JP7217140B2 - 自動分析装置および自動分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動分析装置および自動分析方法に関する。
検体中における目的物質の定量分析を行う技術として、下記特許文献1に開示のものがある。この特許文献1には「被検液の化学量又は物理量の変化をセンサにて測定する滴定における制御方法であって、滴定試薬を滴加して所定の待ち時間経過した後の被検液の化学量又は物理量変化の大きさに応じて、次に滴定試薬を滴加した後の前記センサによる被検液の化学量又は物理量検出のための待ち時間の大きさを制御する」との技術が記載されており、これによりセンサのレスポンスを考慮した場合であっても、滴定時間が短縮されるとしている。
また特に血液や尿などの検体に含まれる生体成分を分析する技術として、下記特許文献2に開示のものがある。この特許文献2には「原試料を希釈テーブルの希釈容器に移して希釈し、希釈された試料を反応管テーブルの反応容器に移して分析する」との技術が記載されており、これにより試料の秤量限界ボリュームをクリアして分析精度を高くするとしている。
特開平11-108917号公報 特開平8-194004号公報
ところで、上述した血液や尿などの検体に含まれる生体成分を分析するための自動分析装置においては、複数の検体についての定量分析を短時間で実施するために、高スループットでの分析処理が求められている。このため、上述のように「原試料を希釈テーブルの希釈容器に移して希釈し、希釈された試料を反応管テーブルの反応容器に移して分析する」場合、希釈された試料を希釈容器から反応容器へ移すタイミングは、主に自動分析装置を構成する各機構の配置によって機械的に決められた最速の時間が適用されていた。このため、希釈容器内における原試料(検体)と希釈液との混合状態が十分ではない場合もあり、このことが分析精度の低下を招く要因になっていた。
そこで本発明は、検体を希釈する機構を備えた構成において分析精度の向上を図ることが可能な自動分析装置および自動分析方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、分析対象となる検体と希釈液とが分注される希釈容器を保持する希釈検体保持部と、前記希釈検体保持部に保持された前記希釈容器内の検体と希釈液とを撹拌する希釈撹拌装置と、複数の反応容器を保持する反応容器保持部と、前記検体と前記希釈液とを撹拌して混合した希釈検体を前記希釈容器から前記反応容器に分注する分注装置と、前記検体の種類と希釈条件とを入力するための入力部と、前記希釈撹拌装置による検体と希釈液の撹拌が終了してから前記分注装置による分注を開始するまでの間に設定される待機時間を、前記検体の種類と希釈条件とに関連付けた情報として保持する記憶部と、前記入力部から入力された検体の種類と希釈条件とに基づいて前記記憶部に保存された待機時間を選択し、前記希釈撹拌装置による撹拌が終了した時点からの経過時間が前記選択した待機時間に達した場合に、前記分注装置による分注の開始を許可する演算処理部とを備えた自動分析装置である。また本発明は、このような自動分析装置によって実施される自動分析方法である。
本発明によれば、検体希釈機構を備えた構成において分析精度の向上を図ることが可能な自動分析装置および自動分析方法を提供することができる。
実施形態に係る自動分析装置を示す概略構成図である。 実施形態に係る自動分析装置のブロック図である。 実施形態に係る自動分析装置における希釈撹拌装置の要部を説明する図である。 希釈検体の分注の待機時間を説明するための工程図である。 検体と希釈液の撹拌後の経過時間[T]と測定値[M]との関係を示すグラフである。 実施形態の自動分析装置を用いた自動分析方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の自動分析装置および自動分析方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
≪自動分析装置≫
図1は、実施形態に係る自動分析装置1を示す概略構成図であり、一例として血液や尿などの検体に含まれる生体成分を分析する生化学分析装置に本発明を適用した自動分析装置1の概略構成図である。特にこの自動分析装置1は、検体を希釈液によって希釈する機構を備えたものである。このような自動分析装置1は、測定部1aと制御部1bとを備えている。
このうち測定部1aは、例えば検体保持部2、希釈検体保持部3、第1試薬保持部4、第2試薬保持部5、および反応容器保持部6を備えている。また測定部1aは、希釈撹拌装置11、希釈洗浄装置12、第1反応撹拌装置13、第2反応撹拌装置14、計測部15、および反応容器洗浄装置16を備えている。
また測定部1aは、複数の分注装置20を備えている。各分注装置20は、ここでは例えば検体分注装置20a、希釈検体分注装置20b、第1試薬分注装置20c、および第2試薬分注装置20dの4つである。
図2は、実施形態に係る自動分析装置のブロック図である。この図に示すように、制御部1bは、表示部51、入力部52、記憶部53、演算処理部54、および駆動制御部55を備えている。
以下、図1および図2に基づいて、これらの構成要素の詳細を、測定部1aおよび制御部1bの順に説明する。
<測定部1a>
[検体保持部2]
検体保持部2は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の検体容器P2を複数列で保持し、保持した検体容器P2を円周の双方向に搬送する構成である。この検体保持部2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。検体保持部2に保持される各検体容器P2には、検査対象となる検体や、他の溶液が貯留される。検体保持部2には、各種の検体が所定の位置に保持される構成となっている。このような検体保持部2は、保持した検体容器P2や他の容器を冷却する機能を有していてもよい。
[希釈検体保持部3]
希釈検体保持部は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の希釈容器P3を保持し、保持した希釈容器P3を円周の双方向に搬送する構成である。この希釈検体保持部3は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。希釈検体保持部3に保持される希釈容器P3には、検体保持部2に配置された検体容器P2から吸引された検体と、希釈液とが分注される。
希釈検体保持部3に保持される希釈容器P3は、その形状および大きさが限定されることはなく、各自動分析装置1および検体の種類に適する形状および大きさのものが用いられる。希釈容器P3の形状は、例えば円筒または角筒の一方の底面を閉じた形状であって、また円筒の底面は円であっても楕円であってもよく、角筒の底面は正方形であっても長方形であってもよい。さらに底面は平面であっても湾曲面であってもよい。
[第1試薬保持部4および第2試薬保持部5]
第1試薬保持部4は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の第1試薬容器P4を保持する。また、第2試薬保持部5は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の第2試薬容器P5を保持する。そして、それぞれ保持した第1試薬容器P4および第2試薬容器P5を円周の双方向に搬送する構成である。これらの第1試薬保持部4および第2試薬保持部5は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。なお、自動分析装置1に設けられた試薬保持部は、第1試薬保持部4および第2試薬保持部5の2つに限定されることはなく、1つであってもよいし3つ以上の複数であってもよい。自動分析装置1に設けられた試薬保持部が1つである場合、1つの試薬保持部に対応させて、以降に説明する第1試薬分注装置20cおよび第2試薬分注装置20dが設けられた構成であってよい。
[反応容器保持部6]
反応容器保持部6は、希釈検体保持部3と、第1試薬保持部4と、第2試薬保持部5との間に配置される。この反応容器保持部6は、例えばターンテーブル状のものであって、その周縁に沿って複数の反応容器P6を保持し、保持した反応容器P6を円周の双方向に搬送する構成である。この反応容器保持部6は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。反応容器保持部6に保持される反応容器P6は、希釈検体保持部3の希釈容器P3から採取した希釈検体、第1試薬保持部4の第1試薬容器P4から採取した第1試薬、さらに第2試薬保持部5の第2試薬容器P5から採取した第2試薬が、それぞれ所定量で分注されるものである。そして、この反応容器P6内において、希釈検体と第1試薬および第2試薬とが撹拌されてこれらの反応が行われるか、または希釈検体と第1試薬とが撹拌されてこれらの反応が行われる。なお、反応容器P6内において、希釈検体と共に撹拌される第1試薬および第2試薬は、各検体に対して実施される検査項目に対応して選択される。
以上のような反応容器保持部6は、不図示の恒温槽により、反応容器P6の温度を常時一定に保持するように構成されている。
[希釈撹拌装置11]
希釈撹拌装置11は、希釈検体保持部3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置11は、撹拌機構、および撹拌機構を駆動するための駆動機構を有する。図3は、実施形態に係る自動分析装置における希釈撹拌装置の要部を説明する図であって、希釈撹拌装置の撹拌機構を示す図である。この図に示すように、希釈撹拌装置の撹拌機構11aは、略垂直に保持された撹拌棒11bと、撹拌棒11bの下端に設けられた撹拌子11cとを備えている。撹拌棒11bは、ここでの図示を省略した駆動機構によって回転する回転軸であり、この先端に設けられた撹拌子11cを回転させる。また撹拌棒11bは、駆動機構によって上下方向および水平方向に移動自在である。また撹拌子11cは、液体を撹拌できればその形状が限定されることはなく、一例としてプロペラ型や板状材をひねったスクリュー型であることとする。
このような撹拌機構11aは、撹拌子11cを希釈容器P3内に挿入し、希釈容器P3内に分注された検体[S]と希釈液[D]とを撹拌して混合する。撹拌機構11aによる撹拌条件、例えば撹拌子11cの回転速度、撹拌子11cによる検体[S]および希釈液[D]の撹拌時間、および希釈容器P3内における撹拌機構11aの動き等は、各自動分析装置1において予め設定されていることとする。
[希釈洗浄装置12]
図1に戻り、希釈洗浄装置12は、希釈検体保持部3の周囲に配置されている。希釈洗浄装置12は、以降に説明する希釈検体分注装置20bによって希釈検体が吸引された後の希釈容器P3を洗浄する装置である。
[第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14]
第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応容器保持部6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、反応容器保持部6に保持された反応容器P6内において、希釈検体と、第1試薬または第2試薬とを撹拌し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応を進める。このような第1反応撹拌装置13および第2反応撹拌装置14は、希釈撹拌装置11と同様の構成のものであってよい。
[計測部15]
計測部15は、反応容器保持部6の周囲における反応容器保持部6の外壁と対向するように配置されている。計測部15は、反応容器P6内において検査項目に対応する第1試薬および第2試薬と反応した希釈検体に対して光学的測定を行なう多波長光度計であって、検体中の様々な成分の量を吸光度として出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。
[反応容器洗浄装置16]
反応容器洗浄装置16は、反応容器保持部6の周囲に配置されている。反応容器洗浄装置16は、検査が終了した反応容器P6内を洗浄する装置である。
[検体分注装置20a]
検体分注装置20aは、細管状の分注プローブ21として検体プローブ21aを備え、検体保持部2と希釈検体保持部3の周囲に配置されている。検体分注装置20aは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った検体プローブ21aの先端を検体保持部2に保持された検体容器P2内の検体中に挿入し、所定量の検体を検体プローブ21a内に吸引する。この際、検体保持部2は、予め設定された測定プログラムにしたがって、検体保持部2の所定位置に保持された検体容器P2を、所定の検体採取位置に移動させておく。
また、検体分注装置20aは、希釈検体保持部3の希釈容器P3内に検体プローブ21aの先端を挿入し、検体プローブ21a内に吸引した検体と、検体分注装置20a自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水や純水)とを、希釈容器P3内に吐出する。これにより、希釈容器P3内において、検体を所定倍数の濃度に希釈する。
[希釈検体分注装置20b]
希釈検体分注装置20bは、分注装置20のうちの1つであって、細管状の分注プローブ21として希釈検体プローブ21bを備え、希釈検体保持部3と反応容器保持部6の間に配置されている。希釈検体分注装置20bは、予め設定された測定プログラムにしたがって、不図示の駆動機構により、軸方向を垂直に保った希釈検体プローブ21bの先端を、希釈検体保持部3の希釈容器P3内に挿入し、システム水が充填された希釈検体プローブ21bの先端から、所定量の希釈検体を吸引する。また希釈検体分注装置20bは、反応容器保持部6の反応容器P6内に希釈検体プローブ21bの先端を挿入し、希釈検体プローブ21b内に吸引した希釈検体を、反応容器P6内に吐出する。これにより希釈容器P3から反応容器P6に希釈検体を分注する。
[第1試薬分注装置20c,第2試薬分注装置20d]
第1試薬分注装置20cおよび第2試薬分注装置20dは、分注装置20のうちの1つであって、他の分注装置と同様の構成であり、反応容器保持部6と第1試薬保持部4および第2試薬保持部5との間に配置されている。第1試薬分注装置20cは、予め設定された測定プログラムにしたがって、第1試薬保持部4の第1試薬容器P4から反応容器P6に第1試薬を分注する。また第2試薬分注装置20dは、予め設定された測定プログラムにしたがって、第2試薬保持部5の第2試薬容器P5から反応容器P6に第2試薬を分注する。
<制御部1b>
図1~図3を参照し、制御部1bは、上述した測定部1aを構成する各構成要素の駆動機構、および計測部15に接続されている。このような制御部1bは、相互に接続された表示部51、入力部52、記憶部53、演算処理部54、および駆動制御部55を備える。このうち、記憶部53、演算処理部54、および駆動制御部55は、マイクロコンピューターなどの計算機によって構成されている。計算機は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶部を備え、自動分析装置1内の各部の動作を制御する。ROMおよびRAMなどの記憶部は、記憶部53であってもよい。以下、制御部1bの各構成要素の詳細を説明する。
[表示部51]
表示部51は、計測部15による測定結果を表示する他、自動分析装置1における各種の設定情報や各種の履歴情報を表示する。この表示部51には、例えば、液晶ディスプレイ装置等が用いられる。
[入力部52]
入力部52は、自動分析装置1のオペレーターによって行われる各種の設定に関する入力やその他の入力を受け付け、入力信号を駆動制御部55に出力する。この入力部52には、例えば、マウス、キーボード、表示部51における表示面に設けられたタッチパネル等が用いられる。また入力部52は、例えば検体保持部2に保持された検体容器P2のバーコードを読み取るバーコードリーダーも含む。
[記憶部53]
記憶部53は、例えば、HDD(Hard disk drive)や半導体メモリなどの大容量の記録装置によって構成される。この記憶部53には、次に説明する駆動制御部55が実行する各種のプログラム、プログラムを実行するための各種の設定情報が保存される。これらの情報は、予め記憶部53に保持されているか、または入力部52からの入力に基づいて記憶部53に保存された情報である。
記憶部53に記憶される情報のうちの設定情報としては、希釈検体分注装置20bによる希釈検体の分注の待機時間[Tho]が含まれる。分注の待機時間[Tho]とは、希釈容器P3中に分注された検体[S]と希釈液[D]との希釈撹拌装置11による撹拌が終了してから、希釈検体分注装置20bによる希釈容器P3中の希釈検体の吸引が開始されるまでの時間として設定される最短時間であることとする。
図4は、希釈検体の分注の待機時間[Tho]を説明するための工程図であり、以下、図4を用いて分注の待機時間[Tho]を説明する。希釈検体を用いた検体中の生体成分の測定においては、検体[S]と希釈液[D]とが分注された希釈容器P3内に撹拌機構11aの撹拌子11cを挿入して所定の回転速度で回転させ、撹拌子11cによって比重の異なる検体[S]と希釈液[D]とを撹拌する[図4(A)]。所定の撹拌が終了した後には、希釈容器P3内から撹拌子11cを引き上げて撹拌を終了させる[図4(B)]。次に、希釈容器P3内に希釈検体プローブ21bを挿入し、希釈容器P3内での撹拌によって検体[S]と希釈液[D]とを混合した希釈検体[Sd]を、希釈検体プローブ21bに吸引する[図4(C)]。その後、検体プローブ21a内に吸引した希釈検体[Sd]を、反応容器P6内に分注する[図4(D)]。
以上の手順においては、希釈容器P3内から撹拌子11cを引き上げて撹拌を終了[図4(B)]させた後にも、希釈容器P3内において比重が異なる検体[S]と希釈液[D]との残留流により、検体[S]と希釈液[D]の混合がさらに進む。そこで、撹拌子11cによる撹拌が終了した後に、希釈容器P3内における検体[S]と希釈液[D]との混合が十分に進んで混合状態が安定化するまでの時間を、分注の待機時間[Tho]として設定する。混合状態が安定化したか否かの判断は、測定物質の濃度が既知であるコントロール検体を用いた予備分析を実施し、その際の測定結果に基づき、測定値のバラツキが許容範囲となったか否かによってなされることとする。
図5は、検体と希釈液とを所定の撹拌条件で撹拌した撹拌後の経過時間[T]と測定値[M]との関係を示すグラフである。このグラフに示すように、待機時間[Tho]は、経過時間[T]にともなう測定値[M]の変動幅[Mf]が、求められる測定精度の範囲内となった時点に設定される。
なお、グラフに示す撹拌後の経過時間[T]の計測の開始のタイミングと終了のタイミングは、希釈撹拌装置11および希釈検体分注装置20bの動作のタイミングのうちから、検出が容易なタイミングを選択すればよい。このような経過時間[T]は、例えば希釈容器P3内からの撹拌子11cの引き上げを完了した時点から、希釈容器P3内への希釈検体プローブ21bの挿入を開始する時点までの時間として計測される。また経過時間[T]は、例えば希釈容器P3内からの撹拌子11cの引き上げを開始した時点から、希釈検体プローブ21b内への希釈検体[Sd]の吸引を開始した時点までの時間として計測されてもよい。
さらに、待機時間[Tho]は、この自動分析装置による測定サイクルに当てはめた値としてもよい。例えば、この自動分析装置が、2秒サイクルで1回の測定を実施するものであれば、待機時間[Tho]、実際の時間の半分のサイクルとして表すことができる。
また以上のような待機時間[Tho]は、検体[S]の種類、検体[S]の希釈条件、および撹拌条件毎に設定されることとする。このうち、希釈条件は、1つの希釈容器に分注する検体[S]と希釈液[S]との比率および総量を含む。また撹拌条件は、撹拌子11cの回転速度と撹拌時間とを含む。
また、待機時間[Tho]は、希釈撹拌装置11の撹拌子11cの形状、および希釈容器P3の形状にも影響される。希釈容器P3に関しては、容器が深いほど、撹拌終了後に十分に混合が進んで混合状態が安定するまでに時間を要するため、待機時間[Tho]は長くなる。このため、待機時間[Tho]は、自動分析装置1毎に設定されることとする。なお、撹拌条件も、自動分析装置1毎に設定された条件であってもよい。
記憶部53は、以上のような希釈条件および撹拌条件の因子毎に関連付けされた情報として、待機時間[Tho]を保持する。
[演算処理部54]
図1~図3に戻り、演算処理部54は、入力部52からの入力、および記憶部53に保存された情報に基づいて、駆動制御部55による制御の判断を実施する。特にこの演算処理部54は、希釈容器P3内の希釈検体を反応容器P6に分注するのに際し、入力部52からの入力、および記憶部53に保存された情報に基づいて、駆動制御部55による希釈検体分注装置20bの駆動のための判断を実施する。演算処理部54による希釈検体分注装置20bの駆動の判断については、次の自動分析方法において詳細に説明する。
[駆動制御部55]
駆動制御部55は、入力部52、記憶部53、および演算処理部54からの信号に基づいて、測定部1aを構成する各部の駆動機構の作動を制御し、検体保持部2の検体容器P2内に収容された検体[S]の分析を実施する。このような駆動制御部55は、特に希釈検体分注装置20bの駆動を制御するための分注制御部55aを備える。
≪自動分析方法≫
図6は、実施形態の自動分析装置1を用いた自動分析方法を示すフローチャートである。以下、図6のフローチャートに示す順に、先に示した図1~図4を参照して実施形態の自動分析装置1を用いた自動分析方法を説明する。これらの図を用いて説明する自動分析方法は、希釈容器P3内に分注した検体[S]と希釈液[D]とを撹拌して希釈検体[Sd]とした後、この希釈検体[Sd]を反応容器P6に分注する際の分注処理に対して適用される手順である。
この手順は、図2を用いて説明した演算処理部54および駆動制御部55を構成するCPUが、記憶部53に保存されたプログラムを実行することにより、以下のように実施される。
<ステップS101>
ステップS101において、演算処理部54は、入力部52からの入力により測定の指示がなされたか否かを判断する。
この際、演算処理部54は、入力部52からの入力により、測定項目および測定条件が入力された場合に、測定の指示があった(YES)と判断する。測定項目は、検体の種類に関する情報を含む。また測定条件は、測定項目毎の希釈条件、すなわち1つの希釈容器に分注する検体[S]と希釈液[S]との比率および総量を含む。
演算処理部54は、入力部52からの入力によって、以上のような測定の指示の入力がなされるまで待機し、測定の指示があった(YES)と判断した場合には、次のステップ102に進む。
<ステップS102>
ステップS102において、駆動制御部55は、検体分注装置20aを駆動させ、希釈検体保持部3の希釈容器P3内に検体[S]と希釈液[D]とを分注する。この際、検体分注装置20aは、入力部52から入力された希釈条件に基づいて、検体保持部2に保持された検体容器P2内の検体[S]を吸引し、希釈検体保持部3に保持された希釈容器P3内に所定量の検体[S]と希釈液[D]とを分注する。
<ステップS103>
ステップS103において、駆動制御部55は、希釈撹拌装置11を駆動させ、希釈容器P3内に分注された検体[S]と希釈液[D]とを撹拌する。この際、希釈撹拌装置11は、予め設定されたプログラムにしたがって、希釈容器P3内における検体[S]と希釈液[D]との撹拌を実施し、撹拌終了後には撹拌子11cを希釈容器P3から引き上げる。
<ステップS104>
ステップS104において、演算処理部54は、ステップS103での撹拌が終了してから、待機時間[Tho]が経過したか否かを判断する。この際、演算処理部54は、記憶部53に保存されている待機時間[Tho]に関する情報を参照し、入力部52からの入力された検体の種類および希釈条件に適合する待機時間[Tho]を選択する。そして、予め設定された希釈撹拌装置11の動作のタイミング、すなわち待機時間[Tho]を決定する際のタイミングであって、例えば撹拌子11cの引き上げを完了した時点または撹拌子11cの引き上げを開始した時点からの経過時間[T]を、選択した待機時間[Tho]と比較する。そして、経過時間[T]が待機時間[Tho]に達した場合に、待機時間[Tho]が経過した(YES)と判断し、次のステップS105に進む。
<ステップS105>
ステップS105において、演算処理部54は、希釈容器P3内の希釈検体[Sd]の分注先となる反応容器P6が、確認済のものであるか否かを判断する。この際、演算処理部54は、計測部15による空の(ブランク状態の)反応容器P6の測定結果に基づいて、反応容器P6が洗浄済みであって測定に支障のある傷などがないことが確認された場合に確認済のものである(YES)と判断し、次のステップS106に進む。一方、確認済のものではない(NO)と判断された場合には、反応容器保持部6に保持されている別の反応容器P6について同様の判断を実施し、確認済のものである(YES)と判断されるまで、別の反応容器Pに対する測定と判断を繰り返す。なお、このステップS105は、ステップS104の先に実施されてもよい。
<ステップS106>
ステップS106において、駆動制御部55の分注制御部55aは、希釈検体分注装置20bを駆動させ、待機時間[Tho]に達した希釈容器P3内の希釈検体[Sd]を、ステップS105において確認済みと判断した反応容器P6に希釈検体[Sd]を分注する。以上により、検体[S]の分析に係わる希釈検体[Sd]の分注処理の一連の手順を終了させる。
また以上の後には、希釈検体[Sd]が分注された反応容器P6内に、第1試薬保持部4の第1試薬容器P4から反応容器P6に第1試薬を分注し、第1反応撹拌装置13によって希釈検体[Sd]と第1試薬とを撹拌する。またさらに、反応容器P6内に、第2試薬容器P5から反応容器P6に第2試薬を分注し、第2反応撹拌装置14によって希釈検体[Sd]と第2試薬とを撹拌する。その後は、所定の反応時間を経過した後に、計測部15による測定を実施し、分析処理の一連の手順を終了させる。
≪実施形態の効果≫
以上説明した実施形態によれば、希釈容器P3内において検体[S]と希釈液[D]とを撹拌した後、希釈容器P3から反応容器P6へ希釈検体[Sd]の分注を停止させる待機時間[Tho]を設けたことにより、希釈容器P3内において検体[S]と希釈液[D]との混合が十分に進んで混合状態が安定化した希釈検体[Sd]を反応容器P6に分注することが可能になる。これにより、検体[S]と希釈液[D]との混合状態のバラツキが、その後に実施される計測部15による測定に影響を及ぼすことを防止でき、自動分析装置1による分析精度の向上を図ることが可能になる。さらに、撹拌が終了した後に待機時間[Tho]を設け、撹拌による残留流を利用して検体[S]と希釈液[D]とを進めるため、希釈撹拌装置11による撹拌時間を短縮することができる。この結果、希釈撹拌装置11による撹拌の効率を向上させることができ、自動分析装置1による分析の効率化を図ることが可能になる。
1…自動分析装置
3…希釈検体保持部
6…反応容器保持部
11…希釈撹拌装置
15…計測部
20b…希釈検体分注装置
52…入力部
53…記憶部
54…演算処理部
P3…希釈容器
P6…反応容器
[D]…希釈液
[S]…検体
[T]…経過時間
[Tho]…待機時間

Claims (8)

  1. 分析対象となる検体と希釈液とが分注される希釈容器を保持する希釈検体保持部と、
    前記希釈検体保持部に保持された前記希釈容器内の検体と希釈液とを撹拌する希釈撹拌装置と、
    複数の反応容器を保持する反応容器保持部と、
    前記検体と前記希釈液とを撹拌して混合した希釈検体を前記希釈容器から前記反応容器に分注する分注装置と、
    前記検体の種類と希釈条件とを入力するための入力部と、
    前記希釈容器に分注された前記検体と前記希釈液との前記希釈撹拌装置による撹拌が終了してから前記分注装置による前記希釈容器中の希釈検体の分注を開始するまでの間に設定される待機時間を、前記検体の種類と希釈条件とに関連付けた情報として保持する記憶部と、
    前記入力部から入力された検体の種類と希釈条件とに基づいて前記記憶部に保存された待機時間を選択し、前記希釈撹拌装置による撹拌が終了した時点からの経過時間が前記選択した待機時間に達した場合に、前記分注装置による分注の開始を許可する演算処理部とを備えた
    自動分析装置。
  2. 前記希釈条件は、前記希釈容器に分注する前記検体と前記希釈液との比率および前記検体と前記希釈液との総量を含む
    請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記待機時間は、前記希釈撹拌装置による検体と希釈液の撹拌が終了してから前記希釈容器中における前記検体と前記希釈液との混合状態が安定化する時間に設定される
    請求項1または2に記載の自動分析装置。
  4. 前記反応容器内において試薬と反応させた前記希釈検体の光学的測定を行う計測部を備え、
    前記待機時間は、分析成分の濃度が既知である標準検体を用いた希釈条件毎の予備分析の実施において、前記計測部で測定された測定値に基づいて設定されている
    請求項1~3の何れか1項に記載の自動分析装置。
  5. 前記待機時間は、前記予備分析の実施において、前記希釈撹拌装置による撹拌が終了した時点からの時間経過に伴う前記測定値の変動が許容範囲となった時点に設定されている
    請求項4に記載の自動分析装置。
  6. 前記待機時間は、前記希釈容器の形状毎に設定されている
    請求項1~5の何れかに記載の自動分析装置。
  7. 前記待機時間は、前記希釈撹拌装置による撹拌条件毎に設定されている
    請求項1~6の何れかに記載の自動分析装置。
  8. 分析対象となる検体と希釈液とが分注される希釈容器を保持する希釈検体保持部と、
    前記希釈検体保持部に保持された前記希釈容器内の検体と希釈液とを撹拌する希釈撹拌装置と、
    複数の反応容器を保持する反応容器保持部と、
    前記検体と前記希釈液とを撹拌して混合した希釈検体を前記希釈容器から前記反応容器に分注する分注装置と、
    前記検体の種類と希釈条件とを入力するための入力部とを備えた自動分析装置による自動分析方法であって、
    前記希釈容器に分注された前記検体と前記希釈液との前記希釈撹拌装置による撹拌が終了してから前記分注装置による前記希釈容器中の希釈検体の分注を開始するまでの間に設定される待機時間を、前記検体の種類と希釈条件とに関連付けた情報として記憶部に保持し、
    前記入力部から入力された検体の種類と希釈条件とに基づいて前記記憶部に保存された待機時間を選択し、前記希釈撹拌装置による撹拌が終了した時点からの経過時間が前記選択した待機時間に達した場合に、前記分注装置による分注の開始を演算処理部が許可する
    自動分析方法。
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