JP6409401B2 - 導光装置及び虚像表示装置 - Google Patents
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Description
特許文献1の装置では、導光板の一端側から導入された映像光が、導光板を斜めに横切る複数のHMを次々と透過しつつ反射されて観察者に届く。特許文献2の装置では、導光板に導入された映像光が、導光板の中を全反射しながら伝搬し、外側の表面で反射された後に、導光板を斜めに横切る複数のHMで反射されて観察者に向かう。特許文献3の装置では、導光板に導入された映像光が、導光板の中を全反射しながら伝搬し、観察者側の表面で反射された後に、導光板を斜めに横切る複数のHMで反射されて観察者に向かう。この際、効率を上げるため、HMに入射する光のうち、大きな入射角度(50度〜70度)の光線については反射率をほぼゼロにし、小さな角度(40度以下)の光線については、所定の反射率となる様に設定される。特許文献4の装置では、導光板に導入された映像光が、導光板の中を全反射しながら伝搬し、観察者側の表面で反射された後に、複数のHMで反射されて観察者に向かう。ここで、HMを設けた領域又は層の厚さは、導光板より薄く設定されており、HMを透過させることなく映像光を観察することができる。
上記特許文献4に記載の装置では、HMを配列して成る反射ユニットの厚みが、導光体よりも薄いので、奥側のHMにも他のHMを透過せずに光が到達する為、光量ムラが生じない。しかし、反射ユニットの中で、2つの小面を一組とするHM部が配置されており、映像光はHMで2回反射されるため、反射効率が下がる傾向がある。
以下、本発明の第1実施形態に係る導光装置を組み込んだ虚像表示装置について説明する。
図1(A)に示す虚像表示装置100は、ヘッドマウントディスプレイに適用されるものであり、画像形成装置10と、導光装置20とを一組として備える。なお、図1(A)は、図1(B)に示す導光装置20のA−A断面と対応する。
平行導光体22において、入射部21の反射面RSで反射された映像光GLは、まず、第2の全反射面である平面22bに入射し、全反射される。次に、当該映像光GLは、第1の全反射面である平面22aに入射し、全反射される。以上のような一対の全反射は、1回又は複数回繰り返され、映像光GLは、導光装置20の奥側即ち射出部23を設けた−Z側に導かれる。
なお、平行導光体22は、導光装置20の外形のうち−X側の端面を画成する側面として終端面ESを有する。また、平行導光体22は、±Y側の端面を画成する上面及び底面として上端面TPと下端面BPとをそれぞれ有している。
ここで、像形成に用いられる映像光GLが射出部23に入射する角度は、光源側の入射部21から離れるに従って大きくなっている。つまり、射出部23の奥側には、Z方向に対して傾きの大きな映像光GLが入射して比較的小さな角度で折り曲げられ、射出部23の前側には、Z方向に対して傾きの小さな映像光GLが入射して比較的大きな角度で折り曲げられる。
以下、映像光の光路について詳しく説明する。図2に示すように、液晶デバイス11の射出面11a上からそれぞれ射出される映像光のうち、破線で示す射出面11aの中央部分から射出される成分を映像光GL0とし、図中一点鎖線で示す射出面11aの周辺のうち紙面左側(+X側)から射出される成分を映像光GL1とし、図中二点鎖線で示す射出面11aの周辺のうち紙面右側(+Z側)から射出される成分を映像光GL2とする。
具体的には、映像光GL0,GL1,GL2のうち、射出面11aの中央部分から射出された映像光GL0は、平行光束として入射部21で反射された後、標準反射角θ0で平行導光体22の観察者側の平面22bに入射し、全反射される。その後、映像光GL0は、標準反射角θ0を保った状態で、一対の平面22a,22bで全反射を繰り返す。映像光GL0は、平面22a,22bにおいて偶数回全反射され、射出部23の中央の部分23kに入射する。映像光GL1は、部分23kにおいて所定の角度で反射され、光射出面OSから光射出面OSを含むXY面に対して垂直な光軸AX方向に平行光束として射出される。
また、射出面11aの一端側(+X側)から射出された映像光GL1は、平行光束として入射部21で反射された後、最大反射角θ1で平行導光体22の観察者側の平面22bに入射し、全反射される。映像光GL1は、平面22a,22bにおいて複数回全反射され、射出部23のうち奥側(−X側)の部分23hにおいて所定の角度で反射され、光射出面OSから所定の角度方向に向けて平行光束として射出される。この際の射出角γ1は、入射部21側に戻されるようなものになっており、+X軸に対して鋭角となる。
一方、射出面11aの他端側(−X側)から射出された映像光GL2は、平行光束として入射部21で反射された後、最小反射角θ2で平行導光体22の観察者側の平面22bに入射し、全反射される。映像光GL2は、平面22a,22bにおいて複数回全反射され、射出部23のうち入口側(+X側)の部分23mにおいて所定の角度で反射され、光射出面OSから所定の角度方向に向けて平行光束として射出される。この際の射出角γ2は、入射部21側から離れるようなものになっており、+X軸に対して鈍角となる。
なお、映像光GL0,GL1,GL2が射出部23に達するまでの全反射回数は、必ずしも一致していない。ただし、平面22a,22bでの全反射による光の反射効率は非常に高いものであるため、上記のように映像光GL0,GL1,GL2間で反射回数が異なっていても、これによって輝度ムラが生じることは殆どない。また、映像光GL0,GL1,GL2は、映像光GLの光線全体の一部を代表して説明したものであるが、他の映像光GLを構成する光線成分についても映像光GL0等と同様に導かれ光射出面OSから射出されるため、これらについては図示及び説明を省略している。
なお、中央向けの映像光GL0は、仰角φ0(=90°−θ0)で射出部23の部分23kに入射し、周辺向け映像光GL1は、仰角φ1(=90°−θ1)で射出部23の部分23hに入射し、周辺向け映像光GL2は、仰角φ2(=90°−θ2)で射出部23の部分23mに入射する。ここで、仰角φ0,φ1,φ2間には、反射角θ0,θ1,θ2の大小関係を反映してφ2>φ0>φ1の関係が成り立っている。つまり、反射ユニット30のハーフミラー31への入射角ι(図3参照)は、仰角φ2に対応する部分23m、仰角φ0に対応する部分23k、仰角φ1に対応する部分23nの順で徐々に小さくなる。換言すれば、ハーフミラー31への入射角ι又はハーフミラー31での反射角は、入射部21から離れるに従って小さくなる。
以下、図2、3等を参照して、射出部23の構造及び射出部23による映像光の光路の折曲げについて詳細に説明する。
例えば図4(A)に示すように、平行導光体22となるべき母材22iを準備し、反射ユニット30が形成されるべき位置に多数の断面三角形の部分22jが並んだ断面鋸歯状の立体構造部分22kを形成する。この構造部分22kの斜面22mにハーフミラー31となるべき反射層22nを形成し、構造部分22kの溝に液体樹脂を流し込む。これにより、図4(B)に示すように、構造部分22kを構成する各溝に液体樹脂を充填した多数の断面三角形の部分22pが形成され、層状の射出部23すなわち反射ユニット30が完成する。
なお、図4(A)等では、平行導光体22となる母材22iに反射ユニット30を形成したが、平行導光体22とは別に形成した母材に図4(A)等に示す手法で反射ユニット30を形成し、こうして形成した反射ユニット30を平行導光体22に接合することもできる。
また、反射ユニット30の中央側や奥側の部分23k,23h等において、映像光GLのうち平行導光体22の裏側又は観察者側の平面22b側で反射される成分も発生する可能性がある。しかしながら、このような映像光GLは、非利用光GX(図3参照)として光路外に導かれるようになっており、観察者の眼EYに入射することが回避される。
以上で説明した第1実施形態の導光装置20によれば、反射ユニット30を構成するハーフミラー31が平行導光体22の観察者側よりも外界側で入射部21に近づくように傾斜するとともに、反射ユニット30のうち少なくとも入射部21に近い部分が平行導光体22の観察者側に配置され、平行導光体22の外界側の平面(第1の全反射面)22aで反射された映像光GLが複数のハーフミラー31で反射されて観察者側に向うように設定しているので、反射ユニット30のうち入射部21から離れた奥側において、観察されるべき映像光GLの傾き角θ1を相対的に大きくすることができる。これにより、観察されるべき映像光GLがハーフミラー31を通過する回数を減らして輝度ムラや減光を防止でき、ゴースト光の発生を抑えることにもなる。
図5は、導光装置20の入射部21の配置等を変更した例を説明する図であり、図2に対応する。この場合、平行導光体22の長さ等の変更によって、映像光GLは、図2に例示するものとは異なる全反射回数で射出部23に到達している。この結果、射出部23から取り出される画像は、基本的に全反射回数が同じ映像光GLから得たものとなる。
以下、図8、9を参照して、第2実施形態に係る導光装置及び虚像表示装置について説明する。なお、本実施形態に係る導光装置及び虚像表示装置は、図1(A)等に示す第1実施形態の変形例であり、共通する事項については説明を省略する。
以上各実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
例えば図10(A)に示すように、平行導光体22の光入射側に設けられる入射部121を裏側の平面22bから突起させる形状とすることもでき、この場合、光入射面ISを観察者側面22bとは別に設けることになるが、平行導光体22に対して画像光GLを斜めに入射させることが容易になる。
さらに、図10(B)に示すように、観察者側面22bで突起する入射部121を設けた場合、一度斜面21fで反射させる構造とすることもでき、この場合、画像形成装置10の配置等に関して設計の自由度を高めることができる。
Claims (10)
- 観察者側及び外界側に対応して一対の対向する平面を有する平行導光体と、
前記平行導光体の一端側に設けられた入射部と、
前記平行導光体の他端側に設けられた射出部とを備え、
前記射出部は、映像光を反射する複数のミラーを配列してなる反射ユニットを有し、
前記反射ユニットにおいて、前記複数のミラーは、前記平行導光体の観察者側よりも外界側で前記入射部に近づくように傾斜し、前記複数のミラーの角度により、前記平行導光体の外界側の平面で反射された映像光を前記複数のミラーで反射させて観察者側に向かわせ、
前記反射ユニットは、前記入射部から遠い部分が近い部分よりも外界寄りとなるように傾斜して配置されている、導光装置。 - 前記反射ユニットの厚さは、前記平行導光体の厚さよりも薄い、請求項1に記載の導光装置。
- 前記複数のミラーは、平行に配置されている、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の導光装置。
- 前記複数のミラーは、可変ピッチで配置されている、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の導光装置。
- 前記複数のミラーは、ランダムピッチで配置されている、請求項4に記載の導光装置。
- 前記複数のミラーは、0.5mm〜2.0mmのピッチで配置されている、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の導光装置。
- 映像光のうち像形成に用いられる光が前記反射ユニットの前記ミラーに入射する角度は、前記入射部から離れるに従って小さくなる、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の導光装置。
- 前記複数のミラーは、ハーフミラーで構成されている、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の導光装置。
- 前記平行導光体は、対向して延びる第1及び第2の全反射面を有し、前記入射部から取り込まれた映像光を前記第1及び第2の全反射面での全反射により導く、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の導光装置。
- 映像光を生じさせる映像素子と、
前記映像光を略平行光束にして、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の導光装置に入射させる投射光学系とを備える虚像表示装置。
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