JP2017223310A - ベルト取付治具及びベルト取付方法 - Google Patents

ベルト取付治具及びベルト取付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】手前プーリに巻き掛けられたベルトを、奥側プーリに確実にシフトさせること。
【解決手段】ベルト取付治具10は、手前プーリ6の外周面に設置される本体部11と、本体部11よりもプーリ半径方向外側に配置され、プーリ半径方向において奥側プーリ7よりも外側に位置する持ち上げ面15を有するベルト接触部12と、手前プーリ6と奥側プーリ7とに跨るようにベルト接触部12からプーリ軸方向の奥側に延び、持ち上げ面15からプーリ軸方向の奥側に向かうにつれてプーリ半径方向の内側へ傾斜したガイド面16を有するガイド部13と、を備える。ベルト取付治具10を手前プーリ6の外周面に設置し、プーリ周方向に動かすと、Vリブドベルト5が持ち上げ面15に接触し、プーリ半径方向において奥側プーリ7よりも外側まで持ち上がる。ベルト取付治具10をさらに動かすと、Vリブドベルト5は、ガイド面16に沿って奥側プーリ7にシフトする。
【選択図】図6

Description

本発明は、複数段掛プーリに使用するベルト取付治具及び当該ベルト取付治具を用いたベルト取付方法に関する。
一般に、複数のプーリにベルトを巻き掛けてなるベルト伝動機構では、プーリ間で確実に動力を伝達させるために、装着対象であるプーリ間のレイアウト周長よりもベルト周長を短くしてベルトに強い張力がかかるような仕様になっている。特に、プーリの軸心位置を調整可能なテンションプーリ等のないレイアウトにおいて、互いの軸間距離がすべて固定された複数のプーリ間に、上記のベルト周長が短いベルトを取り付ける場合は、ベルトの張力に抗する強い力が必要となり手間がかかることがある。
また、上記のベルト伝動機構において、径の異なる複数のプーリが軸方向に並んだ、いわゆる、複数段掛プーリというものが知られている。この複数段掛プーリを使用したベルト伝動機構において、作業者から見て奥側にある大径の奥側プーリにベルトを巻き掛ける場合に、手前側にある小径の手前プーリにいったん巻き掛け、手前プーリに巻き掛けたベルトを奥側プーリにシフトさせる方法が知られている。手前プーリに巻き掛けたベルトを奥側プーリにシフトさせるために使用するベルト取付治具が、特許文献1及び特許文献2に記載されている。特許文献1及び特許文献2には、それぞれ、手前プーリの外周面に取り付けられ、手前プーリから奥側プーリへベルトを案内する案内面を有するベルト取付治具が開示されている。
特許文献1のベルト取付治具は、手前プーリの外周面に取り付けられる治具本体と、治具本体に形成された案内面とを備える。二段掛プーリの手前プーリにベルトを巻き掛け、ベルト取付治具を手前プーリの外周面に設置し、治具本体の上面にベルトをかけた状態で、ベルト取付治具を二段掛プーリとともに回転させる。これにより、案内面によってベルトが手前プーリから奥側プーリへ案内される。なお、特許文献1のベルト取付治具は、治具本体から奥側に突出し、奥側プーリの外周面に覆い被さる突片も備えている。但し、案内面は、あくまでも、治具本体の手前プーリ側の部分に形成されているのであって、突片まで案内面が形成されているわけではない。
また、特許文献2のベルト取付治具は、手前プーリの外周面に取り付けられる底部と、プーリ周方向において、底部の端部に形成された案内面とを備える。上記のベルト取付治具の案内面にベルトをかけた状態で、ベルト取付治具を二段掛プーリとともに回転させることにより、ベルトは奥側プーリのプーリフランジをまたいで、奥側プーリに順次シフトする。なお、この治具は、ほぼ全体が手前プーリの外周面に配置されている。つまり、案内面は、奥側プーリの外周面まで跨るようなものではない。
特許第4988619号公報(図1、図4等) 特許第5090961号公報(図1、図4等)
特許文献1及び特許文献2に記載のベルト取付治具では、案内面はいずれも手前プーリ側にしか形成されておらず、奥側プーリ側においては、ベルトを積極的に案内するものが設置されていない。このため、場合によっては、奥側プーリに確実にベルトをシフトさせることができない虞がある。
本発明の目的は、手前プーリ及び手前プーリよりも大径の奥側プーリを有する複数段掛プーリにおいて、手前プーリに巻き掛けられたベルトを奥側プーリに容易且つ確実にシフトさせるベルト取付治具及びベルト取付方法を提供することである。
第1の発明のベルト取付治具は、手前プーリと前記手前プーリよりも大径の奥側プーリとがプーリ軸方向に並設された複数段掛プーリにおいて、前記手前プーリに巻き掛けられた周長方向に伸縮可能なベルトを前記奥側プーリにシフトさせるために使用するベルト取付治具であって、前記手前プーリの外周面に設置される本体部と、前記本体部よりもプーリ半径方向外側に配置され、前記プーリ半径方向において前記奥側プーリの外周面よりも外側に位置する持ち上げ面を有するベルト接触部と、前記手前プーリと前記奥側プーリとに跨るように前記ベルト接触部から前記プーリ軸方向の奥側に延び、前記持ち上げ面から前記プーリ軸方向の前記奥側に向かうにつれて前記プーリ半径方向の内側へ傾斜したガイド面を有するガイド部と、を備えることを特徴とするものである。
ベルト取付治具の本体部を手前プーリの外周面に設置して、ベルト取付治具を複数段掛プーリとともにプーリ回転方向に移動させると、手前プーリに巻き掛けられたベルトは、ベルト接触部の持ち上げ面に接触しつつ、大径の奥側プーリよりもプーリ半径方向の外側まで持ち上げられる。さらに、持ち上げられたベルトは、手前プーリから奥側プーリまでまたがる、ガイド部の傾斜したガイド面に沿って、奥側プーリ側にシフトする。したがって、手前プーリから奥側プーリに容易且つ確実にベルトをシフトさせることができる。
第2の発明のベルト取付治具は、前記第1の発明において、前記持ち上げ面が、前記プーリ軸方向の前記奥側に向かうにつれて前記プーリ半径方向の前記内側へ傾斜していることを特徴とするものである。
ベルト接触部の持ち上げ面が、奥側に向かうにつれてプーリ半径方向の内側に傾斜しているため、持ち上げ面によって持ち上げられたベルトは、持ち上げ面の傾斜によってガイド面へ移動しやすくなる。したがって、確実にベルトをシフトさせることができる。
第3の発明のベルト取付治具は、前記第2の発明において、前記プーリ軸方向に対する前記持ち上げ面の傾斜角度が、前記プーリ軸方向に対する前記ガイド面の傾斜角度よりも小さいことを特徴とするものである。
ベルト接触部においては、持ち上げ面のプーリ軸方向に対する傾斜角度が比較的小さく、ベルトを奥側プーリにシフトさせるガイド部においては、ガイド面のプーリ軸方向に対する傾斜角度が比較的大きい。すなわち、持ち上げ面の傾斜は緩いため、この持ち上げ面によってベルトが持ち上げられる最中に、ベルトが滑り落ちにくい。一方、ガイド面の傾斜は、持ち上げ面よりもきつくなっているため、持ち上げ面で持ち上げられたベルトが、ガイド面に沿って奥側プーリへシフトしやすくなる。また、持ち上げ面の傾斜角度が小さいと、ベルト接触部のプーリ半径方向の外側への突出量が小さくなるため、ベルト取付治具をコンパクトな形状にすることができる。
第4の発明のベルト取付治具は、前記第1〜第3のいずれかの発明において、前記奥側プーリの外周面には、プーリ周方向に沿って延びる溝が形成されており、前記ガイド部の、前記プーリ軸方向の前記奥側の端部に、前記奥側プーリの前記溝に係合する係合部が形成されていることを特徴とするものである。
奥側プーリに、プーリ周方向に沿った溝が形成されている場合において、ガイド部のプーリ軸方向の奥側端部に形成された係合部が溝に係合するため、ベルト取付治具のガイド部が動きにくくなる。したがって、ベルト取付治具を手前プーリに固定しなくても、ベルトの反発力によって取付治具が外れてしまうのを防ぐことができる。
第5の発明のベルト取付方法は、第1プーリと、手前プーリと前記手前プーリよりも大径の奥側プーリとがプーリ軸方向に並設された複数段掛プーリからなる第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリとに巻き掛けられたベルトを有するベルト伝動機構において、前記第1〜第3のいずれかの発明のベルト取付治具を用いて、前記第2プーリの前記手前プーリに巻き掛けられた前記ベルトを前記奥側プーリにシフトさせるベルト取付方法であって、前記本体部が、前記第2プーリの前記手前プーリの外周面のうちの、前記ベルトが巻き掛けられていない部分に配置されるように、前記ベルト取付治具を設置する治具設置工程と、前記第2プーリを回転させつつ前記ベルト取付治具を前記プーリ周方向に動かし、前記ベルト取付治具の前記ベルト接触部の前記持ち上げ面に前記ベルトを接触させるベルト接触工程と、前記ベルト接触工程後、前記第2プーリを回転させて、前記持ち上げ面により、前記ベルトを、前記プーリ半径方向において前記奥側プーリよりも外側の位置まで持ち上げるベルト持ち上げ工程と、前記ベルト持ち上げ工程後、前記第2プーリをさらに回転させて、前記ベルトを、前記ガイド部の前記ガイド面に沿って前記奥側プーリにシフトさせるベルトシフト工程と、を備えることを特徴とするものである。
前記第1〜第3のいずれかの発明のベルト取付治具の設置と、複数段掛プーリの回転に伴うベルト取付治具の移動という簡単な作業によって、手前プーリから奥側プーリに、確実にベルトをシフトさせることができる。
第6の発明のベルト取付方法は、前記第5の発明において、前記持ち上げ面が、前記プーリ軸方向の前記奥側に向かうにつれて前記プーリ半径方向の前記内側に向かって傾斜しており、前記プーリ軸方向に対する前記持ち上げ面の傾斜角度が、前記プーリ軸方向に対する前記ガイド面の傾斜角度よりも小さく、前記ベルト接触工程では、前記持ち上げ面に前記ベルトを接触させることを特徴とするものである。
持ち上げ面の傾斜が緩いため、持ち上げ面に接触したベルトが持ち上げられる最中に、ベルトが滑り落ちにくい。一方、ガイド面の傾斜は、持ち上げ面よりもきついため、持ち上げ面で持ち上げられたベルトが、ガイド面に沿って奥側プーリへシフトしやすくなる。
第7の発明のベルト取付方法は、前記第5又は第6の発明において、前記奥側プーリの外周面には、前記プーリ周方向にそって形成され、且つ、前記軸方向に並ぶ複数の溝を有し、前記ガイド部の、前記プーリ軸方向の前記奥側の端部に、前記奥側プーリの前記複数の溝のいずれかに係合する係合部が形成され、前記ベルト取付治具を前記手前プーリに設置する際には、前記係合部を、前記奥側プーリの複数の溝のうち、前記プーリ軸方向の最も前記奥側よりも前記手前側の溝に係合させることを特徴とするものである。
奥側プーリに、プーリ周方向に沿った複数の溝が形成されている場合において、ガイド部の係合部が最も奥側の溝よりも手前の溝に係合することによって、ベルト取付治具は、少なくともプーリ軸方向の奥側の溝一つ分を空けて取り付けられる。これにより、ベルトは、プーリ軸方向において、奥側プーリの最も奥側よりも少し手前側で奥側プーリに着地する。したがって、ベルトが奥側プーリからさらに奥側に外れた位置にずれてしまうのを防ぐことができる。
二段掛プーリを含むベルト伝動機構の正面図である。 本実施形態に係るベルト取付治具の斜視図である。 ベルト取付治具の六面図である。 (a)はベルト取付治具を二段掛プーリに取り付けた状態を示す正面図、(b)は同じく右側面図である。 ベルト取付治具の使用方法の説明図である。 (a)は図5(c)の右側面図、(b)は図5(d)の右側面図である。 変形例に係るベルト取付治具の右側面図である。 (a)は別の変形例に係るベルト取付治具の右側面図、(b)、(c)はベルト取付治具を二段掛プーリに取り付けた状態を示す右側面図である。
次に、本発明の実施の形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。
(ベルト伝動機構の概略構成)
まず、本実施形態に係る後述のベルト取付治具10を使用するためのベルト伝動機構1の概略構成について説明する。図1に示すように、ベルト伝動機構1は、例えば自動車エンジンに用いられる3軸レイアウトのプーリと、Vリブドベルト5(本発明のベルト)とを備える。3軸レイアウトのプーリは、例えばクランク軸に連結されるクランクプーリであるプーリ2(本発明の第1プーリ)と、ウォーターポンプ用の二段掛プーリ3(本発明の複数段掛プーリ、第2プーリ)と、エアコン用のプーリ4とを備える。各プーリはそれぞれ回転可能に支持されており、互いのプーリ軸間距離は固定されている。そして、各プーリ間にVリブドベルト5が巻き掛けられ、クランク軸の回転動力が、プーリ2からVリブドベルト5を介して二段掛プーリ3及びプーリ4に伝動される構成になっている。
なお、以下の説明の便宜上、図1の紙面垂直方向をプーリ軸方向とし、紙面手前側及び奥側をそれぞれプーリ軸方向の手前側、奥側とする。また、二段掛プーリ3の半径方向及び周方向を、それぞれプーリ半径方向、プーリ周方向とする。
次に、二段掛プーリ3の構成について説明する。図1及び図4に示すように、二段掛プーリ3は、手前プーリ6と、手前プーリ6よりも大径の奥側プーリ7とがプーリ軸方向に並設されて一体構造となったプーリである。すなわち、手前プーリ6と奥側プーリ7とは、同一軸を中心にして、連動して回転可能な構成になっている。なお、プーリ軸方向において、プーリ2、4及び奥側プーリ7の位置は略等しい。言い換えると、手前プーリ6は、プーリ軸方向において、プーリ2、4及び奥側プーリ7から手前側にオフセットされた位置に配置されている。
図3(b)に示すように、手前プーリ6の外周面は平坦である。また、奥側プーリ7の外周面には、プーリ周方向に沿って複数の溝71が形成されている。図3(b)において、溝71は3つ形成されており、各溝71の深さは略等しい。また、奥側プーリ7のプーリ軸方向の手前側端部及び奥側端部には、それぞれプーリフランジ72、73が形成されている。
Vリブドベルト5は、無端ベルトであり、その周長方向において若干伸縮可能な所謂低モジュラスベルトである。低モジュラスベルトは、心線にポリアミド繊維を用いることで、弾性率を比較的低くしたものであり、高弾性率のものと比較して、急激な張力低下が抑制される。Vリブドベルト5の内周面には、図示しない複数のリブが周長方向に沿って形成されている。複数のリブは、奥側プーリ7の複数の溝71と嵌合可能な形状になっている。
(ベルト取付治具の構成)
次に、本実施形態に係るベルト取付治具10の構成について説明する。このベルト取付治具10は、図1のベルト伝動機構1において、プーリ2,4及び二段掛プーリ3に掛けられたベルトを、二段掛プーリ3の小径の手前プーリ6から大径の奥側プーリ7にシフトさせる際に使用するものである。
図2及び図3は、それぞれベルト取付治具10の斜視図及び六面図である。なお、便宜上、図2に示される方向を前後左右上下方向とする。
図3に示すように、ベルト取付治具10は、正面視及び平面視で略矩形状の治具である。材料には、例えばポリプロピレン等の合成樹脂が用いられる。ベルト取付治具10は、本体部11と、本体部11の上方に形成されたベルト接触部12と、ベルト接触部12の後方に突出するように形成されたガイド部13と、ガイド部13の後端部に形成された係合部17とを備える。
本体部11は、左右方向に沿って上方に湾曲した底面14と、底面14の後端から上方に延びる後面18とを有する。
ベルト接触部12は、持ち上げ面15を有する。持ち上げ面15は、ベルト接触部12の上側端部に形成されており、後方に向かうにつれて下方に傾斜している。なお、持ち上げ面15の傾斜角度Aは、例えば、20°以上、且つ、後述の傾斜角度B未満である。
ガイド部13は、ベルト接触部12から後方に突出した部分である。ガイド部13の下側部分は、左右方向に沿って上方に湾曲しており、前後方向に段差が設けられている。また、ガイド部13は、ガイド面16を有する。ガイド面16は、ガイド部13の上側端部に形成され、ベルト接触部12の持ち上げ面15の後方に隣接しており、後方に向かうにつれて下方に傾斜している。ガイド面16の傾斜角度Bは、例えば、35°以上60°以下である。なお、傾斜角度Bは、ベルト接触部12の持ち上げ面15の傾斜角度Aよりも大きい。
係合部17は、ガイド部13の後端部に、左右方向に沿って下方に向かって突設された部分である。係合部17は、左右方向に沿って上方に湾曲している。
上記のような構成を有するベルト取付治具10は、二段掛プーリ3に取り付けられた際、図4(a)、(b)に示すような状態になる。すなわち、本体部11は手前プーリ6の外周面に設置され、本体部11の底面14が手前プーリ6の外周面に当接する。本体部の後面18は、奥側プーリ7のプーリ軸方向の手前側面に当接する。ベルト接触部12の持ち上げ面15は、奥側プーリ7のプーリフランジ72よりもプーリ半径方向の外側に位置する。また、ガイド部13は、手前プーリ6から奥側プーリ7に跨るように配置され、ガイド部13の下側部分は、奥側プーリ7のプーリフランジ72及び溝71に当接する。ガイド部13のガイド面16は、プーリ軸方向の奥側に向かうにつれてプーリ半径方向の内側へ傾斜する。さらに、係合部17は、奥側プーリ7の複数の溝71の一つに係合する。
(ベルト取付治具の使用方法)
次に、上記の構成を有するベルト取付治具10を用いたベルト取付方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、Vリブドベルト5をプーリ2とプーリ4と、二段掛プーリ3の手前プーリ6との間に仮掛けする。手前プーリ6は奥側プーリ7よりも小径であるため、Vリブドベルト5に大きな負荷をかけずに、Vリブドベルト5を上記プーリ間に容易に巻き掛けることができる。
なお、二段掛プーリ3は、手動で回転させることができる。具体的には、例えば、プーリ2に図示しないレンチを連結するなどして、プーリ2を手動で自由に回転させることができる。図5において、プーリ2を右回転させると、その回転動力がVリブドベルト5、二段掛プーリ3に順次伝わり、二段掛プーリ3が右回転する。
次に、図5(b)に示すように、ベルト取付治具10を二段掛プーリ3に設置する(本発明の治具設置工程)。具体的には、手前プーリ6の外周面のうち、Vリブドベルト5が巻き掛けられていない部分に本体部11を設置する。また、前述の図4(b)に示すように、ガイド部13を奥側プーリ7に跨がせ、係合部17を、プーリ軸方向において奥側プーリ7の最も奥にある溝71よりも、一つ手前側の溝71に係合させる。以上の作業により、ベルト取付治具10を固定することなく容易に二段掛プーリ3に取り付けることができる。なお、図5(b)に示すように、ベルト取付治具10が重力で滑り落ちないような位置に設置するのが良いが、ベルト取付治具10を手で押さえていても良い。
次に、図5(c)に示すように、ベルト取付治具10を設置した状態で、二段掛プーリ3を回転させる。すると、ベルト取付治具10は二段掛プーリ3とともにプーリ周方向に移動し、手前プーリ6に仮掛けしたVリブドベルト5は、伸長しながらベルト取付治具10のベルト接触部12の持ち上げ面15、すなわち緩やかな傾斜角度Aの面に接触する(本発明のベルト接触工程)。さらに二段掛プーリ3を回転させると、図6(a)に示すように、Vリブドベルト5は持ち上げ面15に乗り上げる。ここで、傾斜角度Aは傾斜角度Bと比べて小さいため、Vリブドベルト5は持ち上げ面15に乗り上げる途中で滑り落ちることなく、奥側プーリ7よりもプーリ半径方向の外側まで確実に持ち上げられる(本発明のベルト持ち上げ工程)。
なお、ベルト取付治具10は固定されていないが、本体部11の後面18が奥側プーリ7のプーリ軸方向の手前側面に当接し、且つ、係合部17が奥側プーリ7の溝71に係合するため、ガイド部13は動きにくい。したがって、Vリブドベルト5を持ち上げている間でも、Vリブドベルト5の反発力によってベルト取付治具10が外れてしまうことを防ぐことができる。但し、例えばベルト取付治具10がプーリ周方向に滑ることを確実に防ぎたい場合、ベルト取付治具10を手などで押さえていても良い。
次に、図5(d)に示すように、さらに二段掛プーリ3を回転させる。すると、ベルト取付治具10の持ち上げ面15に持ち上げられたVリブドベルト5は、図6(b)に示すように、持ち上げ面15の傾斜に沿ってガイド部13のガイド面16、すなわち傾斜角度Bの面にシフトしていく(本発明のベルトシフト工程)。Vリブドベルト5は、ガイド面16を滑り落ちながら奥側プーリ7に案内される。ガイド部13が奥側プーリ7にまたがって設置されているため、Vリブドベルト5は、手前プーリ6から奥側プーリ7に確実にシフトする。
なお、前述のように、係合部17は、プーリ軸方向において奥側プーリ7の最も奥にある溝71よりも、一つ手前側の溝71に係合している。このため、図6(b)に示すように、シフトしたVリブドベルト5は、プーリ軸方向において、奥側プーリ7の最も奥側よりも少し手前側から奥側プーリ7に着地する。そして、Vリブドベルト5の複数のリブのうち最も奥側のリブが、奥側プーリ7の最も奥側の溝71に嵌る。したがって、Vリブドベルト5が奥側プーリ7からプーリ軸方向奥側にずれた位置までシフトしてしまうのを防ぐことができる。
図5(e)に示すように、二段掛プーリ3をさらに回転させると、Vリブドベルト5のプーリ回転方向の後方部分が、奥側プーリ7に順次シフトしていく。最終的には、図5(f)に示すように、Vリブドベルト5が完全に奥側プーリ7にシフトする。その後、ベルト取付治具10を二段掛プーリ3から取り外して、Vリブドベルト5のシフト作業が完了する。
以上のように、本実施形態に係るベルト取付治具10は、単純な形状を有し、且つ、大きさもコンパクトである。また、ベルト取付治具10の設置と、二段掛プーリ3の回転に伴うベルト取付治具10の移動という簡単な作業によって、Vリブドベルト5を手前プーリ6から奥側プーリ7に確実にシフトさせることができる。
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
(1)ベルト取付治具10の構成は、適宜変更できる。例えば、ベルト接触部12の持ち上げ面15は、必ずしも傾斜していなくても良い。図7(a)に示すように、平坦な持ち上げ面15aでも良く、図7(b)に示すように、一部平坦な持ち上げ面15bでも良い。この場合、Vリブドベルト5が、持ち上げられる途中で滑り落ちにくくなる。なお、ベルト取付治具10a,10bを二段掛プーリ3とともにプーリ周方向に移動させた際、Vリブドベルト5が持ち上げ面15a,15bに乗り上げたままの状態になりうるが、傾斜したガイド面16a,16bが奥側プーリ7側にまたがっているので、Vリブドベルト5を手などでガイド面16a,16b側へ押しやってシフトさせることも可能である。
或いは、図7(c)に示すように、持ち上げ面15cの傾斜角度とガイド面16cの傾斜角度が同じであっても良い。この場合、持ち上げられたVリブドベルト5が、引っかかることなく持ち上げ面15cからガイド面16cにシフトしやすくなる。
また、図8に示すように、係合部17dを、奥側プーリ7の複数の溝71のうちどの溝71に係合させるか選択可能な構成にしても良い。例えば、図8(a)に示すように、ベルト取付治具10dにおいて、本体部11dの底面14の前後方向の幅を、手前プーリの幅に対して、溝1つ分の幅以上小さくする。これにより、本体部11dを設置するプーリ軸方向の位置を、手前プーリに対して変更することが可能となる。
具体的には、図8(b)、(c)に示すように、奥側プーリ7に対して、プーリ軸方向の奥側から二番目の溝71に係合部17dを係合させることもでき、プーリ軸方向の最も手前側の溝71に係合させることもできる。したがって、色々な種類のプーリやベルトに対して、1つのベルト取付治具10dを共通に使用することができる。勿論、ベルト取付治具10dの構成は上記のものに限られず、係合部17dを係合させる溝71を選択可能にするものであれば良い。
また、ベルト取付治具10の材質は、必ずしも合成樹脂でなくても良く、例えば金属製でも良い。さらに、ベルト取付治具10は、手前プーリ6に固定せずに設置可能であるが、固定させるような構成であっても良い。
(2)本願のベルト取付治具の使用対象となるベルト伝動機構は、図1の構成のものには限られない。例えば、プーリの数や形状などは適宜変更できる。また、二段掛プーリ3の代わりに、三段掛以上の複数段掛プーリを用いても良い。また、ベルトも、Vリブドベルトであることは必須ではなく、Vベルト、平ベルトなどが用いられてもよい。
3 二段掛プーリ
5 Vリブドベルト
6 手前プーリ
7 奥側プーリ
10,10a,10b、10c、10d ベルト取付治具
11,11d 本体部
12,12d ベルト接触部
13,13d ガイド部
15,15a,15b,15c,15d 持ち上げ面
16,16a,16b,16c,16d ガイド面
17,17d 係合部
71 溝

Claims (7)

  1. 手前プーリと前記手前プーリよりも大径の奥側プーリとがプーリ軸方向に並設された複数段掛プーリにおいて、前記手前プーリに巻き掛けられた周長方向に伸縮可能なベルトを前記奥側プーリにシフトさせるために使用するベルト取付治具であって、
    前記手前プーリの外周面に設置される本体部と、
    前記本体部よりもプーリ半径方向の外側に配置され、前記プーリ半径方向において前記奥側プーリの外周面よりも外側に位置する持ち上げ面を有するベルト接触部と、
    前記手前プーリと前記奥側プーリとに跨るように前記ベルト接触部から前記プーリ軸方向の奥側に延び、前記持ち上げ面から前記プーリ軸方向の前記奥側に向かうにつれて前記プーリ半径方向の内側へ傾斜したガイド面を有するガイド部と、を備えることを特徴とするベルト取付治具。
  2. 前記持ち上げ面が、前記プーリ軸方向の前記奥側に向かうにつれて前記プーリ半径方向の前記内側へ傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のベルト取付治具。
  3. 前記プーリ軸方向に対する前記持ち上げ面の傾斜角度が、前記プーリ軸方向に対する前記ガイド面の傾斜角度よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載のベルト取付治具。
  4. 前記奥側プーリの外周面には、プーリ周方向に沿って延びる溝が形成されており、
    前記ガイド部の、前記プーリ軸方向の前記奥側の端部に、前記奥側プーリの前記溝に係合する係合部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベルト取付治具。
  5. 第1プーリと、手前プーリと前記手前プーリよりも大径の奥側プーリとがプーリ軸方向に並設された複数段掛プーリからなる第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリとに巻き掛けられたベルトを有するベルト伝動機構において、請求項1〜3のいずれかに記載のベルト取付治具を用いて、前記第2プーリの前記手前プーリに巻き掛けられた前記ベルトを前記奥側プーリにシフトさせるベルト取付方法であって、
    前記本体部が、前記第2プーリの前記手前プーリの外周面のうちの、前記ベルトが巻き掛けられていない部分に配置されるように、前記ベルト取付治具を設置する治具設置工程と、
    前記第2プーリを回転させつつ前記ベルト取付治具をプーリ周方向に動かし、前記ベルト取付治具の前記ベルト接触部の前記持ち上げ面に前記ベルトを接触させるベルト接触工程と、
    前記ベルト接触工程の後、前記第2プーリを回転させて、前記持ち上げ面により、前記ベルトを、前記プーリ半径方向において前記奥側プーリよりも外側の位置まで持ち上げるベルト持ち上げ工程と、
    前記ベルト持ち上げ工程の後、前記第2プーリをさらに回転させて、前記ベルトを、前記ガイド部の前記ガイド面に沿って前記奥側プーリにシフトさせるベルトシフト工程と、を備えることを特徴とするベルト取付方法。
  6. 前記持ち上げ面が、前記プーリ軸方向の前記奥側に向かうにつれて前記プーリ半径方向の前記内側に向かって傾斜しており、
    前記プーリ軸方向に対する前記持ち上げ面の傾斜角度が、前記プーリ軸方向に対する前記ガイド面の傾斜角度よりも小さく、
    前記ベルト接触工程では、前記持ち上げ面に前記ベルトを接触させることを特徴とする請求項5に記載のベルト取付方法。
  7. 前記奥側プーリの外周面には、前記プーリ周方向にそって形成され、且つ、前記プーリ軸方向に並ぶ複数の溝を有し、
    前記ガイド部の、前記プーリ軸方向の前記奥側の端部に、前記奥側プーリの前記複数の溝のいずれかに係合する係合部が形成され、
    前記ベルト取付治具を前記手前プーリに設置する際には、前記係合部を、前記奥側プーリの複数の溝のうち、前記プーリ軸方向の最も前記奥側よりも手前側の溝に係合させることを特徴とする請求項5又は6に記載のベルト取付方法。
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JP2020197301A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 三ツ星ベルト株式会社 ベルト取付治具

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