JP6909262B2 - ターンテーブルを有する竪型射出成形装置 - Google Patents
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Description
型開閉と射出が水平であるものが横型射出成形装置と呼ばれ、鉛直であるものが竪型射出成形装置と呼ばれる。
特許文献1の装置を図15に基づいて説明する。
図15(a)は従来の竪型射出成形装置の基本構成図(正面図)であり、竪型射出成形装置200は、金型201と、この金型201を型開閉する型締装置202と、この型締装置202の上に配置され且つ射出軸が鉛直である射出装置203とを主要素とする。
金型201に材料取り込み流路が設けられ、この材料取り込み流路に昇降ロッドが設けられ、この昇降ロッドがシリンダ部で駆動される。シリンダ部により材料取り込み流路が昇降ロッドで開閉される。シリンダ部は空気で駆動される(特許文献1、段落0030〜0033)。そのため、ターンテーブル204上に空気ホースが配置される。
大きな型締力が必要であるときは、型締装置202に油圧シリンダが採用される。
油圧シリンダに、給油ホースと排油ホースとを接続するが、これらのホースもターンテーブル204上に配置される。
これらの動力系ラインが、ターンテーブル204上に雑然と配置されることは好ましくない。
そこで、ターンテーブルを有する竪型射出成形装置において、複数の動力系ラインを整然とレイアウトすることができる構造が求められる。
そこで、ターンテーブルを有する竪型射出成形装置において、金型個数分の真空ホースを整然とレイアウトすることができる構造が求められる。この真空ホースも動力系ラインに含まれる。
そこで、ターンテーブルを有する竪型射出成形装置において、金型個数分の給電線を整然とレイアウトすることができる構造が求められる。
前記型締装置は、油圧式の型締シリンダを備え、
前記中心軸は、中空軸であり、
この中空軸を、上部管と、中間管と、下部管とに分割し、前記上部管と前記中間管を上部ロータリジョイントで繋ぐと共に前記中間管と前記下部管を下部ロータリジョイントで繋ぐことで、前記上部管を非回転管とし、前記中間管を前記ターンテーブルと同期して回転する回転管とし、前記下部管を非回転管とし、
前記上部管及び中間管の上部を給油系とし、前記中間管の上部に給油口を設け、
前記中間管の下部及び前記下部管を排油系とし、前記中間管の下部に排油口を設け、
前記給油口を用いて前記型締シリンダへ給油し、前記排油口を用いて前記型締シリンダから排油するようにしたことを特徴とする。
前記給油口は1個であり、
この給油口から給油管を前記型締シリンダの近傍まで延ばし、前記給油管に1本の給油ヘッダを接続し、この給油ヘッダから前記型締シリンダへ給油するようにしたことを特徴とする。
前記上部管を囲う部位に、スリップリングを備え、このスリップリングは、前記ターンテーブルに同期して回転するリングアウターと、このリングアウターに電気的に接続しつつ非回転のリングインナーとで構成され、
前記金型の温度調節に供するヒータを備え、
前記スリップリングを介して、前記ヒータへ給電するようにしたことを特徴とする。
前記下部管を囲い且つ前記ターンテーブルを貫通する部位に、水等の分配器を備え、
前記金型の冷却に供する水通路を備え、
前記水等の分配器は、前記ターンテーブルに同期して回転する外筒状の分配器アウターと、この分配器アウターで囲われる内筒状の非回転の分配器インナーと、この分配器インナーに嵌められ流体の漏れを防止するシールリングとを備え、
前記非回転の分配器インナーの底面に、底面給水口及び底面排水口を有し、外部から前記底面給水口へ給水し、前記底面排水口から外部へ排水するようにし、
前記回転する分配器アウターの側面に、側面給水口及び側面排水口を有し、前記側面給水口を用いて前記水通路へ給水し、前記側面排水口を用いて前記水通路から排水するようにしたことを特徴とする。
前記中間管と下位の前記水等の分配器との距離は、少なくとも前記分配器アウターの長さとなるように設定されていることを特徴とする。
前記水等の分配器は、圧縮空気を流す空気環状溝と大気圧より低圧とされる真空環状溝との少なくとも一方を更に有していることを特徴とする。
前記中心軸の上部を囲う部位に、スリップリングを備え、このスリップリングを介して、前記金型を温めるヒータへ給電するようにし、
前記ターンテーブル近傍位置にて前記中心軸を囲う水等の分配器を設け、この水等の分配器を介して、前記金型へ給水するようにし、
前記水等の分配器の底面に、底面給水口を設け、この底面給水口へ給水ホースを接続し、この給水ホースを下へ延ばし、
前記スリップリングと前記水等の分配器との間に空間を確保し、この空間が前記水等の分配器を分解する作業スペースとなるようにしたことを特徴とする。
前記ターンテーブルは、センターリング又はベアリングで回転自在に支承されており、射出装置に対応する部位に、前記ターンテーブルを受ける回転盤受けを設け、前記射出装置のノズルが前記金型にタッチしたときに前記ターンテーブルが前記センターリング又は前記ベアリングを中心に傾くことがないようにしたことを特徴とする。
前記センターリング又は前記ベアリングを中心にして、前記回転盤受けと対称の位置に、別の回転盤受けを配置したことを特徴とする。
すなわち、本発明により、ターンテーブルを有する竪型射出成形装置において、複数本の動力系ラインを整然とレイアウトすることができる構造が提供される。
1個の給油口から分岐管を介して複数本の給油管を延ばし、型締シリンダの各々に接続してもよいが、複数本の給油管が、ターンテーブル上の面積の一部を専有するため、他の機器や管のレイアウトに支障がでやすい。
この点、本発明では、型締シリンダの近傍までは、1本の給油管と1本の給油ヘッダで油を導くため、ターンテーブル上における専有面積を小さくすることができ、他の機器や管のレイアウトが容易になる。
すなわち、本発明により、ターンテーブルを有する竪型射出成形装置において、複数本の動力系ラインを一層整然とレイアウトすることができる構造が提供される。
平面視で、水等の分配器は複数の金型の中心に設けられ、この水等の分配器から金型へ給水ホースと排水ホースを整然と延ばすことができる。
水等の分配器に内蔵するシールリングを交換するときなどに、分配器インナーに対して分配器アウターを上に抜くが、この際に本発明によれば、中間管に分配器アウターは当たらない。分配器アウターの引き上げ作業が容易になる。
竪型射出成形装置10は、安全扉14、安全カバー15で適宜覆われている。
装置フレーム20は、ベースフレーム21と、このベースフレーム21から立ち上がる第1支柱22及び第2支柱23と、第1支柱22の上端と第2支柱23の上端とを繋ぐトップビーム24とからなる。
トップビーム24は、中央にセンタプレート25を備えている。
安全扉14の脇から、中心軸110の構成要素の一部である、水等の分配器60、サポート117、中間管ブロック116が見える。
また、安全扉14とトップビーム24との間に、給電部材としてのスリップリング140、141が見える。
上方のスリップリング140は動力用で、下方のスプリングリング141は制御用である。
型締シリンダ32を伸動する。牽引盤34とタイバー35と可動盤36とが下がる。金型11はターンテーブル31と可動盤36とにより型締めされる。
型締シリンダ32を縮動する。牽引盤34とタイバー35と可動盤36とが上がる。下型11aが残り、上型11bが可動盤36と共に上がる。金型11が開いたので成形品を取出すことができる。このときに、成形品をエジェクター40で突き上げるようにすると、成形品の取出しが容易になる。
エジェクター40のシリンダ部分の長さより、長いブロック41を2個準備する。
そして、型締シリンダ32の上端に左右一対のブロック41をボルト42で取付ける。次に、ブロック41を別のボルト43でターンテーブル31に固定するようにした。ブロック41とエジェクター40との間に隙間を確保するようにする。
この例では、エジェクター40と型締シリンダ32は、共に油圧シリンダである。
可動盤落下防止機構50は、可動盤36から下へターンテーブル31を貫通して延びる鋸刃51付きロッド52と、ターンテーブル31に固定されるエアシリンダ53と、このエアシリンダ53のピストンロッド54の先に取付けられるロック片55とからなる。このロック片55は、エアシリンダ53により、鋸刃51付きロッド52に向かって進退する。
図3に示すように、水等の分配器60は、外筒状の分配器アウター61と、この分配器アウター61で囲われる分配器インナー81とを主要素とする。
また、分配器インナー81の内径は想像線で示す下部管115の外径より大きい。分配器インナー81に対して、下部管115を昇降(図では上下動)させることができる。
分配器インナー81には、シールリング87の下に空気環状溝88が形成されている。
分配器アウター61は分配器インナー81に対して回転するが、側面真空口67はどの回転位置にあっても常に真空環状溝86に臨んでおり、側面真空口67と真空長手路89との連通状態が保たられる。このことは、図4(b)〜(f)においても同様である。
図4(c)に示すように、分配器アウター61に1本の上部ドレーン環状溝62が形成され、分配器インナー81にドレーン長手路92が設けられている。このドレーン長手路92は図面奥に延びている。
図4(e)に示すように、分配器アウター61に6個の側面排水口72が設けられ、分配器アウター61に1本の排水環状溝64が設けられ、分配器インナー81に排水長手路94が設けられている。この排水長手路94は図面奥に延びている。
分配器インナー81に、真空長手路89、空気長手路91、ドレーン長手路92、給水長手路93、排水長手路94からなる5本の長手路が適当な間隔を保って設けられている。
同様に、分配器インナー81の底面95に、底面空気口98を設け、この底面真空口96にコンプレッサ99から延びるホース101を接続する。コンプレッサ99を作動させることで、空気環状溝88へ圧縮空気を供給することができる。
同様に、分配器インナー81の底面95に、底面排水口104を設け、この底面排水口104に排水ホース105を接続する。排水環状溝64から排水することができる。
同様に、排水環状溝64からの漏水は下部ドレーン環状溝65で回収され、漏水が大径軸受83へ到達することが防止される。
ドレーンは、ドレーン長手路92、底面ドレーン口106及びホース107を介して排出される。
図5に示すように、中心軸110は、互いに分離可能な上部管111と、上部ロータリジョイント112と、中間管113と、下部ロータリジョイント114と、下部管115とからなる。
中間管113は、中間管ブロック116を要部とし、この中間管ブロック116が門型のサポート117で支持されている。
このような上部管111の上端に給油ホース119を接続する。給油は、上部管111の全てと、中間管113の上半分を通って、給油管121に至る。給油管121はサポート117及び水等の分配器60に沿って下がり、ターンテーブル31を貫通して延びる。
また、鋼製ブロック124にドリルで逆L字通路127を設け、この逆L字通路127の一端で且つ鋼製ブロック124の下面に下面口を設け、側面に排油口128を設けてなり、この排油口128に排出油管(図5、符号122)を接続するようにした。
また、中間管ブロック116に、導出油菅121及び排出油管122により曲げ力が加わる。しかし、鋼製ブロック(図6、符号124)は十分な強度を有するため、中間管ブロック116は十分な耐久性を有する。
図7(a)に示す中間管ブロック116から図7(b)に示す金型個数分の型締シリンダ32へ、給油管へ延ばす場合に、例えば、中間管ブロック116から金型個数分の給油管を放射状に延ばすことが、一般的に行われる。この方式でも差し支えないが、本発明では次に述べるレイアウトとした。
図7(b)に示すように、1本の給油管121の先端を1本の給油ヘッダ130に接続する。この給油ヘッダ130は、ターンテーブル31の下に且つ金型個数分の型締シリンダ32を囲うように配置される。
本発明によれば、複雑になりがちな給油系統を、給油ヘッダ130を用いたことにより、シンプルにすることができる。特に、図7(a)に示すように、ターンテーブル31の上は、給油管121が1本のみであるから、ターンテーブル31の上に他のホースや配管や機器を配置する余地ができる。
次に、中間管ブロック116から下部ロータリジョイント114を分離する。次に、下部ロータリジョイント114及び下部管115を上端が水等の分配器60に没するまで下げる。
交換後、分配器インナー81に分配器アウター61を嵌めて、復旧する。
すなわち、ターンテーブル側から延びる連結部材144でリングアウター142が回される。
リングアウター142の下方に電源ボックス156が配置され、リングアウター142から延びる給電線155Bが電源ボックス156に接続される。この電源ボックス156から延びる給電線155がヒータ制御部154に接続される。
以上により、非回転側から回転側へ給電される。
なお、制御用のスリップリング(図1、符号141)については、説明を省略する。
以上により、複雑になりがちな給電線155を整然とレイアウトすることができた。
以上により、複雑になりがちな給水ホース158と排水ホース159を整然とレイアウトすることができた。
以上により、複雑になりがちな真空ホースを整然とレイアウトすることができた。
以上により、複雑になりがちな空気ホースを整然とレイアウトすることができた。
旋回モータ162及びギヤ163を用いてターンテーブル31が回転するときに、ホースの揺れなどに起因して、ターンテーブル31がセンターリング161又はベアリングを中心に、上下に揺れる(傾く)ことがある。
回転盤受け165を、6基の型締装置30に対応するように、6個配置することや、リング形状の回転盤受け165をターンテーブル31の下縁に配置することは差し支えないが、装置コストが嵩む。対して、図14のように局部的に配置することで、装置コストを大幅に圧縮することができる。
Claims (9)
- 鉛直な中心軸回りに回転するターンテーブルと、このターンテーブルに搭載され金型を開閉する複数の型締装置とを備え、ターンテーブルを有する竪型射出成形装置であって、
前記型締装置は、油圧式の型締シリンダを備え、
前記中心軸は、中空軸であり、
この中空軸を、上部管と、中間管と、下部管とに分割し、前記上部管と前記中間管を上部ロータリジョイントで繋ぐと共に前記中間管と前記下部管を下部ロータリジョイントで繋ぐことで、前記上部管を非回転管とし、前記中間管を前記ターンテーブルと同期して回転する回転管とし、前記下部管を非回転管とし、
前記上部管及び中間管の上部を給油系とし、前記中間管の上部に給油口を設け、
前記中間管の下部及び前記下部管を排油系とし、前記中間管の下部に排油口を設け、
前記給油口を用いて前記型締シリンダへ給油し、前記排油口を用いて前記型締シリンダから排油するようにしたことを特徴とするターンテーブルを有する竪型射出成形装置。
- 請求項1記載のターンテーブルを有する竪型射出成形装置であって、
前記給油口は1個であり、
この給油口から給油管を前記型締シリンダの近傍まで延ばし、前記給油管に1本の給油ヘッダを接続し、この給油ヘッダから前記型締シリンダへ給油するようにしたことを特徴とするターンテーブルを有する竪型射出成形装置。 - 請求項1又は請求項2記載のターンテーブルを有する竪型射出成形装置であって、
前記上部管を囲う部位に、スリップリングを備え、このスリップリングは、前記ターンテーブルに同期して回転するリングアウターと、このリングアウターに電気的に接続しつつ非回転のリングインナーとで構成され、
前記金型の温度調節に供するヒータを備え、
前記スリップリングを介して、前記ヒータへ給電するようにしたことを特徴とするターンテーブルを有する竪型射出成形装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載のターンテーブルを有する竪型射出成形装置であって、
前記下部管を囲い且つ前記ターンテーブルを貫通する部位に、水等の分配器を備え、
前記金型の冷却に供する水通路を備え、
前記水等の分配器は、前記ターンテーブルに同期して回転する外筒状の分配器アウターと、この分配器アウターで囲われる内筒状の非回転の分配器インナーと、この分配器インナーに嵌められ流体の漏れを防止するシールリングとを備え、
前記非回転の分配器インナーの底面に、底面給水口及び底面排水口を有し、外部から前記底面給水口へ給水し、前記底面排水口から外部へ排水するようにし、
前記回転する分配器アウターの側面に、側面給水口及び側面排水口を有し、前記側面給水口を用いて前記水通路へ給水し、前記側面排水口を用いて前記水通路から排水するようにしたことを特徴とするターンテーブルを有する竪型射出成形装置。 - 請求項4記載のターンテーブルを有する竪型射出成形装置であって、
前記中間管と下位の前記水等の分配器との距離は、少なくとも前記分配器アウターの長さとなるように設定されていることを特徴とするターンテーブルを有する竪型射出成形装置。 - 請求項4又は請求項5記載のターンテーブルを有する竪型射出成形装置であって、
前記水等の分配器は、圧縮空気を流す空気環状溝と大気圧より低圧とされる真空環状溝との少なくとも一方を更に有していることを特徴とするターンテーブルを有する竪型射出成形装置。 - 鉛直な中心軸回りに回転するターンテーブルと、このターンテーブルに搭載され金型を開閉する複数の型締装置とを備え、ターンテーブルを有する竪型射出成形装置であって、
前記中心軸の上部を囲う部位に、スリップリングを備え、このスリップリングを介して、前記金型を温めるヒータへ給電するようにし、
前記ターンテーブル近傍位置にて前記中心軸を囲う水等の分配器を設け、この水等の分配器を介して、前記金型へ給水するようにし、
前記水等の分配器の底面に、底面給水口を設け、この底面給水口へ給水ホースを接続し、この給水ホースを下へ延ばし、
前記スリップリングと前記水等の分配器との間に空間を確保し、この空間が前記水等の分配器を分解する作業スペースとなるようにしたことを特徴とするターンテーブルを有する竪型射出成形装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載のターンテーブルを有する竪型射出成形装置であって、
前記ターンテーブルは、センターリング又はベアリングで回転自在に支承されており、射出装置に対応する部位に、前記ターンテーブルを受ける回転盤受けを設け、前記射出装置のノズルが前記金型にタッチしたときに前記ターンテーブルが前記センターリング又は前記ベアリングを中心に傾くことがないようにしたことを特徴とするターンテーブルを有する竪型射出成形装置。 - 請求項8記載のターンテーブルを有する竪型射出成形装置であって、
前記センターリング又は前記ベアリングを中心にして、前記回転盤受けと対称の位置に、別の回転盤受けを配置したことを特徴とするターンテーブルを有する竪型射出成形装置。
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