JP6915010B2 - 自動分析装置および自動分析方法 - Google Patents
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Description
図1は、実施形態に係る自動分析装置を示す概略構成図であり、一例として血液や尿などの検体に含まれる生体成分を分析する生化学分析装置に本発明を適用した自動分析装置1の概略構成図である。この図に示すように、自動分析装置1は、測定部1aと制御部1bとを備えている。
[検体保持部2]
検体保持部2は、検体が貯留された複数の検体容器P2を保持する。このような検体保持部2は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の検体容器P2を複数列で保持し、保持した検体容器P2を円周の双方向に搬送する構成である。この検体保持部2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。検体保持部2に保持される各検体容器P2は、測定対象となる検体の他に、精度管理用のコントロール検体が貯留されてもよい。検体保持部2には、これらの各種の検体が、所定の位置に保持される構成となっている。
希釈検体保持部3は、希釈された検体(以下「希釈検体」という)が貯留された希釈検体容器P3を保持するものである。このような希釈検体保持部3は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の希釈検体容器P3を保持し、保持した希釈検体容器P3を円周の双方向に搬送する構成である。この希釈検体保持部3は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。
第1試薬保持部4は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の第1試薬容器P4を保持する。また、第2試薬保持部5は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の第2試薬容器P5を保持する。そして、それぞれ保持した第1試薬容器P4および第2試薬容器P5を円周の双方向に搬送する構成である。これらの第1試薬保持部4および第2試薬保持部5は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。なお、自動分析装置1に設けられた試薬保持部は、第1試薬保持部4および第2試薬保持部5の2つに限定されることはなく、1つであってもよいし3つ以上の複数であってもよい。自動分析装置1に設けられた試薬保持部が1つである場合、1つの試薬保持部に対応させて、以降に説明する第1試薬分注装置20cおよび第2試薬分注装置20dの何れかが設けられた構成であってよい。
反応容器保持部6は、検体の分注先となる分注容器を保持する分注容器保持部の一つである。このような反応容器保持部6は、希釈検体保持部3と、第1試薬保持部4と、第2試薬保持部5との間に配置される。この反応容器保持部6は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の反応容器P6(すなわち分注容器)を保持し、保持した反応容器P6を円周の双方向に搬送する構成である。この反応容器保持部6は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。
希釈撹拌装置11は、希釈検体保持部3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置11は、撹拌機構、および撹拌機構を駆動するための駆動機構を有する。希釈撹拌装置11は、希釈検体保持部3に保持された希釈検体容器P3内において検体と希釈液とを撹拌し、検体と希釈液とを混合した希釈検体を調整する。
希釈容器洗浄装置12は、希釈検体保持部3の周囲に配置されている。希釈容器洗浄装置12は、以降に説明する希釈検体分注装置20bによって希釈検体が分取された後の希釈検体容器P3を洗浄する装置である。
第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応容器保持部6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応容器保持部6に保持された反応容器P6内において、希釈検体と、第1試薬または第2試薬とを撹拌し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応を進める。このような第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、希釈撹拌装置11と同様の構成のものであってよい。
計測部15は、反応容器保持部6の周囲における反応容器保持部6の外壁と対向するように配置されている。計測部15は、反応容器P6内において検査項目に対応する第1試薬および第2試薬と反応した希釈検体に対して光学的測定を行なう多波長光度計であって、検体中の様々な成分の量を吸光度として出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。
反応容器洗浄装置16は、反応容器保持部6の周囲に配置されている。反応容器洗浄装置16は、検査が終了した反応容器P6内を洗浄する装置である。
検体分注装置20aは、分注装置20のうちの1つであって、細管状の分注プローブ21として検体プローブ21aを備え、検体保持部2と希釈検体保持部3の周囲に配置されている。検体分注装置20aは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った検体プローブ21aの先端を検体保持部2に保持された検体容器P2内の検体中に挿入し、所定量の検体を検体プローブ21a内に吸引し、検体容器P2から所定量の検体を分取する。この際、検体保持部2は、予め設定された測定プログラムにしたがって、検体保持部2の所定位置に保持された検体容器P2を、所定の検体分取位置に移動させておく。
希釈検体分注装置20bは、分注装置20のうちの1つであって、細管状の分注プローブ21として希釈検体プローブ21bを備え、希釈検体保持部3と反応容器保持部6の間に配置されている。希釈検体分注装置20bは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、希釈検体プローブ21bの先端を、希釈検体保持部3の所定の希釈検体分収位置に移動された希釈検体容器P3内に挿入し、システム水が充填された希釈検体プローブ21bの先端から、所定量の希釈検体を吸引する。また希釈検体分注装置20bは、反応容器保持部6の所定の希釈検体吐出位置に移動された反応容器P6内に希釈検体プローブ21bの先端を挿入し、希釈検体プローブ21b内に吸引した希釈検体を、反応容器P6内に吐出する。なお、自動分析装置1が希釈検体保持部3を備えていないものである場合、その自動分析装置1は希釈検体分注装置20bを備えている必要はない。
図1を参照し、第1試薬分注装置20cおよび第2試薬分注装置20dは、分注装置20のうちの1つであって、他の分注装置と同様の構成であり、反応容器保持部6と第1試薬保持部4および第2試薬保持部5との間に配置されている。第1試薬分注装置20cは、予め設定された測定プログラムにしたがって、第1試薬保持部4の第1試薬容器P4から反応容器P6に第1試薬を分注する。また第2試薬分注装置20dは、予め設定された測定プログラムにしたがって、第2試薬保持部5の第2試薬容器P5から反応容器P6に第2試薬を分注する。
プローブ洗浄装置30は、各分注装置20における分注プローブ21の先端を洗浄するためのものであって、各分注プローブ21が移動する軌道上に配置されている。図1においては一例として、希釈検体保持部3と反応容器保持部6との間の、希釈検体プローブ21bの軌道上にプローブ洗浄装置30を設けた状態を図示した。
図1および図2を参照し、制御部1bは、上述した測定部1aを構成する各構成要素の駆動機構、および計測部15に接続されている。このような制御部1bは、相互に接続された表示部51、入力部52、記憶部53、演算処理部54、および入出力制御部55を備える。このうち、演算処理部54、および入出力制御部55は、マイクロコンピューターなどの計算機によって構成されている。計算機は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶部を備え、自動分析装置1内の各部の動作を制御する。以下、制御部1bの各構成要素の詳細を説明する。
表示部51は、計測部15による測定結果を表示する他、自動分析装置1における各種の設定情報や各種の履歴情報を表示する。
入力部52は、自動分析装置1のオペレーターによって行われる各種の設定に関する入力やその他の入力を受け付け、入力信号を入出力制御部55に出力する。この入力部52には、例えば、マウス、キーボード、表示部51における表示面に設けられたタッチパネル等が用いられる。また入力部52は、例えば検体保持部2に保持された検体容器P2のバーコードを読み取るバーコードリーダーである場合も含む。
記憶部53は、例えば、HDD(Hard disk drive)や半導体メモリなどの大容量の記録装置によって構成される。また記憶部53は、その一部が上記の計算機を構成するものであってもよい。このような記憶部53には、次に説明する入出力制御部55が実行する各種のプログラム、プログラムを実行するための各種の設定情報が保存される。
演算処理部54は、入力部52から入力された情報、および記憶部53に保存された情報に基づいて、1つの希釈検体容器P3から複数の反応容器P6への分注の上限回数[imax]を、検体毎に設定する。演算処理部54による分注の上限回数[imax]の設定の手順は、次の自動分析方法において詳細に説明する。
入出力制御部55は、入力部52、記憶部53、および演算処理部54からの信号に基づいて、測定部1aを構成する各部の駆動機構の作動を制御し、検体保持部2の検体容器P2内に収容された検体の分析処理を実施する。
図4は、実施形態の自動分析装置1を用いた自動分析方法を示すフローチャートである。以下、図4のフローチャートに示す順に、先に示した図1および図2を参照して実施形態の自動分析装置1を用いた自動分析方法を説明する。これらの図を用いて説明する自動分析方法は、希釈検体容器P3内の検体を、反応容器P6内に分注する前に行われる処理として適用される手順である。
ステップS001において、入出力制御部55は、入力部52から検体情報が入力されたか否かを判断し、入力された(YES)と判断されるまで待機する。ここで検体情報とは、検体保持部2に保持された検体容器P2内の検体に関する情報であり、検体に関するID情報、およびその検体に設定された測定項目である。また検体情報は、1つの希釈検体容器P3に貯留される希釈検体の初期量[V0]を含んでもよい。このような検体情報は、例えば検体容器P2に添付されたバーコード情報であって、バーコードリーダーを入力部52として読み込まれた情報であってよい。演算処理部54は、このような検体情報が入力された(YES)と判断された場合に、次のステップS002に進む。
ステップS002において、入出力制御部55は、ステップS001において入力された検体情報に基づき、検体保持部2の特定位置に保持された1つの検体容器P2内の検体について、同一希釈条件の測定項目に関連する分注情報を取得する。
ステップS003において、入出力制御部55は、希釈容器番号[N]を、[N]=1とする処理を行う。また測定項目数[M]を、ステップS002において取得した測定項目の全数に設定する。ここでは、上記表1に基づいて、測定項目数[M]=15に設定する。
ステップS004において、演算処理部54は、1つの希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]を設定する。この際、演算処理部54は、ステップS002において取得した測定項目に関連する分注情報と、記憶部53に保存されている共通の分注情報とに基づいて、1つの希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]を下記のように設定する。なお、測定項目に関連する分注情報は、先に説明したように、測定項目間の分注順序であって分注回[i]、および各測定項目の分析処理における希釈検体使用量[Si]である。また、共通の分注情報は、先に説明したように、希釈検体容器P3から反応容器P6への希釈検体の分注に際しての洗浄液の持込量[a]、分注ロス量[b]、初期量[V0]、および希釈率上限値[Rmax]である。
ステップS005において、入出力制御部55は、測定項目数[M]と、演算処理部54で算出した上限回数[imax]とを比較し、測定項目数[M]は上限回数[imax]よりも大きいか否かの判断を行う。入出力制御部55は、測定項目数[M]は上限回数[imax]よりも大きい(YES)と判断した場合には、次のステップS006に進む。一方、入出力制御部55は、測定項目数[M]は上限回数[imax]よりも大きくない(NO)と判断した場合には、ステップS009に進む。
ステップS006において、入出力制御部55は、希釈容器番号[N](例えば[N]=1)について、分注回[i]=1から上限回数[imax](例えば[imax]=12)までの項目数の分注項目リストを作成する。下記表3には、このようにして作成した希釈容器番号[N]=1についての、分注項目リストを示す。
ステップS007において、入出力制御部55は、測定項目数[M]を[M]=[M]−[imax]とする処理を行なう。また、希釈容器番号[N]を[N]=[N]+1とする処理を行う。
ステップS008において、入出力制御部55は、分注情報の再編成を行なう。この際、入出力制御部55は、下記表1に示す現在の分注情報から、ステップS006で作成した分注項目リスト内の分注情報を除き、下記表4に示すように、測定項目間の分注順序であって分注回[i]を付与し直した新たな分注情報を得る。
ステップS009は、ステップS005において、測定項目数[M]は上限回数[imax]よりも大きくない(NO)、すなわち測定項目数[M]が上限回数[imax]以下であると判断と判断して進んだステップである。このステップS009において、入出力制御部55は、希釈容器番号[N]について、分注回[i]=1からの全ての項目数[M]の分注項目リストを作成する。
以上説明した実施形態の自動分析装置1および自動分析方法では、希釈検体プローブ21bの先端に付着した洗浄液Lが、分注サイクル毎に希釈検体容器P3に持ち込まれた場合の希釈検体Spの濃度に基づいて、検体毎に希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]が設定される。このため、希釈検体使用量[Si]が異なる複数の測定項目について分析を実施した場合であっても、安定した濃度の希釈検体を用いた分析を実施して分析精度の向上を図ることが可能であり、かつ検体の廃棄量を最小限に抑えて検体の利用効率の向上を図ることが可能である。
次に、自動分析装置および自動分析方法の変形例を説明する。
[記憶部53]
自動分析装置1の記憶部53には、設定情報として、各測定項目に関連する分注情報と、分注の上限回数[imax]導出情報とが保存されていることとする。これらの情報は、予め記憶部53に保持されているか、または入力部52からの入力に基づいて記憶部53に保存された情報である。
ステップS004’において、演算処理部54は、1つの希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]を下記のように算出する。
以上説明した変形例の構成であっても、希釈検体プローブ21bの先端に付着した洗浄液Lが、分注サイクル毎に希釈検体容器P3に持ち込まれた場合の希釈検体Spの濃度の近似値に基づいて、検体毎に希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]が設定される。このため、上述した実施形態と同様に、分析精度の向上を図りつつ、検体の利用効率の向上を図ることが可能である。またさらに、予め上記表7に示した上限回数[imax]導出情報を用意しておくため、上限回数[imax]を設定するための算出処理が容易である。したがって、上限回数[imax]の設定の高速化と、これによる分析処理の高速化を達成することが可能である。
1b…制御部
2…検体保持部
3…希釈検体保持部(検体保持部、分注容器保持部)
6…反応容器保持部(分注容器保持部)
21…分注プローブ
21b…希釈検体プローブ(分注プローブ)
30…プローブ洗浄装置
54…演算処理部
L…洗浄液
P2…検体容器
P3…希釈検体容器(検体容器、分注容器)
P6…反応容器(分注容器)
Sp…希釈検体(検体)
[a]…洗浄液の持込量
[Ci]…希釈検体濃度(濃度)
[i]…分注回(分注順序)
[imax]…上限回数
[Sav]…希釈検体使用量の平均値(検体使用量の平均値)
[Si]…希釈検体使用量(検体使用量)
[V0]…初期量
Claims (8)
- 検体が貯留された検体容器を保持する検体保持部と、
複数の分注容器を保持する分注容器保持部と、
前記検体容器から所定量の検体を分取し、分取した検体を前記分注容器内に分注する分注プローブと、
前記分注容器内に検体を分注した後で、前記検体容器から次の所定量の検体を分取する前に、前記分注プローブの先端を洗浄液で洗浄するプローブ洗浄装置と、
前記分注プローブの駆動を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記検体毎に、前記プローブ洗浄装置において前記分注プローブの先端に付着した洗浄液によって薄められる前記検体容器内の前記検体の濃度を算出し、前記算出した濃度に基づいて前記検体容器から前記分注容器への前記検体の分注の上限回数を設定する演算処理部を備えた
自動分析装置。 - 前記演算処理部は、
前記検体容器に貯留された検体の初期量と、前記検体に設定された複数の測定項目の検体使用量と、前記洗浄液の前記検体容器内への前記洗浄液の持込量とに基づいて前記濃度を算出する
請求項1に記載の自動分析装置。 - 前記演算処理部は、
前記検体に設定された複数の測定項目の検体使用量から検体使用量の平均値を算出し、算出した検体使用量の平均値と、前記検体容器に貯留された検体の初期量と、予め用意された分注の上限回数の導出情報とに基づいて、前記分注の上限回数を設定する
請求項2に記載の自動分析装置。 - 前記演算処理部は、
前記算出した濃度が、予め設定した濃度よりも低くなる分注回数の最低数を、前記分注の上限回数として設定する
請求項2または3に記載の自動分析装置。 - 前記分注プローブによる前記検体容器から前記分注容器への前記検体の分注は、前記検体に設定された複数の測定項目間の分注順序にしたがって実施される
請求項1〜4の何れか1項に記載の自動分析装置。 - 前記制御部は、
前記検体に設定された複数の測定項目の数が、前記演算処理部で設定した前記上限回数よりも大きい場合、前記検体を貯留した複数の前記検体容器を前記検体保持部に保持させ、
前記演算処理部は、前記複数の検体容器に対して順次に前記検体の分注の上限回数を設定する
請求項5に記載の自動分析装置。 - 前記検体容器は、前記検体が所定濃度に希釈された状態で貯留された希釈検体容器であり、
前記分注容器は、前記検体と共に試薬が分注される反応容器である
請求項1〜6のうちの何れか1項に記載の自動分析装置。 - 検体が貯留された検体容器を保持する検体保持部と、
複数の分注容器を保持する分注容器保持部と、
前記検体容器から所定量の検体を分取し、分取した検体を前記分注容器内に分注する分注プローブと、
前記分注容器内に検体を分注した後で、前記検体容器から次の所定量の検体を分取する前に、前記分注プローブの先端を洗浄液で洗浄するプローブ洗浄装置と、
前記分注プローブの駆動を制御する制御部とを備えた自動分析装置による自動分析方法であって、
前記検体毎に、前記プローブ洗浄装置において前記分注プローブの先端に付着した洗浄液によって薄められる前記検体容器内の前記検体の濃度を算出し、前記算出した濃度に基づいて前記検体容器から前記分注容器への前記検体の分注の上限回数を設定する
自動分析方法。
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