JP6912940B2 - 医療用器材の自動識別システム - Google Patents

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Description

本発明は、メス、鉗子、鋏等の医療用器材のデータを登録して医療用器材を自動的に認識するシステムに関する。
医療施設においては、手術や医療現場で用いられるメス、鉗子、鋏、ゾンデ、鑷子等様々な種類の医療用器材が存在する。
また、医療用器材としては再利用されるものが多く存在する。再利用される医療用器材は、使用後に回収して再生処理後、管理保管する必要があるが、あまりに種類が多すぎるために、ベテランの看護師や作業者でないと医療用器材の認識が出来ないために正確に仕分けることができない。
このため、特許文献1:特開2006−172336号公報では、医療用器材それぞれに器材品種を示す識別情報と器材名称を付与してデータベース化することで、供給時と回収時にコンピュータで照合可能とすることが開示されている。
特開2006−172336号公報
医療用器材それぞれに識別情報等を付与する場合、識別器材の取付やマーキング作業に時間やコストがかかったり、また耐久性に問題があり読みにくくなる等の課題がある。
このため、医療用器材それぞれに識別情報等を付与することはあまり普及しておらず、相変わらず人手によって仕分けを行うことが一般的となっている。
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、人手によらず医療用器材を認識できるシステム及びデータの登録装置を提供することにある。
本発明にかかる医療用器材のデータ登録装置によれば、医療用器材の重量を測定する重量計と、医療用器材の形状を撮像するカメラと、記憶装置と、各医療用器材ごとに、前記重量計で測定された重量と、前記カメラで撮像された表面形状データ及び裏面形状データと、を関連付けして識別用データとして記憶装置に記憶させる制御部と、を具備することを特徴としている。
この構成を採用することによって、医療用器材をその重量、及び表面形状データと裏面形状データとで特定できるようにできる。
また、医療用器材には品番が記述された品番記述部が設けられており、品番記述部から品番を読み取るリーダを備え、前記制御部は、各医療用器材ごとに、リーダで読み取った品番と、前記重量計で測定された重量と、前記カメラで撮像された表面形状データおよび裏面形状データと、を関連付けして識別用データとして前記記憶装置に記憶させることを特徴としてもよい。
この構成によれば、医療用器材に品番が付されている場合には、さらに医療用器材の特定及び認識が正確かつ容易に行えるような識別用データを生成できる。USA FDAでは、GS1コードでの表示の義務化を実施中である。
本発明にかかる医療用器材の自動識別システムによれば、医療用器材の重量を測定する重量計と、医療用器材を撮像するカメラと、請求項1記載の医療用器材のデータ登録システムによって生成された識別用データが記憶されている識別用データ記憶装置と、複数の医療用器材を術式ごとにコンテナ内に収納するための、各コンテナの各医療用器材の種類及びその数量を含む術式別コンテナデータ、並びに医療用器材を単品で包装した単包品のみが収納される各単包品コンテナの各医療用器材の種類及びその数量を含む単包品データが記憶されているコンテナデータ記憶装置と、いずれのコンテナに対応する医療用機器の識別を行うかについてコンテナの種類を入力可能な入力装置と、前記カメラ及び前記重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された種類のコンテナに収納されるべきものであるか否かを、前記識別用データと前記術式別コンテナデータ又は前記単包品データとに基づいて判断する制御部と、を具備することを特徴としている。
この構成を採用することによって、使用後の医療用器材をコンテナに収納する場合、まず重量及びカメラによる撮像によって医療用器材の種類の特定をするが、このとき、識別用データは表面形状データ及び裏面形状データの双方が含まれているので、医療用器材をカメラに対して載置する場合に裏表どちらの向きに載置しても確実な特定ができる。また、重量が減っている場合には、部品の欠落も判断できる。そして、各コンテナに対して必要な種類の医療用器材を識別するので、人手による識別が必要なくなる。
また、医療用器材を載置するコンベアと、前記カメラ及び前記重量計よりも前記コンベアの下流側に設けられ、前記コンベア上の医療用器材を前記コンベアの進行方向と進行方向とは異なる方向とに振り分ける振り分け装置と、を具備し、前記制御部は、前記振り分け装置を作動させることにより、前記カメラ及び前記重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された種類のコンテナに収納されるべきものである場合と収納されるべきで無い場合とで振り分けることを特徴としてもよい。
この構成によれば、人手によらずに医療用器材を識別でき、且つコンテナへ必要な医療用器材を自動的に収納させることができる。
また、前記カメラを水平方向に移動させる直動装置が設けられ、前記カメラは、複数の医療用器材を移動しつつ動画撮影することを特徴としてもよい。
本発明にかかる医療用器材の自動識別システムによれば、医療用器材の重量を測定する重量計と、医療用器材を撮像するカメラと、医療用器材に設けられて品番が記述された品番記述部から品番を読み取るリーダと、請求項2記載の医療用器材のデータ登録システムによって生成された識別用データが記憶されている識別用データ記憶装置と、複数の医療用器材を術式ごとにコンテナ内に収納するための、各コンテナの各医療用器材の種類及びその数量を含む術式別コンテナデータ、並びに医療用器材を単品で包装した単包品のみが収納される各単包品コンテナの各医療用器材の種類及びその数量を含む単包品データが記憶されているコンテナデータ記憶装置と、いずれのコンテナに対応する医療用機器の識別を行うかについてコンテナの種類を入力可能な入力装置と、前記カメラ及び前記重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された種類のコンテナに収納されるべきものであるか否かを、前記識別用データと前記術式別コンテナデータ又は前記単包品データとに基づいて判断する制御部と、を具備することを特徴としている。
この構成を採用することによって、使用後の医療用器材をコンテナに収納する場合、重量、カメラによる撮像、及び品番によって医療用器材の種類の正確かつ確実に特定をすることができる。また識別用データは表面形状データ及び裏面形状データの双方が含まれているので、医療用器材をカメラに対して載置する場合に裏表どちらの向きに載置しても確実な特定ができる。また、重量が減っている場合には、部品の欠落も判断できる。そして、各コンテナに対して必要な種類の医療用器材を識別するので、人手による識別が必要なくなる。
また、医療用器材を載置するコンベアと、前記カメラ及び前記重量計よりも前記コンベアの下流側に設けられ、前記コンベア上の医療用器材を前記コンベアの進行方向と進行方向とは異なる方向とに振り分ける振り分け装置と、を具備し、前記制御部は、前記振り分け装置を作動させることにより、前記カメラ及び前記重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された種類のコンテナに収納されるべきものである場合と収納されるべきで無い場合とで振り分けることを特徴としてもよい。
この構成によれば、人手によらずに医療用器材を識別でき、且つコンテナへ必要な医療用器材を自動的に収納させることができる。
本発明によれば、医療用器材をその重量、及び表面形状データと裏面形状データとで特定できるようにでき、人手によらず自動的に医療用器材を認識できる。
医療用器材のデータ登録装置の第1実施形態の構成を示す説明図である。 医療用器材のデータ登録装置の第2実施形態の構成を示す説明図である。 医療用器材の自動識別システムの第1実施形態の構成を示す説明図である。 医療用器材の自動識別システムの第1実施形態において、コンテナの種類を特定できる表示を読み取るリーダを設けた構成を示す説明図である。 医療用器材の自動識別システムの第2実施形態の構成を示す説明図である。 医療用器材の自動識別システムの第3実施形態の構成を示す説明図である。 術式を選択するために表示される一覧表である。 術式ごとに必要とされる医療用器材の一覧表である。 複数の医療用器材を撮像し、認識できなかった医療用器材については囲み枠を表示させている画面である。 医療用器材の自動識別システムの第4実施形態の構成を示す説明図である。 選択されたコンテナに収納されるべき医療用器材の一覧表である。 医療用器材の自動識別システムの第5実施形態の構成を示す説明図である。
(医療用器材のデータ登録装置:第1実施形態)
医療用器材のデータ登録装置の実施形態について図1に基づいて説明する。
医療用器材のデータ登録装置10は、重量計12と、カメラ14と、コンピュータ16とを備えている。
医療用器材11としては、メス、鉗子、鋏、ゾンデ、鑷子等様々な種類がある。
コンピュータ16としては一般的なコンピュータを用いることができ、CPU及びメモリ等から構成される制御部24と、ハードディスクドライブやSSDからなる記憶装置26とを備えている。
重量計12は、医療用器材11を設置する設置台13の下部に設けられ、設置台13に配置された医療用器材11の重量を測定し、測定した重量データをコンピュータ16に送信する。コンピュータ16の制御部24は、重量計12からの重量データを識別用データとして記憶装置26に記憶する。
カメラ14は、医療用器材11を設置する設置台13の上方に配置されている。設置台13には、照明装置15が内蔵されており、設置された医療用器材11に対して下方から光を当てる。
カメラ14は通信回線19を通じてハブ20に接続されている。ハブ20は、カメラ14とコンピュータ16とモニタ22とを互いにデータ通信可能に接続している。
カメラ14で撮像された撮像データは、コンピュータ16の記憶装置26に記憶されるとともに、作業者の確認用のためにモニタ22に表示される。
本実施形態では、医療用器材11の下方から照明装置15によるバックライト照明が当てられているため、カメラ14によって撮像された医療用器材は、影が出にくい形を反映した撮像データになる。そして、コンピュータ16内では、この撮像データを二値化処理し、ブロブ解析プログラムP1によってブロブ解析され、記憶装置26に記憶される。
ブロブ解析により、撮像データとしては医療用器材11のブロブとしての面積、周囲長、拡散、伸長、穴数について算出され、記憶装置26に記憶される。
なお、ブロブ解析プログラムP1は、面積の算出をピクセル値に基づいて算出し、伸長についてはピクセルが重心からどの程度伸びているかを算出し、周囲長についてはブロブを囲む境界線を形成するピクセルの外部エッジをカウントすることで算出し、拡散についてはブロブの重心からどの程度拡散しているかの値を算出する。
また、本実施形態のデータ登録装置10では、カメラ14によって1つの医療用器材11に対して、表面と裏面の両方が撮像される。医療用器材11には、表と裏では形状が異なるものが存在するためである。
このようにしてコンピュータ16の記憶装置26には、1つの医療用器材11に対して重量と、表面の面積、周囲長、拡散、伸長、穴数(特許請求の範囲でいう表面形状データに該当)と、裏面の面積、周囲長、拡散、伸長、穴数(特許請求の範囲でいう裏面形状データに該当)とを、関連付けして識別用データとして、記憶される。
(医療用器材のデータ登録装置:第2実施形態)
図2に、医療用器材のデータ登録装置の第2実施形態を示す。なお、第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、医療用器材に品番を記述している品番記述部が付されている場合に用いられる医療用器材のデータ登録装置である。
本実施形態の場合、品番記述部としてはバーコードの例について説明するが、品番を付する手段としてバーコードに限定するものではない。例えば、品番をQRコード(登録商標)、RFIDなどで付してもよいし、数字やアルファベット等の文字を直接医療用器材に付してもよい。
品番記述部がバーコードの場合、バーコードをレーザ刻印等によって医療用器材11に刻印できる。
医療用器材のデータ登録装置10は、バーコードリーダ28を備えている。バーコードリーダ28は、コンピュータ16に接続され、医療用器材11のバーコードから読み取った品番をコンピュータ16に送信する。
コンピュータ16は、1つの医療用器材11に対して、バーコードリーダ28から送信された品番と、重量と、表面の面積、周囲長、拡散、伸長、穴数(特許請求の範囲でいう表面形状データに該当)と、裏面の面積、周囲長、拡散、伸長、穴数(特許請求の範囲でいう裏面形状データに該当)とを、関連付けして識別用データとして、記憶される。
(医療用器材の自動識別システム:第1実施形態)
次に、図3に基づいて、医療用器材の自動識別システムについて説明する。
本実施形態の医療用器材の自動識別システム50は、上述した医療用器材のデータ登録装置10によって登録された各医療用器材の識別用データを利用して、各医療用器材の識別を行うことができる。
ここで説明する医療用器材の自動識別システムは、使用後の医療用器材を洗浄した後、コンテナ内に再セットする際に用いられるシステムである。医療用器材は、コンテナ内に再セットされた後、滅菌処理が行われる。
医療用器材の自動識別システム50は、医療用器材11を搬送するコンベア51と、コンベア51に載置された医療用器材11の重量を測定する重量計52と、コンベア51に載置された医療用器材11を撮像するカメラ54とを備えている。
図3では、カメラ54の下流側に重量計52を配置したところを示しているが、重量計52はカメラ54の上流側、又は後述する照明装置58の下部、照明装置58の上流側に配置されていてもよい。
コンベア51としては、ベルトコンベアやネットコンベア等を採用することができる。また、後述するように、コンベア51内に照明装置58が配置されるので、医療用器材11の配置面は光が透過する構成又は材質である必要がある。
コンベア51の駆動はモータ等の駆動装置59によって行われる。
コンベア51内には照明装置58が内蔵されており、照明装置58は搬送されてきた医療用器材11に対して下方から光を当てる。この照明装置58の照度は、医療用器材のデータ登録装置10でブロブ解析するために使用した照明装置15の照度と同じ値のものを用いる。これにより、識別用データとの比較の確実性を上げることができる。
また医療用器材の自動識別システム50にはコンピュータ60と、作業者が操作する操作盤62(特許請求の範囲でいう入力装置)とを備えている。
コンピュータ60は、一般的なコンピュータを用いることができ、CPU及びメモリ等から構成される制御部64と、ハードディスクドライブやSSDからなる記憶装置66とを有する。
また、操作盤62は、タッチパネル等で構成されており、作業者が操作することによって、コンピュータ60に対して所定の指示を入力できるように設けられている。
コンピュータ60は、重量計52、カメラ54、照明装置58、コンベア51の駆動装置59に接続され、重量計52によって検出された重量データ、カメラ54によって撮像された撮像データを受信する。また、コンピュータ60は、所定のタイミングで駆動信号を出力して照明装置58、駆動装置59の動作を制御する。
また、コンピュータ60の記憶装置66には、医療用器材のデータ登録装置10で登録された識別用データが記憶されている。医療用器材のデータ登録装置10のコンピュータ16からUSBメモリ等の記憶媒体を使用して識別用データを記憶装置66へ記憶させてもよいし、コンピュータ60と医療用器材のデータ登録装置10のコンピュータ16とを通信回線等によって接続し、通信回線を介して識別用データをコンピュータ60の記憶装置66に記憶させてもよい。
さらに記憶装置66には、術式別コンテナデータと単包品データとが記憶されている。
コンテナとは、蓋つきの箱であり、ある術式に用いる複数の医療用器材をあらかじめ1つのコンテナ内にセットしておくために用いられている。様々な種類の医療用器材についてそれぞれ何個必要になるかは術式によって全く異なるものになるため、術式ごとに予め1つのコンテナ内に複数の医療用器材を収納しておくことになる。
術式別コンテナデータとは、術式別の各コンテナに収納すべき医療用器材の種類及びその数量を含むデータである。この術式別コンテナデータは、予め作成しておいて記憶装置66内に記憶させておくか、又は他のシステムから提供される。
なお、医療用器材によっては単品で包装するものも存在する。これを単包品という。単包品データとは、単品で包装する医療用器材の種類を含むデータである。この単包品データは、予め作成しておいて記憶装置66内に記憶させておくか、又は他のシステムから提供される。
なお、本実施形態では、医療用器材11の下方から照明が当てられているため、カメラ54によって、医療用器材11は、影が出ない状態で画像を撮影することができる。そして、コンピュータ60内では、この撮像データを二値化処理して黒い画像の撮像データとし、ブロブ解析プログラムP1によってブロブ解析される。
ブロブ解析により、撮像データとしては医療用器材11のブロブとしての面積、周囲長、拡散、伸長、穴数について算出される。
なお、ブロブ解析プログラムP1は、面積の算出をピクセル値に基づいて算出し、伸長についてはピクセルが重心からどの程度伸びているかを算出し、周囲長についてはブロブを囲む境界線を形成するピクセルの外部エッジをカウントすることで算出し、拡散についてはブロブの重心からどの程度拡散しているかの値を算出する。
このようなブロブ解析の手法は、医療用器材のデータ登録装置におけるブロブ解析手法と同一であり、ブロブ解析プログラムP1は同一のプログラムを採用できる。
また、本実施形態では、上述したコンベア51の下流側には、コンベア51と連続して配置される出口側コンベア67が設けられている。出口側コンベア67は、駆動装置75によって駆動される。
コンベア51によって搬送される医療用器材11は、カメラ54によって撮像され、重量計52によって重量を測定された後に、出口側コンベア67に載置されて搬送される。
出口側コンベア67には振り分け装置72が設けられている。振り分け装置72は、出口側コンベア67で搬送されてきた医療用器材11を、出口側コンベア67の進行方向と、進行方向とは外れた方向とに振り分ける。
振り分け装置72は、出口側コンベア67の表面上で回動可能な棒状の部材71と、この棒状の部材を出口側コンベア67の表面と平行に回動させる駆動装置69とを有する。
コンピュータ60は、駆動装置69へ制御信号を出力することにより、現在出口側コンベア67で搬送されている医療用器材11を進行方向に流すか、進行方向とは外れた方向に流すかを制御することができる。
本実施形態の出口側コンベア67の下流側端部には、コンテナ70が設置されている。このコンテナ70に対して収納すべき医療用器材11であれば、出口側コンベア67の搬送によって医療用器材11はコンテナ70内に落下して収納される。
なお、出口側コンベア67の下流側端部とコンテナ70との間には、出口側コンベア67の下流側端部から出た医療用器材11をコンテナへ落下させるためのシューター77が設けられている。
このコンテナ70に対して収納すべきでない医療用器材11の場合には、振り分け装置72によってこの医療用器材11がコンテナ70内に収納されないように、出口側コンベア67の側方に落下させる。この落下位置には、このコンテナ70に収納すべきでない医療用器材11を集めるための箱(図示せず)が配置されている。
次に、本実施形態の医療用器材の自動識別システム50の動作について説明する。
まず、作業者は、いずれのコンテナに対する医療用器材を認識させるかの設定を、操作盤62から入力して行う。
ここでは、例として「外科基本1」の術式別コンテナに対する医療用器材の識別を所望する場合、作業者は、操作盤62に表示されている「外科基本1」を選択し、動作を開始させる。
コンピュータ60の制御部64は、操作盤62からの動作開始の指示を受け、コンベア51の駆動装置59に制御信号を出力してコンベア51を作動させ、同時に照明装置58へ制御信号を出力して照明を点灯させる。
作業者は、識別対象となる医療用器材11を1個ずつコンベア51に載置する。医療用器材11がカメラ54の下方に移動してきたことをカメラ54が検知すると、カメラ54からの検知信号を受信したコンピュータ60の制御部64は、カメラ54に制御信号を出力して下方に位置する医療用器材11を撮像させる。
撮像後、医療用器材11は重量計52を通過し、重量計52によって重量を測定される。
なお、作業者は、次の医療用器材11を一定の間隔をあけてコンベア51上に載置する。
コンベア51には、医療用器材11の配置が一定の間隔となるように、配置位置が示されているとよい。
医療用器材11の重量データ、撮像データはコンピュータ60に送信される。コンピュータ60では、撮像データをブロブ解析する。
そしてコンピュータ60の認識プログラムP2が動作し、測定された重量データ及びブロブ解析の結果を、識別用データの中で同じ重量データ及びブロブ解析結果を有する医療用器材を検索する。このとき、カメラ54では医療用器材11のどちらか一方の面しか撮像していないが、識別用データでは1つの医療用器材11の表面及び裏面の両方のブロブ解析したデータが含まれているので、作業者はコンベア51上に医療用器材11を載置する際に、どちらが表か裏かを考慮せずに載置することができる。
認識プログラムP2は、コンベア51上の医療用器材11の重量データ及びブロブ解析の結果が一致するものを、その医療用器材であると認識する。
そして、認識プログラムP2は、最初に作業者が選択した術式別コンテナデータ又は単包品データに、認識された医療用器材11が含まれるか否かを判断する。
認識プログラムP2は、認識した医療用器材11が作業者が選択したコンテナデータに含まれていると判断した場合、振り分け装置72を動作させずに棒状の部材71を出口側コンベア67の進行方向と一致する方向に維持する。すると、コンテナデータに含まれている医療用器材11は、出口側コンベア67の搬送に沿ってコンテナ70内に落下し、収納される。
認識プログラムP2は、認識した医療用器材11が作業者が選択したコンテナデータに含まれていないと判断した場合、振り分け装置72を動作させて棒状の部材71を、出口側コンベア67の進行方向に対して進路をふさぐ方向に位置させる。すると、コンテナデータに含まれていない医療用器材11は、出口側コンベア67の側方に落下される。この位置にはあらかじめ箱を設置しておき、箱内にコンテナデータに含まれていない医療用器材が収納される。
コンピュータ60の制御部64は、作業者が選択したコンテナデータに対し、コンテナデータに含まれるすべての医療用器材11を認識したと判断した場合、コンテナ70への医療用器材11の収納が完了した旨を操作盤62に表示させ、コンベア51、出口側コンベア67の動作を停止させる。
このようにして、本実施形態の医療用器材の自動識別システムによれば、作業者が多種多様な医療用器材を識別する必要なく、自動的に所定の種類の医療用器材を所定の数だけコンテナへ収納させることができる。
なお、図4に示すように、コンテナにはコンテナの種類(術式別コンテナの種類)を特定できる表示78を付し、医療用器材の自動識別システム50において、この表示78を読み取るリーダ74を設けてもよい。
表示78としてはどのようなものであってもよいが、バーコード等を採用することができる。この場合、リーダ74としてはバーコードリーダが用いられる。
このような構成によれば、作業者は操作盤62を操作して、いずれのコンテナに対する医療用器材を認識させるかの設定を入力しなくてもよく、コンテナ70に付されているバーコードをバーコードリーダ74に読み取らせるだけで、いずれのコンテナに対する医療用器材を認識させるかを設定できる。
なお、識別する対象が単包品の場合、コンピュータ60にはラベル印刷機を接続してもよい。
単包品として識別された医療用器材11は、滅菌バッグ(図示せず)に収納され、単包品だけを収納するバスケット内(図示せず)に収納される。この滅菌バッグには単包品の品名やコード等を認識させるためのラベルを貼り付けることが好ましい。
そこで、識別後の単包品については、コンピュータ60がラベル印刷機に対して単包品の品名やコードが記載されたラベルを出力させることで、確実な作業が確立される。
(医療用器材の自動識別システム:第2実施形態)
次に、医療用器材の自動識別システムの第2実施形態について、図5に基づいて説明する。
なお、上述した第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、医療用器材11に品番記述部が付されている場合の自動識別システムである。品番記述部としてはバーコードの例について説明するが、品番を付する手段としてバーコードに限定するものではない。例えば、品番をQRコード(登録商標)、RFIDなどで付してもよいし、品番の文字を直接医療用器材に付してもよい。
そして、コンピュータ60の記憶装置66には、識別用データとして医療用器材のデータ登録装置の第2実施形態において登録された識別用データが記憶されている。この識別用データは、1つの医療用器材11に対して、品番と、重量と、表面の面積、周囲長、拡散、伸長、穴数(特許請求の範囲でいう表面形状データに該当)と、裏面の面積、周囲長、拡散、伸長、穴数(特許請求の範囲でいう裏面形状データに該当)とが、関連付けされて構成されている。
医療用器材の自動識別システム50には、医療用器材に付された品番を読み取るバーコードリーダ76が設けられている。バーコードリーダ76は、コンピュータ60に接続され、医療用器材11のバーコードから読み取った品番をコンピュータ60に送信する。
バーコードリーダ76は、作業者が手で持って操作できるようにしてもよいし、コンベア51の上方に固定しておいてもよい。
続いて、本実施形態の動作について説明する。
作業者が操作盤62を操作して、いずれのコンテナに対する医療用器材を認識させるかの設定を入力すると、コンピュータ60の制御部64は、コンベア51の駆動装置59に制御信号を出力してコンベア51を作動させ、同時に照明装置58へ制御信号を出力して照明を点灯させる。
そして、作業者がバーコードリーダ76によって、識別対象となる医療用器材11の品番を読み取ると、コンピュータ60は、その品番を受信する。
作業者は、バーコードリーダ76で読み取り済みの医療用器材11を、1個ずつコンベア51に載置する。
医療用器材11がカメラ54の下方に移動してきたことをカメラ54が検知すると、カメラ54からの検知信号を受信したコンピュータ60の制御部64は、カメラ54に制御信号を出力して下方に位置する医療用器材11を撮像させる。
撮像後、医療用器材11は重量計52を通過し、重量計52によって重量を測定される。
なお、作業者は、次の医療用器材11を一定の間隔をあけてコンベア51上に載置する。
コンベア51には、医療用器材11の配置が一定の間隔となるように、配置位置が示されているとよい。
医療用器材11の重量データ、撮像データはコンピュータ60に送信される。コンピュータ60では、撮像データをブロブ解析する。
そしてコンピュータ60の認識プログラムP2が動作し、読み取られた品番、測定された重量データ、及びブロブ解析の結果を、識別用データの中で同じ品番、重量データ、及びブロブ解析結果を有する医療用器材を検索する。このとき、カメラ54では医療用器材11のどちらか一方の面しか撮像していないが、識別用データでは1つの医療用器材11の表面及び裏面の両方のブロブ解析したデータが含まれているので、作業者はコンベア51上に医療用器材11を載置する際に、どちらが表か裏かを考慮せずに載置することができる。
認識プログラムP2は、コンベア51上の医療用器材11の品番、重量データ及びブロブ解析の結果が一致するものを、その医療用器材であると認識する。
そして、認識プログラムP2は、最初に作業者が選択した術式別コンテナデータ又は単包品データに、認識された医療用器材11が含まれるか否かを判断する。
認識プログラムP2は、認識した医療用器材11が作業者が選択したコンテナデータに含まれていると判断した場合、振り分け装置72を動作させずに棒状の部材71を出口側コンベア67の進行方向と一致する方向に維持する。すると、コンテナデータに含まれている医療用器材11は、出口側コンベア67の搬送に沿ってコンテナ70内に落下し、収納される。
認識プログラムP2は、認識した医療用器材11が作業者が選択したコンテナデータに含まれていないと判断した場合、振り分け装置72を動作させて棒状の部材71を、出口側コンベア67の進行方向に対して進路をふさぐ方向に位置させる。すると、コンテナデータに含まれていない医療用器材11は、出口側コンベア67の側方に落下される。この位置にはあらかじめ箱を設置しておき、箱内にコンテナデータに含まれていない医療用器材が収納される。
コンピュータ60の制御部64は、作業者が選択したコンテナデータに対し、コンテナデータに含まれるすべての医療用器材11を認識したと判断した場合、コンテナ70への医療用器材11の収納が完了した旨を操作盤62に表示させ、コンベア51、出口側コンベア67の動作を停止させる。
なお、本実施形態の場合も、図4に示すようにコンテナにはコンテナの種類(術式別コンテナの種類)を特定できる表示78を付し、医療用器材の自動識別システム50において、この表示78を読み取るリーダ74を設けてもよい。
表示78としてはどのようなものであってもよいが、バーコード等を採用することができる。この場合、リーダ74としてはバーコードリーダが用いられる。
このような構成によれば、作業者は操作盤62を操作して、いずれのコンテナに対する医療用器材を認識させるかの設定を入力しなくてもよく、コンテナ70に付されているバーコードをバーコードリーダ74に読み取らせるだけで、いずれのコンテナに対する医療用器材を認識させるかを設定できる。
(医療用器材の自動識別システム:第3実施形態)
上述した第1実施形態及び第2実施形態は、使用後の医療用器材を洗浄した後に、コンテナに再セットする際に用いられるものであった。
これに対し、以下に説明する第3実施形態は、手術で使用された医療用器材又使用されなかった医療用器材の確認のために用いられる自動識別システムである。
図6に、本実施形態の医療用器材の自動識別システムについて示す。なお、上述した実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
まず、本実施形態は、医療用器材の自動識別システムの第1実施形態及び第2実施形態との相違点として、コンベアが無いことが挙げられる。
本実施形態の医療用器材の自動識別システム50は、医療用器材11を載置する設置台80と、設置台80の上方に配置されたカメラ82と、設置台80内に配置されて医療用器材11を下方から照射する照明装置83と、設置台80の下方に配置されて医療用器材11の重量を計測する重量計84とを備えている。
重量計84、カメラ82はコンピュータ86にハブ87を介して接続されており、またカメラ82によって撮像された撮像データは、またコンピュータ86はハブ87を介してモニタ88に接続されている。
重量計84は、医療用器材11の重量を測定し、測定した重量データをコンピュータ86に送信する。カメラ82は、撮像した撮像データをコンピュータ86に送信する。
コンピュータ86としては一般的なコンピュータを用いることができ、CPU及びメモリ等から構成される制御部90と、ハードディスクドライブやSSDからなる記憶装置92とを備えている。
コンピュータ86は、ブロブ解析プログラムP1と認識プログラムP2とが実行可能となっている。また、記憶装置92には、医療用器材のデータ登録装置10で登録された識別用データが記憶されている。医療用器材のデータ登録装置10のコンピュータ16からUSBメモリ等の記憶媒体を使用して識別用データを記憶装置92へ記憶させてもよいし、コンピュータ86と医療用器材のデータ登録装置10のコンピュータ16とを通信回線等によって接続し、通信回線を介して識別用データをコンピュータ86の記憶装置92に記憶させてもよい。
また、記憶装置92には、手術ごとに使用された複数の医療用器材11の品名、コード番号等から構成される術式別データが記憶されている。術式別データは、上述した術式別コンテナデータとは異なり、当該手術で使用されるべく準備された医療用器材をデータ化しているものであるため、複数のコンテナデータや単包品データを含む概念である。
カメラ82によって撮像された撮像データは、医療用器材11の下方から照明が当てられているため、医療用器材11は影が出ない状態で撮影される。そして、コンピュータ86内では、この撮像データを二値化処理して黒い画像の撮像データとし、ブロブ解析プログラムP1によってブロブ解析される。
ブロブ解析により、撮像データとしては医療用器材11のブロブとしての面積、周囲長、拡散、伸長、穴数について算出される。
また、認識プログラムP2は、医療用器材11の重量データ及びブロブ解析の結果と、識別用データとを比較し、重量及び表面形状データが一致するものを、その医療用器材であると認識する。
認識された医療用器材11は、認識データとして記憶装置92に記憶される。
さらに、本実施形態では、設置台80には、同時に複数の医療用器材11を載置可能であり、カメラ82は同時に複数の医療用器材11を撮像する。
以下、本実施形態の動作を説明する。
図7に示すように、コンピュータ86の制御部90は、使用者に、どの手術に関して準備された医療用器材を認識させるかを選択入力させるための一覧表を表示させる。
この一覧表は、少なくとも手術オーダーNO.、手術名、認識作業の進捗についてを含むものである。
なお、モニタ88としてはタッチパネルを使用することにより、使用者はいずれの手術についての医療用器材を認識させるかを、モニタ88の画面をタッチすることで選択することができる。
次に、コンピュータ86の制御部90は、図8に示すような一覧表をモニタ88に表示させる。この一覧表は、使用者が図7の一覧表で選択した手術オーダーに基づいて、制御部90が術式別データから該当するデータを読み出して、モニタ88に表示させるものである。、この一覧表には、少なくとも手術オーダー番号、手術名、当該手術のために準備された医療用器材の品名及びその型式が含まれる。
また、図8の一覧表には、使用者が操作するための使用器材ボタン100、未使用器材ボタン101、パスボタン102、完了ボタン104等が設けられている。
使用者は、手術後の複数の医療用器材に対して、使用された器材を認識させる場合には使用器材ボタン100を押下し、未使用だった器材を認識させる場合には未使用器材ボタン101を押下する。
使用者は、使用器材を選択した場合には、手術で使用された医療用器材11を複数設置台80に設置する。
そして、カメラ82によって撮像された複数の医療用器材11の撮像データは、モニタ88に転送され、モニタ88に表示され、目視により認識状態が確認できる。
また、カメラ82によって撮像された複数の医療用器材の11撮像データは、モニタ88に表示されるものとは別に、複数の医療用器材11は、それぞれブロブ解析プログラムP1によってブロブ解析され、認識プログラムP2によって識別用データと比較される。認識プログラムP2は比較した結果、撮像されたデータが、識別用データの表面形状データ又は裏面形状データと一致しないものが存在する場合、モニタ88に表示された一致しない医療用器材の撮像データに読み取り不可の表示を付加する。読み取り不可の表示の例としては、読み取り不可の医療用器材11の周囲を赤い線で囲むように表示することができる(図9参照)。
使用者は、モニタ88において、読み取り不可の医療用器材11を見つけた場合、読み取り不可の医療用器材11を設置台80から取り除く。
すると、残りの医療用器材11は、識別用データ内の表面形状データ又は裏面形状データと一致するものだけなので、重量計84で測定された複数の医療用器材11の全重量と、識別用データ内の該当する医療用器材の全重量とを比較し、測定された全重量の値が識別用データの値に対して所定の範囲内にある場合には、術式別データに対して認識した医療用器材を認識済みとして記録する。
測定された医療用器材11の重量が、識別用データにおける重量に対して所定の範囲外の場合、いずれかの医療用器材11における部品の欠損が考えられる。
そこで、測定された医療用器材11の重量が、識別用データにおける重量に対して所定の範囲外の場合には、使用者が目視にて医療用器材11の部品の欠損を確認する。
術式別データと一致すると認識された複数の医療用器材11については、図8に示すように、制御部90は、モニタ88に表示される一覧表から削除するように制御する。
このため、使用者は、まだ認識されていない医療用器材11について一覧表で確認することができ、また逸失した医療用器材11が無いかどうかを確認できる。
なお、使用者が未使用器材ボタン101を押下して未使用器材を選択した場合、使用者は設置台80に、未使用だった医療用器材11を複数設置する。
未使用器材におけるカメラ82による撮像、認識動作、一覧表からの削除については、使用器材の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
制御部90は、術式ごとに未使用であった医療用器材11の品名と数量を、未使用データとして記録する。
このため、術式ごとに未使用の医療用器材の統計をとることができる。すなわち、同じ術式に関する医療用器材11の使用か未使用かの認識を繰り返すことによって、もともと使用されることがほとんどなかった医療用器材11については、その術式で必要な医療用器材のリストから外すことができる。
なお、使用者は、選択した手術オーダーの認識中に、別の手術オーダーの認識を開始しなくてはならない場合、パスボタン102を押下して、図7の手術オーダーの選択に戻ることができる。
選択した手術オーダーに関する医療用器材11の認識が完了した場合、使用者は完了ボタン104を押下することで、当該手術オーダーの認識動作を完了させることができる。
なお、本実施形態では、医療用器材11に品番記述部が付されている場合にも適用できる。品番記述部としてはバーコード、QRコード(登録商標)、RFIDなどで付してもよいし、品番の文字を直接医療用器材に付してもよい。
この場合、コンピュータ86にはリーダを接続し、記憶装置92の識別用データには、品番も含めておくことが必要である。
(医療用器材の自動識別システム:第4実施形態)
次に、医療用器材の自動識別システムの第4実施形態について説明する。なお、本実施形態では、使用後の医療用器材を洗浄した後、コンテナ内に再セットする際に用いられるシステムである。言い換えると、医療用器材の自動識別システムの第1実施形態又は第2実施形態から、コンベアを除いたものと同様であるといえる。
なお、上述してきた実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態の医療用器材の自動識別システムを図10に示す。
図10に示す医療用器材の自動識別システム50は、コンベアが設けられておらず、使用者は、認識すべき医療用器材11を設置台80の上に載置して認識させ、認識された医療用器材11については、設置台80から取り出して該当するコンテナ内に収納する。
本実施形態においても、複数の医療用器材11を同時にカメラ82によって撮像し、認識することができる。この動作については、上記の第3実施形態と同様である。
コンピュータ86の制御部90は、モニタ88に図11のような一覧表を表示させる。この一覧表には、少なくともコンテナ名称と、このコンテナに収納されるべき医療用器材11のコード、品名、数量(定数)、実際に読み込んだ数(読込数)が表示される。
このようにして、本実施形態の医療用器材の自動識別システムによれば、作業者が多種多様な医療用器材を識別する必要なく、自動的に所定の種類の医療用器材を所定の数だけコンテナへ収納させることができる。
なお、医療用器材が、単包品の場合、コンピュータ86にはラベル印刷機を接続しておき、単包品を収納する滅菌バッグに貼り付けるためのに単包品のコードや品名が記載されたラベルを印刷するように制御してもよい。
このように、単包品のコードや品名が記載されたラベルを出力することによって、確実な作業が確立される。ただし、単包品の場合は、医療用器材11を1個ずつ認識させることが必要となる。
(医療用器材の自動識別システム:第5実施形態)
次に、医療用器材の自動識別システムの第5実施形態について説明する。なお、本実施形態では、カメラを移動させつつ動画を撮像することで一度に複数の医療用器材を識別するものである。
本実施形態のシステムは、使用後の医療用器材を洗浄した後、コンテナ内に再セットする際に用いられるシステム、又は手術で使用された医療用器材若しくは使用されなかった医療用器材の確認のために用いられるシステムのいずれにも採用することができる。
図12に、本実施形態を使用後の医療用器材を洗浄した後、コンテナ内に再セットする際に用いられるシステムとしての構成を示す。ただし、上述してきた実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態のカメラ82は、直動装置106によって水平方向に直線移動可能となるように設けられている。直動装置106としては、ボールねじ駆動によるもの、リニアモータによるもの等、様々な構成のものを採用できる。直動装置106の駆動は、コンピュータ86の制御部90からの制御信号によって制御される。
また、設置台80は、カメラ82の移動方向に沿って長尺な形状を有している。作業者は、この長尺な設置台80に対して複数の医療用器材を配置する。
カメラ82は、直動装置106によって移動しつつ撮影を行う。したがって、カメラ82が撮像するデータは、動画データである。
コンピュータ86の制御部90は、動画データ内に存在する複数の医療用器材11を、それぞれブロブ解析プログラムP1によってブロブ解析し、認識プログラムP2によって識別用データと比較する。
撮像されたデータが、識別用データの表面形状データ又は裏面形状データと一致する場合、重量計84で測定された複数の医療用器材11の全重量と、識別用データ内の該当する医療用器材の全重量とを比較し、測定された全重量の値が識別用データの値に対して所定の範囲内にある場合には、術式別コンテナデータに対して認識した医療用器材を認識済みとしてモニタ88に表示する。
作業者は、術式別コンテナデータに一致すると認定された医療用器材11を、該当するコンテナに収納する。
また、上述してきた各実施形態における医療用器材の自動識別システムに関し、タッチパネルであるモニタ88が特許請求の範囲でいう入力装置に該当する。
10 データ登録装置
11 医療用器材
12 重量計
13 設置台
14 カメラ
15 照明装置
16 コンピュータ
18 遮光壁
19 通信回線
20 ハブ
22 モニタ
24 制御部
26 記憶装置
28 リーダ
50 自動識別システム
51 コンベア
52 重量計
54 カメラ
55 遮光壁
56 入口
57 出口
58 照明装置
59 駆動装置
60 コンピュータ
62 操作盤
64 制御部
66 記憶装置
67 出口側コンベア
69 駆動装置
70 コンテナ
71 振り分け部材
72 振り分け装置
74 リーダ
75 駆動装置
76 リーダ
77 シューター
78 表示
80 設置台
82 カメラ
83 照明装置
84 重量計
86 コンピュータ
87 ハブ
88 モニタ
90 制御部
92 記憶装置
100 使用器材ボタン
101 未使用器材ボタン
102 パスボタン
104 完了ボタン
106 直動装置
P1 ブロブ解析プログラム
P2 認識プログラム

Claims (12)

  1. 医療用器材の重量を測定する第1重量計と、医療用器材の形状を撮像する第1カメラと、記憶装置と、各医療用器材ごとに、前記第1重量計で測定された重量と、前記第1カメラで撮像された表面形状データ及び裏面形状データと、を関連付けして識別用データとして記憶装置に記憶させる第1制御部と、を有する医療用器材のデータ登録システムによって生成された識別用データが記憶されている識別用データ記憶装置と、
    医療用器材の重量を測定する第2重量計と、
    医療用器材を撮像する第2カメラと、
    複数の医療用器材を術式ごとにコンテナ内に収納するための、各コンテナの各医療用器材の種類及びその数量を含む術式別コンテナデータが記憶されているコンテナデータ記憶装置と、
    いずれのコンテナに対応する医療用機器の識別を行うかについてコンテナの種類を入力可能な入力装置と、
    前記第2カメラ及び前記第2重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された種類のコンテナに収納されるべきものであるか否かを、前記識別用データと前記術式別コンテナデータに基づいて判断する第2制御部と、を具備することを特徴とする医療用器材の自動識別システム。
  2. 医療用器材を載置するコンベアと、
    前記第2カメラ及び前記第2重量計よりも前記コンベアの下流側に設けられ、前記コンベア上の医療用器材を前記コンベアの進行方向と進行方向とは異なる方向とに振り分ける振り分け装置と、を具備し、
    前記第2制御部は、
    前記振り分け装置を作動させることにより、前記第2カメラ及び前記第2重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された種類のコンテナに収納されるべきものである場合と収納されるべきで無い場合とで振り分けることを特徴とする請求項1記載の医療用器材の自動識別システム。
  3. 前記第2カメラを水平方向に移動させる直動装置が設けられ、
    前記第2カメラは、複数の医療用器材を移動しつつ動画撮影することを特徴とする請求項1記載の医療用器材の自動識別システム。
  4. 医療用器材の重量を測定する第1重量計と、医療用器材の形状を撮像する第1カメラと、記憶装置と、第1制御部と、を有し、医療用器材には品番が記述された品番記述部が設けられており、品番記述部から品番を読み取る第1リーダを備え、前記第1制御部は、各医療用器材ごとに、前記第1リーダで読み取った品番と、前記第1重量計で測定された重量と、前記第1カメラで撮像された表面形状データおよび裏面形状データと、を関連付けして識別用データとして前記記憶装置に記憶させる医療用器材のデータ登録システムによって生成された識別用データが記憶されている識別用データ記憶装置と、
    医療用器材の重量を測定する第2重量計と、
    医療用器材を撮像する第2カメラと、
    医療用器材に設けられて品番が記述された品番記述部から品番を読み取る第2リーダと、
    複数の医療用器材を術式ごとにコンテナ内に収納するための、各コンテナの各医療用器材の種類及びその数量を含む術式別コンテナデータが記憶されているコンテナデータ記憶装置と、
    いずれのコンテナに対応する医療用機器の識別を行うかについてコンテナの種類を入力可能な入力装置と、
    前記第2カメラ及び前記第2重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された種類のコンテナに収納されるべきものであるか否かを、前記識別用データと前記術式別コンテナデータに基づいて判断する第2制御部と、を具備することを特徴とする医療用器材の自動識別システム。
  5. 医療用器材を載置するコンベアと、
    前記第2カメラ及び前記第2重量計よりも前記コンベアの下流側に設けられ、前記コンベア上の医療用器材を前記コンベアの進行方向と進行方向とは異なる方向とに振り分ける振り分け装置と、を具備し、
    前記第2制御部は、
    前記振り分け装置を作動させることにより、前記第2カメラ及び前記第2重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された種類のコンテナに収納されるべきものである場合と収納されるべきで無い場合とで振り分けることを特徴とする請求項4記載の医療用器材の自動識別システム。
  6. 前記第2カメラを水平方向に移動させる直動装置が設けられ、
    前記第2カメラは、複数の医療用器材を移動しつつ動画撮影することを特徴とする請求項4記載の医療用器材の自動識別システム。
  7. 医療用器材の重量を測定する第1重量計と、医療用器材の形状を撮像する第1カメラと、記憶装置と、各医療用器材ごとに、前記第1重量計で測定された重量と、前記第1カメラで撮像された表面形状データ及び裏面形状データと、を関連付けして識別用データとして記憶装置に記憶させる第1制御部と、を有する医療用器材のデータ登録システムによって生成された識別用データが記憶されている識別用データ記憶装置と、
    医療用器材の重量を測定する第2重量計と、
    医療用器材を撮像する第2カメラと、
    複数の医療用器材の術式ごとの各医療用器材の種類及びその数量を含む術式別データが記憶されているデータ記憶装置と、
    いずれの術式別データに対応する医療用機器の識別を行うかについて術式別データの種類を入力可能な入力装置と、
    前記第2カメラ及び前記第2重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力されたいずれの術式別データのものであるか否かを、前記識別用データと前記術式別データに基づいて判断する第2制御部と、を具備することを特徴とする医療用器材の自動識別システム。
  8. 医療用器材を載置するコンベアと、
    前記第2カメラ及び前記第2重量計よりも前記コンベアの下流側に設けられ、前記コンベア上の医療用器材を前記コンベアの進行方向と進行方向とは異なる方向とに振り分ける振り分け装置と、を具備し、
    前記第2制御部は、
    前記振り分け装置を作動させることにより、前記第2カメラ及び前記第2重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された術式別データのものである場合と前記入力装置に入力された術式別データのもので無い場合とで振り分けることを特徴とする請求項7記載の医療用器材の自動識別システム。
  9. 前記第2カメラを水平方向に移動させる直動装置が設けられ、
    前記第2カメラは、複数の医療用器材を移動しつつ動画撮影することを特徴とする請求項7記載の医療用器材の自動識別システム。
  10. 医療用器材の重量を測定する第1重量計と、医療用器材の形状を撮像する第1カメラと、記憶装置と、第1制御部と、を有し、医療用器材には品番が記述された品番記述部が設けられており、品番記述部から品番を読み取る第1リーダを備え、前記第1制御部は、各医療用器材ごとに、前記第1リーダで読み取った品番と、前記第1重量計で測定された重量と、前記第1カメラで撮像された表面形状データおよび裏面形状データと、を関連付けして識別用データとして前記記憶装置に記憶させる医療用器材のデータ登録システムによって生成された識別用データが記憶されている識別用データ記憶装置と、
    医療用器材の重量を測定する第2重量計と、
    医療用器材を撮像する第2カメラと、
    医療用器材に設けられて品番が記述された品番記述部から品番を読み取る第2リーダと、
    複数の医療用器材の術式ごとの各医療用器材の種類及びその数量を含む術式別データが記憶されているデータ記憶装置と、
    いずれの術式別データに対応する医療用機器の識別を行うかについて術式別データの種類を入力可能な入力装置と、
    前記第2カメラ及び前記第2重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力されたいずれの術式別データのものであるか否かを、前記識別用データと前記術式別データに基づいて判断する第2制御部と、を具備することを特徴とする医療用器材の自動識別システム。
  11. 医療用器材を載置するコンベアと、
    前記第2カメラ及び前記第2重量計よりも前記コンベアの下流側に設けられ、前記コンベア上の医療用器材を前記コンベアの進行方向と進行方向とは異なる方向とに振り分ける振り分け装置と、を具備し、
    前記第2制御部は、
    前記振り分け装置を作動させることにより、前記第2カメラ及び前記第2重量計で識別された医療用器材が、前記入力装置に入力された術式別データのものである場合と前記入力装置に入力された術式別データのもので無い場合とで振り分けることを特徴とする請求項10記載の医療用器材の自動識別システム。
  12. 前記第2カメラを水平方向に移動させる直動装置が設けられ、
    前記第2カメラは、複数の医療用器材を移動しつつ動画撮影することを特徴とする請求項10記載の医療用器材の自動識別システム。
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