JP6914162B2 - 躯体部材の分離再接続工法 - Google Patents

躯体部材の分離再接続工法 Download PDF

Info

Publication number
JP6914162B2
JP6914162B2 JP2017189980A JP2017189980A JP6914162B2 JP 6914162 B2 JP6914162 B2 JP 6914162B2 JP 2017189980 A JP2017189980 A JP 2017189980A JP 2017189980 A JP2017189980 A JP 2017189980A JP 6914162 B2 JP6914162 B2 JP 6914162B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
skeleton
skeleton member
protruding
members
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017189980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019065509A (ja
Inventor
夏輝 飯野
夏輝 飯野
鈴木 庸介
庸介 鈴木
秀幸 成田
秀幸 成田
勝人 大畑
勝人 大畑
隆一 橋爪
隆一 橋爪
円 山高
円 山高
翔太 和田
翔太 和田
圭 原口
圭 原口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Corp
East Japan Railway Co
Original Assignee
Takenaka Corp
East Japan Railway Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Corp, East Japan Railway Co filed Critical Takenaka Corp
Priority to JP2017189980A priority Critical patent/JP6914162B2/ja
Publication of JP2019065509A publication Critical patent/JP2019065509A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6914162B2 publication Critical patent/JP6914162B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、躯体部材の分離再接続工法に関する。
建物の柱や梁、斜材等の躯体部材の応力状態を調整するため、もしくは建物の階高を変更するため、躯体部材を一度分離して再接続することがある。例えば特許文献1には、分離されている建物の柱同士をねじジャッキで予め固定しておき、上層階の施工後にねじジャッキを緩めて柱を分離することで、柱に働いている荷重を抜く建築物の構築方法が開示されている。
特許第3012494号公報
特許文献1に開示されている建物の柱同士は、ねじジャッキによって目違い合わせされた状態で保持されているが、ねじジャッキを緩めて柱から取り除いた際に、柱に働いている荷重によって柱が水平方向にずれて柱間に目違いが生じる虞があった。
本発明は上記事実に鑑み、分離時に躯体部材が軸方向に直交する方向へずれることを抑制することができる躯体部材の分離再接続工法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の躯体部材の分離再接続工法は、建物の躯体部材を第1躯体部材と第2躯体部材とに分離した後、前記第1躯体部材と前記第2躯体部材とを再接続する躯体部材の分離再接続工法であって、分離後の前記第1躯体部材及び前記第2躯体部材の軸方向の移動を許容し、前記軸方向に直交する方向の移動を拘束する拘束部材を、前記第1躯体部材と前記第2躯体部材との分離部に取付けた後、前記躯体部材を分離する。
上記構成によれば、第1躯体部材及び第2躯体部材の軸方向の移動を許容し、軸方向に直交する方向の移動を拘束する拘束部材が、第1躯体部材と第2躯体部材との分離部に取付けられている。このため、躯体部材が分離されて躯体部材の応力状態が調整された際に、分離した第1躯体部材及び第2躯体部材が軸方向に直交する方向へずれて目違いが生じることを抑制することができる。
請求項2に記載の躯体部材の分離再接続工法は、請求項1に記載の躯体部材の分離再接続工法であって、前記拘束部材は、前記第1躯体部材又は前記第2躯体部材の一方から突出する突出部材と、前記第2躯体部材又は前記第1躯体部材の他方に取り付けられ、前記突出部材の周囲に配置されて前記突出部材を摺動可能に保持する受け部材と、を有する。
上記構成によれば、第1躯体部材及び第2躯体部材の一方から突出する突出部材の周囲に、第1躯体部材及び第2躯体部材の他方に取付けられて突出部材を摺動可能に保持する受け部材が配置されている。このため、受け部材によって突出部材の移動を制限することで、第1躯体部材及び第2躯体部材の軸方向の移動を許容しつつ軸方向に直交する方向の移動を抑制することができる。
請求項3に記載の躯体部材の分離再接続工法は、請求項2に記載の躯体部材の分離再接続工法であって、前記突出部材の外周面と前記受け部材の内周面との間には、滑り部材が設けられている。
上記構成によれば、突出部材の外周面と受け部材の内周面との間に滑り部材が設けられている。このため、第1躯体部材及び第2躯体部材の軸方向に直交する方向へのずれを抑制しつつ、滑り部材が設けられていない構成と比較して、第1躯体部材及び第2躯体部材を軸方向へスムーズに移動させることができる。
本発明によれば、分離時に躯体部材が軸方向に直交する方向へずれることを抑制することができる。
(A)〜(D)は、第1実施形態における躯体部材の分離再接続工法を適用する建物の施工手順を示す立面図である。 (A)〜(C)は、第1実施形態における躯体部材の分離再接続工法を示す工程図(その1)である。 (A)〜(C)は、第1実施形態における躯体部材の分離再接続工法を示す工程図(その1に続くその2)である。 第2実施形態における躯体部材の分離再接続工法で用いられる拘束部材を示す斜視図である。 (A)は第3実施形態における躯体部材の分離再接続工法で用いられる拘束部材を示す立面図であり、(B)は第4実施形態における躯体部材の分離再接続工法で用いられる拘束部材を示す斜視図である。 (A)、(B)は躯体部材の分離再接続工法を適用する建物の変形例を示す立面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態における躯体部材の分離再接続工法について、図1〜図3に従って説明する。なお、図2及び図3において、矢印X方向は軸方向、矢印Y方向は軸方向に直交する方向を指す。
(全体の構成)
本実施形態の躯体部材の分離再接続工法が適用される建物14は、一例として、図1(D)に示すように、複数の階層(本実施形態では8階)からなる鉄骨ラーメン構造の本体部10と、本体部10の中層(本実施形態では3階部分)から跳出している跳出部12と、で構成されている。
本体部10における1階部分及び2階部分にあたる跳出部12の下部は、柱等が配置されておらず、解放空間16とされている。また、建物14の最上階には、トラス梁によってハットトラス18、20が構成されており、建物14の他の階層より剛性が大きくされている。
この建物14を施工する場合、まず、本体部10の1階部分から5階部分を構築し、図1(A)に示すように、本体部10の3階部分から跳出部12の3階部分の梁22を延出させる。そして、梁22の延出側の先端と本体部10の5階部分とを繋ぐ吊り材24を設置する。
その後、本体部10の5階部分から最上階までを構築するとともに、跳出部12の3階部分から5階部分の柱26、梁28、30、及び3階部分のスラブを施工して跳出部12の下部跳出部32を構築する。なお、柱26及び梁22、28、30は、例えば鉄骨造とされている。
次に、跳出部12の5階部分の梁30の延出側の先端と本体部10の3階部分とを繋ぐ仮設の方杖34を設置し、吊り材24を撤去することで、下部跳出部32の荷重を吊り材24から方杖34へと受替える。
なお、方杖34は例えば鉄骨造とされており、下部跳出部32の梁22、28、30に剛接合される。その後、図1(B)に示すように、跳出部12の5階部分から最上階までの柱38、梁40、及びハットトラス20を施工して跳出部12の上部跳出部36を構築する。
ここで、躯体部材としての柱38は、分離部39において上下に分離された第1躯体部材42と第2躯体部材44とによって構成されている。なお、本実施形態では、分離部39は、一例として柱38の5階部分とされている。また、柱38の施工時には、第1躯体部材42と第2躯体部材44とは隙間を空けた状態で仮接合されている。
(分離部の構成)
仮接合前の第1躯体部材42及び第2躯体部材44を図2(A)に示す。第1躯体部材42及び第2躯体部材44は、例えば鉄骨造とされており、外寸が略同じ大きさの四角柱とされている。
図2(A)に示すように、第1躯体部材42の外周面の下端部分には、複数のエレクションピース46が設けられており、エレクションピース46には、複数の円形のボルト孔48がそれぞれ形成されている。一方、第2躯体部材44の外周面の上端部分には、複数のエレクションピース50が設けられており、エレクションピース50には、複数の楕円形のボルト孔52がそれぞれ形成されている。
また、第2躯体部材44の上端面44Aの略中央部には、図2(B)に示す拘束部材54を構成する突出部材56が突設されている。突出部材56は、例えば第2躯体部材44より外寸が小さい鉄骨造の四角柱からなり、突出部材56の外周面には、全周にわたって滑り部材58が設けられている。滑り部材58は、例えば半丸鋼からなり、円弧部分を外側として突出部材56の外周面に接合されている。
図2(B)に示すように、柱38の施工時には、第1躯体部材42及び第2躯体部材44は、同一軸線上に配置され、かつ下端面42Aと上端面44Aとの間に隙間を空けた状態で仮接合されている。
仮接合方法としては、まず、エレクションピース46、50間にプレート60を渡し、エレクションピース46、50のボルト孔48、50に挿通された複数のボルト62によって、プレート60とエレクションピース46、50とをそれぞれ固定する。このとき、第1躯体部材42の下端面42Aと第2躯体部材44の上端面44Aから突出する突出部材56の上端との間には、隙間が設けられている。
その後、突出部材56とともに拘束部材54を構成する受け部材64を、第1躯体部材42の下端面42Aに接合する。受け部材64は、例えば4つのT形鋼からなり、内周面が滑り部材58の円弧部分に接するように突出部材56の4つの外周面の外側にそれぞれ配置されることで、突出部材56の軸方向の移動を許容するとともに、軸方向に直交する方向の移動を拘束している。
柱38を施工して図1(B)に示す跳出部12の上部跳出部36を構築した後、第2躯体部材44の上端面44Aに設置された図示しない仮受のジャッキによって第1躯体部材42の下端面42Aを支持しつつ、図2(C)に示すように、エレクションピース50のボルト62を取外す。
その後、仮受のジャッキを取外すことにより、第1躯体部材42と第2躯体部材44とが構造的に分離される。すなわち、図1(C)に示すように、分離部39において柱38が分離される。
このとき、第1躯体部材42と第2躯体部材44とを構造的に分離することにより、第1躯体部材42及び第2躯体部材44に作用している応力が解放され、第1躯体部材42(上部跳出部36)が降下するとともに第2躯体部材44(下部跳出部32)が上昇する。
次に、図3(A)に示すように、エレクションピース46、50間にジャッキ66を設置し、ジャッキ66によって第1躯体部材42と第2躯体部材44とをさらに引寄せる。なお、本実施形態では、ジャッキ66として、例えばセンターホール型の油圧ジャッキが用いられている。
そして、ジャッキ66により第1躯体部材42と第2躯体部材44とを引寄せた後、図3(B)に示すように、エレクションピース50のボルト62を締めることによってエレクションピース46とエレクションピース50とをプレート60によって再度固定することで、第1躯体部材42と第2躯体部材44とを再度仮接続する。
その後、分離部39における拘束部材54の周囲、すなわち第1躯体部材42の下端面42Aと第2躯体部材44の上端面44Aとの間に鉄板68を挟持させ、鉄板68と第1躯体部材42及び第2躯体部材44とを溶接することにより、第1躯体部材42と第2躯体部材44とを本接合する。
次に、図3(C)に示すように、第1躯体部材42及び第2躯体部材44からエレクションピース46、50をそれぞれ撤去し、図1(D)に示すように、方杖34を撤去する。その後、跳出部12のスラブや建物14の外装等を施工することで、建物14が完成する。
(作用及び効果)
本実施形態によれば、互いに仮接合された第1躯体部材42及び第2躯体部材44によって建物14の柱38が構成されており、建物14の跳出部12を施工した後に第1躯体部材42と第2躯体部材44とが構造的に分離される。これにより、第1躯体部材42及び第2躯体部材44に作用している応力をそれぞれ解放することができ、柱38の応力状態を調整することができる。
ここで、第1躯体部材42と第2躯体部材44とを構造的に分離した際、第1躯体部材42及び第2躯体部材44に作用している応力によって、第1躯体部材42及び第2躯体部材44には、軸方向及び軸方向に直交する方向にそれぞれ力が加わる。
しかし、本実施形態によれば、第1躯体部材42の下端面42Aと第2躯体部材44の上端面44Aとの間、すなわち第1躯体部材42と第2躯体部材44との分離部39に、拘束部材54が取付けられている。具体的には、第2躯体部材44の上端面44Aから突出する突出部材56の周囲に、第1躯体部材42の下端面42Aに接合された受け部材64が配置されている。
このため、受け部材64によって突出部材56の軸方向に直交する方向の移動を制限することで、第1躯体部材42に対して第2躯体部材44が軸方向に直交する方向にずれることを抑制することができ、第1躯体部材42と第2躯体部材44との間に目違いが生じることを抑制することができる。
特に本実施形態では、エレクションピース46、50同士を固定して第1躯体部材42と第2躯体部材44とを仮接合した後、突出部材56の周囲に受け部材64を配置している。このため、第1躯体部材42の下端面42Aに受け部材64を予め接合しておく構成と比較して、受け部材64の位置を突出部材56の位置に合わせることができ、拘束部材54の位置精度を高めることができる。
一方、突出部材56は受け部材64によって軸方向に摺動可能に保持されている。このため、分離後に第1躯体部材42に対して第2躯体部材44を軸方向に移動させることができる。
特に本実施形態によれば、突出部材56の外周面と受け部材64の内周面との間に、半丸鋼からなる滑り部材58が設けられている。このため、滑り部材58を設けずに突出部材56の外周面と受け部材64の内周面とを直接当接させる構成と比較して、突出部材56と受け部材64との間の摩擦抵抗が小さくなり、第1躯体部材42及び第2躯体部材44を軸方向へスムーズに移動させることができる。
また、本実施形態によれば、跳出部12の下部跳出部32に仮設の方杖34を設置するため、方杖34によって下部跳出部32に作用する荷重を本体部10へ流しながら跳出部12の上部跳出部36を施工することができる。このため、跳出部12を施工する際に、跳出部12を支持する仮設柱等を下部に設ける必要がなく、解放空間16に仮設柱等を設置するスペースが無い場合であっても、跳出部12を施工することができる。
また、建物14の最上階に剛性の大きいハットトラス18、20が形成されているため、応力をハットトラス18、20へと流すことで、方杖34の応力や累積変形を低減させることができる。このため、実際の建物14の跳出部12の応力状態を、設計時に想定した応力状態に近づけることができる。
なお、柱38を第1躯体部材42と第2躯体部材44とに分離した際、方杖34に応力が残っていることがある。しかし、本実施形態では、柱38を分離した後に第1躯体部材42と第2躯体部材44とを互いに引寄せてから接合するため、柱38の分離のみを行う構成と比較して、方杖34の応力をより解放することができる。
このため、跳出部12の施工後に方杖34を容易に撤去することができるとともに、方杖34を撤去した後に残留応力によって建物14が変形することを抑制することができる。
さらに、柱38の分離時の第1躯体部材42及び第2躯体部材44の鉛直変位量を測定することにより、建物14の施工途中で跳出部12の撓み量を確認することができる。このため、実際の撓み量を元にジャッキ66による第1躯体部材42と第2躯体部材44との引寄せ量を調整することにより、設計時に想定した応力状態に近づけることができる。
また、建物14の施工途中で柱38を分離して、跳出部12に作用する応力を解放するため、柱38を分離しない構成と比較して跳出部12の梁22、28、30、40のむくり量を小さく設定することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態における躯体部材の分離再接続工法で用いられる拘束部材について、図4に従って説明する。なお、図4において、矢印X方向は軸方向、矢印Y方向は軸方向に直交する方向を指す。また、第1実施形態と同様の構成については、図示及び説明を省略し、差異点を中心に説明する。
第1実施形態では、第2躯体部材44の上端面44Aに突設された突出部材56と、第1躯体部材42の下端面42Aに接合された受け部材64とによって拘束部材54が構成されていた。これに対し、本実施形態では、図4に示すように、柱70の第1躯体部材72の下端面72Aに突設された突出部材74と、第2躯体部材76の上端面76Aに接合された受け部材78とによって拘束部材80が構成されている。
突出部材74は、一例としてH形鋼からなり、突出部材74の外周面には、全周にわたって滑り部材82が設けられている。滑り部材82は、第1実施形態と同様に半丸鋼からなり、本実施形態では、突出部材74の1つの外周面に一対の滑り部材82が互いに上下に間隔を空けて接合されている。
受け部材78は、第1実施形態と同様に4つのT形鋼からなり、内周面が一対の滑り部材82の円弧部分にそれぞれ接するように突出部材74の周囲にそれぞれ配置されている。なお、第1躯体部材72及び第2躯体部材76は、突出部材74の下端と第2躯体部材76の上端面76Aとの間に隙間を空けた状態で、図示しないエレクションピース同士が固定されて仮接合されている。
本実施形態によれば、第1躯体部材72の下端面72Aに突設された突出部材74の周囲に、第2躯体部材76の上端面76Aに接合された受け部材78が配置されている。このため、第1実施形態と同様に、受け部材78によって突出部材74の軸方向の移動を許容しつつ軸方向に直交する方向の移動を抑制することができる。
これにより、第1躯体部材72と第2躯体部材76とが軸方向に直交する方向にずれることを抑制することができ、第1躯体部材72と第2躯体部材76との間に目違いが生じることを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、突出部材74の1つの外周面に一対の滑り部材82がそれぞれ設けられ、受け部材78の内周面が一対の滑り部材82の円弧部分にそれぞれ接している。このため、突出部材74の外周面に滑り部材82が1つずつ設けられている構成と比較して、1つの受け部材78によって突出部材74を2点支持することができ、特に第1躯体部材72及び第2躯体部材76に加わる曲げモーメントによって第2躯体部材72に対して第1躯体部材76が回転することを抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態における躯体部材の分離再接続工法で用いられる拘束部材について、図5(A)に従って説明する。なお、図5(A)において、矢印X方向は軸方向、矢印Y方向は軸方向に直交する方向を指す。また、第1、第2実施形態と同様の構成については、図示及び説明を省略し、差異点を中心に説明する。
図5(A)に示すように、本実施形態の拘束部材84は、第2実施形態と同様に、図示しない第1躯体部材の下端面に突設された突出部材86と、第2躯体部材88の上端面88Aに接合された受け部材90とによって構成されている。
また、第1、第2実施形態では、滑り部材58、82が半丸鋼で構成されていたのに対し、本実施形態では、滑り部材92が丸鋼で構成されている。具体的には、突出部材86の外周面に互いに上下に間隔を空けて一対の突起94がそれぞれ突出形成されており、一対の突起94の上に一対の滑り部材92がそれぞれ載置されている。
突出部材86の外周面からの突起94の突出幅は、滑り部材92の外径より小さくされており、滑り部材92は突出部材86の外周面と受け部材90の内周面との間に挟持されている。
本実施形態によれば、滑り部材92が丸鋼で構成されているため、突出部材86が受け部材90に対して軸方向に移動した際に、突出部材86の外周面と受け部材90の内周面との間で滑り部材92が回転する。このため、滑り部材92が半丸鋼とされている構成と比較して、突出部材86と受け部材90との間の摩擦抵抗がより小さくなり、第1躯体部材及び第2躯体部材88を軸方向へよりスムーズに移動させることができる。
また、突出部材86の外周面に突起94が突出形成されており、滑り部材92が突起94の上に載置されている。このため、滑り部材92を突出部材86の外周面に接合することなく、突出部材86の外周面と受け部材90の内周面との間に設けることができる。
また、本実施形態によれば、突出部材86の1つの外周面に一対の滑り部材92がそれぞれ設けられ、受け部材90の内周面が一対の滑り部材92にそれぞれ接している。このため、1つの受け部材90によって突出部材86を2点支持することができ、第2躯体部材88に対して図示しない第1躯体部材が回転することを抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態における躯体部材の分離再接続工法で用いられる拘束部材について、図5(B)に従って説明する。なお、図5(B)において、矢印X方向は軸方向、矢印Y方向は軸方向に直交する方向を指す。また、第1〜第3実施形態と同様の構成については、図示及び説明を省略し、差異点を中心に説明する。
第1〜第3実施形態では、突出部材56、74、86と受け部材64、78、90とによって拘束部材54、80、84が構成されていたのに対し、本実施形態では、図5(B)に示すように、4つのコーナー部材96によって拘束部材98が構成されている。
コーナー部材96は、一例としてL形鋼からなり、コーナー部材96の上端部は、第1躯体部材100の下端の4つの角部にそれぞれ接合されている。一方、コーナー部材96の下端部は、第2躯体部材102の上端の4つの角部の外周面にそれぞれ当接している。
本実施形態によれば、上端部が第1躯体部材100に接合され、下端部が第2躯体部材102の外周面に当接するコーナー部材96によって、第1躯体部材100及び第2躯体部材102の軸方向の移動を許容しつつ、軸方向に直交する方向の移動を抑制することができる。
これにより、第1躯体部材100と第2躯体部材102とが軸方向に直交する方向にずれることを抑制することができ、第1躯体部材100と第2躯体部材102との間に目違いが生じることを抑制することができる。
なお、本実施形態において、拘束部材98は、第1躯体部材100及び第2躯体部材102の外周面に設けられた図示しないエレクションピースとともに用いられてもよく、エレクションピースと兼用されていてもよい。
拘束部材98をエレクションピースと兼用する場合には、例えばコーナー部材96の下端部を第2躯体部材102の外周面にボルトで固定することによって第1躯体部材100と第2躯体部材102とを仮接合し、ボルトを取外すことによって第1躯体部材100と第2躯体部材102とを分離する。
<その他の実施形態>
以上、本発明について第1〜第4実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。また、上記の第1〜第4実施形態の構成は、適宜組み合わせることが可能である。
例えば、第1実施形態では、躯体部材としての柱38の分離再接続工法について説明したが、躯体部材は柱には限られず、本発明の分離再接続工法は建物14の梁22、28、30、40や方杖34等にも適用することができる。
また、本発明の分離再接続工法が適用される建物として、跳出部12を有する建物14を例に説明したが、建物14の構造も上記実施形態には限られない。例えば図6(A)に示すように、吹抜け部104を有する建物106において、吹抜け部104の上部の柱108を分離及び再接続する際にも、本発明の分離再接続工法を適用することが可能である。
さらに、例えば図6(B)に示すように、建物110の階高を変更する際に、柱112の1階部分を分離及び再接続する際にも、本発明の分離再接続工法を適用することが可能である。なお、建物110の階高を変更する場合には、柱112を分離した後に分離した柱同士(第1躯体部材及び第2躯体部材)を引寄せる工程は不要となる。
また、第1実施形態では、突出部材56を第2躯体部材44に予め設けておき、第1躯体部材42と第2躯体部材44とを仮接合した後、突出部材56の周囲に受け部材64を配置していた。しかし、受け部材64を第1躯体部材42に予め接合しておき、第1躯体部材42と第2躯体部材44とを仮接合した後、受け部材64の内周面に沿って突出部材56を配置してもよい。
さらに、突出部材56及び受け部材64を予め第1躯体部材42及び第2躯体部材44にそれぞれ設けておき、第1躯体部材42と第2躯体部材44とを仮接合した後、突出部材56の外周面と受け部材64の内周面との間の隙間を図示しないスペーサで埋める構成としてもよい。なお、突出部材56又は受け部材64の第1躯体部材42又は第2躯体部材44への接合方法としては、溶接による接合の他、ボルトによる接合等の方法が挙げられる。
また、第1〜第3実施形態では、滑り部材58、82、92が半丸鋼又は丸鋼で構成されていた。しかし、滑り部材は、突出部材56、74、86の外周面と受け部材64、78、90の内周面との間の摩擦抵抗を小さくすることができるものであればよく、例えば突出部材56、74、86の外周面に塗布されたフッ素樹脂や潤滑油等であってもよい。さらに、滑り部材58、82、92を設けずに突出部材56、74、86の外周面と受け部材64、78、90の内周面とを直接当接させる構成としても構わない。
また、第1実施形態では、エレクションピース46、50同士を固定することで第1躯体部材42と第2躯体部材44とを仮接合し、エレクションピース50のボルト62を取外すことで第1躯体部材42と第2躯体部材44とを分離していた。しかし、第1躯体部材42と第2躯体部材44とは、どのような方法で仮接合されていてもよい。
同様に、拘束部材54の構成も、第1躯体部材42及び第2躯体部材44の軸方向の移動を許容しつつ、軸方向に直交する方向の移動を拘束することができる構成とされていれば、どのような構成とされていてもよい。
また、第1実施形態では、柱38等の建物14の躯体部材が鉄骨造とされていたが、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリート、コンクリート充填鋼管、プレキャストコンクリートで構成されていてもよい。さらに、柱38を構成する第1躯体部材42及び第2躯体部材44が四角柱とされていたが、円柱等とされていてもよい。
14、106、110 建物
38、70、108、112 柱(躯体部材の一例)
42、72、100 第1躯体部材
44、76、88、102 第2躯体部材
54、80、84、98 拘束部材
56、74、86 突出部材
58、82、92 滑り部材
64、78、90 受け部材

Claims (3)

  1. 建物の躯体部材を第1躯体部材と第2躯体部材とに分離した後、前記第1躯体部材と前記第2躯体部材とを再接続する躯体部材の分離再接続工法であって、
    分離後の前記第1躯体部材及び前記第2躯体部材の軸方向の移動を許容し、前記軸方向に直交する方向の移動を拘束する拘束部材を、前記第1躯体部材と前記第2躯体部材との分離部に取付けた後、前記躯体部材を分離する、
    躯体部材の分離再接続工法。
  2. 前記拘束部材は、
    前記第1躯体部材又は前記第2躯体部材の一方から突出する突出部材と、
    前記第2躯体部材又は前記第1躯体部材の他方に取り付けられ、前記突出部材の周囲に配置されて前記突出部材を摺動可能に保持する受け部材と、
    を有する、
    請求項1に記載の躯体部材の分離再接続工法。
  3. 前記突出部材の外周面と前記受け部材の内周面との間には、滑り部材が設けられている、
    請求項2に記載の躯体部材の分離再接続工法。
JP2017189980A 2017-09-29 2017-09-29 躯体部材の分離再接続工法 Active JP6914162B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017189980A JP6914162B2 (ja) 2017-09-29 2017-09-29 躯体部材の分離再接続工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017189980A JP6914162B2 (ja) 2017-09-29 2017-09-29 躯体部材の分離再接続工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019065509A JP2019065509A (ja) 2019-04-25
JP6914162B2 true JP6914162B2 (ja) 2021-08-04

Family

ID=66339213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017189980A Active JP6914162B2 (ja) 2017-09-29 2017-09-29 躯体部材の分離再接続工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6914162B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5962145U (ja) * 1982-10-18 1984-04-24 株式会社熊谷組 柱の建方用治具
JP3038568B2 (ja) * 1993-12-20 2000-05-08 株式会社間組 多層建物の自動化施工における調芯機構
JPH07238684A (ja) * 1994-03-01 1995-09-12 Penta Ocean Constr Co Ltd 構造物の柱建て込み方法及び装置
JP3012494B2 (ja) * 1995-07-19 2000-02-21 株式会社熊谷組 建築物の構築方法
JP3755117B2 (ja) * 1996-11-29 2006-03-15 株式会社竹中工務店 複数層のスーパービームを備えた多層構造物の建方工法
JPH11256699A (ja) * 1998-03-13 1999-09-21 Taisei Corp 無柱空間を有する連層フレームの構築方法
JP2000291262A (ja) * 1999-04-07 2000-10-17 Shimizu Corp 柱建方用エレクションピース及び柱建方方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019065509A (ja) 2019-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180106473A1 (en) Structure for seismic isolation, steel support structure, and method for seismic isolation of existing steel support structures
JP2009534565A (ja) 鋳造構造接続具
KR101428539B1 (ko) 중심부재가 구비된 개량형 콘크리트 충전 기둥 및 이의 시공방법
JP7009724B2 (ja) 柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構
JP6914162B2 (ja) 躯体部材の分離再接続工法
JP4658005B2 (ja) 既存建物の免震化工法
KR101636471B1 (ko) 연결부가 구비된 콘크리트 충전 기둥 및 이를 이용한 콘크리트 충전 기둥의 시공방법
JP6469429B2 (ja) トラス梁架構
JP2006200361A (ja) 既設建物の免震化工法
JP6669088B2 (ja) 鋼板耐震壁、耐震フレームおよびこれを備えた建物
JP2017128916A (ja) 柱梁接合構造
JP6873720B2 (ja) 鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造
JP6247117B2 (ja) 既存建物の免震化施工中の仮設構造
JP2018150722A (ja) 柱梁接合構造及び柱梁接合構造の形成方法
JP5737578B2 (ja) 吊構造の施工方法
JP5344702B2 (ja) 柱とスラブの接合構造
JP6529241B2 (ja) 建物基礎構造、及び建物基礎構造の構築方法
JP2007308979A (ja) 既設建物の免震化工法
KR101625593B1 (ko) 분할 시공이 가능한 콘크리트 충전 기둥 및 이를 이용한 콘크리트 충전 기둥의 시공방법
JP7335143B2 (ja) 段差を有する床スラブ付き鉄骨梁
JP6728742B2 (ja) 鉄骨梁
JP6895729B2 (ja) 中間階免震建物、中間階免震建物の構築方法
JP2020007870A (ja) 構造物
JP6913471B2 (ja) 既存建物の床高さ変更方法
JP6905927B2 (ja) 免震建物、免震構造の構築方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6914162

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150