JP6909364B1 - 軟質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

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Abstract

水処理用微生物固定化担体に用いられる軟質ポリウレタンフォームの製造方法であって、ウレタンプレポリマー及びポリイソシアネート化合物(a)を含む混合溶液を、発泡容器に注入し、発泡させて、軟質ポリウレタンフォームを得る工程を有し、前記発泡容器の前記混合溶液が接する壁面の温度TWが、21〜60℃であり、前記軟質ポリウレタンフォームは、水膨潤時の膨潤密度が25〜70kg/m3であり、水膨潤時の平均気孔数が9〜30個/25mmであり、絶乾状態の体積に対する水膨潤時の体積の比で表される体積膨潤率が110〜1000%である、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。

Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
従来、微生物を利用して汚水を処理する汚水処理装置に用いられる担体として、微生物固定化性能、親水性・耐久性及び水沈降性に優れる軟質ポリウレタンフォームから形成される担体が検討されてきた。
特許文献1には、担体表面から内部にかけて連通した気孔を有するポリウレタン発泡体からなる水膨潤性を有する水処理用担体において、前記ポリウレタン発泡体は立方体、直方体、または円柱であり、水膨潤後の立方体または直方体の全ての辺の長さ、または水膨潤後の円柱の直径及び高さが8〜100mmであって、水膨潤後の平均気孔数が10〜50個/25mm、体積膨潤率が150〜1000%であることを特徴とする水処理担体が記載されている。
特許文献2には、ポリイソシアネート化合物(a)とポリオール化合物(b)を反応させて得られる1分子中に少なくとも2個の末端イソシアネート基を有する親水性ポリウレタンプレポリマー(c)とポリイソシアネート化合物(a)との混合物に水を加えて反応させてなるポリウレタンフォームであって、前記ポリイソシアネート化合物(a)及び/または(a)の少なくとも一部が、ポリメリック成分を実質上含まない精製ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする薬剤耐性を付与した水膨潤性ポリウレタンフォームとその製造方法及びそれを用いたバイオリアクター用担体が記載されている。
中国実用新案第204454746号明細書 特開2004−359950号公報
水処理用微生物固定化担体用の軟質ポリウレタンフォームは、一般にはポリイソシアネート化合物とポリオール化合物、あるいはウレタンプレポリマーとポリイソシアネート化合物とを、発泡剤及び整泡剤等とともに混合して発泡させることにより製造される。中でもバッチ法により軟質ポリウレタンフォームを製造する場合、個々のスラブの底面積を大きく、また高さを高く製造した方が生産効率を上げることができるが、スラブが大きくなると、混合液の投入量が多くなり、吐出量を増すにも上限がある中で、発泡容器へ混合液を投入中に、先に投入した混合液が硬化してしまうことから、密度、水膨潤性、及び気孔構造(以下「セル構造」ともいう)が軟質ポリウレタンフォームスラブ内で大きくバラツキ、物性の均質性を確保することが難しかった。
一方、スラブが小さくなると、スラブ内の中心部分と周囲部分(上面、下面、側面)では、密度、水膨潤性、及びセル構造が異なる為、物性の均質性を確保した部分が少なくなり、歩留まりが低下する。
また、通常、発泡容器上部は解放された状態である為、スラブ上部はアーチ状となり、軟質ポリウレタンフォームをスラブの底面に水平(以下、「水平方向」ともいう)にスライスしてウレタンフォームシートを作製する場合には、アーチ状の部分はスライスしたときに面積が小さく、使用できる範囲が少ないため生産効率が低下する等の課題を有していた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、バッチ法により、密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを、効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、所定の成分を含む混合溶液を所定の壁面温度を有する発泡容器に注入し、発泡させるバッチ法により、密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを、効率的に得られることを見出したことに基づくものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供する。
[1]水処理用微生物固定化担体に用いられる軟質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
ウレタンプレポリマー及びポリイソシアネート化合物(a)を含む混合溶液を、発泡容器に注入し、発泡させて、軟質ポリウレタンフォームを得る工程を有し、
前記発泡容器の前記混合溶液が接する壁面の温度Tが、21〜60℃であり、
前記軟質ポリウレタンフォームは、水膨潤時の膨潤密度が25〜70kg/m3であり、水膨潤時の平均気孔数が9〜30個/25mmであり、絶乾状態の体積に対する水膨潤時の体積の比で表される体積膨潤率が110〜1000%である、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
[2]前記軟質ポリウレタンフォームを得る工程において、前記発泡容器の上面に蓋をする、上記[1]に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
[3]前記軟質ポリウレタンフォームの高さが、300mm〜1200mmである、上記[1]又は[2]に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
[4]前記軟質ポリウレタンフォームの体積が、0.03〜0.8mである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
[5]前記混合溶液を、注入速度5〜200kg/minで注入する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
[6]前記混合溶液を、発泡容器の壁面に沿わせて注入する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
[7]前記混合溶液の温度Tと前記壁面の温度Tの差の絶対値が、0〜40である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
本発明の製造方法によれば、バッチ法により、密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを、効率的に得ることができる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、水処理用微生物固定化担体用の軟質ポリウレタンフォームの製造方法である。
前記製造方法は、ウレタンプレポリマー及びポリイソシアネート化合物(a)を含む混合溶液を、発泡容器に注入し、発泡させて、軟質ポリウレタンフォームを得る工程を有し、前記発泡容器の前記混合溶液が接する壁面の温度Tが、21〜60℃である。
前記軟質ポリウレタンフォームは、水膨潤時の膨潤密度が25〜70kg/m3であり、水膨潤時の平均気孔数が9〜30個/25mmであり、絶乾状態の体積に対する水膨潤時の体積の比で表される体積膨潤率が110〜1000%である。
ここで、本発明で言う「水膨潤時」とは、軟質ポリウレタンフォームを25℃の水に1時間浸漬させた状態を指す。
また、本発明で言う「膨潤密度」とは、絶乾状態の質量を水膨潤時の体積で除した値として求められる値を指す。前記膨潤密度は、具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
また、前記「絶乾状態」とは、軟質ポリウレタンフォームを100℃で乾燥させて、質量の減少が見られなくなった状態を指す。絶対乾燥状態と言う場合もある。
また、本発明で言う「体積膨潤率」とは、絶乾状態の体積に対する水膨潤時の体積の比で表される値を指す。また、「絶乾状態の体積」は、軟質ポリウレタンフォームの気孔も含むものとし、該軟質ポリウレタンフォームの絶乾状態の外形の寸法に基づいて求められる体積とする。更に、「水膨潤時の体積」とは、軟質ポリウレタンフォームの気孔及びこれに吸収された水も含むものとし、該軟質ポリウレタンフォームが膨潤した状態の外形の寸法に基づいて求められる体積とする。例えば、軟質ポリウレタンフォームが直方体状である場合は、直方体の縦、横及び高さの3辺の長さの積として算出される値を、該軟質ポリウレタンフォームの体積とする。
上記のように、混合溶液を壁面の温度が制御された発泡容器に注し、発泡させることにより、バッチ法により、密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを、効率的に製造することができる。
[軟質ポリウレタンフォームを得る工程]
軟質ポリウレタンフォームを得る工程は、ウレタンプレポリマー及びポリイソシアネート化合物(a)を含む混合溶液を、発泡容器に注入し、発泡させて、前記軟質ポリウレタンフォームを得る工程であり、前記発泡容器の前記混合溶液が接する壁面の温度T(以後、壁面の温度Tとも言う。)は、21〜60℃である。なお、壁面の温度Tは、混合溶液を注入し、発泡が完了するまで、21〜60℃の範囲内である。
<混合溶液>
混合溶液は、ウレタンプレポリマー及びポリイソシアネート化合物(a)を含む。
(ウレタンプレポリマー)
ウレタンプレポリマーは、ポリオール化合物と、該ポリオール化合物の水酸基に対して、イソシアネート基のモル当量比が過剰となる量、好ましくは110%以上のポリイソシアネート化合物(b)とを反応させて得られるポリマーであり、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有している。前記ウレタンプレポリマーは、1種単独であっても、2種以上を併用してもよい。
このようなプレポリマーを原料化合物として用いることにより、水膨潤性に優れかつ密度、セル構造のバラつきが小さく、均質性に優れた軟質ポリウレタンフォームが得られやすい。
ウレタンプレポリマーとしては、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物(b)とを反応させて得られた、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリエーテル系ウレタンプレポリマー、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物(b)とを反応させて得られた、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレポリマー等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールも、ポリエステルポリオールも、いずれも親水性を付与し得るが、ポリエステルポリオールに比べて、ポリエーテルポリオールの方が耐加水分解性に優れている。本発明においては、製造される軟質ポリウレタンフォームが、水処理用微生物固定化担体として水中で用いられるものであるため、該軟質ポリウレタンフォームの耐久性の観点から、ポリエーテル系ウレタンプレポリマーがポリエステル系ウレタンプレポリマーよりも好ましい。
また、ウレタンプレポリマーは、取り扱いやすさ等の観点から粘度が高すぎないことが好ましく、その粘度は、スピンドル型粘度計での25℃における測定値が、300〜9500mPa・sであることが好ましく、300〜9000mPa・sであることがより好ましく、更に好ましくは300〜8500mPa・sである。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。これらは、それぞれ、環状エーテル化合物である、酸化エチレン(EO)、酸化プロピレン(PO)、テトラヒドロフランの開環重合により得られる。ポリエーテルポリオールは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、環状エーテル化合物の共重合体であってもよく、水処理用微生物固定化担体として水中で用いられるものであるため、軟質ポリウレタンフォームの親水性等の観点から、特に、EO−PO共重合体が好ましい。
EO−PO共重合体におけるEOとPOとのモノマー組成比は、質量比で70/30〜30/70であることが好ましく、より好ましくは65/35〜40/60、更に好ましくは60/40〜50/50である。
ポリイソシアネート化合物(b)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、特に限定されるものではない。ポリイソシアネート化合物(b)としては、例えば、トルエンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物(b)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート化合物(b)は、異性体がある化合物である場合には、各異性体の1種のみでもよく、2種以上の異性体の混合物であってもよい。例えば、TDIは、トルエン−2,4−ジイソシアネート(2,4−TDI)とトルエン−2,6−ジイソシアネート(2,6−TDI)の2種の異性体があり、2,4−TDI及び2,6−TDIのいずれか一方のみを用いても、2種の混合物を用いてもよい。
ポリイソシアネート化合物(b)は、得られるプレポリマーの増粘度合いの観点から、好ましくはトルエンジイソシアネートである。
混合溶液中のウレタンプレポリマーの含有量は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは30〜60質量%である。
(ポリイソシアネート化合物(a))
ポリイソシアネート化合物(a)は、特に限定されるものではなく、具体例としては、前記ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリイソシアネート化合物(b)について例示したものと同様のものが挙げられる。ポリイソシアネート化合物(a)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、ポリイソシアネート化合物(a)は、前記ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリイソシアネート化合物(b)と同じであっても、異なっていてもよい。
ポリイソシアネート化合物(a)は、耐久性(弾力性及び耐摩耗性)に優れる水処理用微生物固定化担体用の軟質ポリウレタンフォームを得る観点から、好ましくはトルエンジイソシアネートである。
混合溶液中のポリイソシアネート化合物(a)の含有量は、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1.5〜20質量%、更に好ましくは2〜10質量%である。
混合溶液は、発泡剤を含むことが好ましい。
発泡剤としては、例えば、水、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、炭酸ガス、シクロペンタン等の炭化水素等が挙げられる。これらの発泡剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。前記発泡剤の中でも、取り扱い容易性やコスト、環境保全等の観点から、水が好ましい。
混合溶液中の発泡剤の種類、含有量は、水処理用微生物固定化担体の微生物固定化性能に影響を与える軟質ポリウレタンフォームの気孔サイズ等を考慮して適宜設定することができる。
混合溶液は、硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤は、ウレタンプレポリマーとポリイソシアネート化合物(a)を架橋硬化させるために添加されるものであり、架橋剤と呼ばれる場合もある。
硬化剤としては、例えば、水;グリセリン、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール等の多価アルコール;エタノールアミン類、ポリエチレンポリアミン類等のアミン化合物等が挙げられる。また、前記多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を開環重合させたポリオール類、前記アミン化合物に少量のプロピレンオキサイドを付加したもの等も挙げられる。これらの硬化剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。前記硬化剤の中でも、反応性、取り扱い容易性やコスト等の観点から、水が好ましい。
混合溶液中の硬化剤の含有量は、水処理用微生物固定化担体の微生物固定化性能や強度に影響を与える、軟質ポリウレタンフォームの柔軟性や弾力性、強度等を考慮して、適宜設定することができる。
上記のように、水は水処理用微生物固定化担体に用いられる軟質ポリウレタンフォームの製造において、発泡剤及び硬化剤として用いることが好適である。発泡剤かつ硬化剤として水が用いられる場合、混合溶液中の水の含有量は、好ましくは20〜55質量%であり、より好ましくは25〜50質量%である。
混合溶液は、無機フィラーを含むことが好ましい。無機フィラーを用いることにより、製造される軟質ポリウレタンフォームの比重を調整することができ、該軟質ポリウレタンフォームを用いて作成した水処理用微生物固定化担体を水に投入した際に速やかに水中に沈降させることができる。
前記無機フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナ、活性炭、ゼオライト等が挙げられる。前記無機フィラーは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。無機フィラーは、嵩体積が小さい方が好ましく、この観点から比重の大きい硫酸バリウムが好ましい。
また、前記無機フィラーは、製造される軟質ポリウレタンフォーム中での均一な分散性等の観点から、平均粒径が0.1〜100μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜70μm、更に好ましくは1〜50μmである。
なお、本発明で言う「平均粒径」とは、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(D50)を指す。具体的には、レーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置「MT3300」(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定されたD50値とする。
混合溶液が無機フィラーを含む場合、該無機フィラーの含有量は、製造される軟質ポリウレタンフォームの比重等の物性に応じて適宜調整されるが、前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1〜25質量部、更に好ましくは2〜20質量部である。
混合溶液には、ウレタンプレポリマー、ポリイソシアネート化合物(a)、発泡剤、硬化剤及び無機フィラー以外に、必要に応じて、整泡剤、触媒、溶剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤が含まれていてもよい。
前記整泡剤は、気孔サイズや密度等がより均一である軟質ポリウレタンフォームを得るために添加される。整泡剤としては、例えば、界面活性剤、シリコーンオイル等が挙げられる。これらの整泡剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。整泡剤の中でも、分子末端に水酸基を有し、イソシアネートと化学的な結合が可能である界面活性剤が、水処理用微生物固定化担体として処理槽へ投入された時に溶け出し難い点から好ましい。界面活性剤の中でも、アニオン系界面活性剤と比べ、泡立ちが少ない、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
前記触媒を、ウレタンプレポリマーとポリイソシアネート化合物(a)との反応を促進するために添加してもよい。前記触媒としては、軟質ポリウレタンフォームの合成に用いられる公知の触媒が使用でき、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等のアミン触媒;スタナスオクトエート、ジブチルチンジラウレート等の錫触媒;フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等のその他の金属触媒等が挙げられる。前記触媒の中でも、アミン触媒が好ましい。
混合溶液に添加剤が含まれる場合、混合溶液中の添加剤の含有量は、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%である。
混合溶液に含まれる成分の混合方法は、特に限定されるものではないが、予めウレタンプレポリマーとポリイソシアネート化合物(a)を混合し、その混合物に発泡剤を添加することにより、ウレタンプレポリマーとポリイソシアネート化合物(a)を含む混合物を発泡させることが好ましい。上記以外の成分においては、ウレタンプレポリマーとポリイソシアネート化合物(a)を含む混合物、または発泡剤にその特性を考慮した上で添加してもよい。
<発泡容器>
本発明で用いられる発泡容器は、特に限定されるものではないが、混合溶液が接する壁面の温度Tは、混合溶液を注入し、発泡が完了するまで、21〜60℃の範囲内である。
水処理用微生物固定化担体に用いられるような軟質ポリウレタンフォームは、一般に、発泡する際、発熱を伴う。軟質ポリウレタンフォームのスラブの中心部分は、発泡時の発熱が内部にこもって温度が高くなるが、スラブの側面に近い部分(発泡容器の壁面に近い部分)では中心部分よりも温度が低くなるため、反応速度が中心部分と側面に近い部分で異なり、その結果、軟質ポリウレタンフォームの密度、水膨潤性、及びセル構造等の物性が中心部分と側面に近い部分で異なる現象が生じやすい。一方、軟質ポリウレタンフォームのスラブの中心部分よりも発泡容器の温度が高い場合には、反応速度が中心部分よりも側面に近い部分で早くなり、その結果、軟質ポリウレタンフォームの密度、水膨潤性、及びセル構造等の物性が中心部分と側面に近い部分で異なる現象が生じやすく、全体的にも密度が低下してしまう。壁面の温度Tを上記範囲とすることで、壁面部分に存在する混合溶液の急激な温度低下や温度上昇を抑制することが可能となり、その結果、物性の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを、効率的に製造することができる。
軟質ポリウレタンフォームを得る工程における壁面の温度Tは、密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを得る観点、及び軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造する観点から、好ましくは22℃以上、より好ましくは23℃以上、更に好ましくは24℃以上であり、同様の観点から、好ましくは55℃以下、より好ましくは50℃以下、更に好ましくは45℃以下である。
また、混合溶液の温度Tと壁面の温度Tの差の絶対値が、0〜40℃であることが好ましい。ここで、本発明で言う「混合溶液の温度T」とは、混合溶液の成分を全て混合撹拌した直後の混合溶液の温度を指す。混合溶液の温度Tと壁面の温度Tの差の絶対値を、このような範囲とすることで、より密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを、より効率的に製造することができる。
混合溶液の温度Tと壁面の温度Tの差の絶対値は、密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを得る観点、及び軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造する観点から、好ましくは0〜30℃であり、より好ましくは0〜25℃である。
発泡容器の形状は、軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造する観点から、立方体型や直方体型であることが好ましい。また、発泡容器は、軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造する観点から、上面が解放された容器本体と、容器本体の解放された上面を閉鎖する蓋を有することが好ましい。
軟質ポリウレタンフォームを得る工程において、このような発泡容器を用い、発泡容器の上面に蓋をすることで、所望の形状である軟質ポリウレタンフォームを製造することが可能となり、軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造することができる。
蓋の温度は、特に限定されるものではなく、温度を調節しなくてもよく、発泡容器の混合溶液が接する壁面と同様の温度等、適宜所望の温度に調節してもよい。
また、発泡容器の形状が立方体型や直方体型であることで、軟質ポリウレタンフォームの形状も立方体や直方体として得られる。その結果、所望の水処理用微生物固定化担体に用いる為に軟質ポリウレタンフォームを切断する場合、廃棄する部分が少なくなり、効率的に製造することができる。
発泡容器の内寸の高さは、軟質ポリウレタンフォームの密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性を確保しつつ、効率的に製造する観点から、好ましくは300mm〜1200mmであり、より好ましくは400mm〜1000mm、更に好ましくは500mm〜800mmである。
発泡容器内側の混合溶液を収容することが可能となる容積は、軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造する観点から、好ましくは0.03〜0.8mであり、より好ましくは0.1〜0.6m、更に好ましくは0.2〜0.5mである。
発泡容器に混合溶液を注入する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ミキシングヘッドを用いて混合して注入する方法等により行うことができる。
発泡容器に混合溶液を注入する際、混合溶液を発泡容器の壁面に沿わせて注入することが好ましい。このように注入することで、注入中の混合溶液を既に注入された混合溶液の下方に注入することができ、既に注入された混合溶液に含まれる発泡により形成された気泡が、後から注入された混合溶液に、押し潰されることを抑制することができる。その結果、より密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを、効率的に製造することができる。
発泡容器に混合溶液を注入する際の注入速度は、密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れる軟質ポリウレタンフォームを得る観点から、好ましくは5〜200kg/min、より好ましくは50〜150kg/min、更に好ましくは75〜125kg/minである。
発泡容器の上面に蓋をする場合、上面に一部又は全部蓋をした状態で混合溶液を発泡容器に注入してもよく、混合溶液の注入の途中で蓋をしてもよく、混合溶液の注入が完了し、混合溶液の発泡が完了する前に蓋をしてもよい。
<軟質ポリウレタンフォーム>
本発明により得られる軟質ポリウレタンフォームは、ウレタンプレポリマー及びポリイソシアネート化合物(a)を含む混合溶液を発泡容器に注入し、発泡させることにより得られるものであり、水膨潤時の膨潤密度が25〜70kg/m3であり、水膨潤時の平均気孔数が9〜30個/25mmであり、絶乾状態の体積に対する水膨潤時の体積の比で表される体積膨潤率が110〜1000%である。
前記軟質ポリウレタンフォームの水膨潤時の膨潤密度は、水処理用微生物固定化担体に適用されるものとして、好ましくは28〜60kg/m3、より好ましくは28.5〜50kg/m3である。
水膨潤時の膨潤密度が25kg/m3未満の軟質ポリウレタンフォームは、樹脂量が少なすぎて、強度が低く、変形しやすく、これを用いて製造した水処理用微生物固定化担体は、処理槽のスクリーンの目詰まりや、変形してスクリーンを通過し処理槽から漏出する等の不都合を生じるおそれがある。また、樹脂量が少ないと、物理摩耗に対して弱く、体積減少(消耗)が早くなる。
一方、水膨潤時の膨潤密度が70kg/m3超では、原料コストが過大となるため好ましくない。
前記軟質ポリウレタンフォームのセル構造は、水中において微生物、微生物の呼吸に必要な酸素、及び微生物の活動・増殖に必要な栄養、微生物により除去される対象物(有機物(炭化水素)、窒素化合物、リン化合物)等の基質を十分に内部に侵入させて水処理用微生物固定化担体に微生物を固定化させる観点から、連通気孔構造であることが望ましい。また、水膨潤時の平均気孔数が、9〜30個/25mmであり、好ましくは10〜25個/25mmであり、より好ましくは11〜20個/25mmである。
前記「水膨潤時の平均気孔数」は、水膨潤時の軟質ポリウレタンフォームの任意の3本の長さ25mmの直線上に存在する気孔数の平均値を指す。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明により得られる軟質ポリウレタンフォームは、良好な親水性等の観点から、水膨潤による体積膨潤率が、110〜1000%であり、好ましくは120〜800%、より好ましくは140〜500、更に好ましくは150〜300%である。
前記体積膨潤率が110%未満である軟質ポリウレタンフォームは、水との馴染みが十分とは言えず、親水性に優れているとは言い難いものである。
一方、前記体積膨潤率が1000%超の軟質ポリウレタンフォームは、水処理用微生物固定化担体として必要な耐久性能を維持することが困難となるため好ましくない。
また、絶乾状態における密度を表す絶乾密度が、好ましくは48〜130kg/m、より好ましくは49〜110kg/m、更に好ましくは50〜90kg/mである。
また、水膨潤時の平均気孔径が、好ましくは0.20〜2.00mm、より好ましくは0.50〜1.90mm、更に好ましくは0.70〜1.80mmである。水膨潤時の平均気孔径がこの範囲であると、水中において微生物、微生物の呼吸に必要な酸素、及び微生物の活動・増殖に必要な栄養、微生物により除去される対象物(有機物(炭化水素)、窒素化合物、リン化合物)等の基質を十分に内部に侵入させて微生物を固定化し易くなる。
ここで、「水膨潤時の平均気孔径」とは、水膨潤時の軟質ポリウレタンフォームの断面における1個の気孔について、長径と短径を測定し、該長径と該短径の平均値を直径とする真円とみなし、同様にして、合計50個の気孔について、それぞれ、真円とみなした場合の直径の平均値とする。
また、セル構造を構成する軟質ポリウレタンの骨格部分は、十分な気孔径及び表面積を維持する観点から、水膨潤時の隣接する気孔間の骨格のうち最小部分の幅が、好ましくは0.05〜0.50mm、より好ましくは0.07〜0.40mm、更に好ましくは0.10〜0.30mmである。
また、水中において多くの微生物を固定化させるのに適したセル構造として、前記骨格部分は、細い棒状の骨格からなる、いわゆるリブ構造であるよりも、隣接する気孔間が部分的に膜状となり壁面で区画される事で表面積が大きな、いわゆるウォール構造であることが好ましい。
軟質ポリウレタンフォームは、軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造する観点から、スラブ状として製造することが好ましい。スラブ状として製造される軟質ポリウレタンフォームの高さは、軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造する観点から、好ましくは300mm〜1200mmであり、より好ましくは400mm〜1000mm、更に好ましくは500mm〜800mmである。
軟質ポリウレタンフォームの体積は、軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造する観点から、好ましくは0.03〜0.8mであり、より好ましくは0.1〜0.6m、更に好ましくは0.2〜0.5mである。
ここで、本発明で言う「軟質ポリウレタンフォームの体積」は、軟質ポリウレタンフォームの気孔も含むものとし、該軟質ポリウレタンフォームの外形の寸法に基づいて求められる体積とする。
軟質ポリウレタンフォームは、例えば、スラブ状として得られたものを、所望のサイズに切断加工等することにより、水処理用微生物固定化担体として供することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
[製造原料]
軟質ポリウレタンフォームの製造に用いた原料化合物の詳細を以下に示す。
・ウレタンプレポリマー(1):TDI変性EO−PO共重合体;EO/PO質量比:55/45、EO−PO共重合体の数平均分子量:2700(理論値)、NCO(イソシアネート基)含有量:4.5質量%、粘度(25℃):8000mPa・s
・ウレタンプレポリマー(2):TDI変性EO−PO共重合体;EO/PO質量比:50/50、EO−PO共重合体の数平均分子量:2500(理論値)、NCO(イソシアネート基)含有量:4.5質量%、粘度(25℃):8000mPa・s
・ポリイソシアネート化合物(a):TDI;「コロネート(登録商標) T−80」、東ソー株式会社製、2,4−TDI/2,6−TDI質量比:80/20
・無機フィラー:硫酸バリウム;堺化学工業株式会社製、平均粒径20〜30μm、比重4.3
・硬化剤・発泡剤:水
・整泡剤:ノニオン性界面活性剤;「ニューポール(登録商標) PE−75」、三洋化成工業株式会社製
・触媒:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル;「Niax(登録商標) Catalyst A―1」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製
<実施例1>
TDI変性EO−PO共重合体(ウレタンプレポリマー(1))400kg、TDI(ポリイソシアネート化合物(a))53.4kg、及び硫酸バリウム(無機フィラー)50.0kgを撹拌混合し、A1液とした。
A1液とは別に、水350kg及び整泡剤7kgを撹拌混合し、B1液とした。
次に、A1液(28℃)とB1液(14℃)をそれぞれのタンクから、配合質量比1.48(A1液/B1液)でミキシングヘッドにポンプで送液した。前記ミキシングヘッドから、A1液及びB1液の原料混合液を、内寸が縦800mm×横800mm×高さ660mm、壁面温度Tが25℃である発泡容器に吐出させ、注入完了後、発泡容器に蓋をし、2時間静置して、スラブ状の軟質ポリウレタンフォームを製造した。
上記方法にて、スラブ状の軟質ポリウレタンフォームを2回製造した。
<実施例2、及び比較例1、2>
壁面温度Tを、それぞれ表1に示す温度とし、それ以外は実施例1と同様にして、軟質ポリウレタンフォームを製造した。なお、実施例2においては5回、比較例1においては1回、比較例2においては4回、スラブ状の軟質ポリウレタンフォームを製造した。
<実施例3>
TDI変性EO−PO共重合体(ウレタンプレポリマー(2))400kg、TDI(ポリイソシアネート化合物(a))53.4kg、及び硫酸バリウム(無機フィラー)50.0kgを撹拌混合し、A2液とした。
A2液とは別に、水350kg、整泡剤29kg、及び触媒6.7kgを撹拌混合し、B2液とした。
次に、A2液(28℃)とB2液(14℃)を用い、壁面温度Tを表1に示す温度とし、それ以外は実施例1と同様にして、軟質ポリウレタンフォームを製造した。なお、スラブ状の軟質ポリウレタンフォームを2回製造した。
[評価]
<歩留まり>
上記実施例及び比較例により得られたスラブ状の軟質ポリウレタンフォームの最頂部から10mm下の位置で水平方向にスライスし、また下面から10mm上の位置で水平方向にスライスした。
続いて、水平方向に10mmの間隔でスライスし、厚さ10mmの軟質ポリウレタンフォームシートを得た。
得られたそれぞれの軟質ポリウレタンフォームシートを、縦10mm×横10mm×厚さ10mmの軟質ポリウレタンフォーム片(以下、「軟質ポリウレタンフォーム片」とも言う。)が得られるよう、厚み方向に打ち抜いた。打ち抜き後、軟質ポリウレタンフォームシートの側周面よりも10mm以上内側の領域Xの内部に全てが存在する軟質ポリウレタンフォーム片を回収し、前記領域Xよりも外側に全部又は一部が存在する軟質ポリウレタンフォーム片は取り除き、廃棄した。
上記実施例及び比較例で製造した軟質ポリウレタンフォームの歩留まりについては、下記の方法により評価した。
具体的には、回収した軟質ポリウレタンフォーム片の総重量を発泡容器に注入した混合溶液の重量で除した値に100を掛けた値を歩留まりとした。
歩留まりの評価結果をまとめて表1に示す。
<物性>
上記実施例及び比較例で製造した各軟質ポリウレタンフォームについて、歩留まり評価と同様に、縦10mm×横10mm×高さ10mmである軟質ポリウレタンフォーム片を製造し、これを試料とした。
なお、それぞれにおいて、実施例により得られたスラブ状の軟質ポリウレタンフォームの中心部分(発泡容器の各壁面から300mm以上離れた位置)と発泡容器の壁面近傍(発泡容器の壁面から10〜50mmの間)に存在した試料の2種について以下の物性を評価した。
また、物性においては、1回目に製造した軟質ポリウレタンフォームについて測定した。
(絶乾密度)
絶乾状態における試料の各辺の長さをノギスで測定し、測定した各辺の長さの積として算出した体積を、絶乾状態の体積Vdとみなした。
上記のようにして求めた試料の前記絶乾状態の質量Mdを、前記絶乾状態の体積Vdで除した値を絶乾密度とした。
(膨潤密度)
試料を25℃の水に1時間浸漬させ、平置きで水に浸漬させた状態で、試料の各辺の長さをノギスで測定した。測定した各辺の長さの積として算出した体積を、試料の水膨潤時の体積Vwとみなした。
前記絶乾状態の質量Mdを、前記水膨潤時の体積Vwで除した値を膨潤密度とした。
(体積膨潤率)
前記絶乾状態の体積Vdに対する前記水膨潤時の体積Vwの比を体積膨潤率(%)として求めた。
(平均気孔数)
上記において水膨潤時の体積を測定した後の試料の面中央部分を、赤色インキで着色した。着色部分に直尺を当てて、該着色部分と直尺の目盛とが含まれるように写真撮影した。撮影した写真の拡大画像において、直尺の任意の箇所の目盛の25mmの間隔位置の範囲内で、直尺との任意の平行線上に観察される気孔の個数を数えた。同様の測定を任意の3か所で行い、3回測定した気孔数の平均値を、水膨潤時の25mm当たりの平均気孔数とした。
Figure 0006909364
実施例1及び2においては、壁面温度Tを25℃及び30℃とすることで、良好な歩留まりが得られた。つまり、壁面温度Tを21〜60℃とすることで、軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造することができることが認められた。また、得られたポリウレタンフォームは、所定の水膨潤時の膨潤密度、水膨潤時の平均気孔数及び体積膨潤率を有し、中心部分と側面近傍の物性値の差が小さく、物性の均質性に優れるものであることが確認された。
一方、比較例1及び2においては、発泡容器の壁面温度Tが低いため、壁面近くの混合溶液がこの影響を受け、製造後の軟質ポリウレタンフォームは、中心部の高さが高く、発泡溶液の壁面周辺部の高さが低い、山状の形状であった。その結果、歩留まりが低く、また、軟質ポリウレタンフォームの中心部分と壁面近傍では、物性値の差が大きいものが多かった。
以上のように、本発明の製造方法によれば、バッチ法により、所定の水膨潤時の膨潤密度、水膨潤時の平均気孔数、及び体積膨潤率を有し、密度、水膨潤性、及びセル構造の均質性に優れた軟質ポリウレタンフォームを効率的に製造することができる。

Claims (7)

  1. 水処理用微生物固定化担体に用いられる軟質ポリウレタンフォームの製造方法であって、
    ウレタンプレポリマー及びポリイソシアネート化合物(a)を含む混合溶液を、発泡容器に注入し、発泡させて、軟質ポリウレタンフォームを得る工程を有し、
    前記発泡容器の前記混合溶液が接する壁面の温度Tが、21〜60℃であり、
    前記混合溶液の温度T と前記壁面の温度T の差の絶対値が、0〜40℃であり、
    前記軟質ポリウレタンフォームは、水膨潤時の膨潤密度が25〜70kg/m3であり、水膨潤時の平均気孔数が9〜30個/25mmであり、絶乾状態の体積に対する水膨潤時の体積の比で表される体積膨潤率が110〜1000%である、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 前記軟質ポリウレタンフォームを得る工程において、前記発泡容器の上面に蓋をする、請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 前記軟質ポリウレタンフォームの高さが、300mm〜1200mmである、請求項1又は2に記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  4. 前記軟質ポリウレタンフォームの体積が、0.03〜0.8mである、請求項1〜3のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 前記混合溶液を、注入速度5〜200kg/minで注入する、請求項1〜4のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  6. 前記混合溶液を、発泡容器の壁面に沿わせて注入する、請求項1〜5のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
  7. 前記混合溶液の温度T と前記壁面の温度T の差の絶対値が、0〜30℃である請求項1〜6のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
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