JP6914173B2 - 軸肥大加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸肥大加工方法、および軸肥大加工用の軸部材に関する。
特許文献1には、金属製の軸部材の軸方向の任意の位置に、軸部材よりも大径の肥大部を形成する軸肥大加工方法が開示されている。
なお、用語「軸肥大」は、高周波熱錬株式会社の登録商標である。以下においては、説明の便宜上、「登録商標」という文言を付さずに、用語「軸肥大」を用いるものとする。
特開2002−346684号公報
この軸肥大加工方法では、金属製の軸部材を、当該軸部材の中心軸回りに回転させながら、軸部材に中心軸の軸方向の圧縮圧力を作用させつつ、軸部材に曲げ力を作用させる。
これにより、軸部材における曲げ力の作用部周りに、軸部材よりも大径の肥大部が形成される。
車両用の自動変速機のプーリ部品は、軸部の長手方向の途中位置に、軸部よりも外径が大きいシーブ部を有している。
特許文献1の軸肥大加工方法で、シーブ部を有するプーリ部品を作製する場合、シーブ部の外径が大きくなるほど、軸肥大加工により形成する肥大部の外径が大きくなる。
そうすると、形成する肥大部の外径が大きくなるほど、肥大部の外径側や付根部に割れが生じやすくなる傾向がある。
そのため、割れなどを生じることなく肥大部を形成することが求められている。
本発明のある態様は、
金属製の軸部材を、当該軸部材の中心軸の軸方向で間隔をあけた第1金型および第2金型によって把持し、
前記軸部材における前記第1金型と前記第2金型との間の領域を曲げ、前記軸部材を前記中心軸回りに回転させながら、前記軸部材に圧縮応力を作用させることで、前記軸部材における前記第1金型と前記第2金型との間の領域に、前記軸部材よりも大径の肥大部を形成する軸肥大加工方法であって、
前記肥大部を形成する際の加工条件に基づいて、前記肥大部を形成する際に前記肥大部に作用する応力振幅値を算出し、
算出した応力振幅値に基づいて、前記肥大部を形成する際の前記軸部材の累積回転数の上限である許容累積回転回数を決定し、
前記肥大部の形成開始からの前記累積回転数が、前記許容累積回転回数に達するまでを限度として、前記肥大部の形成を実施する構成とした。

本発明によれば、割れを生じることなく肥大部を形成できる。
軸肥大加工方法の実施に用いられる軸肥大加工装置を説明する概略図である。 軸肥大加工方法による肥大部の形成を説明する図である。 肥大部を形成する過程での圧縮圧力と曲げ角度を説明する図である。 従来例にかかる軸肥大加工方法を説明するフローチャートである。 軸肥大加工方法により作製されるプーリ、応力振幅と加圧力および曲げ角度との関係を説明する図である。 応力振幅と加工回転回数との関係を説明する図である。 設定曲げ角度と設定圧縮圧力の設定過程を説明するフローチャートである。 本実施形態にかかる軸肥大加工方法を説明するフローチャートである。 ワークを構成する素材と割れ限界線との関係を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態にかかる軸肥大加工方法の実施に用いられる軸肥大加工装置1の主要構成を説明する概略図である。
なお、図1では、説明の便宜上、軸肥大加工装置1の金型10と、他の構成要素との具体的な接続関係の図示を省略して、簡略的に示している。
軸肥大加工装置1は、ワークW(金属製の軸部材)の長手方向の途中位置に、ワークWの外径D1よりも大きい外径の肥大部Wa(図2の(e)参照)を形成するために用いられる。
軸肥大加工装置1は、ワークWを保持する金型10(第1金型11、第2金型12)と、駆動用のインバータモータ(第1金型用駆動モータ21、第2金型用駆動モータ22)と、スライド機構23と、傾斜機構24と、制御装置2と、を有している。
金型10は、一対の金型(第1金型11、第2金型12)を有している。
第1金型11と第2金型12は、ワークWの中心軸X1上で対向して配置されている。
軸肥大加工装置1では、第1金型11と第2金型12が基準位置に配置されると、第1金型11と第2金型12が、ワークWの中心軸X1の軸方向に間隔Saをあけて配置される。
これら第1金型11と第2金型12は、ワークWに肥大部Waを成形する際に、円柱形状を成すワークWの長手方向の一端側と他端側を保持する。この状態においてワークWは、第1金型11および第2金型12との相対回転が規制された状態で保持される。
第1金型11と第2金型12には、それぞれ専用の駆動用モータ(第1金型用駆動モータ21、第2金型用駆動モータ22)が付設されている。
第1金型11と第2金型12は、駆動用モータの出力回転が伝達されて、中心軸X1回りに回転する。
第1金型11と第2金型12の中心軸X1回りの回転は、制御装置2が制御する。
制御装置2は、ワークWに肥大部Waを形成する際に、第1金型11と第2金型12を、所定の回転速度N1で中心軸X1回りに回転させる。
第1金型11は、スライド機構23により、中心軸X1の軸方向に変位可能に設けられている。制御装置2は、スライド機構23により、第1金型11の中心軸X1の軸方向への変位を制御して、ワークWに作用する圧縮圧力Pa(加圧力)を制御する。
第2金型12は、傾斜機構24により、中心軸X1に対して傾斜可能に設けられている。制御装置2は、傾斜機構24により、第2金型12の中心軸X1に対する傾きθを制御する。
ここで、図2から図4を参照して、軸肥大加工装置1を用いてワークWに肥大部Waを形成する過程を説明する。
図2は、軸肥大加工装置1を用いて、ワークWに肥大部Waを形成する過程を説明する図である。
図2の(a)は、金型10にセットしたワークWを、中心軸X1回りに回転させている状態を示す図である。図2の(b)は、ワークWを中心軸X1回りに回転させている状態で、ワークWに中心軸X1の軸方向の圧縮圧力Paを作用させた状態を示す図である。図2の(c)は、さらにワークWを所定角度θで曲げた状態(ワークWに曲げ力Pbを作用させている状態)を示す図である。図2の(d)は、ワークWの曲げを解消した状態(曲げ戻している状態)を示す図である。図2の(e)は、最終的に得られるワークWであって、長手方向の途中位置に肥大部Waが目的の外径Dtで形成されたワークWを示す図である。
図3は、従来例にかかる軸肥大加工方法により肥大部Waを形成する過程での圧縮圧力Paと曲げ角度θの変化を説明する図である。
図4は、従来例にかかる軸肥大加工方法を説明するフローチャートである。
ワークWにおける肥大部Waの形成は、第1金型11と第2金型12で保持した円柱形状のワークWを、中心軸X1回りに所定の回転速度N1で回転させた状態で開始される(図2の(a)参照)。
この状態で、制御装置2は、スライド機構23により第1金型11を第2金型12に近づける方向に変位させて、所定の圧縮圧力P2(図3参照)をワークWに作用させる(図4:ステップS101)。
これにより、圧縮圧力Paが時刻t0から一定の割合で増加して、時刻t1において、所定の圧縮圧力P2に到達する(図3:Phase1参照)。
そうすると、ワークWにおける第1金型11と第2金型12との間の領域Kの肉が、中心軸X1の軸方向に圧縮されると共に、中心軸X1の径方向外側(外径側)に膨出して肥大部Waが形成される(図2の(b)参照)。
圧縮圧力Paが圧縮圧力P2に到達するまでの間で、中心軸X1の軸方向に圧縮されたワークWの領域Kに、肥大部WaがワークWの外径D1よりも大きい外径で形成される。
続いて、制御装置2は、第2金型12の中心軸X1に対する曲げ角度θが、設定曲げ角度θtとなるように、傾斜機構24により第2金型12を中心軸X1に対して傾ける(図4:ステップS102)。
これにより、曲げ角度θが、時刻t1から一定の割合で大きくなって、時刻t2において、設定曲げ角度θtに到達する(図3:Phase1参照)。
なお、この時刻t1から時刻t2までの間、圧縮圧力Paは、圧縮圧力P2のままで保持される。
ここで、設定曲げ角度θtは、ワークWに作用させる圧縮圧力Paを、所定の圧縮圧力P2から設定圧縮圧力Ptまで増加させるまでの間と、圧縮圧力Paを設定圧縮圧力Ptで保持している間に、ワークWに作用させる曲げ角度θである。
図2の(c)に示すように、第2金型12を中心軸X1に対して所定角度θ傾斜させると、ワークWにおける第1金型11で保持された領域と、ワークWにおける第2金型12で保持された領域との間の領域Kに曲げ力Pbが作用する。
そうすると、ワークWが領域Kを境にして、第1金型11で保持された領域と、第2金型12で保持された領域とが、所定角度θで曲げられた状態となる。
ワークWが所定角度θで曲げられると、ワークWでは、第1金型11と第2金型12との間の領域Kの肉のうち、第2金型12の曲げ側に位置する領域Kの肉が、中心軸X1の軸方向に圧縮されつつ、中心軸X1の径方向に肥大化する。
すなわち、領域Kの肉が、第2金型12の曲げ方向側に肥大化する(図2の(c)参照)。
曲げ角度θが設定曲げ角度θtに到達すると、制御装置2は、圧縮圧力Paが肥大部Waを形成するための設定圧縮圧力Ptとなるように、スライド機構23により第1金型11を第2金型12に近づける方向に変位させる(図4:ステップS103)。
これにより、圧縮圧力Paが時刻t2から一定の割合で増加して、時刻t3において、設定圧縮圧力Ptに到達する(図3:Phase2参照)。
さらに、設定圧縮圧力Ptに到達するまでの間に、ワークWの領域Kに形成された肥大部Waの外径が大きくなる。
なお、この時刻t2から時刻t3までの間、曲げ角度θは、設定曲げ角度θtのままで保持される。
そして、時刻t3以降、ワークWを中心軸X1回りに回転させた状態で、第2金型12を設定曲げ角度θtに保持しつつ、設定圧縮圧力PtをワークWに作用させた状態を継続する。
これにより、領域Kに形成された肥大部Waの外径が、時間の経過と共に大きくなる(図3:Phase3参照)。
制御装置2は、軸肥大加工が完了したか否かを確認する(図4:ステップS104)。
具体的には、制御装置2は、肥大部Waの外径が、肥大部Waの目標の外径Dtを基準とした所定の閾値範囲Dt±αに到達したか否かを確認する。
そして、肥大部Waの外径が所定の閾値範囲Dt±αに到達すると(図4:ステップS104、Yes)、制御装置2は、軸肥大加工の終了処理を実施する(図4:ステップS105)。
よって、肥大部Waの外径が所定の閾値範囲Dt±αに到達するまで、第2金型12の中心軸X1に対する曲げ角度θと圧縮圧力Paとが、設定曲げ角度θtと、設定圧縮圧力Ptで、それぞれ保持される(図3、Phase3参照)。
軸肥大加工の終了処理では、制御装置2は、圧縮圧力Paを、設定圧縮圧力Ptよりも低く、圧縮圧力P2よりも高い圧縮圧力P3まで一気に変化させる(図3、Phase4参照)。
これにより、肥大部Waの外径Dが目標の外径Dtを基準とした所定の閾値範囲Dt±αに到達した時点(時刻t4)において、圧縮圧力Paが圧縮圧力P3に変更される(図3、Phase4参照)。
さらに制御装置2は、第2金型12の中心軸X1に対する曲げ角度θを、ゼロ(=0)度に向けて一定の割合で減少させる(図3:Phase4、図2の(d)参照)。
そして、制御装置2は、第2金型12の中心軸X1に対する角度θがゼロ(=0)度に到達した時点で、第1金型11を第2金型12から離間させて、ワークWに作用する圧縮圧力Paをゼロ(=0)にする。
これにより、目標の外径Dtを基準とした所定の閾値範囲Dt±αの外径の肥大部Waを持つワークWが得られることになる(図2の(e)参照)。
ここで、かかる軸肥大加工方法にて肥大部Waを形成すると、肥大部Waの目標の外径Dtが大きくなるにつれて、肥大部Waの外周や付根部分に割れが生じやすくなる。
例えば、軸肥大加工方法により作成される対象物が、図5の(a)に示すような車両用無段変速機のプーリ3(プーリ部品)である場合には、軸肥大加工により形成したシーブ部31では、シーブ端面31aと、シーブ付根30aに割れ(亀裂)が生じることがある。
本件発明者は、加工対象物がプーリ3である場合について、シーブ部31(肥大部)のシーブ端面31a(肥大部の外周)と、軸部30とシーブ部31との境界であるシーブ付根30a(肥大部の付根部分)での割れの発生原因を鋭意検討した。その結果、以下の点を確認した。
(a)シーブ端面31aの割れは、曲げ角度θが大きく、圧縮圧力Paが大きいほど生じやすい。
(b)シーブ付根30aの割れは、曲げ角度θが大きく、圧縮圧力Paが小さいほど生じやすい。
さらに、以下の点を確認した。
(c)軸肥大加工時におけるワークWの加工回転回数(累積回転回数)が多くなると、割れの発生が顕著になる。
ここで、加工回転回数とは、ワークWを中心軸X1回りに回転させながらシーブ部31(肥大部)を形成する際のワークの累積回転回数を意味する。
加工回転回数は、ワークWの位相が中心軸X1回りに360°変化した時点を1回転としてカウントし、シーブ部31の形成が完了するまでに、ワークWの1回転(位相の360°の変化)が、合計何回行われたのかを意味する。
例えば、加工回転回数が2回である場合には、シーブ部31を形成する過程でワークWが中心軸X1回りに、2回転したことを意味している。
シーブ部31の形成は、ワークWを中心軸X1回りに回転させながら実施される。
この際に、ワークWでは、曲げ側に位置する領域の素材(肉)が圧縮される一方で、曲げ側とは反対側に位置する領域の素材(肉)が引っ張られて伸張する。
よって、中心軸X1回りに回転するワークWには、シーブ部31を形成する過程で、圧縮力と引張り力が交互に作用する。そのため、シーブ部31を形成する際にワークWに作用する応力は一定の振幅を持って変動しており、形成途中のシーブ部31に作用する応力に応力振幅が発生している。
そして、本件発明者は、鋭意検討の結果、軸肥大加工の際の応力振幅と、割れなどの不具合を生じさせずに済むワークW(軸部材)の累積回転回数(許容累積回転回数)との間に相関があることを見いだした。
以下、円柱形状を成すワークWから、軸肥大加工により、プーリ3のシーブ部31を形成する場合を例に挙げて、シーブ付根30aとシーブ端面31aにおける割れの発生と、応力振幅と、加圧力(圧縮圧力)と、曲げ角度との関係を説明する。
図5は、本実施形態にかかる軸肥大加工方法により作成されるプーリ3、プーリ3のシーブ部31を形成する際の応力振幅(GPa)と、加圧力(kN)および曲げ角度(θ)との関係を説明する図である。
図5の(a)は、軸肥大加工によりシーブ部31を形成したプーリ3におけるシーブ付根30aとシーブ端面31aの位置を説明する図である。
図5の(b)は、シーブ付根30aにおける応力振幅(GPa)と、加圧力(kN)および曲げ角度(θ)との関係と、シーブ端面31aにおける応力振幅(GPa)と、加圧力(kN)および曲げ角度(θ)との関係を説明する図である。
軸肥大加工によりシーブ部31を形成したプーリ3の場合、シーブ部31の外周側の端面(シーブ端面31a)と、シーブ部31と軸部30との境界部(シーブ付根30a)に、割れなどの不具合が生じる傾向がある(図5の(a)参照)。
本件発明者は、軸肥大加工の際の加圧力と曲げ角度θが、応力振幅に与える影響を、実験やシミュレーションにより検討した。
なお、図5の(b)は、前記した軸肥大加工におけるPhase3(図3参照)での応力振幅を示している。
図5の(b)に示すように、シーブ付根30aにおける応力振幅(GPa)は、軸肥大加工時の加圧力(kN)が大きくなるほど小さくなる。
これは、加圧力が大きくなるほど、肥大している途中のワークWの素材と金型10(第1金型11、第2金型12)との接触面積が広くなるからである。
また、シーブ付根30aにおける応力振幅(GPa)は、軸肥大加工時の曲げ角度θが大きくなるほど大きくなる。
曲げ角度が大きくなるほど、シーブ付根30aに作用する曲げモーメントが大きくなる。そして、曲げモーメントは、ワークWにおける曲げ側に位置する領域(図2の(c)の場合には、上側の領域)に作用し、ワークWにおける曲げ側に位置する領域と、曲げ側と反対側に位置する領域(図2の(c)の場合には、下側の領域)に作用するモーメントとの差が大きくなる。そのため、シーブ付根30aに作用する応力振幅(応力の変動)が大きくなるからである。
一方、シーブ端面31aにおける応力振幅(GPa)は、軸肥大加工時の加圧力(kN)が大きくなるほど大きくなる。
これは、シーブ端面31a側は、軸肥大加工時に中心軸X1方向の両側に位置する金型10(第1金型11、第2金型12)と、中心軸X1周りの周方向の全周に亘って接触していないためである。
そのため、シーブ端面31a側の素材が、ワークWにおける曲げ側に位置する場合と、曲げ側とは反対側に位置する場合で、加圧力の変動が大きくなり、応力振幅が増加するからである。
また、シーブ端面31aにおける応力振幅は、曲げ角度θが大きいほうが大きくなる。ワークWが1回転する間での(1回転当たりでの)材料流動が大きくなるからである。
なお、応力振幅(GPa)の程度は、シーブ部31の付根(シーブ付根30a)のほうが、外周部(シーブ端面31a)よりも大きくなる。
図6は、応力振幅(GPa)と加工回転回数(rev)との関係を説明する図である。
この図6では、割れを生じさせることなくシーブ部31を形成できる加工回転回数(許容累積回転回数)が、割れ限界線Lとして規定されている。
そして、この割れ限界線Lと、軸肥大加工時に許容できる応力振幅(許容応力振幅範囲)との関係が示されている。
本件発明者は、シーブ付根30aとシーブ端面31aにおける割れの発生の原因と傾向を鋭意検討した。その結果、応力振幅(GPa)の程度と、シーブ部31を形成する際に割れなどの不具合を生じさせずに済む加工回転回数(許容累積回転回数)との間に相関があることを見いだした。
そして、シーブ部31(肥大部)を形成する際の加工条件(図3:Phase3)において、加工回転回数と応力振幅を変更した場合について、シーブ付根30aとシーブ端面31aにおける割れの発生の有無を、シミュレーションおよび実験を通じて検討した。
そして、シミュレーションおよび実験の結果を、応力振幅(GPa)を縦軸、加工回転回数(rev)を横軸に取ったグラフにプロットして、応力振幅(GPa)と加工回転回数(rev)との関係を検討した(図6参照)。
なお、図6では、軸肥大加工時に割れが生じた場合を「白丸」で、割れが生じなかった場合を「黒丸」で示している。
その結果、以下の点を見いだした。
(a)応力振幅(GPa)が小さくなるほど、シーブ部31を形成する際に割れなどの不具合を生じさせずに済む加工回転回数が多くなる。
(b)応力振幅(GPa)が大きくなるほど、シーブ部31を形成する際に割れなどの不具合を生じさせずに済む加工回転回数が少なくなる(図6参照)。
(c)割れなどの不具合を生じさせずに済む加工回転回数(許容累積回転回数)は、シーブ付根30aのほうがシーブ端面31aよりも少ない。
応力振幅(GPa)が大きくなるほど、軸肥大加工時のワークWの素材の延び、縮みの繰り返しによる疲労が大きくなる。
そのため、加工回転回数の増加により蓄積される疲労が、応力振幅が大きいほど多くなるので、割れなどの不具合を生じさせずに済む加工回転回数(許容累積回転回数)が、応力振幅(GPa)が大きくなるほど少なくなるからである。
さらに、軸肥大加工時の応力振幅は、シーブ付根30aのほうがシーブ端面31aよりも大きいからである。
そして、本件発明者は、シミュレーションおよび実験の結果をプロットした図6を用いて、シーブ付根30aとシーブ端面31aに亀裂を生じさせずに済む加工回転回数の上限(許容累積回転回数)を規定する割れ限界線Lを設定した。
図6では、軸肥大加工時に割れを生じる場合が白丸で、割れを生じない場合が黒丸で示されており、割れ限界線Lは、各応力振幅の値において、割れ発生品の中で最も加工回数が少ないもの(白丸と黒丸の境界)を繋いで設定されている。
そして、この割れ限界線Lは、軸肥大加工時にワークWが1回転する間に発生する応力振幅(平均)と加工回転回数との積が、軸肥大加工時に蓄積される加工エネルギーに比例すると仮定して、2つの変数(応力振幅、加工回転回数)のグラフで求めたものである。
さらに、本件発明者は、シミュレーションおよび実験の結果をプロットした図6において、応力振幅の下限値VLと上限値VUを設定した。
ここで、応力振幅の下限値VLは、プーリ3の作製コストを考慮して設定した。
応力振幅が小さくなると、割れが生じ難くなるものの、シーブ部31の形成に必要な加工回転回数が増加する。そのため、シーブ部31の形成に要する時間(加工時間)が長くなり、プーリ3の作製コストが高くなる。
そのため、プーリ3の作製コストを考慮して、加工回転回数の上限値NUを決定し、この決定した上限値NUと割れ限界線Lとの交点から、応力振幅の下限値VLを設定した。
応力振幅の上限値VUは、軸肥大加工時の応力振幅の振れを考慮して設定した。
軸肥大加工に用いるワークWのロット差などにより、軸肥大加工時の応力振幅が大きくなる方向に振れる場合がある。かかる場合であっても、割れが生じる可能性がある領域まで応力振幅が増加することがない応力振幅の値を、上限値VUとした。
本実施形態では、割れ限界線Lと、応力振幅の下限値VLおよび上限値VUが設定された図6を用いて、軸肥大加工の際の設定曲げ角度θtと、設定圧縮圧力Pt(加圧力)を決定する。そして、決定した設定曲げ角度θtと、設定圧縮圧力Pt(加圧力)を用いて、軸肥大加工(図8のステップS302、S303)を実施している。
図7は、設定曲げ角度θtと、設定圧縮圧力Pt(加圧力)の設定過程を説明するフローチャートである。
始めに、加工対象物であるワークWのパラメータ(硬さH、Vp値など)が入力されている制御装置2で、軸肥大加工時の加工条件(曲げ角度θ、圧縮圧力Pa)が仮設定される(ステップS201)。
制御装置2は、ワークWのパラメータと加工条件に基づいて、軸肥大加工時にシーブ部31(肥大部)に作用する応力振幅値を算出する(ステップS202)。
続いて、制御装置2は、算出した応力振幅値が、応力振幅(GPa)と加工回転回数(rev)との関係を説明する図6において、許容応力振幅範囲内であるか否かを確認する(ステップS203)。
算出した応力振幅値が許容応力振幅範囲内である場合(ステップS203、Yes)、制御装置2は、算出した応力振幅値と、割れ限界線Lとの交点から、軸肥大加工時の許容累積回転回数を決定する(ステップS204)。
例えば、算出した応力振幅値がVxである場合、Vxと割れ限界線Lとの交点に対応する加工回転回数Nxが、軸肥大加工時の許容累積回転回数として決定される。
これにより、ステップS201で設定された加工条件(曲げ角度θ、圧縮圧力Pa)が、それぞれ、軸肥大加工の際の設定曲げ角度θt、設定圧縮圧力Ptとして設定される(ステップS205)。
一方、算出した応力振幅値が許容応力振幅範囲内でない場合(ステップS203、No)、制御装置2は、ステップ201で仮設定された加工条件(曲げ角度θ、圧縮圧力Pa)を修正する。
例えば、算出された応力振幅値Vx’が、応力振幅の上限値VUよりも大きい場合には、修正後の加工条件から新たに算出される応力振幅値が小さくなるように、加工条件(曲げ角度θ、圧縮圧力Pa)を修正する。
また、算出された応力振幅値Vx’が、応力振幅の下限値VLよりも小さい場合には、修正後の加工条件から新たに算出される応力振幅値が大きくなるように、加工条件(曲げ角度θ、圧縮圧力Pa)を修正する。
加工条件(曲げ角度θ、圧縮圧力Pa)の修正は、曲げ角度θ、圧縮圧力Paを増減させることで行う。
例えば、算出された応力振幅値Vx’が、応力振幅の上限値VUよりも大きい場合には、曲げ角度θを修正せずに、圧縮圧力Paを増加させる。
曲げ角度θを保持したままで圧縮圧力Paを増加させると、形成途中のシーブ部31(肥大部)と、第1金型11および第2金型12との接触面積が増加して、応力振幅が低下するからである。
なお、圧縮圧力Paを増加させた後も算出された応力振幅が所定の応力範囲内に到達しない場合には、曲げ角度θを小さくする(減少させる)。
応力振幅が大きくなるほど、肥大部の根元(付け根)に不具合が生じやすくなる。
そのため、圧縮圧力を増加させても、応力振幅が所定の応力範囲内(許容応力振幅範囲内)に達しない場合に、曲げ角度を減ずることで、応力振幅を所定の応力範囲内に納めることが可能になる。
加工条件(曲げ角度θ、圧縮圧力Pa)が修正されると(ステップS206)、ステップS202において制御装置2は、修正後の加工条件(曲げ角度θ、圧縮圧力Pa)からの軸肥大加工時の応力振幅値を算出する。
そして、修正後の加工条件から算出した応力振幅値が許容応力振幅範囲内である場合には(ステップS203、Yes)、修正後の加工条件から算出された応力振幅値から、許容累積回転回数が決定される(ステップS204)。
そして、修正後の加工条件(曲げ角度θt、設定圧縮圧力Pt)が、それぞれ、軸肥大加工の際の設定曲げ角度θt、設定圧縮圧力Ptとして設定される(ステップS205)。
よって、算出した応力振幅値が許容応力振幅範囲内になる加工条件になるまで、ステップS202、S203、S206の処理が繰り返されることになる。
このようにして設定した、軸肥大加工のための設定曲げ角度θtと、設定圧縮圧力Pt(加圧力)と、軸肥大加工時の許容累積回転回数が、ワークWの軸肥大加工時に用いられる。
図8は、本実施形態にかかる軸肥大加工方法のフローチャートである。
本実施形態にかかる軸肥大加工方法は、ステップS301からステップS303までの処理と、ステップS306の処理が、それぞれ、前記した従来例にかかる軸肥大加工方法のステップS101からステップS103までの処理と、ステップS105の処理と同じである。よって、ここでは異なる処理について主として説明をし、他の処理については必要に応じて説明する。
ステップS301からステップS303までの処理により、第2金型12を設定曲げ角度θtに保持しつつ、設定圧縮圧力PtをワークWに作用させた状態が継続されると、ワークWの領域Kに形成されたシーブ部31(肥大部)の外径が、時間の経過と共に大きくなる。
そうすると、制御装置2は、軸肥大加工が完了したか否かを確認する(図8:ステップS304)。
具体的には、制御装置2は、シーブ部31(肥大部)の外径が、シーブ部31の目標の外径Dtを基準とした所定の閾値範囲Dt±αに到達したか否かを確認する。
そして、軸肥大加工が完了していないと判定されると(ステップS304、No)、制御装置2は、設定圧縮圧力PtをワークWに作用した時点からのワークWの累積回転回数が、許容累積回転回数Nxに達したか否かを確認する(ステップS305)。
許容累積回転回数Nxに達していない場合には(ステップS305、No)、ステップS304の処理に移行する。
よって、ワークWの累積回転回数が許容累積回転回数Nxに達するまでの間に、軸肥大加工が完了したと判定されると(ステップS304、Yes)、ステップS306の軸肥大加工終了処理に移行する。
上記したように、これら設定曲げ角度θtと、設定圧縮圧力Ptと、許容累積回転回数Nxは、軸肥大加工により形成されるシーブ部31に割れを生じさせることがない値となっている。
よって、実験やシミュレーションの結果を踏まえて、割れが生じないように設定された設定曲げ角度θtと、設定圧縮圧力Ptと、許容累積回転回数Nxとを用いて、ワークWの軸肥大加工を行うことで、シーブ付根30aやシーブ端面31aに割れを生じさせることなく、プーリ3を作製することが可能になる。
なお、設定曲げ角度θtと、設定圧縮圧力Ptと、許容累積回転回数Nxの設定に用いた割れ限界線Lは、割れ発生品の中で最も加工回数が少ないもの(白丸と黒丸の境界)を繋いで設定さしたものである。
よって、加工する部品の形状が変化(発生応力が変化)しても、同じ材料、熱処理であれば同様の考え方を適用できるため、新部品設計にも適用できる。
なお、ワークWの累積回転回数が許容累積回転回数Nxに達するまでの間に、軸肥大加工が完了したと判定されなかった場合には(ステップS305、Yes)、割れが生じる可能性が高いので、ステップS306の軸肥大加工終了処理に移行したのち、またはステップS306をスキップして、軸肥大加工を終了する。
<ワークWの構成素材>
ここで、軸肥大加工時の割れの生じやすさは、ワークW(円柱形状の鋼材:軸部材)を構成する素材の組成に応じて変化する。
そのため、加工回転回数の上限(許容累積回転回数)を規定する割れ限界線Lもまた、ワークWを構成する素材の組成に応じて、加工回転回数の増減方向(図9における左右方向)に変化する。
図9は、ワークWを構成する素材と、割れ限界線Lとの関係を説明する図である。
本件発明者は、ワークW(円柱形状の鋼材)の軸肥大加工によりシーブ部31を形成するにあたり、ワークWを構成する素材の組成であって、シーブ付根30aやシーブ端面31aに割れを生じ難くすることができる最適の組成を鋭意検討した。
その結果、以下のような組成のワークWが、好ましいことを見いだした。
具体的には、ワークW(円柱形状の鋼材)は、
重量%で、
C :0.10〜0.25%、
Si:≦0.35%、
Mn:0.30〜1.0%、
P :≦0.03%、
S :≦0.025%、
Cu:≦0.3%、
Ni:≦0.3%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:≦0.2%、
Al:0.030〜0.050%、
N :0.005〜0.030%、
残部が、実質的にFeから成る。
そして、ワークW(軸部材)は、軟化熱処理前におけるフェライト+パーライト組織の比率が95%以上、かつ下記式(1)のVpの値が40%以下である鋼材に対して軟化熱処理により、硬さHを、85HRB以下としたものであることが好ましい。

Vp=183.36×C+2.6×Mn+3.8×Cu+2.8×Ni+8.05×Cr−15.18≦40・・・(1)
本発明の軸部材として、JISで規定された鋼、例えば表1に示されるSCr420H、非特許文献1の結晶粒粗大化防止鋼ならびに非特許文献2の冷鍛用ボロン肌焼鋼を採用することができる。
"電気製鋼"、1994、第65巻、第1号p.67−75 "電気製鋼"、1998、第69巻、第1号p.57−64
Figure 0006914173
以下、各成分の限定理由を説明する。
C(炭素)は、ワークW(円柱形状の鋼材)の強度を確保するために含まれる元素である。ワークWは、強度を確保するためにCを0.1%以上含んでいる必要がある。
ただし、Cの含有量が多くなると、ワークWの硬さが硬くなりすぎて、ワークWの変形抵抗が大きくなる。そうすると、冷間加工性が損なわれてしまう。
そのため、Cの含有量の上限を0.25%以下とする。Cの含有量は、0.10〜0.2%が好ましい。
Si(ケイ素)は、溶製時の脱酸剤として添加される。Siは、高温における表面酸化を防止する。
ただし、Siの含有量が多くなると、Cの場合と同様に、冷間加工性が損なわれてしまう。
そのため、Siの含有量の上限を0.35%以下とする。なお、焼き入れ性を考慮すると、Siの含有量は、0.05〜0.25%が好ましい。
Mn(マンガン)は、ワークWの焼き入れ性を高めるために添加される。
ただし、Mnの含有量が多くなると、ワークWが硬くなりすぎて、冷間加工性が損なわれてしまう。
そのため、Mnの含有量の上限を、1.0%以下とする。Mnの含有量は、0.30〜1.0%が好ましい。
P(リン)は、不純物元素である。Pの含有量が0.03%を超えると、鋼材の衝突疲労強度が著しく低下する。そうすると、冷間鍛造時(加工時)に割れが引き起こされる可能性がある。
そのため、Pの含有量の上限を、0.03%以下とする。なお、Pの含有量は、0.02%以下であることが好ましい。
S(硫黄)もまた、Pと同様に不純物元素である。Sの含有量が0.025%を超えると、冷間鍛造時(加工時)に割れが引き起こされる可能性がある。
そのため、Sの含有量の上限を、0.020%以下とする。
なお、Sは、ワークWを構成する素材に含まれるMnと反応してMnSを生成する。MnSは、鋼材の被削性を向上させる。具体的には、切削抵抗を低減させて工具寿命を向上させる。
そのため、被削性を向上させるためにSを添加することが好ましいが、添加しなくても良い。なお、添加する場合のSの含有量は、0.005%〜0.020%以下であることが好ましい。
Cr(クロム)は、ワークWの焼き入れ性を高めるために添加される重要な元素である。
ただし、Crの含有量が多くなりすぎると、圧延時に硬質なベイナイトが生成されて、冷間加工性が損なわれてしまう。
そのため、Crの含有量の上限を、1.50%とする。Crは、0.3%以上含まれていれば、焼き入れ性を高める効果を発揮する。そのため、Crの含有量は、0.3%以上、1.5%以下が好ましい。
Mo(モリブテン)は、焼き入れ性と耐摩耗性を向上させるために添加される。
Moは高価であり、Moの含有量が多くなると、圧延時に硬質なベイナイトが生成されて、冷間加工性が損なわれてしまう。
Moは、微量の添加で効果を発揮するので、Moの含有量の上限は、0.2%以下、より好ましくは0.15%以下であることが好ましい。
Al(アルミ)は、溶製時の脱酸素剤として添加される。また、Alは、浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止するのに有効な元素である。
Alの含有量は、製造コストを考慮に入れつつ、これらの効果を得るためには、0.030〜0.050%以下であることが好ましい。
N(窒素)は、ワークWを構成する素材に含まれるNbやAlと反応して炭窒化物や窒化物を形成する。
ただし、Nの含有量が0.030%を超えると、浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する効果が飽和する。
Nの含有量は、0.005〜0.030%であることが好ましい。
さらに、本発明において用いるワークWは、以下の元素(Nb、B、Ti)をさらに含んでいても良い。
Nb(ニオブ)は、ワークWを構成する素材に含まれるCやNと反応して、炭化物、窒化物、あるいは炭窒化物を形成する。
これらのものは、浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する効果を発揮する。
ただし、Nbの含有量が0.1%を超えると、オーステナイト結晶粒の粗大化を防止する効果が飽和する。さらに、ワークが硬くなりすぎて冷間鍛造性が損なわれてしまう。
そのため、Nbの含有量の上限を0.1%とする。なお、Nbの含有量は、0.05%以下であることが好ましい。
B(ホウ素)は、ワークWの焼き入れ性を高めることができる。
ただし、Bの含有量が0.0030%を超えると、焼き入れ性を高める効果が飽和する。そのため、Bの含有量は、0.0030%以下であることが好ましい。
Ti(チタン)は、Bよりも先に、ワークWを構成する素材に含まれるNと結合してTiNを生成する傾向がある。
Bは、焼き入れ性を向上させるためにワークを構成する素材に含まれているが、BがNと結合してしまうと、目的とする焼き入れ性を確保できなくなる。
すなわち、Tiは、Bの添加による焼き入れ性を確保するために、ワークを構成する素材に添加される。
ワークWを構成する素材に含まれるNをほぼ完全に固溶させるためには、Tiの含有量の下限を、3.4×Nとする必要がある。
ここで、前記したNの含有量の上限が、0.030%であることを考慮すると、Tiの含有量の上限は、0.20%であることが好ましい。
ここで、本願発明で用いるワークWは、以下の条件を満たす鋼材に対する軟化熱処理により、焼き鈍し後の硬さHを、85HRB以下としたものである。
(a)軟化熱処理前おけるフェライト+パーライト組織の比率が95%以上である。
(b)下記式(1)のVpの値が、40%以下である。
Vp=183.36×C+2.6×Mn+3.8×Cu+2.8×Ni+8.05×Cr−15.18≦40・・・(1)
この式(1)におけるVpは、パーライトの体積率を代替する指標である。
Vpの値が40を超える(>40)と、第2相(パーライト層)を起点とした成型時の割れが顕著になる傾向がある。
焼き入れ後の硬さJ9値は、JISG0561で規定されているジョミニー焼き入れ性試験にて求めた値である。J9値(表側から9mmまでの硬さ)が大きいほど、焼き入れ性が高く硬いことを意味する。
焼き鈍し後の硬さHは、85HRBを超えると冷間加工性が損なわれる。
具体的には、焼き鈍し後の硬さが硬くなると、必要な形に成型する際に必要な成形荷重が増える。そのため、焼き鈍し後の硬さHが85HRBを超えると、冷間加工により目的の形状に加工することが困難になる。
ここで、焼き鈍し後の硬さHが硬くなると、以下の(i)、(ii)に記載した生産上の制約が増えるため、コストアップになる。
(i)冷間加工に用いる鍛造設備の能力を高くする必要がある。(ii)成形に用いる金型の寿命が低下するので、寿命の低下を抑えるための対策が必要になる。
そのため、焼き鈍し後の硬さHは、上限を85HRBとして、80HRB以下であることが好ましい。
図9に示すように、割れ限界線は、ワークW(金属製の軸部材)の焼き鈍し後の硬さHが小さくなると、許容回転回数が増える方向(図9における右方向)にシフトする。
ここで、ワークWの加工回転回数の上限を示す割れ限界線L1が、ワークWの焼き鈍し後の硬さHの減少により、割れ限界線L2(許容累積回転回数)までシフトした場合を例に挙げて説明する。
この場合、算出された応力振幅値がVxであるワークWの場合、硬さHが小さくなると、割れ限界線L1から割れ限界線L2にシフトしたことにより、Vxと割れ限界線Lとの交点に対応する許容累積回転回数がNx1からNx2まで増加する。
よって、この許容累積回転回数の増加分だけ、軸肥大加工時の許容累積回転回数の上限に余裕ができる(図9、交差したハッチングの領域参照)ので、軸肥大加工によりプーリ3を作成する場合の歩留まりの向上が期待できる。
以下、本発明の特徴を、効果と共に列挙する。
(1)軸肥大加工方法では、金属製の軸部材であるワークWを、当該ワークWの中心軸X1の軸方向で間隔をあけた第1金型11および第2金型12によって把持し、
ワークWにおける第1金型11と第2金型12との間の領域Kを曲げ、ワークWを中心軸X1回りに回転させながら、ワークWに圧縮応力を作用させることで、ワークWにおける第1金型11と第2金型12との間の領域Kに、ワークWよりも大径の肥大部Waを形成する。
ワークWにおける第1金型11と第2金型12との間の領域Kの曲げ角度θと、ワークWに作用させる圧縮圧力Paとにより生じる応力振幅であって、ワークWと肥大部Waに作用する応力振幅を検出する。
検出した応力振幅の数値に応じて、割れを生じさせることなく肥大部Waを形成できる加工回転回数の上限(許容累積回転回数)を算出する。
第1金型11と第2金型12で把持されたワークWの累積回転回数(現時点での加工回転回数)を検出する。
検出した累積回転回数が、許容累積回転回数内となるようにして加工する。
本件発明者は、軸肥大加工の際の応力振幅と、割れなどの不具合を生じさせずに済むワークW(軸部材)の許容累積回転回数(加工回転回数)との間に相関があることを見いだした。
肥大部を形成する際に不具合を生じさせずに済むワークWの累積回転回数である許容累積回転回数は、軸肥大加工の際の応力振幅に応じて決まる。
すなわち、応力振幅が大きくなると許容累積回転回数が少なくなり、応力振幅が小さくなると許容累積回転回数が多くなる。
そのため、軸肥大加工の際のワークWの回転回数(累積回転回数)を、軸肥大加工の際の応力振幅から決定した許容累積回転回数内に留めることで、不具合を生じさせることなく肥大部を形成できる。
例えば、肥大部を有するワークW(軸部材)が、車両用のベルト式の無段変速機のプーリ3である場合には、肥大部が、最終的にプーリ3のシーブ部31となる。そのため、シーブ部31となる箇所に作用する応力振幅を検出し、シーブ部31を形成する際のワークWの累積回転回数を、検出した応力振幅の数値に応じて決まる許容累積回転回数内に留めることで、疲労に起因する亀裂などを生じさせることなく、最終的にシーブ部31となる肥大部を形成できる。
すなわち、軸肥大加工の加工限界を、肥大部を形成する際の軸部材の許容累積回転回数として求めることで、肥大部を精度良く形成することができる。
軸肥大加工方法は以下の特徴を有する。
(2)検出した応力振幅の数値が、所定の応力振幅範囲外である場合は、
圧縮圧力Pa(加圧力)と曲げ角度θを増減することで、応力振幅の数値が、所定の応力振幅範囲内(図6:許容応力振幅範囲内)になるようにすると共に、検出した累積回転回数が、許容累積回転回数内となるようにして加工する。
応力振幅が大きくなると、肥大部を形成する際に亀裂などの不具合が生じやすくなる。応力振幅が小さくなると、不具合の発生を防止できるものの、肥大部の形成に必要な加工時間が長くなる。しかし、応力振幅を小さいままにして加工時間を短くすると、肥大部の加工精度が低下する。
肥大部を形成する際の応力振幅を、不具合の生じ易さと加工時間とに基づいて設定した所定の応力振幅範囲内にして軸肥大加工を行うことで、不具合を生じさせることなく適切な加工精度で肥大部を形成できる。
また、軸肥大加工の加工条件である圧縮圧力と曲げ角度の増減を制御することで、肥大部を形成する際の応力振幅を、所定の応力振幅範囲内に納めることができる。
軸肥大加工方法は以下の特徴を有する。
(3)検出した応力振幅の数値が、所定の応力振幅範囲(許容応力振幅範囲)外である場合は、
圧縮圧力を増加することで、応力振幅の数値が、所定の応力範囲(許容応力振幅範囲)内になるようにすると共に、検出した累積回転回数が、許容累積回転回数内となるようにして加工する。
曲げ角度θを保持したままで圧縮圧力を増加させると、形成途中の肥大部と、第1金型11および第2金型12との接触面積が増加して、応力振幅が低下する。応力振幅が小さくなると、肥大部を形成する際に亀裂などの不具合が生じ難くなる。
よって、軸肥大加工の加工条件である圧縮圧力と曲げ角度の増減を制御することで、肥大部を形成する際の応力振幅を、所定の応力振幅範囲内に納めることができる。
軸肥大加工方法は以下の特徴を有する。
(4)検出した応力振幅の数値が、所定の応力振幅範囲(許容応力振幅範囲)外である場合は、
圧縮圧力を増加すると共に、圧縮圧力を増加させた後も応力振幅が所定の応力範囲内に到達しない場合には、曲げ角度を減ずることで、応力振幅の数値が、所定の応力振幅範囲(許容応力振幅範囲)内になるようにする。
応力振幅が大きくなるほど、肥大部の根元(付け根)に不具合が生じやすくなる。そして、応力振幅に対する影響は、圧縮圧力よりも曲げ角度の方が大きい。
そのため、圧縮圧力を増加させても、応力振幅が所定の応力範囲内に達しない場合に、曲げ角度を減ずることで、応力振幅を所定の応力範囲内に納めることが可能になる。
よって、軸肥大加工の加工条件である圧縮圧力と曲げ角度の増減を制御することで、肥大部を形成する際の応力振幅を、所定の応力振幅範囲内に納めることができる。
軸肥大加工方法は以下の特徴を有する。
(5)軸肥大加工方法において圧縮圧力と曲げ角度を所定時間保持する際に
検出した応力振幅の数値が所定の応力振幅範囲外であり、かつ検出した累積回転回数が、第1の所定回転回数以上第2の所定回転回数(許容累積回転回数)以内である場合に、応力振幅を所定の応力範囲内にするために、圧縮圧力を増加させる。
なお、累積回転回数は、軸肥大加工の開始からの回転回数であり、第1の所定回転回数は、1以上である。
圧縮圧力と曲げ角度を所定時間保持する保持工程(図3、Phase3)で肥大部が形成されるので、この肥大部が形成される過程で、応力振幅を所定の応力範囲内に納めることで、割れなどの不具合を生ずることなく肥大部を、適切な加工精度で形成できる。
上記した軸肥大加工方法に使用される軸肥大加工用の軸部材(ワークW)は、以下のような組成を有している。
(6)ワークW(円柱形状の鋼材)は、
重量%で、
C :0.10〜0.25%、
Si:≦0.35%、
Mn:0.30〜1.0%、
P :≦0.03%、
S :≦0.025%、
Cu:≦0.3%、
Ni:≦0.3%、
Cr:0.3〜1.5%、
Mo:≦0.2%、
Al:0.030〜0.050%、
N :0.005〜0.030%、
残部が、実質的にFeから成る。
そして、ワークW(軸部材)は、軟化熱処理前におけるフェライト+パーライト組織の比率が95%以上、かつ下記式(1)のVpの値が40%以下である鋼材に対して軟化熱処理により、硬さが85HRB以下としたものである。

Vp=183.36×C+2.6×Mn+3.8×Cu+2.8×Ni+8.05×Cr−15.18≦40・・・(1)
このように構成すると、応力振幅と許容累積回転回数との関係を規定する割れ限界線Lを、許容累積回数を増加させる方向にオフセットさせることができる。
これにより、肥大部を形成する際の軸部材の許容累積回転回数が増えるので、割れの発生を防ぎつつ肥大部を所定の形状まで形成できる。
ワークW(軸部材)は以下の特徴を有する。
(7)ワークWは、JISG0561で規定されているジョミニー焼き入れ性試験において、J9値≧28HRCを満たす。
このように構成すると、肥大部を形成した軸部材の浸炭焼き入れ後の硬さを確保できる。
例えば、肥大部を有する軸部材が、車両用のベルト式の無段変速機のプーリである場合には、肥大部が、最終的にプーリのフランジ部となる。そのため、硬さと、ベルトが摺動するフランジ部の機能性(耐摩耗性、フランジ部の付け根の耐曲げ疲労性)を両立したプーリを提供できる。
ワークW(軸部材)は以下の特徴を有する。
(8)ワークWは、Nbを、0.02から0.10重量%更に含む。
このように構成すると、Nbがピンニング効果を発揮する。そのため、肥大部を形成した軸部材の浸炭焼き入れを行った際に、結晶粒の粗大化を抑制できるので、浸炭焼き入れ後の軸部材の剛性を確保できる。
ワークW(軸部材)は以下の特徴を有する。
(9)ワークWは、B:0.0005から0.0030%、Ti:3.4×N〜0.2重量%更に含む。
Bは、焼き入れ性を向上させるためにワークを構成する素材に含まれているが、BがNと結合してしまうと、目的とする焼き入れ性を確保できなくなる。
よって、Bの含有量を上記のように構成することで、目的とする焼き入れ性を確保できる。
ワークW(軸部材)は以下の特徴を有する。
(9)ワークWが、ベルト式の無段変速機に用いられるプーリ3の作製に用いられる円柱形状の軸部材である。
軸肥大加工により形成する肥大部が、プーリ3におけるシーブ部31である。
ワークWにおけるシーブ部31(肥大部)にならない領域が、プーリ3における軸部30である。
軸部30とシーブ部31との境界が、シーブ付根30aである。
このように構成すると、硬さと、ベルトが摺動するフランジ部の機能性(耐摩耗性、フランジ部の付け根の耐曲げ疲労性)を両立したプーリを提供できる。
前記した実施形態では、実験やシミュレーションを通じて、設定圧縮圧力Ptと、設定曲げ角度θtを予め決めておく場合を例示したが、軸肥大加工を実施しながら応力振幅を算出し、算出した応力振幅の値から、設定圧縮圧力Ptと、設定曲げ角度θtを決めるようにしても良い。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本願発明は前記した態様のもののみに限定されるものではない。本願発明の技術的な思想の中で適宜変更可能である。
1 軸肥大加工装置
10 金型
11 第1金型
12 第2金型
2 制御装置
21 第1金型用駆動モータ
22 第2金型用駆動モータ
23 スライド機構
24 傾斜機構
30 軸部
3 プーリ
30a シーブ付根
31 シーブ部
31a シーブ端面
K 領域
L 割れ限界線
N1 回転速度
NU 上限値
Np 加工回転回数
Pb 曲げ力
Pt 設定圧縮圧力
θt 設定曲げ角度
VL 下限値
VU 上限値
Vx 許容累積回転回数
W ワーク
Wa 肥大部
X1 中心軸

Claims (5)

  1. 金属製の軸部材を、当該軸部材の中心軸の軸方向で間隔をあけた第1金型および第2金型によって把持し、
    前記軸部材における前記第1金型と前記第2金型との間の領域を曲げ、前記軸部材を前記中心軸回りに回転させながら、前記軸部材に圧縮応力を作用させることで、前記軸部材における前記第1金型と前記第2金型との間の領域に、前記軸部材よりも大径の肥大部を形成する軸肥大加工方法であって、
    前記肥大部を形成する際の加工条件に基づいて、前記肥大部を形成する際に前記肥大部に作用する応力振幅値を算出し、
    算出した応力振幅値に基づいて、前記肥大部を形成する際の前記軸部材の累積回転数の上限である許容累積回転回数を決定し、
    前記肥大部の形成開始からの前記累積回転数が、前記許容累積回転回数に達するまでを限度として、前記肥大部の形成を実施する、ことを特徴とする軸肥大加工方法。
  2. 前記算出した応力振幅値が、前記応力振幅値の下限値と前記応力振幅値の上限値との間の許容応力振幅範囲外である場合は、
    前記加工条件を修正して、修正後の加工条件に基づいて算出した応力振幅値が、前記許容応力振幅範囲内となる加工条件を新たに設定し、
    加工条件が新たに設定された場合には、
    新たに設定された加工条件から算出した前記応力振幅値に基づいて、前記許容累積回転回数を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の軸肥大加工方法。
  3. 前記加工条件として、
    前記軸部材における前記第1金型と前記第2金型との間の領域の曲げ角度と、前記軸部材に作用させる圧縮圧力があり、
    前記加工条件の修正では、
    前記圧縮圧力と前記曲げ角度を増減して、前記新たな加工条件が設定される、ことを特徴とする請求項2に記載の軸肥大加工方法。
  4. 前記算出した応力振幅値が、前記応力振幅値の上限値以上の場合の前記加工条件の修正では、前記圧縮圧力を増加させることで、前記新たな加工条件が設定され、
    前記算出した応力振幅値が、前記応力振幅値の下限値以下の場合の前記加工条件の修正では、前記圧縮圧力を減ずることで、前記新たな加工条件が設定される、ことを特徴とする請求項に記載の軸肥大加工方法。
  5. 前記算出した応力振幅値が、前記応力振幅値の上限値以上の場合の前記加工条件の修正では、前記圧縮圧力を増加させることで、前記新たな加工条件が設定されると共に、
    前記圧縮圧力を増加させた後も前記応力振幅値が前記許容応力振幅範囲内に到達しない場合には、前記曲げ角度を減ずることで、前記新たな加工条件が設定され、
    前記算出した応力振幅値が、前記応力振幅値の下限値以下の場合の前記加工条件の修正では、前記圧縮圧力を減ずることで、前記新たな加工条件が設定されると共に、
    前記圧縮圧力を減じた後も前記応力振幅値が前記許容応力振幅範囲内に到達しない場合には、前記曲げ角度を増加させることで、前記新たな加工条件が設定される、ことを特徴とする請求項3に記載の軸肥大加工方法。
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