JP6910206B2 - 空調システムの最適起動停止制御装置および最適起動停止制御方法 - Google Patents
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Description
具体的には、特許文献1に開示されたOSS制御では、予め定められた時刻に室温が目標温度となるように、空調機および熱源機の運転を上記時刻より前に開始するようにしている(前倒し運転)。
そのため、例えば、通常の運転スケジュールに加え、臨時の運転スケジュールが追加される等、1日のうちで、前倒し運転の対象としたくない空調機の運転スケジュールが設定されている場合、前倒しが不要な臨時の運転スケジュールに対して前倒し運転が行われ、本来、前倒しすべき通常の運転スケジュールでの前倒し運転が適切に行われないという課題があった。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る最適起動停止制御装置1を備えた空調システムの構成例を示す図である。
空調システムは、最適起動停止制御装置1と、熱源機2と、空調機3と、空調機バルブ4と、熱源機コントローラ5と、空調機コントローラ6とを備える。なお、最適起動停止制御装置1は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。
また、空調機コントローラ6は、空調機3の運転、および、空調機バルブ4の開閉を制御する。当該空調機コントローラ6は、最適起動停止制御装置1によって制御される。すなわち、最適起動停止制御装置1が、空調機コントローラ6を介して、制御対象である室内に空調機3からの給気が供給される室内温度と、予め設定された目標温度とが一致するように、空調機3の運転、および、空調機バルブ4の開度を制御する。
当該「前倒し運転」は、最適起動停止制御装置1の制御に基づき行われる。
実施の形態1における、最適起動停止制御装置1による「前倒し運転」の制御の詳細については後述する。
最適起動停止制御装置1は、対象スケジュール特定部11と、演算部12と、時刻判定部13と、起動制御部14とを備える。
演算部12は、空調機運転時間算出部121と、空調機最適起動時刻算出部122と、熱源機運転時間算出部123と、熱源機最適起動時刻算出部124とからなる。
時刻判定部13は、空調機起動時刻判定部131と、熱源機起動時刻判定部132とからなる。
起動制御部14は、空調機起動制御部141と、熱源機起動制御部142とからなる。
具体的には、対象スケジュール特定部11は、1日のうちに予め設定されている、空調機3の運転スケジュールにおいて、空調機3の起動時刻および停止時刻がスケジュール有効時間内である運転スケジュールを、対象スケジュールと特定する。
なお、空調機3の運転スケジュールは、予め、管理者等によって設定され、最適起動停止制御装置1が参照可能な場所に記憶されている。また、スケジュール有効時間についても、予め、管理者等によって設定され、最適起動停止制御装置1が参照可能な場所に記憶されている。
図3においては、ある1日の、空調機3の運転スケジュールを示している。
例えば、予め、管理者等は、空調機3の通常の運転スケジュールとして、「8:00起動、17:00停止」とする運転スケジュールを設定していたとする(図3のb)。また、管理者等は、図3に示す日について、予め、空調機3の臨時の運転スケジュールとして、「1:00起動、3:00停止」とする運転スケジュールも設定していたとする(図3のa)。すなわち、図3に示す日については、複数回の空調機3の運転スケジュールが設定されている。
また、管理者等は、予め、「7:00から18:00」を、スケジュール有効時間に設定しているものとする。
すなわち、図3の例でいうと、対象スケジュール特定部11は、「8:00起動、17:00停止」という運転スケジュールを、対象スケジュールとして、当該対象スケジュールの情報を演算部12に出力する。
なお、図3では、対象スケジュールが1つのみの場合を示しているが、これに限らず、対象スケジュール特定部11は、スケジュール有効時間内に入っている運転スケジュールが複数ある場合は、当該複数の運転スケジュールを対象スケジュールとする。
演算部12の空調機運転時間算出部121は、制御対象となる室内温度と目標温度との差に基づいて、室内温度を目標温度とするために必要な空調機運転時間を算出する。
空調機運転時間算出部121は、算出した空調機運転時間の情報を、演算部12の空調機最適起動時刻算出部122に出力する。
空調機最適起動時刻算出部122は、算出した空調機最適起動時刻の情報を、熱源機最適起動時刻算出部124、および、時刻判定部13に出力する。
熱源機運転時間算出部123は、算出した熱源機運転時間の情報を、演算部12の熱源機最適起動時刻算出部124に出力する。
熱源機最適起動時刻算出部124は、算出した熱源機最適起動時刻の情報を、時刻判定部13に出力する。
時刻判定部13の熱源機起動時刻判定部132は、現時刻が、熱源機最適起動時刻になったかどうかを判定する。
起動制御部14の熱源機起動制御部142は、熱源機起動時刻判定部132が、熱源機起動最適起動時刻になったと判定した場合に、熱源機コントローラ5を介して熱源機2を起動させる。
図4は、実施の形態1に係る最適起動停止制御装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
図4を用いて以下に説明する動作は、予め設定されている、空調機3の運転スケジュールにおける、空調機3の起動時刻に達する以前の所定時刻から定期的に実施される。
対象スケジュール特定部11は、対象スケジュールの情報を、演算部12に出力する。
具体的には、例えば、空調機運転時間算出部121は、前日までの実績を元に、室内温度が目標温度に達するまでの時間または温度差から、指数平滑によりゲインβ(℃/H)を学習し、当該学習したゲインβで、現在の室内温度と目標温度との差を除して、空調機運転時間を算出する。
これによって、1日のうちで最も空調負荷の高い起動時のゲインのみを学習対象とすることで、学習対象とする状況が揃えられ、適切な学習を行うことができる。2回目以降の対象スケジュールにおける空調機3の起動は、空調負荷の高いゲインを使用して前倒し運転することで、必ず、対象スケジュールの時刻には、室内温度が設定温度に達するようにすることができる。
なお、空調機3の停止の前倒し運転を行う場合は、どの前倒し運転時も、前倒し運転開始時の室内温度と設定温度とが同じであるため、空調機運転時間算出部121は、1回目で学習したゲインを2回目以降で共通して使用することができる。
例えば、起動の前倒し運転を行う場合は、部屋が冷え切っている状態で暖房を開始するのと、既に暖まった部屋の空調を1時間だけ停止させてから暖房を再び開始するのでは、設定温度が同じでも空調開始時点の室温が異なる。しかし、停止の前倒し運転を行う場合は、空調を停止させる時点の室温は、初回であろうと2回目以降であろうと空調機の設定温度で変わらない。よって、どの回の前倒しであろうと似たようなゲインを示すと想定されるため、停止の前倒し運転の学習も、起動の前倒し運転と合わせて、1回目の学習のみとし、1回目で学習したゲインを2回目以降で共通して使用することができる。
具体的には、空調機最適起動時刻算出部122は、対象スケジュールにおける空調機3の起動時刻から、空調機運転時間を差し引くことで、空調機最適起動時刻を算出する。なお、対象スケジュールが複数ある場合、空調機最適起動時刻算出部122は、複数の対象スケジュールそれぞれに対応する、空調機最適移動時刻を算出する。
具体的には、例えば、熱源機運転時間算出部123は、毎日の実績を元に、往水管路103内の保有水温度が、予め設定されている目標熱源水温度に達するまでの時間または温度差から、指数平滑によりゲインα(℃/H)を学習し、当該学習したゲインαで現在の往水管路103内保有水温度と予め設定されている目標熱源水温度との差を除して、熱源機運転時間を算出する。
熱源機運転時間算出部123は、算出した熱源機運転時間の情報を、演算部12の熱源機最適起動時刻算出部124に出力する。
具体的には、熱源機最適起動時刻算出部124は、空調機最適起動時刻から、熱源機運転時間を差し引くことで、熱源機最適起動時刻を算出する。
熱源機最適起動時刻算出部124は、算出した熱源機最適起動時刻の情報を、時刻判定部13に出力する。
ステップST406において、現時刻が熱源機最適起動時刻になっていない場合(ステップST406の“NO”の場合)、ステップST408に進む。
これにより、熱源機側管路101、往水管路103、空調機3の空調機コイル(図示省略)、空調機バルブ4、還水管路104の経路でサプライヘッダ102とリターンヘッダ105との間を熱源水が循環し、熱源機2側、空調機3側ともに配管内保有水の予冷が行われる。
ステップST408において、現時刻が空調機最適起動時刻になっていない場合(ステップST408の“NO”の場合)、ステップST406に戻る。
熱源機最適起動時間の間の空調機バルブ4を開いての熱源機2の起動により(ステップST407参照)、現時刻が空調機最適起動時刻に達した時点では、配管内保有水温度は、目標熱源水温度に達している。よって、熱源機最適起動時間が経過して、空調機最適起動時刻に達し、配管内保有水温度が目標熱源温水温度に一致した時点から、空調機3の運転が開始されることになる。
実施の形態1では、空調機3を前倒し運転させる際の、空調機最適起動時刻は、スケジュール有効時間に関わらず、対象スケジュールの情報と、空調機運転時間の情報とに基づき求めるようにしていた。
この実施の形態2では、空調機3を前倒し運転させる際の、空調機最適起動時刻を、スケジュール有効時間に基づき補正する実施の形態について説明する。
図5は、実施の形態2に係る最適起動停止制御装置1aの構成を示す図である。
図5において、実施の形態1で図2を用いて説明した最適起動停止制御装置1と同様の構成については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
最適起動停止制御装置1aは、実施の形態1の最適起動停止制御装置1とは、演算部12aが、空調機最適起動時刻補正部125をさらに備える点が異なるのみである。
なお、実施の形態2において、空調機最適起動時刻算出部122は、空調機最適起動時刻の情報を、空調機最適起動時刻補正部125に出力する。
空調機最適起動時刻補正部125は、補正後の空調機最適起動時刻の情報を、時刻判定部13に出力する。
図6は、実施の形態2に係る最適起動停止制御装置1aの動作を説明するためのフローチャートである。
図6のステップST601〜ステップST603、ステップST606〜ステップST611の動作は、実施の形態1で説明した図4のステップST401〜ステップST409の動作と同様であるため重複した説明を省略する。
このように、実施の形態2では、OSS制御の前倒し限界時刻を設ける。
2 熱源機
3 空調機
4 空調機バルブ
5 熱源機コントローラ
6 空調機コントローラ
11 対象スケジュール特定部
12,12a 演算部
13 時刻判定部
14 起動制御部
101 熱源機側管路
102 サプライヘッダ
103 往水管
104 還水管路
105 リターンヘッダ
121 空調機運転時間算出部
122 空調機最適起動時刻算出部
123 熱源機運転時間算出部
124 熱源機最適起動時刻算出部
131 空調機起動時刻判定部
132 熱源機起動時刻判定部
141 空調機起動制御部
142 熱源機起動制御部
Claims (4)
- 予め設定されたスケジュール起動時刻に室内温度が目標温度に到達するように空調機を前倒し運転する空調システムの最適起動停止制御装置において、
予め設定されたスケジュール有効時間に基づき、予め設定された複数の運転スケジュールの中から、前記前倒し運転の対象とする対象スケジュールを特定する対象スケジュール特定部と、
制御対象となる前記室内温度と前記目標温度との差に基づいて、当該室内温度を前記目標温度とするために必要な空調機運転時間を算出する空調機運転時間算出部と、
前記対象スケジュール特定部が特定した対象スケジュールの情報と、前記空調機運転時間算出部が算出した空調機運転時間の情報とに基づき、空調機最適起動時刻を算出する空調機最適起動時刻算出部と、
現在時刻が前記空調機最適起動時刻になった場合に、前記空調機を起動させる空調機起動制御部
とを備えた空調システムの最適起動停止制御装置。 - 前記対象スケジュール特定部は、
前記予め設定された複数の運転スケジュールの中から、前記空調機の起動時刻および停止時刻が前記スケジュール有効時間内である運転スケジュールを、前記対象スケジュールと特定する
ことを特徴とする請求項1記載の空調システムの最適起動停止制御装置。 - 前記空調機最適起動時刻算出部が算出した空調機最適起動時刻が、前記スケジュール有効時間の開始時刻よりも前である場合、前記空調機最適起動時刻を、前記スケジュール有効時間の開始時刻に補正する空調機最適起動時刻補正部をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の空調システムの最適起動停止制御装置。 - 予め設定されたスケジュール起動時刻に室内温度が目標温度に到達するように空調機を前倒し運転する空調システムの最適起動停止制御方法において、
対象スケジュール特定部が、予め設定されたスケジュール有効時間に基づき、予め設定された複数の運転スケジュールの中から、前記前倒し運転の対象とする対象スケジュールを特定するステップと、
空調機運転時間算出部が、制御対象となる前記室内温度と前記目標温度との差に基づいて、当該室内温度を前記目標温度とするために必要な空調機運転時間を算出するステップと、
空調機最適起動時刻算出部が、前記対象スケジュール特定部が特定した対象スケジュールの情報と、前記空調機運転時間算出部が算出した空調機運転時間の情報とに基づき、空調機最適起動時刻を算出するステップと、
空調機起動制御部が、現在時刻が前記空調機最適起動時刻になった場合に、前記空調機を起動させるステップ
とを備えた空調システムの最適起動停止制御方法。
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