JP6906118B1 - ベルト取付治具の補助具及びベルトの取付方法 - Google Patents
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Abstract
Description
径方向に伸縮可能な輪状部分を有する、有端形状をしており、
前記輪状部分の外径は、外力が掛かっていない状態で、前記プーリの側面に設けられた、有底の円筒状の凹部の内径よりも大きく、
前記輪状部分は、径方向に収縮した状態で、前記凹部の底部に当接した状態で前記凹部の内壁を押圧可能とし、
一方側の端には、前記ベルト取付治具が取付可能とされている、ベルト取付治具の補助具である。
また、プーリの側面に設けられた凹部の底面に輪状部分を当接させることで、ベルト取付治具が取付られる一方側の端の、プーリ軸方向への移動も拘束することができる。これによりベルト取付治具のプーリ軸方向の適切な位置決めが可能となる。
径方向に伸縮可能な輪状部分を有する、有端形状をした補助具の一方側の端に、ベルト取付治具を取り付ける手順と、
前記輪状部分を収縮させた状態で、プーリの側面に設けられた、有底の円筒状の凹部の底部に当接させた後、前記輪状部分の収縮を開放することにより、当該輪状部分を前記凹部の内壁に押圧させる手順と、を含む、ベルトの取付方法である。
また、プーリの側面に設けられた凹部の底面に輪状部分を当接させることで、ベルト取付治具が取付られる一方側の端の、プーリ軸方向への移動も拘束することができる。これによりベルト取付治具のプーリ軸方向の適切な位置決めが可能となる。
前記補助具の他方側の端に設けられた係合部分を、前記プーリの側面に設けられた孔に係合させる手順を更に含んでいてもよい。
前記複数のプーリの他の1つプーリから前記補助具が固定された前記プーリに掛け渡された前記ベルトと、前記補助具が固定された前記プーリの側面との間に、薄く、且つ、表面が平滑な薄状部材を挟む手順と、
前記薄状部材を、前記ベルトと前記補助具が固定された前記プーリの側面と間に挟んだ状態で、前記補助具が固定された前記プーリを回転させる手順と、
を更に含んでいてもよい。
以下、図面を参照しつつ、本願発明の実施形態を説明する。本実施形態に係る、ベルト取付治具6の補助具7は、図5に示す、互いの軸間距離が全て固定された状態の、第1プーリ1と、第2プーリ2と、第3プーリ3との間に、周長方向に伸縮可能なVリブドベルト4を巻き掛ける際に使用する。
第1プーリ1は、外周に、後述するVリブドベルト4の内周面に形成された複数のリブ4a(不図示)と嵌合可能なプーリ溝(第1プーリ1の外周に設けられた溝:不図示)と、このプーリ溝を第1プーリ1の軸方向で挟む一対のフランジ13とを有している。
Vリブドベルト4は、その周長方向において若干伸縮可能な所謂低モジュラスベルトである。低モジュラスベルトは、心線にポリアミド繊維を用いることで、弾性率を比較的低くしたものであり、高弾性率のもの(所謂高モジュラスベルト)と比較して急激な張力低下が抑制される。また、Vリブドベルト4の内周面には、周長方向に延在する、幅方向断面V形状のリブ4aが複数設けられている。この複数のリブ4aが、第1プーリ1、第2プーリ2、及び第3プーリ3のそれぞれの外周部に設けられたプーリ溝に嵌合可能とされる。
次に、本実施形態で使用するベルト取付治具6の構成を説明する。このベルト取付治具6は、後述する補助具7に装着された状態で使用される。
補助具7は、図5に示すように、第2プーリ2及び第3プーリ3に巻き掛けた状態のVリブドベルト4を、最後に残した第1プーリ1に、第1プーリ1の回転を利用して巻き掛ける際に使用する、ベルト取付治具6を、第1プーリ1に固定するために使用する。
次に、図3、図5〜図8を参照しつつ、ベルト取付治具6を取り付けた補助具7の使用方法を説明する。なお、第1プーリ1のボス部11にクランクを連結し、第1プーリ1を手動で自由に回転できるようにしている。
まず、図3に示すように、補助具7の棒状の嵌合部72を、ベルト取付治具6の嵌合孔65に圧入して、ベルト取付治具6を補助具7に取り付ける。
次に、図3に示すように、補助具7の輪状部分71を径方向に収縮させた状態(輪状部分71の外径が弾性変形して小さくなるような負荷を与えた状態)で、L字状の係合部73の先端を、第1プーリ1の貫通孔12cの縁に係合させる。そして、収縮させた輪状部分71を、第1プーリ1の凹部12の底面12aに当接させた後、輪状部分71の収縮を開放することにより、輪状部分71を凹部12に嵌合させて、輪状部分71によって凹部12の内壁12bを押圧させる。その結果、補助具7は、第1プーリ1の凹部12の底面12aに接したまま内壁12bに強く当接した状態となり、第1プーリ1に強固に嵌合される(固定される)。また、補助具7に取り付けられたベルト取付治具6は、第1プーリ1の外周に当接された状態で配置される。即ち、ベルト取付治具6のプーリ押圧部61の裏側に設けられた複数のリブ62が、第1プーリ1の外周部に設けられたプーリ溝に嵌合した状態になる。
また、第1プーリ1の凹部12の底面12aに輪状部分71を当接させることで、嵌合部72に取り付けられたベルト取付治具6の軸(軸1c)方向への移動も拘束することができる。これによりベルト取付治具6の軸(軸1c)方向の適切な位置決めが可能となる。
また、L字状の係合部73の先端を第1プーリ1の貫通孔12cの縁に係合させることにより、補助具7自体の第1プーリ1の回転方向の動きを拘束することができるため、後述のVリブドベルト4の取付動作の途中でベルト取付治具6に対してVリブドベルト4から反力が作用した場合でも、ベルト取付治具6が第1プーリ1からズレたり、スリップしたりすることを防止することができる。
次に、図5に示すように、ベルト取付治具6が取付られた補助具7が第1プーリ1に固定された状態で、Vリブドベルト4を第2プーリ2及び第3プーリ3に巻掛ける。そして、Vリブドベルト4を、第1プーリ1の側面からフランジ13をカバーした当接部63を跨いで、ベルト案内部64で屈曲させたうえでプーリ押圧部61上を交差させて第1プーリ1の外周部に沿わせる。即ち、Vリブドベルト4をベルト取付治具6に仮掛けする。この時点では、Vリブドベルト4には張力がほとんど掛かっていないが、補助具7を介してベルト取付治具6が第1プーリ1に強固に固定されているため、Vリブドベルト4をベルト取付治具6に仮掛けする場合でも、ベルト取付治具6が第1プーリ1から脱落することなく、Vリブドベルト4をベルト取付治具6に確実に仮掛けすることができる。
次に、第1プーリ1のボス部11にクランクを連結し(不図示)、図5の状態から図6の状態となるように、第1プーリ1を、回転方向Aに回転させる。すると、Vリブドベルト4には、伸張されることにより高い張力が発生する。上記張力は、Vリブドベルト4がプーリ押圧部61上を交差しているのでプーリ押圧部61を第1プーリ1のプーリ溝に対して押圧する押圧作用として働き、プーリ押圧部61の裏面に設けられた複数のリブ62と第1プーリ1の外周部に設けられたプーリ溝との嵌合をより強固にする。
図4及び図10に示すように、第1プーリ1の側面に円筒状の凹部12が形成されている場合、フランジ13の側面と凹部12との間に段差D(図10の段差D参照)が形成される。このような凹部12が形成された第1プーリ1にVリブドベルト4を巻き掛ける場合、Vリブドベルト4がフランジ13の側面を通過する際に、段差DにVリブドベルト4のエッジが引っ掛かり、Vリブドベルト4が裏返ってしまう場合がある。そして、そのまま無理に第1プーリ1を回すとVリブドベルト4のエッジが損傷する虞がある。
補助具7に取り付けるベルト取付治具は、上述したベルト取付治具6に限らず、公知のベルト取付治具を適宜選択して、適用できる。この場合、ベルト取付治具の補助具7への取り付け方法としては、特に限定されるものではない。例えば、公知のベルト取付治具に対し、補助具7の棒状の嵌合部72の先端径よりも若干小さい内径の孔(嵌合孔)を加工し、この孔に補助具7の嵌合部72を圧入して嵌合する取付け方法は適用し易い。
11 ボス部
12 凹部
12a 底面
12b 内壁
12c 貫通孔
13 フランジ
2 第2プーリ
3 第3プーリ
4 Vリブドベルト
6 ベルト取付治具
61 プーリ押圧部
62 リブ
63 当接部
64 ベルト案内部
65 嵌合孔
7 補助具
71 輪状部分
72 嵌合部
73 係合部
A 回転方向
B 逆回転方向
Claims (6)
- 複数のプーリ間に周長方向に伸縮可能なベルトを巻き掛ける際に使用するベルト取付治具を、プーリに固定する、補助具であって、
径方向に伸縮可能な輪状部分を有する、有端形状をしており、
前記輪状部分の外径は、外力が掛かっていない状態で、前記プーリの側面に設けられた、有底の円筒状の凹部の内径よりも大きく、
前記輪状部分は、径方向に収縮した状態で、前記凹部の底部に当接した状態で前記凹部の内壁を押圧可能とし、
一方側の端には、前記ベルト取付治具が取付可能とされている、
ベルト取付治具の補助具。 - 前記補助具の他方側の端は、前記プーリの側面に設けられた孔に係合する係合部分を有している、請求項1に記載のベルト取付治具の補助具。
- 前記補助具は、一本の棒状素材を曲げ加工して形成されている、請求項1又は2に記載のベルト取付治具の補助具。
- 複数のプーリ間に周長方向に伸縮可能なベルトを巻き掛ける、ベルトの取付方法であって、
径方向に伸縮可能な輪状部分を有する、有端形状をした補助具の一方側の端に、ベルト取付治具を取り付ける手順と、
前記輪状部分を収縮させた状態で、プーリの側面に設けられた、有底の円筒状の凹部の底部に当接させた後、前記輪状部分の収縮を開放することにより、当該輪状部分を前記凹部の内壁に押圧させる手順と、
を含む、ベルトの取付方法。 - 前記補助具の他方側の端に設けられた係合部分を、前記プーリの側面に設けられた孔に係合させる手順を更に含む、請求項4に記載のベルトの取付方法。
- 前記複数のプーリの他の1つのプーリから前記補助具が固定された前記プーリに掛け渡された前記ベルトと、前記補助具が固定された前記プーリの側面との間に、薄く、且つ、表面が平滑な薄状部材を挟む手順と、
前記薄状部材を、前記ベルトと前記補助具が固定された前記プーリの側面と間に挟んだ後、前記補助具が固定された前記プーリを回転させる手順と、
を更に含む、請求項4又は5に記載のベルトの取付方法。
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