以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものではなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る印刷システムの構成について図1を用いて説明する。第1の実施形態では、原稿台を用いた光学系移動方式により原稿をスキャンすることを「圧板読み」と定義し、ADFを用いた流し読み方式により原稿をスキャンすることを「ADF読み」と定義して、以降説明を進める。
第1の実施形態では、CPU114は、印刷位置のずれを調整するためのシートに調整用チャートを印刷するよう画像形成部151に指示する。その後、CPU114は、当該シートの物理特性に基づいて、印刷された調整用チャートをADF読みでスキャン可能か否かを判定する。CPU114は、ADF読みでスキャン可能であると判定した場合、印刷位置の自動調整を実行する為に「ADF読みでスキャンすること」と、「圧板読みでスキャンすること」のいずれもユーザが任意に選択できるように、画面表示を制御する。一方、CPU114は、ADF読みでスキャン可能でないと判定した場合、印刷位置の自動調整を実行する為に「圧板読みでスキャンすること」をユーザが任意に選択できるが、「ADF読みでスキャンすること」を選択できないように、画面表示を制御する。このように、第1の実施形態は、調整用チャートが印刷されたシートの物理特性に基づいて、印刷位置の調整方法をユーザに適切に提示するものである。
以下、詳細に説明する。
本実施形態に係る印刷システムは、印刷装置100と、外部装置の一例であるPC(コンピュータ)101とで構成される。
印刷装置100は、原稿を読み取って画像データを生成する画像読取機能と、生成した画像データに基づいて画像をシートに印刷する印刷機能(コピー機能)を備えている。また、印刷装置100は、PC101等から印刷ジョブを受信し、印刷指示を受け付けたデータに基づいて文字や画像をシートに印刷する印刷機能(PCプリント機能)を備えている。なお、印刷機能による印刷は、カラーであっても、モノクロであってもよい。
印刷装置100のコントローラ部(制御部)110は、ネットワークケーブル105を介してPC101と接続される。なお、コントローラ部110とPC101は、ネットワークケーブル105を介して接続される構成に限られない。コントローラ部110とPC101は、ローカルエリアネットワーク等のLAN(Local Area Network)を介して接続される構成であってもよい。また、コントローラ部110とPC101は、インターネット等のWAN(Wide Area Network)や、専用のプリンタケーブルを介して接続される構成であってもよい。なお、ネットワークケーブル105を介して1台のPC101が印刷装置100に接続される構成を図1に例示したが、これに限られない。ネットワークケーブル105を介して複数台のPC101が印刷装置100に接続される構成であってもよい。
PC101は、例えば、アプリケーションソフトウェアによって画像データを生成し、生成した画像データを印刷装置100に送信する。また、PC101は、例えば、アプリケーションソフトウェアやプリンタドライバを用いて、PDL(Page Description Language)データを生成する。そして、コントローラ部110は、PC101からネットワークケーブル105を経由して送られてきたPDLデータを、ラスタライズすることにより、ビットマップデータを生成する。なお、ラスタライズする動作を実行するプログラム等は、後述するROM112又はHDD115に記憶されている。
なお、本実施形態では、PC101を外部装置の一例として説明するが、これに限られない。外部装置は、PDA(personal digital assistant)やスマートフォン等の携帯情報端末、ネットワーク接続機器、又は外部専用装置等であっても良い。
続いて、本実施形態に係る印刷装置100のブロック図について、図1を用いて説明する。印刷装置100は、コントローラ部110、画像出力デバイスであるプリンタエンジン150、画像入力デバイスであるスキャナ部130、給送部140、及び、操作部120を有する。これらは電気的に接続されており、互いに制御コマンドやデータを送受信する。
コントローラ部110は、印刷装置100の動作を統括的に制御すると共に、画像情報やデバイス情報の入出力制御を行う。また、コントローラ部110は、複数の機能ブロックとして、CPU114、I/O制御部111、ROM112、RAM113、及び、HDD115を有する。なお、各モジュールは、それぞれシステムバス116を介して互いに接続される。
CPU114は、印刷装置100の全体を制御するプロセッサーである。CPU114は、ROM112に記憶された制御プログラム等に基づいて、接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御する。また、CPU114は、コントローラ部110の内部で行われる各種処理を統括的に制御する。
I/O制御部111は、外部のネットワークとの通信制御を行うためのモジュールである。
RAM113は、読み出し及び書き込み可能なメモリである。また、RAM113は、CPU114が動作するためのシステムワークメモリでもある。RAM113には、スキャナ部130やPC101等から入力された画像データや、各種プログラムや設定情報等が記憶される。
ROM112は、読み出し専用のメモリである。また、ROM112は、ブートROMである。ROM112には、システムのブートプログラムが予め記憶されている。
HDD115は、主に、コンピュータを起動・動作させるために必要な情報(システムソフトウェア)や、画像データが記憶される。
なお、コントローラ部110がNVRAM(不図示)を有している場合、システムソフトウェアや、画像データや、後述する操作部120を介して受け付けた設定情報等をNVRAMに記憶してもよい。
RAM113又はHDD115には、印刷装置100における印刷に使用されるシートの属性情報をリスト形式で管理するためのシート管理テーブル400が記憶される。なお、シート管理テーブル400の詳細については、図4で後述する。
ROM112又はHDD115には、CPU114により実行される、後述するフローチャートの各種処理等を実行するために必要な各種の制御プログラムが記憶されている。また、ROM112又はHDD115には、ユーザインタフェース画面(以下、UI画面)を含む操作部120の表示部(不図示)に各種のUI画面を表示させるための表示制御プログラムも記憶されている。CPU114が、ROM112又はHDD115に記憶されているプログラムを読み出して、RAM113に当該プログラムを展開することにより、本実施形態に係る各種動作を実行する。
プリンタエンジン150は、画像形成部151と、定着ユニット155を有する。また、画像形成部151は、現像ユニット152、感光体ドラム153、及び転写ベルト154を有する。なお、画像形成部151及び定着ユニット155の詳細については、図2で後述する。
スキャナ部130は、光学センサを用いて原稿(シート)の画像をスキャンし、スキャン画像データを取得する。なお、スキャナ部130の詳細については、図3で後述する。
給送部140は、複数のシート収納部(例えば、給送カセット、給送デッキ、手差しトレイ等)からシートを給送するためのユニットである。各シート収納部は、複数種類のシートを収納することができ、また、複数枚のシートを収納することができる。シート収納部に収納されたシートのうち最上位のシートが1枚ずつ分離されて、画像形成部151に搬送される。そして、画像形成部151は、スキャナ部130やPC101等から入力された画像データに基づいて、シート収納部から給送されたシートに画像を印刷する。
操作部120は、ユーザインタフェース部の一例に該当する。操作部120は、表示部(不図示)と、キー入力部(不図示)とを有する。また、操作部120は、表示部やキー入力部を介して、ユーザからの各種設定を受け付ける機能を有する。また、操作部120は、表示部を介して、ユーザに情報を提供する機能を有する。
表示部は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)と、LCD上に貼られた透明電極(静電容量方式でもよい)とを有するタッチパネルシートとで構成される。LCDには、操作画面が表示される他、印刷装置100の状態が表示される。キー入力部には、例えば、スキャンやコピー等の実行の開始を指示するために用いられるスタートキーや、スキャンやコピー等の稼働中の動作の中止を指示するために用いられるストップキー等がある。
続いて、画像形成部151の構成を示す断面図の一例について、図2を用いて説明する。
画像形成部151は、コントローラ部110によって生成された画像データに従って、現像ユニット152を用いて感光体ドラム153の周囲上にトナー像を形成する。
なお、現像ユニット152は、感光体ドラム153に対向して配置される。現像ユニット152の内部は、垂直方向に延在する隔壁201によって現像部202と撹拌部203とに分かれている。
現像部202には、矢印241の方向に回転する非磁性の現像スリーブ204が配置される。現像スリーブ204の内部には、マグネット205が固定配置される。
現像スリーブ204は、ブレード206によって取り出された現像剤(例えば、二成分現像剤である。磁性キャリアと非磁性トナーを含む。)を搬送する。そして、感光体ドラム153と対向する現像領域で現像剤を感光体ドラム153に供給して、感光体ドラム153上の静電潜像を現像する。なお、現像効率、即ち静電潜像へのトナーの付与率を向上させるために、現像スリーブ204には、直流電圧を交流電圧に重畳した現像バイアス電圧が印加される。
現像部202及び撹拌部203には、現像剤を撹拌するためのスクリュー207、208がそれぞれ配置されている。スクリュー207は、現像部202中の現像剤を撹拌し、撹拌された現像剤を搬送する。一方、スクリュー208は、トナー補給槽210のトナー排出口211から搬送スクリュー212の回転によって供給されたトナー213と、現像ユニット152内に既に存在する現像剤214とを撹拌する。そして、スクリュー208は、撹拌された現像剤を搬送し、トナー濃度を均一化する。
なお、隔壁201には、図2に示す手前側と奥側の端部において、現像部202と撹拌部203とを相互に連通させるための現像剤通路(不図示)が形成されている。現像によってトナーが消費されてトナー濃度の低下した現像部202内の現像剤は、スクリュー207、208の搬送力により、一方の現像剤通路から撹拌部203内に移動される。そして、撹拌部203内でトナー濃度が回復した現像剤は、他方の現像剤通路から現像部202内に移動されるように構成されている。
感光体ドラム153は、矢印242の方向に回転駆動される。感光体ドラム153の周辺には、感光体ドラム153を一様に帯電する一次帯電器220、現像ユニット152、現像された可視トナー像をシートに転写する転写ユニット221、ドラムクリーナ222が感光体ドラム153の回転方向に順次配設されている。
また、感光体ドラム153の上方には像露光装置223が設けられている。像露光装置223は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、反射鏡等からなり、コントローラ部110によってデジタル信号に変換された画像に対応するデジタル画素信号(ビデオデータ)の入力を受けて、信号に対応して変調されたレーザビームを照射する。
像露光装置223は、当該レーザビームを、一次帯電器220と現像ユニット152との間で感光体ドラム153の母線方向に走査するよう照射する。そして、感光体ドラム153のドラム面は露光されて、静電潜像が形成される。その後、感光体ドラム153が回転することで、静電潜像が現像ユニット152によって可視トナー像に現像される。
感光体ドラム153の下部には、矢印243の方向にシートを搬送する転写ベルト154が複数のローラ間に張架されて配置される。
給送部140から給送されたシートは、転写ベルト154の右側から搬送される。そして、当該シートは、転写ベルト154を挟んで対向設置される吸着帯電器230の作用により、転写ベルト154に担持されて、転写ベルト154の左側(矢印243の方向)に搬送される。そして、感光体ドラム153と転写ユニット221との間をシートが通過する際に、転写ユニット221の作用によって、感光体ドラム153上に現像された可視トナー像が当該シートに転写される。トナー像が転写されたシートは、除電用帯電器231によって転写ベルト154から分離され、定着ユニット155に搬送される。
そして、定着ユニット155が備える加圧ローラ(不図示)と加熱ローラ(不図示)との間を当該シートが通過し、トナーが溶融・圧着される。これにより、シートにトナー像が定着される。なお、シートへのトナーを転写した後に感光体ドラム153上に残存するトナーは、ドラムクリーナ222により除去される。
続いて、スキャナ部130の構成を示す断面図の一例について、図3(A)及び図3(B)を用いて説明する。
原稿301の画像の読み取り方法には、流し読み方式と光学系移動方式の2つの方式がある。流し読み方式では、原稿積載部(原稿トレイとも呼ぶ)340に原稿301が載置されて、自動原稿搬送装置(ADF)によって原稿301を搬送させながら、固定された光学系の位置で原稿301の画像を読み取る。なお、ADFとは、Auto Document Feederのことである。一方、光学系移動方式では、プラテンガラス(原稿台)302上に原稿301が載置されて、光学系を移動させながら、原稿位置が固定された原稿301の画像を読み取る。
本実施形態におけるスキャナ部130では、ADFを用いて原稿301をスキャンする構成と、原稿台を用いて原稿301をスキャンする構成の両方を備えている場合について以降説明するが、これに限られない。第1の実施形態では、スキャナ部130は、ADFを用いて原稿301をスキャンする構成、又は、圧板を用いて原稿301をスキャンする構成のいずれかを少なくとも備えていればよい。
なお、スキャナ部130における原稿301の画像の読み取り動作(スキャン動作とも呼ぶ)の開始指示は、例えば、スキャンの実行の開始を指示するためのスタートキーがユーザによって押下されることにより行われる。もしくは、スキャン動作の開始指示は、例えば、操作部120の表示部に表示されるスタートボタンがユーザによって押下されることにより行われてもよい。
まず、原稿台を用いて原稿301の画像を読み取る場合について、図3(A)を用いて説明する。
スキャン動作の開始指示により、プラテンガラス302上に載置された原稿301の画像の読み取るために、第一ミラーユニット303と第二ミラーユニット304は、モータ312の駆動によって、ホームポジションセンサ305のある位置まで一旦戻される。そして、原稿照明ランプ306が点灯され、点灯された光は原稿301に照射される。原稿301からの反射光は、第一ミラーユニット303内の第1ミラー307と、第二ミラーユニット304内の第2ミラー308、及び、第二ミラーユニット304内の第3ミラー309を経由する。第3ミラー309からの反射光は、レンズ310を通してCCD(Charge Coupled Device)センサ311上に結像されて、光信号としてCCDセンサ311に入力される。
なお、第二ミラーユニット304は、第一ミラーユニット303の速度(V)の半分の速度(V/2)で移動する。これにより、原稿301の全面が走査される。
なお、本実施形態では、スキャナ部130が備える光学系は、原稿301からの反射光をCCDセンサ311上に結像する縮小光学系である場合について説明したが、これに限られない。スキャナ部130が備える光学系は、原稿301からの反射光をCIS(Contact Image Sensor)上に結像する等倍光学系であってもよい。
続いて、ADFを用いて原稿301の画像を読み取る場合について、図3(B)を用いて説明する。
ピックアップローラ322と給送ローラ323との間に配置されている原稿検知センサ(不図示)によって、原稿積載部340に原稿(不図示)がセットされていることを検知した場合に、ADFを用いた原稿のスキャン動作が開始される。
スキャン動作の開始指示を受け付けると、まず、原稿給送部341は、摩擦分離方式により原稿束の最上のシート(原稿)を1枚ずつ分離し、分離された原稿をレジストローラ対324まで搬送する。なお、原稿を給送する際には、ピックアップローラ322が原稿束の上に下降し、中板が上昇して原稿束を給送ローラ323に押圧することによって、原稿の給送のための予備動作に入る。その後、モータ(不図示)を駆動源として、給送ローラ323とピックアップローラ322が時計回り方向に回転することにより、原稿が搬送される。最上のシートに後続して送られようとする2枚目以降のシートは、摩擦片(不図示)により静止し、原稿積載部340に留まる。なお、原稿が分離されたことは、給送ローラ323の下流に配置された分離センサ(不図示)によって検知される。
その後、分離された原稿は、ガイド板(不図示)の間を通過して、レジストローラ対324まで搬送される。なお、レジストローラ対324は、原稿の先端が到達した時には停止している。そして、当該原稿は、給送ローラ323による搬送で、ループが形成されて斜行が補正されて、原稿搬送部342まで搬送される。
原稿搬送部342は、搬送ベルト325を駆動ローラ326、従動ローラ327で張架し、押圧コロ328によって搬送ベルト325をプラテンガラス302に押圧することで、搬送ベルト325を回動させる。原稿は、搬送ベルト325とプラテンガラス302の間に搬送されると、搬送ベルト325の摩擦力によりプラテンガラス302の上を通過する。
原稿給送部341から原稿搬送部342まで搬送された原稿は、搬送ベルト325によりプラテンガラス302の所定の位置まで搬送されたことに従って、駆動モータ(不図示)の停止に伴い搬送が停止される。そして、当該原稿の画像は、図3(A)で示した第一ミラーユニット303と第二ミラーユニット304を移動させることで、スキャナ部130により読み取られる。
スキャナ部130による読み取りが終了した後、搬送ベルト325によって原稿が反転排送部343に搬送される。この時、反転排送部343の入口付近でシートの進行経路を規制する反転フラッパ331は、ソレノイド(不図示)の制御により、原稿を反転ローラ329まで搬送する。さらに、当該原稿は、逆時計回り方向に回転する反転ローラ329と、反転ローラ329に対向する反転コロ332によって鋏持され、搬送ローラ対330まで搬送される。
原稿の後端が排出フラッパ333を抜けた地点まで到達したことに従って、排出フラッパ333は時計回り方向に回動するとともに、反転ローラ329は逆転して時計回り方向に回転する。これにより、原稿のスイッチバック搬送が開始される。このようにして、反転ローラ329の時計回り方向の回転により搬送された原稿は、原稿排出部344に排出される。ここで、後続の原稿がある場合、後続の原稿は、搬送ベルト325の回動により、先行の原稿と同様にして所定の位置まで搬送される。そして、駆動モータの停止に伴って読み取り位置で停止した当該原稿の画像は、図3(A)で示した第一ミラーユニット303と第二ミラーユニット304を移動させることで、スキャナ部130により読み取られる。このスキャン動作の実行中に、先行の原稿は、独立して動作する反転排送部343によって表裏が反転されて、原稿排出部344まで搬送される。
なお、図3(B)の例では、ADFを用いて原稿301の画像を読み取るにあたって、原稿台を用いて原稿を読み取る位置まで搬送させ、原稿の搬送を停止してスキャンを実行する方式(光学系移動方式)で説明したが、これに限られない。例えば、ADFを用いる原稿301の画像の読み取り方式は、第一ミラーユニット303と第二ミラーユニット304を移動させずに位置を固定させ、原稿を一定速度で搬送させながら、スキャナ部130によりスキャンを実行する方式(流し読み方式)でもよい。
なお、ADFを用いて原稿の裏面をスキャンする場合、原稿の表面をスキャンした後、当該原稿を反転させて搬送し、続けて原稿の裏面をスキャンする方式(両面反転読みと呼ぶ)により実現してもよい。もしくは、スキャナ部130が原稿の搬送路の上側と下側に2つの読み取りセンサを備える場合、流し読みを行いながら、原稿の表面と裏面を同時にスキャンする方式(両面同時読みと呼ぶ)により実現してもよい。
本実施形態では、「原稿台を用いた光学系移動方式」により原稿301をスキャンすることを「圧板読み」と定義し、以降説明を進める。また、本実施形態では、「ADFを用いた流し読み方式」により原稿301をスキャンすることを「ADF読み」と定義し、以降説明を進める。
続いて、印刷装置100における印刷に使用されるシートの属性情報を管理するためのシート管理テーブル400の詳細について、図4を用いて説明する。
なお、印刷装置100において印刷に使用されるシートには、例えば、標準的に使用されるシート、プリンタメーカによって評価済みのシート、及び、標準シートや評価済みシートの属性情報がユーザによってカスタマイズされたユーザ定義のシート等がある。これら複数のシートの属性情報は、シート管理テーブル400によるリスト形式で、RAM113又はHDD115に記憶される。シート管理テーブル400に登録されている各データは、XML(Extensible Markup Language)やCSV(Comma−Separated Values)等のデジタル情報である。そして、各ソフトウェアモジュールは、RAM113又はHDD115に記憶されているシート管理テーブル400に対して読み出しと書き込みが可能である。
続いて、シート管理テーブル400に登録されるデータ(シートの属性情報)の詳細について以降説明する。
シート名称(411)は、印刷に使用されるシートを互いに識別するための情報である。
副走査方向のシート長(412)、主走査方向のシート長(413)、シートの坪量(414)、及び、シートの表面性(415)は、それぞれ、印刷に使用されるシートの物理特性である。なお、シートの表面性(415)は、シートの表面の物理特性を表すための属性であり、例えば、光沢性を上げるための表面コートが施された「コート」や、表面に凹凸のあるような「エンボス」等がある。
シートの色(416)は、シートの下地の色を表すための属性である。プレプリント紙(417)は、印刷に使用されるシートがプレプリント紙であるか否かを識別するための情報である。
印刷装置100は、理想の印刷位置に画像が印刷されるように、印刷の実行時にシートに対する印刷位置のずれを調整する。シートの表面に対する印刷位置のずれ量(420)は、シートの表面における理想の印刷位置からの位置ずれ量を表す情報である。一方、シートの裏面に対する印刷位置のずれ量(421)は、シートの裏面における理想の印刷位置からの位置ずれ量を表す情報である。
印刷位置のずれ量(420,421)として、例えば、シートに対する副走査方向の印刷位置のずれ量(以降、リード位置のずれ量と呼ぶ)がある。リード位置とは、シートの搬送方向の先頭におけるチャートの端を起点とした画像の印刷の開始位置のことである。なお、リード位置の初期値はゼロである。リード位置のずれ量の調整時において、像露光装置223から感光体ドラム153に照射するレーザビームの照射開始タイミングが調整される。これにより、シートの搬送方向の先頭におけるチャートの端を起点とした画像の印刷の開始位置が変更される。
また、印刷位置のずれ量(420,421)として、例えば、シートに対する主走査方向の印刷位置のずれ量(以降、サイド位置のずれ量と呼ぶ)がある。サイド位置とは、シートの搬送方向の左側におけるチャートの端を起点とした画像の印刷の開始位置のことである。なお、サイド位置の初期値はゼロである。サイド位置のずれ量の調整時において、像露光装置223から感光体ドラム153に照射するレーザビームの照射開始タイミングが調整される。これにより、シートの搬送方向の先頭におけるチャートの端を起点とした画像の印刷の開始位置が変更される。
また、印刷位置のずれ量(420,421)として、例えば、副走査方向の画像長のずれ量(理想の長さに対する倍率)と、主走査方向の画像長のずれ(理想の長さに対する倍率)がある。なお、副走査倍率、及び、主走査倍率の初期値はゼロである。副走査倍率は、転写ベルト154の駆動速度を制御することで調整される。一方、主走査倍率は、像露光装置223においてデジタル画像信号からレーザビームに変調する際のレーザビームのクロック周波数を制御することで調整される。
これらの印刷位置のずれ量(420,421)は、所定のマークが印刷された調整用チャートをスキャナ部130でスキャンし、当該調整用チャート上のマークの位置を検出することで算出される。所定のマークが印刷される調整用チャートの詳細については、図6で後述する。
なお、前述したように、印刷位置のずれ量(420,421)の調整は、例えば、レーザの照射タイミングを調整することにより行われる場合について説明したが、これに限られない。シートに印刷すべき画像自体を所定量シフトさせて印刷することにより、印刷位置のずれを調整してもよい。なお、印刷位置のずれ量の調整時において、ユーザは、シートに印刷する画像のシフト量を任意に指定できるようにしてもよい。
シート管理テーブル400に登録されているシートの属性情報の編集や、シート管理テーブル400に対する新たなシートの追加登録は、図5(A)に示す編集画面500によって行うことができる。なお、編集画面500は、例えば、操作部120の表示部や、PC101のモニタ(不図示)に表示される。
編集画面500上でユーザによって選択されたシートは、ハイライト表示(反転表示)される。図5(A)の例では、「XYZ製紙 カラー81」のシートがハイライト表示されている。ユーザは、編集画面500上のボタン501を押下することによって、シート管理テーブル400に登録すべき新たなシートを追加することができる。また、ユーザは、編集画面500上のボタン502を押下することによって、選択されたシート(ハイライト表示されているシート)の属性情報を編集することができる。なお、ボタン501又はボタン502がユーザによって押下されたことに従って、図5(B)に示す編集画面510が呼び出される。なお、編集画面510は、例えば、操作部120の表示部や、PC101のモニタ(不図示)に表示される。
ユーザは、編集画面510上で、例えば、シート名称、副走査方向のシート長、主走査方向のシート長、坪量、表面性、色、及び、プレプリント紙等に関する各データを入力することができる。なお、表面性については、印刷装置100でサポート可能な表面性のリストから選択される。また、色については、予め登録された色のリストから選択される。ユーザによって各データが入力された後、編集画面510上のボタン511が押下されることにより、その時点で入力されたデータ(シートの属性情報)が確定されて、シート管理テーブル400に登録される。
編集画面500上で、ユーザは、シート名称、副走査方向のシート長、主走査方向のシート長、坪量、表面性、及び、色に関する属性情報を入力することができる。なお、表面性は、印刷装置100でサポート可能な表面性のリストからユーザは一つを選択する。また、色は、予め登録された色のリストからユーザは任意の一つを選択することができる。また、編集画面500上では、編集するシートがプレプリント紙507であるか否かの情報をユーザは入力することができる。
編集画面500上の編集終了ボタン520が押下されると、その時点で入力されたシート属性が確定されて、シート管理テーブル400に記憶される。
そして、編集画面500上のボタン503がユーザによって押下されることにより、選択されたシート(ハイライト表示されているシート)に対する印刷位置を調整するための一連の処理を実行することができる。なお、印刷位置の調整を実行する一連の処理の詳細については、図8〜図10で後述する。
続いて、印刷位置の調整に使用される調整用チャートの模式図の一例について、図6を用いて説明する。
調整用チャート601の画像データは、RAM113又はHDD115に格納されている。調整用チャート601を印刷する際に、調整用チャート601の画像データがRAM113又はHDD115から読み出されて、プリンタエンジン150に転送される。
シートに対する表面の印刷位置を調整する場合、シートの表面の特定の位置(例えば、四隅)には、マーク620が印刷される。また、シートに対する裏面の印刷位置を調整する場合、シートの裏面の特定の位置(例えば、四隅)には、マーク620が印刷される。なお、マーク620は、通常のシートに対する反射率の差が大きい色のトナー(例えば、黒色のトナー)で形成される。このように、調整用チャート601は、チャートの表面及び裏面のそれぞれに4箇所(合計8箇所)にマーク620が印刷される。
調整用チャート601の表面には、チャートの搬送方向を識別するための画像610、及び、チャートの表裏を識別するための画像612が印刷される。また、調整用チャート601の裏面には、チャートの搬送方向を識別するための画像611、及び、チャートの表裏を識別するための画像613が印刷される。
即ち、両面印刷の実行時に両面画像の位置合わせを行う場合、調整用チャート601の表面には画像610及び画像612を印刷し、調整用チャート601の裏面には画像611及び画像613を印刷すればよい。一方、片面印刷の実行時に印刷位置の調整を行う場合、少なくとも調整用チャート601の表面に画像610及び画像612を印刷すればよい。
また、調整用チャート601の搬送方向を識別するための画像610及び画像611は、調整用チャート601をADF読みでスキャンする場合に印刷されていればよく、調整用チャート601を圧板読みでスキャンする場合には印刷されていなくてもよい。
なお、図6に示すように画像610及び画像611は、例えば、チャートの搬送方向をユーザが識別可能な矢印である。一方、画像612及び画像613は、例えば、チャートの表裏をユーザが識別可能な文字である。
マーク620は、理想通りの位置に印刷されている場合、チャートの端から所定の距離の位置に印刷されるように配置される。そこで、調整用チャート601の表面に印刷されているマーク620の位置を測定することにより、シートの表面の印刷位置のずれ量が算出(又は取得)される。
また、調整用チャート601の裏面に印刷されているマーク620の位置を測定することにより、シートの裏面の印刷位置のずれ量が算出(又は取得)される。
なお、調整用チャート601の表面及び裏面に印刷されている各々のマーク620の相対位置を測定することで、表面の印刷位置に対しての裏面の印刷位置のずれ量、又は、裏面の印刷位置に対しての表面の印刷位置のずれ量を算出(又は取得)してもよい。
続いて、調整用チャート601を用いて印刷位置の調整を行う場合について、図6を用いて以降説明する。
調整用チャート601の表面と裏面のそれぞれのマーク620の位置を測定するために、調整用チャート601の表面における(a)〜(j)で表される部分が測定される。また、調整用チャート601の裏面における(k)〜(r)で表される部分が測定される。
なお、(a)の部分は、調整用チャート601の副走査方向の長さであり、(b)の部分は調整用チャート601の主走査方向の長さである。なお、(a)の部分の理想的な長さは、シート管理テーブル400によって登録されている副走査方向のシート長(412)である。また、(b)の部分の理想的な長さは、シート管理テーブル400によって登録されている主走査方向のシート長(413)である。一方、(c)〜(r)の長さは、それぞれ、マーク620から直近のチャートの端までの距離である。
なお、(a)〜(r)の長さの測定方法として、手動で測定する方法と、自動で算出する方法とがある。手動で測定する方法では、ユーザが、調整用チャート601に定規を当てることにより、(a)〜(r)の長さを実測する。
一方、自動で算出する方法では、調整用チャート601をスキャナ部130でスキャンする。そして、CPU114は、調整用チャート601の画像を読み取って生成された画像データを解析する。CPU114は、当該解析の結果、濃度差から調整用チャート601の端、及び、マーク620のエッジ(即ち、チャートの下地とマーク620の境界)を検出する。そして、CPU114は、検出されたチャートの端、及びマーク620のエッジから(a)〜(r)の長さを算出する。なお、調整用チャート601の画像データの解析処理の詳細については、図8で後述する。
続いて、測定されたマーク620の位置に基づく印刷位置のずれ量の算出方法について、図7を用いて説明する。
調整用チャート601の表面及び裏面における「リード位置」、「サイド位置」、「主走査倍率」、「副走査倍率」の測定値(710)、理想値(711)、及び印刷位置のずれ量(712)の各々は、図7に示すテーブル700によって定義される。なお、テーブル700は、RAM113又はHDD115に記憶される。
例えば、調整用チャート601の表面における「リード位置」の測定値(710)は、テーブル700に示した数式を用いて、図6で示した(c)及び(e)の実測値から算出される。即ち、リード位置は、シートの搬送方向の先頭におけるチャートの端から対応するマーク620までの距離の平均値である。
また、例えば、調整用チャート601の表面における「サイド位置」の測定値(710)は、テーブル700に示した数式を用いて、図6で示した(f)及び(j)の実測値から算出される。即ち、サイド位置は、シートの搬送方向の左側におけるチャートの端から対応するマーク620までの距離の平均値である。
また、例えば、調整用チャート601の表面における「主走査倍率」の測定値(710)は、テーブル700に示した数式を用いて、図6で示した(b)、(d)、(f)、(h)、及び(j)の実測値から算出される。即ち、主走査倍率は、主走査方向に同一走査線上に並ぶマーク620間の距離の平均値である。
また、例えば、調整用チャート601の表面における「副走査倍率」の測定値(710)は、テーブル700に示した数式を用いて、図6で示した(a)、(c)、(e)、(g)、及び(i)の実測値から算出される。即ち、副走査倍率は、副走査方向に同一走査線上に並ぶマーク620間の距離の平均値である。
テーブル700に示すように、「リード位置」及び「サイド位置」の理想値(711)は、それぞれ1cmである。即ち、マーク620は、理想的にはそれぞれ対応するチャートの端から1cm離れた位置に印刷されるべきである。
また、テーブル700に示すように、「主走査倍率」の理想値(711)は、シート管理テーブル400に登録されている各々のシートにおける主走査方向のシート長から2cm減算した値である。同様に、「副走査倍率」の理想値(711)は、シート管理テーブル400に登録されている各々のシートにおける副走査方向のシート長から2cm減算した値である。
また、テーブル700に示すように、「リード位置」、「サイド位置」、「主走査倍率」、及び「副走査倍率」の各々における印刷位置のずれ量(712)は、対応する測定値(710)及び理想値(711)を用いて算出される。
より具体的に、「リード位置」及び「サイド位置」の印刷位置のずれ量(712)は、測定値(710)から理想値(711)を減算することで算出される(単位は「mm」である)。一方、「主走査倍率」及び「副走査倍率」の印刷位置のずれ量(712)は、測定値(710)から理想値(711)を減算したものを理想値(711)で除算することで算出される(単位は「%」である)。
以上によって算出された印刷位置のずれ量(712)は、シートの属性情報としてシート管理テーブル400に登録される。
続いて、調整用チャート601をスキャナ部130でスキャンして生成された画像データ800に基づいて、調整用チャート601の画像端、及び、マーク620の画像端を検出する方法について、図8(A)及び図8(B)を用いて説明する。
なお、図8(A)及び図8(B)の例では、調整用チャート601を圧板読みでスキャンする時に、プラテンガラス302上に載置された調整用チャート601の上から、黒色の画像のバッキングシート(不図示)を充ててスキャンした場合について想定する。調整用チャート601をADF読みでスキャンする場合においては、バッキングシートを充ててスキャンする代わりに、調整用チャート601の端の一部に接するように黒色のマークが形成された調整用チャート(不図示)をスキャンすることで同様に説明できる。
調整用チャート601を圧板読みでスキャンして生成された画像データの一部を、図8(A)を用いて説明する。
領域801は、画像データ800のうち、バッキングシート(不図示)に基づく画像データ領域である。領域802は、画像データ800のうち、調整用チャート601の下地に基づく画像データ領域である。領域803は、画像データ800のうち、調整用チャート601のマーク620に基づく画像データ領域である。端810は、領域802の端(即ち、調整用チャート601の画像端)である。端812は、領域803の端(即ち、マーク620の画像端)である。
解析範囲811は、画像データ800の解析が行われる範囲(即ち、解析処理の注目範囲)である。画像データ800の解析は、画像データ800の画像端から主走査方向と副走査方向の濃度変化を画素単位で計測することで行われる。そして、CPU114は、当該計測結果から領域801、領域802、領域803、端810、及び端812を検出する。なお、計測する単位は、画素単位より微小な単位であっても、より大きな単位であってもよい。また、読み取りの間隔は、一定の間隔で行っても、間引いて行ってもよい。
続いて、解析範囲811における画像データ800の解析結果の一例を、図8(B)を用いて説明する。解析範囲811における画像データ800の濃度計測は、画像データ800の画像端から行われる。
まず、CPU114は、領域801(図8の区間(A)に相当)の濃度を検出する。続いて、CPU114は、領域801と領域803との間にある領域802(図8の区間(B)に相当)の濃度を検出する。続いて、CPU114は、領域802と領域802との間にある領域803(図8の区間(C)に相当)の濃度を検出する。続いて、CPU114は、領域803と領域803との間にある領域802(図8の区間(D)に相当)の濃度を検出する。続いて、CPU114は、領域802と領域802との間にある領域803(図8の区間(E)に相当)の濃度を検出する。続いて、CPU114は、領域803と領域801との間にある領域802(図8の区間(F)に相当)の濃度を検出する。続いて、CPU114は、領域801(図8の区間(G)に相当)の濃度を検出する。
これらの測定結果に基づいて、CPU114は、画像データ800の区間(A)〜(G)の測定位置から、調整用チャート601に印刷された画像の範囲を算出する。更に、CPU114は、区間(C)及び区間(E)における領域803が、調整用チャート601に印刷されたマーク620の濃度によるものであると検出する。更に、CPU114は、区間(A)及び区間(G)における領域801が、バッキングシート(不図示)の下地の濃度によるものであると検出する。
また、当該検出の結果から、CPU114は、区間(A)と区間(B)で濃度が切り替わる箇所を、端810(即ち、調整用チャート601の画像端(左端))として検出する。更に、CPU114は、区間(B)と区間(C)で濃度が切り替わる箇所を、端812(即ち、左側のマーク620の画像端(左端))として検出する。更に、CPU114は、区間(C)と区間(D)で濃度が切り替わる箇所を、端812(即ち、左側のマーク620の画像端(右端))として検出する。更に、CPU114は、区間(D)と区間(E)で濃度が切り替わる箇所を、端812(即ち、右側のマーク620の画像端(左端))として検出する。更に、CPU114は、区間(E)と区間(F)で濃度が切り替わる箇所を、端812(即ち、右端のマーク620の画像端(右端))として検出する。更に、CPU114は、区間(F)と区間(G)で濃度が切り替わる箇所を、端810(即ち、調整用チャート601の画像端(右端))として検出する。
そして、上記の検出の結果に基づき、CPU114は、調整用チャート601の画像端(左端)から、左側のマーク620の画像端(左端)までの距離を、調整用チャート601の(c)の長さとして算出する。
更に、CPU114は、右側のマーク620の画像端(右端)から、調整用チャート601の画像端(右端)までの距離を、調整用チャート601の(g)の長さとして算出する。
更に、CPU114は、調整用チャート601の画像端(左端)から、調整用チャート601の画像端(右端)までの距離を、調整用チャート601の(a)の長さとして算出する。
なお、調整用チャート601の(c)と(g)の長さの算出方法について上述したが、調整用チャート601の(e)と(i)、(d)と(f)、及び、(h)と(j)の長さについても、同様の方法によって算出することができる。また、調整用チャート601の(a)の長さの算出方法について上述したが、調整用チャート601の(b)の長さについても、同様の方法によって算出することができる。
このようにして、調整用チャート601の画像端と、マーク620の画像端が検出されたことに従って、CPU114は、調整用チャート601の(a)〜(r)の長さを自動で算出することが可能となる。
第1の実施形態では、CPU114は、印刷位置のずれを調整するためのシートに調整用チャート601を印刷するよう画像形成部151に指示する。その後、CPU114は、当該シートの物理特性に基づいて、印刷された調整用チャート601をADF読みでスキャン可能か否かを判定する。CPU114は、ADF読みでスキャン可能であると判定した場合、印刷位置の自動調整を実行する為に「ADF読みでスキャンすること」と、「圧板読みでスキャンすること」のいずれもユーザが任意に選択できるように、画面表示を制御する。一方、CPU114は、ADF読みでスキャン可能でないと判定した場合、印刷位置の自動調整を実行する為に「圧板読みでスキャンすること」をユーザが任意に選択できるが、「ADF読みでスキャンすること」を選択できないように、画面表示を制御する。このように、第1の実施形態は、調整用チャート601が印刷されたシートの物理特性に基づいて、印刷位置の調整方法をユーザに適切に提示するものである。
以下、詳細に説明する。
第1の実施形態に係る印刷装置100において、印刷位置の調整を実行する一連の処理を、図9に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部110のCPU114が、ROM112又はHDD115から読み出してRAM113に展開された制御プログラムを実行することで行われる。なお、図9の処理は、例えば、図5(A)に示す編集画面500が操作部120の表示部に表示された状態で開始される。
S901において、CPU114は、編集画面500上で、印刷位置を調整するためのシートの選択をユーザから受け付けて、S902に処理を進める。なお、編集画面500上でハイライト表示(反転表示)されているシートに対して、ユーザによってボタン503が押下された場合に、ハイライト表示(反転表示)されている当該シートが印刷位置を調整するためのシートとして選択される。
S902において、CPU114は、S901で選択されたシートの物理特性(例えば、副走査方向のシート長(412)、主走査方向のシート長(413)、シートの坪量(414)、及び、シートの表面性(415)等)を取得して、S903に処理を進める。なお、CPU114は、S901で選択されたシートの物理特性について、シート管理テーブル400に登録されたシートの属性データ(シート長、坪量、表面性等)を参照することにより取得する。
S903において、CPU114は、S901で選択されたシート(即ち、印刷位置を調整するためのシート)をADF読みでスキャン可能か否かを判定する。なお、CPU114は、S902で取得されたシートの物理特性に基づいて、当該シートをADF読みでスキャン可能か否かを判定する。
例えば、シートの主走査方向の長さが、ADFの原稿積載部340のガイド幅の最大長よりも大きい場合、当該シートを原稿積載部340にセットすることができない。このため、CPU114は、当該シートをADF読みでスキャンできないと判定する。
ここで、具体例について説明する。「A3サイズ」のシートの主走査方向の長さは297mmである。仮に、原稿積載部340のガイド幅の最大長が297mmである場合、主走査方向の長さが304.8mmである「12×18サイズ」のシートや、主走査方向の長さが330.2mmである「13×19サイズ」のシートは、原稿積載部340にセットできない。一方、「12×18サイズ」のシートや、「13×19サイズ」のシートであっても、シート収納部(例えば、給送カセット、給送デッキ、手差しトレイ等)に収納することができるので、これらのシートに画像を印刷することができる。このように、画像形成部151によって印刷可能なシートのサイズのうち、ADF読みでスキャンすることができないシートのサイズが存在する。
また、例えば、シートの坪量の大きさが、ADF読みでスキャン可能であるとしてサポートされている坪量の大きさの範囲外である場合、当該シートはADFの搬送パス上でジャムが発生するパラメータの条件に該当する。このため、CPU114は、当該シートをADF読みでスキャンできないと判定する。
ここで、具体例について説明する。仮に、ADF読みでスキャン可能であるとしてサポートされている坪量の大きさの範囲が64g/m2〜150g/m2である場合、坪量の大きさが181g/m2であるシートは、ADF読みでスキャンすることができない。
また、例えば、シートの種類が「タブ紙」や「ボール紙」である場合、シートの剛度が大き過ぎる(即ち、シートが硬過ぎる)ため、ADFの搬送パス上でジャムが発生する可能性がある。また、例えば、シートの種類が「OHPシート」や「透明フィルム」である場合、シートの剛度が小さ過ぎる(即ち、シートが柔らか過ぎる)ため、ADFの搬送パス上でジャムが発生する可能性がある。このように、シートの種類が特定の種類(例えば、「タブ紙」、「ボール紙」、「OHPシート」、「透明フィルム」等)である場合に、CPU114は、当該シートをADF読みでスキャンできないと判定する。
S903での判定の結果、CPU114は、ADF読みでスキャン可能である(即ち、YES)と判定した場合、S904に処理を進める。一方、CPU114は、NOと判定した場合、S905に処理を進める。
S904において、CPU114は、図10(A)に示す選択画面1010(第1の受付画面とも呼ぶ)を操作部120の表示部に表示して、S906に処理を進める。なお、選択画面1010は、印刷位置の調整方法として、調整用チャート601の自動調整を圧板読みで実行する(1001)、自動調整をADF読みで実行する(1002)、又は、手動調整(1003)のいずれかをユーザに選択させるための画面である。
S905において、CPU114は、図10(B)に示す選択画面1020(第2の受付画面とも呼ぶ)を操作部120の表示部に表示して、S906に処理を進める。なお、選択画面1020は、印刷位置の調整方法として、調整用チャート601の自動調整を圧板読みで実行する(1001)、又は、手動調整(1003)のいずれかをユーザに選択させるための画面である。なお、選択画面1020では、選択画面1010とは異なり、ユーザは、調整用チャート601の自動調整をADF読みで実行するための指示ができないようになっている。なお、選択画面1020において、ボタン1002は非表示である場合について図10(B)に例示したが、ボタン1002はグレイアウト表示されていてもよい。なお、「調整用チャート601の自動調整をADF読みで実行できない」旨の警告メッセージ(不図示)を選択画面1020上に更に表示してもよい。
S906において、CPU114は、選択画面1010又は選択画面1020上で、印刷位置の調整方法がユーザによって選択されたか否かを判定する。なお、CPU114は、選択画面1010上のボタン1001、1002、1003、又は、選択画面1020上のボタン1001、1003のいずれかが押下された場合に、YESと判定してS907に処理を進める。一方、選択画面1010上のボタン1001、1002、1003、又は、選択画面1020上のボタン1001、1003のいずれかが押下されるまで、CPU114は、S906の処理を繰り返す。
S907において、CPU114は、印刷位置の調整方法として、手動調整がユーザによって選択されたか否かを判定する。なお、CPU114は、選択画面1010上のボタン1003、又は、選択画面1020上のボタン1003が押下された場合に、YESと判定してS909に処理を進める。一方、CPU114は、選択画面1010上のボタン1001、1002、又は、選択画面1010上のボタン1001が押下された場合に、NOと判定してS908に処理を進める。
S908において、CPU114は、印刷位置の調整方法として、自動調整(ADFによる読み取り)がユーザによって選択されたか否かを判定する。なお、CPU114は、選択画面1010上のボタン1002が押下された場合に、YESと判定してS1500に処理を進める。S1500において、CPU114は、調整用チャート601をADF読みでスキャンすることで印刷位置の自動調整を実行して、S912に処理を進める。なお、S1500の処理の詳細については、図12で後述する。
一方、CPU114は、選択画面1010上のボタン1001、又は、選択画面1010上のボタン1001が押下された場合に、NOと判定してS1100に処理を進める。S1100において、CPU114は、調整用チャート601を圧板読みでスキャンすることで印刷位置の自動調整を実行して、S912に処理を進める。なお、S1100の処理の詳細については、図11で後述する。
S909において、CPU114は、S901で選択されたシートに調整用チャート601を印刷するよう画像形成部151に指示する。印刷指示を受け付けた画像形成部151は、給送部140から給送された当該選択シートに調整用チャート601を印刷する。なお、調整用チャート601が印刷されたシートは、印刷装置100外に排出される。S909の処理の後、S910に処理を進める。
S910において、CPU114は、図5(B)で示した編集画面510上で、手動で測定された(a)〜(r)の長さ(実測値)の入力をユーザから受け付けて、S911に処理を進める。
S911において、CPU114は、S910で入力された(a)〜(r)の長さに基づいて、印刷位置のずれ量(712)を算出して、S912に処理を進める。なお、印刷位置のずれ量(712)は、図7で前述した数式を用いて算出される。
S912において、CPU114は、編集画面500上で選択されたシートに対する印刷位置のずれ量(712)として、シート管理テーブル400に登録する。例えば、S912で、S901で選択されたシートに対する表面の印刷位置のずれ量(420)、及び裏面の印刷位置のずれ量(421)を表す情報として、例えば、リード位置、サイド位置、主走査倍率、副走査倍率等が登録される。そして、S912の処理の後、図9に係る一連の処理を終了する。
以上が、印刷位置の調整を実行する一連の処理(図9)の詳細である。
続いて、調整用チャート601を圧板読みでスキャンすることにより、印刷位置の自動調整を実行する一連の処理を、図11に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部110のCPU114が、ROM112又はHDD115から読み出してRAM113に展開された制御プログラムを実行することで行われる。
S1101において、CPU114は、図12に示す指定画面1200を操作部120の表示部に表示して、S1102に処理を進める。なお、指定画面1200は、印刷位置の調整のために印刷する調整用チャート601の枚数の指定をユーザから受け付けるための画面である。なお、複数枚(例えば、10枚)の調整用チャート601をスキャンして、印刷位置のずれ量の平均値を算出することにより、印刷位置のずれ量の精度を上げることができる。このため、ユーザは、印刷位置の調整のために印刷すべき調整用チャート601の枚数を指定画面1200上で指定する。
S1102において、CPU114は、指定画面1200上で、調整用チャート601を印刷する枚数の指定をユーザから受け付けて、S1103に処理を進める。
S1103において、CPU114は、S1102で指定された枚数分の調整用チャート601を印刷するよう画像形成部151に指示する。この時、調整用チャート601の画像データは、RAM113又はHDD115から読み出されて、プリンタエンジン150に転送される。そして、印刷指示を受け付けた画像形成部151は、給送部140から給送されたシート(即ち、前述したS901で選択されたシート)に調整用チャート601を印刷する。なお、調整用チャート601が印刷されたシートは、印刷装置100外に排出される。S1103の処理の後、S1104に処理を進める。
S1104において、CPU114は、図13(A)に示す確認画面1310(第1の確認画面と呼ぶ)を操作部120の表示部に表示する。なお、確認画面1310は、調整用チャート601の表面の画像が読み取られるよう、プラテンガラス302(原稿台)上に調整用チャート601をセットするようユーザに促すための画面である。CPU114は、確認画面1310上のボタン1311(読み取り開始ボタン)がユーザによって押下されたことに従って、S1105に処理を進める。
S1105において、CPU114は、S1103で印刷された調整用チャート601を圧板読みでスキャンするようスキャナ部130に指示して、S1106に処理を進める。
S1106において、CPU114は、調整用チャート601のスキャンにより生成された画像データを画像解析する。なお、CPU114は、図8(A)及び図8(B)で前述した方法により、画像データの画像解析処理を実行する。そして、CPU114は、当該画像解析から濃度差に注目し、調整用チャート601の画像端、及びマーク620の画像端を検出して、S1107に処理を進める。
S1107において、CPU114は、S1106による検出処理の結果、調整用チャート601の画像端、及びマーク620の画像端の検出に成功したか否かを判定する。CPU114は、検出に成功した(即ち、YES)と判定した場合、S1108に処理を進める。一方、CPU114は、NOと判定した場合、S1116に処理を進める。なお、S1107でNOと判定されるのは、例えば、調整用チャート601が印刷されたシートの下地とマーク620との濃度差が小さいために、マーク620の画像端の検出が正しく行えない場合である。
S1108において、CPU114は、S1005によるスキャン処理で、調整用チャート601の裏面がスキャンされたか否かを判定する。なお、CPU114は、調整用チャート601の表面及び裏面のどちらがスキャンされたかを、調整用チャート601の表裏を識別するための画像(612,613)に基づく画像データを画像解析することで判断可能である。CPU114は、裏面がスキャンされた(即ち、YES)と判定した場合、S1111に処理を進める。一方、CPU114は、NOと判定した場合、S1109に処理を進める。
S1109において、CPU114は、S1106で検出された調整用チャート601の画像端、及び、マーク620の画像端から、図6に示した(a)〜(j)の長さを算出して、S1110に処理を進める。
S1110において、図13(B)に示す確認画面1320(第2の確認画面と呼ぶ)を操作部120の表示部に表示する。なお、確認画面1320は、調整用チャート601の裏面の画像が読み取られるよう、プラテンガラス302(原稿台)上に調整用チャート601をセットするようユーザに促すための画面である。CPU114は、確認画面1320上のボタン1321(読み取り開始ボタン)がユーザによって押下されたことに従って、S1105に戻って以降の処理を進める。
S1111において、CPU114は、S1106で検出された調整用チャート601の画像端、及び、マーク620の画像端から、図6に示した(k)〜(r)の長さを算出して、S1112に処理を進める。
S1112において、CPU114は、S1109で算出された(a)〜(j)の長さ、及び、S1111で算出された(k)〜(r)の長さに基づいて、印刷位置のずれ量(712)を算出して、S1113に処理を進める。なお、印刷位置のずれ量(712)は、図7で前述した数式を用いて算出される。
S1113において、CPU114は、調整用チャート601を印刷した枚数分(即ち、S1102で指定された枚数分)に対して、印刷位置のずれ量を算出したか否かを判定する。なお、CPU114は、S1112の処理回数をカウンタとしてHDD115又はRAM113に保持し、当該保持されたカウンタの値とS1102で指定された枚数とを比較することで、S1113の判定処理を行う。S1113での判定の結果、CPU114は、YESと判定した場合、S1115に処理を進める。一方、CPU114は、NOと判定した場合、S1114に処理を進める。
S1114において、図13(A)に示す確認画面1310(第1の確認画面)を操作部120の表示部に表示する。CPU114は、確認画面1310上のボタン1311(読み取り開始ボタン)がユーザによって押下されたことに従って、S1105に戻って以降の処理を進める。
S1115において、CPU114は、S1112で算出された印刷位置のずれ量に基づいて、調整用チャート601を印刷した枚数分に対する印刷位置のずれ量の平均値を算出する。そして、CPU114は、S1115で算出された平均値を、図9のS901で選択されたシートに対する印刷位置のずれ量として決定する。そして、S1115の処理の後、図11に係る一連の処理を終了し、図9のS912に処理を進める。
S1116において、CPU114は、図14に示すエラー画面1400を操作部120の表示部に表示する。なお、エラー画面1400は、調整用チャート601の画像データの解析に失敗したために、印刷位置の調整が実行されなかったことをユーザに通知するための画面である。そして、S1116の処理の後、図11に係る一連の処理を終了するとともに、図9に係る一連の処理を終了する。
以上が、調整用チャート601を圧板読みでスキャンすることにより、印刷位置の自動調整を実行する一連の処理(S1100:図11)の詳細である。
続いて、調整用チャート601をADF読みでスキャンすることにより、印刷位置の自動調整を実行する一連の処理を、図15に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、コントローラ部110のCPU114が、ROM112又はHDD115から読み出してRAM113に展開された制御プログラムを実行することで行われる。
S1501において、CPU114は、図12に示した指定画面1200を操作部120の表示部に表示して、S1502に処理を進める。
S1502において、CPU114は、指定画面1200上で、調整用チャート601を印刷する枚数の指定をユーザから受け付けて、S1503に処理を進める。
S1503において、CPU114は、S1502で指定された枚数分の調整用チャート601を印刷するよう画像形成部151に指示する。この時、調整用チャート601の画像データは、RAM113又はHDD115から読み出されて、プリンタエンジン150に転送される。そして、印刷指示を受け付けた画像形成部151は、給送部140から給送されたシート(即ち、前述したS901で選択されたシート)に調整用チャート601を印刷する。なお、調整用チャート601が印刷されたシートは、印刷装置100外に排出される。S1503の処理の後、S1504に処理を進める。
S1504において、CPU114は、図16に示す確認画面1600(第3の受付画面とも呼ぶ)を操作部120の表示部に表示する。なお、確認画面1600は、調整用チャート601の表面及び裏面の画像を読み取るために、ADFの原稿積載部340(原稿トレイ)上に調整用チャート601をセットするようユーザに促すための画面である。CPU114は、確認画面1600上のボタン1601(読み取り開始ボタン)がユーザによって押下されたことに従って、S1505に処理を進める。
S1505において、CPU114は、S1503で印刷された調整用チャート601の表面及び裏面をADF読みでスキャンするようスキャナ部130に指示して、S1506に処理を進める。
S1506において、CPU114は、調整用チャート601の表面及び裏面のスキャンにより生成された画像データを画像解析する。なお、CPU114は、図8(A)及び図8(B)で前述した方法により、画像データの画像解析処理を実行する。そして、CPU114は、当該画像解析から濃度差に注目し、調整用チャート601(表面及び裏面)の画像端、及びマーク620の画像端を検出して、S1507に処理を進める。
S1507において、CPU114は、S1506による検出処理の結果、調整用チャート601(表面及び裏面)の画像端、及びマーク620の画像端の検出に成功したか否かを判定する。CPU114は、検出に成功した(即ち、YES)と判定した場合、S1508に処理を進める。一方、CPU114は、NOと判定した場合、S1513に処理を進める。なお、S1507でNOと判定されるのは、例えば、調整用チャート601が印刷されたシートの下地とマーク620との濃度差が小さいために、マーク620の画像端の検出が正しく行えない場合である。
S1508において、CPU114は、S1506で検出された調整用チャート601(表面)の画像端、及び、マーク620の画像端から、図6に示した(a)〜(j)の長さを算出して、S1509に処理を進める。
S1509において、CPU114は、S1506で検出された調整用チャート601(裏面)の画像端、及び、マーク620の画像端から、図6に示した(k)〜(r)の長さを算出して、S1510に処理を進める。
S1510において、CPU114は、S1508で算出された(a)〜(j)の長さ、及び、S1509で算出された(k)〜(r)の長さに基づいて、印刷位置のずれ量(712)を算出して、S1511に処理を進める。なお、印刷位置のずれ量(712)は、図7で前述した数式を用いて算出される。
S1511において、CPU114は、調整用チャート601を印刷した枚数分(即ち、S1502で指定された枚数分)に対して、印刷位置のずれ量を算出したか否かを判定する。なお、CPU114は、S1510の処理回数をカウンタとしてHDD115又はRAM113に保持し、当該保持されたカウンタの値とS1502で指定された枚数とを比較することで、S1511の判定処理を行う。S1511での判定の結果、CPU114は、YESと判定した場合、S1512に処理を進める。一方、CPU114は、NOと判定した場合、S1505に戻って以降の処理を進める。
S1512において、CPU114は、S1510で算出された印刷位置のずれ量に基づいて、調整用チャート601を印刷した枚数分に対する印刷位置のずれ量の平均値を算出する。そして、CPU114は、S1512で算出された平均値を、図9のS901で選択されたシートに対する印刷位置のずれ量として決定する。そして、S1512の処理の後、図15に係る一連の処理を終了し、図9のS912に処理を進める。
S1513において、CPU114は、図14に示したエラー画面1400を操作部120の表示部に表示する。そして、S1513の処理の後、図15に係る一連の処理を終了するとともに、図9に係る一連の処理を終了する。
以上が、調整用チャート601をADF読みでスキャンすることにより、印刷位置の自動調整を実行する一連の処理(S1500:図15)の詳細である。
以上説明したように、第1の実施形態では、CPU114は、印刷位置のずれを調整するためのシートに調整用チャートを印刷するよう画像形成部151に指示した。その後、CPU114は、当該シートの物理特性に基づいて、印刷された調整用チャートをADF読みでスキャン可能か否かを判定した。CPU114は、ADF読みでスキャン可能であると判定した場合、印刷位置の自動調整を実行する為に「ADF読みでスキャンすること」と、「圧板読みでスキャンすること」のいずれもユーザが任意に選択できるように、画面表示を制御した。一方、CPU114は、ADF読みでスキャン可能でないと判定した場合、印刷位置の自動調整を実行する為に「圧板読みでスキャンすること」をユーザが任意に選択できるが、「ADF読みでスキャンすること」を選択できないように、画面表示を制御した。このように、第1の実施形態は、調整用チャートが印刷されたシートの物理特性に基づいて、印刷位置の調整方法をユーザに適切に提示することができる。このように、とりわけ、印刷位置のずれ量の精度を上げるために複数枚の調整用チャート601をスキャンする場合に、調整用チャート601をADF読みでスキャン可能か否かをユーザは容易に確認することができるので、ユーザの利便性が向上する。
なお、第1の実施形態では、CPU114は、ADF読みでスキャン可能でないと判定した場合、「ADF読みでスキャンすること」をユーザが選択できないよう、図10(B)に示したように画面表示を制御する場合について説明したが、これに限られない。他の実施形態としては、図10(B)に示した選択画面1020の代わりに、図17に示す選択画面1700を操作部120の表示部に表示する。即ち、CPU114は、ADF読みでスキャン可能でないと判定した場合であっても、ADF読みをサポートしていない旨の警告(1701)をユーザに通知した後に、「ADF読みでスキャンすること」をユーザが選択できるようにしてもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
例えば、本実施形態では、印刷装置100のコントローラ部110のCPU114が上記各種制御の主体となっていたが、これに限らない。印刷装置100と別筐体の外付けコントローラ等の印刷制御装置によって、上記各種制御の一部又は全部を実行可能に構成しても良い。
また、本発明を適用した実施形態を、単色トナーを扱う画像形成部151を持つ印刷装置100を用いて説明したが、これに限られない。複数色のトナーを扱う画像形成部151を持つ印刷装置100であっても、本発明を適用した実施形態を同様に説明できる。例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色を扱うフルカラーの印刷装置100である場合、ブラックのトナーを用いて印刷位置の調整を行い、ブラックの印刷位置を基準に他の色の印刷位置の調整を行えばよい。
以上、本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるものではない。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。