JP6909130B2 - 遊星歯車減速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遊星歯車減速装置に関する。
特許文献1には、内歯歯車と、内歯歯車と噛み合う外歯歯車と、外歯歯車の軸方向側部に配置されたキャリヤと、キャリヤに支持されるピン部材とを備えた遊星歯車減速装置が開示されている。キャリヤは、通常、ピン部材が圧入される圧入穴の他に、圧入穴にピン部材を圧入するときに圧入穴内の空気を抜くための抜き穴を有する。特許文献1の減速装置では、圧入穴の中心線の延長線と抜き穴の中心線が同軸線上に設けられている。
特開2017−067276号公報
特許文献1の減速装置は、更に、内歯歯車と一体化されるケーシングと、ケーシングとキャリヤの間に配置されるオイルシールとを備える。オイルシールは、外歯歯車の回転に連動してケーシングとキャリヤが相対回転したときに、それらのうちの一方の部材(以下、被摺動部材という)の外面を摺動する。本発明者は、減速装置の減速比が小さくなるほど、ケーシングとキャリヤの相対回転速度が速くなり、被摺動部材との摺動に伴うオイルシールによるエネルギー損失が大きくなる問題があるとの認識を得た。
本発明のある態様は、こうした状況に鑑みてなされ、その目的の1つは、伝達効率の向上を図れる遊星歯車減速装置を提供することにある。
本発明のある態様は遊星歯車減速装置に関し、内歯歯車と、前記内歯歯車と噛み合う外歯歯車と、前記外歯歯車の軸方向側部に配置されたキャリヤと、前記キャリヤに支持され、前記外歯歯車の自転成分または公転成分と同期するピン部材と、前記キャリヤとケーシングの間に配置されたオイルシールと、を備えた遊星歯車減速装置であって、前記キャリヤは、前記ピン部材が圧入される圧入穴と、前記キャリヤの外側空間と前記圧入穴とを通じさせる抜き穴と、を有し、前記抜き穴の中心線は、前記オイルシールの配置された軸方向範囲において、前記圧入穴の中心線の延長線よりも径方向内側に位置する。
本発明の他の態様は遊星歯車減速装置に関し、内歯歯車と、前記内歯歯車と噛み合う外歯歯車と、前記外歯歯車の軸方向側部に配置されたキャリヤと、前記キャリヤに支持され、前記外歯歯車の自転成分または公転成分と同期するピン部材と、前記キャリヤとケーシングの間に配置されたオイルシールと、を備えた遊星歯車減速装置であって、前記キャリヤは、前記ピン部材が圧入される圧入穴と、前記キャリヤの外側空間と前記圧入穴とを通じさせる抜き穴と、を有し、前記抜き穴は、前記キャリヤに形成される中空部の内壁面又は前記キャリヤの外周面に形成される開口を通して前記キャリヤの外側空間に通じ、前記抜き穴の中心線は、前記オイルシールの配置された軸方向範囲を避けて設けられる。
本発明によれば、伝達効率の向上を図れる遊星歯車減速装置を提供できる。
図1(a)は、参考例のキャリヤの一部を示す断面図であり、図1(b)は、第1実施形態のキャリヤの一部を示す断面図である。 図2(a)は、参考例のキャリヤの一部を示す断面図であり、図2(b)は、第2実施形態のキャリヤの一部を示す断面図である。 第1実施形態の減速装置を示す側面断面図である。 第1実施形態の反入力側キャリヤの一部を周辺構造とともに示す拡大図である。 第1実施形態の圧入穴と抜き穴の形状を示す図である。 第1実施形態の反入力側キャリヤを得るための加工方法の流れを示す図である。 第1変形例のキャリヤの一部を示す断面図である。 第2実施形態の減速装置の一部を示す側面断面図である。 第3実施形態の減速装置の一部を模式的に示す正面図である。 第2変形例のキャリヤの一部を示す断面図である。
まず、本実施形態の遊星歯車減速装置(以下、単に減速装置ともいう)を想到するに到った背景から説明する。減速装置の減速比が十分に大きい場合、ケーシングとキャリヤの相対回転速度が非常に遅くなるため、被摺動部材との摺動に伴うオイルシールによるエネルギー損失は非常に小さくなる。このため、この場合、オイルシールによるエネルギー損失は、減速装置の伝達効率に殆ど影響を及ぼしていないと考えられてきており、そのエネルギー損失を小さくするための特別の対策はなされていなかった。
ところで、近年、低減速比の減速装置が要求される場合が増えつつある。このように減速装置の減速比が小さくなると、ケーシングとキャリヤの相対回転速度が速くなる。これに伴い、被摺動部材との摺動に伴うオイルシールによるエネルギー損失が大きくなり、伝達効率への影響が無視できないレベルになるとの認識を本発明者は得た。
この対策として、オイルシールと径方向に対向するキャリヤのオイルシール対向面の内径を小さくすることが考えられる。しかしながら、キャリヤのオイルシール対向面を含む外周部では、所要の強度を満足できる肉厚の確保が必要となる。また、オイルシール対向面に対して径方向内側には、通常、圧入穴や抜き穴が存在する。よって、オイルシール対向面から圧入穴や抜き穴までの径方向範囲で所要の強度を満足できる肉厚を確保する必要があり、オイルシール対向面の内径を小さくするにしても限界があった。
図1(a)は、参考例のキャリヤ200の一部を示す断面図であり、図1(b)は、第1実施形態のキャリヤ20の一部を示す断面図である。参考例のキャリヤ200では、オイルシール対向面52から抜き穴48までの径方向範囲で所要の強度を満足できる肉厚Taを確保できているものとする。
前述の問題への対策として、第1実施形態の減速装置では、次の工夫を講じている。つまり、図1(b)に示すように、オイルシール26の配置されている軸方向範囲S1(以下、単にオイルシール配置範囲S1という)において、圧入穴46の中心線Lcの延長線(以下、中心延長線という)Lc’より抜き穴48の中心線Ldが径方向内側に位置するようにしている。なお、本明細書での「中心線」は、言及している穴の中心を通り、その穴の一端部から他端部まで延びる線のみをいい、その線を穴の一端部や他端部から外部に直線的に延長させた延長線は含まない。
これにより、図1(a)に示す参考例のキャリヤ200のような、圧入穴46の中心延長線Lc’と抜き穴48の中心線Ldが同軸線上に並ぶ構造(以下、参考構造という)と比較して、抜き穴48の位置を径方向内側に寄せられる。これに伴い、オイルシール配置範囲S1において、キャリヤ20の外周部で参考構造の肉厚Taと同等の肉厚Tbを確保しつつ、参考構造よりオイルシール対向面52の内径を縮小するように設計し易くなる。
図2(a)は、参考例のキャリヤ200の一部を示す断面図であり、図2(b)は、第2実施形態のキャリヤ20の一部を示す断面図である。前述の問題への対策として、第2実施形態の減速装置では、次の工夫を講じている。図2(b)に示すように、キャリヤ20に形成された中空部64の内壁面に開口を形成し、その開口や中空部64を通してキャリヤ20の外側空間に抜き穴48が通じている。この構造のもと、抜き穴48の中心線Ldは、オイルシール配置範囲S1を避けて設けられる。
(A)これにより、オイルシール配置範囲S1の少なくとも一部において、圧入穴46の中心延長線Lc’から径方向外側の領域Raを避けて抜き穴48を設けるレイアウトを実現し易くなる。これに伴い、オイルシール配置範囲S1の少なくとも一部において、キャリヤ20の外周部で参考構造の肉厚Taと同等、又は、それ以上の肉厚Tcを確保しつつ、オイルシール対向面52の内径を縮小するように設計し易くなる。
よって、いずれの減速装置でも、キャリヤ20の外周部で所要の強度を満足できる肉厚を確保しつつ、オイルシール26の径寸法の小型化を図れる。これにより、被摺動部材にオイルシール26から付与される弾性反発力を軽減でき、被摺動部材との摺動に伴うオイルシール26によるエネルギー損失を小さくできる。この結果、オイルシール26のエネルギー損失による伝達効率の低下を抑制でき、伝達効率の向上を図れるようになる。特に、減速装置10の減速比が小さくなるほど、オイルシール26のエネルギー損失による伝達効率への影響が大きくなるため、その減速比が小さい場合に伝達効率の向上を図れる点で有効となる。
なお、第2実施形態の抜き穴48は、オイルシール配置範囲S1において、圧入穴46の中心延長線Lc’から径方向外側の領域Raを避けて設けられると好ましい。これにより、オイルシール配置範囲S1の全範囲において、キャリヤ20の外周部で参考構造の肉厚Taと同等、又は、それ以上の肉厚Tcを確保しつつ、オイルシール対向面52の内径を縮小できる。
以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。
(第1の実施の形態)
図3は、第1実施形態の減速装置10を示す側面断面図である。本実施形態の減速装置10は、内歯歯車と噛み合う外歯歯車を揺動させることで、内歯歯車及び外歯歯車の一方の自転を生じさせ、その生じた運動成分を出力部材から出力する偏心揺動型減速装置である。
遊星歯車減速装置10は、主に、入力軸12と、外歯歯車14と、内歯歯車16と、キャリヤ18、20と、ピン部材22と、ケーシング24と、オイルシール26と、主軸受28と、を備える。本実施形態はキャリヤ20に主な特徴があるが、先に周辺構造から説明する。本実施形態において、被駆動装置に回転動力を出力する出力部材はケーシング24であり、減速装置10を支持するための外部部材にはキャリヤ20が固定される。以下、内歯歯車16の中心軸線Laに沿った方向を「軸方向」といい、その中心軸線Laを中心とする円の円周方向、半径方向をそれぞれ「周方向」、「径方向」という説明する。以下、便宜的に、軸方向の一方側(図中右側)を入力側といい、他方側(図中左側)を反入力側という。
入力軸12は、駆動装置30から入力される回転動力によって回転中心線周りに回転させられる。本実施形態の減速装置10は、入力軸12の回転中心線が内歯歯車16の中心軸線Laと同軸線上に設けられるセンタークランクタイプである。駆動装置30は、たとえば、モータ、ギヤモータ、エンジン等である。
本実施形態の入力軸12は、軸方向に沿って延びる軸部12aと、外歯歯車14を揺動させるための複数の偏心部12bとを有するクランク軸である。複数の偏心部12bは、軸部12aと一体的に回転可能に設けられる。偏心部12bの軸芯Lbは、入力軸12の回転中心となる内歯歯車16の中心軸線Laに対して偏心している。複数の偏心部12bの偏心方向の位相はずれている。本実施形態では2個の偏心部30bが設けられ、2個の偏心部30bの位相は互いに180度ずれている。
外歯歯車14は、複数の偏心部12bのそれぞれに対応して個別に設けられる。外歯歯車14は、偏心軸受32を介して対応する偏心部12bに回転自在に支持される。
内歯歯車16には、外歯歯車14が噛み合う。本実施形態の内歯歯車16は、ケーシング24の内周部に支持される複数の外ピン16aを有し、内歯歯車16の内歯を外ピン16aが構成する。内歯歯車16の内歯数(外ピン16aの数)は、本実施形態において、外歯歯車14の外歯数より一つ多い。
ケーシング24は、内歯歯車16と一体化されており、全体として筒状をなす。本実施形態のケーシング24は、内歯歯車16と一体化される第1部材24aと、第1部材24aに対して反入力側に配置されるとともに、第1部材24aにボルトにより一体化される第2部材24bとを有する。ケーシング24には、ケーシング24に対して入力側に配置される入力カバー34がボルトにより一体化される。
キャリヤ18、20には、外歯歯車14に対して入力側の側部に配置される入力側キャリヤ18と、外歯歯車14に対して反入力側の側部に配置される反入力側キャリヤ20とが含まれる。キャリヤ18、20は、たとえば、金属系の素材や樹脂系の素材を用いて構成される。金属系の素材には、たとえば、鋳鉄、鋼を含む鋼系の素材、アルミニウム合金を含むアルミニウム系の素材が含まれる。樹脂系の素材には、エンジニアリングプラスチック等の他、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂等の複合材料も含まれる。入力側キャリヤ18と入力軸12の間には第1入力軸軸受36が配置される。入力側キャリヤ18は、第1入力軸軸受36を介して入力軸12を回転自在に支持する。反入力側キャリヤ20と入力軸12の間には第2入力軸軸受38が配置される。反入力側キャリヤ20は、第2入力軸軸受38を介して入力軸12を回転自在に支持する。
ピン部材22は、外歯歯車14の軸芯から径方向にオフセットした位置において、外歯歯車14を軸方向に貫通する。ピン部材22は、内歯歯車16の中心軸線La周りに間を置いて複数設けられる。外歯歯車14には、複数のピン部材22のそれぞれに対応して、そのピン部材22が貫通するピン孔14aが形成される。ピン部材22とピン孔14aの間には外歯歯車14の揺動成分を吸収するための遊びとなる隙間が設けられる。
ピン部材22は、反入力側キャリヤ20の圧入穴46(後述する)に圧入されることで、反入力側キャリヤ20に固定されるとともに反入力側キャリヤ20に支持される。本実施形態のピン部材22は、入力側キャリヤ18のピン穴18aに圧入されることで入力側キャリヤ18に固定され、一対のキャリヤ18、20を連結するキャリヤピンとして機能する。ピン部材22の外周側にはピン部材22に回転自在に支持されるローラ44が設けられる。
主軸受28は、キャリヤ18、20とケーシング24の間に配置される。本実施形態の主軸受28は、玉軸受等の転がり軸受けである。キャリヤ18、20とケーシング24のうち、外部部材に固定される部材を被固定部材という。このとき、出力部材は、被固定部材に主軸受28を介して回転自在に支持される。本実施形態の出力部材はケーシング24であり、被固定部材は反入力側キャリヤ20である。
オイルシール26は、反入力側キャリヤ20とケーシング24の間に配置される。オイルシール26は、リング状をなす弾性体により構成される。オイルシール26は、締まり嵌め、中間嵌め等の嵌め合いによって、反入力側キャリヤ20とケーシング24のうちの他方の部材(以下、被取付部材という)に取り付けられる。オイルシール26は、ケーシング24と反入力側キャリヤ20が相対回転したとき、それらのうちの一方の部材である被摺動部材の外面を摺動する。本実施形態の被取付部材はケーシング24であり、被摺動部材は反入力側キャリヤ20である。
オイルシール26は、被摺動部材の外面にシールリップ部が弾性変形を伴い接触することによって、外歯歯車14等を収納する内部空間40を封止する。この内部空間40は、図示はしないが、入力カバー34に接続される駆動装置30の内部空間と一続きになっており、外部空間42から隔離されている。この内部空間40には、外歯歯車14と内歯歯車16との噛合箇所等を潤滑するための潤滑油(不図示)が封入される。
以上の減速装置10の動作を説明する。駆動装置から入力軸12に回転動力が伝達されると、入力軸12の偏心部12bが内歯歯車16の中心軸線La周りに回転し、その偏心部12bにより外歯歯車14が揺動する。このとき、外歯歯車14は、自らの軸芯が内歯歯車16の中心軸線La周りを回転するように揺動する。外歯歯車14が揺動すると、外歯歯車14と内歯歯車16の噛合位置が順次ずれる。この結果、入力軸12が一回転する毎に、外歯歯車14と内歯歯車16との歯数差に相当する分、外歯歯車14及び内歯歯車16の一方の自転が発生する。
本実施形態のように、ケーシング24が出力部材となり、反入力側キャリヤ20が外部部材に固定される場合、外部部材によりピン部材22を介して外歯歯車14の自転が拘束され、内歯歯車16の自転が発生する。一方、反入力側キャリヤ20が出力部材となり、ケーシング24が外部部材に固定される場合、外部部材によりケーシング24を介して内歯歯車16の自転が拘束され、外歯歯車14の自転が発生する。入力軸12の回転は、外歯歯車14と内歯歯車16の歯数差に応じた減速比で減速されて、出力部材から被駆動装置に出力される。
ここで、ピン部材22は、外歯歯車14を軸方向に貫通するため、外歯歯車14の自転成分と同期可能である。ここでの「外歯歯車14の自転成分と同期」するとは、本実施形態のように、外歯歯車14の自転が拘束されている場合は、ピン部材22が公転しない状態を維持することをいう。一方、外歯歯車14の自転が拘束されていない場合は、外歯歯車14の自転に連動して内歯歯車16の中心軸線Laの周りを公転することをいう。いずれの場合も、ゼロを含めた数字範囲の中で外歯歯車14の自転成分とピン部材22の公転成分を同じ大きさに維持することと捉えられる。
図4は、反入力側キャリヤ20の一部を周辺構造とともに示す拡大図である。反入力側キャリヤ20は、主に、圧入穴46と、抜き穴48と、主軸受対向面50と、オイルシール対向面52と、を有する。
圧入穴46は、反入力側キャリヤ20に対して軸方向の外歯歯車14側に開いた有底穴である。圧入穴46の内側にはピン部材22が圧入されている。ピン部材22は、圧入穴46の内周面に自らの外周面が接触した状態で圧入される。本実施形態の圧入穴46は、その中心線Lcが軸方向に沿って直線状に設けられる。圧入穴46は、複数のピン部材22のそれぞれに対応して、内歯歯車16の中心軸線La周りに間を置いて複数設けられる。
抜き穴48は、反入力側キャリヤ20の外側空間41と圧入穴46とを通じさせる。ここでの「外側空間41」は、言及しているキャリヤ(本例では反入力側キャリヤ20)の外部に設けられる空間をいい、減速装置10の内部にある内部空間40と、減速装置10の外部にある外部空間42との両方が対象になり得る。本実施形態での「外側空間41」は外部空間42である。抜き穴48は、圧入穴46にピン部材22を圧入するときに圧入穴46内の空気を外側空間41に抜く役割を持つ。本実施形態の抜き穴48は、圧入穴46の内壁面となる圧入穴46の底面に開口している。本実施形態の抜き穴48は、軸方向に沿って直線状に設けられ、反入力側キャリヤ20に対して外歯歯車14とは軸方向の反対側に向けて開いている。
本実施形態の抜き穴48の中心線Ldは軸方向に沿って直線状に設けられ、圧入穴46の中心延長線Lc’と平行である。ここでの平行とは、字句通りに完全に平行である場合のほかに、ほぼ平行である場合も含まれる。
圧入穴46の中心線Lcに直交する断面積をSaとし、抜き穴48の中心線Ldに直交する断面積をSbとする。このとき、抜き穴48の断面積Sbは、圧入穴46の断面積Saより小さくなるように設定される。
図5は、軸方向の反入力側から見た圧入穴46と抜き穴48の形状を示す図である。本実施形態では圧入穴46の断面形状は円形状をなし、抜き穴48の断面形状は円形状をなす。
図4に戻り、主軸受対向面50は、主軸受28と径方向に対向する。オイルシール対向面52は、オイルシール26と径方向に対向する。本実施形態の主軸受対向面50には主軸受28の内輪が接触しており、オイルシール対向面52の一部にはオイルシール26のシールリップ部が接触する。本実施形態のオイルシール対向面52は、主軸受対向面50より外径が小さくなるように設定される。
ここで、抜き穴48の中心線Ldは、オイルシール配置範囲S1において、圧入穴46の中心延長線Lc’より径方向内側に位置する。この条件は、オイルシール配置範囲S1の一部において少なくとも満たされていればよい。オイルシール配置範囲S1から軸方向にずれた箇所では、抜き穴48の中心線Ldと圧入穴46の中心延長線Lc’の位置関係は問わないということである。本実施形態の抜き穴48の中心線Ldは、抜き穴48が形成される軸方向の全範囲において、圧入穴46の中心延長線Lc’より径方向内側に位置している。これにより、前述の通り、反入力側キャリヤ20の外周部で所要の強度を満足できる肉厚を確保しつつ、オイルシール26の径寸法の小型化を図れる。
また、反入力側キャリヤ20のオイルシール対向面52は、主軸受対向面50より外径が小さくなるように設定される。よって、この条件を満たさない場合と比べ、オイルシール対向面52の外径を縮小でき、ひいてはオイルシール26の径寸法の更なる小型化を図れる。これにより、被摺動部材との摺動に伴うオイルシール26によるエネルギー損失をより小さくでき、更なる伝達効率の向上を図れる。
図6は、反入力側キャリヤ20を得るための加工方法の流れを示す図である。この加工方法では、まず、図6(a)に示すように、圧入穴46及び抜き穴48が形成されていない反入力側キャリヤ20を準備する。次に、ドリル等の切削工具54を用いて、圧入穴46及び抜き穴48の形成予定位置に貫通穴を形成する粗切削加工を行う。図6(a)では貫通穴の形成予定位置Paを示す。
図6(b)は、粗切削加工により得られる貫通穴56を示す。この貫通穴56の反入力側に位置する一方側部分56aは抜き穴48となり、その貫通穴56の中心線Leが抜き穴48の中心線となる。また、貫通穴56の一方側部分56aに対して軸方向の反対側に位置する他方側部分56bは圧入穴46の下穴58となる。抜き穴48は、外歯歯車側(図中右側)から反外歯歯車側(図中左側)に向けて反入力側キャリヤ20を切削することで、圧入穴46の下穴58とともに一工程で得られる。ここでの外歯歯車側とは軸方向で外歯歯車14がある側をいい、反外歯歯車側とは軸方向で外歯歯車14がある側とは反対側をいう。
ピン部材22が圧入される圧入穴46には、通常、その内周面に関して高い寸法精度が要求される。よって、粗切削加工により得られた貫通穴56に仕上げ加工を行うことで、圧入穴46の寸法精度を確保する必要がある。このように仕上げ加工を行ううえでは、通常、圧入穴46の中心線が設けられるべき位置Pb(以下、中心線予定位置Pbという)に下穴58の中心線Leが位置するように、下穴58を予め形成しておく必要がある。
そこで、図6(c)に示すように、粗切削加工により得られた圧入穴46の下穴58の中心線Leを圧入穴46の中心線予定位置Pbにシフトさせるため、圧入穴46の下穴58を拡径する穴広げ加工を行う。この穴広げ加工は、自らが回転することによって、下穴58の内壁面を切削可能な切削工具60を用いて行う。この切削工具60は、たとえば、エンドミル等である。この穴広げ加工では、粗切削加工により得られた圧入穴46の下穴58に切削工具60を挿入する。この状態で、下穴58の中心線Leが圧入穴46の中心線予定位置Pbにシフトするように、切削工具60の回転によって下穴58の内壁面を切削する。
図6(d)は、穴広げ加工により得られる圧入穴46の下穴58を示す。穴広げ加工の結果、抜き穴48に対して軸方向に隣り合う箇所には抜き穴48より大径の圧入穴46の下穴58が形成される。
次に、粗切削加工に用いた切削工具54より高い加工精度で加工可能な仕上げ工具62を用いて、圧入穴46の下穴58の内径を広げるように加工する仕上げ加工を行う。ここでの仕上げ工具62とは、自らが回転することによって、下穴58の内壁面を切削可能なものをいう。この仕上げ工具62は、たとえば、ボーリング、リーマ等である。この仕上げ加工では、圧入穴46の下穴58に仕上げ工具62を挿入する。この状態で、仕上げ工具62の回転によって、下穴58の内壁面を切削する。これにより、圧入穴46の下穴58の内壁面に全周に亘る範囲で仕上げ加工が行われ、高い寸法精度の圧入穴46の内壁面が形成される。
ここで、図4に示すように、圧入穴46の中心延長線Lc’と抜き穴48の中心線Ldとは平行である。よって、切削工具54の向きを変えずに、圧入穴46の下穴58と抜き穴48を粗切削加工により形成できるため、粗切削加工で良好な作業性を得られる。
また、図5に示すように、本実施形態の抜き穴48の全体は、軸方向から見たとき、圧入穴46の内壁面から内側に収まるように設けられる。ここでの「圧入穴46の内壁面から内側に収まる」とは、抜き穴48の内壁面の輪郭が圧入穴46の内壁面の輪郭から外側にはみ出ることなく重なる場合も含まれる。よって、一回の粗切削加工で抜き穴48と圧入穴46の下穴58を形成できるようになり、加工工数の削減を図れる。
また、本実施形態の抜き穴48の内壁面は、軸方向から見たとき、圧入穴46の内壁面から間を置いて設けられる。これは、軸方向から見たとき、抜き穴48の内壁面の輪郭と圧入穴46の内壁面の輪郭とが重ならずに離れていることを意味する。よって、一回の粗切削加工で抜き穴48と圧入穴46の下穴58を形成した後、圧入穴46の下穴58の全周に亘り内径を広げるように仕上げ加工をすることができる。このため、圧入穴46の内壁面全体で高い寸法精度を確保できる。
なお、従来の構造のように、圧入穴の中心延長線と抜き穴の中心線を同軸線上に設ける場合、前述の穴広げ加工を経ずに、粗切削加工と仕上げ加工を経るのみで実現できる。これは、本実施形態の反入力側キャリヤ20の構造は、前述の参考構造と比べ、穴広げ加工の手間をかけたうえで実現できることを意味している。
(第1変形例)
図7は、第1変形例の反入力側キャリヤ20の一部を示す断面図である。図4では、圧入穴46の内径が一定である例を説明した。本例の圧入穴46は、ピン部材22が圧入される内径が一定の第1内径部46aの他に、第1内径部46aより底側に設けられる第2内径部46bを有する。第2内径部46bは第1内径部46aより内径が小さくなるように形成される。第1内径部46aは、たとえば、粗切削加工により得られた下穴の一部に前述の仕上げ加工を行うことで得られる。また、第2内径部46bは、下穴の一部に仕上げ加工を行わずにそのまま残すことで得られる。
また、本例の抜き穴48は、第1実施形態と異なり、図示はしないが、軸方向から見たとき、その一部が圧入穴46の内壁面から外側にはみ出るように設けられる。また、本例の抜き穴48は、その底面に設けられる開口48aを通して圧入穴46に通じる。この開口48aは、圧入穴46の底面に設けられる円錐面や、抜き穴48の底面に設けられる円錐面に開口する。
本例の抜き穴48は、たとえば、前述の粗切削加工で用いた切削工具54を用いて、反外歯歯車側から外歯歯車側に向けて反入力側キャリヤ20を切削することで得られる。本例の構造は、圧入穴46を得るための粗切削加工と仕上げ加工の他に、抜き穴48を得るための粗切削加工を要することになる。本例の構造においても、前述の参考構造と比べ、複数の粗切削加工の手間をかけたうえで実現できる。
(第2の実施の形態)
図8は、第2実施形態の減速装置10の一部を示す側面断面図である。減速装置10は、主には、抜き穴48の点で相違する。
反入力側キャリヤ20は、前述した圧入穴46の他に、中空部64を有する。本実施形態の中空部64は、反外歯歯車側に向けて開いて外側空間41(外部空間42)に通じるとともに、外歯歯車側が閉じた有底穴である。本実施形態の中空部64は、反入力側キャリヤ20の軽量化を目的とした肉抜き穴として機能する。本実施形態の中空部64は、軸方向から見たとき、内歯歯車16の中心軸線Laを円中心として圧入穴46に内接する仮想円をCaとした場合に、その仮想円Caより径方向内側に位置するように設けられる。また、本実施形態の中空部64は、内歯歯車16の中心軸線Laを通るように設けられる。本図では、減速装置10の軸方向に沿った断面上で仮想円Caと交差する箇所を示す。次に説明する仮想円Cbも同様である。
抜き穴48は、圧入穴46の内壁面に形成される第1開口46cを通じて圧入穴46に通じるとともに、中空部64の内壁面に形成される第2開口64aや中空部64を通して反入力側キャリヤ20の外側空間41に通じる。抜き穴48は外側空間41と圧入穴46とを通じさせることになる。これにより、抜き穴48は、圧入穴46にピン部材22を圧入するとき、圧入穴46の空気を抜く機能を果たせる。本実施形態の抜き穴48の中心線Ldは、軸方向に対して傾斜して設けられる。詳しくは、抜き穴48の中心線Ldは、外歯歯車14から軸方向に離れるにつれて径方向内側に近づくように傾斜して設けられる。
抜き穴48の中心線Ldは、オイルシール配置範囲S1を避けて設けられる。抜き穴48は、その中心線Ldがオイルシール配置範囲S1を避けるように設けられるともいえる。抜き穴48の中心線Ldは、径方向から見たとき、オイルシール配置範囲S1と重ならないように、言い換えると、オイルシール26と重ならないように設けられるともいえる。また、本実施形態の抜き穴48は、オイルシール配置範囲S1において、圧入穴46の中心延長線Lc’から径方向外側の領域Raを避けて設けられる。本実施形態の中空部64も同様の条件を満たす。本実施形態において、第2開口64aは、径方向から見たとき、オイルシール配置範囲S1と重ならないように設けられている。
内歯歯車16の中心軸線Laを中心として圧入穴46の中心線Lcを通る仮想円をCbとする。この仮想円Cbは、複数の圧入穴46の中心延長線Lc’のうち、内歯歯車16の中心軸線Laからの半径が最も小さい中心延長線Lc’を通る。前述の内容を別の観点から捉えると、抜き穴48は、オイルシール配置範囲S1において、前述の仮想円Cbから径方向外側の領域Raを避けて設けられるともいえる。これを実現するため、本実施形態の抜き穴48は、この領域Raより径方向内側に設けられる中空部64に通じ、かつ、その領域Raを避けた位置を通るように設けられる。
これにより、前述の通り、反入力側キャリヤ20の外周部で所要の強度を満足できる肉厚を確保しつつ、オイルシール26の径寸法の小型化を図れる。
なお、本実施形態の抜き穴48は、オイルシール配置範囲S1において、前述の仮想円Cbより小径の仮想円Caから径方向外側の領域Ra、Rbを避けて設けられてもいる。本実施形態の中空部64も同様の条件を満たす。
次に、前述の反入力側キャリヤ20を得るための加工方法の一例を説明する。まず、圧入穴46、抜き穴48が形成されておらず、中空部64が形成されている反入力側キャリヤ20を準備する。次に、切削工具54を用いて、圧入穴46の形成予定位置に下穴を形成する第1粗切削加工と、抜き穴48の形成予定位置に抜き穴48を形成する第2粗切削加工を行う。次に、前述の仕上げ工具62を用いて、圧入穴46の下穴58の内径を広げるように加工する仕上げ加工を行う。このように、本実施形態のキャリヤ20の構造も、前述の参考構造と比べ、複数回の粗切削加工の手間をかけたうえで実現できる。
(第3の実施の形態)
図9は、第3実施形態の減速装置10の一部を模式的に示す正面図である。本実施形態の減速装置10は、内歯歯車と噛み合う外歯歯車を回転させることで、外歯歯車の公転又は内歯歯車の自転を生じさせ、その生じた運動成分を出力部材から出力する単純遊星歯車減速装置である。
この減速装置10は、入力軸12と一体的に回転する太陽歯車66と、太陽歯車66と噛み合う遊星歯車となる複数の外歯歯車14と、外歯歯車14と噛み合う内歯歯車16とを備える。ピン部材22は、外歯歯車14の軸芯を軸方向に貫通しており、不図示の一対のキャリヤ18、20により支持される。ピン部材22は、外歯歯車14を軸受68を介して回転自在に支持する。単純遊星歯車減速装置の場合も、反入力側キャリヤ20は、図示はしないが、第1実施形態と同様の圧入穴46、抜き穴48を備える。
以上の減速装置10の動作を説明する。駆動装置から入力軸12に回転動力が伝達されると、入力軸12と一体的に太陽歯車66が回転し、その回転により外歯歯車14が回転する。外歯歯車14が回転すると、外歯歯車14と内歯歯車16の噛合位置が順次ずれ、外歯歯車14の公転又は内歯歯車16の自転が発生する。ケーシング24が出力部材となり、キャリヤ20が外部部材に固定される場合、外部部材によりピン部材22を介して外歯歯車14の公転が拘束され、内歯歯車16の自転が発生する。一方、キャリヤ18、20が出力部材となり、ケーシング24が外部部材に固定される場合、外部部材によりケーシング24を介して内歯歯車16の自転が拘束され、外歯歯車14の公転が発生する。入力軸12の回転は、外歯歯車14、内歯歯車16、太陽歯車66の歯数に応じた減速比で減速されて、出力部材から被駆動装置に出力される。
ここで、ピン部材22は、外歯歯車14を軸方向に貫通するため、外歯歯車14の公転成分と同期可能である。ここでの「外歯歯車14の公転成分と同期」するとは、外歯歯車14の公転が拘束されている場合は、ピン部材22が公転しない状態を維持することをいう。一方、外歯歯車14の公転が拘束されていない場合は、外歯歯車14の公転に連動してピン部材22が内歯歯車16の中心軸線Laの周りを公転することをいう。いずれの場合も、ゼロを含めた数字範囲の中で外歯歯車14の公転成分とピン部材22の公転成分を同じ大きさに維持することと捉えられる。
このように、遊星歯車減速装置10は、偏心揺動型減速装置、単純遊星歯車減速装置を例に説明したが、その種類はこれらに限定されない。また、単純遊星歯車減速装置に用いる場合も、図8の例のように、圧入穴46と中空部64を抜き穴48を介して通じさせてもよい。
また、第1実施形態、第2実施形態の偏心揺動型減速装置はセンタークランクタイプを例に説明した。この他にも、内歯歯車の中心軸線からオフセットした位置に複数の入力軸が配置される振り分けタイプの偏心揺動型減速装置に適用されてもよい。
また、第1実施形態、第2実施形態の出力部材はケーシング24であり、外部部材にはキャリヤ20が固定される場合を説明したが、出力部材がキャリヤ20であり、外部部材にはケーシング24が固定されてもよい。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
ピン部材22は、一対のキャリヤ18、20を連結するキャリヤピンとして機能する例を説明したが、キャリヤピンとして機能しなくともよい。この場合、一対のキャリヤ18、20はキャリヤボルト等により連結される。また、ピン部材22は、キャリヤ18、20が出力部材となる場合、外歯歯車14の自転成分又は公転成分をキャリヤ18、20に伝達する内ピンとして機能する。また、ピン部材22は、一対のキャリヤ18、20のうちの一方のキャリヤ18、20と同じ部材の一部として一体的に構成されていてもよい。この場合、ピン部材22は、他方のキャリヤ18、20に形成される圧入穴46に圧入されていればよい。
オイルシール26は、ケーシング24と反入力側キャリヤ20の間に配置される例を説明したが、ケーシング24と入力側キャリヤ18の間に配置されてもよい。また、オイルシール26が取り付けられる被取付部材をケーシング24とし、オイルシール26が摺動する被摺動部材をキャリヤ18、20としてもよいし、被取付部材をキャリヤ18、20とし、被摺動部材をケーシング24としてもよい。
抜き穴48は、次の第1条件及び第2条件の何れかを満たしていれば、その位置、形状は特に限定されない。ここでの第1条件とは、図4の例のように、オイルシール配置範囲S1において、圧入穴46の中心延長線Lc’より径方向内側に抜き穴48の中心線Ldが配置されることをいう。また、第2条件とは、図8の例のように、オイルシール配置範囲S1を避けて抜き穴48の中心線Ldが設けられていることをいう。
第1の条件を満たすうえで、抜き穴48の中心線Ldは、オイルシール配置範囲S1の少なくとも一部の範囲において配置されていればよい。抜き穴48の中心線Ldは、たとえば、オイルシール配置範囲S1の一部の範囲において軸方向に延び、かつ、オイルシール配置範囲S1の途中で径方向内側に延びるように曲がってもよい。この場合、抜き穴48は、キャリヤ20の中空部64を通してキャリヤ20の外側空間41に通じてもよい。
前述の(A)と同様の効果を得るうえで、抜き穴48は、図10に示すように、キャリヤ20の外周面に形成される第3開口20aを通して、キャリヤ20の外側空間41(内部空間40)に通じてもよい。本実施形態の第3開口20aは、オイルシール26と主軸受28の間の軸方向範囲において、キャリヤ20の外周面に形成される。また、この他にも、抜き穴48は、図示はしないが、キャリヤ20の外歯歯車側の側面に形成される開口を通して、キャリヤ20の内部空間40に通じてもよい。この場合、抜き穴48は、キャリヤ20の中空部64を介さずにキャリヤ20の内部空間40に通じる。いずれにしても、抜き穴48の中心線Ldがオイルシール配置範囲S1を避けて設けられていればよい。
また、本実施形態の中空部64は、反外歯歯車側に向けて開くとともに、外歯歯車側に閉じた有底穴である例を説明したが、反外歯歯車側、外歯歯車側の両方に開いた貫通穴でもよい。また、この他にも、中空部64は、反外歯歯車側に向けて閉じるとともに外歯歯車側に開いて外側空間41(内部空間40)に通じる有底穴でもよい。この場合、抜き穴48は、キャリヤ20の中空部64を通して減速装置10の内部空間40に通じており、減速装置10の内部空間40と圧入穴46を通じさせることになる。
抜き穴48の内壁面は、軸方向から見たとき、圧入穴46の内壁面から間を置いて設けられる例を説明したが、圧入穴46の内壁面の一部と重なっていてもよい。
オイルシール対向面52は、主軸受対向面50と同じ外径、又は、主軸受対向面50より大きい外径に設定されてもよい。
中空部64は、肉抜き穴として機能する例を説明したが、その機能は特に限定されない。
10…遊星歯車減速装置、14…外歯歯車、16…内歯歯車、18、20…キャリヤ、22…ピン部材、24…ケーシング、26…オイルシール、28…主軸受、46…圧入穴、48…抜き穴、50…主軸受対向面、52…オイルシール対向面、64…中空部。

Claims (4)

  1. 内歯歯車と、
    前記内歯歯車と噛み合う外歯歯車と、
    前記外歯歯車の軸方向側部に配置されたキャリヤと、
    前記キャリヤに支持され、前記外歯歯車の自転成分または公転成分と同期するピン部材と、
    前記キャリヤとケーシングの間に配置されたオイルシールと、を備えた遊星歯車減速装置であって、
    前記キャリヤは、前記ピン部材が圧入される圧入穴と、前記キャリヤの外側空間と前記圧入穴とを通じさせる抜き穴と、を有し、
    前記抜き穴の中心線は、前記オイルシールの配置された軸方向範囲において、前記圧入穴の中心線の延長線よりも径方向内側に位置する遊星歯車減速装置。
  2. 前記圧入穴の中心線の延長線と前記抜き穴の中心線とは平行である請求項1に記載の遊星歯車減速装置。
  3. 前記抜き穴の全体は、軸方向から見たとき、前記圧入穴の内壁面から内側に収まるように設けられる請求項2に記載の遊星歯車減速装置。
  4. 前記抜き穴の内壁面は、軸方向から見たとき、前記圧入穴の内壁面から間を置いて設けられる請求項3に記載の遊星歯車減速装置。
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