JP2021045855A - 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、およびプログラム - Google Patents
画像形成装置、画像形成装置の制御方法、およびプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】意図しない印刷位置の調整が行われてしまうことを抑制すること。【解決手段】印刷装置100は、格納している用紙の用紙サイズを検知して設定する複数の給紙段を備えた給紙装置140を有し、同じ用紙種類であり、かつ異なる用紙サイズの用紙を格納する複数の給紙段に対して1つの用紙プロファイルを共通に設定可能である。印刷装置100は、画像形成部151と読み取り装置160とを有する。コントローラボード110は、第1サイズの用紙を格納する給紙段から給紙され、かつ画像形成部151によって所定の画像が形成された第1サイズの用紙を読み取り装置160が読み取った結果に基づいて、第1サイズの印刷位置の調整を行うための調整値を1つの用紙プロファイルに登録する。【選択図】図11
Description
本発明は、用紙に対する印刷位置を調整する技術に関する。
用紙上の意図した位置に画像が形成されるように、用紙に対する印刷位置(画像形成位置)を調整する印刷位置調整機能を有する画像形成装置がある。また、印刷位置を調整する調整値を用紙プロファイルとして登録し、印刷に用いる給紙段にその用紙プロファイルを設定することで、調整値を印刷内容に反映する技術が知られている。
さらに、マークを付して用紙を印刷し、印刷した用紙を搬送する過程において用紙のマークを読み取り、その内容を調整値としてフィードバックすることで、印刷ジョブの実行中に印刷位置を自動的に調整する技術が知られている(特許文献1)。
用紙サイズを用紙プロファイルとして管理せず、用紙サイズを給紙段の設定値として管理する利用環境がある。このような利用環境においては、同一の用紙種類であり、かつサイズが異なる用紙を格納する給紙段においては、共通の用紙プロファイルを共用することになるので、共通の調整値が用いられる。
印刷位置の調整値は、用紙サイズに影響を受けるパラメータである。上記のように用紙プロファイルとして用紙サイズを管理しない利用環境下において、印刷ジョブの実行に合わせて自動的に調整値をフィードバックする技術を適用すると、サイズの異なる用紙のフィードバックが反映されてしまう。調整値は、用紙自体のカット形状に依存する傾向があるため、サイズの異なる用紙のフィードバックが反映されてしまうと、意図しない出力が行われてしまう虞がある。
本発明は、意図しない印刷位置の調整が行われてしまうことを抑制することを目的とする。
本発明の一態様に係る画像形成装置は、格納している用紙の用紙サイズを検知して設定する複数の給紙段を備え、同じ用紙種類であり、かつ異なる用紙サイズの用紙を格納する前記複数の給紙段に対して1つの用紙プロファイルを共通に設定可能な画像形成装置であって、印刷ジョブに基づいて、前記給紙段から給紙される用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって画像が形成された用紙を読み取り可能な読み取り手段と、第1サイズの用紙を格納する給紙段から給紙され、かつ前記画像形成手段によって所定の画像が形成された第1サイズの用紙を前記読み取り手段が読み取った結果に基づいて、前記第1サイズの印刷位置の調整を行うための調整値を前記1つの用紙プロファイルに登録する登録手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、意図しない印刷位置の調整が行われてしまうことを抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
<<第1実施形態>>
本実施形態では、印刷位置の調整が行われる。まず、印刷位置の調整の概略を説明する。例えば、両面印刷においては、印刷位置を調整することによって用紙の表面と裏面の画像の印刷位置を揃えることができる。また、予め罫線などが印刷されたプレプリント紙に画像を印刷する場合、印刷位置を調整することによって罫線と重ならないように画像を印刷することができる。
本実施形態では、印刷位置の調整が行われる。まず、印刷位置の調整の概略を説明する。例えば、両面印刷においては、印刷位置を調整することによって用紙の表面と裏面の画像の印刷位置を揃えることができる。また、予め罫線などが印刷されたプレプリント紙に画像を印刷する場合、印刷位置を調整することによって罫線と重ならないように画像を印刷することができる。
また、印刷位置調整は、画像が印刷される用紙の種類毎に実施される。これは、用紙の表面性、坪量(重量)、材質などによって用紙搬送の特性および伸縮量に違いがあり、それらにより、印刷位置の微小な差が生じるためである。印刷位置を調整するための各種の調整値を、用紙の種類に紐付いたパラメータとして管理することで、対象の用紙と同じ種類の用紙を用いて印刷を行う場合に、調整値に基づいて印刷位置を適切に調整することができる。
本実施形態では、用紙サイズを用紙プロファイルとして管理せず、用紙サイズを給紙段の設定値として管理する利用環境に用いられる画像形成装置を説明する。このような利用環境において自動調整を行う場合に起こり得る具体例を説明する。例えば、用紙種類Aの用紙プロファイルには、調整値A1が含まれているものとする。サイズの異なる用紙を格納する給紙段1および給紙段2には、この用紙種類Aの用紙プロファイルが設定されているものとする。この場合、用紙種類Aの用紙プロファイルに含まれる調整値A1は、サイズの異なる用紙を給紙する給紙段1および給紙段2のいずれを用いる場合においても、自動調整によってフィードバックがされてしまい、意図しない印刷位置での出力が行われる虞がある。以下で説明する実施形態では、このような利用環境において、意図しない印刷位置の調整が行われてしまうことを抑制する例を説明する。
尚、印刷ジョブの出力に応じて自動調整をするのではなく、ユーザーが手動で印刷位置調整を実施するような利用環境においては、ユーザー自身が、画像形成装置の各給紙段の用紙種類および用紙サイズを把握した上で調整が実施される。このため、同一種類の用紙かつ用紙サイズが異なる場合の調整値が、その用紙種類の用紙プロファイルに反映されるような現象は生じ難い。一方、印刷ジョブの出力と併せてリアルタイムで印刷位置調整を実施するような利用環境においては、同じジョブ内で異なる用紙サイズの混載が発生する可能性もあり、適切な調整が行われない虞がある。以下、本実施形態の構成を具体的に説明する。
<印刷システムの構成>
図1は、本実施形態における印刷システムの例を示す全体構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る印刷システムは、印刷装置100と、ホストコンピュータ101とを有する。印刷装置100およびホストコンピュータ101は、ネットワーク105によって互いに接続されている。ネットワーク105は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信回線である。なお、図1では示していないが、ホストコンピュータ101、印刷装置100、および他の機器などが複数台接続されていてもよい。
図1は、本実施形態における印刷システムの例を示す全体構成図である。図1に示すように、本実施形態に係る印刷システムは、印刷装置100と、ホストコンピュータ101とを有する。印刷装置100およびホストコンピュータ101は、ネットワーク105によって互いに接続されている。ネットワーク105は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信回線である。なお、図1では示していないが、ホストコンピュータ101、印刷装置100、および他の機器などが複数台接続されていてもよい。
ホストコンピュータ101は、不図示の入力装置を通じてオペレータから入力された入力情報を取得し、印刷ジョブを作成して印刷装置100へ送信することができる。印刷ジョブには、印刷すべき画像データの他に、印刷に使用される用紙の種類、用紙サイズ、印刷枚数、両面又は片面印刷の指示、および断裁印刷の指示等の各種情報が含まれる。
印刷ジョブにおいて断裁印刷の指示(以下、断裁指示という)が含まれている場合、用紙上に形成される画像と用紙端部側との間の余白領域が、印刷装置100の後段装置で断裁されて除去される。印刷装置100は、印刷ジョブにおいて断裁指示が含まれている場合、その断裁位置に断裁用マークを形成し、余白領域に印刷位置調整用マークを形成する。断裁用マークとは、画像形成された用紙が断裁される際の目印にするために、用紙の画像領域周縁部に形成されるマークである。印刷位置調整用マークは、用紙に形成される画像のずれ量を調整する際のずれ量を求めるために形成されるマークである。印刷装置100は、これらのマークが形成された用紙の読み取り結果から、用紙両面に形成される画像のずれ量を調整する。詳細は後述する。
印刷装置100は、コントローラボード110、操作パネル120、スキャナ130、給紙装置140、プリンタエンジン150、および読み取り装置160を有する。
印刷装置100のコントローラボード110は、各種データ処理を行い、印刷装置100の動作を制御する。操作パネル120は、タッチパネル方式でオペレータからの各種操作を受け付ける。スキャナ130は、光学センサを用いて原稿文書をスキャンし、スキャン画像データを取得する。給紙装置140は、複数の給紙段(給紙カセット)を含む給紙装置である。各給紙段には、各種印刷用紙を収容しておくことが可能である。各給紙段は、給紙段内に用紙が載置されているか否かを検出する不図示のセンサを有しており、用紙が載置されていた場合、収納された用紙の最上位の用紙一枚のみを分離し、プリンタエンジン150へと搬送することが可能である。プリンタエンジン150は、画像データを印刷用紙に物理的に印刷する。読み取り装置160では、プリンタエンジン150によって印刷された印刷結果170を読み取って、読み取り結果をコントローラボード110にフィードバックする。読み取り装置160の詳細は、図3を用いて後述する。
次にコントローラボード110の構成を説明する。コントローラボード110は、I/O制御部111、ROM112、RAM113、CPU114、およびHDD115を有する。I/O制御部111は、外部ネットワークとの通信制御を行う。ROM112は、各種制御プログラムを記憶するROMである。RAM113は、ROM112に記憶された制御プログラムを読み出して記録するRAMである。CPU114は、RAM113に読み出された制御プログラムを実行し、画像信号および各種デバイスを統括的に制御するCPUである。HDD115は、画像データまたはプリントデータなどの大容量のデータを一時的あるいは長期的に保持する目的で使用されるHDDである。各モジュールは、それぞれシステムバス116を介して互いに接続される。システムバス116は、コントローラボード110と印刷装置100内の各デバイスとを互いに接続している。なお、RAM113は、CPU114の主メモリ、ワークメモリとしても機能する。また制御プログラムおよびオペレーティングシステムは、ROM112の他にもHDD115にも格納され得る。コントローラボード110は、図示しないNVRAMを有し、操作パネル120から設定される設定情報を記憶するようにしてもよい。
次にプリンタエンジン150の構成を説明する。プリンタエンジン150は、画像形成部151および定着ユニット155を有する。画像形成部151は、現像ユニット152、感光体ドラム153、および転写ベルト154を備える。画像形成部151は、コントローラボード110によって生成された画像データに従い、現像ユニット152を用いて感光体ドラム153の周囲上にトナー像を形成し、形成されたトナー像を転写ベルト154上に搬送された印刷用紙に転写する。画像形成部151の詳細は、図2を用いて後述する。定着ユニット155は、画像形成部151によって印刷用紙に転写されたトナー像を定着させる。定着ユニット155は、不図示の加圧ローラーと加熱ローラーとを備え、各ローラーの間を用紙が通過することにより、トナーを溶融・圧着することで印刷用紙にトナー像を定着させる。
図2は、本実施形態における画像形成部151の構成を示した模式図である。図2に示すように、現像ユニット152は、感光体ドラム153に対向して配置されており、その内部は垂直方向に延在する隔壁201によって現像室202と撹拌室203とに区画されている。現像室202には、矢印方向に回転する非磁性の現像スリーブ204が配置されており、この現像スリーブ204内部にはマグネット205が固定配置されている。現像スリーブ204は、ブレード206によって層厚規制された二成分現像剤(磁性キャリアと非磁性トナーを含む)の層を担持搬送し、感光体ドラム153と対向する現像領域で現像剤を感光体ドラム153に供給する。そして感光体ドラム153上の静電潜像を現像する。現像効率、即ち静電潜像へのトナーの付与率を向上させるために、現像スリーブ204には直流電圧を交流電圧に重畳した現像バイアス電圧が印加されている。現像室202及び撹拌室203にはそれぞれ現像剤撹拌用のスクリュー207及びスクリュー208が配置されている。スクリュー207は、現像室202中の現像剤を撹拌搬送する。スクリュー208は、トナー補給槽210のトナー排出口211から搬送スクリュー212の回転によって供給されたトナー213と既に現像ユニット152内にある現像剤214とを撹拌搬送し、トナー濃度を均一化する。なお隔壁201には、図2における手前側と奥側の端部において現像室202と撹拌室203とを相互に連通させる現像剤通路(図示せず)が形成されている。現像によってトナーが消費されてトナー濃度の低下した現像室202内の現像剤は、スクリュー207、208の搬送力により、一方の現像剤通路から撹拌室203内へ移動される。そして撹拌室203内でトナー濃度の回復した現像剤は、他方の現像剤通路から現像室202内へ移動されるように構成されている。
感光体ドラム153は、図示矢印方向に回転駆動される。感光体ドラム153の周辺には、感光体ドラム153を一様に帯電する一次帯電器220、現像ユニット152、現像された可視トナー像を印刷用紙へ転写する転写帯電器221、およびドラムクリーナ222が、感光体ドラム回転方向に順次配設されている。また、感光体ドラム153の上方には像露光装置223が設けられている。像露光装置223は、半導体レーザ、ポリゴンミラー、反射鏡等を有し、コントローラボード110によってデジタル信号に変換された画像に対応するデジタル画素信号(ビデオデータ)の入力を受けて、信号に対応して変調されたレーザビームを照射する。像露光装置223は、前記レーザビームを一次帯電器220と現像ユニット152との間で感光体ドラム153の母線方向に走査するよう照射し、感光体ドラム153のドラム面を露光して静電潜像を形成するように構成されている。その後、感光体ドラム153が回転することで、静電潜像が、現像ユニット152によって可視トナー像に現像される。感光体ドラム153下部には、印刷用紙を図示矢印で示す方向に搬送する無端状の転写ベルト154が複数のローラー間に架張されて配置される。給紙装置140から給紙された印刷用紙は、転写ベルト154の図2に示す右側から送給され、転写ベルト154を挟んで対向設置される吸着帯電器230の作用により、転写ベルト154に担持され、図2に示す左側へ搬送される。印刷用紙が感光体ドラム153と転写帯電器221の間を通過する際、転写帯電器221の作用により、感光体ドラム153上に現像された可視トナー像が印刷用紙へ転写される。トナー像が転写された印刷用紙は、除電用帯電器231によって転写ベルト154から分離され、不図示の定着ユニット155へ搬送される。なお印刷用紙へのトナー転写後に感光体ドラム153上に残存するトナーは、ドラムクリーナ222により除去される。
図3は、印刷装置100の用紙搬送路上における読み取り装置160の断面図を表したものである。読み取り装置160は、読み取りコントローラ部310、紙検知センサ311、ラインセンサ312、および用紙搬送路313を有する。読み取られるべき印刷物は、用紙搬送路313上を通り、紙検知センサ311で印刷物の検知が行われる。用紙搬送路313は、黒い紙搬送ベルトで構成されている。黒い紙搬送ベルトを用いることで、紙検知センサ311は、用紙搬送路313を通過する白い印刷物の紙端を捉えて、印刷物の有無を検知する。また、この紙検知センサ311は、紙搬送方向と垂直な方向に複数並んで設置されており、それぞれの位置で印刷物の有無を検知し、通過時間を求める。読み取りコントローラ部310は、各紙検知センサ311から送られる印刷物の有無の変化情報と印刷物の先頭の紙端の通過時間とをもとに、紙搬送ベルトの搬送速度から印刷物の斜行角度を計算する。次に、紙の有無を検知した信号をトリガーにして、読み取りコントローラ部310は、ラインセンサ312を制御して印刷物の画像データを読み取る。このラインセンサ312は表面と裏面を読取可能なように用紙搬送路に対して上下に2つ設置されている。
読み取りコントローラ部310は、ラインセンサ312で読み取った画像データから印刷物の表面および裏面にそれぞれ形成された印刷位置調整用マークを検出する。そして、印刷位置調整用マークの検出位置情報と先に計算した印刷物の斜行角度とを用いてこの印刷物の印刷位置に係る理論値に対するずれ量を算出する。印刷位置調整用マークの詳細については図7を用いて後述する。読み取りコントローラ部310は、上述したように印刷物一枚毎に印刷位置のずれ量を算出してコントローラボード110へ送信する。印刷位置のずれ量を受信したコントローラボード110は、複数枚(例えばN枚(Nは1以上の整数))分のずれ量データが蓄積されたらその平均値を算出し、後述の用紙ライブラリに保存されている、印刷物の用紙種類に関する印刷位置ずれ量データを更新する。コントローラボード110は、算出された平均値に基づくずれ量調整値(ずれ量補正値)を、可能なタイミングでプリンタエンジン150へフィードバックすることで印刷位置調整を実行する。ここで、フィードバックが行われるまでには多少のタイムラグが生じても良く、必ずしもN+1枚目の印刷物に対する画像形成前にフィードバックが完了していなくとも良い。尚、蓄積された印刷位置のずれ量の数が印刷物の枚数N未満であった場合には、当該蓄積された枚数におけるずれ量の平均値を算出するように構成されていてもよい。
<用紙ライブラリ>
印刷装置100で印刷に使用される用紙は、オペレータによって用紙ライブラリと呼ばれるデータベースを用いて管理される。用紙ライブラリは、HDD115もしくはRAM113に保存され、各ソフトウェアモジュールにより必要に応じて読み出し・書き込みがなされる。用紙ライブラリの詳細な構成については、図6を用いて後述する。
印刷装置100で印刷に使用される用紙は、オペレータによって用紙ライブラリと呼ばれるデータベースを用いて管理される。用紙ライブラリは、HDD115もしくはRAM113に保存され、各ソフトウェアモジュールにより必要に応じて読み出し・書き込みがなされる。用紙ライブラリの詳細な構成については、図6を用いて後述する。
図4は、本実施形態における印刷システムにおいて、オペレータが用紙ライブラリの編集操作などを行うためのインタフェース画面を表す模式図である。画面400は、CPU114が操作パネル120に表示するインタフェース画面全体を表す。
用紙リスト410には、用紙ライブラリに記憶された用紙がリスト表示される。用紙リスト410においては、各用紙に対し列411〜414に示すような用紙属性が付随情報として提示される。列411は、各用紙の用紙名称を表す。用紙名称は、各用紙が互いに識別できるようにオペレータなどが指定する名称である。列412は、各用紙の坪量を表す。列413は、各用紙の表面性を表す。ここで表面性とは用紙表面の物理特性を表す属性で、例えば光沢性を上げるための表面コートがなされた「コート」、または、表面に凹凸のあるような「エンボス」などがある。列414は、各用紙の色(用紙自体の色)を表す。操作パネル120上において、オペレータが用紙リスト410の任意の用紙が表示されている箇所に触れることで、その用紙を選択することが可能である。選択された用紙は、ハイライト表示(反転表示)される。図4では、一例として「XYZ製紙 カラー81」が選択されている様子が表されている。また用紙ライブラリに記録された用紙数が、用紙リスト410に一度に表示できる用紙数よりも多い場合には、スクロールバー415が使用される。オペレータはスクロールバー415を操作することにより、任意の用紙を選択することが可能となる。
複製ボタン420は、予め用紙ライブラリにプリセット登録されている用紙をもとに用紙プロファイルを複製して新しく用紙を追加するためのボタンである。詳細/編集ボタン421は、用紙リスト410において選択された用紙の用紙属性に関する詳細表示および編集を行うためのボタンである。詳細/編集ボタン421が押されると、図5に示すようなインタフェース画面が表示される。図5の詳細は後述する。削除ボタン422は、用紙リスト410において選択された用紙を用紙ライブラリから削除するためのボタンである。尚、削除ボタン422により削除可能な用紙は、複製ボタン420で複製追加された用紙のみであり、予め用紙ライブラリにプリセット登録されている用紙の削除は行えないものとする。選択ボタン423は、用紙リスト410において選択された用紙を給紙段に設定(登録)するためのボタンである。
図5は、本実施形態における印刷システムにおいて、オペレータが用紙属性の詳細表示および編集を行うためのインタフェース画面を表す模式図である。画面500は、CPU114が操作パネル120に表示するインタフェース画面全体を表す。画面500においては、前述のインタフェース画面400の複製ボタン420により複製追加された用紙のみ、項目501〜505の各項目の編集が可能である。予め用紙ライブラリにプリセット登録されている用紙に関しては項目501〜505の各項目の内容表示のみが行われ、編集は不可能となっている。
テキストボックス501〜502は、それぞれ用紙名称、坪量の各用紙属性を入力するためのテキストボックスである。テキストボックスへの入力は、不図示のソフトウェアキーボードまたは操作パネル120に備えられるテンキーなどによってなされる。コンボボックス503は、用紙の表面性を指定するためのコンボボックスである。コンボボックス503では、あらかじめ登録された、印刷装置100がサポート可能な表面性のリストから一つを指定することが可能である。コンボボックス504は、用紙の色を指定するためのコンボボックスである。コンボボックス504では、あらかじめ登録された色のリストから一つを指定することが可能である。オペレータは、コンボボックス504を用いて、用紙の色として最も近い色を一つ選択する。チェックボックス505は、用紙がプレプリント紙かどうかを指定するためのチェックボックスである。プレプリント紙とは、例えば予め罫線などが印刷された用紙である。用紙がプレプリント紙である場合は、オペレータはチェックボックス505をチェックする。
編集終了ボタン520は、押下されるとその時点で入力された用紙属性が確定され、用紙ライブラリに保存される。その後インタフェース画面500は閉じられ、インタフェース画面400へと戻る。キャンセルボタン521は、押下されると用紙属性の編集処理を中止し、画面500を閉じて画面400へと戻る。
図6は、用紙ライブラリを表す模式図である。用紙ライブラリ600は、デジタル情報として保存されている。デジタル情報とは、例えば、XML(Extensible Markup Language)またはCSV(Comma−Separated Values)を用いて記述された情報である。
行601〜605は、それぞれ、用紙ライブラリ600に登録された各用紙の情報を表す。行601〜605のそれぞれを、用紙プロファイルともいう。つまり、図6の用紙ライブラリ600には、用紙プロファイルが5つ示されている。列611〜615は、各用紙に対し、オペレータにより指定された用紙属性(用紙特性情報ともいう)を表している。列611は、用紙名称を表す。列612〜613は、用紙の物理的特性を示す用紙属性で、それぞれ坪量・表面性を表す。列614は、用紙の色を表している。列615は、用紙がプレプリント紙かどうかを表している。
列616および列617は、それぞれ各用紙の表面および裏面に対する印刷位置ずれ量を表す。ここで印刷位置ずれ量とは、理想の印刷位置からの位置ずれ量を表すものである。本実施形態では、印刷位置ずれ量は、直角補正量、台形補正量、リード位置、サイド位置、主走査倍率、および副走査倍率の項目を含む。実際の印刷時には、印刷装置100は、これらの印刷位置ずれ量を基に、理想の印刷位置に印刷されるよう印刷位置を調整し(つまり、印刷位置ずれ量を打ち消すように印刷位置を調整し)、印刷する。
直角補正量は、用紙に対する副走査方向と主走査方向の印刷向きの直角度のずれ量を表し、一例として、副走査方向に印刷された直線に対して理想的な垂線を算出し、その理想垂線と主走査方向に印刷された直線とのずれ量を用いて表す。本実施形態において副走査方向は、用紙搬送方向に対応する方向である。台形補正量は、用紙の伸縮のずれ量を表し、一例として、用紙に対する印刷開始位置から副走査方向に副走査後端まで印刷された直線と、用紙の主走査後端の位置から副走査方向に副走査後端まで印刷された直線とのずれ量を用いて表す。リード位置・サイド位置は、それぞれ用紙に対する副走査方向・主走査方向の印刷位置ずれ量を表す。リード位置は用紙搬送方向先頭の用紙端を起点とした画像の印刷開始位置を、サイド位置は用紙搬送方向左側の用紙端を起点とした画像の印刷開始位置を、変更することで調整される。具体的には、像露光装置223から感光体ドラム153へ照射するレーザビームの照射開始タイミングを調整することで実現される。副走査方向倍率は、副走査方向の画像長のずれ(理想の長さに対する倍率)を表す。副走査方向倍率は、具体的には転写ベルト154の駆動速度を制御することで調整される。主走査方向倍率は、主走査方向の画像長のずれ(理想の長さに対する倍率)を表す。主走査方向倍率は、具体的には像露光装置223においてデジタル画像信号からレーザビームに変調する際のレーザビームのクロック周波数を制御することで調整される。
これらの印刷位置ずれ量は、所定のマークが配置された印刷物を印刷し、印刷物上のマークの位置を検出することで算出される。なお、これら印刷位置ずれ量の初期値は各項目0であり、用紙ライブラリ上で用紙プロファイルが新規登録されたばかりの場合、または、用紙が登録されていても印刷位置調整が行われていない場合などには初期値が用いられる。
尚、本実施形態における印刷位置の調整値とは、印刷位置を調整するための値である。このため、調整値は、例えば、印刷位置ずれ量を打ち消すように印刷位置を調整するための値(即ち、補正すべき値)とすることができる。あるいは、調整値は、印刷位置ずれ量そのものとしてもよい。ずれ量が分かれば、そのずれを相殺する値は適宜求められるからである。
列618は、印刷位置ずれ量の算出に用いた用紙サイズ、即ち、調整に用いた用紙サイズの情報を示す。ずれ量が算出されていない用紙プロファイルについては、初期値として「なし」が設定されている。尚、図6に示すように、1つの用紙プロファイルには、1つの調整値が含まれることになる。このため、1つの用紙プロファイルには、同様に、その1つの調整値を求めた用紙サイズの情報が1つ含まれる。調整に用いた用紙サイズの詳細は、後述する。
尚、図6に示すように、本実施形態の用紙プロファイルは、用紙サイズごとに用意されたものではない。このため、同一の用紙種類であり、かつ異なる用紙サイズの給紙段においても、1つの用紙プロファイルが共通に使用されることになる。
<印刷位置調整用マーク>
図7は、本実施形態において、断裁指示がなされた印刷ジョブに関して、出力画像領域701の周囲に形成される余白領域に、断裁用マーク710および印刷位置調整用マーク720が形成された印刷物700の一方の面を示す模式図である。断裁用マーク710および印刷位置調整用マーク720は、印刷ジョブの設定に従って画像データの印刷時にCPU114の指示によって印刷される。尚、印刷位置調整用マーク720は、印刷ジョブの画像データには含まれていないものである。即ち、印刷位置調整用マーク720は、ユーザーが印刷を所望する画像として印刷ジョブには含まれていない。
図7は、本実施形態において、断裁指示がなされた印刷ジョブに関して、出力画像領域701の周囲に形成される余白領域に、断裁用マーク710および印刷位置調整用マーク720が形成された印刷物700の一方の面を示す模式図である。断裁用マーク710および印刷位置調整用マーク720は、印刷ジョブの設定に従って画像データの印刷時にCPU114の指示によって印刷される。尚、印刷位置調整用マーク720は、印刷ジョブの画像データには含まれていないものである。即ち、印刷位置調整用マーク720は、ユーザーが印刷を所望する画像として印刷ジョブには含まれていない。
印刷位置調整用マーク720は、印刷物700の特定の位置に印刷されている。印刷位置調整用マーク720は、2直線によって構成されるマークであり、2直線の交点を、当該マークの位置とする。なお、印刷位置調整用マーク720は、通常、用紙に対する反射率の差が大きい色のトナーで形成される。本実施形態では、印刷位置調整用マーク720は、黒色のトナーで形成されるものとする。印刷位置調整用マーク720は、用紙の表面・裏面それぞれの4隅に、計8箇所印刷され、印刷位置が理想通りなら、用紙端から一定距離離れた位置に印刷されるように画像配置される。この印刷位置調整用マーク720の、用紙上における相対位置を測定することで印刷位置のずれ量が求められる。本実施形態では、図7中(A)〜(L)で表された部分が測定される。距離(A)および(B)は、それぞれ用紙の副走査方向長さおよび主走査方向長さとなり、理想的な長さは、当該用紙プロファイルが設定されている給紙段の用紙サイズから導かれる。給紙段の用紙サイズは、給紙段の用紙カセット内に配置された用紙ガイドを用紙サイズに合わせて移動させることで、ガイド位置に対応した用紙サイズが自動で検知される。尚、同じ用紙プロファイルが設定され、かつ格納している用紙サイズが異なる給紙段が存在する場合、理想的な長さは、後述するように、調整に用いる給紙段として決定される給紙段の用紙サイズから導かれる。距離(C)〜(J)は、印刷位置調整用マーク720から直近の用紙端までの距離となる。
<印刷位置ずれ量の決定方法>
図8は、距離(A)〜(L)の実測値から印刷位置ずれ量を算出する方法を表した模式図である。項目801〜812は、印刷位置ずれ量を表す各項目である。項目801〜806は、それぞれ表面に対するリード位置、サイド位置、主走査倍率、副走査倍率、直角補正量、台形補正量を表す。距離807〜812は、それぞれ裏面に対するリード位置、サイド位置、主走査倍率、副走査倍率、直角補正量、台形補正量を表す。
図8は、距離(A)〜(L)の実測値から印刷位置ずれ量を算出する方法を表した模式図である。項目801〜812は、印刷位置ずれ量を表す各項目である。項目801〜806は、それぞれ表面に対するリード位置、サイド位置、主走査倍率、副走査倍率、直角補正量、台形補正量を表す。距離807〜812は、それぞれ裏面に対するリード位置、サイド位置、主走査倍率、副走査倍率、直角補正量、台形補正量を表す。
列820は、対応する各項目の測定値を、図7で示された(A)〜(L)の実測値から算出する計算式を表す。尚、図7では、一方の面の距離を例示的に示しているが、他方の面においても同様に印刷位置調整用マーク720が印刷される。以下、列820の測定値を具体的に説明する。尚、以下では、印刷位置調整用マークのことを、単に調整用マークともいう。
リード位置は、用紙搬送方向先頭の用紙端から対応する調整用マークまでの距離((C)と(E))の平均値となる。
サイド位置は、用紙搬送方向に対して左側の用紙端から対応する調整用マークまでの距離((F)と(J))の平均値となる。
主走査倍率は、主走査方向に同一走査線上に並ぶ調整用マーク間の距離の平均値となる。
副走査倍率は、副走査方向に同一走査線上に並ぶ調整用マーク間の距離の平均値となる。
直角補正量は、読取先端側に主走査方向に同一走査線上に並ぶ調整用マークを結んだ直線の垂線に対し、読取後端側の調整用マークの副走査方向のずれ量((K)と(L))の平均値となる。
台形補正量は、読取先端側の主走査方向に同一走査線上に並ぶ調整用マークと読取後端側の主走査方向に同一走査線上に並ぶ調整用マークとの間の距離の差分となる。
列821は、対応する各項目の理想値となる。印刷位置調整用マーク720は、理想的にはそれぞれ対応する用紙端から1cm離れた位置に、該マーク内の2直線の交点が印刷されるものとする。この場合、リード位置およびサイド位置の理想値は、1cmとなる。主走査倍率の理想値は、給紙段の用紙ガイド位置に対応した用紙サイズの主走査方向用紙長から2cm減算した値となる。副走査倍率の理想値は、給紙段の用紙ガイド位置に対応した用紙サイズの副走査方向用紙長から2cm減算した値となる。
列822は、対応する測定値と理想値とから、各項目の最終的な印刷位置ずれ量を算出する計算式を表す。リード位置およびサイド位置の印刷位置ずれ量は、測定値から理想値を減算することで算出される(単位はmm)。主走査倍率および副走査倍率の印刷位置ずれ量は、測定値から理想値を減算したものを理想値で除算することで算出される(単位は%)。直角補正量及び台形補正量は、測定値がそのまま補正量として用いられる。算出された各印刷位置ずれ量は、図6で示した用紙ライブラリ600によって管理される。
距離(A)〜(L)の実測方法は、オペレータが定規などによって実測する方法、または、調整用チャートをスキャナ130によってスキャンした画像から画像解析により算出する方法もある。ただし、本実施形態では、プリンタエンジン150の後段に接続された用紙搬送路上の読み取り装置160を用いて読取った画像から画像解析により算出する方法を用いている。読み取り装置160によるスキャン画像から距離(A)〜(L)を算出する方法では、まず、読み取り装置160は、ラインセンサ312を通過した印刷物をスキャンする。続いて、スキャンされた画像内の濃度差から印刷物の用紙端および印刷位置調整用マーク720のエッジを検出する。そして、検出された用紙端および印刷位置調整用マーク720のエッジから距離(A)〜(L)の長さが算出される。
以上説明したように、印刷位置ずれ量は、用紙の縦横の長さまたは用紙端からの距離を基準にして計算することで求められる。
<各給紙段の用紙種類設定方法>
図9は、操作パネル120に表示される用紙設定画面900である。用紙設定画面900は、各給紙段の用紙設定状況901および用紙登録ボタン902を含む。各給紙段の用紙設定状況901は、各給紙段に設定された用紙種類および用紙サイズを表示するものである。図9においては、給紙段1に用紙名称=ABC製紙 リサイクル1、用紙サイズ=B5、給紙段2に用紙名称=ABC製紙 リサイクル1、用紙サイズ=SRA3が設定されている。給紙段3に用紙名称=DEF製紙 エンボス紙A−1、用紙サイズ=A4、給紙段4に用紙名称=DEF製紙 コート紙P−1、用紙サイズ=A4、給紙段5に用紙名称=XYZ製紙 カラー81、用紙サイズ=A4が設定されている。ここで、各給紙段の用紙サイズに関しては、各給紙段の用紙カセット内に配置された用紙ガイドを用紙サイズに合わせて設定することで、該ガイド位置に対応した用紙サイズが自動で検知されるものとする。なお、5つの給紙段は、タッチ操作で選択可能となっており、任意の給紙段を選択した後、用紙登録ボタン902を押下する事で、選択した給紙段に対して用紙種類を登録(設定)することが可能である。用紙登録ボタン902が押下されると、図4の用紙ライブラリ編集画面が表示される。そして、選択ボタン423が押下されると、図9で選択した給紙段に図4で選択した用紙が登録される。なお、用紙登録ボタン903は、給紙段の用紙設定状況901において給紙段が選択されていない場合は押下できない。
図9は、操作パネル120に表示される用紙設定画面900である。用紙設定画面900は、各給紙段の用紙設定状況901および用紙登録ボタン902を含む。各給紙段の用紙設定状況901は、各給紙段に設定された用紙種類および用紙サイズを表示するものである。図9においては、給紙段1に用紙名称=ABC製紙 リサイクル1、用紙サイズ=B5、給紙段2に用紙名称=ABC製紙 リサイクル1、用紙サイズ=SRA3が設定されている。給紙段3に用紙名称=DEF製紙 エンボス紙A−1、用紙サイズ=A4、給紙段4に用紙名称=DEF製紙 コート紙P−1、用紙サイズ=A4、給紙段5に用紙名称=XYZ製紙 カラー81、用紙サイズ=A4が設定されている。ここで、各給紙段の用紙サイズに関しては、各給紙段の用紙カセット内に配置された用紙ガイドを用紙サイズに合わせて設定することで、該ガイド位置に対応した用紙サイズが自動で検知されるものとする。なお、5つの給紙段は、タッチ操作で選択可能となっており、任意の給紙段を選択した後、用紙登録ボタン902を押下する事で、選択した給紙段に対して用紙種類を登録(設定)することが可能である。用紙登録ボタン902が押下されると、図4の用紙ライブラリ編集画面が表示される。そして、選択ボタン423が押下されると、図9で選択した給紙段に図4で選択した用紙が登録される。なお、用紙登録ボタン903は、給紙段の用紙設定状況901において給紙段が選択されていない場合は押下できない。
<印刷処理>
図10は、印刷装置100の印刷処理を説明するフローチャートである。図10に示すフローチャートの各ステップは、CPU114がROM112に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。また、以降の各図で説明するフローチャートの各ステップも、特に断りが無い限りは、同様にCPU114により実行されるものとする。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。
図10は、印刷装置100の印刷処理を説明するフローチャートである。図10に示すフローチャートの各ステップは、CPU114がROM112に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。また、以降の各図で説明するフローチャートの各ステップも、特に断りが無い限りは、同様にCPU114により実行されるものとする。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。
図10の処理は、印刷装置100が印刷ジョブを取得する毎に実行される処理である。ホストコンピュータ101から印刷ジョブが入力されると、S1001において、CPU114は、印刷出力すべき1ページ分の画像データを取得する。また、当該ページの用紙サイズを決定する。次に、S1002で、CPU114は、当該ページを出力する用紙情報を印刷ジョブから取得する。次に、S1003で、CPU114は、S1002で取得した用紙情報に基づいて用紙ライブラリを参照し、当該用紙情報に対応する用紙プロファイルを決定し、用紙プロファイルに含まれる各種用紙属性および印刷位置ずれ量を取得する。次に、S1004で、CPU114は、当該ページの画像データに関して印刷位置ずれ量に応じた調整(補正)を考慮したRIP処理を実行してビットマップ画像を生成する。
次に、S1005で、CPU114は、当該ジョブに関して断裁指示の有無を確認する。断裁指示がある場合は、S1006へ進み、そうでない場合、S1007へ進む。本実施形態では、断裁時に断裁される用紙の余白部分に印刷位置調整用マーク720を印刷することで、ヤレ紙の発生を抑制することができる。このため、S1005でCPU114は、断裁指示の有無を確認する。
S1006で、CPU114は、出力画像とあわせて出力用紙上に形成する断裁マークおよび印刷位置調整用マークを生成し、S1004で生成したビットマップ画像に合成する。S1007で、CPU114は、印刷位置ずれ量に応じた各種の画像形成調整値を決定してプリンタエンジン150へ通知する。即ち、印刷位置ずれ量に応じて印刷位置を調整する。次に、S1008で、CPU114は、プリンタエンジン150を制御して、指定された用紙を給紙装置140から給紙し、給紙された用紙にビットマップ画像に基づく出力画像を形成して印刷を行う。次に、S1009で、CPU114は、当該ジョブ内に印刷出力すべき次ページ画像があるか否かを確認する。S1009において、次ページがあると判断した場合、CPU114は、S1001へ戻り処理を継続し、そうでない場合、CPU114は、一連の印刷処理を終了する。このように、本実施形態では、印刷ジョブに断裁指示が含まれている場合、印刷位置調整用マークを出力用紙上に形成する処理が行われる。
ここで、本実施形態では、用紙ライブラリ600の用紙プロファイルに、印刷位置調整用の調整値が含まれている場合であっても、その調整値を用いて印刷位置を調整する場合と、その調整値を用いない場合とがある。本実施形態は、用紙ライブラリ600では用紙サイズを管理しない利用環境であり、サイズの異なる用紙で求められた調整値を用いて印刷位置を調整してしまうと、適切な位置調整が行われない虞があるからである。
このため、調整値の算出に用いられていない用紙サイズの用紙で印刷する場合には、上述したS1004およびS1007で行われる印刷位置ずれ量に応じた調整は、行われない。または、初期値を用いた調整が行われる。即ち、S1001で取得した画像データが、調整値の算出に用いられていない用紙サイズの用紙を用いて印刷するデータである場合、用紙プロファイルに含まれる調整値は用いられない。より詳細には、用紙プロファイルに含まれている、調整に用いた用紙サイズの情報(列618)と、S1001で取得した画像データを印刷出力する用紙サイズとが一致していない場合、用紙プロファイルに含まれる調整値は用いられない。尚、本実施形態では、用紙ライブラリに登録されている用紙プロファイルに、調整に用いた用紙サイズの情報が含まれる例を説明したが、これに限られない。調整値に関連付けて、調整に用いた用紙サイズの情報をHDD115もしくはRAM113の他の領域において管理してもよい。
<自動調整処理>
次に、本実施形態における、印刷位置の自動調整処理を説明する。本実施形態の印刷装置100は、受信した印刷ジョブに関して断裁指示がなされていた場合、図10のフローチャートを用いて説明した印刷処理を実行しつつ、印刷位置の自動調整処理を実行する。印刷装置100は、図10のS1008で出力された出力用紙上に形成された印刷位置調整用マークを、読み取り装置160を用いて読み取り、該読み取り結果から出力用紙上における画像の印刷位置のずれ量を検出する。そして、該検出した印刷位置のずれ量に応じて画像形成時の印刷位置を自動的に調整(補正)する。この調整は、リアルタイムで行われる。つまり、同一印刷ジョブに基づく印刷を実行中に、第1ページの印刷位置と第2ページの印刷位置とが、調整の結果、異なる位置となることもあり得る。自動調整のことをリアルタイム調整と呼んでもよい。
次に、本実施形態における、印刷位置の自動調整処理を説明する。本実施形態の印刷装置100は、受信した印刷ジョブに関して断裁指示がなされていた場合、図10のフローチャートを用いて説明した印刷処理を実行しつつ、印刷位置の自動調整処理を実行する。印刷装置100は、図10のS1008で出力された出力用紙上に形成された印刷位置調整用マークを、読み取り装置160を用いて読み取り、該読み取り結果から出力用紙上における画像の印刷位置のずれ量を検出する。そして、該検出した印刷位置のずれ量に応じて画像形成時の印刷位置を自動的に調整(補正)する。この調整は、リアルタイムで行われる。つまり、同一印刷ジョブに基づく印刷を実行中に、第1ページの印刷位置と第2ページの印刷位置とが、調整の結果、異なる位置となることもあり得る。自動調整のことをリアルタイム調整と呼んでもよい。
図11は、印刷装置100の自動調整処理を説明するフローチャートである。図11のフローチャートは、受信した印刷ジョブに断裁指示が含まれている場合に実行される処理である。尚、図11の処理のトリガーは、受信した印刷ジョブに断裁指示が含まれている場合に限られず、自動調整処理が実行される所定の条件になった場合に図11の処理が開始されてもよい。また、以下でも説明するが、図11の処理は、図10の印刷処理と並行して行われる処理である。
先ず、印刷ジョブが開始されると、S1101で、CPU114は、自動調整用の各種パラメータを初期化する。CPU114は、具体的には、自動調整の対象となる用紙種類および用紙サイズに関する情報を初期化し(未設定状態にし)、印刷位置ずれ量平均値算出用データの初期化(0を設定)を行う。尚、これらの自動調整用の各種パラメータは、図11のフローチャートの処理内において一時的に用いられるパラメータである。
次に、S1102で、CPU114は、印刷処理および自動調整処理を開始する。自動調整処理の実行中は、印刷出力と併せて読み取り装置160による印刷位置ずれ量の検出が各ページに対して行われる。S1102における印刷処理が、図10のフローチャートに示す印刷処理に相当する。
次に、S1103で、CPU114は、読み取り装置160から印刷位置ずれ量データを受信したか否かの確認を行う。印刷位置ずれ量データを受信した場合、CPU114は、S1104へ進み、そうでない場合は、S1112へ進む。
S1104で、CPU114は、印刷位置ずれ量データを受信した用紙に係る用紙種類および用紙サイズが、自動調整対象の用紙種類および用紙サイズとして未設定か否かを確認する。この用紙種類および用紙サイズは、読み取り装置160が読み取った用紙の給紙元の給紙段に設定されている情報である。即ち、CPU114は、給紙元の給紙段に設定されている用紙種類および用紙サイズが、自動調整対象の用紙種類および用紙サイズとして未設定か否かを確認する。前述したように、これらのパラメータは、図11のフローチャートでは、S1101で初期化(未設定状態)になっている。S1104で、該用紙種類および用紙サイズが自動調整の対象として未設定であった場合、CPU114は、S1105へ進み、設定済みの場合は、S1107へ進む。
S1105で、CPU114は、印刷位置ずれ量データを受信した用紙を自動調整対象の用紙として設定可能か否かを確認する。具体的には、同じ用紙種類の用紙が自動調整対象の用紙として設定されていない場合に該用紙を自動調整対象の用紙として設定可能と判定し、そうでない場合は、該用紙を自動調整対象の用紙として設定不可と判定する。例えば、印刷位置ずれ量データを受信した用紙が、用紙種類S1であり、かつ用紙サイズA4である場合を例に挙げて説明する。S1105に処理が進むということは、S1104において、用紙種類S1であり、かつ用紙サイズA4が、自動調整の対象として未設定と判定されているケースである。このため、S1105の処理とは、実質的には、用紙種類S1であり、かつ用紙サイズA4以外のサイズが、自動調整対象の用紙として設定されているか否かを判定する処理と同等の処理となる。つまり、用紙種類S1であり、かつ用紙サイズA4以外のサイズが既に自動調整対象の用紙として設定されている場合には、受信した用紙サイズA4の用紙の印刷位置ずれデータを用いると、適切な調整が行われない虞がある。従って、印刷位置ずれ量データを受信した用紙の用紙種類S1と同じ用紙種類の用紙が既に自動調整対象の用紙として設定されている場合、CPU114は、該用紙を自動調整対象の用紙として設定不可と判定する。S1105で、当該用紙が自動調整対象の用紙として設定可能と判定した場合、CPU114は、S1106へ進み、当該用紙が自動調整対象の用紙として設定不可と判定された場合は、S1113へ進む。
尚、図11の処理は、印刷ジョブごとに(詳細には、断裁指示が含まれている印刷ジョブごとに)行われる処理であり、S1101で初期化がされる。従って、S1105で該用紙が自動調整対象の用紙として設定不可と判定される場合とは、同一印刷ジョブ内で、同じ用紙種類であり、かつ異なる用紙サイズの指示が混載されているジョブ(以下、混載ジョブという)の処理をする場合である。混載ジョブの場合、S1105の判定が行われないと、同じ用紙種類S1であり、かつ異なる用紙サイズの用紙でそれぞれ求めたずれ量(調整値)が、用紙種類S1のずれ量データ(調整値)としてフィードバックされてしまう。この結果、適切な位置調整が行われない虞がある。S1105の判定を行うことで、混載ジョブであった場合には、最初にずれ量データを受信した用紙サイズの用紙を用いたずれ量の算出が行われることになる。
フローチャートの説明を続ける。S1106で、CPU114は、当該用紙の用紙種類および用紙サイズの組み合わせを、自動調整対象の用紙種類および用紙サイズとして設定する。これにより、前述したように、S1102で行っている印刷処理(図10の処理)のS1004およびS1007で行われる印刷位置ずれ量に応じた調整を行わない用紙サイズが決定される。S1106で、CPU114は、用紙ライブラリに登録されている用紙種類の情報に、調整に用いた用紙サイズのサイズ情報を含めて登録する。
その後、S1107で、CPU114は、当該用紙種類に関する印刷位置ずれ量平均値算出用データを加算する。S1108で、CPU114は、当該用紙種類かつ当該用紙サイズに関して所定ページ数(Nページ)分の印刷位置ずれ量データを受信したか否かを確認する。ここで、所定ページ数分のデータを受信していると判定した場合、CPU114は、S1109へ進み、そうでない場合は、S1103へ戻る。
S1109で、CPU114は、印刷位置ずれ量の平均値を算出する。具体的には、S1107で求めた印刷位置ずれ量平均値算出用データの値を所定ページ数(N)で割り、平均値として算出する。S1110で、CPU114は、用紙ライブラリの当該用紙種類に関する印刷位置ずれ量データをS1109で求めた平均値で更新する。S1111で、CPU114は、当該用紙種類かつ当該用紙サイズに関する印刷位置ずれ量データの受信ページ数を0に設定するとともに、印刷位置ずれ量平均値算出用データの値を0で初期化する。
S1112で、CPU114は、当該印刷ジョブが終了したか否かを確認する。ここで、ジョブ終了と判定した場合は一連の処理を終了し、そうでない場合、S1103へ戻り処理を継続する。S1113で、CPU114は、受信した印刷位置ずれ量データを破棄し、S1112へ進み処理を継続する。
尚、図11のフローチャートでは、S1110でずれ量データを更新した場合、S1111でずれ量平均値算出用データを初期化する例を説明した。即ち、S1111の処理を実行することで、所定ページ数のデータの蓄積がされるたびに、ずれ量データを更新する例を説明した。しかしながら、S1111の処理は、スキップしてもよい。即ち、一旦、所定ページ数のデータの蓄積がされた後は、1ページ分のデータが蓄積されるたびに、ずれ量データを更新してもよい。
以上説明したように、同一印刷ジョブ内で、同じ用紙種類であり、かつ異なる用紙サイズの指示が混載されている混載ジョブがある場合、当該ジョブ内で該用紙種類に関して最初に印刷する用紙サイズに対してのみ自動調整が実施される。かかる処理を行うことで、印刷位置調整に係る調整量(ずれ量)に関して、異なる用紙サイズで実施した調整結果が、同一用紙種類の別の用紙サイズに対する調整値として意図せず適用されてしまうことを抑制することができる。
尚、本実施形態では、混載ジョブがあった場合、当該ジョブ内で該用紙種類に関して最初に印刷する用紙サイズに対してのみ自動調整を実施する例を説明したが、この例に限られない。例えば、用紙の切り替えが発生したタイミングで切り替え後の用紙サイズで自動調整を実施するか否かをユーザーが選択可能にしてもよい。例えば、図11のS1105でNOと判定された後に、切り替え後の用紙サイズで自動調整を実施するか否かの選択をユーザーから受け付ける工程を含めてもよい。そして、切り替え後の用紙サイズで自動調整を実施することの選択を受け付けた場合、S1106に進み、そうでない場合、S1113に進むように構成されていてもよい。
また、印刷装置100の給紙装置140に同じ用紙種類の用紙が複数設定されている場合に、自動調整の対象とする給紙段(用紙サイズ)を予めユーザーにより選択設定可能にしてもよい。この場合、S1101の初期化の際には、自動調整の対象となる用紙種類および用紙サイズに関する情報を初期化しないように処理を行えばよい。
<<第2実施形態>>
第1実施形態では、混載ジョブがある場合、当該ジョブ内で該用紙種類に関して最初に印刷する用紙サイズに対してのみ自動調整を実施する例を中心に説明した。これにより、異なる用紙サイズで実施した調整結果が、同一用紙種類の別の用紙サイズに対する調整値として意図せず適用されてしまうことを抑制できる例を説明した。
第1実施形態では、混載ジョブがある場合、当該ジョブ内で該用紙種類に関して最初に印刷する用紙サイズに対してのみ自動調整を実施する例を中心に説明した。これにより、異なる用紙サイズで実施した調整結果が、同一用紙種類の別の用紙サイズに対する調整値として意図せず適用されてしまうことを抑制できる例を説明した。
第2実施形態では、自動調整の対象の印刷ジョブを受信した場合、印刷前に全ページのRIP処理を実施し、自動調整の対象となる用紙種類および用紙サイズを決定する例を説明する。例えば、同じ用紙種類でありかつ用紙サイズが異なる混載ジョブの場合、出力ページ数が最も多い用紙サイズを自動調整の対象とする。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図12は、本実施形態における印刷装置100の自動調整処理のフローチャートである。図12のフローチャートは、第1実施形態で説明した自動調整処理と同様に、受信した印刷ジョブに断裁指示が含まれている場合に実行される処理である。尚、図12の処理のトリガーは、受信した印刷ジョブに断裁指示が含まれている場合に限られず、自動調整処理が実行される所定の条件になった場合に図12の処理が開始されてもよい。
先ず、印刷ジョブが開始されると、S1201で、CPU114は、当該印刷ジョブに関して全ページの印刷データを受信したか否かを確認する。ここで、全ページの印刷データの受信が完了している場合、CPU114は、S1202へ進み、そうでない場合、S1201で全ページの印刷データの受信が完了するのを待つ。全ページの印刷データを受信が完了すると、S1202で、CPU114は、全ページの印刷データのRIP処理を実施する。RIP処理を行うことで、各ページの印刷に用いられる用紙サイズが決定される。次に、S1203で、CPU114は、自動調整の対象となる用紙種類および用紙サイズの組み合わせを決定する。具体的には、当該印刷ジョブ内で同じ用紙種類かつ用紙サイズが混載する混載ジョブがある場合、出力ページ数が最も多い用紙サイズを該用紙種類に係る自動調整の対象とする。また、S1203において、CPU114は、用紙ライブラリに登録されている用紙種類の情報に、調整に用いる用紙サイズのサイズ情報を含めて登録する。
次に、S1204で、CPU114は、印刷処理および自動調整処理を開始する。自動調整処理の実行中は、印刷出力と併せて読み取り装置160による印刷位置ずれ量の検出が各ページに対して行われる。次に、S1205で、CPU114は、読み取り装置160から印刷位置ずれ量データを受信したか否かの確認を行う。ここで、印刷位置ずれ量データを受信した場合、CPU114は、S1206へ進み、そうでない場合は、S1212へ進む。
S1206で、CPU114は、印刷位置ずれ量データを受信した用紙に係る用紙種類および用紙サイズが自動調整対象の用紙種類および用紙サイズとして設定済みか否かを確認する。ここで、該用紙種類および用紙サイズが自動調整の対象として設定済みであった場合、CPU114は、S1207へ進み、そうでない場合は、S1213へ進む。
S1207からS1213の処理は、図11のS1107からS1113で説明した処理と同様の処理であるので、ここでの説明は省略する。
以上説明したように、本実施形態では、自動調整の対象ジョブに関して、印刷前に全ページのRIP処理を実施し、同じ用紙種類の用紙サイズ混載がある場合、出力ページ数が最も多い用紙サイズを自動調整の対象に決定する。ずれ量の算出は、複数ページのずれ量の平均を用いて行われるので、出力ページ数が多いほど、調整の精度を向上させることができる。また、本実施形態においても、異なる用紙サイズで実施した調整結果が、同一用紙種類の別の用紙サイズに対する調整値として意図せず適用されてしまうことを抑制することができる。
<<実施形態の具体例>>
次に、第1実施形態および第2実施形態を用いる場合の具体例を、図面を参照しながら説明する。以下で説明する例は、第1実施形態および第2実施形態のいずれにおいても適用可能な例である。
次に、第1実施形態および第2実施形態を用いる場合の具体例を、図面を参照しながら説明する。以下で説明する例は、第1実施形態および第2実施形態のいずれにおいても適用可能な例である。
図13は、印刷装置100の自動調整における出力用紙の出力順序、読み取り装置160による出力画像の読み取り処理、および用紙ライブラリへの印刷位置ずれ量調整値のフィードバックの関係を示すタイミングチャートである。図13は、同じ用紙種類(用紙種類S1)の用紙サイズ混載(用紙サイズA4、用紙サイズA3)を伴う印刷ジョブ(混載ジョブ)に対して自動調整を実施する流れを示している。また、上述した実施形態1または実施形態2の方法により、用紙サイズA4が自動調整対象の用紙サイズとして選択されているものとする。
図13において、印刷装置100により、用紙サイズA4に関しては、表面、裏面ともに用紙ライブラリからの印刷位置ずれ量調整値の読み出し、および、用紙ライブラリへの印刷位置ずれ量調整値のフィードバックが実施される。一方、用紙サイズA3に関しては、用紙ライブラリからの印刷位置ずれ量調整値の読み出し、および、用紙ライブラリへの印刷位置ずれ量調整値のフィードバックが実施されない様子を示している。
図14は、上述した実施形態に係る印刷システム全体における自動調整の一連の処理シーケンスを示す図である。図14において、まず、S1401で、ユーザーにより、印刷装置100に対して用紙プロファイル登録指示がなされる。即ち、印刷装置100は、ユーザーから用紙プロファイル登録指示の入力を受け付ける。用紙プロファイル登録指示とは、上述の図4および図5を用いて説明した、用紙ライブラリへ用紙種類に関する属性情報を設定登録する一連の操作フローを含むものとする。次に、S1402で、印刷装置100は、S1401で指示された用紙プロファイル(用紙プロファイルA)を用紙ライブラリ600へ登録する。ここで、用紙プロファイルAには用紙サイズに関する情報は含まれていないものとする。次に、S1403で、ユーザーにより印刷装置100に対して給紙段登録指示がなされる。即ち、印刷装置100は、ユーザーから給紙段登録指示の入力を受け付ける。給紙段登録指示とは、上述の図9を用いて説明した通り、印刷装置100の各給紙段に対して用紙種類を設定登録するための一連の操作フローを含むものとする。ここでは、給紙段1および給紙段2に、用紙プロファイルAの用紙種類を登録する指示がユーザーから入力されたものとする。次に、S1404で、印刷装置100は、S1403で指示された用紙プロファイル(用紙プロファイルA)を、指定された各給紙段に設定登録する。ここでは、給紙段1(用紙サイズ A4)および、給紙段2(用紙サイズ A3)のそれぞれに用紙プロファイルAが用紙種類のプロファイルとして設定登録されるものとする。
次に、S1405で、ユーザーは、ホストコンピュータ101を操作して印刷ジョブに関する印刷指示を行う。即ち、ホストコンピュータ101は、印刷指示の入力をユーザーから受け付ける。該印刷指示を受け付けると、ホストコンピュータ101は、S1406で、印刷装置100に対して印刷ジョブを送信する。ここで、該印刷ジョブには、印刷すべき画像データの他に、印刷に使用される用紙種類(用紙プロファイル)、用紙サイズ、印刷枚数、両面又は片面印刷の指示、および断裁指示等の各種情報が含まれるものとする。ここでは、該印刷ジョブにおいて用紙サイズA4/A3混載の画像データが含まれており、かつ、断裁指示がなされているものとする。従って、印刷装置100は、該印刷ジョブの出力用紙上に形成される画像の周囲の余白領域に形成した印刷位置調整用マークを読み取り、該読み取り結果から用紙上に形成される画像のずれ量を調整する処理を行うことになる。該印刷ジョブを受信すると、S1407において印刷装置100は、当該印刷ジョブの実行を開始する。当該印刷ジョブに関しては、上述した第1実施形態または第2実施形態の方法により、A4サイズが自動調整対象の用紙サイズとして選択されるものとする。また、当該印刷ジョブでは、A4サイズ、A3サイズ、A4サイズの順に画像データが含まれているものとする。
まず、印刷装置100は、A4サイズの印刷出力を開始し、当該用紙に関して自動調整を実施することを決定する(自動調整用紙サイズ決定タイミング1)。印刷装置100は、当該用紙の印刷出力に関して、給紙・印刷(S1408)、読み取り装置160による出力結果の読み取り(S1409)、印刷位置ずれ量調整値のフィードバック(S1410)の各処理を実行する。ここで、S1408からS1410の処理は出力用紙サイズが切り替わるまで繰り返し実行される。
次に、印刷装置100は、A3サイズの印刷出力を開始し、当該用紙に関して自動調整を実施しないことを決定する(自動調整用紙サイズ決定タイミング2)。印刷装置100は、当該用紙の印刷出力に関して、給紙・印刷(S1411)、読み取り装置160による出力結果の読み取り(S1412)の各処理を実行する。当該用紙は自動調整対象の用紙サイズではないため、印刷位置ずれ量調整値のフィードバックは実行しない。ここで、S1411からS1412の処理は出力用紙サイズが切り替わるまで繰り返し実行される。
次に、印刷装置100は、再びA4サイズの印刷出力を開始し、当該用紙に関して自動調整を実施することを決定する(自動調整用紙サイズ決定タイミング3)。印刷装置100は、当該用紙の印刷出力に関して、給紙・印刷(S1413)、読み取り装置160による出力結果の読み取り(S1414)、印刷位置ずれ量調整値のフィードバック(S1415)の各処理を実行する。ここで、S1413からS1415の処理は残りの出力ページ全てに対して繰り返し実行される。
S1408からS1415を実行することにより、当該印刷ジョブに関する全てのページの印刷出力が完了すると、印刷装置100は、S1416で、当該印刷ジョブの実行を終了する。そして、S1417で、ユーザーは、当該印刷ジョブの出力成果物を取得する。
図15は、印刷位置ずれ量調整値が、一部の給紙段のみで有効となる例を示す図である。即ち、図15は、印刷装置100の自動調整において、用紙サイズ混載時に印刷位置ずれ量調整値が1つの用紙サイズに対してのみ有効となり、他の用紙サイズに対しては利用されない制御およびデータフローを説明する概念図である。図15においては、異なる用紙サイズの給紙段として、給紙段1(用紙サイズ=サイズ1)および給紙段2(用紙サイズ=サイズ2)を示している。給紙段1および給紙段2のそれぞれに、同じ用紙プロファイル(用紙種類=ABC製紙リサイクル1)が設定登録されている。また、給紙段1(用紙サイズ=サイズ1)の用紙に対する印刷出力に関してのみ、自動調整(印刷位置ずれ量の測定および用紙ライブラリへのフィードバック)が実施される。また、給紙段1では、用紙ライブラリに登録(反映)されている用紙特性情報およびずれ量調整値の両方を使用して印刷が行われる。一方、給紙段2(用紙サイズ=サイズ2)の用紙に対する印刷出力に関しては自動調整が実施されない。また、給紙段2では、用紙ライブラリに登録されている用紙特性情報を用いて印刷が行われ、用紙ライブラリに登録されているずれ量調整値を用いた印刷が行われない様子を示している。
図16は、印刷装置100の主要構成部である給紙装置140、画像形成部151、読み取り装置160のそれぞれに関して、用紙搬送路上の位置関係を表す概略図である。図16に示す通り、読み取り装置160は、給紙装置140、画像形成部151、定着ユニット155よりも、用紙搬送路上の下流に配置される。このため、印刷ジョブ全体の生産性を低下させることなく、成果物となる出力用紙そのものを読み取り、印刷位置のずれ量をリアルタイムに測定することが可能となっている。また、上述した通り、読み取り装置160で測定した印刷位置ずれ量は、印刷動作と並行して画像形成部151の制御パラメータとして反映され、リアルタイムに印刷位置の調整が行われるようになっている。
<<その他の実施形態>>
上述した第1実施形態および第2実施形態においては、印刷対象の印刷ジョブに断裁指示が含まれる場合に印刷調整用マークを印刷して自動調整を実施する例を説明した。しかしながら、断裁指示とは連動することなく別の専用パラメータにより自動調整の実施を指示する方式であってもよい。
上述した第1実施形態および第2実施形態においては、印刷対象の印刷ジョブに断裁指示が含まれる場合に印刷調整用マークを印刷して自動調整を実施する例を説明した。しかしながら、断裁指示とは連動することなく別の専用パラメータにより自動調整の実施を指示する方式であってもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態においては、自動調整の対象となる用紙以外の用紙に関しても印刷位置調整用マークの印刷および読み取り装置160による画像の読み取りは実施する例を説明した。そして、自動調整の対象となる用紙に関してのみ印刷位置ずれ量の平均値算出および用紙ライブラリへのフィードバックを実施する例を説明した。しかしながら、自動調整の対象となる用紙に関してのみ印刷位置調整用マークの印刷および読み取り装置160による画像の読み取りを実施する方式であってもよい。
また、同一印刷ジョブ内で同じ用紙種類の用紙サイズ混載がある混載ジョブを受信した場合の挙動を予めユーザーが選択して設定可能に構成されていてもよい。例えば、第1実施形態または第2実施形態のいずれの方式を用いて自動調整の対象となる用紙を決定するかを予めユーザーが設定し、その設定内容に従って自動調整を実施する方式であってもよい。
また、上述した第1実施形態および第2実施形態は、同一ジョブ内で用紙サイズが混載する混載ジョブを受信した場合の処理を中心に説明した。しかしながら、混載ジョブ以外の印刷ジョブを受信した場合においても、適切な印刷位置の調整を行うことは可能である。例えば、第1実施形態または第2実施形態の処理によって、用紙種類S1のずれ量調整値は、A4サイズの用紙サイズで算出されていると想定する。また、用紙ライブラリの用紙種類S1には、調整に用いたサイズ情報としてA4サイズの情報が含まれているものとする。
この状態において印刷装置100は、用紙種類S1かつA4サイズの画像データを含む印刷ジョブJ1を受信した場合の処理を説明する。印刷装置100は、受信した印刷ジョブJ1の用紙種類S1をもとに用紙ライブラリの用紙プロファイルを参照し、用紙種類S1の用紙プロファイルに含まれる、調整に用いられた用紙サイズ(A4サイズ)の情報を取得する。調整に用いられた用紙サイズと同じサイズの印刷が行われるので、印刷装置100は、用紙ライブラリからの印刷位置ずれ量調整値の読み出し、および、用紙ライブラリへの印刷位置ずれ量調整値のフィードバックを実施する。
一方、印刷装置100が、用紙種類S1かつA3サイズの画像データを含む印刷ジョブJ2を受信した場合の処理を説明する。印刷装置100は、受信した印刷ジョブJ2の用紙種類S1をもとに用紙ライブラリの用紙プロファイルを参照し、用紙種類S1の用紙プロファイルに含まれる、調整に用いられた用紙サイズ(A4サイズ)の情報を取得する。調整に用いられた用紙サイズと異なるサイズの印刷が行われるので、印刷装置100は、用紙ライブラリからの印刷位置ずれ量調整値の読み出し、および、用紙ライブラリへの印刷位置ずれ量調整値のフィードバックを実施しない。
また、既に単独のA4サイズの印刷ジョブで用紙種類S1の調整が行われている状態において混載ジョブを受信した場合には、第1実施形態または第2実施形態で説明した処理に従って、調整に用いる用紙サイズが改めて決定されてもよい。あるいは、既に単独のA4サイズの印刷ジョブで用紙種類S1の調整が行われている状態において混載ジョブを受信した場合の挙動を、予めユーザーが設定するように構成されていてもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 印刷装置
114 CPU
115 HDD
160 読み取り装置
114 CPU
115 HDD
160 読み取り装置
Claims (18)
- 格納している用紙の用紙サイズを検知して設定する複数の給紙段を備え、同じ用紙種類であり、かつ異なる用紙サイズの用紙を格納する前記複数の給紙段に対して1つの用紙プロファイルを共通に設定可能な画像形成装置であって、
印刷ジョブに基づいて、前記給紙段から給紙される用紙に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成された用紙を読み取り可能な読み取り手段と、
第1サイズの用紙を格納する給紙段から給紙され、かつ前記画像形成手段によって所定の画像が形成された第1サイズの用紙を前記読み取り手段が読み取った結果に基づいて、前記第1サイズの印刷位置の調整を行うための調整値を前記1つの用紙プロファイルに登録する登録手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記用紙プロファイルは、用紙種類ごとに1つ用意されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段は、前記1つの用紙プロファイルに対応する用紙種類であり、かつ前記第1サイズの用紙に画像を形成する場合、前記1つの用紙プロファイルに登録された前記調整値を用いて前記画像を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記用紙プロファイルは、用紙の特性を示す用紙特性情報を含み、
前記画像形成手段は、前記1つの用紙プロファイルに対応する用紙種類であり、かつ前記第1サイズの用紙に画像を形成する場合、前記用紙特性情報をさらに用いて前記画像を形成することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、前記1つの用紙プロファイルに対応する用紙種類であり、かつ前記第1サイズと異なるサイズの用紙に画像を形成する場合、前記1つの用紙プロファイルに登録された前記調整値を用いずに前記画像を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記用紙プロファイルは、用紙の特性を示す用紙特性情報を含み、
前記画像形成手段は、前記1つの用紙プロファイルに対応する用紙種類であり、かつ前記第1サイズと異なるサイズの用紙に画像を形成する場合、前記用紙特性情報を用いて前記画像を形成することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記印刷ジョブが、同一ジョブ内で前記第1サイズおよび前記第1サイズと異なるサイズの用紙サイズの画像データの混載を少なくとも含む場合、
前記登録手段は、前記所定の画像が形成された前記第1サイズの用紙を前記読み取り手段が読み取った結果のみに基づいて、前記調整値を前記1つの用紙プロファイルに登録することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記登録手段は、前記所定の画像が形成された前記第1サイズと異なるサイズの用紙を前記読み取り手段が読み取った結果に基づく調整値を前記1つの用紙プロファイルに登録しないことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段は、前記第1サイズと異なるサイズの用紙に前記所定の画像を形成しないことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 前記第1サイズは、前記印刷ジョブにおいて最初に画像を形成する用紙の用紙サイズであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記第1サイズは、前記印刷ジョブにおいて出力ページ数が最も多い用紙サイズであることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記読み取り手段は、前記給紙段から給紙された用紙を搬送する搬送路において前記画像形成手段よりも下流に配されており、
前記印刷ジョブに基づいて前記画像形成手段によって前記第1サイズの第1のページの用紙に形成された前記所定の画像を前記読み取り手段が読み取った結果に基づいて前記登録手段が登録した調整値は、前記印刷ジョブにおける前記第1のページよりも後の前記第1サイズの第2のページの画像を前記画像形成手段が形成する際に用いられることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、前記印刷ジョブに所定の指示が含まれている場合に、前記所定の画像を形成することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記所定の指示は断裁指示であり、前記所定の画像は、断裁位置よりも用紙の端部側に形成されるマークであることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
- 前記所定の画像の画像データは、前記印刷ジョブに含まれていないことを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記登録手段は、前記読み取り手段が前記所定の画像が形成された第1サイズの用紙を読み取った数が所定のページ数に達した場合、前記所定のページ数の結果に基づく前記調整値を登録することを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 格納している用紙の用紙サイズを検知して設定する複数の給紙段と、
印刷ジョブに基づいて、前記給紙段から給紙される用紙に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成された用紙を読み取り可能な読み取り手段と、を有し、同じ用紙種類であり、かつ異なる用紙サイズの用紙を格納する前記複数の給紙段に対して1つの用紙プロファイルを共通に設定可能な画像形成装置の制御方法であって、
第1サイズの用紙を格納する給紙段から給紙され、かつ前記画像形成手段によって所定の画像が形成された第1サイズの用紙を前記読み取り手段が読み取った結果に基づいて、前記第1サイズの印刷位置の調整を行うための調整値を前記1つの用紙プロファイルに登録する登録ステップ、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。 - コンピュータを、請求項1から16のいずれか一項に記載の画像形成装置の登録手段として機能させるためのプログラム。
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