以下、図面を参照して本発明を適用した実施形態を説明する。以下の実施形態は、透過型のライトガイド及びこれを用いた虚像表示装置に関する。
(ライトガイドの実施形態)
図1に一実施形態のライトガイド50を示し、かかるライトガイド50を虚像表示光学系の光路上に配置した虚像表示装置の構成を図32に示す。図32では、虚像表示装置における虚像表示光学系の光路を示すとともに、装置のユーザすなわち虚像観察者の目を模式的に描いている。また、図32では、後述する光学部材200及び光源LSの図示を省略している。以下、ライトガイド50の面に関し、観察者から見て手前側(図1及び図32において下側)の面を「後面」とし、奥側(図1及び図32において上側)の面を「前面」として説明する。
ライトガイド50は、画像表示素子からの画像光を内部に入射及び導光して虚像表示のために射出する素子であり、図1に示す実施形態では、導光部材100と光学部材200とが一体的に設けられることで、全体が略角柱状の外形を呈する。
ライトガイド50の導光部材100の斜視図を図2に示し、導光部材100の前面図を図3に示す。導光部材100は、前面側から見た形状が長方形の板状で、画像表示素子からの画像光を内部に取り込んで導光し、虚像表示のために外部に射出する役割を有する。このため、導光部材100は、画像光を内部に入射する光線入射部101、入射した画像光を反射して内部に導光させるための前面及び後面、導光した画像光を取り出して外部に射出させるための光線射出部104を備える。さらに、導光部材100は、光線入射部101から入射し導光部材内を導光する画像光の進行方向を反転させる再帰反射部106と、導光部材100内を進行する画像光を光線射出部104に導光して取り出すための画像取り出し部103と、を備える。
ライトガイド50は、導光部材100の前面に画像取り出し部103が、導光部材100の後面に光線射出部104が、それぞれ設けられている。画像取り出し部103は、導光部材100内に導光される画像光を光線射出部104に向けて反射させる役割を有し、光線射出部104は、画像取り出し部103から導かれた画像光を虚像観察者の目に向けて外部に射出させる役割を有する。画像取り出し部103は、再帰反射部106で反転された画像光を光線射出部104に導光する画像取り出し面を備えており、その詳しい構成については後述する。
導光部材100の前面のうち画像取り出し部103が設けられていない領域は、入射した画像光を全反射して進行させるための全反射面102である。シースルー性を良好にするために、導光部材100の全反射面102と後面は、それぞれ平面であり、互いに平行に形成されている。
再帰反射部106は、光線入射部101とは反対側の端面に形成されており、詳細な構成については後述する。再帰反射部106は、光線入射部101から入射し導光部材内100を導光する画像光の進行方向を光線入射部101の方に向かって反転させる反転領域を構成している。画像光の反転領域は、前記再帰反射部106で構成してもよいし、後で説明する波動光学的な微細構造面で構成してもよい。
導光部材100の光線入射部101を図4に拡大して示す。光線入射部101は、導光部材100の後面から連続して設けられており、画像光の入射面積をより広く確保するために、導光部材100の前面から突起した形状となっている。
次に、導光部材100に設けられている再帰反射部106の詳細を説明する。
図1に示すように、再帰反射部106は、光線射出部104に対して垂直な面となる導光部材100の一側面、具体的には光線入射部101から最も離れた光線入射部101とは反対側の端面に設けられている。この再帰反射部106は、図2及び図3に示すように、多数の面で構成されている。言い換えると、光線入射部101とは反対側の端面は、平面ではなく、再帰反射部106としての多数の面が形成されている。
図5に再帰反射部106の構成を抽出して示す。図5中、導光部材100の長手方向に沿う側面107に平行な面を点線で示している。図5に示すように、再帰反射部106は、光線入射部101に連続する導光部材100の一の側面107に対して角度θsで傾斜する第1傾斜面106aと、第1傾斜面106aに対して角度θpで傾斜する第2傾斜面106bと、が連続して形成される。そして、第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bにより、一つのプリズムが構成される。言い換えると、再帰反射部106は、光線入射部101とは反対側の端面上に複数の屋根形のプリズムが連続して設けられてなる構成である。第1傾斜面106aと第2傾斜面106bとは、互いに略等しい形状と面積を有する平面である。
本実施形態において、側面107と第1傾斜面106aとのなす角θsは、135度である。また、第1傾斜面106aと第2傾斜面106bのなす角θpは、プリズムの頂角であり、本実施形態では90度に形成されている。したがって、再帰反射部106は、頂角が90度である多数個のプリズムで構成されている。本実施形態では、再帰反射部106は、側面107に対して垂直配置しているが、変形例としては、プリズムの頂角90°が保たれていれば、再帰反射部106は側面107に対して傾斜していても構わない。
再帰反射部106に到達した画像光を良好に反射させるため、再帰反射部106すなわち第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bに反射率の高いコートを設けることが好ましい。かかるコートの反射率は、70%以上であることが望ましい。
上述のように、本実施形態では、光線射出部104に対して垂直な側面の内の一つ、すなわち光線入射部101とは反対側の端面上に再帰反射部106を形成している。他の例として、光線射出部104に対して垂直な面である他の側面107、或いはかかる側面107に対向する他方の側面108にも再帰反射部を設ける構成としてもよい。
また、本実施形態では頂角が90度であるプリズムで再帰反射部106を形成したが、他の例として、ビーズ状や三角錐形状のプリズムで再帰反射部106を形成することもできる。
以下、導光部材100における画像取り出し部103の構成について説明する。
画像取り出し部103の構成は、図6乃至図9に示すように種々の形状とすることができる。以下、図6乃至図9に示す形態をそれぞれ第1乃至第4の実施形態(画像取り出し部103、103A乃至103C)として説明する。
これら各実施形態において、画像取り出し部(103、103A〜103C)を構成する各面は、導光部材100の前面側に形成されており、後述する第2面103bは同一平面上すなわち導光部材100の前面上に複数設けられている点で共通する。
また、各実施形態において、画像取り出し部(103、103A〜103C)は、それぞれ導光部材100の前面から連続し傾斜する平面である第1面103aと第3面103cとが、傾斜の向きを逆にして互いに対向するように配置されている点で共通する。さらに、各実施形態において、画像取り出し部は、再帰反射部106に向かって、第1面103aと第2面103bと第3面103cとがこの順で繰り返し配置されている点で共通する。
以下、第1面103aと第3面103cが導光部材100の前面から凹陥して形成されている構成を画像取り出し部の第1及び第2実施形態として説明する。また、第1面103aと第3面103cが導光部材100の前面から突起して形成されている構成を画像取り出し部の第3及び第4実施形態として説明する。
(第1実施形態の画像取り出し部)
画像取り出し部103の第1実施形態の構成を図6に拡大して示す。画像取り出し部103は、傾斜面である第1面103aと、光線射出部104に平行な第2面103bと、傾斜面である第3面103cと、が反転領域としての再帰反射部106(図6において右側)に向かってこの順で繰り返し配置されてなる。図6に示すように、第1実施形態の画像取り出し部103は、第1面103aと第3面103cとで断面がV字状の凹陥部を形成している。
第1実施形態において、画像取り出し部103の第1面103aは、その一端(図6において上端)が再帰反射部106側に位置する第2面103bと連続し、かかる第2面103bに対してθaの角度で傾斜する矩形の平面である。第2面103bは、光線射出部104に平行であり、第2面103bと光線射出部104とのなす角θb=0°である。第1面103aは、光線射出部104に対してもθaの傾斜角度を有する。また、第1面103aは、その他端(図6において下端)が光線入射部101側(図6において左側)に位置する第3面103cと連続している。
第1実施形態において、画像取り出し部103の第1面103aは、導光部材100の内部に入射し、再帰反射部106で反射した画像光を光線射出部104に導いて光線射出部104から射出させる画像取り出し面としての役割を担う平面である。第1面103aは、光線射出部104に対してθaの傾斜角で傾斜することにより、再帰反射部106と対向している。
第2面103bは、矩形の平面であり、光線入射部101側(図6において左側)の一端が第1面103aに連続し、再帰反射部106側(図6において右側)の一端が第3面103cに連続する。第2面103bと光線射出部104との距離は、それぞれの第2面103b間において同一である。かかる構成により、加工性及びシースルー性が良好に確保される。
第2面103bは、入射された画像光を反射させて再帰反射部106に導く役割、および再帰反射部106で進行方向が反転された画像光を反射させる反射面としての役割を担う。さらに、第2面103bは、シースルー性を確保するため、ライトガイド50の前面及び後面からの外部の光を入射させる透過面としての役割も担っている。
第2面103bを光線射出部104に対して傾斜させる、すなわち角度θb≠0°に設定すると、導光部材100内で導光される画像光が、第2面103bで反射される反射角と、光線射出部104で反射される反射角とで一致せずに変化することになる。この場合、光線入射部101から入射される光線と光線入射部101の法線とのなす角で定義される入射角θinと、光線射出部104から射出される光線と光線射出部104の法線とのなす角で定義される射出角θoutとが同角度とならない。さらに、画像光が第1面103a及び光線射出部104を通じてライトガイド50の外部に射出される際に、異なった方向に射出されてしまい、虚像としては思わしくないものとなってしまう。したがって、各実施形態において、角度θb=0°とし、第2面103bを光線射出部104に対して平行に形成している。
第3面103cは、その一端(図6において上端)が光線入射部101側(図6において左側)に位置する第2面103bと連続し、かかる第2面103bに対してθcの角度で傾斜する矩形の平面である。上記のように第2面103bは光線射出部104に平行であることから、第3面103cは、光線射出部104に対してもθcの傾斜角度を有する。また、第3面103cは、その他端(図6において下端)が再帰反射部106側(図6において右側)に位置する第1面103aと連続している。
第1実施形態では、第3面103cは、光線入射部101に対向する向きに形成されており、画像取り出し面としての第1面103aと傾斜の向きを逆にして対向配置される。かかる第3面103cは、導光部材100の内部に導光され再帰反射部106側に進行する画像光が当たらない位置に設けられることが好ましい(図28参照)。
また、再帰反射部106側に進行する画像光が第3面103cに当たった場合に当該画像光が迷光とならないように、第3面103cの傾斜角度θcが設定されていることが好ましい。例えば、傾斜角θcは、再帰反射部106側に進行する画像光が第3面103cに当たった場合に当該画像光が導光部材100の前面から外部に射出される角度に設定されることが好ましい。あるいは、傾斜角θcは、再帰反射部106で反射された画像光が第3面103cに当たった場合に当該画像光が光線射出部104に導かれる角度に設定することもできる。
図6の例では、傾斜角度θa=θcであり、このため、第1面103aと第3面103cは互いに等しい面積を有している。他方、上述のように、第1面103aと第3面103cとでは互いに異なる機能を有するため、θaとθcを互いに異なる角度とすることもできる。
(第2実施形態の画像取り出し部)
画像取り出し部の第2実施形態の構成を図7に拡大して示す。第2実施形態の画像取り出し部103Aは、上述した図6の構成と比較して分かるように、第1実施形態の構成に第4面103dが付加された構成である。
第2実施形態の画像取り出し部103Aは、傾斜面(画像取り出し面)である第1面103a、光線射出部104に平行な第2面103b、傾斜面(対向面)である第3面103c、および光線射出部104に平行な第4面103dを備える。そして、画像取り出し部103Aは、第1面103aと、第2面103bと、第3面103cと、第4面103dと、が再帰反射部106(図7において右側)に向かってこの順で繰り返し配置された構成である。第2実施形態の画像取り出し部103Aは、第1面103aと第3面103cと第4面103dとで断面が台形状の凹陥部を形成している。
第1面103a、第2面103b、および第3面103cの構成や機能等は、上述した第1実施形態のものと同等であるため、説明を省略する。
第4面103dは、光線射出部104に平行な矩形の平面である。第4面103dは、その光線入射部101側(図7において左側)の一端が第1面103aの一端(図7において下端)に連続し、再帰反射部106側(図7において右側)の一端が第3面103cの一端(図7において下端)に連続する。かかる構成により、導光部材100の材料容積の軽減や軽量化が図られ、シースルー性を向上させることができる。また、第4面103dは、上述した第2面103bと同様に、入射された画像光を反射させて再帰反射部106に導く役割、及び再帰反射部106で進行方向が反転された画像光を反射させる反射面としての役割を担う(図29参照)。
図6及び図7に示す各実施形態は、第1面103a及び第3面103cが導光部材100の前面及び第2面103bから凹陥して溝状に形成され、第1面103aが再帰反射部106に対向し、第3面103cは光線入射部101に対向する向きに形成されている。このため、再帰反射部106で進行方向が反転した画像光を光線射出部104に導く役割を第1面103aが担っており、第1面103aが画像取り出し面として機能する。
これに対して、図8及び図9に示す各実施形態は、第1面103a及び第3面103cが導光部材100の前面及び第2面103bから突起して山状に形成されている。また、図8及び図9の各実施形態では、第3面103cが再帰反射部106に対向し、第1面103aは光線入射部101に対向する向きに形成されている。このため、再帰反射部106で進行方向が反転した画像光を光線射出部104に導く役割を第3面103cが担っており、第3面103cが画像取り出し面として機能する。
(第3実施形態の画像取り出し部)
画像取り出し部103の第3実施形態の構成を図8に拡大して示す。図8中、光線射出部104に平行な面を点線で表している。第3実施形態の画像取り出し部103Bは、傾斜面である第1面103aと、光線射出部104に平行な第2面103bと、傾斜面である第3面103cと、が再帰反射部106(図8において右側)に向かってこの順で繰り返し配置された構成である。
第3実施形態において、画像取り出し部103Bの第1面103aは、その一端(図8において下端)が再帰反射部106側に位置する第2面103bと連続している。第1面103aは、第2面103bに対してθaの角度で傾斜する矩形の平面である。上記のように、第2面103bは、光線射出部104に平行であり、第2面103bと光線射出部104とのなす角θb=0°である。したがって、第1面103aは、光線射出部104に対してもθaの傾斜角度を有する。また、第1面103aは、その他端(図8において上端)が光線入射部101側(図6において左側)に位置する第3面103cと連続している。
この第3実施形態では、第1面103aは、光線入射部101に対向する向きに形成されており、画像取り出し面としての第3面103cと傾斜の向きを逆にして対向配置される。かかる第1面103aは、導光部材100の内部に導光され再帰反射部106側に進行する画像光が当たらない位置に設けられることが好ましい(図29参照)。
また、再帰反射部106側に進行する画像光が第1面103aに当たった場合に当該画像光が迷光とならないように、第1面103aの傾斜角度θaが設定されていることが好ましい。例えば、傾斜角θaは、再帰反射部106側に進行する画像光が第1面103aに当たった場合に当該画像光が導光部材100の前面から外部に射出される角度に設定するとよい。あるいは、傾斜角θaは、再帰反射部106側に進行する画像光が第1面103aに当たった場合に当該画像光が光線射出部104に導かれる角度に設定することもできる。
第2面103bは、矩形の平面であり、光線入射部101側(図8において左側)の一端が第1面103aに連続し、再帰反射部106側(図8において右側)の一端が第3面103cに連続する。第2面103bと光線射出部104との距離は、それぞれの第2面103b間において同一である。かかる構成により、加工性及びシースルー性が良好に確保される。
第3面103cは、その一端(図8において下端)が光線入射部101側(図8において左側)に位置する第2面103bと連続し、かかる第2面103bに対してθcの角度で傾斜する矩形の平面である。上記のように第2面103bは光線射出部104に平行であることから、第3面103cは、光線射出部104に対してもθcの傾斜角度を有する。また、第3面103cは、その他端(図8において上端)が再帰反射部106側(図8において右側)に位置する第1面103aと連続している。
第3実施形態では、第3面103cは、再帰反射部106に対向する向きに形成されており、再帰反射部106で進行方向が反転した画像光を光線射出部104に導く画像取り出し面としての機能を有する。
図8の例では、傾斜角度θa=θcであり、このため、第1面103aと第3面103cは互いに等しい面積を有している。他方、上述のように、第1面103aと第3面103cとでは互いに異なる機能を有するため、θaとθcを互いに異なる角度とすることもできる。
(第4実施形態の画像取り出し部)
画像取り出し部103の第4実施形態の構成を図9に拡大して示す。図9中、光線射出部104に平行な面を点線で表している。第4実施形態の画像取り出し部103Cは、上述した図8の構成と比較して分かるように、第3実施形態の構成に第4面103dが付加された構成である。
すなわち、第4実施形態の画像取り出し部103Cは、傾斜面(対向面)である第1面103a、光線射出部104に平行な第2面103b、傾斜面(画像取り出し面)である第3面103c、及び光線射出部104に平行な第4面103dを備える。そして、画像取り出し部103Cは、第1面103aと、第2面103bと、第3面103cと、第4面103dと、が再帰反射部106(図9において右側)に向かってこの順で繰り返し配置された構成である。
第1面103a、第2面103b、及び第3面103cの構成や機能等は、上述した第3実施形態のものと同等であるため、説明を省略する。
第4面103dは、光線射出部104に平行な矩形の平面である。第4面103dは、その光線入射部101側(図9において左側)の一端が第3面103cの一端(図9において上端)に連続し、再帰反射部106側(図9において右側)の一端が第1面103aの一端(図9において上端)に連続する。
第4実施形態の第4面103dも、上述した第2面103bと同様に、入射された画像光を反射させて再帰反射部106に導く役割、及び再帰反射部106で進行方向が反転された画像光を反射させる反射面としての役割を担う。
(ライトガイドの他の実施形態)
ここまで説明してきたライトガイドの実施形態は、導光部材が、導光部材内を導光する画像光の進行方向を光線入射部の方向に反転させる再帰反射部106を有している。再帰反射部106は、導光部材100内を導光する画像光の進行方向を光線入射部101の方に向かって反転させる反転領域を構成している。反転領域は、導光部材100内を導光する画像光の進行方向を光線入射部101の方に向かって反転させる機能をもっていればよい。したがって、反転領域を、再帰反射部106の代わりに、微細な構造で構成された波動光学的な微細構造面にしてもよい。再帰反射部106の複数の面がミリオーダーであるのに対し、波動光学的な微細構造はサブミクロン以下すなわちナノオーダーの凹凸となる。以下に説明するライトガイドの他の実施形態は、波動光学的な微細構造面を備えている例である。
波動光学的な微細構造とは、先述のようにサブミクロン以下すなわちナノオーダーの凹凸でできた微細構造のことである。波動光学的な微細構造面により、光線入射部から入射し導光部材内を導光する画像光の進行方向を光線入射部の方向に向かって反転させることができる。
図44乃至図46は、図1乃至図5に示すライトガイド50の実施形態における導光部材100の再帰反射部106に代わる反転領域として、波動光学的な微細構造からなる面(以下「微細構造面」という)206を備えている例を示している。微細構造面206以外の構成は図1乃至図5に示す実施形態の構成と同じであり、同じ構成部分には共通の符号を付している。
図44乃至図46に示すように、波動光学的な微細構造面206は、光線射出部104に対して垂直な面となる導光部材100の一側面、具体的には光線入射部101から最も離れた側面である光線入射部101とは反対側の端面に設けられている。
図47に微細構造面206を平面方向から見た構成を拡大して示す。光線入射部101から最も離れた導光部材100の側面に微細構造面206が配されている。
本実施形態では、微細構造面206は、具体的にはホログラム又は回折面で構成され、導光部材100の側面107に対して垂直方向の側面に配置している。変形例として、微細構造面206は側面107に対して傾斜している面に形成しても構わない。
波動光学的な微細構造面206に到達した画像光は、微細構造面206において波長選択的に反射され、また透過する。
上述のように、本実施形態では、光線射出部104に対して垂直な側面の一つである、光線入射部101とは反対側の端面に波動光学的な微細構造面206がある。他の例として、光線射出部104に対して垂直な面である他の側面107、あるいは側面107に対向する他方の側面108にも微細構造面を設けてもよい。
また、本実施形態では波動光学的な微細構造面206の例として、ホログラムまたは回折面を挙げたが、他の例として、ビーズ状や三角錐形状のプリズムで微細構造面206を形成することもできる。
(微細構造面を有する導光部材の画像取り出し部)
微細構造面206を有する導光部材100の画像取り出し部103の形態は、図6乃至図9について説明したような種々の実施形態とすることができる。以下、図44乃至図47を、図6乃至図9と併せて参照しながら、波動光学的な微細構造面206を有するライトガイドの画像取り出し部の種々の各実施形態について説明する。図6乃至図9に示す実施例では、画像光の進行方向を反転させる反転領域が再帰反射部106となっているが、以下に説明する実施形態では、再帰反射部106が波動光学的な微細構造面で代替されているものとして説明する。
これら各実施形態において、画像取り出し部(103、103A〜103C)を構成する各面は、導光部材100の前面側に形成されており、後述する第2面103bは同一平面上すなわち導光部材100の前面上に複数設けられている点で共通する。
また、各実施形態において、画像取り出し部(103、103A〜103C)は、それぞれ導光部材100の前面から連続し傾斜する平面である第1面103aと第3面103cとが、傾斜の向きを逆にして互いに対向するように配置されている点で共通する。さらに、各実施形態において、画像取り出し部は、再帰反射部106に代わる反転領域としての微細構造面206に向かって、第1面103aと第2面103bと第3面103cとがこの順で繰り返し配置されている点で共通する。
以下、第1面103aと第3面103cが導光部材100の前面から凹陥して形成されている構成を画像取り出し部の第1及び第2実施形態として説明する。また、第1面103aと第3面103cが導光部材100の前面から突起して形成されている構成を画像取り出し部の第3及び第4実施形態として説明する。
(画像取り出し部の第1実施形態)
画像取り出し部103の第1実施形態の構成を図6に拡大して示す。画像取り出し部103は、傾斜面である第1面103aと、光線射出部104に平行な第2面103bと、傾斜面である第3面103cと、前記再帰反射部106に代わる微細構造面に向かってこの順で繰り返し配置された構成である。図6に示すように、第1実施形態の画像取り出し部103は、第1面103aと第3面103cとで断面がV字状の凹陥部を形成している。
第1実施形態において、画像取り出し部103の第1面103aは、その一端(図6において上端)が微細構造面側に位置する第2面103bと連続し、第2面103bに対してθaの角度で傾斜する矩形の平面である。第2面103bは、光線射出部104に平行であり、第2面103bと光線射出部104とのなす角θb=0°である。第1面103aは、光線射出部104に対してもθaの傾斜角度を有する。また、第1面103aは、その他端(図6において下端)が光線入射部101側(図6において左側)に位置する第3面103cと連続している。
第1実施形態において、画像取り出し部103の第1面103aは、導光部材100の内部に入射しかつ反転領域で反射した画像光を光線射出部104に導いて光線射出部104から射出させる画像取り出し面としての役割を担う平面である。第1面103aは、光線射出部104に対してθaの傾斜角で傾斜することにより、前記反転領域である波動光学的な微細構造面と対向している。
第2面103bは、矩形の平面であり、光線入射部101側(図6において左側)の一端が第1面103aに連続し、微細構造面側(図6において右側)の一端が第3面103cに連続している。第2面103bと光線射出部104との距離は、それぞれの第2面103b間において同一である。かかる構成により、導光部材100の加工性及びシースルー性が良好に確保される。
第2面103bは、入射された画像光を反射させて微細構造面に導く役割、及び微細構造面で進行方向が反転された画像光を反射させる反射面としての役割を担う。さらに、第2面103bは、導光部材100のシースルー性を確保するため、ライトガイド50の前面及び後面からの外部の光を入射させる透過面としての役割も担っている。
第2面103bを光線射出部104に対して傾斜させる、すなわち角度θb≠0°に設定すると、導光部材100内で導光される画像光が、第2面103bでの反射角と、光線射出部104での反射角とで一致せずに変化することになる。この場合、光線入射部101から入射される光線と光線入射部101の法線とのなす角で定義される入射角θinと、光線射出部104から射出される光線と光線射出部104の法線とのなす角で定義される射出角θoutとが同角度とならない。さらに、画像光が第1面103a及び光線射出部104を通じてライトガイド50の外部に射出される際に、異なった方向に射出されてしまい、虚像としては思わしくないものとなってしまう。したがって、各実施形態において、角度θb=0°とし、第2面103bを光線射出部104に対して平行に形成している。
第3面103cは、その一端(図6において上端)が光線入射部101側(図6において左側)に位置する第2面103bと連続し、かかる第2面103bに対してθcの角度で傾斜する矩形の平面である。上記のように第2面103bは光線射出部104に平行であることから、第3面103cは、光線射出部104に対してもθcの傾斜角度を有する。また、第3面103cは、その他端(図6において下端)が微細構造面側(図6において右側)に位置する第1面103aと連続している。
第1実施形態では、第3面103cは、光線入射部101に対向する向きに形成されており、画像取り出し面としての第1面103aと傾斜の向きを逆にして対向配置されている。かかる第3面103cは、導光部材100の内部に導光され微細構造面側に向かって進行する画像光が当たらない位置に設けられることが好ましい(図28参照)。
また、微細構造面側に向かって進行する画像光が第3面103cに当たった場合に当該画像光が迷光とならないように、第3面103cの傾斜角度θcが設定されていることが好ましい。例えば、傾斜角θcは、微細構造面側に進行する画像光が第3面103cに当たった場合に当該画像光が導光部材100の前面から外部に射出される角度に設定されることが好ましい。あるいは、傾斜角θcは、微細構造面で反射された画像光が第3面103cに当たった場合に当該画像光が光線射出部104に導かれる角度に設定することもできる。
図6の例では、傾斜角度θa=θcであり、このため、第1面103aと第3面103cは互いに等しい面積を有している。他方、上述のように、第1面103aと第3面103cとでは互いに異なる機能を有するため、θaとθcを互いに異なる角度とすることもできる。
(画像取り出し部の第2実施形態)
画像取り出し部の第2実施形態の構成を図7に拡大して示す。第2実施形態の画像取り出し部103Aは、図6の構成と比較して分かるように、第1実施形態の構成に第4面103dが付加された構成である。
第2実施形態の画像取り出し部103Aは、傾斜面(画像取り出し面)である第1面103a、光線射出部104に平行な第2面103b、第1面103aに対向する傾斜面である第3面103c、光線射出部104に平行な第4面103dを備える。画像取り出し部103Aは、第1面103aと、第2面103bと、第3面103cと、第4面103dと、が波動光学的な微細構造面(図7において右側)に向かってこの順で繰り返し配置された構成である。第2実施形態の画像取り出し部103Aは、第1面103aと第3面103cと第4面103dとで断面が台形状の凹陥部を形成している。
第1面103a、第2面103b、及び第3面103cの構成やこれらの機能等は、前述した第1実施形態のものと同等であるため、説明を省略する。
第4面103dは、光線射出部104に平行な矩形の平面である。第4面103dは、その光線入射部101側(図7において左側)の一端が第1面103aの一端(図7において下端)に連続し、微細構造面側(図7において右側)の一端が第3面103cの一端(図7において下端)に連続する。かかる構成により、導光部材100の材料容積の軽減や軽量化が図られ、導光部材100のシースルー性を向上させることができる。また、第4面103dは、上述した第2面103bと同様に、入射された画像光を反射させて微細構造面に導く役割、及び微細構造面で進行方向が反転された画像光を反射させる反射面としての役割を担う(図29参照)。
図6及び図7に示す各実施形態は、第1面103a及び第3面103cが導光部材100の前面及び第2面103bから凹陥して溝状に形成されている。第1面103aは反転領域である微細構造面に対向し、第3面103cは光線入射部101に対向する向きに形成されている。このため、微細構造面で進行方向が反転した画像光を光線射出部104に導く役割を第1面103aが担っており、第1面103aが画像取り出し面として機能する。
これに対して、図8及び図9に示す各実施形態は、第1面103a及び第3面103cが導光部材100の前面及び第2面103bから突起して山状に形成されている。また、図8及び図9の各実施形態では、第3面103cが微細構造面に対向し、第1面は光線入射部101に対向する向きに形成されている。このため、微細構造面で進行方向が反転した画像光を光線射出部104に導く役割を第3面103cが担っており、第3面103cが画像取り出し面として機能する。
(画像取り出し部の第3実施形態)
画像取り出し部103の第3実施形態の構成を図8に拡大して示す。図8中、光線射出部104に平行な面を点線で表している。第3実施形態の画像取り出し部103Bは、傾斜面である第1面103aと、光線射出部104に平行な第2面103bと、傾斜面である第3面103cと、が微細構造面(図8において右側)に向かってこの順で繰り返し配置された構成である。
第3実施形態において、画像取り出し部103Bの第1面103aは、その一端(図8において下端)が微細構造面側に位置する第2面103bと連続し、第2面103bに対してθaの角度で傾斜する矩形の平面である。第2面103bは、光線射出部104に平行であり、第2面103bと光線射出部104とのなす角θb=0°である。したがって、第1面103aは、光線射出部104に対してもθaの傾斜角度を有する。また、第1面103aは、その他端(図8において上端)が光線入射部101側(図6において左側)に位置する第3面103cと連続している。
この第3実施形態では、第1面103aは、光線入射部101に対向する向きに形成されており、画像取り出し面としての第3面103cと傾斜の向きを逆にして対向配置される。かかる第1面103aは、導光部材100の内部に導光され微細構造面側に進行する画像光が当たらない位置に設けられることが好ましい(図29参照)。
また、微細構造面に向かって進行する画像光が第1面103aに当たった場合に当該画像光が迷光とならないように、第1面103aの傾斜角度θaが設定されていることが好ましい。例えば、傾斜角θaは、微細構造面側に進行する画像光が第1面103aに当たった場合に当該画像光が導光部材100の前面から外部に射出される角度に設定するとよい。あるいは、傾斜角θaは、微細構造面側に進行する画像光が第1面103aに当たった場合に当該画像光が光線射出部104に導かれる角度に設定することもできる。
第2面103bは、矩形の平面であり、光線入射部101側(図8において左側)の一端が第1面103aに連続し、微細構造面106側(図8において右側)の一端が第3面103cに連続する。第2面103bと光線射出部104との距離は、それぞれの第2面103b間において同一である。かかる構成により、導光部材100の加工性及びシースルー性が良好に確保される。
第3面103cは、その一端(図8において下端)が光線入射部101側(図8において左側)に位置する第2面103bと連続し、かかる第2面103bに対してθcの角度で傾斜する矩形の平面である。上記のように第2面103bは光線射出部104に平行であることから、第3面103cは、光線射出部104に対してもθcの傾斜角度を有する。また、第3面103cは、その他端(図8において上端)が微細構造面側(図8において右側)に位置する第1面103aと連続している。
第3実施形態では、第3面103cは、微細構造面に対向する向きに形成されており、微細構造面で進行方向が反転した画像光を光線射出部104に導く画像取り出し面としての機能を有する。
図8の例では、傾斜角度θa=θcであり、このため、第1面103aと第3面103cは互いに等しい面積を有している。他方、上述のように、第1面103aと第3面103cとでは互いに異なる機能を有するため、θaとθcを互いに異なる角度とすることもできる。
(画像取り出し部の第4実施形態)
画像取り出し部103の第4実施形態の構成を図9に拡大して示す。図9中、光線射出部104に平行な面を点線で表している。第4実施形態の画像取り出し部103Cは、上述した図8の構成と比較して分かるように、第3実施形態の構成に第4面103dが付加された構成である。
第4実施形態の画像取り出し部103Cは、傾斜面(対向面)である第1面103a、光線射出部104に平行な第2面103b、傾斜面(画像取り出し面)である第3面103c、及び光線射出部104に平行な第4面103dを備える。画像取り出し部103Cは、第1面103aと、第2面103bと、第3面103cと、第4面103dと、が微細構造面(図9において右側)に向かってこの順で繰り返し配置された構成である。
第1面103a、第2面103b、及び第3面103cの構成や機能等は、上述した第3実施形態のものと同等であるため、説明を省略する。
第4面103dは、光線射出部104に平行な矩形の平面である。第4面103dは、その光線入射部101側(図9において左側)の一端が第3面103cの一端(図9において上端)に連続し、微細構造面側(図9において右側)の一端が第1面103aの一端(図9において上端)に連続する。
第4実施形態の第4面103dも、上述した第2面103bと同様に、入射された画像光を反射させて微細構造面に導く役割、及び微細構造面で進行方向が反転された画像光を反射させる反射面としての役割を担う。
以上説明したような、導光部材が、画像光の反転領域として波動光学的な微細構造面206を有するライトガイドを用いると、以下のような効果を得ることができる。
(1)一般的な反射面は光線が発散するのに対し、波動光学的な微細構造面は、波長選択性がよく、不要な光は透過する。
(2)プリズムによる再帰反射のように、反射面にコートを施す必要がない。
(3)プリズムによる再帰反射のように、厳密な公差設定は不要である。
(4)小型化、薄型化が容易である。
(導光部材の具体例)
以下、導光部材100の構成を更に詳細に説明する。導光部材100の材質は、シースルー性を考慮すると透過性の高い材質、例えば硝子等が好ましく、さらに、上述した画像取り出し部103の加工を考慮すると、樹脂で成形することが好ましい。
また、画像取り出し部103の画像取り出し面(第1面103aまたは第3面103c)には任意のコートを施すことができ、例えば、アルミニウムや銀、誘電コートなどのミラーコートを施すことができる。導光される画像光の光量の損失を出来るだけ防止するために、画像取り出し部103の画像取り出し面には、反射率が10%以上のコートを施すことが望ましく、さらには、反射率が略100%のコートを施すことが、より望ましい。
導光部材100における画像取り出し部103の第2面103bの幅wの値は、
0.5[mm] < w < 3.0[mm]
の条件を満たすように設定される。ここで、幅wは、導光部材100の長手方向に沿った方向すなわち入射された画像光の進行方向に沿った方向における第2面103bの長さである(図6参照)。
以下、第2面103bの幅wの設定条件について詳細に説明する。
虚像として確認できる視野の幅を「アイボックス」と称し、虚像が確認できる光線射出部104から眼球までの距離を「アイレリーフ」と称する。そして、アイボックスの径をφ、アイレリーフをL、ライトガイドの厚み(肉厚)をtl、画像取り出し部103が有する光線射出部104と平行な面すなわち第2面103bの数をnとすると、第2面103bの幅wは、次式で表される。
ここで、アイボックスの幅が広いほど見える範囲も広くなるため、通常、アイボックス径φは大きいほうが望ましい。他方、アイボックス径φを大きくすると、ライトガイドの厚みが厚くなり、ライトガイドの設計難易度が高くなりがちとなる。
一般的には、目の瞳の直径は5mm程度であるが、個人差に応じてライトガイド50の適切な位置設定が必要となるため、アイボックス径φを大きく設定する方が良い。また、後述のようにライトガイド50を眼鏡型の虚像表示装置に適用することを考慮すると、一般にアイレリーフLは15mm以上必要である。
したがって、例えばアイレリーフを20mmに設定し、アイボックスを5mm以上10mm以下に設定すると、第2面103bの幅wは、上記の
0.5[mm] < w < 3.0[mm]
の条件を満たす必要がある。
第2面103bの幅wが0.5mmに満たない場合、画像取り出し面(第1面103aまたは第3面103c)の幅を短くする必要があり、入射された画像光の回折現象が生じやすくなり、また製造が難しくなるため、望ましくない。さらに、画像取り出し面の幅を短くすることなしに、アイレリーフ20mmの位置においてアイボックス5mm以上10mm以下を確保するためには、ライトガイドの厚みを増す必要があり、重量も大きくなるため望ましくない。
一方、第2面103bの幅wが3.0mmを超える場合、入射された画像光につき、画像取り出し面を反射して光線射出部104から射出される光線の密度が低下し、目の位置における光量が低下するため、望ましくない。したがって、画像取り出し部103の第2面103bの幅wは、
0.5[mm] < w < 3.0[mm]
の条件を満たすことが望ましい。
第2面103bの幅wは、各々の第2面103bで異なる値としてもよい。具体的には、通常、光線入射部101からの距離が長くなるほど画像光の光線密度が低下することから、光線入射部101からの距離が短くなるほど第2面103bの幅wを小さくする設定にするとよい。かかる設定とすることで、光線入射部101から近くなるほど画像取り出し面(第1面103aまたは第3面103c)の単位長さあたりの配置数が増えるので、光量ムラを低減させることができる。
同様に、光量ムラを低減させるために、画像取り出し部103の画像取り出し面(第1面103aまたは第3面103c)の幅を各々の面で異なる幅としてもよい。画像取り出し面の幅は、導光部材100の長手方向に沿った方向すなわち入射された画像光の進行方向に沿った方向における第1面103aまたは第3面103cの長さである。具体的には、光線入射部101からの距離が短くなるほど第1面103aまたは第3面103cの幅を大きくする設定にするとよい。かかる設定とすることにより、光線入射部101から近くなるほど第1面103aまたは第3面103cの面積が大きくなるので、光量ムラを低減させることができる。
ライトガイド50の厚みは、1mmから8mmの範囲とすることが望ましい。ライトガイド50の厚みが1mmに満たないと、導光部材100の画像取り出し部103の形状を形成することが困難となる。他方、ライトガイド50の厚みが8mmを超えると、広視野角を得るには有利であるが、部材の重量が大きくなることから、好ましくない。
(光学部材の構成)
次に、光学部材200の構成を説明する。
(第1実施形態の光学部材)
第1実施形態の光学部材200は、図1に示すように、平面視で矩形の外形を有する板状の部材である。光学部材200は、導光部材100の前面すなわち画像取り出し部103及び全反射面102に対向して設けられることで、主に光線射出部104及び画像取り出し部103の光線透過性すなわちシースルー性を向上させる役割を有する。また、光学部材200は、導光部材100のたわみの補正と、画像取り出し部103を保護する役割をも有する。
光学部材200は、導光部材100の光線射出部104に平行に位置する前面210を有する。光学部材200の後面は、導光部材100の画像取り出し部103に対向配置される部位であり、図1の例では前面210に平行な平面となっている。光学部材200の後面は、導光部材100の画像取り出し部103に空気層すなわちエアギャップ140を介して近接配置されている。本実施形態では、導光部材100の前面の端縁と光学部材200の後面の端縁とを、マイクロボール型の接着剤を用いて接着している。このようにすることで、画像取り出し部103のエアギャップ140を等間隔とすることが可能となり、シースルー性をより高めることができる。
光学部材200の材質としては、導光部材100と同じ部材とすることができる。また、光学部材200の材質として、板ガラス、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等を使用することができる。
光学部材200の他の実施の形態については後述する。
(虚像表示装置の各種構成)
次に、上述した第1実施形態の画像取り出し部103を備えた導光部材100をライトガイド50として用いた虚像表示装置について、図10乃至図17、図26乃至図28、及び図32を参照して説明する。図10乃至図43では、導光部材100が有している画像光の反転領域が再帰反射部106で構成されている例が示されている。前記反転領域は、再帰反射部106の代わりに、既に説明した微細な構造で構成された波動光学的な微細構造面で構成してもよい。したがって、以下の説明において、「再帰反射部106」は「波動光学的な微細構造面」と読み替えてもよい。
図10に示す虚像表示装置は、表示画像の画像光を出力する画像表示素子10と、画像表示素子10からの画像光をコリメートして射出するコリメート光学系300と、ライトガイド50とを虚像表示光学系として備える。かかる虚像表示光学系において、コリメート光学系300は、導光部材100の光線入射部101の直近に配置され、画像表示素子10で表示される画像光すなわち表示画像の画像情報を角度変換して導光部材100に入射させる役割を担う。
画像表示素子10は、ライトガイド50を通じて表示する虚像の基となる表示画像の画像光を出力するデバイスである。画像表示素子10は、有機ELD(OLED:Organic Light Emitting Diode)や液晶表示素子が好適であるが、他にも種々の表示方式のものが適用できる。例えば、画像表示素子10として、DMD(Digital Micromirror Device)が適用可能である。また、画像表示素子10として、TFT(Thin Film Transistor)やLCOS(Liquid Crystal On Silicon)が適用可能である。さらに、画像表示素子10として、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が適用可能である。
図10では、画像表示素子10として、光源を必要とするLCOSやDMDなどを用いた例を示しており、画像表示素子10を照明するための光源LSを加えている。光源LSは、種々のものが適用でき、例えばLED(Light Emitting Diode)、半導体レーザ(Laser Diode:LD)、放電ランプなどを用いることができる。
コリメート光学系300は、複数の光学レンズや絞りなどから構成され(図32参照)、画像表示素子10から出射される画像光を拡大し平行光として射出する。
かかる虚像表示装置によれば、光源LSで照明された画像表示素子10の画像光は、コリメート光学系300を通過することで、拡大され平行光としてライトガイド50に入射する。すなわち、コリメート光学系300で拡大された平行光である画像光は、ライトガイド50における導光部材100の光線入射部101から入射して導光部材100の内部に導光される(図26参照)。
光線入射部101から入射され導光された画像光は、発散光となり、導光部材100の内部すなわち前面及び後面を全反射しながら再帰反射部106に向かって進行する。かかる全反射の様子を図28中に光線Dとして点線の矢印で示している。
かかる画像光は、再帰反射部106に到達すると、再帰反射部106の上述した第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bによる多数のプリズムによって反射され、光線入射部101の方向に進むように進行方向が反転する。かかる反転の様子を図27中に点線及び実線の矢印で示している。ここで、画像光は、再帰反射部106を構成する第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bの両面で反射して、平面方向から見た入射光と出射光が平行になるとともに、収束光となって導光部材100内を進行する。
進行方向が反転した画像光は、画像取り出し部103の画像取り出し面(図10の例では第1面103a)に到達すると、画像取り出し面で反射して、収束光として光線射出部104から射出され、観察者の眼の方向に導かれる。かかる画像光の取り出しの様子を図28中に光線Aとして実線の矢印で示している。観察者は、導光部材100の光線射出部104を通して前方を覗くことで、画像光の虚像を視認することができる。
このように、本実施形態のライトガイド50によれば、画像光が収束光として射出され、観察者の眼に提供されるので、広角でも虚像が欠けずに良好に観察できる虚像表示装置を実現できる。
図11は、図10の導光部材100に第1実施形態の光学部材200を加えたライトガイド50Aを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。かかる虚像表示装置によれば、表示される虚像については上述と同等の効果が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200を通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200によって、画像取り出し部103の保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
図12は、図10の導光部材100に第2実施形態による複数の光学部材200Aを加えたライトガイド50Bを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。
このライトガイド50Bは、導光部材100の画像取り出し部103における溝形状の部分、すなわち第1面103a及び対向する第3面103cにより形成された空間に、平面視で三角形の形状を呈する光学部材200Aを配置した構成となっている。光学部材200Aは、導光部材100の第1面103a及び第3面103cに対応した形状の傾斜面203a及び傾斜面203cを有し、これら傾斜面203a及び傾斜面203cが第1面103a及び第3面103cに対向位置している。また、傾斜面203a及び傾斜面203cの反対側の前面210は、導光部材100の光線射出部104に平行に配置されている。
図12に示す虚像表示装置によれば、表示される虚像については図10の構成と同等の効果が得られ、加えて、より良好なシースルー性が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200Aを通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200Aによって、画像取り出し部103の保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
図13は、図10の導光部材100に第3実施形態による光学部材200Bを加えたライトガイド50Cを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。
第3実施形態の光学部材200Bは、図11に示す第1実施形態の光学部材200と、図12で上述した第2実施形態の複数の光学部材200Aとが一体化された構成となっている。図13に示す虚像表示装置によれば、表示される虚像については図10の構成と同等の効果が得られ、加えて、より良好なシースルー性が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200Bを通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200Bによって、画像取り出し部103の保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
次に、上述した第2実施形態の画像取り出し部103Aを備えた導光部材100をライトガイドとして用いた虚像表示装置について、図14乃至図17、図29等を参照して説明する。
図14に示す虚像表示装置は、表示画像の画像光を出力する画像表示素子10と、画像表示素子10からの画像光をコリメートして射出するコリメート光学系300と、ライトガイド50Dとを虚像表示光学系として備える。かかる虚像表示光学系において、コリメート光学系300、画像表示素子10、及び光源LSの構成や配置等については図10で上述した通りである。
かかる虚像表示装置によれば、光源LSで照明された画像表示素子10の画像光は、コリメート光学系300を通過することで、拡大され平行光としてライトガイド50Dに入射する。すなわち、コリメート光学系300で拡大された平行光である画像光は、ライトガイド50Dにおける導光部材100の光線入射部101から入射して導光部材100の内部に導光される(図26参照)。
光線入射部101から入射され導光された画像光は、上述のように、発散光となり、導光部材100の内部すなわち前面及び後面または第4面103dを全反射しながら再帰反射部106に向かって進行する。かかる全反射の様子を図29中に光線Dとして点線の矢印で示している。
かかる画像光は、再帰反射部106に到達すると、再帰反射部106の上述した第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bによる多数のプリズムによって反射され、光線入射部101の方向に進むように進行方向が反転する(図27参照)。ここで、画像光は、再帰反射部106を構成する第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bの両面で反射して、平面方向から見た入射光と出射光が平行になるとともに、収束光となって導光部材100内を進行する。
進行方向が反転した画像光は、画像取り出し部103Aの画像取り出し面(図14の例では第1面103a)に到達すると、画像取り出し面で反射して、収束光として光線射出部104から射出され、観察者の眼の方向に導かれる。かかる画像光の取り出しの様子を図29中に光線Aとして実線の矢印で示している。観察者は、導光部材100の光線射出部104を通して前方を覗くことで、画像光の虚像を視認することができる。
このように、ライトガイド50Dによれば、画像光が収束光として射出され、観察者の眼に提供されるので、広角でも虚像が欠けずに良好に観察できる虚像表示装置を実現できる。
図15は、図14の導光部材に第1実施形態の光学部材200を加えたライトガイド50Fを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。かかる虚像表示装置によれば、表示される虚像については図14の構成と同等の効果が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200を通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200によって、画像取り出し部103の保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
図16は、図14の導光部材に第4実施形態による複数の光学部材200Cを加えたライトガイド50Eを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。
ライトガイド50Fは、導光部材100の画像取り出し部103Aにおける溝形状の部分、すなわち連続する第1面103a、第4面103d、及び第3面103cにより形成された空間に、平面視で台形の形状を呈する光学部材200Cを配置した構成となっている。光学部材200Cは、導光部材100の第1面103a、第4面103d及び第3面103cに対応した形状の傾斜面203a、後面203d及び傾斜面203cを有し、これら各面203a、203d、203cが導光部材100の対応する面に対向位置している。また、後面203dの反対側の前面210は、導光部材100の光線射出部104に平行に配置されている。
図16に示す虚像表示装置によれば、表示される虚像については図14の構成と同等の効果が得られ、加えて、より良好なシースルー性が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200Cを通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200Cによって、画像取り出し部103Aの保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
図17は、図14の導光部材100に第5実施形態による光学部材200Dを加えたライトガイド50Gを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。
第5実施形態の光学部材200Dは、図15に示す第1実施形態の光学部材200と、図16で上述した第4実施形態の複数の光学部材200Cとが一体化された構成となっている。図17に示す虚像表示装置によれば、表示される虚像については図14の構成と同等の効果が得られ、加えて、より良好なシースルー性が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200Dを通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200によって、画像取り出し部103Aの保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
次に、上述した第3実施形態の画像取り出し部103Bを備えた導光部材100をライトガイドとして用いた虚像表示装置について、図18乃至図21、図30等を参照して説明する。
図18に示す虚像表示装置は、表示画像の画像光を出力する画像表示素子10と、画像表示素子10からの画像光をコリメートして射出するコリメート光学系300と、ライトガイド50Hとを虚像表示光学系として備える。かかる虚像表示光学系において、コリメート光学系300、画像表示素子10、及び光源LSの構成や配置等については図10で上述した通りである。
かかる虚像表示装置によれば、光源LSで照明された画像表示素子10の画像光は、コリメート光学系300を通過することで、拡大され平行光としてライトガイド50Hに入射する。すなわち、コリメート光学系300で拡大された平行光である画像光は、ライトガイド50Hにおける導光部材100の光線入射部101から入射して導光部材100の内部に導光される(図26参照)。
光線入射部101から入射され導光された画像光は、上述のように、発散光となり、導光部材100の内部すなわち前面及び後面を全反射しながら再帰反射部106に向かって進行する。かかる全反射の様子を図30中に光線Dとして点線の矢印で示している。
かかる画像光は、再帰反射部106に到達すると、再帰反射部106の上述した第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bによる多数のプリズムによって反射され、光線入射部101の方向に進むように進行方向が反転する(図27参照)。ここで、画像光は、再帰反射部106を構成する第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bの両面で反射して、平面方向から見た入射光と出射光が平行になるとともに、収束光となって導光部材100内を進行する。
進行方向が反転した画像光は、画像取り出し部103Bの画像取り出し面(図18の例では第3面103c)に到達すると、画像取り出し面で反射して、収束光として光線射出部104から射出され、観察者の眼の方向に導かれる。かかる画像光の取り出しの様子を図30中に光線Aとして実線の矢印で示している。観察者は、導光部材100の光線射出部104を通して前方を覗くことで、画像光の虚像を視認することができる。
このように、ライトガイド50Hによれば、画像光が収束光として射出され、観察者の眼に提供されるので、広角でも虚像が欠けずに良好に観察できる虚像表示装置を実現できる。
図19は、図18の導光部材に第1実施形態の光学部材200を加えたライトガイド50Iを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。かかる虚像表示装置によれば、表示される虚像については図18の構成と同等の効果が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200を通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200によって、画像取り出し部103Bの保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
図20は、図18の導光部材に第6実施形態による複数の光学部材200Eを加えたライトガイド50Jを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。
ライトガイド50Jは、導光部材100の画像取り出し部103Bにおける2つの突起状部分、すなわち光線入射部101側から連続する第1面103a、第2面103b及び第3面103cにより形成された空間に、光学部材200Eを配置した構成となっている。光学部材200Eは、平面視で台形の形状を呈し、導光部材100の第1面103a、第2面103b及び第3面103cに対応した形状の傾斜面203a、後面203b及び傾斜面203cを有する。光学部材200Eは、これら各面203a、103b、203cが導光部材100の対応する面に対向位置している。光学部材200Eの後面203bは、導光部材100の光線射出部104及び第2面103bに平行に配置されている。また、光学部材200Eの後面203bの反対側の前面210は、導光部材100の光線射出部104に平行に配置されている。
図20に示す虚像表示装置によれば、表示される虚像については図18の構成と同等の効果が得られ、加えて、より良好なシースルー性が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200Eを通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200Eによって、画像取り出し部103Bの保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
図21は、図18の導光部材100に第7実施形態による光学部材200Fを加えたライトガイド50Kを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。
第7実施形態の光学部材200Fは、図19に示す第1実施形態の光学部材200と、図20で上述した第6実施形態の複数の光学部材200Cとが一体化された構成となっている。図21に示す虚像表示装置によれば、表示される虚像については図18の構成と同等の効果が得られ、加えて、より良好なシースルー性が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200Fを通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200Fによって、画像取り出し部103Bの保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
次に、上述した第4実施形態の画像取り出し部103Cを備えた導光部材100をライトガイドとして用いた虚像表示装置について、図22乃至図25、図31等を参照して説明する。
図22に示す虚像表示装置は、表示画像の画像光を出力する画像表示素子10と、画像表示素子10からの画像光をコリメートして射出するコリメート光学系300と、ライトガイド50Lとを虚像表示光学系として備える。かかる虚像表示光学系において、コリメート光学系300、画像表示素子10、及び光源LSの構成や配置等については図10で上述した通りである。
かかる虚像表示装置によれば、光源LSで照明された画像表示素子10の画像光は、コリメート光学系300を通過することで、拡大され平行光としてライトガイド50Lに入射する。すなわち、コリメート光学系300で拡大された平行光である画像光は、ライトガイド50Lにおける導光部材100の光線入射部101から入射して導光部材100の内部に導光される(図26参照)。
光線入射部101から入射され導光された画像光は、上述のように、発散光となり、導光部材100の内部すなわち前面及び後面を全反射しながら再帰反射部106に向かって進行する。かかる全反射の様子を図31中に光線Dとして点線の矢印で示している。
かかる画像光は、再帰反射部106に到達すると、再帰反射部106の上述した第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bによる多数のプリズムによって反射され、光線入射部101の方向に進むように進行方向が反転する(図27参照)。ここで、画像光は、再帰反射部106を構成する第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bの両面で反射して、平面方向から見た入射光と出射光が平行になるとともに、収束光となって導光部材100内を進行する。
進行方向が反転した画像光は、画像取り出し部103Cの画像取り出し面(図22の例では第3面103c)に到達すると、画像取り出し面で反射して、収束光として光線射出部104から射出され、観察者の眼の方向に導かれる。かかる画像光の取り出しの様子を図31中に光線Aとして実線の矢印で示している。観察者は、導光部材100の光線射出部104を通して前方を覗くことで、画像光の虚像を視認することができる。
このように、ライトガイド50Lによれば、画像光が収束光として射出され、観察者の眼に提供されるので、広角でも虚像が欠けずに良好に観察できる虚像表示装置を実現できる。
図23は、図22の導光部材に第1実施形態の光学部材200を加えたライトガイド50Mを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。かかる虚像表示装置によれば、表示される虚像については図22の構成と同等の効果が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200を通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200によって、画像取り出し部103Cの保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
図24は、図22の導光部材に第8実施形態による複数の光学部材200Gを加えたライトガイド50Nを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。
ライトガイド50Nは、導光部材100の画像取り出し部103Bにおける2つの突起状部分、すなわち光線入射部101側から連続する第1面103a、第2面103b及び第3面103cにより形成された空間に、光学部材200Gを配置した構成となっている。光学部材200Gは、平面視で台形の形状を呈し、導光部材100の第1面103a、第2面103b及び第3面103cに対応した形状の傾斜面203a、後面203b及び傾斜面203cを有する。光学部材200Gは、これら各面203a、103b、203cが導光部材100の対応する面に対向位置している。光学部材200Gの後面203bは、導光部材100の光線射出部104及び第2面103bに平行に配置されている。また、光学部材200Gの後面203bの反対側の前面210も、導光部材100の光線射出部104に平行に配置されている。
図24に示す虚像表示装置によれば、表示される虚像については図22の構成と同等の効果が得られ、加えて、より良好なシースルー性が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200Gを通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。
同時に、光学部材200Gによって、画像取り出し部103Cの保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
図25は、図22の導光部材100に第9実施形態による光学部材200Hを加えたライトガイド50Pを虚像光学系として用いた虚像表示装置の構成例である。
第9実施形態の光学部材200Hは、図23に示す第1実施形態の光学部材200と、図24で上述した第8実施形態の複数の光学部材200Gとが一体化された構成となっている。図25に示す虚像表示装置によれば、表示される虚像については図22の構成と同等の効果が得られ、加えて、より良好なシースルー性が得られる。すなわち、観察者は、導光部材100の光線射出部104及び光学部材200Gを通して前方を覗くことで、画像光の虚像を良好に視認することができる。同時に、光学部材200Hによって、画像取り出し部103Cの保護と導光板100のたわみ矯正や防止の効果が得られる。
(ライトガイドのさらに他の実施形態)
次に、図33乃至図41を参照して、ライトガイドのさらに他の実施の形態について説明する。このライトガイドの実施形態は、導光部材内を導光される画像光の進行方向を反転させる反転領域としての前記再帰反射部の構成に改良を加えたものである。
図33に、他の実施の形態によるライトガイド50Qの前面図を示す。図33に示すライトガイド50Qは、プリズムの頂角の角度調整を可能にした再帰反射部106Aを備えた導光部材106Aを有する。
上述したように、ライトガイドの導光部材に再帰反射面と画像取り出し面を多数配置する構成とすることで、水平方向と垂直方向の視野角を大きくすることができる。他方、再帰反射面のプリズム角度が所望の角度からずれると、再帰する光線方向が変化し、光学性能に影響してしまうという課題がある。
かかる技術的課題に鑑みて、導光部材100Aは、再帰反射部を構成するプリズムの凸部(頂部)及び凹部にそれぞれ隙間を設けることにより、ライトガイド50Qにおける各プリズムの頂角の角度調整を可能としている。以下、導光部材100Aの構成について詳述する。
図33は、上述した図3に対応する図であり、図中の左側に光線入射部101を、右側に再帰反射部106Aをそれぞれ配置し、画像取り出し部103はほぼ一面に配置されている。図3と比較して分かるように、導光部材100Aは、再帰反射部106Aにおけるプリズムの頂部からスリット状に伸びる第1の隙間151と、プリズムの凹部からスリット状に伸びる第2の隙間152と、を備える。ここで、プリズムの「頂部」とは、プリズムの頂角の部分である。また、プリズムの「凹部」とは、プリズム同士の隣接する部分であり、隣接する2つのプリズムの接続箇所である谷間の部分である。
図34に拡大して示すように、第1の隙間151及び第2の隙間152は、光線入射部101に向かって直線状に伸びるように形成されている。この例では、第1の隙間151及び第2の隙間152は、互いに平行に形成されている。
図34に示す例では、第1の隙間151の間隔t1及び長さL1は、各隙間151間で同一であり、第2の隙間152の間隔t2及び長さL2も、各隙間152間で同一である。また、この例では、第1の隙間151と第2の隙間152の根元部分は、ほぼ一直線上にある。
他方、第1の隙間151の間隔t1及び長さL1は、各隙間151間で異なる値とすることができる。同様に、第2の隙間152の間隔t2及び長さL2は、各隙間152間で異なる値とすることができる。総じて、これら間隔t1、t2及び長さL1、L2は任意である。
また、各隙間151,152の根元部分は、図34に示すように円形になっており、かかる円の径は間隔t1(t2)の値よりも大きくなっている。かかる円形の根元部分は、後述のように、液体を充填させたときの液体溜まりとして機能する。各隙間151,152の根元部分の他の形状として、例えば正方形や六角形状とすることもできる。なお、液体を充填させるか否かにかかわらず、各隙間151,152の根元部分は、形状や径について任意のものを採択できる。
このように、本実施形態では、各隙間151,152は、光線入射部101に向かって伸びる形状を有する。かかる形状とすることで、以下に説明するように、再帰反射部106Aにおけるプリズムの頂角の角度調整を効果的に行うことが可能となる。
各隙間151,152に部材を配置した状態を図35に示す。この例では、各隙間151,152に導光部材100Aの屈折率と同一の屈折率の液体500が充填される。このように、各隙間151,152の内部と周囲との屈折率を等しくすることで、導光部材100A内を画像光が進行して再帰反射部106Aで反射される場合に、画像光の進行方向は、各隙間151,152を通過する際にも変動しない。反対に、各隙間151,152に配置される部材(この例では液体500)の屈折率が導光板100Aの屈折率と異なる場合は、かかる部材により画像光が屈折してしまい、再帰反射される画像光の進行方向に影響が出るため、望ましくない。したがって、各隙間151,152に配置される部材の屈折率は、導光部材100Aの屈折率と可及的に等しいことが望ましい。
導光部材100Aの各隙間151,152に液体500が充填された場合に、導光部材100A内を進行する画像光の一部(以下は単に「光線」と称する。)が再帰反射部106Aで反射される状態を図36に示す。導光部材100A内に導光された光線は、再帰反射部106Aに到達した際に、図36中に実線矢印で示すように、第1及び第2傾斜面106a及び106bを反射する、すなわち三角プリズム面を2回反射することで、進行方向が反転される。ここで、第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bのなす角であるプリズムの頂角θpが90度であれば、再帰反射部106Aに到達した光線は、入射角度と同じ角度で進行方向が反転される。
図37は、導光部材100Aの再帰反射部106Aのプリズムの頂角θpが90度よりも大きい場合(θp=90+α度)の光路を示す図である。図中、破線矢印はプリズム頂角が90度の場合、実線矢印はプリズム頂角が90+α度の場合の再帰反射光線をそれぞれ示す。プリズムの頂角が90+α度の場合、導光部材100A内を進行する光線は、再帰反射部106Aに到達した際に、入射角度に対して2×α度だけ変動して再帰される。言い換えると、2×α度の方向ずれが生じる。ここで、αの値が大きいほど、再帰反射光線の方向ずれが大きくなるため、光学性能に影響が生じる。具体的には、再帰反射光線の方向ずれが生じると、光線取り出し部103から射出される光線の射出角度がずれるため、望ましくない。
図38は、導光部材100Aの再帰反射部106Aのプリズムの頂角θpが90度よりも小さい場合(θp=90−α度)の光路を示す図である。図中、破線矢印はプリズム頂角が90度の場合、実線矢印はプリズム頂角が90−α度の場合の再帰反射光線をそれぞれ示す。プリズムの頂角が90−α度の場合、導光部材100A内を進行する光線は、再帰反射部106Aに到達した際に、入射角度に対して−2×α度だけ変動して再帰される。言い換えると、−2×α度の方向ずれが生じる。この場合も上述と同様に、αの値が大きいほど、再帰反射光線の方向ずれが大きくなり、光線取り出し部103から射出される光線の射出角度がずれるため、望ましくない。
図39は、導光部材100Aの再帰反射部106Aのプリズムの頂角θpが90度より小さい場合、例えば89.8°の場合に、かかるプリズム頂角を調整した後の光路を示す図であり、(a)は調整前の状態、(b)は調整中の状態をそれぞれ示す。導光部材100Aは、図示のように、プリズム面すなわち第1傾斜面106a及び第2傾斜面106bに圧力をかけて、第1の隙間151におけるプリズム頂角側の寸法を狭くすることで、プリズム頂角を広げる(大きくする)ことができる。プリズム頂角が90度よりも小さい場合は、第1の隙間151の大きさをこのように調整することでプリズム頂角を90度にすることができる。言い換えると、第1の隙間151は、プリズム頂角を調整するために必要な構成である。
プリズム頂角を調整する具体的な方法を、図40を参照して説明する。上述のように、導光部材100Aは、複数のプリズムを備えた再帰反射部106Aを有し、かかるプリズムの凸部及び凹部には隙間151,152が形成されている。また、再帰反射部106Aにおけるプリズムの頂角の角度を調整(補正)するための複数の角度調整用部材400が、再帰反射部106Aのプリズムの凹部に対峙するように配置されている。
角度調整用部材400は、図40に示すように、先端が丸みを帯びた棒状の部材であり、かかる先端部が再帰反射部106Aにおける一つのプリズムの第1傾斜面106a及び隣接するプリズムの第2傾斜面106bに対峙する。各々の角度調整用部材400の基端側はアクチュエータに連結されており、個々の角度調整用部材400が独立して作動するようになっている。
導光部材100A及び角度調整用部材400は基台に載置され、再帰反射部106Aと角度調整用部材400との間に上述した液体500が供給されることにより、プリズムの各隙間151、152に液体500が充填されている。
図40に矢印で示すように、この状態から各々の角度調整用部材400をプリズム側に移動することで、角度調整用部材400の先端部が隣接する2つのプリズムにおける片方の主面(第1傾斜面106a及び第2傾斜面106b)に押し当てられ、圧力が加わる。この結果、第1の隙間151におけるプリズム頂角側の寸法が狭められることで、プリズム頂角を広げる(大きくする)ことができる。また、このときに、第2の隙間152におけるプリズム頂角側の寸法が拡げられ、より小さい圧力でプリズム頂角を広げることに寄与する。
この例では、再帰反射部106Aにおける各々のプリズムの頂角がばらつきを持っている場合を仮定して、各々の角度調整部材400が独立して動作する場合を説明した。他方、再帰反射部106Aにおける各々のプリズムの頂角の誤差(90°からのずれ)が各プリズム間で同一である場合には、各々の角度調整部材400が一体に動作するようにしてもよい。
(導光部材の実施例)
以下、図33乃至図40で上述した導光部材100Aのより具体的な実施例を説明する。以下の実施例では、共通条件として、ライトガイド(導光部材100A)の寸法を以下の数値に設定した。
・導光部材の厚み(肉厚):1mm
・導光部材の長手方向の長さ:46mm
・導光部材の幅:33mm
上記のうち、導光部材の厚みは、図1及び図2中に加えた矢印Y方向のサイズである。また、導光部材の幅は、図1乃至図3、及び図33中に加えた矢印X方向のサイズである。
導光部材100Aの材質は、屈折率(Nd)=1.53の樹脂とした。また、各隙間151,152に充填する液体は、屈折率(Nd)=1.53の低粘度シリコンを使用した。
導光部材100Aのプリズム頂角における第1の隙間151に関し、長さ(L1)を5mm〜10mm、幅(t1)を0.04mm〜0.08mmの範囲に設定した。プリズム凹部における第2の隙間152に関し、長さ(L2)をL1>L2、幅(t2)を0.04mm〜0.08mmの範囲に設定した。
上述の条件に基づいて作られた導光部材100Aは、0〜0.229°の範囲でプリズム頂角を調整すなわち90°に補正できることが分かった。したがって、再帰反射部106Aのプリズム頂角が89.8°〜90°の範囲であれば、プリズム頂角を90°に補正することが可能である。
なお、隙間151,152に充填する部材は、低粘度シリコンのほか、熱硬化型樹脂を用いることもできる。この場合、プリズムの頂角を調整した後、加熱することでプリズムの頂角の角度を保つこともできる。他方、隙間151,152に低粘度シリコンを充填した場合、低粘度シリコンが充填された状態で再帰反射部106Aに例えば接着剤あるいは熱硬化型樹脂を塗布してこれらを硬化させることで、プリズムの頂角の角度を保つことができる。
図41に、再帰反射部を構成する各プリズムの頂点の変形例を示す。図41に示す再帰反射部106Bは、各プリズムの先端側に第3傾斜面106cと第4傾斜面106dが設けられることにより、プリズムの先端が窪んだ形状となっている。
ここで、第3傾斜面106cは、第1傾斜面106a及び隙間151を構成する面と連続する面である。第3傾斜面106cは、第2傾斜面106bと平行であり、第1傾斜面106aとのなす角は90°である。第4傾斜面106dは、第2傾斜面106b及び隙間151を構成する面と連続する面であり、第1傾斜面106aと平行に形成され、第2傾斜面106bとのなす角は90°である。
このため、各プリズムの頂角に相当する部位は、図41中に示す2つの仮想線が交わる箇所、すなわちプリズムの2つの主面である第1傾斜面106aと第2傾斜面106bとの延長線(仮想線)が角度θpで交わる箇所になる。このようにプリズムの先端側が窪み形状である再帰反射部106Bを備える構成によれば、プリズムの頂角に相当する角度θpが90度よりも小さい場合と大きい場合のいずれでも、かかる角度θpを90度に補正することができる。
すなわち、角度θpが90度よりも小さい場合には、上述のように角度調整用部材400をプリズムの対向する2つの主面に押しつけることによって、角度θpを90度に補正することができる。他方、角度θpが90度よりも大きい場合には、例えば図41に示すような角度調整用部材400Aをプリズムの先端の窪み部分に押し付けて付勢すればよい。
ここで、角度調整用部材400Aは、上述した角度調整用部材400よりも細い径の棒状の部材であり、角度調整用部材400と同様に先端が丸みを帯びた形状となっている。角度調整用部材400Aは、かかる先端部が再帰反射部106Bにおける一つのプリズムの第3傾斜面106c及び第4傾斜面106dに対峙する。このような角度調整用部材400Aを第3傾斜面106c及び第4傾斜面106dに押し付けて光線入射部101側に付勢することにより、隙間151におけるプリズム頂角側の寸法を広くすることで、角度θpを90度に補正することができる。
上述した各例では、プリズムの頂部及び隣接する2つのプリズムの谷間の部分の両方に隙間(151,152)を設ける場合について説明した。さらなる変形例として、隣接するプリズムの谷間の部分には隙間を設けない構成とすることもあり得る。
以上のように、図33乃至図41で説明した実施形態によれば、ライトガイド(導光部材)の再帰反射部における各プリズムの角度調整が可能になる。
上述した各実施形態では、虚像観察者の左側に導光部材100(100A)の光線入射部101を配置して、画像光を虚像観察者の左側から入射する例について説明した。かかる配置を左右逆にする場合、すなわち虚像観察者の右側に導光部材100(100A)の光線入射部101を配置して、画像光を虚像観察者の右側から入射する場合も、上述と同一の効果が得られる。
また、コリメート光学系300の位置は各実施形態では虚像観察者の斜め前となっているが、一変形例として、例えば図42及び図43に示すように、観察者と同じ側にコリメート光学系300が位置していても構わない。この場合には、図42及び図43に示すように、導光部材100(100A)における光線入射部の構成を変更すればよい。図42及び図43に示す変形例では、導光部材100(100A)の光線入射部101Aは、導光部材100(100A)の後面と鈍角をなすように形成されている。
また、図10〜図25では虚像観察者の片方の目のみ図示したが、上述したライトガイド50、50A〜50Qは、図42に示すように、射出される画像を両目で確認することができる。他方、図43に示すように、ライトガイド50、50A〜50Pをより小型に形成して、単眼用のライトガイドとすることもできる。
上述した実施形態では、ライトガイドを眼鏡型のHMDに適用する場合を想定して説明した。上述したライトガイド50、50A〜50Qは、他の種類のHMDにも適用可能であり、さらには、ヘッドアップディスプレイ(HUD)にも適用できる。ライトガイド50は、特に、微小デバイスにより光変調された光束によって形成される原画像を虚像表示するのに適している。
以上のように、上述した実施形態によれば、肉薄で、40度以上の広い視野角を確保でき、特に垂直方向の視野角を良好に確保できる虚像表示装置用のライトガイドを提供することができる。
(虚像表示装置の実施例)
以下、虚像表示装置の具体的な実施例を説明する。以下の実施例1乃至実施例4では、共通条件として、焦点距離が7.5mmのコリメータレンズを使用し、屈折率(Nd)=1.53のプラスチックでライトガイドを製作し、画像取り出し面の傾斜角度(θaまたはθc)=31.5度に設定した。
また、共通条件として、ライトガイドの寸法を以下の数値に設定した。
・ライトガイドの厚み(肉厚) :1mm
・ライトガイドの長手方向の長さ:46mm
・ライトガイドの幅:33mm
上記のうち、ライトガイドの厚みは、図1及び図2中に加えた矢印Y方向のサイズである。また、ライトガイドの幅は、図1乃至図3中に加えた矢印X方向のサイズである。
さらに、各実施例のライトガイドは、射出される画像光に関し、アイレリーフ15mm以上、アイボックス5mm以上の条件を満たし、水平視野角=50度、垂直視野角=27度が確保できる。
虚像表示装置の実施例1は、上述した第1実施形態の画像取り出し部103を備えるライトガイド50であり、図10に示す構成とした。虚像表示装置の実施例2は、上述した第2実施形態の画像取り出し部103Aを備えるライトガイド50Dであり、図14に示す構成とした。虚像表示装置の実施例3は、上述した第3実施形態の画像取り出し部103Bを備えるライトガイド50Hであり、図18に示す構成とした。虚像表示装置の実施例4は、上述した第4実施形態の画像取り出し部103Cを備えるライトガイド50Lであり、図22に示す構成とした。
この結果、実施例1乃至4のいずれの虚像表示装置においても、ライトガイドの水平視野角=50度、垂直視野角=27度が確保された。
以上のように、上述した実施形態及び実施例によれば、肉薄で、広い視野角を確保でき、特に垂直方向の視野角を良好に確保できる虚像表示装置用のライトガイドを提供することができる。