JP6915010B2 - 自動分析装置および自動分析方法 - Google Patents

自動分析装置および自動分析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6915010B2
JP6915010B2 JP2019171961A JP2019171961A JP6915010B2 JP 6915010 B2 JP6915010 B2 JP 6915010B2 JP 2019171961 A JP2019171961 A JP 2019171961A JP 2019171961 A JP2019171961 A JP 2019171961A JP 6915010 B2 JP6915010 B2 JP 6915010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
dispensing
container
diluted
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019171961A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021050918A (ja
Inventor
強志 八板
強志 八板
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2019171961A priority Critical patent/JP6915010B2/ja
Priority to US17/023,561 priority patent/US11768214B2/en
Priority to CN202010980878.1A priority patent/CN112540186A/zh
Priority to EP20196606.6A priority patent/EP3796005B1/en
Publication of JP2021050918A publication Critical patent/JP2021050918A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6915010B2 publication Critical patent/JP6915010B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/10Devices for transferring samples or any liquids to, in, or from, the analysis apparatus, e.g. suction devices, injection devices
    • G01N35/1009Characterised by arrangements for controlling the aspiration or dispense of liquids
    • G01N35/1016Control of the volume dispensed or introduced
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/10Devices for transferring samples or any liquids to, in, or from, the analysis apparatus, e.g. suction devices, injection devices
    • G01N35/1002Reagent dispensers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/10Devices for transferring samples or any liquids to, in, or from, the analysis apparatus, e.g. suction devices, injection devices
    • G01N35/1004Cleaning sample transfer devices
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/10Devices for transferring samples or any liquids to, in, or from, the analysis apparatus, e.g. suction devices, injection devices
    • G01N2035/1027General features of the devices
    • G01N2035/1032Dilution or aliquotting

Description

本発明は、自動分析装置および自動分析方法に関する。
血液や尿などの検体に含まれる生体成分を分析する自動分析装置は、検体、希釈検体、さらには試薬を、反応容器に分注するための各分注プローブ、およびこれらの分注プローブを洗浄するための洗浄機能を備えている。
このような構成の自動分析装置について、下記特許文献1には「サンプルピペット22が希釈容器11にアクセスしたときサンプリングポンプ27が作動して、例えば5μl希釈試料を吸引し、反応管51にアクセスしたときサンプリングポンプ27が作動して、5μl希釈試料を吐出する。その結果、1μlの試料が反応管に注入される。サンプルピペット22の洗浄は洗壺28において行い、希釈ピペットの場合と同様に、高圧洗浄ポンプHWPでその内側を、低圧洗浄ポンプLWPでその外側を洗浄し、これらの洗浄液は廃液タンクへ排出される。」と記載されている。
特開平8−194004号公報
ところで、上述した自動分析装置においては、希釈容器から反応管に希釈試料(検体)を分注する毎に、サンプルピペットの洗浄が実施される。このため、1つの希釈容器から反応管への分注回数が増えるほど、洗浄されたサンプルピペットから希釈容器内への洗浄液の持ち込み量が増加し、希釈容器内の希釈試料(検体)の濃度が薄くなる。
ところが、希釈試料(検体)の分注量は、測定項目毎に設定された異なる量であり、検体毎に測定項目も異なる。このため、1回の分注を実施した後において、希釈容器内に残される希釈試料(検体)の分量は一定ではなく、持ち込まれた洗浄液によって薄められた希釈試料(検体)の希釈率も異なる値となる。したがって1つの希釈容器からの分注回数を一定の回数に制限すると、希釈容器内における検体の濃度が十分であるにも関わらず、廃棄処分となる希釈試料(検体)が発生する場合があった。
そこで本発明は、安定した濃度の検体を用いることで分析精度の向上を図りつつも、検体の廃棄量を最小限に抑えて検体の利用効率の向上を図ることが可能な自動分析装置および自動分析方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、検体が貯留された検体容器を保持する検体保持部と、複数の分注容器を保持する分注容器保持部と、前記検体容器から所定量の検体を分取し、分取した検体を前記分注容器内に分注する分注プローブと、前記分注容器内に検体を分注した後で、前記検体容器から次の所定量の検体を分取する前に、前記分注プローブの先端を洗浄液で洗浄するプローブ洗浄装置と、前記分注プローブの駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記検体毎に、前記プローブ洗浄装置において前記分注プローブの先端に付着した洗浄液によって薄められる前記検体容器内の前記検体の濃度を算出し、前記算出した濃度に基づいて前記検体容器から前記分注容器への前記検体の分注の上限回数を設定する演算処理部を備えた自動分析装置、およびこの自動分析装置で実施される自動分析方法である。
本発明によれば、安定した濃度の検体を用いることで分析精度の向上を図りつつも、検体の廃棄量を最小限に抑えて検体の利用効率の向上を図ることが可能な自動分析装置および自動分析方法を提供することができる。
実施形態に係る自動分析装置を示す概略構成図である。 実施形態に係る自動分析装置のブロック図である。 実施形態に係る自動分析装置に設けたプローブ洗浄装置の構成と希釈検体プローブの洗浄を説明するための図である。 実施形態の自動分析装置を用いた自動分析方法を示すフローチャートである。
≪自動分析装置≫
図1は、実施形態に係る自動分析装置を示す概略構成図であり、一例として血液や尿などの検体に含まれる生体成分を分析する生化学分析装置に本発明を適用した自動分析装置1の概略構成図である。この図に示すように、自動分析装置1は、測定部1aと制御部1bとを備えている。
このうち測定部1aは、例えば検体保持部2、希釈検体保持部3、第1試薬保持部4、第2試薬保持部5、および反応容器保持部6を備えている。また測定部1aは、希釈撹拌装置11、希釈容器洗浄装置12、第1反応撹拌装置13、第2反応撹拌装置14、計測部15、および反応容器洗浄装置16を備えている。
また測定部1aは、複数の分注装置20、およびプローブ洗浄装置30を備えている。このうち各分注装置20は、ここでは例えば検体分注装置20a、希釈検体分注装置20b、第1試薬分注装置20c、および第2試薬分注装置20dの4つである。各分注装置20は、それぞれが分注プローブ21を備えている。
図2は、実施形態に係る自動分析装置1のブロック図である。この図に示すように、制御部1bは、表示部51、入力部52、記憶部53、演算処理部54、および入出力制御部55を備えている。
以下、図1および図2に基づいて、これらの構成要素の詳細を、測定部1aおよび制御部1bの順に説明する。
<測定部1a>
[検体保持部2]
検体保持部2は、検体が貯留された複数の検体容器P2を保持する。このような検体保持部2は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の検体容器P2を複数列で保持し、保持した検体容器P2を円周の双方向に搬送する構成である。この検体保持部2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。検体保持部2に保持される各検体容器P2は、測定対象となる検体の他に、精度管理用のコントロール検体が貯留されてもよい。検体保持部2には、これらの各種の検体が、所定の位置に保持される構成となっている。
なお、検体保持部2には、検体容器P2の他にも、希釈液が貯留された希釈液容器や、洗浄液が貯留された洗浄容器が保持されてもよい。また以上のような検体保持部2は、保持した検体容器P2や他の容器を冷却する機能を有していてもよい。
[希釈検体保持部3]
希釈検体保持部3は、希釈された検体(以下「希釈検体」という)が貯留された希釈検体容器P3を保持するものである。このような希釈検体保持部3は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の希釈検体容器P3を保持し、保持した希釈検体容器P3を円周の双方向に搬送する構成である。この希釈検体保持部3は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。
希釈検体容器P3内に貯留される希釈検体は、検体保持部2に配置された検体容器P2から分取された検体が、所定濃度に希釈された状態で分注されたものである。このため希釈検体容器P3は、検体を貯留する検体容器でもあり、また検体が分注される分注容器でもある。またこのような希釈検体容器P3を保持する希釈検体保持部3は、検体保持部でもあり分注容器保持部でもある。
なお、希釈検体保持部3は、上述した希釈検体が貯留された希釈検体容器P3と共に、希釈されていない検体が貯留された容器を保持してもよい。この場合、この容器は、検体保持部2に配置された検体容器P2から分取された検体が、希釈されずにそのまま分注されたものである。また、自動分析装置1は、希釈検体保持部3を備えていないものであってもよいが、ここでは希釈検体保持部3を備えている構成として説明を行う。
[第1試薬保持部4および第2試薬保持部5]
第1試薬保持部4は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の第1試薬容器P4を保持する。また、第2試薬保持部5は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の第2試薬容器P5を保持する。そして、それぞれ保持した第1試薬容器P4および第2試薬容器P5を円周の双方向に搬送する構成である。これらの第1試薬保持部4および第2試薬保持部5は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。なお、自動分析装置1に設けられた試薬保持部は、第1試薬保持部4および第2試薬保持部5の2つに限定されることはなく、1つであってもよいし3つ以上の複数であってもよい。自動分析装置1に設けられた試薬保持部が1つである場合、1つの試薬保持部に対応させて、以降に説明する第1試薬分注装置20cおよび第2試薬分注装置20dの何れかが設けられた構成であってよい。
[反応容器保持部6]
反応容器保持部6は、検体の分注先となる分注容器を保持する分注容器保持部の一つである。このような反応容器保持部6は、希釈検体保持部3と、第1試薬保持部4と、第2試薬保持部5との間に配置される。この反応容器保持部6は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の反応容器P6(すなわち分注容器)を保持し、保持した反応容器P6を円周の双方向に搬送する構成である。この反応容器保持部6は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。
反応容器保持部6に保持される反応容器P6は、希釈検体保持部3の希釈検体容器P3から分取した希釈検体、第1試薬保持部4の第1試薬容器P4から分取した第1試薬、さらに第2試薬保持部5の第2試薬容器P5から分取した第2試薬が、それぞれ所定量で分注されるものである。そして、この反応容器P6内において、希釈検体と、第1試薬および第2試薬の少なくとも一方とが撹拌されてこれらの反応が行われる。
以上のような反応容器保持部6は、不図示の恒温槽により、反応容器P6の温度を常時一定に保持するように構成されている。なお、自動分析装置1が希釈検体保持部3を備えていないものである場合、反応容器保持部6に保持される反応容器P6には、検体保持部2の検体容器P2から分取した検体が分注される。
[希釈撹拌装置11]
希釈撹拌装置11は、希釈検体保持部3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置11は、撹拌機構、および撹拌機構を駆動するための駆動機構を有する。希釈撹拌装置11は、希釈検体保持部3に保持された希釈検体容器P3内において検体と希釈液とを撹拌し、検体と希釈液とを混合した希釈検体を調整する。
[希釈容器洗浄装置12]
希釈容器洗浄装置12は、希釈検体保持部3の周囲に配置されている。希釈容器洗浄装置12は、以降に説明する希釈検体分注装置20bによって希釈検体が分取された後の希釈検体容器P3を洗浄する装置である。
[第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14]
第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応容器保持部6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応容器保持部6に保持された反応容器P6内において、希釈検体と、第1試薬または第2試薬とを撹拌し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応を進める。このような第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、希釈撹拌装置11と同様の構成のものであってよい。
[計測部15]
計測部15は、反応容器保持部6の周囲における反応容器保持部6の外壁と対向するように配置されている。計測部15は、反応容器P6内において検査項目に対応する第1試薬および第2試薬と反応した希釈検体に対して光学的測定を行なう多波長光度計であって、検体中の様々な成分の量を吸光度として出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。
[反応容器洗浄装置16]
反応容器洗浄装置16は、反応容器保持部6の周囲に配置されている。反応容器洗浄装置16は、検査が終了した反応容器P6内を洗浄する装置である。
[検体分注装置20a]
検体分注装置20aは、分注装置20のうちの1つであって、細管状の分注プローブ21として検体プローブ21aを備え、検体保持部2と希釈検体保持部3の周囲に配置されている。検体分注装置20aは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った検体プローブ21aの先端を検体保持部2に保持された検体容器P2内の検体中に挿入し、所定量の検体を検体プローブ21a内に吸引し、検体容器P2から所定量の検体を分取する。この際、検体保持部2は、予め設定された測定プログラムにしたがって、検体保持部2の所定位置に保持された検体容器P2を、所定の検体分取位置に移動させておく。
また、検体分注装置20aは、希釈検体保持部3の希釈検体容器P3内に検体プローブ21aの先端を挿入し、検体プローブ21a内に吸引した検体と、検体分注装置20a自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)とを、希釈検体容器P3内に吐出する。この際、希釈検体保持部3は、予め設定された測定プログラムにしたがって、希釈検体保持部3の所定位置に保持された希釈検体保持容器P3を、所定の検体吐出位置に移動させておく。これにより、希釈検体容器P3内において、検体を所定倍数の濃度に希釈する。さらに、検体分注装置20aは、不図示のプローブ洗浄装置にて、検体プローブ21aの内壁の洗浄を実施する。その際、不図示のプローブ洗浄装置は、検体プローブ21aの外壁も洗浄する。
なお、自動分析装置1が希釈検体保持部3を備えていないものである場合、検体分注装置20aは、反応容器保持部6の反応容器P6内に検体プローブ21aの先端を挿入する。そして、検体プローブ21a内に吸引した検体を、反応容器P6内に吐出する。
[希釈検体分注装置20b]
希釈検体分注装置20bは、分注装置20のうちの1つであって、細管状の分注プローブ21として希釈検体プローブ21bを備え、希釈検体保持部3と反応容器保持部6の間に配置されている。希釈検体分注装置20bは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、希釈検体プローブ21bの先端を、希釈検体保持部3の所定の希釈検体分収位置に移動された希釈検体容器P3内に挿入し、システム水が充填された希釈検体プローブ21bの先端から、所定量の希釈検体を吸引する。また希釈検体分注装置20bは、反応容器保持部6の所定の希釈検体吐出位置に移動された反応容器P6内に希釈検体プローブ21bの先端を挿入し、希釈検体プローブ21b内に吸引した希釈検体を、反応容器P6内に吐出する。なお、自動分析装置1が希釈検体保持部3を備えていないものである場合、その自動分析装置1は希釈検体分注装置20bを備えている必要はない。
[第1試薬分注装置20c,第2試薬分注装置20d]
図1を参照し、第1試薬分注装置20cおよび第2試薬分注装置20dは、分注装置20のうちの1つであって、他の分注装置と同様の構成であり、反応容器保持部6と第1試薬保持部4および第2試薬保持部5との間に配置されている。第1試薬分注装置20cは、予め設定された測定プログラムにしたがって、第1試薬保持部4の第1試薬容器P4から反応容器P6に第1試薬を分注する。また第2試薬分注装置20dは、予め設定された測定プログラムにしたがって、第2試薬保持部5の第2試薬容器P5から反応容器P6に第2試薬を分注する。
[プローブ洗浄装置30]
プローブ洗浄装置30は、各分注装置20における分注プローブ21の先端を洗浄するためのものであって、各分注プローブ21が移動する軌道上に配置されている。図1においては一例として、希釈検体保持部3と反応容器保持部6との間の、希釈検体プローブ21bの軌道上にプローブ洗浄装置30を設けた状態を図示した。
図3は、実施形態に係る自動分析装置に設けたプローブ洗浄装置30の構成と希釈検体プローブ21bの洗浄を説明するための図である。この図に示すように、プローブ洗浄装置30は、洗浄槽31と、洗浄槽31に洗浄液Lを供給するための洗浄液供給管32とを備えている。洗浄槽31は、ここでの図示を省略した排液管を備えている。また洗浄液供給管32は、不図示の駆動機構により、所定のタイミングで洗浄液Lを吐出する。洗浄液Lは、典型的には水であって洗浄水が用いられる。
このようなプローブ洗浄装置30による希釈検体プローブ21bの洗浄は、希釈検体プローブ21bによる1回の希釈検体Spの分注サイクル毎に、以下の順序で繰り返して実施される。
すなわち1回の分注サイクルにおいて、希釈検体分注装置20bは、予め設定された測定プログラムにしたがって、希釈検体保持部3の希釈検体容器P3内に希釈検体プローブ21bを挿入する。そして、所定量の希釈検体Spを希釈検体プローブ21b内に吸引し、希釈検体容器P3から所定量の検体を分取する。次いで、希釈検体分注装置20bは、反応容器保持部6の1つの反応容器P6内に希釈検体プローブ21bを挿入し、希釈検体プローブ21bに吸引した希釈検体Spを吐出し、反応容器P6内に所定量の希釈検体Spを分注する。その後、希釈検体分注装置20bは、洗浄槽31内に希釈検体プローブ21bの先端を移動させる。これにより、プローブ洗浄装置30は、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、洗浄液供給管32から洗浄液Lを供給し、洗浄槽31内に挿入された希釈検体プローブ21bの外壁を洗浄する。その際、希釈検体分注装置20bは、希釈検体プローブ21bの内壁の洗浄も実施する。
以上を1回の分注サイクルとし、希釈検体分注装置20bは、洗浄槽31で外壁の洗浄が終了した希釈検体プローブ21bを、再び希釈検体保持部3の希釈検体容器P3内に挿入し、以降は同様の動作を繰り返す。
なお、以上のような構成のプローブ洗浄装置30は、検体保持部2に保持された検体容器P2、または希釈検体保持部3に保持された希釈検体容器P3を洗浄槽31として用いたものであってもよい。一例として、プローブ洗浄装置30が、上述したように希釈検体プローブ21bの軌道上に設けられたものである場合、このプローブ洗浄装置30の洗浄槽31は、希釈検体容器P3のうちの1つであってもよい。
<制御部1b>
図1および図2を参照し、制御部1bは、上述した測定部1aを構成する各構成要素の駆動機構、および計測部15に接続されている。このような制御部1bは、相互に接続された表示部51、入力部52、記憶部53、演算処理部54、および入出力制御部55を備える。このうち、演算処理部54、および入出力制御部55は、マイクロコンピューターなどの計算機によって構成されている。計算機は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶部を備え、自動分析装置1内の各部の動作を制御する。以下、制御部1bの各構成要素の詳細を説明する。
[表示部51]
表示部51は、計測部15による測定結果を表示する他、自動分析装置1における各種の設定情報や各種の履歴情報を表示する。
[入力部52]
入力部52は、自動分析装置1のオペレーターによって行われる各種の設定に関する入力やその他の入力を受け付け、入力信号を入出力制御部55に出力する。この入力部52には、例えば、マウス、キーボード、表示部51における表示面に設けられたタッチパネル等が用いられる。また入力部52は、例えば検体保持部2に保持された検体容器P2のバーコードを読み取るバーコードリーダーである場合も含む。
[記憶部53]
記憶部53は、例えば、HDD(Hard disk drive)や半導体メモリなどの大容量の記録装置によって構成される。また記憶部53は、その一部が上記の計算機を構成するものであってもよい。このような記憶部53には、次に説明する入出力制御部55が実行する各種のプログラム、プログラムを実行するための各種の設定情報が保存される。
記憶部53に記憶される情報のうちの設定情報としては、各測定項目に関連する分注情報、および測定項目に共通の分注情報などである。これらの情報は、予め記憶部53に保持されているか、または入力部52からの入力に基づいて記憶部53に保存された情報である。
このうち測定項目に関連する分注情報は、各測定項目の分析処理において使用する希釈検体の希釈条件、測定項目間の分注順序、および各測定項目の分析処理における希釈検体使用量[S]に関する情報を含む。これらの情報は、各測定項目に対して関連付けて記憶部53に保存されていることとする。
また共通の分注情報は、希釈検体容器P3から反応容器P6への希釈検体の分注に際しての洗浄液の持込量[a]、分注ロス量[b]、初期量[V]、および希釈率上限値[Rmax]である。このうち洗浄液の持込量[a]は、1回の分注サイクルの後に、希釈検体プローブ21bによってプローブ洗浄装置30から希釈検体容器P3に持ち込まれる洗浄液Lの量である。また分注ロス量[b]は、希釈検体プローブ21bによる分注精度を確保するために、希釈検体容器P3から希釈検体プローブ21bに余分に分取する必要がある希釈検体の分量である。さらに初期量[V]は、1つの希釈検体容器P3に貯留される希釈検体の初期の分量である。この初期量[V]は、分析を開始する際に入力部52から入力される情報としてもよい。また希釈率上限値[Rmax]は、希釈検体容器P3内の希釈検体Spの初期の濃度に対する希釈率の上限値であって、洗浄液Lによる希釈検体Spの希釈率の上限値である。
[演算処理部54]
演算処理部54は、入力部52から入力された情報、および記憶部53に保存された情報に基づいて、1つの希釈検体容器P3から複数の反応容器P6への分注の上限回数[imax]を、検体毎に設定する。演算処理部54による分注の上限回数[imax]の設定の手順は、次の自動分析方法において詳細に説明する。
[入出力制御部55]
入出力制御部55は、入力部52、記憶部53、および演算処理部54からの信号に基づいて、測定部1aを構成する各部の駆動機構の作動を制御し、検体保持部2の検体容器P2内に収容された検体の分析処理を実施する。
≪自動分析方法≫
図4は、実施形態の自動分析装置1を用いた自動分析方法を示すフローチャートである。以下、図4のフローチャートに示す順に、先に示した図1および図2を参照して実施形態の自動分析装置1を用いた自動分析方法を説明する。これらの図を用いて説明する自動分析方法は、希釈検体容器P3内の検体を、反応容器P6内に分注する前に行われる処理として適用される手順である。
この手順は、図2を用いて説明した演算処理部54および入出力制御部55を構成するCPUが、記憶部53に保存されたプログラムを実行することにより、以下のように実施される。
<ステップS001>
ステップS001において、入出力制御部55は、入力部52から検体情報が入力されたか否かを判断し、入力された(YES)と判断されるまで待機する。ここで検体情報とは、検体保持部2に保持された検体容器P2内の検体に関する情報であり、検体に関するID情報、およびその検体に設定された測定項目である。また検体情報は、1つの希釈検体容器P3に貯留される希釈検体の初期量[V]を含んでもよい。このような検体情報は、例えば検体容器P2に添付されたバーコード情報であって、バーコードリーダーを入力部52として読み込まれた情報であってよい。演算処理部54は、このような検体情報が入力された(YES)と判断された場合に、次のステップS002に進む。
<ステップS002>
ステップS002において、入出力制御部55は、ステップS001において入力された検体情報に基づき、検体保持部2の特定位置に保持された1つの検体容器P2内の検体について、同一希釈条件の測定項目に関連する分注情報を取得する。
すなわち自動分析装置1においては、1つの検体容器P2内の検体についての検体情報が入力部52から入力されたことにより、その検体についての自動分析のフローが開始される。この場合、1つの検体容器P2内の検体について、入力部52から入力された検体情報に基づいて、複数の測定項目の分析処理が開始される。
そこで、先ず入出力制御部55は、入力部52から入力された検体情報と、記憶部53に保存されている分注情報とに基づいて、目的とする1つの検体容器P2内の検体について設定された測定項目を、同一希釈条件ごとにグループ化する。次に、入出力制御部55は、希釈条件が同一のグループ毎に、各測定項目に関連する分注情報を記憶部53から取得する。ここで取得する測定項目に関連する分注情報は、下記表1に示すように、測定項目間の分注順序であって分注回[i]、および各測定項目の分析処理における希釈検体使用量[S]である。なお、分注回[i]は、記憶部53に保存されている測定項目間の分注順序に基づき、目的とする1つの検体容器P2内の検体について設定された各測定項目に対して付与される。
Figure 0006915010
なお、表1においては、希釈条件が同一のグループの測定項目に対して項目番号を付した。またここでは、希釈条件が同一の1つのグループについての分注情報のみを示したが、希釈条件が同一の他のグループについても同様に分注情報を取得する。そして、次のステップ003以降は、各グループについて同様の処理を平行して実施するか、グループ毎に順次に処理を実施する。
<ステップS003>
ステップS003において、入出力制御部55は、希釈容器番号[N]を、[N]=1とする処理を行う。また測定項目数[M]を、ステップS002において取得した測定項目の全数に設定する。ここでは、上記表1に基づいて、測定項目数[M]=15に設定する。
<ステップS004>
ステップS004において、演算処理部54は、1つの希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]を設定する。この際、演算処理部54は、ステップS002において取得した測定項目に関連する分注情報と、記憶部53に保存されている共通の分注情報とに基づいて、1つの希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]を下記のように設定する。なお、測定項目に関連する分注情報は、先に説明したように、測定項目間の分注順序であって分注回[i]、および各測定項目の分析処理における希釈検体使用量[S]である。また、共通の分注情報は、先に説明したように、希釈検体容器P3から反応容器P6への希釈検体の分注に際しての洗浄液の持込量[a]、分注ロス量[b]、初期量[V]、および希釈率上限値[Rmax]である。
先ず、演算処理部54は、各分注回[i]毎に、すなわち1つの分注回[i]の分注サイクルが終了した後についての、希釈検体容器P3内に残されている希釈検体残液量[V]と、希釈検体濃度[C]とを下記式(1)〜式(6)のように算出する。希釈検体濃度[C]は、プローブ洗浄装置30において希釈検体プローブ21bの先端に付着した洗浄液Lが、希釈検体容器P3内に持ち込まれることによって薄められた希釈検体容器P3内の検体の濃度である。
Figure 0006915010
Figure 0006915010
Figure 0006915010
そして以上のようにして算出した希釈検体濃度[C]に基づいて、上限回数[imax]を設定する。この場合、例えば、分注を実施する前の初期の希釈検体濃度[C]を100%とし、初期の希釈検体濃度[C]から、希釈検体濃度[C]を差し引いた値([C]−[C])を、1つの分注回[i]の分注サイクルが終了した後の希釈検体Spの希釈率[R]として算出する。ここで算出される希釈率[R]は、次の分注回[i+1]の分注サイクルが始まる直前においての、希釈検体容器P3内の希釈検体Spの希釈率[R]となる。
下記表2には、上記のようにして算出した、希釈容器番号[N]=1についての、希釈検体Spの希釈率[R]を、希釈検体残液量[V]および希釈検体濃度[C]と共に示す。
Figure 0006915010
そして演算処理部54は、算出した希釈率[R]が、記憶部53に保存されている希釈率上限値[Rmax]を超えた分注回[i]を、分注の上限回数[imax]として設定する。上記表2に示した例では、算出した希釈率[R]が、予め設定された希釈率上限値[Rmax]を超えた分注回[i]が、[i]=12〜15であるため、予め設定された希釈率上限値[Rmax]を超える分注回の最低数である分注回[i]=12を、分注の上限回数[imax]として設定する。
また演算処理部54は、最後の分注回[i]で算出した希釈率[R]が、希釈率上限値[Rmax]を超えない場合には、ステップS003で設定した測定項目数[M]よりも大きな数、例えば測定項目数[M]+1を上限回数[imax]に設定する。
なお、上限回数[imax]は、希釈検体濃度[C]を、希釈検体濃度の下限値と比較することで設定してもよい。この場合、記憶部53には、希釈検体濃度の下限値を保存しておく。そして、算出した希釈検体濃度[C]が記憶部53に保存されている希釈検体濃度の下限値(例えばここでは98.5%)未満となった分注回[i]のうち、分注回数の最低数を、分注の上限回数[imax]として設定する。
<ステップS005>
ステップS005において、入出力制御部55は、測定項目数[M]と、演算処理部54で算出した上限回数[imax]とを比較し、測定項目数[M]は上限回数[imax]よりも大きいか否かの判断を行う。入出力制御部55は、測定項目数[M]は上限回数[imax]よりも大きい(YES)と判断した場合には、次のステップS006に進む。一方、入出力制御部55は、測定項目数[M]は上限回数[imax]よりも大きくない(NO)と判断した場合には、ステップS009に進む。
上記表2に示した例では、測定項目数[M]=15であり、上限回数[imax]=12であるため、測定項目数[M]は上限回数[imax]よりも大きい(YES)と判断して次のステップS006に進む。
<ステップS006>
ステップS006において、入出力制御部55は、希釈容器番号[N](例えば[N]=1)について、分注回[i]=1から上限回数[imax](例えば[imax]=12)までの項目数の分注項目リストを作成する。下記表3には、このようにして作成した希釈容器番号[N]=1についての、分注項目リストを示す。
Figure 0006915010
なお、分注項目リストを作成した後には、ステップS006で作成した分注項目リストに基づいて、検体容器P2から1つの希釈検体容器P3(例えば[N]=1)に検体および希釈液を吐出することで初期量[V]に相当する分量の希釈検体を調整し、当該希釈検体容器P3から各反応容器P6への希釈検体の分注を開始してよい。この場合の1つの希釈検体容器P3は、該当する希釈条件で希釈された希釈検体Spを収容したものであることとする。また、このような希釈検体の調整と、調整した希釈検体の分注の作業は、本フローチャートで示す一連の処理が終了した後に実施してもよい。
<ステップS007>
ステップS007において、入出力制御部55は、測定項目数[M]を[M]=[M]−[imax]とする処理を行なう。また、希釈容器番号[N]を[N]=[N]+1とする処理を行う。
<ステップS008>
ステップS008において、入出力制御部55は、分注情報の再編成を行なう。この際、入出力制御部55は、下記表1に示す現在の分注情報から、ステップS006で作成した分注項目リスト内の分注情報を除き、下記表4に示すように、測定項目間の分注順序であって分注回[i]を付与し直した新たな分注情報を得る。
Figure 0006915010
その後は、ステップS004に戻り、以降のステップを繰り返して実施する。
<ステップS009>
ステップS009は、ステップS005において、測定項目数[M]は上限回数[imax]よりも大きくない(NO)、すなわち測定項目数[M]が上限回数[imax]以下であると判断と判断して進んだステップである。このステップS009において、入出力制御部55は、希釈容器番号[N]について、分注回[i]=1からの全ての項目数[M]の分注項目リストを作成する。
ここで、本ステップS009の前に実施されるステップS004においては、先に説明したように分注の上限回数が設定される。
一例として、ステップS004の時点で、上記表4の分注情報が得られている場合を説明する。この場合、ステップS004において、演算処理部54は、先ず上記表4の分注情報から、希釈検体残液量[V]、希釈検体濃度[C]、および希釈検体Spの希釈率[R]を算出する。下記表5には、上記のようにして算出した、希釈容器番号[N]=2についての、希釈検体Spの希釈率[R]を、希釈検体残液量[V]および希釈検体濃度[C]と共に示す。
Figure 0006915010
次いで、演算処理部54は、算出した希釈率[R]が、記憶部53に保存されている希釈率上限値[Rmax]を超えた分注回[i]を、分注の上限回数[imax]として算出する。この際、最後の分注回[i]で算出した希釈率[R]が、希釈率上限値[Rmax]を超えない。このためステップS004では、測定項目数[M](ここでは[M]=3)よりも大きな数、例えば測定項目数[M]+1が上限回数[imax](ここでは[imax]=4)に設定される。
これにより、本ステップS009の前に実施されるステップS005においては、測定項目数[M](=3)は上限回数[imax](=4)よりも大きくない(NO)、すなわち測定項目数[M]が上限回数[imax]以下であると判断と判断される。
そして、本ステップS009において、入出力制御部55は、希釈容器番号[N](例えば[N]=2)について、分注回[i]=1からの全ての項目数[M]の分注項目リストを作成する。下記表6には、このようにして作成した、希釈容器番号[N]=2についての、分注項目リストを示す。
Figure 0006915010
そしてステップS009の後に、一連の処理を終了させる。なお、分注項目リストを作成した後には、ステップS009で作成した分注項目リストに基づいて、検体容器P2から1つの希釈検体容器P3(例えば[N]=2)に検体および希釈液を吐出することで初期量[V]に相当する分量の希釈検体を調整し、当該希釈検体容器P3から各反応容器P6への希釈検体の分注を開始してよい。この場合の1つの希釈検体容器P3とは、該当する希釈条件で希釈された希釈検体Spを収容したものであり、ステップS006で作成した分注項目リストに基づく分注で用いるものとは別の希釈検体容器P3(例えば[N]=2)であることとする。また、このような希釈検体の調整と、調整した希釈検体の分注の作業は、本フローチャートで示す一連の処理が終了した後に実施してもよい。
≪実施形態の効果≫
以上説明した実施形態の自動分析装置1および自動分析方法では、希釈検体プローブ21bの先端に付着した洗浄液Lが、分注サイクル毎に希釈検体容器P3に持ち込まれた場合の希釈検体Spの濃度に基づいて、検体毎に希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]が設定される。このため、希釈検体使用量[S]が異なる複数の測定項目について分析を実施した場合であっても、安定した濃度の希釈検体を用いた分析を実施して分析精度の向上を図ることが可能であり、かつ検体の廃棄量を最小限に抑えて検体の利用効率の向上を図ることが可能である。
≪変形例≫
次に、自動分析装置および自動分析方法の変形例を説明する。
変形例の自動分析装置が、先に図1〜図3を用いて説明した先の自動分析装置1と異なるところは、制御部1bの記憶部53に保存する設定情報にある。また変形例の自動分析装置が、先に図1〜図3を用いて説明した先の自動分析装置1と異なるところは、演算処理部54と入出力制御部55とが実施する自動分析方法のプログラムのうち、図4のフローチャートのステップS004’の手順にある。他の構成要素は先に説明した自動分析装置1および自動分析方法と同様であるため、以下においては上述下異なる点のみを説明する。
<制御部1b>
[記憶部53]
自動分析装置1の記憶部53には、設定情報として、各測定項目に関連する分注情報と、分注の上限回数[imax]導出情報とが保存されていることとする。これらの情報は、予め記憶部53に保持されているか、または入力部52からの入力に基づいて記憶部53に保存された情報である。
このうち測定項目に関連する分注情報は、先に説明した情報と同様であって、各測定項目の分析処理において使用する希釈検体の希釈条件、測定項目間の分注順序であって分注回[i]、および各測定項目の分析処理における希釈検体使用量[S]に関する情報を含む。これらの情報は、各測定項目に対して関連付けて記憶部53に保存されていることとする。
また分注の上限回数[imax]導出情報は、1つの希釈検体容器P3から反応容器P6への分注の上限回数[imax]を導出するための情報である。下記表7には上限回数[imax]導出情報の一例を示す。
Figure 0006915010
表7に示すように、上限回数[imax]導出情報は、例えば希釈検体容器P3に収容されている希釈検体Spの初期量[V]と、希釈検体使用量の平均値[Sav]とに基づいて、上限回数[imax]を導出するための情報であって、下記のように作成される。
先ず、下記式(7)に基づいて、1つの分注回[i]の分注サイクルが終了した後についての希釈検体濃度の近似値[Cai]を算出する。
Figure 0006915010
なお、洗浄液の持込量[a]は、1回の分注サイクルの後に、希釈検体プローブ21bによってプローブ洗浄装置30から希釈検体容器P3に持ち込まれる洗浄液Lの量であって、固定値である。分注ロス量[b]は、希釈検体プローブ21bによる分注精度を確保するために、希釈検体容器P3から希釈検体プローブ21bに余分に分取する必要がある希釈検体の分量であって固定値である。初期量[V]は、1つの希釈検体容器P3に貯留される希釈検体の初期の分量であって変数である。分注回[i]は、測定項目間の分注順序である。希釈検体使用量の平均値[Sav]は、測定項目数[M]においての希釈検体使用量[S]の平均値に基づく分量であって変数である。
ここでは、初期量[V]と希釈検体使用量の平均値[Sav]とを変動させた各条件において、分注回[i]をパラメータとした上記式(7)に基づいて、希釈検体濃度の近似値[Cai]を算出する。
そして以上のようにして算出した希釈検体濃度の近似値[Cai]に基づいて、上限回数[imax]を設定する。この場合、初期の希釈検体濃度[C]を100%とし、初期の希釈検体濃度[C]から、希釈検体濃度の近似値[Cai]を差し引いた値([C]−[Cai])を、各分注回[i]の分注サイクルが終了した後の希釈検体Spの希釈率[R]として算出する。そして初期量[V]と希釈検体使用量の平均値[Sav]とが各条件の場合について、算出した希釈率[R]が、記憶部53に保存されている希釈率上限値[Rmax]を超えた分注回[i]を、各条件に対応する分注の上限回数[imax]として算出し、上記表7を得る。
なお、上限回数[imax]は、希釈検体濃度の近似値[Cai]を、希釈検体濃度の下限値と比較することで設定してもよい。この場合、記憶部53には、希釈検体濃度の下限値を保存しておく。そして、算出した希釈検体濃度の近似値[Cai]が記憶部53に保存されている希釈検体濃度の下限値(例えばここでは98.5%)未満となった分注回[i]のうち、分注回数の最低数を、分注の上限回数[imax]として設定し、上記表7を得る。
<ステップS004’>
ステップS004’において、演算処理部54は、1つの希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]を下記のように算出する。
すなわち演算処理部54は、測定項目に関連する分注情報と、希釈検体容器P3に収容される希釈検体Spの初期量[V]と、上記表7に示した上限回数[imax]導出情報とに基づいて、上限回数[imax]を算出する。測定項目に関連する分注情報は、ステップS002で取得した情報であって、この分注情報から希釈検体使用量の平均値[Sav]を算出する。ここで算出する希釈検体使用量の平均値[Sav]は、表1に示した分注情報の希釈検体使用量[S]の平均値(=6.47μl)に、分注ロス量[b](例えば[b]=3μl)を加算した値(例えば[Sav]=9.47μl)である。
そして、算出した希釈検体使用量の平均値[Sav](=9.47μl)と、初期量[V](例えば[V]=150μl)とを、表7に示した上限回数[imax]導出情報に照らし合わせ、上限回数[imax](=13)を導出する。
以降のステップは、先に図4のフローチャートを用いて説明した手順と同様に実施すればよい。
≪変形例の効果≫
以上説明した変形例の構成であっても、希釈検体プローブ21bの先端に付着した洗浄液Lが、分注サイクル毎に希釈検体容器P3に持ち込まれた場合の希釈検体Spの濃度の近似値に基づいて、検体毎に希釈検体容器P3からの分注の上限回数[imax]が設定される。このため、上述した実施形態と同様に、分析精度の向上を図りつつ、検体の利用効率の向上を図ることが可能である。またさらに、予め上記表7に示した上限回数[imax]導出情報を用意しておくため、上限回数[imax]を設定するための算出処理が容易である。したがって、上限回数[imax]の設定の高速化と、これによる分析処理の高速化を達成することが可能である。
なお、上述した変形例を含む実施形態においては、希釈検体容器P3から反応容器P6への分注に本発明を適用した場合について説明を行った。しかしながら、本発明は、検体容器P2から希釈検体容器P3への分注や、検体容器P2から反応容器P6への分注に適用することも可能であり、適用した場合には同様の効果を得ることができる。また検体保持部2は、複数の検体容器を収容する検体ラックを搬送する検体ラック搬送装置であってもよく、検体容器P2は、検体ラック搬送装置によって搬送された検体容器であってよい。
1…自動分析装置
1b…制御部
2…検体保持部
3…希釈検体保持部(検体保持部、分注容器保持部)
6…反応容器保持部(分注容器保持部)
21…分注プローブ
21b…希釈検体プローブ(分注プローブ)
30…プローブ洗浄装置
54…演算処理部
L…洗浄液
P2…検体容器
P3…希釈検体容器(検体容器、分注容器)
P6…反応容器(分注容器)
Sp…希釈検体(検体)
[a]…洗浄液の持込量
[C]…希釈検体濃度(濃度)
[i]…分注回(分注順序)
[imax]…上限回数
[Sav]…希釈検体使用量の平均値(検体使用量の平均値)
[S]…希釈検体使用量(検体使用量)
[V]…初期量

Claims (8)

  1. 検体が貯留された検体容器を保持する検体保持部と、
    複数の分注容器を保持する分注容器保持部と、
    前記検体容器から所定量の検体を分取し、分取した検体を前記分注容器内に分注する分注プローブと、
    前記分注容器内に検体を分注した後で、前記検体容器から次の所定量の検体を分取する前に、前記分注プローブの先端を洗浄液で洗浄するプローブ洗浄装置と、
    前記分注プローブの駆動を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記検体毎に、前記プローブ洗浄装置において前記分注プローブの先端に付着した洗浄液によって薄められる前記検体容器内の前記検体の濃度を算出し、前記算出した濃度に基づいて前記検体容器から前記分注容器への前記検体の分注の上限回数を設定する演算処理部を備えた
    自動分析装置。
  2. 前記演算処理部は、
    前記検体容器に貯留された検体の初期量と、前記検体に設定された複数の測定項目の検体使用量と、前記洗浄液の前記検体容器内への前記洗浄液の持込量とに基づいて前記濃度を算出する
    請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記演算処理部は、
    前記検体に設定された複数の測定項目の検体使用量から検体使用量の平均値を算出し、算出した検体使用量の平均値と、前記検体容器に貯留された検体の初期量と、予め用意された分注の上限回数の導出情報とに基づいて、前記分注の上限回数を設定する
    請求項2に記載の自動分析装置。
  4. 前記演算処理部は、
    前記算出した濃度が、予め設定した濃度よりも低くなる分注回数の最低数を、前記分注の上限回数として設定する
    請求項2または3に記載の自動分析装置。
  5. 前記分注プローブによる前記検体容器から前記分注容器への前記検体の分注は、前記検体に設定された複数の測定項目間の分注順序にしたがって実施される
    請求項1〜4の何れか1項に記載の自動分析装置。
  6. 前記制御部は、
    前記検体に設定された複数の測定項目の数が、前記演算処理部で設定した前記上限回数よりも大きい場合、前記検体を貯留した複数の前記検体容器を前記検体保持部に保持させ、
    前記演算処理部は、前記複数の検体容器に対して順次に前記検体の分注の上限回数を設定する
    請求項5に記載の自動分析装置。
  7. 前記検体容器は、前記検体が所定濃度に希釈された状態で貯留された希釈検体容器であり、
    前記分注容器は、前記検体と共に試薬が分注される反応容器である
    請求項1〜6のうちの何れか1項に記載の自動分析装置。
  8. 検体が貯留された検体容器を保持する検体保持部と、
    複数の分注容器を保持する分注容器保持部と、
    前記検体容器から所定量の検体を分取し、分取した検体を前記分注容器内に分注する分注プローブと、
    前記分注容器内に検体を分注した後で、前記検体容器から次の所定量の検体を分取する前に、前記分注プローブの先端を洗浄液で洗浄するプローブ洗浄装置と、
    前記分注プローブの駆動を制御する制御部とを備えた自動分析装置による自動分析方法であって、
    前記検体毎に、前記プローブ洗浄装置において前記分注プローブの先端に付着した洗浄液によって薄められる前記検体容器内の前記検体の濃度を算出し、前記算出した濃度に基づいて前記検体容器から前記分注容器への前記検体の分注の上限回数を設定する
    自動分析方法。
JP2019171961A 2019-09-20 2019-09-20 自動分析装置および自動分析方法 Active JP6915010B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019171961A JP6915010B2 (ja) 2019-09-20 2019-09-20 自動分析装置および自動分析方法
US17/023,561 US11768214B2 (en) 2019-09-20 2020-09-17 Automatic analyzer and automatic analysis method
CN202010980878.1A CN112540186A (zh) 2019-09-20 2020-09-17 自动分析装置和自动分析方法
EP20196606.6A EP3796005B1 (en) 2019-09-20 2020-09-17 Automatic analyzer and automatic analysis method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019171961A JP6915010B2 (ja) 2019-09-20 2019-09-20 自動分析装置および自動分析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021050918A JP2021050918A (ja) 2021-04-01
JP6915010B2 true JP6915010B2 (ja) 2021-08-04

Family

ID=72560423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019171961A Active JP6915010B2 (ja) 2019-09-20 2019-09-20 自動分析装置および自動分析方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11768214B2 (ja)
EP (1) EP3796005B1 (ja)
JP (1) JP6915010B2 (ja)
CN (1) CN112540186A (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53111782A (en) * 1977-03-03 1978-09-29 Jeol Ltd Sampling and metering system
JP3229915B2 (ja) 1995-01-19 2001-11-19 日本電子株式会社 生化学自動分析装置
JP3436095B2 (ja) * 1997-09-18 2003-08-11 株式会社日立製作所 自動分析装置
JP5028350B2 (ja) * 2008-07-11 2012-09-19 株式会社日立ハイテクノロジーズ 自動分析装置
JP5086286B2 (ja) * 2009-01-23 2012-11-28 株式会社日立ハイテクノロジーズ 自動分析装置
JP5836195B2 (ja) * 2011-06-14 2015-12-24 日本電子株式会社 臨床検査用分析装置および臨床検査用分析装置における洗浄方法
JP6026110B2 (ja) * 2012-01-20 2016-11-16 東芝メディカルシステムズ株式会社 自動分析装置
JP6346072B2 (ja) * 2014-11-18 2018-06-20 日本電子株式会社 自動分析装置および自動分析装置における棒状部材の昇降動作方法
JP6887880B2 (ja) * 2017-05-30 2021-06-16 日本電子株式会社 自動分析装置及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
EP3796005A1 (en) 2021-03-24
US20210088544A1 (en) 2021-03-25
CN112540186A (zh) 2021-03-23
EP3796005B1 (en) 2023-12-20
JP2021050918A (ja) 2021-04-01
US11768214B2 (en) 2023-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7193564B2 (ja) 自動分析装置及び自動分析方法
JP2927082B2 (ja) 液体サンプル用分析方法および分析装置
CN113811773A (zh) 自动分析装置及其清洗方法
JP6373260B2 (ja) 自動分析装置
CN110320380B (zh) 自动分析装置和自动分析方法
JP6995085B2 (ja) 自動分析装置及び自動分析装置の制御方法
JP2019219228A (ja) 自動分析装置、および自動分析方法
JP6915010B2 (ja) 自動分析装置および自動分析方法
JP6887880B2 (ja) 自動分析装置及びプログラム
CN110412305B (zh) 自动分析装置和自动分析方法
JP7008744B2 (ja) 自動分析装置および自動分析装置の制御方法
JP6928712B2 (ja) 自動分析装置
JP7054616B2 (ja) 自動分析装置
JP2019211329A (ja) 自動分析装置
JP7245644B2 (ja) 自動分析装置および自動分析方法
JP2016170075A (ja) 自動分析装置及び自動分析方法
CN110501515B (zh) 自动分析装置和自动分析方法
JP5192316B2 (ja) 自動分析装置
JP2013019783A (ja) 生化学分析装置
JP7217140B2 (ja) 自動分析装置および自動分析方法
JP2005201771A (ja) 自動分析装置
JP2024044534A (ja) 自動分析装置およびその分析方法
JP2005099059A (ja) 自動分析装置
JP2009243995A (ja) 自動分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6915010

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210730