JP6911818B2 - エピタキシャルウェーハの製造条件決定方法およびエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

エピタキシャルウェーハの製造条件決定方法およびエピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDF

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本発明は、エピタキシャルウェーハの製造条件決定方法およびエピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
近年、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、各種ロジック、パワートランジスタおよび裏面照射型固体撮像素子等の種々の半導体デバイスにおいて、シリコンウェーハ上にエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルウェーハを基板として用いるのが一般的である。
エピタキシャルウェーハは、例えば枚葉式のエピタキシャル成長炉内にシリコンウェーハを配置し、ジクロロシランガスやトリクロロシランガス等の原料ガスを、水素ガス等のキャリアガスとともにエピタキシャル成長炉内に供給し、1100℃〜1150℃の温度にて、シリコンウェーハ上にエピタキシャル層を成長させることにより得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−073191号公報
上記エピタキシャルウェーハの製造工程において、エピタキシャルウェーハの基板であるシリコンウェーハは、搬送やエピタキシャル成長工程において、サセプタや保持具等の異種材と接触する。そのため、特にシリコンウェーハの裏面外周部に傷が形成されるのを避けることはできない。
シリコンウェーハの裏面外周部に傷が形成され、エピタキシャルウェーハ製造工程においてシリコンウェーハに熱応力が負荷されると、形成された傷を起点としてスリップ転位が発生する場合がある。スリップ転位が発生すると、製造したエピタキシャルウェーハを製品として出荷することができず、製品の歩留まりが低下する問題がある。
そこで、本発明の目的は、スリップ転位が発生しないエピタキシャルウェーハを製造することができる条件を決定する方法およびエピタキシャルウェーハの製造方法を提案することにある。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は以下の通りである。
[1]シリコンウェーハ上にエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを製造する条件を決定する方法であって、
評価用シリコンウェーハをエピタキシャル成長炉内に導入し、該エピタキシャル成長炉内に設けられたサセプタ上の第1の位置に、前記評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向と等価な方向が前記評価用シリコンウェーハの前記エピタキシャル成長炉内への導入方向に平行となるように配置する第1工程と、
前記評価用シリコンウェーハに対して、前記エピタキシャルウェーハを製造する際に前記シリコンウェーハに負荷される熱応力以上の熱応力を負荷する第2工程と、
前記第2工程後の前記評価用シリコンウェーハにスリップが発生しているか否かを評価する第3工程と、
前記第1工程〜前記第3工程を、評価用シリコンウェーハを前記第1の位置から前記評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向と等価な方向にずらした位置に配置して行う第4工程と、
前記第4工程の結果に基づいて、前記エピタキシャルウェーハを製造する際にスリップが発生しない、前記サセプタ上への前記シリコンウェーハの載置位置を特定する第5工程と、
を含み、
前記評価用シリコンウェーハとして、その裏面の外周部に多角形の圧痕であって、前記多角形の少なくとも1つの角の二等分線が<110>方向と等価な方向に向いている圧痕を少なくとも1つ有するシリコンウェーハを用いることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
[2]前記第2工程は、前記評価用シリコンウェーハにエピタキシャル層を形成することにより行う、前記[1]に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
[3]前記第2工程は、前記評価用シリコンウェーハに対して、前記エピタキシャルウェーハの製造過程において前記シリコンウェーハに負荷される熱処理を模した模擬熱処理を施すことによって行う、前記[1]に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
[4]前記模擬熱処理において、前記評価用シリコンウェーハに対して、前記エピタキシャルウェーハを製造する際に前記シリコンウェーハに負荷される熱応力を超える熱応力を負荷する、前記[3]に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
[5]前記第4工程は、<110>方向と等価な2つの方向に対して行う、前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
[6]前記評価用シリコンウェーハとして、ウェーハ周方向に90°の間隔で前記圧痕を4つ有する面方位(100)シリコンウェーハを用いる、前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
[7]シリコンウェーハを、前記[1]〜[6]のいずれかの方法によって特定された、前記エピタキシャル成長炉内の、エピタキシャルウェーハ内にスリップが発生しないことが特定された位置に配置して、前記シリコンウェーハの表面にエピタキシャル層を形成することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
本発明によれば、スリップ転位が発生しないエピタキシャルウェーハの製造条件を決定することができる。
評価用シリコンウェーハの裏面の模式図であり、(a)はノッチの向きが<100>方向を向いているもの、(b)はノッチの向きが<110>方向を向いているものにそれぞれ対応している。 評価用シリコンウェーハに形成された圧痕の光学顕微鏡像である。 サセプタ上への評価用シリコンウェーハの載置を説明する図である。 エピタキシャルウェーハに発生したスリップ転位のX線トポグラフィ像である。 ノッチの向きが<100>方向の評価用シリコンウェーハを用いた場合に関する、評価用シリコンエピタキシャルウェーハに発生したスリップ転位の長さと、エピタキシャル成長炉におけるサセプタ上への評価用シリコンウェーハの載置位置との関係を示す図である。 ノッチの向きが<110>方向の評価用シリコンウェーハを用いた場合に関する、評価用シリコンエピタキシャルウェーハに発生したスリップ転位の長さと、エピタキシャル成長炉におけるサセプタ上への評価用シリコンウェーハの載置位置との関係を示す図である。 図5に示した関係におけるずれ量がゼロ付近の拡大図であり、(a)は図5(a)、(b)は図5(b)にそれぞれ対応している。 圧痕のX線トポグラフィ画像であり、(a)は図7(a)においてずれ量がゼロの場合、(b)は図7(a)においてずれ量が0.15mmの場合に対するものである。 3つのエピタキシャル成長炉に関する、エピタキシャルウェーハに発生したスリップ転位の長さと、エピタキシャル成長炉におけるシリコンウェーハのサセプタ上への載置位置との関係を示す図である。
(エピタキシャルウェーハの製造条件決定方法)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本発明によるエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法は、評価用シリコンウェーハをエピタキシャル成長炉内に導入し、該エピタキシャル成長炉内に設けられたサセプタ上の第1の位置に、評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向と等価な方向が評価用シリコンウェーハのエピタキシャル成長炉内への導入方向に平行となるように配置する第1工程と、評価用シリコンウェーハに対して、エピタキシャルウェーハを製造する際にシリコンウェーハに負荷される熱応力以上の熱応力を負荷する第2工程と、第2工程後の評価用シリコンウェーハにスリップが発生しているか否かを評価する第3工程と、上記第1工程〜第3工程を、評価用シリコンウェーハを第1の位置から評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向と等価な方向にずらした位置に配置して行う第4工程と、第4工程の結果に基づいて、エピタキシャルウェーハを製造する際にスリップが発生しない、サセプタ上へのシリコンウェーハの載置位置を特定する第5工程とを含む。ここで、評価用シリコンウェーハとして、その裏面の外周部に多角形の圧痕であって、多角形の少なくとも1つの角の二等分線が<110>方向と等価な方向に向いている圧痕を少なくとも1つ有するシリコンウェーハを用いることを特徴とする。
上述のように、エピタキシャルウェーハ製造工程において基板であるシリコンウェーハは異種材と接触するため、ウェーハ裏面外周部に傷が形成されることは避けられない。しかし、ウェーハ裏面外周部の傷からスリップ転位が発生して進展するためには、熱応力が必要である。熱応力が負荷されない場合には、傷からスリップ転位が発生して進展することはない。従って、ウェーハ外周部からスリップ転位が発生するのを低減するためには、エピタキシャルウェーハの製造工程において、シリコンウェーハに負荷される熱応力を低減できるような条件を検討する必要がある。
本発明者らは、エピタキシャルウェーハの製造工程においてシリコンウェーハに負荷される熱応力は、エピタキシャル成長炉におけるサセプタ上へのシリコンウェーハの載置位置に依存するのではないかと考えた。
また、本発明者らは、上記シリコンウェーハに負荷される熱応力は、サセプタ上に載置されるシリコンウェーハの向きにも依存するのではないかと考えた。すなわち、シリコンウェーハの外周部には、結晶の特定の向きを示すノッチが形成される場合が多い。例えば、面方位が(100)のシリコンウェーハの場合には、ノッチの向きは、実質的に<100>方向および<110>方向の2種類である。
また、シリコンウェーハは通常、ノッチがウェーハ搬出方向側に向いた状態でエピタキシャル成長炉内に導入される。従って、ウェーハのノッチの向きが異なると、シリコンウェーハをサセプタ上に載置した際に、シリコンウェーハにおける結晶の向きが異なることになる。
そこで、直径:300mm、面方位:(100)で、ノッチの向きが<100>方向および<110>方向の2種類のシリコンウェーハについて、シリコンウェーハの裏面に傷を模した圧痕を形成した評価用シリコンウェーハを準備し、エピタキシャル成長炉におけるサセプタ上への評価用シリコンウェーハの載置位置を種々変更してシリコンエピタキシャルウェーハを作製した。そして、得られたシリコンエピタキシャルウェーハに発生したスリップ転位の長さと、エピタキシャル成長炉における評価用シリコンウェーハの載置位置との関係を調べた。以下、この実験について説明する。
まず、上述の二種類のシリコンウェーハに、上記スリップ転位の長さとウェーハのサセプタ上への載置位置との関係を定量的に評価できるよう、ビッカース硬度計を用いて、シリコンウェーハの裏面外周部に、エピタキシャルウェーハ製造工程において形成される傷を模した略菱形の圧痕を4つ形成した。
より詳細には、図1に示すように、シリコンウェーハの裏面の外周から1mmの位置において、ノッチの位置を基準として、ウェーハ周方向に時計回りに45°ずれた位置と、この位置からウェーハ周方向に90°ずつずれた位置の計4つの位置に圧痕を形成した。その際、菱形の角の二等分線、すなわち各圧痕の菱形の対角線が全て<110>方向と等価な方向に向くようにした。また、圧痕を形成する際の荷重は100gfで一定とした。なお、図1において、(a)はノッチの向きが<100>方向の場合、(b)はノッチの向きが<110>方向の場合に関する図である。これらのシリコンウェーハを評価用シリコンウェーハとした。
図2は、形成された圧痕の光学顕微鏡像の一例を示している。この図に示すように、各圧痕の菱形の頂点からクラックが発生しており、このクラックは<110>方向に延びている。このような圧痕を有する評価用シリコンウェーハに大きな熱応力が負荷されると、上記クラックの先端からスリップ転位が発生して進展する。
裏面外周部にこうした4つの圧痕を有する評価用シリコンウェーハを用いて、エピタキシャルウェーハの製造工程において発生したスリップ転位の長さと、エピタキシャル成長炉におけるシリコンウェーハのサセプタ上への載置位置との関係を調べた。
具体的には、まず、ウェーハの搬送ロボットにおいて、評価用シリコンウェーハを、図3に示すように、ウェーハ導出方向に対してウェーハ周方向に時計回りで45°ずれた方向にノッチが向くように配置した。
上述のように、シリコンウェーハをエピタキシャル成長炉内に導入する際には、通常、ノッチはウェーハ搬出方向側に配置されるが、本評価においては、45°ずれた方向にノッチが向くように配置した。この場合、図1(a)に示した、ノッチの向きが<100>方向の場合には、評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向がウェーハ導入方向に対して平行に導入される。一方、図1(b)に示した、ノッチの向きが<110>方向の場合には、評価用シリコンウェーハにおける結晶の<100>方向がウェーハ導入方向に対して平行に導入される。よって、上述のように、ウェーハ導出方向に対してウェーハ周方向に時計回りで45°ずれた方向にノッチが向くように配置することによって、上記一般的な場合と同様に、シリコンウェーハの導入方向に対する評価用シリコンウェーハにおける結晶の向きは、<110>方向および<100>方向となる。
次いで、評価用シリコンウェーハをエピタキシャル成長炉内に導入し、目視で確認しながら、評価用シリコンウェーハの中心がエピタキシャル成長炉内に設けられたサセプタの中心の上方の位置に来るよう、サセプタ上の第1の位置に載置した。続いて、既知の方法で評価用シリコンウェーハの表面に厚み2μmのシリコンエピタキシャル層を形成し、評価用シリコンエピタキシャルウェーハを作製した。その際、エピタキシャル層の成長温度は1120℃、成長時間は1分とし、エピタキシャル層成長前後の条件も全て同じとした。
上記評価用シリコンエピタキシャルウェーハの作製を、上記第1の位置を基準として、評価用シリコンウェーハをサセプタ上に載置する位置をずらして行った。具体的には、ウェーハ導入方向に平行な方向(図3のY方向)およびウェーハ導入方向に垂直な方向(図3のX方向)の2方向にそれぞれずらして行った。
上述のように作製された評価用シリコンエピタキシャルウェーハのそれぞれについて、X線トポグラフィ法により圧痕を撮影し、スリップ転位が発生しているか否かを確認した。スリップ転位が発生している場合には、その長さを評価した。
図4は、ノッチの向きが<100>方向の評価用シリコンウェーハを第1の位置から図3のX方向に2mmずらした位置に配置して作製されたエピタキシャルウェーハにおける圧痕から発生したスリップ転位のX線トポグラフィ像である。本評価においては、スリップ転位の長さは、撮影された画像の六角形の黒いコントラストの対角線の長さとした。なお、スリップ転位の長さは、X方向にずらした場合には、図1における(1)および(3)の圧痕の平均値、Y方向にずらした場合には、図1における(2)および(4)の圧痕の平均値とした。
図5および図6は、作製した評価用シリコンエピタキシャルウェーハに発生したスリップ転位の長さと、エピタキシャル成長炉内におけるサセプタ上への評価用シリコンウェーハの載置位置との関係を示している。ここで、図5はノッチの向きが<100>方向の評価用シリコンウェーハを用いた場合、図6はノッチの向きが<110>方向の評価用シリコンウェーハを用いた場合の結果をそれぞれ示している。なお、図5および図6のそれぞれにおいて、(a)図は図3のX方向、(b)図は図3のY方向に動かした場合の結果をそれぞれ示している。
図5では、評価用シリコンエピタキシャルウェーハにおけるスリップ転位の長さが、エピタキシャル成長炉における評価用シリコンウェーハのサセプタ上への載置位置によって変化している。すなわち、X方向およびY方向のいずれの方向にずらした場合についても、ずれ量が小さい方がスリップ転位の長さは小さく、ずれが大きくなるにつれてスリップ転位の長さが大きくなっている。また、スリップ転位の長さがゼロとなる位置(すなわち、スリップ転位が発生しない位置)は、ずれ量がゼロの位置からずれている。上述のように、ずれ量がゼロの位置(第1の位置)は、評価用シリコンウェーハの中心がサセプタの中心上に位置するように目視で確認して載置した位置である。サセプタ上に載置された評価用シリコンウェーハの中心が、スリップ転位が発生しない位置であるとは限らす、またエピタキシャル成長炉は、ウェーハの導入方向に対して対称な構造を有しているとは限らないため、このようなずれは起こりうると考えられる。
一方、図6では、ノッチの向きが<110>方向である評価用シリコンウェーハを用いた場合には、サセプタ上に載置した位置でスリップ転位は発生せず、且つ、X方向およびY方向のいずれの方向にずらした場合についてもスリップ転位は発生していない。つまり、ノッチの向きが<110>方向の場合には、圧痕に負荷されるせん断応力が小さいと思われる。
図5および図6から、スリップ転位の発生が、評価用シリコンウェーハをサセプタ上に載置する際のエピタキシャル成長炉内への導入方向、及びウェーハをずらす方向と、ノッチの向き、すなわち評価用シリコンウェーハにおける結晶の方向に依存していることが分かった。この結果は、評価用シリコンウェーハに形成された圧痕の方向によってスリップ転位の進展する方向が変わり、圧痕に負荷されるせん断応力が変化したためと推測している。
以上より、評価用シリコンウェーハを、エピタキシャル成長炉内に設けられたサセプタ上の第1の位置に評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向と等価な方向が評価用シリコンウェーハのエピタキシャル成長炉内への導入方向に平行となるように配置し、且つ<110>方向と等価な方向にずらすことによって、ノッチの向きが<110>および<100>の双方の場合についてスリップが発生しないサセプタ上のシリコンウェーハの位置を特定することができる。本発明者らは、こうして本発明を完成させたのである。以下、各工程について説明する。
<第1工程>
まず、第1工程において、評価用シリコンウェーハをエピタキシャル成長炉内に導入し、該エピタキシャル成長炉内に設けられたサセプタ上の第1の位置に、評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向と等価な方向が評価用シリコンウェーハのエピタキシャル成長炉内への導入方向に平行となるように配置する。評価用シリコンウェーハとしては、例えばチョクラルスキー(Czochralski)法により育成された単結晶シリコンインゴットを加工して得られたシリコンウェーハを用いることができる。また、シリコンウェーハの導電型や直径、ドーパントの種類、抵抗率等については、評価対象であるエピタキシャル成長炉において実際に製造するエピタキシャルウェーハと同じにすることができる。
評価用シリコンウェーハは、その裏面外周部に、エピタキシャルウェーハの製造工程においてシリコンウェーハに導入される傷を模した圧痕を有する。上述の実験においては、ビッカース硬度計を用いて圧痕を形成したが、これに限定されず、任意の適切な方法で圧痕を形成することができる。
上記圧痕は、実際のエピタキシャルウェーハの製造工程において、異種材によってシリコンウェーハの外周部に負荷される荷重と同程度の荷重を負荷して形成することが好ましい。この荷重は、10〜2000gf程度である。
また、圧痕の形状は菱形に限定されず、圧痕から<110>方向と等価な方向にスリップ転位が発生するような形状を有していればよい。具体的には、四角形や三角形等の多角形とすることができ、頂点からスリップ転位が<110>方向と等価な方向に発生して進展するよう、多角形の少なくとも1つの角の二等分線が<110>方向と等価な方向に向いていればよい。例えば、菱形の場合には、その少なくとも1つの角の二等分線、すなわち、菱形の対角線の少なくとも1つが<110>方向と等価な方向に向いていればよい。また、三角形の場合には、少なくとも頂点の1つの垂直二等分線が<110>方向を向いていればよい。
また、圧痕の数は1つ以上とし、エピタキシャル炉内の温度が必ずも一定ではないこと、結晶の<110>と等価方向のずれ量を複数点で確認できる点から、2つ以上が好ましく、4つとすることが特に好ましい。
上述のような要件を満たす圧痕が形成された評価用シリコンウェーハとして、図1(a)に示した、面方位が(100)のシリコンウェーハに4つの圧痕が形成されたシリコンウェーハを好適に用いることができる。
<第2工程>
次に、第2工程において、上記評価用シリコンウェーハに対して、エピタキシャルウェーハを製造する際にシリコンウェーハに負荷される熱応力以上の熱応力を負荷する。これは、実際のエピタキシャルウェーハの製造工程と同じように、エピタキシャル成長炉において、評価用シリコンウェーハ上にエピタキシャル層を形成してエピタキシャルウェーハを形成することによって行うことができる。
しかし、評価用シリコンウェーハに対して熱応力を負荷するだけであれば、エピタキシャル層を形成する必要はない。そこで、エピタキシャル層を形成する代わりに、評価用シリコンウェーハに対して、エピタキシャルウェーハの製造過程においてシリコンウェーハに負荷される熱処理を模した模擬熱処理を施すこともできる。
上記模擬熱処理を行う場合には、実際のエピタキシャルウェーハの製造工程においてシリコンウェーハに負荷される熱応力よりも大きな熱応力を意図的に与えることもできる。このような実際よりも大きな熱応力を意図的に与えることによって、より大きな熱応力に対してもスリップ転位が発生しないようなエピタキシャル成長炉内の位置を特定することができる。
<第3工程>
続いて、第3工程において、第2工程後の評価用シリコンウェーハにスリップが発生しているか否かを評価する。これは、評価用シリコンウェーハの裏面をX線トポグラフィ法によって撮影することによって行うことができる。
<第4工程>
次いで、第4工程において、上記第1工程〜第3工程を、評価用シリコンウェーハを第1の位置から評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向と等価な方向にずらした位置に配置して行う。これは、例えば評価用シリコンウェーハを、最初に配置した第1の位置から<110>方向と等価な方向に、例えば0.1mmずつずらした多数の位置について行う。
上記評価用シリコンウェーハをずらす方向は、1方向(図3の例えばX方向)のみでもよいが、2つの方向(図3のX方向およびY方向)に対して行うことが好ましい。これにより、結晶の<110>と等価方向のずれ量を複数点で確認できる。
<第5工程>
続いて、第5工程において、上記第4工程の結果に基づいて、エピタキシャルウェーハを製造する際にスリップが発生しない、サセプタ上へのシリコンウェーハの載置位置を特定する。
こうして、エピタキシャルウェーハの製造工程において、スリップ転位が発生しない、サセプタ上へのシリコンウェーハの載置位置を特定することができる。
(エピタキシャルウェーハの製造方法)
次に、本発明によるエピタキシャルウェーハの製造方法について説明する。上述のように、本発明によるエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法により、エピタキシャルウェーハの製造工程においてスリップ転位が発生しない、エピタキシャル成長炉に設けられたサセプタ上へのシリコンウェーハの載置位置を特定することができる。
そこで、本発明によるエピタキシャルウェーハの製造方法においては、シリコンウェーハを、上記本発明による方法によってスリップ転位が発生しないことが特定されたサセプタ上の位置に配置して、シリコンウェーハの表面にエピタキシャル層を形成する。これにより、スリップ転位が発生していないエピタキシャルウェーハを得ることができる。
(実施例1)
図7は、図5に示した関係におけるずれ量がゼロ付近の拡大図であり、(a)は図5(a)、(b)は図5(b)にそれぞれ対応している。図7(a)から、評価用シリコンウェーハを、該シリコンウェーハの中心がサセプタの中心の上方に来るように目視で配置した第1の位置(すれ量がゼロの位置)では、スリップ転位が発生することが分かる。第1の位置では、図8のX線トポグラフィ像に示すように、各圧痕からスリップ転位が発生していることが分かる。
これに対して、図7(a)から、評価用シリコンウェーハをX方向に0.1〜0.2mmずらした位置ではスリップ転位が発生しないことが分かる。実際、X方向に0.15mmずらした位置では、図8のX線トポグラフィ像に示すように、各圧痕からスリップ転位は発生していない。このように、本発明によって、エピタキシャル製造工程においてスリップ転位が発生しない、エピタキシャル成長炉における位置を特定することができる。
(実施例2)
本発明者らが知見を得た実験を、同一形式の3つの異なったエピタキシャル成長炉について行った。得られた結果を図9に示す。図9から明らかなように、スリップ転位が発生しない位置がエピタキシャル成長炉毎に異なっていることが分かる。よって、エピタキシャル成長炉毎にずれ量を特定し、スリップ転位が発生しない位置となるように調整すれば良いことが分かる。
本発明によれば、スリップ転位が発生しないエピタキシャルウェーハの製造条件を決定することができるため、半導体ウェーハ製造業において有用である。

Claims (7)

  1. シリコンウェーハ上にエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハを製造する条件を決定する方法であって、
    評価用シリコンウェーハをエピタキシャル成長炉内に導入し、該エピタキシャル成長炉内に設けられたサセプタ上の第1の位置に、前記評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向と等価な方向が前記評価用シリコンウェーハの前記エピタキシャル成長炉内への導入方向に平行となるように配置する第1工程と、
    前記評価用シリコンウェーハに対して、前記エピタキシャルウェーハを製造する際に前記シリコンウェーハに負荷される熱応力以上の熱応力を負荷する第2工程と、
    前記第2工程後の前記評価用シリコンウェーハにスリップが発生しているか否かを評価する第3工程と、
    前記第1工程〜前記第3工程を、評価用シリコンウェーハを前記第1の位置から前記評価用シリコンウェーハにおける結晶の<110>方向と等価な方向にずらした位置に配置して行う第4工程と、
    前記第4工程の結果に基づいて、前記エピタキシャルウェーハを製造する際にスリップが発生しない、前記サセプタ上への前記シリコンウェーハの載置位置を特定する第5工程と、
    を含み、
    前記評価用シリコンウェーハとして、その裏面の外周部に多角形の圧痕であって、前記多角形の少なくとも1つの角の二等分線が<110>方向と等価な方向に向いている圧痕を少なくとも1つ有するシリコンウェーハを用いることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
  2. 前記第2工程は、前記評価用シリコンウェーハにエピタキシャル層を形成することにより行う、請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
  3. 前記第2工程は、前記評価用シリコンウェーハに対して、前記エピタキシャルウェーハの製造過程において前記シリコンウェーハに負荷される熱処理を模した模擬熱処理を施すことによって行う、請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
  4. 前記模擬熱処理において、前記評価用シリコンウェーハに対して、前記エピタキシャルウェーハを製造する際に前記シリコンウェーハに負荷される熱応力を超える熱応力を負荷する、請求項3に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
  5. 前記第4工程は、<110>方向と等価な2つの方向に対して行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
  6. 前記評価用シリコンウェーハとして、ウェーハ周方向に90°の間隔で前記圧痕を4つ有する面方位(100)シリコンウェーハを用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエピタキシャルウェーハの製造条件決定方法。
  7. シリコンウェーハを、請求項1〜6のいずれかの方法によって特定された、前記エピタキシャル成長炉内の、エピタキシャルウェーハ内にスリップが発生しないことが特定された位置に配置して、前記シリコンウェーハの表面にエピタキシャル層を形成することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
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