JP6905705B2 - カルバミン酸エステルの製造方法 - Google Patents

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本発明は、酸化セリウム(CeO)を触媒として用い、アミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種とアルコールと二酸化炭素(CO)とからカルバミン酸エステルを合成するカルバミン酸エステルの製造方法に関する。
メチルフェニルカーバメート(以下、MPCと言う)はポリウレタンの原料や、医薬品、農薬の前駆体となる有用化成品である。従来、MPCは、有毒なホスゲンや一酸化炭素、又は、別途合成が必要なジメチルカーボネート(以下、DMCと言う)を用いて合成されていたが、近年においては、安価で豊富な二酸化炭素をカルボニル源として用いることが検討されている。二酸化炭素をカルボニル源として用いることができれば低環境負荷なMPC合成が可能となる。しかし、この反応は厳しい平衡制約のために高収率でMPCを得ることが難しかった。例えば、酸化セリウムを触媒とし、ブチルリチウム(BuLi)を脱水剤として用いた反応では、7.3%の収率しか得られなかった(非特許文献1参照)。平衡上反応を有利に進行させるためには副生成物の水を反応系から除去する必要がある。
そこで、高収率が得られる合成法として、アニリンとメタノールと二酸化炭素とを原料とし、酸化セリウムを触媒、2−シアノピリジン(以下、2−CNPyと言う)を脱水剤として用いるものが報告されている(非特許文献2参照)。この合成法の反応式は、化1から化3で表される。化1は、アニリンとメタノールと二酸化炭素とからMPCを合成する反応式であり、化2は、メタノールと二酸化炭素とが反応して副生物としてDMCが生成される反応式であり、化3は、2−CNPyと化1及び化2において生成された水とが反応して副生物として2−ピコリンアミド(以下、2−PAと言う)が生成される反応式である。
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この合成法によれば、95%の高い収率でMPCを得ることができる。しかしながら、この合成法では、化2及び化3に示したように、副生物としてDMCと2−PAが生成され、その量が非常に多いという問題があった。また、2−PA生成量の多くが、DMC合成により生成された水に由来するものであり、そのため、本来、MPCを合成するために必要な2−CNPyの量よりも多くの2−CNPyが必要となるという問題もあった。
G.Fan,et al., J.Mol Catal. A,404,92(2015) A.Miura et al., 第116回触媒討論会A講演,2G09(2015)
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、高い収率を得ることができ、かつ、副生物の生成量を減少させることができるカルバミン酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のカルバミン酸エステルの製造方法は、アミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種と、アルコールと、二酸化炭素とを原料とし、酸化セリウムを触媒、2−シアノピリジンを脱水剤として用いてカルバミン酸エステルを合成するものであって、アルコールは、炭素数が3以上のものである。
本発明のカルバミン酸エステルの製造方法によれば、炭素数が3以上のアルコールを用いるようにしたので、高い収率を得ることができると共に、副生物の生成量を減少させることができる。また、二酸化炭素の圧力を低くすることができ、容易に製造することができる。
特に、分岐を有するアルコールを用いるようにすれば、又は、第二級アルコール用いるようにすれば、より高い効果を得ることができる。
また、芳香族アミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種、又は、第二級アミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を用いるようにすれば、より高い効果を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係るカルバミン酸エステルの製造方法において用いる反応装置の一例を表す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係るカルバミン酸エステルの製造方法は、アミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種と、アルコールと、二酸化炭素とを原料とし、酸化セリウムを触媒、2−CNPyを脱水剤として用いて、カルバミン酸エステルを合成するものである。
原料のアルコールは、炭素数が3以上のものを用いる。炭素数が3以上のアルコールを用いることにより、高い収率を得ることができると共に、副生物の生成量を減少させることができるからである。なお、アルコールの炭素数について特に制限はないが、12以下であることが好ましく、6以下であればより好ましい。炭素数が12よりも多くなると反応性が低くなるからであり、また、炭素数が6以下の方が反応後の蒸留除去の負荷が低いからである。
反応式は、例えば、化4から化6で表される。化4は、アミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種と、アルコールと、二酸化炭素とから、カルバミン酸エステルを合成する反応式である。化5は、アルコールと二酸化炭素とが反応して、副生物であるカーボネートが生成される反応式である。化6は、2−CNPyと化4及び化7において生成した水とが反応して、副生物である2−PAが生成される反応式である。
Figure 0006905705
(化4において、R、R、及び、Rは、それぞれ、水素原子、炭化水素基、又は、炭化水素基の水素原子を置換基で置換した基よりなり、R、R、及び、Rのうちの1又は2は水素原子であり、R、R、及び、Rのうちの1又は2は炭化水素基、又は、炭化水素基の水素原子を置換基で置換した基である。
は、炭素数が3以上の炭化水素基、又は、炭化水素基の水素原子を置換基で置換した基である。
及びRは、それぞれ、水素原子、炭化水素基、又は、炭化水素基の水素原子を置換基で置換した基よりなり、R及びRのうちの少なくとも一方は炭化水素基、又は、炭化水素基の水素原子を置換基で置換した基である。)
Figure 0006905705
(化5において、Rは化4と同一である。)
Figure 0006905705
このように、このカルバミン酸エステルの製造方法では、化4に示したように、アミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種と、アルコールと、二酸化炭素とから、カルバミン酸エステルと水が生成し、化6に示したように、この水と2−CNPyとが反応してアミド化することにより、化4の平衡を生成物側にシフトさせるものである。また、化5に示したように、原料のアルコールは二酸化炭素と反応して、副生物であるカーボネートを生成する。
原料のアミン及びその誘導体は、どのようなものでもよいが、芳香族アミン及びその誘導体、又は、第二級アミン及びその誘導体が好ましい。より好ましいのは、芳香族アミン及びその誘導体である。嵩高い方が副生物の生成量を減少させることができるからである。具体的には、芳香族アミン及びその誘導体としては、例えば、化7に示したアニリン、化8に示した4−メチルアニリン、化9に示した2−メチルアニリン、化10に示した3−メチルアニリン、化11に示した4−メトキシアニリン、化12に示した4−フルオロアニリン、化13に示した4−クロロアニリンが好ましく挙げられる。
Figure 0006905705
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また、第二級アミン及びその誘導体としては、例えば、化14に示したN−メチル−1−ペンチルアミンが好ましく挙げられる。
Figure 0006905705
原料のアルコールは、分岐を有しているか、又は、第二級アルコールであることが好ましい。嵩高い方が副生物の生成量をより減少させることができるからである。分岐を有するものとしては、例えば、2−メチル−1−プロパノール(CHCH(CH)CH−OH)、2−メチル−1−ブタノール(CHCHCH(CH)CH−OH)、2−メチル−1−ペンタノール(CHCHCHCH(CH)CH−OH)、2−メチル−1−ヘキサノール(CHCHCHCHCH(CH)CH−OH)、3メチル−1−ブタノール(CHCH(CH)CHCH−OH)、3−メチル−1−ペンタノール(CHCHCH(CH)CHCH−OH)、3−メチル−1−ヘキサノール(CHCHCHCH(CH)CHCH−OH)、4−メチル−1−ペンタノール(CHCH(CH)CHCHCH−OH)、4−メチル−1−ヘキサノール(CHCHCH(CH)CHCHCH−OH)、5−メチル−1−ヘキサノール(CHCH(CH)CHCHCHCH−OH)、2−メチル−1−ドデカノール、2−メチル−1−ウンデカノール、2−メチル−1−デカノール、2−メチル−1−ノナノール、2−メチル−1−オクタノール、2−メチル−1−ヘプタノールが好ましく挙げられる。
第二級アルコールとしては、例えば、2−プロパノール(CHCH(OH)CH)、2−ブタノール(CHCH(OH)CHCH)、2−ペンタノール(CHCH(OH)CHCHCH)、2−ヘキサノール、3−ペンタノール(CHCHCH(OH)CHCH)、3−ヘキサノール(CHCHCH(OH)CHCHCH)、化15に示したシクロヘキサノール、化16に示したシクロペンタノール、化17に示した2−メチルシクロペンタノール、化18に示した3−メチルシクロペンタノールが好ましく挙げられる。
Figure 0006905705
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このカルバミン酸エステルの製造方法では、例えば、図1に示したような反応装置10の中に、原料であるアミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種と、アルコールと、二酸化炭素と、触媒である酸化セリウムと、脱水剤である2−CNPyとを入れ、撹拌しながら加熱して反応させる。撹拌は、例えば、撹拌子11により行い、反応温度は、例えば、温度計12により測定する。二酸化炭素は、図示しない供給源から反応装置10に供給し、反応装置10の中の二酸化炭素圧力が所定の範囲内となるように調整される。
加熱温度は、例えば、403K以上473K以下の範囲内とすることが好ましく、413K以上443K以下の範囲内とすればより好ましい。この範囲内において良好に反応させることができるからである。二酸化炭素の圧力は、0.1MPa以上10MPa以下の範囲内とすることが好ましく、0.5MPa以上5MPa以下の範囲内とすればより好ましい。この範囲内において良好に反応させることができるからである。反応時間は、例えば、1時間から24時間程度である。
このように本実施の形態によれば、炭素数が3以上のアルコールを用いるようにしたので、高い収率を得ることができると共に、副生物の生成量を減少させることができる。また、二酸化炭素の圧力を低くすることができ、容易に製造することができる。
特に、分岐を有するアルコールを用いるようにすれば、又は、第二級アルコール用いるようにすれば、より高い効果を得ることができる。また、芳香族アミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種、又は、第二級アミン及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を用いるようにすれば、より高い効果を得ることができる。
(実施例1−1〜1−7、比較例1−1,1−2)
反応装置10として190mlのオートクレーブを用意し、その中に、原料であるアニリン(化7)、アルコール、及び、二酸化炭素と、触媒である酸化セリウムと、脱水剤である2−CNPyを入れ、撹拌しながら加熱してカルバミン酸エステルを製造した。
原料であるアルコールには、実施例1−1では1−プロパノール(CHCHCH−OH)、実施例1−2では1−ペンタノール(CHCHCHCHCH−OH)、実施例1−3では1−ヘプタノール(CHCHCHCHCHCHCH−OH)、実施例1−4では2−メチル−1−プロパノール(CHCH(CH)CH−OH)、実施例1−5では3メチル−1−ブタノール(CHCH(CH)CHCH−OH)、実施例1−6では2−プロパノール(CHCH(OH)CH)、実施例1−7ではシクロヘキサノール(化15)を用いた。また、比較例1−1ではメタノール(CH−OH)、比較例1−2ではエタノール(CHCH−OH)を用いた。表1に、アルコールの種類及び炭素数を示す。また、分岐を有するものには分岐の欄に「有」と記し、第二級アルコールは二級の欄に「○」を印した。
Figure 0006905705
アニリン、アルコール、酸化セリウム、及び、2−CNPyの混合量は、いずれも、アニリン5mmol、アルコール75mmol、酸化セリウム2mmol、2−CNPy75mmolとし、二酸化炭素の圧力は5MPaとした。反応温度は423Kとし、反応時間は実施例1−1〜1−5及び比較例1−1,1−2については6時間、実施例1−6,1−7については8時間とした。各実施例及び各比較例について、転化率、選択率、副生物であるカーボネートと2−PAの生成量を測定した。なお、転化率及び選択率は、アニリンベースで算出した値である。得られた結果を表1に示す。
表1に示したように、本実施によれば、いずれも比較例と同等の高い収率を得ることができた。また、本実施例によれば、比較例1−1,1−2に比べて、副生物であるカーボネート及び2−PAの生成量を少なくすることができた。中でも、分岐を有するアルコールを用いた実施例1−4〜1−6によれば、副生物の生成量をより少なくすることができ、第二級アルコールを用いた実施例1−6,1−7によれば、副生物の生成量を更に少なくすることができた。
すなわち、炭素数が3以上のアルコールを用いるようにすれば、副生物の生成量を減少させることができ、分岐を有するアルコール、又は、第2級アルコールを用いるようにすれば、更に副生物の生成量を減少させることができることが分かった。
(実施例2−1〜2−7)
実施例2−1〜2−7として、原料であるアミン及びその誘導体の種類を変化させた。アミン及びその誘導体として、実施例2−1では、化8に示した4−メチルアミンを用い、実施例2−2では、化9に示した2−メチルアミンを用い、実施例2−3では、化10に示した3−メチルアミンを用い、実施例2−4では化11に示した4−メトキシアニリンを用い、実施例2−5では、化12に示した4−フルオロアニリンを用い、実施例2−6では、化13に示した4−クロロアニリンを用い、実施例2−7では、化14に示したN−メチル−1−ペンチルアミンを用いた。
また、原料であるアルコールには2−プロパノール(CH3CH(OH)CH3)を用いた。アミン及びその誘導体、2−プロパノール、酸化セリウム、及び、2−CNPyの混合量は、いずれも、アミン及びその誘導体5mmol、2−プロパノール75mmol、酸化セリウム(実施例2−1〜2−6は2mmol:実施例2−7は1mmol)、2−CNPy10mmolとし、二酸化炭素の圧力は1MPaとした。反応温度は423Kとし、反応時間は実施例2−1〜2−6については48時間、実施例2−7については24時間とした。他は、実施例1−1〜1−7と同様にしてカルバミン酸エステルを製造した。各実施例について、転化率、選択率、副生物であるカーボネートと2−PAの生成量を測定した。転化率及び選択率は、アミン及びその誘導体をベースとして算出した値である。得られた結果を表2に示す。
Figure 0006905705
また、各実施例において製造されるカルバミン酸エステルの構造は、実施例2−1が化19、実施例2−2が化20、実施例2−3が化21、実施例2−4が化22、実施例2−5が化23、実施例2−6が化24、実施例2−7が化25に示した通りである。
Figure 0006905705
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表2に示したように、各実施例においていずれもカルバミン酸エステルが合成され、また、副生物であるカーボネート及び2−PAの生成量は少なかった。すなわち、他のアミン及びその誘導体を用いても、同様の効果を得ることができることが分かった。特に、芳香族アミン及びその誘導体を用いれば、高い収率を得ることができ好ましいことが分かった。
(実施例3−1〜3−5)
実施例3−1〜3−5として、原料である二酸化炭素の圧力を変化させた。各実施例における二酸化炭素の圧力は、実施例3−1が0.5MPa、実施例3−2が1MPa、実施例3−3が2MPa、実施例3−4が4MPa、実施例3−5が5MPaとした。また、原料であるアミン及びその誘導体には化7に示したアニリンを用い、アルコールには2−プロパノール(CH3CH(OH)CH3)を用いた。アニリン、2−プロパノール、酸化セリウム、及び、2−CNPyの混合量は、いずれも、アニリン5mmol、2−プロパノール75mmol、酸化セリウム1mmol、2−CNPy10mmolとした。反応温度は423Kとし、反応時間は24時間とした。他は、実施例1−1〜1−7と同様にしてカルバミン酸エステルを製造した。各実施例について、転化率、選択率、副生物であるカーボネートと2−PAの生成量を測定した。転化率及び選択率は、アニリンベースとして算出した値である。得られた結果を表3に示す。
Figure 0006905705
表3に示したように、二酸化炭素の圧力を低くしても、高い収率を得ることができ、また、副生物であるカーボネート及び2−PAの生成量も少なかった。すなわち、炭素数が3以上のアルコールを用いてカルバミン酸エステルを合成するようにすれば、二酸化炭素の圧力を低くすることができることが分かった。よって、製造装置を簡素化することができ、実施する上で有効であることが分かった。
(実施例4−1〜4−5)
実施例4−1〜4−5として、脱水剤である2−CNPyの混合量を変化させた。2−CNPyの混合量は、実施例4−1が6mmol、実施例4−2が10mmol、実施例4−3が30mmol、実施例4−4が50mmol、実施例4−5が75mmolである。また、原料であるアミン及びその誘導体には化7に示したアニリンを用い、アルコールには2−プロパノール(CH3CH(OH)CH3)を用いた。アニリン、2−プロパノール、及び、酸化セリウムの混合量は、いずれも、アニリン5mmol、2−プロパノール75mmol、酸化セリウム2mmolとし、二酸化炭素の圧力は5MPaとした。反応温度は423Kとし、反応時間は実施例4−1、4−2は24時間とし、実施例4−3,4−4は12時間とし、実施例4−5は8時間とした。他は、実施例1−1〜1−7と同様にしてカルバミン酸エステルを製造した。各実施例について、転化率、選択率、副生物であるカーボネートと2−PAの生成量を測定した。転化率及び選択率は、アニリンベースとして算出した値である。得られた結果を表4に示す。
Figure 0006905705
表4に示したように、2−CNPyの混合量を少なくしても、高い収率を得ることができ、また、副生物であるカーボネート及び2−PAの生成量も少なかった。すなわち、炭素数が3以上のアルコールを用いてカルバミン酸エステルを合成するようにすれば、脱水剤である2−CNPyの添加量を少なくすることができることが分かった。
(実施例5−1〜5−4)
実施例5−1〜5−4として、反応温度を変化させた。反応温度は、実施例5−1が413K、実施例5−2が423K、実施例5−3が433K、実施例5−4が443Kである。また、原料であるアミン及びその誘導体には化7に示したアニリンを用い、アルコールには2−プロパノール(CH3CH(OH)CH3)を用いた。アニリン、2−プロパノール、酸化セリウム、及び、2−CNPyの混合量は、いずれも、アニリン5mmol、2−プロパノール75mmol、酸化セリウム0.01mmol、2−CNPy10mmolとし、二酸化炭素の圧力は1MPa、反応時間は4時間とした。他は、実施例1−1〜1−7と同様にしてカルバミン酸エステルを製造した。各実施例について、転化率、選択率、副生物であるカーボネートと2−PAの生成量を測定した。転化率及び選択率は、アニリンベースとして算出した値である。得られた結果を表5に示す。
Figure 0006905705
表5に示したように、各実施例においていずれもカルバミン酸エステルを合成が確認された。
(実施例6−1〜6−5)
実施例6−1〜6−5として、反応時間を変化させた。反応時間は、実施例6−1が0時間、実施例6−2が1時間、実施例6−3が4時間、実施例6−4が6時間、実施例6−5が8時間である。また、原料であるアミン及びその誘導体には化7に示したアニリンを用い、アルコールには2−プロパノール(CH3CH(OH)CH3)を用いた。アニリン、2−プロパノール、酸化セリウム、及び、2−CNPyの混合量は、いずれも、アニリン5mmol、2−プロパノール75mmol、酸化セリウム2mmol、2−CNPy75mmolとし、二酸化炭素の圧力は5MPa、反応温度は423Kとした。他は、実施例1−1〜1−7と同様にしてカルバミン酸エステルを製造した。各実施例について、転化率、選択率、副生物であるカーボネートと2−PAの生成量を測定した。転化率及び選択率は、アニリンベースとして算出した値である。得られた結果を表6に示す。
Figure 0006905705
表6に示したように、各実施例においていずれもカルバミン酸エステルを合成が確認され、反応時間をある程度長くすれば十分に反応を進めることができることが分かった。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。
10…反応装置、11…撹拌子、12…温度計

Claims (3)

  1. アミンと、アルコールと、二酸化炭素とを原料とし、酸化セリウムを触媒、2−シアノピリジンを脱水剤として用いてカルバミン酸エステルを合成するカルバミン酸エステルの製造方法であって、
    前記アルコールは、分岐を有するか又は第ニ級アルコールであり、かつ、炭素数が3以上であることを特徴とするカルバミン酸エステルの製造方法。
  2. 前記アミンは、芳香族アミンであることを特徴とする請求項1記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
  3. 前記アミンは、第二級アミンであることを特徴とする請求項1記載のカルバミン酸エステルの製造方法。
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