキサンジカルボン酸残基等が挙げられる。
前記Aである炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基としては、例えば、フタル酸残基、テレフタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸ジメチル残基、2,6−ナフタレンジカルボン酸残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸残基、1,4−ナフタレンジカルボン酸残基、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチル残基等が挙げられる。
前記Aとしては炭素原子数2〜6のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜8のアリールジカルボン酸残基が耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましく、フタル酸残基、シクロヘキサンジカルボン酸残基、アジピン酸残基およびコハク酸残基からなる群から選ばれる1種以上の残基がより好ましい。
本発明において、「ジカルボン酸残基」とはジカルボン酸からカルボキシル基を除いた残りの有機基を言う。
一般式(1)中のm及び一般式(2)中のnはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位であり0以上である。m及びnは一般式(1)、一般式(2)で表されるポリエステル樹脂(Y)の数平均分子量が200〜2,000となれば良い。m、nは前記B、G、A、Bの分子量にもよるが、例えば、それぞれ0〜15である。
本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)は、通常、前記一般式(1)中のm、前記一般式(2)中のnが種々のものの混合物である。数平均分子量から求められるm、nの平均値は、前記B、G、A、Bの分子量にもよるが、例えば、それぞれ0〜9である。
一般式(1)で表され、式中のmが1以上であるポリエステル樹脂は、例えば、下記に示す方法で得ることができる。
方法1:一般式(1)で表されるポリエステル樹脂の各残基を構成するモノカルボン酸、ジカルボン酸及びグリコールを一括で仕込み、これらを反応させる方法。
方法2:一般式(1)で表されるポリエステル樹脂の各残基を構成するジカルボン酸とグリコールとを、水酸基の当量がカルボキシル基の当量よりも多くなる条件下で反応させて水酸基を主鎖の末端に有するポリエステル樹脂を得た後、該ポリエステル樹脂とBを構成するモノカルボン酸とを反応させる方法。
一般式(1)で表され、式中のmが0であるポリエステル樹脂は、例えば、下記に示す方法で得ることができる。
方法3:一般式(1)で表されるポリエステル樹脂の各残基を構成するモノカルボン酸とグリコールとを、水酸基の当量がカルボキシル基の当量よりも多くなるように仕込み、これらを反応させる方法。
一般式(2)で表され、式中のnが1以上であるポリエステル樹脂は、例えば、下記に示す方法で得ることができる。
方法4:一般式(2)で表されるポリエステル樹脂の各残基を構成するモノアルコール、ジカルボン酸及びグリコールを一括で仕込み、これらを反応させる方法。
方法5:一般式(2)で表されるポリエステル樹脂の各残基を構成するジカルボン酸とグリコールとを、カルボキシル基の当量が水酸基の当量よりも多くなる条件下で反応させてカルボキシル基を主鎖の末端に有するポリエステル樹脂を得た後、該ポリエステル樹脂とBを構成するモノアルコールとを反応させる方法。
一般式(2)で表され、式中のnが0であるポリエステル樹脂は、例えば、下記に示す方法で得ることができる。
方法6:一般式(2)で表されるポリエステル樹脂の各残基を構成するモノアルコールとジカルボン酸とを水酸基の当量がカルボキシル基の当量よりも多くなるように仕込み、これらを反応させる方法。
前記Bを構成するモノカルボン酸は、炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸又は炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸である。炭素原子数6〜12のアリールモノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、テトラメチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香酸、クミン酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、ナフトエ酸、アニス酸等や、これらのメチルエステル及び酸塩化物等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記Bを構成するモノカルボン酸の中でも、炭素原子数6〜10のアリールモノカルボン酸または炭素原子数2〜6の脂肪族モノカルボン酸が、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましく、安息香酸、パラトルイル酸及びシクロヘキサンカルボン酸からなる群から選ばれる一種以上のモノカルボン酸がより好ましい。
尚、本発明において、モノカルボン酸、ジカルボン酸の「炭素原子数」とは、カルボニル炭素を含まない炭素原子数を言う。
前記Bを構成する炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール等が挙げられる。
前記Bを構成する脂肪族モノアルコールの中でも、炭素原子数2〜10の脂肪族モノアルコールが、合成しやすく、しかも、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましく、ブタノールまたはシクロヘキサノールがより好ましい。
前記Gを構成するグリコールは炭素原子数2〜15のアルキレングリコール又は炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコールである。炭素原子数2〜15のアルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、水添ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記Gを構成するグリコールの中でも、炭素原子数2〜6のアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノールおよび水添ビスフェノールAからなる群から選ばれる一種以上のグリコールが、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましい。炭素原子数2〜6のアルキレングリコールの中でも、エチレングリコール、プロピレングリコールがより好ましい。
前記Aを構成するジカルボン酸は炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸又は炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸である。炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
前記炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジメチル、2,6ナフタレンジカルボン酸、1,5ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン酸、2,6ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,5ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記Aを構成するジカルボン酸の中でも、炭素原子数2〜6のアルキレンジカルボン酸又は炭素原子数6〜10のアリールジカルボン酸が、耐透湿性に優れる光学フィルムが得られることから好ましく、フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上のジカルボン酸がより好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)の酸価としては、環状オレフィン(X)の分解を起こすことなく、強度が十分な光学フィルムが得られることから5以下が好ましく、1以下がより好ましい。また、ポリエステル樹脂(Y)の水酸基価は、フィルム化する際の熱に対する安定性に優れる光学材料用樹脂組成物が得られることから50以下が好ましく、20以下がより好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)は、例えば、前記の原料を、必要に応じてエステル化触媒の存在下で、例えば、180〜250℃の温度範囲内で10〜25時間、エステル化反応させることにより製造することができる。尚、エステル化反応の温度、時間などの条件は特に限定せず、適宜設定してよい。
前記エステル化触媒としては、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系触媒;ジブチル錫オキサイド等のスズ系触媒;p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸系触媒などが挙げられる。
前記エステル化触媒の使用量は、適宜設定すればよいが、通常、原料の全量100質量部に対して、0.001〜0.1質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)の性状は、数平均分子量や組成などの要因により異なるが、通常、常温にて液体、固体、ペースト状などである。
本発明の光学材料用樹脂組成物中のポリエステル樹脂(Y)の含有量は、使用する環状オレフィン樹脂(X)の透湿度にもよるが、樹脂組成物の透湿度を小さくできることから環状オレフィン樹脂(X)100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、5〜35質量部がより好ましい。
本発明の光学材料用樹脂組成物には、前記環状オレフィン樹脂(X)、ポリエステル樹脂(Y)以外の樹脂を、本発明の目的を損なわない範囲で混合することができる。前記重合体(X)、ポリエステル樹脂(Y)以外の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂;ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂(Y)以外のポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらは1種類を混合しても良いし、2種以上を混合しても良い。
本発明の光学材料用樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内で、各種添加剤を使用することができる。
前記添加剤としては、例えば、本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)以外の改質剤、熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤、マット剤、劣化防止剤等が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂(Y)以外の改質剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等のフタル酸エステル;エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリメチロールプロパントリベンゾエート、ペンタエリスリトールテトラアセテート、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記熱可塑性樹脂としては、特に限定しないが、例えば、本発明で用いるポリエステル樹脂(Y)以外のポリエステル樹脂、ポリエステルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、トルエンスルホンアミド樹脂等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、特に限定しないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等が挙げられる。
前記マット剤としては、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルク等が挙げられる。
前記劣化防止剤としては、例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤等が挙げられる。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、前記環状オレフィン樹脂(X)とポリエステル樹脂(Y)とを含有すればよく、その製造方法は特に制限がない。具体的には、例えば、前記環状オレフィン樹脂(X)とポリエステル樹脂(Y)と、必要に応じて上記添加剤を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて溶融混練する方法により得ることができる。また、本発明の光学材料用樹脂組成物は、前記環状オレフィン樹脂(X)とポリエステル樹脂(Y)と、必要に応じて上記添加剤を有機溶剤中に溶解し、溶液として得ることもできる。有機溶剤としては、例えば、後述する溶液流涎法(ソルベントキャスト法)において環状オレフィン樹脂(X)とポリエステル樹脂(Y)を含むドープ液を得る際に用いる有機溶剤を用いることができる。
本発明の光学フィルムは、本発明の光学材料用樹脂組成物を含有することを特徴とする。本発明の光学フィルムを得るには、例えば、押し出し成形、キャスト成形等の手法が用いられる。具体的には、例えば、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸状態の光学フィルムを押し出し成形することができる。押し出し成形により本発明の光学フィルムを得る場合は、事前に前記環状オレフィン樹脂(X)、ポリエステル樹脂(Y)を溶融混錬して得られる本発明の光学材料用樹脂組成物を用いることもできれば、押し出し成形時に環状オレフィン樹脂(X)とポリエステル樹脂(Y)とを溶融混錬し、そのまま押し出し成形することもできる。また、前記環状オレフィン樹脂(X)及びポリエステル樹脂(Y)成分を溶解する溶媒を用いて、前記環状オレフィン樹脂(X)、ポリエステル樹脂(Y)を該溶媒中に溶解し、いわゆるドープ液を得たうえで、キャスト成形する溶液流延法(ソルベントキャスト法)により未延伸状態の本発明の光学フィルムを得ることもできる。
以下に、溶液流延法について詳述する。溶液流延法で得られる光学フィルムは、実質的に光学等方性を示す。前記光学等方性を示すフィルムは、例えば液晶ディスプレイなどの光学材料に使用することができ、中でも偏光板用保護フィルムに有用である。また、前記方法によって得られたフィルムは、その表面に凹凸が形成されにくく、表面平滑性に優れる。
前記溶液流延法は、一般に、前記環状オレフィン樹脂(X)と前記ポリエステル樹脂(Y)とを有機溶剤中に溶解させ、得られた樹脂溶液を金属支持体上に流延させる第1工程と、流延させた前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤を留去し乾燥させてフィルムを形成する第2工程と、それに続く、金属支持体上に形成されたフィルムを金属支持体から剥離し加熱乾燥させる第3工程を含む。
前記第1工程で使用する金属支持体としては、無端ベルト状又はドラム状の金属製のものなどを例示でき、例えば、ステンレス製でその表面が鏡面仕上げの施されたものを使用することができる。
前記金属支持体上に樹脂溶液を流延させる際には、得られるフィルムに異物が混入することを防止するために、フィルターで濾過した樹脂溶液を使用することが好ましい。
前記第2工程の乾燥方法としては、特に限定しないが、例えば30〜50℃の温度範囲の風を前記金属支持体の上面及び/又は下面に当てることで、流延した前記樹脂溶液中に含まれる有機溶剤の50〜80質量%を蒸発させ、前記金属支持体上にフィルムを形成させる方法が挙げられる。
次いで、前記第3工程は、前記第2工程で形成されたフィルムを金属支持体上から剥離し、前記第2工程よりも高い温度条件下で加熱乾燥させる工程である。前記加熱乾燥方法としては、例えば100〜160℃の温度条件にて段階的に温度を上昇させる方法が、良好な寸法安定性を得ることができるため、好ましい。前記温度条件にて加熱乾燥することにより、前記第2工程後のフィルム中に残存する有機溶剤をほぼ完全に除去することができる。
尚、前記第1工程〜第3工程において回収された有機溶媒は再使用することも可能である。
前記環状オレフィン樹脂(X)と前記ポリエステル樹脂(Y)を有機溶剤に混合させ溶解する際に使用できる有機溶剤としては、それらを溶解可能なものであれば特に限定しないが、例えば、クロロホルム、二塩化メチレン、塩化メチレン等の溶媒を挙げることができる。
前記樹脂溶液中の環状オレフィン樹脂(X)の濃度は、10〜50質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましい。
本発明の光学フィルムの膜厚は、20〜120μmの範囲が好ましく、25〜100μmの範囲がより好ましく、25〜80μmの範囲が特に好ましい。
本発明においては、例えば、前記の方法で得られる未延伸状態の光学フィルムを必要に応じて、機械的流れ方向に縦一軸延伸、機械的流れ方向に直行する方向に横一軸延伸することで延伸された光学フィルムを得ることができる。また、ロール延伸とテンター延伸の逐次2軸延伸法、テンター延伸による同時2軸延伸法、チューブラー延伸による2軸延伸法等によって延伸することにより2軸延伸された延伸フィルムを得ることができる。延伸倍率は少なくともどちらか一方向に0.1%以上1000%以下であることが好ましく、0.2%以上600%以下であることがさらに好ましく、0.3%以上300%以下であることがとりわけ好ましい。この範囲に設計することにより、複屈折、耐熱性、強度の観点で好ましい延伸された光学フィルムが得られる。
本発明に係る光学フィルムは、光学材料として、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイに用いられる偏光板保護フィルム、1/4波長板、1/2波長板、視野角制御フィルム、液晶光学補償フィルム等の位相差フィルム、ディスプレイ前面板等に好適に用いることができる。また、本発明の光学材料用樹脂組成物は、その他にも、光通信システム、光交換システム、光計測システムの分野において、導波路、レンズ、光ファイバー、光ファイバーの基材、被覆材料、LEDのレンズ、レンズカバーなどにも用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に具体的に説明する。例中の部及び%は断りがない限り質量基準である。
合成例1〔ポリエステル樹脂(Y)の調整〕
温度計、攪拌機、窒素導入管及び分留用ト字管を備えた内容量3Lの四つ口フラスコに、アジピン酸132g、無水フタル酸400g、安息香酸977g、プロピレングリコール648g及びテトライソプロポキシチタン0.130gを仕込んだ後、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温することで、合計17時間縮合反応させた。反応後に未反応のプロピレングリコールを減圧除去することで、常温高粘度液体で、前記一般式(1)で表されるポリエステル樹脂(Y1)を得た。ポリエステル樹脂(Y1)の酸価は0.1、水酸基価は8.0、数平均分子量(Mn)は430であった。数平均分子量(Mn)から求められるプロピレングリコール残基とアジピン酸残基と無水フタル酸残基からなる繰り返し数〔一般式(1)中のmに相当する数〕は平均で0.9であった。
合成例2(同上)
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積3リットルの四つ口フラスコに、ジメチルテレフタレート554g、プロピレングリコール476g、パラトルイル酸817g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.130gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温することで、合計19時間縮合反応させた。反応後に未反応のプロピレングリコールを減圧除去することで、常温高粘度液体で、前記一般式(1)で表されるポリエステル化合物(Y2)を得た。ポリエステル樹脂(Y2)の酸価は0.2、水酸基価は11、数平均分子量(Mn)は500であった。数平均分子量(Mn)から求められるプロピレングリコール残基とジメチルテレフタレート残基からなる繰り返し数〔一般式(1)中のmに相当する数〕は平均で0.9であった。
合成例3(同上)
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積1リットルの四つ口フラスコに、無水フタル酸43g、ヘキサヒドロ無水フタル酸135g、プロピレングリコール210g、パラトルイル酸354g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.02gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、210℃になるまで段階的に昇温することで、合計20時間縮合反応させた。反応後に未反応のプロピレングリコールを減圧除去することで、常温高粘度液体で、前記一般式(1)で表されるポリエステル樹脂(Y3)を得た。ポリエステル樹脂(Y3)の酸価は0.3、水酸基価は10、数平均分子量(Mn)は440であった。数平均分子量(Mn)から求められるプロピレングリコール残基と無水フタル酸残基とヘキサヒドロ無水フタル酸残基からなる繰り返し数〔一般式(1)中のmに相当する数〕は平均で0.9であった。
合成例4(同上)
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積1リットルの四つ口フラスコに、シクロヘキサンジメタノール576g、ヘキサヒドロ無水フタル酸462g、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸517g、n−ブタノール385g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.06gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、210℃になるまで段階的に昇温することで、合計22時間縮合反応させた。反応後に未反応のn−ブタノールを減圧除去することで、常温ペースト状で、前記一般式(2)で表されるポリエステル樹脂(Y4)を得た。ポリエステル樹脂(Y4)の酸価は0.4、水酸基価は15、数平均分子量(Mn)は880であった。数平均分子量(Mn)から求められるヘキサヒドロ無水フタル酸残基と1,4−シクロヘキサンジカルボン酸残基からなる繰り返し数〔一般式(2)中のnに相当する数〕は平均で2.0であった。
合成例5(同上)
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積1リットルの四つ口フラスコに、水添ビスフェノールA 625g、コハク酸230g、プロピレングリコール24g、安息香酸159g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.06g仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温することで、合計17時間縮合反応させた。反応後に未反応のプロピレングリコールを減圧除去することで、常温固体で、前記一般式(1)で表されるポリエステル樹脂(Y5)を得た。ポリエステル樹脂(Y5)の酸価は0.6、水酸基価は15、数平均分子量(Mn)は1,060であった。数平均分子量(Mn)から求められるコハク酸残基とプロピレングリコール残基からなる繰り返し数〔一般式(1)中のmに相当する数〕は平均で2.9であった。
合成例6(同上)
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積3リットルの四つ口フラスコに、エチレングリコール694g、ヘキサヒドロ無水フタル酸1227g、シクロヘキサンカルボン酸564g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.03g仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温することで、合計24時間縮合反応させた。反応後に未反応のエチレングリコールを減圧除去することで、常温粘性液体状で、前記一般式(1)で表されるポリエステル樹脂(Y6)を得た。ポリエステル樹脂(Y6)の酸価は0.3、水酸基価は20、数平均分子量(Mn)は1,040であった。数平均分子量(Mn)から求められるエチレングリコール残基とヘキサヒドロ無水フタル酸残基からなる繰り返し数〔一般式(1)中のmに相当する数〕は平均で3.6であった。
合成例7(同上)
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積0.5リットルの四つ口フラスコに、1,2−プロピレングリコール132g、安息香酸366g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.03gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、200℃になるまで段階的に昇温することで、合計17時間縮合反応させた。反応後にろ過することで、常温高粘度液体で、前記一般式(1)で表されるポリエステル樹脂(Y7)を得た。ポリエステル樹脂(Y7)の酸価は0.3、水酸基価は10、数平均分子量は300であった。
合成例8(同上)
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサヒドロ無水フタル酸285g、シクロヘキサノール407g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.02gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、200℃になるまで段階的に昇温することで、合計30時間縮合反応させた。反応後に未反応のシクロヘキサノールを減圧除去することで、常温高粘度液体で、前記一般式(2)で表されるポリエステル樹脂(Y8)を得た。ポリエステル樹脂(Y8)の酸価は0.7、水酸基価は3、数平均分子量(Mn)は300であった。
合成例9(同上)
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積1リットルの四つ口フラスコに、水添ビスフェノールA 297g、安息香酸305g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.03g仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温することで、合計23時間縮合反応させた。反応後にろ過することで、常温固体で、前記一般式(1)で表されるポリエステル樹脂(Y9)を得た。ポリエステル樹脂(Y9)の酸価は0.4、水酸基価は4、数平均分子量(Mn)は400であった。
合成例10〔比較対照用ポリエステル樹脂(Y’)の調整〕
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積2リットルの四つ口フラスコに、エチレングリコール546g、アジピン酸1054g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.05g仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温することで、合計29時間縮合反応させた。反応後にろ過することで、常温高粘度液体である比較対照用ポリエステル樹脂(Y’1)を得た。比較対照用ポリエステル樹脂(Y’1)の酸価は0.7、水酸基価は115、数平均分子量(Mn)は1,300であった。
合成例11(同上)
温度計、攪拌器及び還流冷却器を付した内容積3リットルの四つ口フラスコに、エチレングリコール413g、プロピレングリコール507g、コハク酸1232g及びエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.129g仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、220℃になるまで段階的に昇温することで、合計25時間縮合反応させた。反応後にろ過することで、常温高粘度液体である比較対照用ポリエステル樹脂(Y’2)を得た。比較対照用ポリエステル樹脂(Y’2)の酸価は0.3、水酸基価は158、数平均分子量(Mn)は970であった。
実施例1(光学材料用樹脂組成物及び光学フィルム)
環状オレフィン樹脂(製品名:ARTON F−5023、JSR株式会社製、ノルボルネン骨格と極性基とを有する環状オレフィン樹脂。数平均分子量22,000)100部、メチレンクロライド400部及び第1表及び第2表に示す添加量でポリエステル樹脂(Y1)を添加し、光学材料用樹脂組成物(ドープ液)を得た。ドープ液をガラス板上に流延し、乾燥することで膜厚約60μmの光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの透明性及び耐透湿性を下記方法に従って評価した。透明性の評価結果を第1表に、耐透湿性の評価結果を第2表に示す。尚、第1表及び第2表中、ポリエステル樹脂(Y1)の添加量が0部のものは、比較例に相当する。
<透明性の評価方法>
得られた光学フィルムを打抜き機で打抜き、40mm角の試験片を得た。この試験片を用いてHAZEメーター(日本電色工業株式会社製のNDH−5000)にてHAZE値を測定した。HAZE値が小さい程、透明性に優れる光学フィルムである。
<耐透湿性の評価方法>
JIS Z 0208に準拠し、透湿度(g/mm・24h)を測定した。測定条件は、温度40℃、相対湿度98%で行なった。透湿度が小さい程、耐透湿性に優れる。
実施例2〜9
第1表及び第2表に示すポリエステル樹脂(Y1)〜(Y9)を用いた以外は実施例1と同様にして光学材料用樹脂組成物及び光学フィルムを得た。実施例1と同様の評価を行い、その結果を第1表及び第2表に示す。
比較例1及び2
第3表及び第4表に示すポリエステル樹脂(Y’1)、(Y’2)を用いた以外は実施例1と同様にして光学材料用樹脂組成物及び光学フィルムを得た。実施例1と同様の評価を行い、その結果を第3表及び第4表に示す。
Figure 0006915248
Figure 0006915248
Figure 0006915248
Figure 0006915248
第1表〜第4表の脚注
−:評価せず。
上記実施例1は参考例1とする。

Claims (8)

  1. 環状オレフィン樹脂(X)と、1種単独のポリエステル樹脂(Y)を含有し、
    前記ポリエステル樹脂(Y)が下記一般式(1)または一般式(2)
    Figure 0006915248
    (式中、
    は安息香酸残基、ジメチル安息香酸残基、トリメチル安息香酸残基、テトラメチル安息香酸残基、エチル安息香酸残基、プロピル安息香酸残基、ブチル安息香酸残基、クミン酸残基、パラターシャリブチル安息香酸残基、オルソトルイル酸残基、メタトルイル酸残基、パラトルイル酸残基、エトキシ安息香酸残基、プロポキシ安息香酸残基、ナフトエ酸残基及びアニス酸残基からなる選択される1種以上であるアリールモノカルボン酸残基または炭素原子数1〜6の脂肪族モノカルボン酸残基を表す。
    は炭素原子数1〜12の脂肪族モノアルコール残基を表す。
    Gは炭素原子数2〜15のアルキレングリコール残基または炭素原子数4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。
    Aは、炭素原子数2〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。
    m、nはそれぞれ括弧で括られた繰り返し単位数で、0以上である。)
    で表され、且つ、数平均分子量が200〜2,000であることを特徴とする光学材料用樹脂組成物。
    ただし、前記一般式(1)で表されるポリエステル樹脂が、Bが安息香酸残基、Gがプロピレングリコール残基、Aがフタル酸残基及びアジピン酸残基のポリエステル樹脂;Bが安息香酸残基、Gがエチレングリコール残基、Aがテレフタル酸残基及びアジピン酸残基のポリエステル樹脂が安息香酸残基、Gがエチレングリコール残基、Aがコハク酸残基及びアジピン酸残基のポリエステル樹脂; が安息香酸残基、Gがプロピレングリコール残基、Aがテレフタル酸残基のポリエステル樹脂;B が安息香酸残基、Gがエチレングリコール残基、Aがアジピン酸残基のポリエステル樹脂;並びにB が安息香酸残基、Gが1,6−ヘキサンジオール残基、Aがセバシン酸残基のポリエステル樹脂である場合を除く。
  2. 前記Bが安息香酸残基、ジメチル安息香酸残基、トリメチル安息香酸残基、テトラメチル安息香酸残基、エチル安息香酸残基、プロピル安息香酸残基、ブチル安息香酸残基、クミン酸残基、パラターシャリブチル安息香酸残基、オルソトルイル酸残基、メタトルイル酸残基、パラトルイル酸残基、エトキシ安息香酸残基、プロポキシ安息香酸残基、ナフトエ酸残基及びアニス酸残基からなる選択される1種以上であるアリールモノカルボン酸残基または炭素原子数2〜6の脂肪族モノカルボン酸残基で、Bが炭素原子数2〜10の脂肪族モノアルコール残基で、Gが炭素原子数2〜6のアルキレングリコール残基、シクロヘキサンジメタノール残基および水添ビスフェノールA残基からなる群から選ばれる一種以上の残基で、Aが炭素原子数2〜6のアルキレンジカルボン酸残基または炭素原子数6〜8のアリールジカルボン酸残基で、数平均分子量が200〜1,000である請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
  3. 前記Bが安息香酸残基、パラトルイル酸残基およびシクロヘキサンカルボン酸からなる群から選ばれる一種以上の残基で、Bがブタノール残基またはシクロヘキサノール残基で、Gがエチレングリコール残基、プロピレングリコール残基、シクロヘキサンジメタノール残基および水添ビスフェノールA残基からなる群から選ばれる1種以上の残基で、Aがフタル酸残基、シクロヘキサンジカルボン酸残基、アジピン酸残基およびコハク酸残基からなる群から選ばれる1種以上の残基である請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
  4. 前記ポリエステル樹脂(Y)の含有量が、前記環状オレフィン樹脂(X)100質量部に対して5〜35質量部である請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
  5. 前記環状オレフィン樹脂(X)が極性基を有するものである請求項1記載の光学材料用樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の光学材料用樹脂組成物を含有することを特徴とする光学フィルム。
  7. 偏光板保護用である請求項6記載の光学フィルム。
  8. 請求項6または7に記載の光学フィルムを有することを特徴とする液晶表示装置。
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