JP6908540B2 - ガスセンサの製造方法 - Google Patents
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Description
この種のガスセンサとして、板状のセンサ素子の後端側に電極パッド等の電極部を設け、この電極部にリード線を接続してセンサ素子からのセンサ出力信号を外部に取り出すものが広く用いられている。(特許文献1)。
このガスセンサは次のように製造することができる。まず、ゴム製のグロメットの挿通孔にリード線を挿通した後、グロメットの前方に配置したセパレータの挿通孔にこのリード線を挿通する。そして、グロメット及びセパレータを金属外筒の内部に収容して固定して外筒ユニットとし、さらに外筒ユニットを主体金具の後端側に接合する。
そこで、本発明は、リード線を挿通する際の作業性を向上させたガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。
このガスセンサの製造方法によれば、端子金具を介してリード線をセンサ素子の電極部に電気的に接続させる形態であっても、先にリード線を外筒ユニットに挿通することができ、作業効率を向上させることができる。
このガスセンサの製造方法によれば、上記の位置関係が一意に決まるマークを所定の方向に向けて各リード線を外筒ユニットに挿通すれば、正しい第1挿通孔及び第2挿通孔に、対応する種別のリード線を挿通することができる。
なお、各挿通孔同士の「径方向の位置関係」とは、セパレータ及び弾性部材を軸線方向から見たときの各第1挿通孔、第2挿通孔の位置関係をいう。
このガスセンサの製造方法によれば、リード線を挿通する前に弾性部材を外筒にカシメ等により固定する場合に比べ、弾性部材が変形してその第2挿通孔が縮径したり潰れることを抑制し、リード線挿通工程にて、第2挿通孔にリード線を挿通し易くなる。
このガスセンサの製造方法によれば、リード線を挿通した後に弾性部材を外筒にカシメ固定するので、弾性部材が変形してその第2挿通孔が縮径したり潰れることを抑制し、リード線挿通工程にて、第2挿通孔にリード線を挿通し易くなる。
片部は固定部材の径方向内側へ弾性的に撓むことで固定部材の内側に配置されたセパレータを周方向の複数の位置から径方向内側へ押圧し、セパレータを固定部材の内部に固定する。この場合、片部が凹部に対向した状態で組付けを行うと、その対向部位では片部が径方向内側へ撓み過ぎ、固定部材の周方向の他の部位と押圧力が変わってしまい、セパレータを周方向に均一に押圧(固定)することが困難になる。
そこで、このガスセンサの製造方法によれば、片部が凹部に対向しないように(凹部を避けるように)することで、セパレータを周方向に均一に押圧(固定)することができる。
図1は本発明の実施形態に係るガスセンサの製造方法によって製造される一例のガスセンサ(酸素センサ)1の長手方向に沿う全体断面図である。
このガスセンサ1は、自動車や各種内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサである。
スリーブ39の押圧により、主体金具30内で滑石36が圧縮充填されることによって、センサ素子100の外面と主体金具30の内面との間のシール性が確保される。
接続端子16は、センサ素子100の後端側に設けられた電極パッド(電極部)102と電気的に接続する。一方、各リード線11〜14は、外部において、図示しないコネクタに接続されるようになっている。このコネクタを介してECU等の外部機器と各リード線11〜14とは電気信号の入出力が行われることになる。
まず、図2(a)に示すように、カシメ前の固定部材素形材51xをセパレータ50の先端側の外周に嵌め、突出部50aに固定部材素形材51xの後端側を係合させてセパレータユニット60を組み付ける。
ここで、図2(c)に示すように、固定部材素形材51x側を下向きにしてセパレータユニット60を治具200の上から降ろし、セパレータ50のうち対向する2つの第1挿通孔50bに2本のピン200pを挿通してゆく。セパレータユニット60をさらに降ろすと、第1挿通孔50bに2本のピン200pが挿通された状態で、段部200fに固定部材素形材51xの先端が当接し、セパレータユニット60が治具200に位置決めして取り付けられる。このとき、セパレータユニット60の上方に2本のピン200pが突出する。
このとき、ピン200pに位置決めされて、対応する第1挿通孔50bと第2挿通孔52bとが連通する。ここで、「対応する」、とは、第1挿通孔50b及び第2挿通孔52bが複数の場合に、セパレータ50とゴムキャップ52tの径方向の相対位置が規定どおりの状態で、個々の第1挿通孔50bと第2挿通孔52bとがそれぞれ対向して連通する(本例ではセパレータ50とゴムキャップ52tの4つの各挿通孔同士がそれぞれ連通する)ことをいう。
ここで、外筒25の後端側には径方向に窄まる段部25dが設けられ、ゴムキャップ52の先端側には径方向に広がる鍔部52d(図2(c)参照)が設けられており、外筒25を降ろしてゆくと、段部25dの先端向き面にゴムキャップ52の鍔部52dの後端向き面が係止し、外筒25が治具200に位置決めして取り付けられる。
このカシメにより、ゴムキャップ52の先端向き面にセパレータ50が当接し、一方でゴムキャップ52の鍔部52dが外筒25の段部25dに係止しているので、ゴムキャップ52の軸線L方向に移動が規制され、ゴムキャップ52を外筒25の内部に固定することができる。
なお、この時点ではゴムキャップ52はカシメられていない。
このようにして組み付けた外筒ユニット70を治具200から分離する。
まず、図3(a)に示すように、リード線11〜14の先端側を、外筒ユニット70の後端側(ゴムキャップ52側)に向ける。リード線11〜14の先端の被膜には切れ目11c〜14cが入れられている。
そして、図3(b)に示すように、ゴムキャップ52の4つの第2挿通孔52bに、リード線11〜14のそれぞれを先端側から挿通し、外筒ユニット70の反対側である先端側にリード線11〜14を突出させる。これにより、リード線挿通工程が終了する。
そして、リード線11〜14の先端の切れ目11c〜14cよりも先端の被膜を取り去り、芯線11a〜14aを露出させる。
なお、外筒ユニット70における外筒25の外表面の一部には、マーク70mが付与されているが、これについては後述する。
そして、図3(d)に示すように、リード線11〜14の後端側を後端に引張り、接続端子16をセパレータ50の各第1挿通孔50bにそれぞれ収容する。
ここで、素子ユニット80の後端側には、センサ素子100の後端部が突出し、電極パッド102が露出している。そして、外筒ユニット70のセパレータ50側を電極パッド102に向けて外筒ユニット70を素子ユニット80の上から被せると、セパレータ50の第1挿通孔50bの内部に対向する接続端子16の間にセンサ素子100の後端部が挿入され、電極パッド102に接続端子16が電気的に接続される。
そして、主体金具30の後端側を収容した外筒25の先端部25aを、レーザ溶接等により主体金具30に固定する。さらに、外筒25の外面のうち、ゴムキャップ52と重なる部位を径方向内側へ向かってカシメ、ゴムキャップ52を外筒25の内部に固定するようにしてもよい。
具体的には、セパレータ50の4個の第1挿通孔50b1、50b2、50b3、50b4に対し、ゴムキャップ52の4個の第2挿通孔52b1、52b2、53b3、54b4がそれぞれ対応している。そして、第1挿通孔50b1及び第2挿通孔52b1にリード線11が挿通され、第1挿通孔50b2及び第2挿通孔52b2にリード線12が挿通され、第1挿通孔50b3及び第2挿通孔52b3にリード線13が挿通され、第1挿通孔50b4及び第2挿通孔52b4にリード線14が挿通されるようになっている。
本例では、リード線11、12がセンサ素子100のヒータ(図示せず)の通電用であり、リード線13がセンサ素子100の出力検出用(+側)であり、リード線14がセンサ素子100の出力検出用(−側)である。
そこで、図3(b)に示したように、外筒ユニット70の外表面に、複数の第1挿通孔50b2及び第2挿通孔52b2同士の径方向の位置関係を表すマーク70mを付与する。そして、この位置関係が一意に決まるマーク70mを所定の方向(例えば作業者から見て左側)に向けて各リード線11〜14を外筒ユニット70に挿通すれば、正しい第1挿通孔50b及び第2挿通孔52bに、対応する種別のリード線11〜14を挿通することができる。
なお、各挿通孔同士の「径方向の位置関係」とは、セパレータ50及びゴムキャップ52を軸線L方向から見たときの各第1挿通孔50b、第2挿通孔52bの位置関係(図5参照)をいう。
これに対し、例えば2個目のマーク70mを外筒25の外表面の180度反対側にも設けてしまうと、ゴムキャップ52を180度回転させたかどうかがわからず、各挿通孔同士の径方向の位置関係を表すことができないことは言うまでもない。
これにより、リード線11〜14を挿通する前にゴムキャップ52をカシメ等により固定する場合に比べ、ゴムキャップ52が変形してその第2挿通孔52bが縮径したり潰れることを抑制し、リード線挿通工程にて、第2挿通孔52bにリード線11〜14を挿通し易くなる。
これにより、リード線11〜14の挿通が完了した後に、ゴムキャップ52を外筒25にカシメで変形させて外筒25の内部にしっかりと固定することができると共に、リード線11〜14の挿通をなんら阻害しないことになる。
ここで、凹部50rは、上記した図2(b)でセパレータユニット60を治具200に取り付ける際の治具200との位置関係を画像処理等で自動的に認識可能とするための目印であり、本例では、1つの凹部50rがセパレータ50の先端から突出部50aまで延びている。
一方、図6(b)に示すように、片部51pは固定部材51の後端向き面から固定部材51の内部に向かって折り返されており、固定部材51の径方向内側へ弾性的に撓むようになっている。これにより、固定部材51の内側に配置されたセパレータ50を周方向の複数の位置から径方向内側へ押圧し、セパレータ50を固定部材51の内部に固定することができる。
これは、片部51pが凹部50rに対向した状態で組付けを行うと、その対向部位では片部51pが径方向内側へ撓み過ぎ、固定部材51の周方向の他の部位と押圧力が変わってしまい、セパレータ50を周方向に均一に押圧(固定)することが困難になり、セパレータ50が軸線L方向からブレる等の不具合が生じるからである。
そこで、図7に示すように、片部51pが凹部50rに対向しないように(凹部50rを避けるように)、隣接する片部51pの間の部位Rを凹部50rに対向させることで、セパレータ50を周方向に均一に押圧(固定)することができる。
例えば、セパレータ、弾性部材、端子金具の形状は限定されない。又、第1挿通孔、第2挿通孔、リード線、及び端子金具の個数も限定されない。
さらに、ガスセンサ1が完成後の状態では、セパレータ50の第1挿通孔50bにリード線11〜14が配置されずに、リード線11〜14の先端側に接続された接続端子16や他の電気的接続部材のみが収容されていてもよい。
又、ガスセンサとしては、酸素センサ、全領域ガスセンサの他、NOxセンサが挙げられる。
11〜14 リード線
11a〜14a 芯線
16 端子金具
25 外筒
25d 外筒の段部
50 セパレータ
50b 第1挿通孔
50r セパレータの凹部
51 固定部材
51p 片部
52 弾性部材(ゴムキャップ)
52b 第2挿通孔
52d 鍔部
70 外筒ユニット
70m マーク
100 センサ素子
102 電極部(電極パッド)
L 軸線
Claims (6)
- 軸線方向に延びるセンサ素子と、軸線方向に貫通する第1挿通孔を有する筒状のセパレータと、軸線方向に貫通する第2挿通孔を有する弾性部材と、を先端側からこの順で配置し、前記第1挿通孔及び前記第2挿通孔にリード線を挿通し、該リード線を前記センサ素子の後端側に形成された電極部に電気的に接続させるガスセンサの製造方法において、
予め、外筒の内部に、先端側から順に前記セパレータ及び前記弾性部材を固定し、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔が連通するように外筒ユニットを組み付ける組付工程と、
前記外筒ユニットの前記第1挿通孔及び前記第2挿通孔に前記リード線を一度に挿通するリード線挿通工程と、を有することを特徴とするガスセンサの製造方法。 - 前記リード線の先端側の芯線に端子金具を接続する端子金具接続工程をさらに有し、
前記リード線挿通工程を実施した後に、前記端子金具接続工程を実施することを特徴とする請求項1に記載のガスセンサの製造方法。 - 前記第1挿通孔、前記第2挿通孔及び前記リード線を複数備え、かつ個々の前記第1挿通孔及び前記第2挿通孔毎に、挿通される前記リード線の種別が決まっており、
前記外筒ユニットの外表面に、複数の前記第1挿通孔及び前記第2挿通孔同士の径方向の位置関係を表すマークが付与されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサの製造方法。 - 前記外筒の後端側には径方向に窄まる段部が設けられ、前記弾性部材には径方向に広がる鍔部が設けられており、
前記組付工程にて、前記段部の先端向き面に前記弾性部材の前記鍔部の後端向き面を係止させると共に、前記弾性部材の先端向き面に前記セパレータを当接させることで前記弾性部材を前記外筒の内部に固定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガスセンサの製造方法。 - 前記リード線挿通工程の後に、前記外筒と前記弾性部材とを共にカシメることで、前記弾性部材を前記外筒の内部に固定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスセンサの製造方法。
- 前記セパレータの外周には前記軸線方向に延びる凹部が設けられ、かつ前記セパレータを前記外筒の内部に固定するための筒状の固定部材であって、径方向に弾性的に撓む複数の片部を周方向に離間して有する固定部材をさらに備え、
前記組付工程にて、前記セパレータの周囲に前記固定部材を配置して前記外筒の内部に収容する際、前記片部が前記凹部に対向しないようにすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスセンサの製造方法。
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