JP6906863B2 - 円偏波アンテナおよびダイバーシティ通信システム - Google Patents

円偏波アンテナおよびダイバーシティ通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP6906863B2
JP6906863B2 JP2017193737A JP2017193737A JP6906863B2 JP 6906863 B2 JP6906863 B2 JP 6906863B2 JP 2017193737 A JP2017193737 A JP 2017193737A JP 2017193737 A JP2017193737 A JP 2017193737A JP 6906863 B2 JP6906863 B2 JP 6906863B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circularly polarized
spiral element
antenna
spiral
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017193737A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019068329A (ja
Inventor
金子 敦
敦 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Antenna Co Ltd
Original Assignee
Nippon Antenna Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Antenna Co Ltd filed Critical Nippon Antenna Co Ltd
Priority to JP2017193737A priority Critical patent/JP6906863B2/ja
Publication of JP2019068329A publication Critical patent/JP2019068329A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6906863B2 publication Critical patent/JP6906863B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)

Description

本発明は、低姿勢化して小型化することができる円偏波アンテナ、および、マルチバンドに対応させても小型化することができる円偏波アンテナ、並びに、円偏波アンテナを用いるダイバーシティ通信システムに関する。
現在、様々な通信システムが開発及び使用されているが、円偏波モードの通信システムがある。このような通信システムにおける基地局や端末機器用のアンテナとしては円偏波アンテナが用いられる。また、測位衛星からの信号を受信して測位を行う測位機能を備える携帯電話機などの端末機器の円偏波アンテナとしては、パッチアンテナが多く搭載されている。測位機能を備える端末機器は、様々な用途の製品が開発及び使用されている。
円偏波アンテナとして、パッチアンテナに替えてヘリカルアンテナを用いることもできる。ヘリカルアンテナを利用した従来の円偏波アンテナ500の構成を図54に示す。図54は円偏波アンテナ500の構成を示す斜視図である。
図54に示す円偏波アンテナ500は、4本の導体からなるヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546が天頂方向に向かってピッチ角が例えば30乃至60度の範囲内で螺旋状に延在している。4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546はプリント基板548上に同心円状に90度間隔でそれぞれ配置されている。また、プリント基板548上には4個のスイッチモジュールが配置されており、4個のスイッチモジュールはプリント基板548上に配置された遅延線530,532,534,536との接続を制御している。
4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546の螺旋の外径、長さ、ピッチ角などは、アンテナの放射パターンや利得などの特性に直接影響し、要求仕様に応じて適正に設定される。4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546の材質としては、アルミニウムや銅合金などの良導体を用いることが出来る。またプリント基板548は、ヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546の螺旋外径の3倍以下にすることが出来る。
第1遅延線530の電気長をEL1とすると、第2遅延線532の電気長EL2は(EL1+λ/4)、第3遅延線534の電気長EL3は(EL2+λ/4)、第4遅延線536の電気長EL4は(EL3+λ/4)にそれぞれ設定されている。この結果、それぞれの遅延線を経由して給電された4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546の給電位相は、90度ずつ順次遅れる。
4個のスイッチモジュールを制御して、遅延線530,532,534,536を介することなく直接4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546に給電すると、4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546は全て同位相で給電されるので直線偏波を送受信できる。また、4個のスイッチモジュールを制御して、遅延線530,532,534,536をそれぞれ介して4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546に給電すると、各ヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546における給電の位相が90度ずつずれるので、円偏波を送受信することができる。
特開2007−173932号公報
従来のパッチアンテナでは単一指向性が得られるが、パッチアンテナでは、周波数に対して比較的大きなグランド板が必要になることが知られている。また、指向性方向から投影した面積が比較的大きくなってしまうという欠点があった。さらに、パッチアンテナは低姿勢化されているが、比帯域が3%程度でありマルチバンド化することが困難であった。
そして、従来のヘリカルアンテナを利用する円偏波アンテナ500では、軸方向に長い形状をしていたため、指向性方向に対する小型化が困難であった。さらに、断面係数の大きい円筒状のカバーへ円偏波アンテナ500を内蔵する事を考えた場合、その幅方向が、カバー内部に干渉してしまい、カバー自体が大きくなって受風荷重が大きくなることから、カバー自体の強度をあげる必要があり、コスト的にデメリットが大きくなるという問題点があった。また、従来のヘリカルアンテナを低姿勢化すると、低姿勢化に伴い比帯域が狭くなるため、マルチバンド化すると低姿勢化・小型化することが困難になるという問題点もあった。
そこで、本発明は、低姿勢化して小型化することができる円偏波アンテナを提供することを目的としている。また、マルチバンドに対応させても小型化することができる円偏波アンテナを提供することを目的としている。さらに、本発明にかかる円偏波アンテナを用いるダイバーシティ通信システムを提供することを目的としている。
本発明の円偏波アンテナは、本発明の他の円偏波アンテナは、グランドが形成された基板と、巻き中心の軸が互いに偏心されると共に、略90°間隔で配置されて略回転対象形状に前記基板上に配置されており、前記基板の中央部上において一端に給電され他端が前記グランドに接続されている4本の螺旋素子と、前記基板に設けられ、供給された給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する分配器とを備え、前記4本の螺旋素子における対向する2本の螺旋素子をホット素子とコールド素子とする2組が構成されて、一方の組に前記0°給電信号が供給され、他方の組に前記90°給電信号が供給されて、隣り合う前記螺旋素子間の位相差が約90°とされ、前記基板からの高さが、横方向の最大長さの約30%以下とされていることを最も主要な特徴としている。
上記本発明の円偏波アンテナにおいて、前記螺旋素子は、中央では曲率が大きく、外周に向かうにつれ曲率が小さくなる形状とされ、使用周波数帯の中心周波数の自由空間波長をλとした際に、前記基板からの高さが約0.04λとされていてもよい。
また、上記本発明の円偏波アンテナにおいて、前記螺旋素子は、略円形状とされ、使用周波数帯の中心周波数の自由空間波長をλとした際に、前記基板からの高さが約0.03λとされていてもよい。
さらに、上記本発明の円偏波アンテナにおいて、前記4本の螺旋素子は、前記一端から前記他端に向かって次第に幅が広がる形状に形成されていてもよい。
さらにまた、上記本発明の円偏波アンテナにおいて、前記4本の螺旋素子は、素子長の長い低域側の4素子からなる螺旋素子と、素子長の短い高域側の4素子からなる螺旋素子とで構成され、前記低域側の螺旋素子の内側に、前記高域側の螺旋素子が配置されて、前記低域側の螺旋素子と対応する前記高域側の螺旋素子とに並列に給電されていてもよい。
本発明のダイバーシティ通信システムは、左旋円偏波と右旋円偏波との偏波ダイバーシティに用いるアンテナとして、上記した本発明にかかる円偏波アンテナを用いることを最も主要な特徴としている。
本発明の円偏波アンテナは、4本の螺旋素子が、巻き中心の軸が互いに偏心されると共に、略90°間隔で配置されて略回転対象形状に基板上に配置され、隣り合う前記螺旋素子間の位相差が約90°とされていることから、基板からの高さが横方向の最大長さの約30%以下と低姿勢とすることができる。また、4本の螺旋素子で構成される2組のホット素子とコールド素子との他端が直流的に同電位となるようグランドに接続されることにより、単一指向性とすることができる。
また、螺旋素子を一端から他端に向かって次第に幅が広がる形状に形成したり、素子長の長い低域側の4素子からなる螺旋素子と、素子長の短い高域側の4素子からなる螺旋素子とで4本の螺旋素子を構成し、低域側の螺旋素子の内側に、高域側の螺旋素子を配置して、低域側の螺旋素子と対応する高域側の螺旋素子とに並列に給電することにより、広帯域化やマルチバンド化することができる。
本発明のダイバーシティ通信システムは、左旋円偏波と右旋円偏波との偏波ダイバーシティに用いるアンテナとして、上記した本発明にかかる円偏波アンテナを用いて構成することができる。
本発明の第1実施例である円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。 本発明の第1実施例である円偏波アンテナの構成を示す上面図である。 本発明の第1実施例である円偏波アンテナの構成を示す下面図、分配器を拡大して示す図である。 本発明の第1実施例である円偏波アンテナの構成を正面図示すである。 本発明の第1実施例である円偏波アンテナの指向特性を示すである。 本発明の第1実施例である円偏波アンテナのVSWRの周波数特性を示す図である。 本発明の第1実施例である円偏波アンテナの軸比の周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例である円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施例である円偏波アンテナの構成を示す他の斜視図である。 本発明の第2実施例である円偏波アンテナの構成をさらに他の示す斜視図である。 本発明の第2実施例である円偏波アンテナの構成を示す上面図である。 本発明の第2実施例である円偏波アンテナの構成を示す下面図である。 本発明の第2実施例である円偏波アンテナの構成を示す正面図である。 本発明の第2実施例である円偏波アンテナの振幅の角度特性を示す図である。 本発明の第2実施例である円偏波アンテナのVSWRの周波数特性を示す図である。 本発明の第2実施例である円偏波アンテナの軸比の周波数性を示す図である。 本発明の第3実施例である円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。 本発明の第3実施例である円偏波アンテナの構成を示す上面図である。 本発明の第3実施例である円偏波アンテナの構成を示す下面図である。 本発明の第3実施例である円偏波アンテナの構成を示す正面図である。 本発明の第3実施例である円偏波アンテナの振幅の右旋円偏波指向性を示す図である。 本発明の第3実施例である円偏波アンテナの指向特性を示す図である。 本発明の第3実施例である円偏波アンテナの軸比の角度特性を示す図である。 本発明の第4実施例である円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。 本発明の第4実施例である円偏波アンテナの構成を示す上面図である。 本発明の第4実施例である円偏波アンテナの構成を示す下面図である。 本発明の第4実施例である円偏波アンテナの構成を示す正面図である。 本発明の第4実施例である円偏波アンテナの指向特性を示す図である。 本発明の第1実施例である円偏波アンテナのVSWRの周波数特性を示す図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナの構成を示す上面図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナの構成を示す下面図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナの構成を示す正面図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナの低域における指向特性を示す図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナの高域における指向特性を示す図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナの低域における軸比の周波数特性を示す図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナの高域における軸比の周波数特性を示す図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナの軸比の角度特性を示す図である。 本発明の第5実施例である円偏波アンテナのVSWRの周波数特性を示す図である。 本発明の第6実施例である円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。 本発明の第6実施例である円偏波アンテナの構成を示す上面図である。 本発明の第6実施例である円偏波アンテナの構成を示す下面図である。 本発明の第6実施例である円偏波アンテナの構成を示す正面図である。 本発明の円偏波アンテナを備えるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。 本発明の円偏波アンテナを備えるアンテナ装置の適用例の構成を示す斜視図である。 本発明の円偏波アンテナを備えるアンテナ装置の他の適用例の構成を示す斜視図である。 本発明の円偏波アンテナを備える他のアンテナ装置の構成を示す斜視図、他のアンテナ装置の適用例の構成を示す正面図である。 本発明の第7実施例である円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。 本発明の第7実施例である円偏波アンテナを備えるアンテナ装置の構成を斜視図で示す組立図である。 本発明の第7実施例である円偏波アンテナを備えるアンテナ装置を支持する構成を示す正面図である。 本発明の第7実施例である円偏波アンテナを備えるアンテナ装置の指向特性を示す図である。 本発明の円偏波アンテナを備えるアンテナ装置のさらに他の適用例の構成を示す斜視図である。 本発明の円偏波アンテナを備えるアンテナ装置が適用可能なダイバーシティ通信システムの構成、ダイバーシティ通信機の構成を示すブロック図である。 従来の円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。
<第1実施例>
本発明の第1実施例にかかる円偏波アンテナの構成を図1ないし図4に示す。図1は第1実施例にかかる円偏波アンテナ1の構成を示す斜視図であり、図2は第1実施例にかかる円偏波アンテナ1の構成を示す上面図であり、図3は第1実施例にかかる円偏波アンテナ1の構成を示す下面図および分配器を拡大して示す図であり、図4は第1実施例にかかる円偏波アンテナ1の構成を示す正面図である。
これらの図に示す本発明の第1実施例にかかる円偏波アンテナ1は、第1螺旋素子10a、第2螺旋素子10b、第3螺旋素子10c、第4螺旋素子10dの4本の螺旋素子を備えている。第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dは、巻き中心の軸が互いに偏心されると共に互いにほぼ等間隔になるよう略90°間隔でそれぞれ配置されて右巻きの螺旋状で巻かれて構成されている。第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dは、金属板金や金属フィルム基板などで幅広に構成されている。第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dの素子形状は、円偏波アンテナ1の給電点付近を中心とする略回転対象形状で構成され、中央では曲率が大きく、外周に向かうにつれ曲率が小さくなる形状となっている。第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dは、等角螺旋、アルキメデススパイラル、黄金螺旋等の形状とすることができる。
第1実施例にかかる円偏波アンテナ1は、プリント基板からなる円形の基板11を備え、基板11の表面に矩形状のグランド板12aがパターンあるいは金属板で形成され、裏面のほぼ全面にグランド12bがパターンあるいは金属板で形成されている。グランド板12aとグランド12bとはスルーホールで導通されている。基板11の中央部に位置する第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dの一端である給電端は、基板11に向かってほぼ直角に折曲されており、第3螺旋素子10cおよび第4螺旋素子10dにおける折曲された先端が、グランド板12aに電気的に接続されていると共に、基板11を貫通して裏面のグランド12bに電気的に接続されている。また、第1螺旋素子10aおよび第2螺旋素子10bにおける折曲された先端はグランド板12aのL字状に切り欠かれた部位を貫通して基板11の裏面に達している。そして、第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dの他端は、基板11の外周縁に位置され、外周縁に形成された穴を貫通して裏面のグランド12bに電気的に接続されて、グランド12bに短絡されている。
基板11の裏面には、供給された給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する分配器18が設けられている。分配器18は、図3(b)に示すように給電信号が供給される入出力端子18aと、0°給電信号が出力される0°アンテナ端子18bと、前記90°給電信号が出力される90°アンテナ端子18cと、終端抵抗が接続されるアイソレーション端子18dとを備えており、チップ化された90°ハイブリッドで構成することができる。基板11を貫通した第1螺旋素子10aにおける折曲された先端は0°アンテナ端子18bに電気的に接続され、基板11を貫通した第2螺旋素子10bにおける折曲された先端は90°アンテナ端子18cに電気的に接続されている。これにより、第1螺旋素子10aをホット素子、第1螺旋素子10aに対向する第3螺旋素子10cをコールド素子として0°給電信号が供給され、第2螺旋素子10bをホット素子、第2螺旋素子10bに対向する第4螺旋素子10dをコールド素子として90°給電信号が供給されて、円偏波アンテナ1から左旋の円偏波が放射されるようになる。なお、第1螺旋素子10aをホット素子、第3螺旋素子10cをコールド素子とする組と、第2螺旋素子10bをホット素子、第4螺旋素子10dをコールド素子とする組とは、ほぼ直交して配置されている。
第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dの各螺旋素子の素子長は、使用周波数帯の中心周波数f0の自由空間波長をλとした際に、約0.35λの電気長とされる。この場合、50Ωの特性インピーダンスへの整合が可能となるが、その特性インピーダンスが高い場合は、素子長を短くしてもよい。また、基板11に形成したグランド12bの外径と、第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dの全体の横方向の最大長さL1はほぼ同じサイズとされ、約0.25λとされる。また、グランド12bの底面から第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dの一端までの高さH1は、約0.04λと非常に低姿勢とされている。
第1実施例の円偏波アンテナ1においては、右巻きに螺旋状に巻かれた第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dの一端は隣り合う螺旋素子間において、約90°ずつ位相差がついた給電信号によりそれぞれ起電されて左旋の円偏波が放射され、第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dの他端はグランド12bに接続されて短絡され直流的に同電位となることから、単一指向性の左旋の円偏波が発生するようになる。
本発明の第1実施例である円偏波アンテナ1において、上記寸法とした際の指向特性を図5に示す。図5では、縦軸が振幅(dB)、横軸が角度(°)とされており、円偏波アンテナ1の鉛直方向が角度0°とされ、使用周波数帯域の中心周波数f0の指向特性を一点鎖線で、周波数0.88f0(−12%)の指向特性を実線で、周波数1.12f0(+12%)の指向特性を破線で示している。図5を参照すると、角度0°の指向性方向(基板11から上に向かう鉛直方向)において比帯域24%にわたり、ほぼ単一指向特性が得られていることが分かる。また、本発明の第1実施例である円偏波アンテナ1において、上記寸法とした際の電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を図6に示す。図6では、縦軸がVSWR、横軸が周波数を示す比帯域とされている。図6を参照するとVSWR3.0以下の比帯域が約19%にわたっており、良好なVSWR特性が得られていることが分かる。さらに、本発明の第1実施例である円偏波アンテナ1において、上記寸法とした際の軸比の周波数特性を図7に示す。図7では、縦軸が軸比(dB)、横軸が周波数を示す比帯域とされている。図7に示す軸比特性は、天頂側における最良軸比特性であり、図7を参照すると、軸比2dB以下で約12%の比帯域が得られ、軸比3dB以下で20%以上の比帯域が得られていることが分かる。
上記説明した第1実施例の円偏波アンテナ1においては、グランド12bからの高さH1を約0.03λと低姿勢化しても、単一指向性が得られる。このように低姿勢化できることから、ウエアラブル用途等の取付場所に制限がある場所にも取付を可能とすることができる。また、第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dの表面に電流が流れているため、第1螺旋素子10a〜第4螺旋素子10dを樹脂などで覆うことにより、樹脂の比誘電率の作用により物理長を短縮することができ、より小型化が可能となる。
<第2実施例>
本発明の第2実施例にかかる円偏波アンテナの構成を図8ないし図13に示す。図8は第2実施例にかかる円偏波アンテナ2の構成を示す斜視図であり、図9は第2実施例にかかる円偏波アンテナ2の構成を透過図で示す他の斜視図であり、図10は第2実施例にかかる円偏波アンテナ2の構成を角度を変えて見たさらに他の斜視図であり、図11は第2実施例にかかる円偏波アンテナ2の構成を示す上面図であり、図12は第2実施例にかかる円偏波アンテナ2の構成を示す下面図であり、図13は第2実施例にかかる円偏波アンテナ2の構成を示す正面図である。
これらの図に示す本発明の第2実施例にかかる円偏波アンテナ2は、第1螺旋素子20a、第2螺旋素子20b、第3螺旋素子20c、第4螺旋素子20dの4本の螺旋素子を備えている。第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dは、巻き中心の軸が互いに偏心されると共に略90°間隔で配置されて略回転対象形状に第1基板21a上に配置されており、左巻きの螺旋状で巻かれて構成されている。
第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dは、所望の太さの金属棒や金属パイプなどで構成されている。第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dの素子形状は、円偏波アンテナ2の給電点付近を中心とする略回転対象形状で構成され、中央部と外周で曲率はほぼ同じとされて、略円形の形状とされている。
第2実施例にかかる円偏波アンテナ2は、プリント基板からなる円形の第1基板21aと、第1基板21aの中央部上に第1基板21aと対向するようほぼ平行に配置された第1基板21aよりかなり小さい矩形の第2基板21bとを備えている。第1基板21aの表面のほぼ全面にグランド22がパターンあるいは金属板で形成され、裏面には供給された給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する分配器24を構成するパターンが形成されている。また、第2基板21bの表面には、第1螺旋素子20aの一端(給電端)が接続される第1端子23aと、第2螺旋素子20bの一端(給電端)が接続される第2端子23bと、第3螺旋素子20cの一端(給電端)が接続される第3端子23cと、第4螺旋素子20dの一端(給電端)が接続される第4端子23dとが設けられている。第1端子23a〜第4端子23dは、中央部から第2基板21bの4隅のそれぞれに向かって斜めに設けられている。第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dの一端には、第1端子23a〜第4端子23dをそれぞれ介して給電されている。また、第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dの他端は、第1基板21aの外周縁に位置し、外周縁に形成された穴を貫通していると共に表面のグランド22に電気的に接続されて、グランド22に短絡されている。この場合、第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dは、巻き中心の軸が互いに偏心されて巻かれていることから、一端と他端を除くほとんどが第1基板21aから外方へはみ出して配置され、図13に示すように中央部の高さが一端の高さより高くなっている。
第1基板21aの裏面に形成された分配器24のパターンは、グランド22と対面されてマイクロストリップラインとして機能し、2本のパターンが結合するよう配置された90°ハイブリッドカプラを構成しており、図12に示すように給電信号が供給される入出力端子24aと、0°給電信号が出力される0°アンテナ端子24bと、90°給電信号が出力される90°アンテナ端子24cと、終端抵抗で終端されたアイソレーション端子24dとを備えている。また、2本のパターンの結合量を調整する2つの結合量調整端子24eが設けられている。0°アンテナ端子24bに中心線が接続されると共に外部導体がグランド22に接続された第1給電線25aと、90°アンテナ端子24cに中心線が接続されると共に外部導体がグランド22に接続された第2給電線25bとが設けられている。第1給電線25aは第2基板21bを貫通して第3端子23cに外部導体が接続され、中心導体が第1端子23aに接続される。また、第2給電線25bは第2基板21bを貫通して第4端子23dに外部導体が接続され、中心導体が第2端子23bに接続される。すなわち、第1螺旋素子20aに0°アンテナ端子24bが接続され、第2螺旋素子20bに90°アンテナ端子24cが接続される。これにより、第1螺旋素子20aをホット素子、第1螺旋素子20aに対向する第3螺旋素子20cをコールド素子として0°給電信号が供給され、第2螺旋素子20bをホット素子、第2螺旋素子20bに対向する第4螺旋素子20dをコールド素子として90°給電信号が供給されて、第2実施例の円偏波アンテナ2から右旋の円偏波が放射されるようになる。なお、第1螺旋素子20aをホット素子、第3螺旋素子20cをコールド素子とする組と、第2螺旋素子20bをホット素子、第4螺旋素子20dをコールド素子とする組とは、ほぼ直交して配置されている。
第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dの各螺旋素子の素子長は、使用周波数帯の中心周波数f0の自由空間波長をλとした際に、約0.35λの電気長とされ、直径が約0.17λとされている。この場合、50Ωの特性インピーダンスへの整合が可能となるが、その特性インピーダンスが高い場合は、素子長を短くしてもよい。また、第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dの全体の横方向の最大長さL2は約0.35λとされ、第1基板21aに形成したグランド22の外径L3は、長さL2より小さい約0.15λとされる。また、グランド22の底面からの高さH2は、約0.03λと非常に低姿勢とされている。
第2実施例の円偏波アンテナ2においては、左巻きに螺旋状に巻かれた第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dの一端は隣り合う螺旋素子間において、約90°ずつ位相差がついた給電信号によりそれぞれ起電されて右旋の円偏波が放射され、第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dの他端はグランド22に接続されて短絡され直流的に同電位となることから、単一指向性の右旋の円偏波が発生するようになる。
本発明の第2実施例である円偏波アンテナ2において、上記寸法とした際の右旋円偏波の指向特性を図14に示す。図14では、縦軸が振幅(dB)、横軸が角度(°)とされており、円偏波アンテナ2の鉛直方向が角度0°とされ、使用周波数帯域の中心周波数f0の指向特性を一点鎖線で、周波数1.12f0(+12%)の指向特性を実線で、周波数0.88f0(−12%)の指向特性を破線で示している。図14を参照すると、角度0°の指向性方向(第1基板21aから上に向かう鉛直方向)において比帯域24%にわたり、ほぼ単一指向特性が得られていることが分かる。また、本発明の第2実施例である円偏波アンテナ2において、上記寸法とした際の電圧定在波比(VSWR)の周波数特性を図15に示す。図15では、縦軸がVSWR、横軸が周波数を示す比帯域とされている。図15を参照するとVSWR3.0以下の比帯域が約20%にわたっており、良好なVSWR特性が得られていることが分かる。さらに、本発明の第2実施例である円偏波アンテナ2において、上記寸法とした際の軸比の周波数特性を図16に示す。図16では、縦軸が軸比(dB)、横軸が周波数を示す比帯域とされている。図16に示す軸比特性は、天頂側における最良軸比特性であり、図16を参照すると、軸比1dB以下で約20%の比帯域が得られ、軸比3dB以下で24%を超える比帯域が得られていることが分かる。
上記説明した第2実施例の円偏波アンテナ2においては、グランド22からの高さH2を約0.03λと低姿勢化しても、単一指向性が得られる。このように低姿勢化できることから、ウエアラブル用途等の取付場所に制限がある場所にも取付を可能とすることができる。また、第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dの表面に電流が流れているため、第1螺旋素子20a〜第4螺旋素子20dを樹脂などで覆うことにより、樹脂の比誘電率の作用により物理長を短縮することができ、より小型化が可能となる。
<第3実施例>
本発明の第3実施例にかかる円偏波アンテナ3の構成を図17ないし図20に示す。図17は第3実施例にかかる円偏波アンテナ3の構成を示す斜視図であり、図18は第3実施例にかかる円偏波アンテナ3の構成を示す上面図であり、図19は第3実施例にかかる円偏波アンテナ3の構成を示す下面図であり、図20は第3実施例にかかる円偏波アンテナ3の構成を示す正面図である。
これらの図に示す本発明の第3実施例にかかる円偏波アンテナ3は、グランドを小型にしても指向性における前方対後方比(F/B比)として高F/B特性が得られる低姿勢・単一指向性の円偏波アンテナとすることができる。第3実施例にかかる円偏波アンテナ3は、第1螺旋素子30a、第2螺旋素子30b、第3螺旋素子30c、第4螺旋素子30dの4本の螺旋素子を備えている。第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dは、巻き中心の軸が互いに偏心されると共に互いにほぼ等間隔になるよう略90°間隔でそれぞれ第1基板31a上に配置されて左巻きの螺旋状で巻かれて構成されている。第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dは、所望の太さの同軸ケーブル(セミリジッドケーブルでもよい)や金属パイプなどで構成されている。第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの素子形状は、円偏波アンテナ3の給電点付近を中心とする略回転対象形状で構成され、中央では曲率が大きく、外周に向かうにつれ曲率が小さくなる形状となっている。第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dは、等角螺旋、アルキメデススパイラル、黄金螺旋等の形状とすることができる。
第3実施例にかかる円偏波アンテナ3は、プリント基板からなる円形の第1基板31aと、第1基板31aの中央部上に第1基板31aと対向するようほぼ平行に配置された第1基板31aよりかなり径の小さい円形の第2基板31bとを備えている。第1基板31aの表面には、ほぼ全面にグランド32がパターンあるいは金属板で形成され、裏面には供給された給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する分配器34を構成するパターンが形成されている。また、第2基板31bの表面には、第1螺旋素子30aの一端(給電端)が接続される第1端子33aと、第2螺旋素子30bの一端(給電端)が接続される第2端子33bと、第3螺旋素子30cの一端(給電端)が接続される第3端子33cと、第4螺旋素子30dの一端(給電端)が接続される第4端子33dとが設けられている。第1端子33a〜第4端子33dは、中央部から第2基板31bの外周縁に向かって幅広の円弧状に形成されている。第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの一端は、それぞれ第1端子33a〜第4端子33dに電気的に接続されて給電されている。また、第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの他端は、ほぼ直角に第1基板31aに向かって折曲されており、折曲された先端が第1基板31aの外周縁に位置し、外周縁に形成された穴を貫通していると共に表面のグランド32に電気的に接続されて、グランド32に短絡されている。これにより、第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dとグランド32との距離が大きくなり、高いF/B比を得ることができる。
第1基板31aの裏面に形成された分配器34のパターンは、グランド32と対面されてマイクロストリップラインとして機能し、L字状の2つのパターンで構成されており、給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する遅延線を備える分配器34とされている。分配器34は、図19に示すように給電信号が供給される入出力端子34aが直線状の若干幅広の直線パターンの一端に設けられ、この直線パターンの他端側に形成された小さいL字状のパターンの先端に0°給電信号が出力される0°アンテナ端子34bが設けられ、直線パターンと共に形成された大きいL字状のパターンの先端に90°給電信号が出力される90°アンテナ端子24cが設けられている。0°アンテナ端子34bに中心線が接続されると共に外部導体がグランド32に接続された第1給電線35aと、90°アンテナ端子34cに中心線が接続されると共に外部導体がグランド32に接続された第2給電線35bとが設けられている。第1給電線35aにより第3螺旋素子30cが構成されており、第3螺旋素子30cを構成する第1給電線35aの外部導体の一端が第3端子33cに接続され、中心導体が第1端子33aに接続される。また、第2給電線35bにより第4螺旋素子30dが構成されており、第4螺旋素子30dを構成する第2給電線35bの外部導体の一端が第4端子33dに接続され、中心導体が第2端子33bに接続される。すなわち、第1螺旋素子30aに0°アンテナ端子34bが接続され、第2螺旋素子30bに90°アンテナ端子34cが接続される。これにより、第1螺旋素子30aをホット素子、第1螺旋素子30aに対向する第3螺旋素子30cをコールド素子として0°給電信号が供給され、第2螺旋素子30bをホット素子、第2螺旋素子30bに対向する第4螺旋素子30dをコールド素子として90°給電信号が供給されて、第3実施例の円偏波アンテナ3から右旋の円偏波が放射されるようになる。なお、第1螺旋素子30aをホット素子、第3螺旋素子30cをコールド素子とする組と、第2螺旋素子30bをホット素子、第4螺旋素子30dをコールド素子とする組とは、ほぼ直交して配置されている。
第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの各螺旋素子の素子長は、使用周波数帯の中心周波数f0の自由空間波長をλとした際に、約0.35λの電気長とされている。この場合、50Ωの特性インピーダンスへの整合が可能となるが、その特性インピーダンスが高い場合は、素子長を短くしてもよい。また、第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの全体の横方向の最大長さL5は約0.25λとされ、第1基板31aに形成したグランド32の外径L4は、約0.28λとされる。また、グランド32の底面からの高さH3は、約0.075λと低姿勢とされているが、高いF/B比を得ることができる。
第3実施例の円偏波アンテナ3においては、左巻きに螺旋状に巻かれた第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの一端は隣り合う螺旋素子間において、約90°ずつ位相差がついた給電信号によりそれぞれ起電されて右旋の円偏波が放射され、第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの他端はグランド32に接続されて短絡され直流的に同電位となることから、単一指向性の右旋の円偏波が発生するようになる。
本発明の第3実施例である円偏波アンテナ3において、上記寸法とした際の右旋円偏波の指向特性を図21に示す。図21では、縦軸が振幅(dB)、横軸が角度(°)とされており、円偏波アンテナ3の鉛直方向が角度0°とされ、使用周波数帯域の中心周波数f0の指向特性を一点鎖線で、周波数0.85f0(−15%)の指向特性を実線で、周波数1.15f0(+15%)の指向特性を破線で示している。図21を参照すると、角度0°の指向性方向(第1基板31aから上に向かう鉛直方向)において比帯域30%にわたり、良好な単一指向特性が得られていることが分かる。また、本発明の第3実施例である円偏波アンテナ3において、右旋円偏波の主偏波だけでなく、右旋円偏波と左旋円偏波とを合算した総合指向性を図22に示す。一般的な円偏波アンテナにおいては、天頂方向に右旋円偏波が放射される際には、反対方向に左旋円偏波が放射され、本発明の第3実施例である円偏波アンテナ3において、上記寸法とした際の総合指向性が図22に示されている。図22を参照すると天頂方向と反対方向(プラスマイナス180°)近傍において比帯域30%に渡り−20dB以下の振幅となっており、非常に良好な総合指向性が得られていることが分かる。このように、グランド32のサイズを小さくして小型にしても、高いF/B比を得ることができると共に、高い反射波除去性能を得ることができる。なお、円偏波は反射した際に逆旋となることから、非常に良好な総合指向性が得られていることで高い反射波除去性能を得ることができるのである。さらに、本発明の第3実施例である円偏波アンテナ3において、上記寸法とした際の軸比の角度特性を図23に示す。図23では、縦軸が軸比(dB)、横軸が角度(°)とされており、円偏波アンテナ3の鉛直方向が角度0°とされ、使用周波数帯域の中心周波数f0の軸比特性を一点鎖線で、周波数0.85f0(−15%)の軸比特性を実線で、周波数1.15f0(+15%)の軸比特性を破線で示している。図23に示す軸比特性を参照すると、約150°の広角にわたって良好な軸比特性が得られる。また、比帯域30%にわたり、±75°以上で軸比3dB以下の良好な特性が得られる。
上記説明した第3実施例の円偏波アンテナ3においては、第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dのほぼ直角に折曲されてグランド32に短絡されている他端を、グランド32の外周縁から約0.025λ以上内側に位置させることで、より高いF/B比を得ることができる。また、第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの表面に電流が流れているため、第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dを樹脂などで覆うことにより、樹脂の比誘電率の作用により長さを短縮することができ、第3実施例の円偏波アンテナ3の最大外径サイズが0.28λより小型化されても上記した電気的特性と同様の電気的特性を維持することが可能となる。
<第4実施例>
本発明の第4実施例にかかる円偏波アンテナ4の構成を図24ないし図27示す。図24は第4実施例にかかる円偏波アンテナ4の構成を示す斜視図であり、図25は第4実施例にかかる円偏波アンテナ4の構成を示す上面図であり、図26は第4実施例にかかる円偏波アンテナ4の構成を示す下面図であり、図27は第4実施例にかかる円偏波アンテナ4の構成を示す正面図である。
これらの図に示す本発明の第4実施例にかかる円偏波アンテナ4は、第2実施例の円偏波アンテナ2を広帯域化するよう変形した低姿勢で単一指向性の円偏波アンテナとされている。第4実施例にかかる円偏波アンテナ4は、第1螺旋素子40a、第2螺旋素子40b、第3螺旋素子40c、第4螺旋素子40dの4本の螺旋素子を備えている。第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dは、巻き中心の軸が互いに偏心されると共に略90°間隔で配置されて略回転対象形状に第1基板41a上に配置されており、左巻きの螺旋状で巻かれて構成されている。
第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dの素子形状は、円偏波アンテナ4の給電点付近を中心とする略回転対象形状で構成され、金属板を加工して一端から中央に向かって次第に幅が広がり中央部において最も幅が広く,中央部から他端に向かって次第に幅が狭くなるよう三日月状に形成され、三日月状の内径側の長さと外径側の長さとの差を大きくすることで広帯域化を実現している。また、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dは、中央部と外周で曲率はほぼ同じとされて、略円形の形状とされている。
第4実施例にかかる円偏波アンテナ4は、プリント基板からなる円形の第1基板41aと、第1基板41aの中央部上に第1基板41aと対向するようほぼ平行に配置された第1基板41aよりかなり小さい矩形の第2基板41bとを備えている。第1基板41aの表面のほぼ全面にグランド42がパターンあるいは金属板で形成され、裏面には供給された給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する分配器44を構成するパターンが形成されている。また、第2基板41bの表面には、第1螺旋素子40aの一端(給電端)が接続される第1端子43aと、第2螺旋素子40bの一端(給電端)が接続される第2端子43bと、第3螺旋素子40cの一端(給電端)が接続される第3端子43cと、第4螺旋素子40dの一端(給電端)が接続される第4端子43dとが設けられている。第1端子43a〜第4端子43dは、中央部から第2基板41bの4隅のそれぞれに向かって斜めに設けられている。第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dの一端には、第1端子43a〜第4端子43dをそれぞれ介して給電されている。また、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dの他端は、ほぼ直角に第1基板41aに向かって折曲されており、折曲された先端が第1基板41aの外周縁に位置し、外周縁に形成された穴を貫通していると共に表面のグランド42に電気的に接続されて、グランド42に短絡されている。これにより、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dとグランド42との距離が大きくなり、高いF/B比を得ることができる。さらに、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dは、巻き中心の軸が互いに偏心されて巻かれていることから、一端と他端を除くほとんどが第1基板41aから外方へはみ出して配置されると共に、図27に示すように中央部の高さが一端の高さより高くなっている。
第1基板41aの裏面に形成された分配器44のパターンは、グランド42と対面されてマイクロストリップラインとして機能し、2本のパターンが結合するよう配置された90°ハイブリッドカプラを構成しており、図26に示すように給電信号が供給される入出力端子44aと、0°給電信号が出力される0°アンテナ端子44bと、90°給電信号が出力される90°アンテナ端子44cと、終端抵抗で終端されたアイソレーション端子44dとを備えている。また、2本のパターンの結合量を調整する2つの結合量調整端子44eが設けられている。0°アンテナ端子44bに中心線が接続されると共に外部導体がグランド42に接続された第1給電線45aと、90°アンテナ端子44cに中心線が接続されると共に外部導体がグランド42に接続された第2給電線45bとが設けられている。第1給電線45aは第2基板41bを貫通して第3端子43cに外部導体が接続され、中心導体が第1端子43aに接続される。また、第2給電線45bは第2基板41bを貫通して第4端子43dに外部導体が接続され、中心導体が第2端子43bに接続される。すなわち、第1螺旋素子40aに0°アンテナ端子44bが接続され、第2螺旋素子40bに90°アンテナ端子44cが接続される。これにより、第1螺旋素子40aをホット素子、第1螺旋素子40aに対向する第3螺旋素子40cをコールド素子として0°給電信号が供給され、第2螺旋素子40bをホット素子、第2螺旋素子40bに対向する第4螺旋素子40dをコールド素子として90°給電信号が供給されて、第4実施例の円偏波アンテナ4から右旋の円偏波が放射されるようになる。なお、第1螺旋素子40aをホット素子、第3螺旋素子40cをコールド素子とする組と、第2螺旋素子40bをホット素子、第4螺旋素子40dをコールド素子とする組とは、ほぼ直交して配置されている。
第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dの各螺旋素子の素子長は、使用周波数帯の中心周波数f0の自由空間波長をλとした際に、約0.35λの電気長とされている。この場合、50Ωの特性インピーダンスへの整合が可能となるが、その特性インピーダンスが高い場合は、素子長を短くしてもよい。また、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dの対向する螺旋素子の外径と外径との間の長さL6は約0.31λ、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dの対向する螺旋素子の内径と内径との間の長さL7は約0.24λとされる。また、グランド42の底面からの高さH4は、約0.045λと低姿勢とされている。
第4実施例の円偏波アンテナ4においては、左巻きに螺旋状に巻かれた第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dの一端は隣り合う螺旋素子間において、約90°ずつ位相差がついた給電信号によりそれぞれ起電されて右旋の円偏波が放射され、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dの他端はグランド42に接続されて短絡され直流的に同電位となることから、単一指向性の右旋の円偏波が発生するようになる。
本発明の第4実施例である円偏波アンテナ4において、上記寸法とした際の右旋円偏波の指向特性を図28に示す。図28では、縦軸が振幅(dB)、横軸が角度(°)とされており、円偏波アンテナ4の鉛直方向が角度0°とされ、使用周波数帯域の中心周波数f0の指向特性を一点鎖線で、周波数0.85f0(−15%)の指向特性を実線で、周波数1.15f0(+15%)の指向特性を破線で示している。図28を参照すると、角度0°の指向性方向(第1基板41aから上に向かう鉛直方向)において比帯域30%にわたり、ほぼ単一指向特性が得られていることが分かる。また、本発明の第4実施例である円偏波アンテナ4において、上記寸法とした際のVSWRの周波数特性を図29に示す。図29では、縦軸がVSWR、横軸が周波数を示す比帯域とされている。図29を参照するとVSWR2.0以下の比帯域が約30%にわたっており、良好なVSWR特性が得られていることが分かる。
上記説明した本発明の第4実施例である円偏波アンテナ4においては、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dのほぼ直角に折曲されてグランド42に短絡されている他端を、グランド42の外周縁から約0.025λ以上内側に位置させることで、より高いF/B比を得ることができる。また、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dの表面に電流が流れているため、第1螺旋素子40a〜第4螺旋素子40dを樹脂などで覆うことにより、樹脂の比誘電率の作用により長さを短縮することができ、第4実施例の円偏波アンテナ4がより小型化されても上記した電気的特性と同様の電気的特性を維持することが可能となる。
<第5実施例>
本発明の第5実施例にかかる円偏波アンテナ5の構成を図30ないし図33に示す。図30は第5実施例にかかる円偏波アンテナ5の構成を示す斜視図であり、図31は第5実施例にかかる円偏波アンテナ5の構成を示す上面図であり、図32は第5実施例にかかる円偏波アンテナ5の構成を示す下面図であり、図33は第5実施例にかかる円偏波アンテナ5の構成を示す正面図である。
これらの図に示す本発明の第5実施例にかかる円偏波アンテナ5は、第4実施例の円偏波アンテナ4をマルチバンド化するよう変形した低姿勢で単一指向性の円偏波アンテナとされている。第5実施例にかかる円偏波アンテナ5は、第1螺旋素子H50a、第2螺旋素子H50b、第3螺旋素子H50c、第4螺旋素子H50dの4素子からなる高域側の螺旋素子と、第1螺旋素子L50e、第2螺旋素子L50f、第3螺旋素子L50g、第4螺旋素子L50hの4素子からなる低域側の螺旋素子とを備えている。第1螺旋素子H50aの外側に近接して第1螺旋素子L50eが設けられており、同様に第2螺旋素子H50b〜第4螺旋素子H50dのそれぞれの外側にそれぞれ近接して第2螺旋素子L50f〜第2螺旋素子L50hが設けられている。低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50h、および、高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dは、巻き中心の軸が互いに偏心されると共に略90°間隔で配置されて略回転対象形状に第1基板51a上に配置されており、左巻きの螺旋状で巻かれて構成されている。低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50hの素子長は、高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dの素子長より長くされて両者は相似形状としてもよいが、相似形状としなくてもよい。ただし、隣り合う異なる位相の螺旋素子と干渉すると円偏波アンテナ5に不具合が発生するおそれがあることから、同極・同位相の低域側の螺旋素子と高域側の螺旋素子の配置距離に対して、異極・異位相の低域側の螺旋素子と高域側の螺旋素子との距離は離すことが望ましい。
このように、第5実施例の円偏波アンテナ5は、低域側の螺旋素子と高域側の螺旋素子とを備えることでマルチバンド化を実現している。また、低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50h、および、高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dは、中央部と外周で曲率はほぼ同じとされて、略円形の形状とされている。
第5実施例の円偏波アンテナ5は、プリント基板からなる円形の第1基板51aと、第1基板51aの中央部上に第1基板51aと対向するようほぼ平行に配置された第1基板51aよりかなり小さい矩形の第2基板51bとを備えている。第1基板51aの表面のほぼ全面にグランド52がパターンあるいは金属板で形成され、裏面には供給された給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する分配器54を構成するパターンが形成されている。また、第2基板51bの表面には、第1螺旋素子H50aおよび第1螺旋素子L50eの一端(給電端)が接続される第1端子53aと、第2螺旋素子H50bおよび第2螺旋素子L50fの一端(給電端)が接続される第2端子53bと、第3螺旋素子H50cおよび第3螺旋素子L50gの一端(給電端)が接続される第3端子53cと、第4螺旋素子H50dおよび第4螺旋素子L50hの一端(給電端)が接続される第4端子53dとが設けられている。第1端子53a〜第4端子53dは、中央部から第2基板51bの4隅のそれぞれに向かって斜めに設けられている。低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50hと高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dとの一端には、第1端子53a〜第4端子53dをそれぞれ介して給電されている。また、低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50hと高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dとの他端は、ほぼ直角に第1基板51aに向かって折曲されており、折曲された先端が第1基板51aの外周縁に位置し、外周縁に形成された穴を貫通していると共に表面のグランド52に電気的に接続されて、グランド52に短絡されている。これにより、低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50h、および、高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dとグランド52との距離が大きくなり、高いF/B比を得ることができる。さらに、低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50hと高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dとは、巻き中心の軸が互いに偏心されて巻かれていることから、一端と他端を除くほとんどが第1基板51aから外方へはみ出して配置されると共に、図33に示すように中央部の高さが一端の高さより高くなっている。
第1基板51aの裏面に形成された分配器54のパターンは、グランド52と対面されてマイクロストリップラインとして機能し、2本のパターンが結合するよう配置された90°ハイブリッドカプラを構成しており、図32に示すように給電信号が供給される入出力端子54aと、0°給電信号が出力される0°アンテナ端子54bと、90°給電信号が出力される90°アンテナ端子54cと、終端抵抗で終端されたアイソレーション端子54dとを備えている。また、2本のパターンの結合量を調整する2つの結合量調整端子54eが設けられている。0°アンテナ端子54bに中心線が接続されると共に外部導体がグランド52に接続された第1給電線55aと、90°アンテナ端子54cに中心線が接続されると共に外部導体がグランド52に接続された第2給電線55bとが設けられている。第1給電線55aは第2基板51bを貫通して第3端子53cに外部導体が接続され、中心導体が第1端子53aに接続される。また、第2給電線55bは第2基板51bを貫通して第4端子53dに外部導体が接続され、中心導体が第2端子53bに接続される。すなわち、第1螺旋素子H50aおよび第1螺旋素子L50eに0°アンテナ端子54bが接続され、第2螺旋素子H50bおよび第2螺旋素子L50fに90°アンテナ端子54cが接続される。これにより、第1螺旋素子H50aおよび第1螺旋素子L50eをホット素子、対向する第3螺旋素子H50cおよび第3螺旋素子L50gをコールド素子として0°給電信号が供給され、第2螺旋素子H50bおよび第2螺旋素子L50fをホット素子、対向する第4螺旋素子H50dおよび第4螺旋素子L50hをコールド素子として90°給電信号が供給されて、第5実施例の円偏波アンテナ5から右旋の円偏波が放射されるようになる。なお、第1螺旋素子H50aおよび第1螺旋素子L50eをホット素子、第3螺旋素子H50cおよび第3螺旋素子L50gをコールド素子とする組と、第2螺旋素子H50bおよび第2螺旋素子L50fをホット素子、第4螺旋素子H50dおよび第4螺旋素子L50hをコールド素子とする組とは、ほぼ直交して配置されている。
低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50hの各螺旋素子の素子長は、低域側の周波数L−f0の自由空間波長をλL0とした時に約0.35λL0の電気長とされ、低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50hの各螺旋素子の円形サイズの径は約0.17λL0とされる。また、高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dの各螺旋素子の素子長は、高域側の周波数H−f0の自由空間波長をλH0とした際に、約0.35λH0の電気長とされ、高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dの各螺旋素子の円形サイズの径は約0.17λH0とされる。これらの素子長とすると、50Ωの特性インピーダンスへの整合が可能となるが、その特性インピーダンスが高い場合は、素子長を短くしてもよい。さらに、第5実施例の円偏波アンテナ5における横方向の最大寸法は、低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50hの対向する螺旋素子の外径と外径との間の長さL8となり、長さL8は約0.3λL0とされ、第1基板51aに形成されたグランド52の直径L9は約0.25λL0とされ、長さL8より小型化される。また、グランド52の底面からの高さH5は、約0.1λL0と低姿勢とされている。
第5実施例の円偏波アンテナ5においては、左巻きに螺旋状に巻かれた素子長の長い低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50h、および、素子長の短い高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dの一端は隣り合う螺旋素子間において、約90°ずつ位相差がついた給電信号によりそれぞれ起電されて右旋の円偏波が放射され、低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50h、および、高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dの他端はグランド52に接続されて短絡され直流的に同電位となることから、単一指向性の右旋の円偏波が発生するようになる。
本発明の第5実施例の円偏波アンテナ5において、上記寸法とした際の右旋円偏波の低域側の指向特性を図34に示す。図34では、低域側の周波数L−f0が1150MHzとされ、縦軸が振幅(dB)、横軸が角度(°)とされており、円偏波アンテナ5の鉛直方向が角度0°とされ、周波数L−f0の指向特性を一点鎖線で、周波数0.88L−f0(−12%)の指向特性を実線で、周波数1.13L−f0(+12%)の指向特性を破線で示している。図34を参照すると、角度0°の指向性方向(第1基板51aから上に向かう鉛直方向)において比帯域24%にわたり、ほぼ単一指向特性が得られていることが分かる。また、上記寸法とした際の右旋円偏波の高域側の指向特性を図35に示す。図35では、高域側の周波数H−f0が1750MHzとされ、縦軸が振幅(dB)、横軸が角度(°)とされており、円偏波アンテナ5の鉛直方向が角度0°とされ、周波数H−f0の指向特性を一点鎖線で、周波数0.67H−f0(−33%)の指向特性を実線で、周波数1.33H−f0(+33%)の指向特性を破線で示している。図35を参照すると、角度0°の指向性方向(第1基板51aから上に向かう鉛直方向)において比帯域66%にわたり、ほぼ単一指向特性が得られていることが分かる。
本発明の第5実施例の円偏波アンテナ5において、上記寸法とした際の軸比の低域側の周波数特性を図36に示す。図36では、低域側の周波数L−f0が1150MHzとされ、縦軸が軸比(dB)、横軸が周波数を示す比帯域とされている。図36に示す軸比特性は、1150MHzの天頂側における最良軸比特性であり、図36を参照すると軸比2.0dB以下の比帯域が約20%にわたっており、良好な軸比特性が得られていることが分かる。また、上記寸法とした際の軸比の高域側の周波数特性を図37に示す。図37では、高域側の周波数H−f0が1750MHzとされ、縦軸が軸比(dB)、横軸が周波数を示す比帯域とされている。図37に示す軸比特性は、1750MHzの天頂側における最良軸比特性であり、図37を参照すると軸比1.0dB以下の比帯域が約60%にわたっており、良好な軸比特性が得られていることが分かる。
本発明の第5実施例の円偏波アンテナ5において、上記寸法とした際の軸比の低域側および高域側の角度特性を図36に示す。図36では、低域側の周波数L−f0が1150MHz、高域側の周波数H−f0が1750MHzとされ、縦軸が軸比(dB)、横軸が角度(°)とされている。図36に示す軸比特性では、周波数H−f0(1750MHz)の軸比特性を実線で、周波数L−f0(1150MHz)の軸比特性を一点鎖線で示している。図36を参照すると、軸比3.0dB以下で低域側では約130°の角度範囲が、高域側で約140°の角度範囲が得られており、非常に良好な軸比特性が得られていることが分かる。
また、本発明の第5実施例の円偏波アンテナ5において、上記寸法とした際のVSWRの周波数特性を図39に示す。図39は、縦軸がVSWR、横軸が0.5GHz〜10.0GHzの周波数(GHz)とされている。図39に示すVSWRの周波数特性では、VSWRを実線で示しており、参考として携帯電話で使用する周波数帯と衛星測位で使用する周波数帯を実線で示している。図39を参照すると衛星測位の周波数帯では2.0以下のVSWRが得られており、携帯電話の周波数帯ではほぼ3.0以下のVSWRが得られており、衛星測位の周波数帯を満足すると同時に、携帯電話の周波数帯でも同時に整合可能で、RTK(Realtime Kinematic)として使用する際、測位衛星と地上回線とを第5実施例の円偏波アンテナ5により同時に運用可能となる。なお、携帯電話の周波数帯は、700MHz帯、800MHz帯、900MHz帯の携帯電話帯、および、920MHz帯の特定小電力無線帯と1.5GHz帯、1.7GHz帯、2.0GHzの携帯電話帯となる。また、衛星測位の周波数帯は、L1帯ないしL6帯において約1170MHz〜1580MHzとなる。このように、本発明の第5実施例の円偏波アンテナ5は、衛星測位の周波数帯および携帯電話の周波数帯においてマルチバンド化できることが分かる。
なお、第5実施例の円偏波アンテナ5においては、低域側の第1螺旋素子L50e〜第4螺旋素子L50hと高域側の第1螺旋素子H50a〜第4螺旋素子H50dとの他端を折曲してグランド52に接続することに替えて、折曲することなくその先端を外周縁に形成された穴に貫通させて表面のグランド52に電気的に接続するようにしてもよい。
<第6実施例>
本発明の第6実施例にかかる円偏波アンテナ6の構成を図40ないし図43に示す。図40は第6実施例にかかる円偏波アンテナ6の構成を示す斜視図であり、図41は第6実施例にかかる円偏波アンテナ6の構成を示す上面図であり、図42は第6実施例にかかる円偏波アンテナ6の構成を示す下面図であり、図43は第6実施例にかかる円偏波アンテナ6の構成を示す正面図である。
これらの図に示す本発明の第6実施例にかかる円偏波アンテナ6は、第3実施例の円偏波アンテナ3をマルチバンド化するよう変形した低姿勢で単一指向性の円偏波アンテナとされている。第6実施例にかかる円偏波アンテナ6は、第1螺旋素子H60a、第2螺旋素子H60b、第3螺旋素子H60c、第4螺旋素子H60dの4素子からなる高域側の螺旋素子と、第1螺旋素子L60e、第2螺旋素子L60f、第3螺旋素子L60g、第4螺旋素子L60hの4素子からなる低域側の螺旋素子とを備えている。第1螺旋素子H60aの外側に近接して第1螺旋素子L60eが設けられており、同様に第2螺旋素子H60b〜第4螺旋素子H60dのそれぞれの外側にそれぞれ近接して第2螺旋素子L60f〜第2螺旋素子L60hが設けられている。低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60h、および、高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dは、巻き中心の軸が互いに偏心されると共に互いにほぼ等間隔になるよう略90°間隔でそれぞれ第1基板61a上に配置されて左巻きの螺旋状で巻かれて構成されている。低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60hの素子長は、高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dの素子長より長くされて両者は相似形状としてもよいが、相似形状としなくてもよい。ただし、隣り合う異なる位相の螺旋素子と干渉すると円偏波アンテナ6に不具合が発生するおそれがあることから、同極・同位相の低域側の螺旋素子と高域側の螺旋素子の配置距離に対して、異極・異位相の低域側の螺旋素子と高域側の螺旋素子との距離は離すことが望ましい。
このように、第6実施例の円偏波アンテナ6は、低域側の螺旋素子と高域側の螺旋素子とを備えることでマルチバンド化を実現している。低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60hと高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dとは、所望の太さの同軸ケーブル(セミリジッドケーブルでもよい)や金属パイプなどで構成されている。低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60h、および、高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dの素子形状は、円偏波アンテナ6の給電点付近を中心とする略回転対象形状で構成され、中央では曲率が大きく、外周に向かうにつれ曲率が小さくなる形状となっている。低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60h、および、高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dは、等角螺旋、アルキメデススパイラル、黄金螺旋等の形状とすることができる。
第6実施例の円偏波アンテナ6は、プリント基板からなる円形の第1基板61aと、第1基板61aの中央部上に第1基板61aと対向するようほぼ平行に配置された第1基板61aよりかなり小さい円形の第2基板61bとを備えている。第1基板61aの表面には給電の配線パターンが形成され、裏面にはほぼ全面にグランド62が形成されていると共に、供給された給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する分配器64が設けられている。また、第2基板61bの表面には、第1螺旋素子H60aおよび第1螺旋素子L60eの一端(給電端)が接続される第1端子63aと、第2螺旋素子H60bおよび第2螺旋素子L60fの一端(給電端)が接続される第2端子63bと、第3螺旋素子H60cおよび第3螺旋素子L60gの一端(給電端)が接続される第3端子63cと、第4螺旋素子H60dおよび第4螺旋素子L60hの一端(給電端)が接続される第4端子63dとが設けられている。第1端子63a〜第4端子63dは、中央部から第2基板61bの外周縁に向かって次第に幅広となる円弧状に形成されている。低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60hと高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dとの一端には、第1端子63a〜第4端子63dをそれぞれ介して給電されている。また、低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60hと高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dとの他端は、ほぼ直角に第1基板61aに向かって折曲されており、折曲された先端が第1基板61aの外周縁に位置し、外周縁に形成された穴を貫通していると共に裏面のグランド62に電気的に接続されて、グランド62に短絡されている。これにより、低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60h、および、高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dとグランド62との距離が大きくなり、高いF/B比を得ることができる。
第1基板61aの裏面に設けられた分配器64は、同軸線で構成された90°ハイブリッドとされている。分配器64は、給電ケーブル66から給電信号が供給される入出力端子と、0°給電信号が出力される0°アンテナ端子64bと、90°給電信号が出力される90°アンテナ端子64cと、アイソレーション抵抗64dで終端されたアイソレーション端子とを備えている。0°アンテナ端子64bおよび90°アンテナ端子64cは、第1基板61aの表面に形成されたパターンによりそれぞれ延伸されて、延伸された0°アンテナ端子64bに中心線が接続されると共に外部導体がグランド62に接続された第1給電線65aと、延伸された90°アンテナ端子64cに中心線が接続されると共に外部導体がグランド62に接続された第2給電線65bとが設けられている。
第1給電線65aにより第3螺旋素子H60cが構成されており、第3螺旋素子H60cを構成する第1給電線65aの外部導体の一端が第3端子63cに接続され、中心導体が第1端子63aに接続される。また、第2給電線65bにより第4螺旋素子H60dが構成されており、第4螺旋素子H60dを構成する第2給電線65bの外部導体の一端が第4端子63d接続され、中心導体が第2端子63bに接続される。すなわち、第1螺旋素子H60aおよび第1螺旋素子L60eに0°アンテナ端子64bが接続され、第2螺旋素子H60bおよび第2螺旋素子L60fに90°アンテナ端子64cが接続される。
これにより、第1螺旋素子H60aおよび第1螺旋素子L60eをホット素子、対向する第3螺旋素子H60cおよび第3螺旋素子L60gをコールド素子として0°給電信号が供給され、第2螺旋素子H60bおよび第2螺旋素子L60fをホット素子、対向する第4螺旋素子H60dおよび第4螺旋素子L60hをコールド素子として90°給電信号が供給されて、第6実施例の円偏波アンテナ6から右旋の円偏波が放射されるようになる。なお、第1螺旋素子H60aおよび第1螺旋素子L60eをホット素子、第3螺旋素子H60cおよび第3螺旋素子L60gをコールド素子とする組と、第2螺旋素子H60bおよび第2螺旋素子L60fをホット素子、第4螺旋素子H60dおよび第4螺旋素子L60hをコールド素子とする組とは、ほぼ直交して配置されている。
低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60hの各螺旋素子の素子長は、低域側の周波数L−f0の自由空間波長をλL0とした時に約0.35λL0の電気長とされている。また、高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dの各螺旋素子の素子長は、高域側の周波数H−f0の自由空間波長をλH0とした際に、約0.35λH0の電気長とされている。これらの素子長とすると、50Ωの特性インピーダンスへの整合が可能となるが、その特性インピーダンスが高い場合は、素子長を短くしてもよい。さらに、第6実施例の円偏波アンテナ6における横方向の最大寸法である第1基板61aの直径となる長さL10は約0.3λL0とされ、グランド62の底面からの高さH6は、約0.035λL0と非常に低姿勢とされている。
第6実施例の円偏波アンテナ6においては、左巻きに螺旋状に巻かれた素子長の長い低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60h、および、素子長の短い高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dの一端は隣り合う螺旋素子間において、約90°ずつ位相差がついた給電信号によりそれぞれ起電されて右旋の円偏波が放射され、低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60h、および、高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dの他端はグランド62に接続されて短絡され直流的に同電位となることから、単一指向性の右旋の円偏波が発生するようになる。
本発明の第6実施例の円偏波アンテナ6の電気的特性は、第5実施例の円偏波アンテナ5における図34ないし図39に示す電気的特性とほぼ同様となる。
なお、第6実施例の円偏波アンテナ6においては、低域側の第1螺旋素子L60e〜第4螺旋素子L60hと高域側の第1螺旋素子H60a〜第4螺旋素子H60dとの他端を折曲してグランド62に接続することに替えて、折曲することなくその先端を外周縁に形成された穴に貫通させて表面のグランド62に電気的に接続するようにしてもよい。
また、第6実施例の円偏波アンテナ6において、並列に給電される低域側の螺旋素子と高域側の螺旋素子との間を導体で補完して一端から他端に向かって次第に幅が広がる形状の1つの螺旋素子としてもよい。この場合、低域側の螺旋素子と高域側の螺旋素子とを兼用する1つの螺旋素子は、第4実施例の円偏波アンテナ4に示すように幅広に形成されるが、他端側において最も広い幅となる。
<実施例の円偏波アンテナの適用例>
図44は第1実施例の円偏波アンテナ1を備える本発明にかかるアンテナ装置100の構成を示す斜視図であり、図45は本発明にかかるアンテナ装置100を適用したヘルメットの構成を示す斜視図であり、図46(a)は本発明にかかるアンテナ装置100を適用した履き物の構成を示す斜視図、図46(b)はその上面図、図46(c)はその側面図である。
本発明にかかるアンテナ装置100は、樹脂製のアンテナケース101を備えており、アンテナケース101内に第1実施例の円偏波アンテナ1が水密に収納されている。アンテナケース101は、お椀を伏せた形状の上部ケースと、上部ケースの開口された下面を閉塞する円形の蓋部とから構成されている。アンテナ装置100においては、使用帯域にもよるが直径φを約70mm以下とすることができる。これにより、図45に示すようにヘルメット200の頂部に装着して、アンテナ装置100を携帯電話のアンテナや衛星測位のアンテナとして使用可能とすることができる。この場合、第1実施例の円偏波アンテナ1では反射板を必要としないことから、樹脂製のヘルメット200にマジックテープ(登録商標)や接着材などで固着すればよく、第1実施例の円偏波アンテナ1は本来の性能を十分発揮するようになる。
また、アンテナ装置100は、底面部が平面状とされていると共に小型化されていることから、図46(a)〜図46(c)に示すように靴などの履き物210の足の甲の上の部位にアンテナ装置100を装着して、アンテナ装置100を携帯電話のアンテナや衛星測位のアンテナとして使用可能とすることができる。さらに、履き物210に限らず人体への装着(ウエアラブル)や、ドローンなど底面の取付幅が限られる場所にも取り付けることができる。
なお、アンテナ装置100はアンテナケース101内に第1実施例の円偏波アンテナ1が水密に収納されているとしたが、第2実施例の円偏波アンテナ2ないし第6実施例の円偏波アンテナ6のいずれかをアンテナケース101内に収納するようにしてもよい。
図47(a)は第2実施例の円偏波アンテナ2を備える本発明にかかるアンテナ装置110の構成を示す斜視図であり、図47(b)はアンテナ装置110をマスト220に取り付けた構成を示す正面図である。
本発明にかかるアンテナ装置110は、樹脂製のアンテナケース102を備えており、アンテナケース102内に第2実施例の円偏波アンテナ2が水密に収納されている。アンテナケース102は、内部が収納空間とされた円盤状の上部ケースと、上部ケースの下面の中央から下方へ向かって延伸された上部ケースの径よりかなり小さい径の円筒状の嵌合部102aとから構成されている。アンテナ装置110は、マスト220の先端部に嵌合部102aを嵌合することにより、取り付けることができる。アンテナ装置110をRTK用としてマスト220に固着する際でも、嵌合部102aの径を小型にすることができる。アンテナ装置110は、円偏波の送受信用のアンテナとして用いることができ、送受信信号は給電ケーブル26を介して伝達されるようになる。
なお、アンテナ装置110はアンテナケース102内に第2実施例の円偏波アンテナ2が水密に収納されているとしたが、第1実施例の円偏波アンテナ1あるいは第3実施例の円偏波アンテナ3ないし第6実施例の円偏波アンテナ6のいずれかをアンテナケース102内に収納するようにしてもよい。
<第7実施例>
本発明の第7実施例にかかる円偏波アンテナ7の構成を示す斜視図を図48に示し、第7実施例にかかる円偏波アンテナ7を複数スタックした本発明に係るアンテナ装置120の構成を斜視図で示す組立図を図49に示す。
第7実施例にかかる円偏波アンテナ7は、第3実施例の円偏波アンテナ3をスタックできるように変形した構成とされている。図48に示す第7実施例の円偏波アンテナ7は、第1螺旋素子30a、第2螺旋素子30b、第3螺旋素子30c、第4螺旋素子30dを備えているが、これらの4本の螺旋素子の構成は第3実施例の円偏波アンテナ3と同様とされているので、その説明は省略する。
第7実施例にかかる円偏波アンテナ7は、プリント基板からなる円形の第1基板71aと、第1基板71aの中央部上に第1基板71aと対向するようほぼ平行に配置された第1基板71aよりかなり径の小さい円形の第2基板71bとを備えている。第1基板71aの表面には、ほぼ全面にグランド72がパターンあるいは金属板で形成され、裏面には給電ケーブル74から供給された給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する図示しない分配器を構成するパターンが形成されている。第1基板71aの中央には支柱を挿通するための円形の第1貫通孔73が形成され、第1貫通孔73の周囲に給電ケーブルを挿通するための円形とされた小径の挿通孔が複数形成されている。また、第2基板71bの中央には第1貫通孔73に重なるように同形状の第2貫通孔75が形成され、第2貫通孔75の周囲に給電ケーブルを挿通するための円形とされた小径の挿通孔が複数形成されている。第2基板71bの表面には、第1螺旋素子30aの一端(給電端)が接続されるリング状のホットパターン77aが第2貫通孔75を取り囲むように形成され、第3螺旋素子30cの一端(給電端)が接続される2本の円弧状のコールドパターン77bがホットパターン77aの外側に形成されている。また、図示していないが第2基板71bの裏面には、第2螺旋素子30bの一端(給電端)が接続されるリング状のホットパターンが第2貫通孔75を取り囲むようにホットパターン77aを約90°回転した位置に形成され、第4螺旋素子30dの一端(給電端)が接続される2本の円弧状のコールドパターンがホットパターンの外側にコールドパターン37bをほぼ90°回転した位置に形成されている。
第1基板71aの裏面に形成された分配器の0°アンテナ端子に中心線が接続されると共に外部導体がグランド72に接続された第3螺旋素子30cを構成する第1給電線と、90°アンテナ端子に中心線が接続されると共に外部導体がグランド72に接続された第4螺旋素子30dを構成する第2給電線とが設けられている。第1給電線の外部導体の一端がコールドパターン77bに接続され、中心導体がホットパターン77aに接続される。また、第2給電線の外部導体の一端が第2基板71bの裏面に形成されたコールドパターンに接続され、中心導体が第2基板71bの裏面に形成されたホットパターンに接続される。すなわち、第1螺旋素子30aに0°アンテナ端子が接続され、第2螺旋素子30bに90°アンテナ端子が接続される。これにより、第1螺旋素子30aをホット素子、第1螺旋素子30aに対向する第3螺旋素子30cをコールド素子として0°給電信号が供給され、第2螺旋素子30bをホット素子、第2螺旋素子30bに対向する第4螺旋素子30dをコールド素子として90°給電信号が供給されて、第3実施例の円偏波アンテナ3から右旋の円偏波が放射されるようになる。
上記したように、 第7実施例の円偏波アンテナ7においては、左巻きに螺旋状に巻かれた第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの一端は隣り合う螺旋素子間において、約90°ずつ位相差がついた給電信号によりそれぞれ起電されて右旋の円偏波が放射され、第1螺旋素子30a〜第4螺旋素子30dの他端はグランド72に接続されて短絡され直流的に同電位となることから、単一指向性の右旋の円偏波が発生するようになる。
図49に示すアンテナ装置120は、第7実施例の円偏波アンテナ7が4段縦にスタックされて構成されている。アンテナ装置120は、4段にスタックされた第7実施例の円偏波アンテナ7からなるアンテナ部120aを収納する樹脂製のアンテナカバー121と、アンテナカバー121の開口面である下面を閉塞する金属製のカバー基部122とを備えている。アンテナ部120aは、先端に避雷針123が装着された避雷導管124がほぼ中心軸上に配置され、第7実施例の円偏波アンテナ7である円偏波アンテナ7−1、円偏波アンテナ7−2、円偏波アンテナ7−3、円偏波アンテナ7−4の第1貫通孔73および第2貫通孔75に避雷導管124が挿通されて、円偏波アンテナ7−1〜円偏波アンテナ7−4が支柱とされる避雷導管124に固着されている。この場合、円偏波アンテナ7−1〜円偏波アンテナ7−4はほぼ90°ずつ互いに回転されて配置されており、指向性を互いに補うようにしている。
最下段の円偏波アンテナ7−1の下には円形の第1基板125および第2基板126が配置されており、第1基板125には円偏波アンテナ7−1〜円偏波アンテナ7−4に給電信号をそれぞれ供給する4分配器が設けられており、4分配器においては円偏波アンテナ7−1〜円偏波アンテナ7−4に給電する給電信号の位相と振幅を調整可能とされている。また、第2基板126の裏面にはアンテナ装置120の送受信信号が入出力される同軸端子128が設けられている。第1基板125からの給電信号は給電ケーブル127により円偏波アンテナ7−1〜円偏波アンテナ7−4のそれぞれに供給される。給電ケーブル127は、第1基板71aおよび第2基板71bに形成されている小径の挿通孔に挿通されて下段から上段へ延伸されている。
上記のように構成された本発明にかかるアンテナ装置120をマスト130で支持する構成を示す正面図を図50に示す。図50に示すように、アンテナ装置120のカバー基部122の周囲が取付金具131の一端側により挟持されて固着され、取付金具131の他端側によりマスト130の先端部が挟持されて固着されている。これにより、本発明にかかるアンテナ装置120を直立した状態でマスト130に取り付けて支持することができる。
本発明にかかるアンテナ装置120の指向特性を図51に示す。図51に示す指向特性は右旋円偏波の指向特性とされており、縦軸が振幅(dB)、横軸が角度(°)とされており、アンテナ装置120の鉛直方向が角度0°とされ、使用周波数帯域の中心周波数f0の指向特性が実線で示されている。図51を参照すると、−7dB以内の角度範囲が約190°とされた広角度範囲の単一指向特性が得られていることが分かる。これは、アンテナ装置120において、円偏波アンテナ7−1〜円偏波アンテナ7−4をほぼ90°ずつ互いに回転して配置して、指向性を互いに補うようにしたことに基づいている。
なお、アンテナ装置120では、第3実施例の円偏波アンテナ3をスタックできるように変形した第7実施例にかかる円偏波アンテナ7をスタックするようにしたが、第1実施例の円偏波アンテナ1、第2実施例の円偏波アンテナ2あるいは第4実施例の円偏波アンテナ4ないし第6実施例の円偏波アンテナ6のいずれかを本発明にかかる他の実施例の円偏波アンテナをスタックできるよう第7実施例にかかる円偏波アンテナ7と同様に変形して、変形した円偏波アンテナをスタックするようにしてもよい。
<実施例の円偏波アンテナの適用例>
図44に示す本発明に係るアンテナ装置100を適用した他の適用例の構成を示す斜視図を図52に示す。図52に示すアンテナ140は右旋および左旋の円偏波を送受信できるアンテナとされ、縦に長い直方体状のケース141を備えている。ケース141の前面にはアンテナ装置100−1とアンテナ装置100−2とが装着されている。アンテナ装置100−1は左旋アンテナとされ、アンテナ装置100−2は右旋アンテナとされている。この場合、アンテナ装置100−1に内蔵されている第1実施例の円偏波アンテナ1の4本の螺旋素子は右巻きに巻かれて左旋円偏波の送受信が可能とされ、アンテナ装置100−2に内蔵されている第1実施例の円偏波アンテナ1の4本の螺旋素子は左巻きに巻かれて右旋円偏波の送受信が可能とされている。アンテナ140は、右旋および左旋の円偏波を送受信できることから偏波ダイバーシティに適用することができる。
なお、アンテナ装置100−1およびアンテナ装置100−2内には第1実施例の円偏波アンテナ1ないし第6実施例の円偏波アンテナ6のいずれかが収納されている。
<ダイバーシティ通信システム>
本発明の実施例である円偏波アンテナが適用された右旋および左旋の円偏波を送受信できるアンテナを備えるダイバーシティ通信システムの構成を示すブロック図を図53に示す。図53(a)はダイバーシティ通信システムの構成を示すブロック図であり、図53(b)はそのダイバーシティ通信機の構成を示すブロック図である。
地上無線通信回線ではフェージングが存在し、通信距離および通信の安定性に対して大きな妨げになっている。このフェージングに対してマージンを補完するために、送信出力の増大を行うとコストが高くなったり、伝送レートが制限されるようになる。ダイバーシティは、無線技術の一つであり、電波の相互干渉によるフェージングの影響を防ぐために、複数のアンテナから電波を受信し、質の良い信号を選択したり、信号を合成したりして通信の質や信頼性を上げる技術である。ダイバーシティには、距離を離して設置した複数のアンテナで受信する空間ダイバーシティ、複数の異なった偏波を受信するアンテナを設置する偏波ダイバーシティ、信号伝送を一定時間ずらして複数回行う時間ダイバーシティなどがある。
図53(a)に示すダイバーシティ通信システムは、右旋の円偏波と左旋の円偏波とを用いる偏波ダイバーシティによるダイバーシティ通信を行うようにされた構成例を示している。このダイバーシティ通信システムは、右旋および左旋の円偏波を送受信できるアンテナ140−1を備えるダイバーシティ通信機230−1と、右旋および左旋の円偏波を送受信できるアンテナ140−2を備えるダイバーシティ通信機230−2とを備えている。アンテナ140−1およびアンテナ140−1に、本発明に係るアンテナ140を適用することができる。
ダイバーシティ通信機230−1およびダイバーシティ通信機230−2の構成は同様とされていることから、代表としてダイバーシティ通信機230−1の構成を示すブロック図を図53(b)に示して説明する。ダイバーシティ通信機230−1は、例えば水位計などからのデータを符号化および変調して送信信号を送出する送信機233と、受信信号を復調および複合化して元のデータとする受信機234と、送信と受信とを切り替える送・受切替器232と、アンテナ140−1が送受信する円偏波の旋回方向を右旋と左旋とで切り替えるアンテナ切替器231と、各部の制御を行うマイクロコントローラ235とで構成されている。
ダイバーシティ通信機230−1の動作を説明するが、各部の動作はマイクロコントローラ235により制御されている。送信時においては、送・受切替器232が送信に切り替えられることから、送信機233より送出された送信信号は、送・受切替器232を介してアンテナ切替器231に送られる。アンテナ切替器231では、例えば右旋の円偏波アンテナに切り替えられて、アンテナ140−1から右旋の円偏波で送信信号が送信される。送信された右旋の円偏波の送信信号は、受信側のダイバーシティ通信機230−2におけるアンテナ140−2で受信され、アンテナ切替器231により右旋の円偏波アンテナで受信された受信信号が送・受切替器232に送られるように切り替えられる。送・受切替器232では受信信号を受信機234に供給するよう切り替える。受信機234で受信された信号の受信レベルが、規定の受信レベルに達している場合は受信可と判断されて、元のデータを受信することができる。
また、受信機234で受信された信号の受信レベルが、規定の受信レベルに達していない場合は、受信側のダイバーシティ通信機230−2において、左旋の円偏波アンテナで受信された受信信号が送・受切替器232に送られるようにアンテナ切替器231が切り替えられる。これにより、受信機234で受信された信号の受信レベルが、規定の受信レベルに達している場合は受信可と判断して、元のデータを受信することができる。これは、円偏波は反射されると逆旋の偏波になると共に、1回反射された電波のレベルは比較的大きく、逆旋の偏波を受信した方が受信レベルが高くなる場合があるからである。
このように、ダイバーシティ通信システムでは、以下の(1)ないし(4)の組み合わせで通信を行うことができ、規定の受信レベルが得られるまで以下の(1)ないし(4)の組み合わせに順次切り替えて通信を行うようにしてもよい。
(1)[送信側]右旋円偏波:[受信側]右旋円偏波
(2)[送信側]右旋円偏波:[受信側]左旋円偏波
(3)[送信側]左旋円偏波:[受信側]左旋円偏波
(4)[送信側]左旋円偏波:[受信側]右旋円偏波
なお、ダイバーシティ通信システムでは、規定の受信レベルが得られた際に、受信側が送信側に通信が確立したことを報せるデータを送信するようにしてもよい。
上記したダイバーシティ通信システムでは、降雨や降雨による地面の変化および水田や河川の水位の変化、もしくは、潮位の変化などにより生じるフェージングの影響を低減することが可能である。このことから、水位計のデータを送信する場合には、上記したダイバーシティ通信システムを用いると特に効果を発揮することになる。また、右旋と左旋の円偏波アンテナの物理的な位置が異なることから、空間ダイバーシティとしても機能するため、伝搬路の相関性が下がり、偏波ダイバーシティおよび空間ダイバーシティの双方の効果が得られ、フラットフェージングだけでなく、車等の遮蔽等に基づく選択性フェージングにも効果を発揮し安定した通信が可能となる。
上記説明した本発明の実施例の円偏波アンテナは、4本の螺旋素子が、巻き中心の軸が互いに偏心されると共に、略90°間隔で配置されて略回転対象形状に基板上に配置され、隣り合う前記螺旋素子間の位相差が約90°とされていることから、基板からの高さが横方向の最大長さの約30%以下と低姿勢とすることができる。この場合、4本の螺旋素子はなめらかな曲線状として示したが、これに限ることはなくなめらかな曲線状を近似する多角形状としてもよい。さらに、4本の螺旋素子で構成される2組のホット素子とコールド素子との他端が直流的に同電位となるようグランドに接続されることにより、単一指向性とすることができる。
また、上記説明した本発明の実施例の円偏波アンテナにおいては、グランドは略円形として示したが、各実施例の円偏波アンテナにおける全ての螺旋素子の他端を同電位とすることができる形状とされていれば略円形の形状とする必要はない。また、グランドの一部が切り欠かれていてもよい。
さらに、巻き中心の軸が互いに偏心していると、同一巻き数の間に通る経路長が長くなり、その結果ピッチが短くなったことと同様の効果が得られ、さらに高さを低くすることができる。これにより、小型化を実現することができる。
また、上記説明した本発明の実施例の円偏波アンテナにおいて、素子長の長い低域側の第1螺旋素子〜第4螺旋素子の内側に、素子長の短い高域側の第1螺旋素子〜第4螺旋素子を配置して、低域側の第1螺旋素子〜第4螺旋素子と、当該螺旋素子に対応する高域側の第1螺旋素子〜第4螺旋素子とに並列に給電することにより、マルチバンド化および広帯域化を実現することができる。
さらに、上記説明した本発明の実施例の円偏波アンテナは、低姿勢化されていることから円筒状あるいは直方体状のアンテナケースに収納しても小型化することができる。
さらにまた、上記説明した本発明の各実施例の円偏波アンテナにおいては、第1螺旋素子ないし第4螺旋素子の材質として、アルミニウムや銅合金などの良導体を用いることができる。ただし、給電も行う第1螺旋素子ないし第4螺旋素子は同軸ケーブルが用いられる。この同軸ケーブルとしてセミリジッドケーブルとしてもよい、セミリジッドケーブルは、シールド導体が銅やニッケル、ステンレスなどのパイプでできた同軸線であり、最終的に使用する形状に簡単に曲げられ、曲げられた後もその形を維持することができる。また、プリント板による基板に替えて、絶縁性の基板上に導電フィルムや金属板によってパターンを設けるようにしてもよい。
さらにまた、上記説明した本発明の実施例の円偏波アンテナにおいては、給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する分配器として、第1実施例の円偏波アンテナ1においてはチップ化された90°ハイブリッドが用いられ、第2実施例、第4実施例、第5実施例の円偏波アンテナ2,4,5においては90°ハイブリッドカプラが用いられ、第6実施例の円偏波アンテナ6においては同軸線で構成された90°ハイブリッドが用いられている。これらの3種類の分配器は、上記のように実施例に限定されるものではなく、各実施例の円偏波アンテナにおいては、上記3種類のいずれの分配器でも用いることができる。また、第3実施例の円偏波アンテナ3においては遅延線を備える分配器が用いられているが、遅延線を備える分配器を各実施例の円偏波アンテナにおいて用いるようにしてもよい。
1〜7 円偏波アンテナ、10a〜10d 第1螺旋素子〜第4螺旋素子、11 基板、12a グランド板、12b グランド、18 分配器、18a 入出力端子、18b 0°アンテナ端子、18c 90°アンテナ端子、18d アイソレーション端子、20a〜20d 第1螺旋素子〜第4螺旋素子、21a 第1基板、21b 第2基板、22 グランド、23a〜23d 第1端子〜第4端子、24 分配器、24a 入出力端子、24b 0°アンテナ端子、24c 90°アンテナ端子、24d アイソレーション端子、24e 結合量調整端子、25a 第1給電線、25b 第2給電線、26 給電ケーブル、30a〜30d 第1螺旋素子〜第4螺旋素子、31a 第1基板、31b 第2基板、32 グランド、33a〜33d 第1端子〜第4端子、34 分配器、34a 入出力端子、34b 0°アンテナ端子、34c 90°アンテナ端子、35a 第1給電線、35b 第2給電線、40a〜40d 第1螺旋素子〜第4螺旋素子、41a 第1基板、41b 第2基板、42 グランド、43a〜43d 第1端子〜第4端子、44 分配器、44a 入出力端子、44b 0°アンテナ端子、44c 90°アンテナ端子、44d アイソレーション端子、44e 結合量調整端子、45a 第1給電線、45b 第2給電線、H50a〜H50d 高域側の第1螺旋素子〜第4螺旋素子、L50e〜L50h 低域側の第1螺旋素子〜第4螺旋素子、51a 第1基板、51b 第2基板、52 グランド、53a〜53d 第1端子〜第4端子、54 分配器、54a 入出力端子、54b 0°アンテナ端子、54c 90°アンテナ端子、54d アイソレーション端子、54e 結合量調整端子、55a 第1給電線、55b 第2給電線、H60a〜H60d 高域側の第1螺旋素子〜第4螺旋素子、L60e〜L60h 低域側の第1螺旋素子〜第4螺旋素子、61a 第1基板、61b 第2基板、62 グランド、63a〜63d 第1端子〜第4端子、64 分配器、64b 0°アンテナ端子、64c 90°アンテナ端子、64d アイソレーション抵抗、65a 第1給電線、65b 第2給電線、66 比帯域、66 給電ケーブル、71a 第1基板、71b 第2基板、72 グランド、73 第1貫通孔、74 給電ケーブル、75 第2貫通孔、77a ホットパターン、77b コールドパターン、100 アンテナ装置、101 アンテナケース、102 アンテナケース、102a 嵌合部、110 アンテナ装置、120 アンテナ装置、120a アンテナ部、121 アンテナカバー、122 カバー基部、123 避雷針、124 避雷導管、125 第1基板、126 第2基板、127 給電ケーブル、128 同軸端子、130 マスト、131 取付金具、140,140−1,140−2 アンテナ、141 ケース、200 ヘルメット、210 履き物、220 マスト、230 ダイバーシティ通信機、231 アンテナ切替器、232 送・受切替器、233 送信機、234 受信機、235 マイクロコントローラ、500 円偏波アンテナ、530,532,534,536 遅延線、540,542,544,546 ヘリカルアンテナエレメント、548 プリント基板

Claims (10)

  1. グランドが形成された基板と、
    巻き中心の軸が互いに偏心されると共に、略90°間隔で配置されて略回転対象形状に前記基板上に配置されており、前記基板の中央部上において一端に給電され他端が前記グランドに接続されている4本の螺旋素子と、
    前記基板に設けられ、供給された給電信号を位相が約0°の0°給電信号と位相が約90°の90°給電信号とに分配して出力する分配器とを備え、
    前記4本の螺旋素子における対向する2本の螺旋素子をホット素子とコールド素子とする2組が構成されて、一方の組に前記0°給電信号が供給され、他方の組に前記90°給電信号が供給されて、隣り合う前記螺旋素子間の位相差が約90°とされ、前記基板からの高さが、横方向の最大長さの約30%以下とされていることを特徴とする円偏波アンテナ。
  2. 前記螺旋素子は、中央では曲率が大きく、外周に向かうにつれ曲率が小さくなる形状とされ、使用周波数帯の中心周波数の自由空間波長をλとした際に、前記基板からの高さが約0.04λとされていることを特徴とする請求項1に記載の円偏波アンテナ。
  3. 前記螺旋素子は、略円形状とされ、使用周波数帯の中心周波数の自由空間波長をλとした際に、前記基板からの高さが約0.03λとされていることを特徴とする請求項1に記載の円偏波アンテナ。
  4. 前記4本の螺旋素子は、前記一端から前記他端に向かって次第に幅が広がる形状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の円偏波アンテナ。
  5. 前記4本の螺旋素子は、素子長の長い低域側の4素子からなる螺旋素子と、素子長の短い高域側の4素子からなる螺旋素子とで構成され、前記低域側の螺旋素子の内側に、前記高域側の螺旋素子が配置されて、前記低域側の螺旋素子と対応する前記高域側の螺旋素子とに並列に給電されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の円偏波アンテナ。
  6. 前記分配器は、前記0°給電信号が出力される0°アンテナ端子と、前記90°給電信号が出力される90°アンテナ端子を備え、前記4本の螺旋素子において、前記コールド素子を構成する2本の前記螺旋素子の一端は前記グランドに接続され、前記ホット素子を構成する2本の前記螺旋素子の一端は前記0°アンテナ端子または前記90°アンテナ端子に接続されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の円偏波アンテナ。
  7. 支持体に挿通可能な貫通孔が中央部に形成されて複数スタックできるようにされていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の円偏波アンテナ。
  8. 左旋円偏波用と右旋円偏波とを備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の円偏波アンテナ。
  9. 左旋円偏波と右旋円偏波との偏波ダイバーシティに用いることができることを特徴とする請求項8に記載の円偏波アンテナ。
  10. 左旋円偏波と右旋円偏波との偏波ダイバーシティに用いるアンテナとして、請求項8に記載の円偏波アンテナを用いることを特徴とするダイバーシティ通信システム。
JP2017193737A 2017-10-03 2017-10-03 円偏波アンテナおよびダイバーシティ通信システム Active JP6906863B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017193737A JP6906863B2 (ja) 2017-10-03 2017-10-03 円偏波アンテナおよびダイバーシティ通信システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017193737A JP6906863B2 (ja) 2017-10-03 2017-10-03 円偏波アンテナおよびダイバーシティ通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019068329A JP2019068329A (ja) 2019-04-25
JP6906863B2 true JP6906863B2 (ja) 2021-07-21

Family

ID=66340790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017193737A Active JP6906863B2 (ja) 2017-10-03 2017-10-03 円偏波アンテナおよびダイバーシティ通信システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6906863B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115799817B (zh) * 2023-02-06 2023-04-25 安徽大学 一种宽带小型化四臂螺旋天线

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0296403A (ja) * 1988-10-03 1990-04-09 Tech Res & Dev Inst Of Japan Def Agency 広帯域検知器用アンテナ
JP2586675B2 (ja) * 1990-02-27 1997-03-05 国際電信電話株式会社 4線巻ヘリカルアンテナ
GB2246910B (en) * 1990-08-02 1994-12-14 Polytechnic Electronics Plc A radio frequency antenna
US5313216A (en) * 1991-05-03 1994-05-17 Georgia Tech Research Corporation Multioctave microstrip antenna
JP2719857B2 (ja) * 1991-07-11 1998-02-25 シャープ株式会社 4線式バックファイヤヘリカルアンテナ
JP3089933B2 (ja) * 1993-11-18 2000-09-18 三菱電機株式会社 アンテナ装置
GB9417450D0 (en) * 1994-08-25 1994-10-19 Symmetricom Inc An antenna
JP2000223932A (ja) * 1999-01-28 2000-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 4線巻ヘリカルアンテナ
JP2002076764A (ja) * 2000-08-23 2002-03-15 Hitachi Kokusai Electric Inc 直線偏波アンテナ
JP2003347831A (ja) * 2002-05-27 2003-12-05 Antenna Giken Kk ヘリカルアンテナ
JP2008072259A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Mitsumi Electric Co Ltd ダイバーシティ・アンテナ装置
US7817101B2 (en) * 2006-10-24 2010-10-19 Com Dev International Ltd. Dual polarized multifilar antenna
GB0623774D0 (en) * 2006-11-28 2007-01-10 Sarantel Ltd An Antenna Assembly Including a Dielectrically Loaded Antenna
JP4986937B2 (ja) * 2008-06-04 2012-07-25 富士通テン株式会社 マルチバンドアンテナ
JP5398021B2 (ja) * 2010-10-21 2014-01-29 Necアクセステクニカ株式会社 アンテナ装置
US9711859B1 (en) * 2012-02-10 2017-07-18 Trivec-Avant Corporation Soldier-mounted antenna

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019068329A (ja) 2019-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1044481B1 (en) Antenna system for circularly polarized radio waves including antenna means and interface network
JP3662591B2 (ja) 結合された複数セグメントの螺旋アンテナ
JP3189735B2 (ja) ヘリカルアンテナ
US7151505B2 (en) Quadrifilar helix antenna
US6229499B1 (en) Folded helix antenna design
JP4108275B2 (ja) 円偏波アンテナ
US10965012B2 (en) Multi-filar helical antenna
JP6906863B2 (ja) 円偏波アンテナおよびダイバーシティ通信システム
US6828944B2 (en) Multi-band sleeve dipole antenna
JP4878024B2 (ja) アンテナ
JP4938561B2 (ja) アンテナ装置及び水平偏波用水平面無指向性アンテナ
JP2003110354A (ja) 中継局およびこれに用いられる送信アンテナ並びに受信アンテナ
JP4027950B2 (ja) 無指向性アンテナ
JP4732321B2 (ja) アンテナ装置
JP4136178B2 (ja) 双ループアンテナ
JP4431632B2 (ja) Uhf帯アンテナ
JP4836142B2 (ja) アンテナ
EP3970230A1 (en) Antenna assembly having a helical antenna disposed on a flexible substrate wrapped around a tube structure
JP3133684B2 (ja) 無指向性アンテナ
JP3619800B2 (ja) アンテナユニット、アンテナ装置および放送塔
CN110854513B (zh) 天线振子单元、天线振子及天线
JP3459638B2 (ja) アンテナ装置および放送塔
JP3459637B2 (ja) アンテナユニット
Wansch et al. Miniterminal-a small antenna for satellite reception
WO2002084799A1 (en) Antenna

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171020

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210629

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6906863

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250