以下、図面を参照して、本実施例について説明する。以下では、取引端末の一例として、現金自動預払機(ATM)について記載しているが、両替機や券売機をはじめ、広告を表示可能な様々な端末に適用することができる。
図1は、本実施例における現金自動預払機および現金自動預払機に搭載されている顧客用タブレット端末の外観図である。図1に示すように、現金自動預払機100は、顧客用タブレット端末110、顧客が取引選択など現金自動預払機100を操作する際に使用するタッチパネルから構成される顧客操作画面120を有している。
なお、以下では特に説明を省略しているが、現金自動預払機100には、利用者が取引を行うための通帳の受け入れおよび排出を行うための通帳ユニット、利用者が取引を行うためのキャッシュカードの受け入れとキャッシュカードおよび明細票の排出を行うカードユニット、利用者から硬貨の投入を受け付け、または利用者に硬貨を排出する硬貨ユニット、利用者から紙幣の投入を受け付け、または利用者に紙幣を排出する紙幣ユニット、紙幣や硬貨を収納するための収納庫、現金自動預払機100の各部を制御するCPU(Central Processing Unit)及びメモリから構成された制御ユニット等、現金自動預払機100が通常備えるべき各部を有している。
また、顧客用タブレット端末110は、ハードウェアとしては一般的な携帯端末であり、CPUやメモリ、タッチパネル、NIC(Network Interface Card)等の各部を有している。現金自動預払機100は、個体を識別するための機番を持っており、顧客用タブレット端末110は、自身が搭載されている現金自動預払機100の機番をメモリに記憶している。顧客用タブレット端末110は、広告表示機能と、広告の内容に応じてタッチによる入力操作を受け付ける機能を有している。
図2は、本実施例におけるシステム構成図である。図2に示すように、広告効果通知システム(サイネージシステム)1000において、複数の顧客用タブレット端末110(図2では、3つの顧客用タブレット端末111、112、113)が、顧客用タブレットを管理するサーバ210に、ネットワークN1を介して接続されている。また、サーバ210には、ネットワークN2を介して、店員用PC220が接続されている。店員用PC220は、店内で働いている店員231、232、233が閲覧できる場所に設置され、各店員が操作できるタッチパネル画面を有している。なお、ネットワークN1は、例えば、専用線等の通信回線網であり、ネットワークN2は、店舗内のLAN(Local Area Network)である。
サーバ210、店員用PC220は、ハードウェアとしては一般的なコンピュータ端末であり、CPUやメモリ、タッチパネル、NIC(Network Interface Card)等の各部を有している。店員用PC220は、各店員の在席情報を記憶しており、店員の操作によって在席情報を変更する機能を有している。顧客用タブレット111、112、113および店員用PC220は、有線または無線の通信機能を有した上記NICを介して、サーバ210と通信して情報の送受信が可能である。
図3A、3Bは、本実施例において顧客用タブレットで表示する広告である。ここでは、顧客用タブレット端末110のCPUが、広告メニュー画面310(a)、広告画面320(b)、詳細表示画面330(c)、詳細表示画面340(d)の4つの画面を表示する場合について例示しているが、画面数や広告の内容については様々な構成をとることができる。詳細表示画面は、広告画面により表示される広告に関する様々な内容を示すものである。
広告メニュー画面310は、住宅ローンの案内を行う広告のメニュー画面である。図3Aの上段に示すように、本画面では、メニュー切り替えボタン311および312が表示される。顧客からタッチパネルがこのボタンのタッチ操作を受け付けると、他の広告のメニュー画面が表示される。また、本画面では、広告詳細表示ボタン313、314、および315が表示される。顧客からタッチパネルがボタン313のタッチ操作を受け付けると、顧客用タブレット端末110は、詳細表示画面330(c)を表示する。顧客からタッチパネルがボタン314のタッチ操作を受け付けると、顧客用タブレット端末110は、詳細表示画面340(d)を表示する。顧客からタッチパネルがボタン315のタッチ操作を受け付けると、ボタン313、314と同様、顧客用タブレット端末110は、対応する詳細表示画面(不図示)を表示する。
広告画面320(b)は、ネットバンキングの案内を行う広告のメニュー画面である。図3Aの下段に示すように、本画面では、メニュー切り替えボタン321および322が表示される。顧客からタッチパネルがこのボタンのタッチ操作を受け付けると、他の広告のメニュー画面が表示される。また、本画面では、広告詳細表示ボタン323および324が表示され、顧客からタッチパネルがこれらのボタンのタッチ操作を受け付けると、ボタン313、314、315と同様に、顧客用タブレット端末110は、ネットバンキングについての詳細表示画面(不図示)を表示する。
詳細表示画面330(c)は、住宅ローンの広告における、金利についての詳細表示画面である。本画面では、タッチボタン331、332、333が表示される。顧客からタッチパネルがボタン331のタッチ操作を受け付けると、顧客用タブレット端末110は、金額の比較を行う詳細表示画面340を表示する。顧客からタッチパネルがボタン332のタッチ操作を受け付けると、ボタン331と同様に、顧客用タブレット端末110は、対応する詳細表示画面(不図示)を表示する。顧客からタッチパネルがボタン333のタッチ操作を受け付けると、顧客用タブレット端末110は詳細表示画面を終了し、広告メニュー画面310を表示する。
詳細表示画面340(d)は、住宅ローンの広告における、金額の比較を行う詳細表示画面である。本画面では、タッチボタン341、342、343が表示される。顧客からタッチパネルがボタン341のタッチ操作を受け付けると、顧客用タブレット端末110は、詳細表示画面330を表示する。顧客からタッチパネルがボタン342のタッチ操作を受け付けると、ボタン341と同様に、顧客用タブレット端末110は、対応する詳細表示画面(不図示)を表示する。顧客からタッチパネルがボタン343のタッチ操作を受け付けると、顧客用タブレット端末110は、詳細表示画面を終了し、広告メニュー画面310を表示する。
図4は、店員用PC220が表示する画面例である。ここでは、店員用PC220のCPUが、待機画面350(a)、担当者呼び出し画面360の2つの店員用画面を表示する場合について例示しているが、画面数や広告の内容については様々な構成をとることができる。
待機画面350は、店員の在席を確認するための待機画面である。図4の(a)に示すように、待機画面350では、店員の在席情報を表示し、操作によって在席情報を変更することができる。
店員氏名351の列には、勤務している店員の氏名が表示される。店員用PC220は、各店員について在不在フラグを記憶しており、在不在の列352には、店員氏名351に対応付けて在不在フラグが表示される。変更ボタンの列353および354には、在不在フラグに対応付けて、当該在不在フラグによる在席情報を変更するボタンが表示される。在席にするボタン353がタッチされると、店員用PC220は、該当する店員の在不在フラグを在状態○印とし、在不在列352に○印を表示する。不在にするボタン354がタッチされると、店員用PC220は、該当する店員の在不在フラグを不在状態(×印)とし、在不在列352に×印を表示する。通常、店員は離席あるいは退勤する際に不在にするボタンをタップし、戻席あるいは出勤の際に在席にするボタンをタップする。タッチパネルがこれらの操作を受け付けて、店員用PC220のCPUが、上記在不在フラグを切り替える。
担当者呼び出し画面360は、顧客が広告に興味を持っていると判断したときに表示する、担当者呼び出し画面である。店員の名前と、現金自動預払機の機番を示すメッセージを含む担当者メッセージ欄361である。店員用PC220のCPUは、メッセージの「○○様へ」の部分に店員の名前を、「○○号機」の部分に当該の現金自動預払機の機番をそれぞれ表示する。上記店員の名前は、あらかじめ店員用PC220のメモリに記憶される。また、上記機番は、現金自動預払機100あるいは顧客用タブレット端末110からネットワークN1、N2を介して通知され、店員用PC220のメモリに記憶される。
また、当該画面には、担当者メッセージ欄361の機番に示す現金自動預払機100を利用中の顧客の閲覧履歴を示す顧客閲覧メッセージ欄362が表示される。ここで、閲覧履歴とは、顧客が興味を持ったと判断した広告の種類と、閲覧した詳細表示画面を表している。図4の(b)では、住宅ローンの金利キャンペーンの広告画面(図3Aの上段)が表示されているときに、顧客が、その詳細表示画面(図3Bの上段、下段)をタッチして、顧客用タブレット端末110のタッチパネルにこれらの画面が表示されたことを示している。
図5は、サーバ、顧客用タブレット、および店員用PCに記憶されるテーブルまたは設定値を示している。
サーバ210は、タイムアウト時間の設定値410を記憶する(図5(a))。タイムアウト時間の役割については、後述の図7で説明する。
顧客用タブレット端末110は、広告分類テーブル420を記憶する(図5(b))。図5(b)に示すように、広告分類テーブル420には、広告種類と詳細表示画面とが対応付けて記憶されている。広告種類は、図3A上段、図3A下段に示したような、顧客用タブレット端末110のタッチパネルに表示される広告の種類である。また、詳細表示画面は、図3B上段、図3B下段に示したような、それぞれの種類の広告についての詳細な案内等の情報を表示する詳細表示画面である。図5(b)では、例えば、住宅ローンの広告では、詳細表示画面として、金利詳細、金額比較、シミュレートの各画面が表示されることを示している。
顧客が顧客用タブレット端末110を操作し、顧客用タブレット端末110が表示した詳細表示画面を閲覧したとき、その画面が広告分類テーブル420に記載されている詳細表示画面であれば、顧客用タブレット端末110は、サーバ210に閲覧情報を送信する。ここで閲覧情報とは、当該の顧客用タブレット端末110が搭載されている現金自動預払機100の機番、閲覧した広告の種類、および閲覧した詳細表示画面を含む。以下では、現金自動預払機100の機番が閲覧情報に含まれる前提で説明しているが、顧客用タブレット端末110の識別情報を含めてもよい。
店員用PC220は、興味度テーブル430(図5(c))、判断基準テーブル440(図5(d))、および担当者選択テーブル450(図5(e))を記憶する。
興味度テーブル430は、広告分類テーブル420に記載されている各詳細表示画面についての加算ポイントを対応付けたテーブルである。図5(c)に示すように、興味度テーブル430は、広告分類テーブル420と同様の広告種類および詳細表示画面と、加算ポイントとが対応付けて記憶されている。加算ポイントとは、顧客が顧客用タブレット端末110を操作し、顧客用タブレット端末110が表示した広告メニュー画面から広告詳細表示ボタンをタッチして詳細表示画面を閲覧したとき、その広告種類と詳細表示画面毎に集計するポイントを示している。
図5(c)では、例えば、住宅ローンの広告が表示され、その中からさらに金利詳細画面が表示された場合には、5ポイントが加算されることを示している。同様に、住宅ローンの広告が表示され、その中からさらにシミュレート画面が表示された場合には、10ポイントが加算されることを示している。このように、本実施例では、詳細表示画面の内容に応じて、加算すべきポイントの値を定めている。これにより、銀行が重要視している広告については、一度に加算されるポイントの値が多くなるため、短時間でポイントの値が閾値に達し、店員が顧客に説明する頻度を上げることができる。また、これとは逆に、優先度が低い広告については、一度に加算されるポイントの値が少ないため、顧客に説明する頻度を下げることができ、店員の労力を軽減することができる。
後述するように、前記興味度テーブル430に基づいて集計された広告種類ごとのポイントの合計値が、判断基準テーブル440に示す閾値の値を超えたとき、店員用PC220のCPUは、顧客が広告の内容に興味を持っていると判断し、図4(b)に示した担当者呼び出し画面360を表示する。
判断基準テーブル440は、顧客が広告の内容に興味を持っていると判断するためのテーブルである。
担当者選択テーブル450は、広告種類ごとにどの店員を優先して呼び出すかを示す優先度、および当該の店員が在席しているか否かを示す在不在フラグが対応付けて記憶されている。通常、優先度は広告の種類ごとに店員の担当部署や経験度を基に決定される。在不在フラグは前記待機画面350(図4(a))の操作にて変更が可能であり、店員用PC220のCPUは、タッチパネルに表示された当該の店員から待機画面350の不在にするボタンのタップを受け付けた際に「×」印にセットし、在席にするボタンのタップを受け付けた際に、「○」印にセットする。
図5(e)では、担当店員(日立、御室、田皆)のうち、現在は日立が不在であることを示している。また、これらの店員のうち、住宅ローンについては、日立、御室、田皆の順に優先度が高く、この順に呼び出されることを示している。同様に、個人年金については、田皆、御室、日立の順に優先度が高く、この順に呼び出され、ネットバンキングについては、御室、田皆、日立の順に優先度が高く、この順に呼び出されることを示している。以上の、ポイントを集計して顧客が興味を持っているかどうかを判定する方法および呼び出す店員を選択する方法については、後述の図8で説明する。
図6は、顧客が広告に興味を持ったと判定し担当者を呼び出すときのシーケンスである。以下、図6を用いてシステム全体の動きを説明する。なお、以下の処理は、現金自動預払機100において顧客との間で行われる各種の取引処理の実行と並行して行われる。例えば、顧客がキャッシュカードの挿入や顧客操作画面120を操作する等して取引を開始し、その後、顧客用タブレット110のタッチパネルに表示されている広告に対してタッチ操作を行うと、現金自動預払機100は、実行している取引処理と並行して、上記タッチ操作が行われる都度、図6に示す処理を行う。
顧客501(以下、顧客A)および502(以下、顧客B)は、顧客用タブレット110を操作し、サーバ210、店員用PC220により処理が実行された後、担当者506として、店員用PC220が選択して店員を呼び出す。
顧客Aが顧客用タブレット110を操作し広告を閲覧したとき、顧客用タブレット110は、その閲覧した画面が広告分類テーブル420に示す詳細表示画面であるか否かを判定する。顧客用タブレット110は、広告分類テーブル420に示す詳細表示画面以外の画面を閲覧したとき、顧客用タブレットは特別な処理は行わず広告の表示を継続する(ステップ511)。
一方、顧客用タブレット110は、顧客Aが広告分類テーブル420に示す詳細表示画面を閲覧したと判定した場合、その閲覧情報をサーバ540へ送信する(ステップ512、513)。ここで、閲覧情報とは、閲覧した広告の種類、詳細表示画面、および該顧客用タブレット端末110が搭載されている現金自動預払機100の機番で構成される。
顧客用タブレット端末110がサーバ210に閲覧情報を送信すると、サーバ210は、受信した閲覧情報を店員用PCに送信する(ステップ514)。店員用PC220は、サーバ210から閲覧情報を受信すると、興味度加算処理を行い、ポイントを集計する(ステップ515)。興味度加算処理については、図8A、8Bにて説明する。
サーバ210は、顧客用タブレット端末110を操作していた顧客Aがその場を離れたことを判断するための、タイムアウト検知機能を有している。サーバ210は、顧客用タブレット端末110からサーバ210に対する閲覧情報の送信が、図5のタイムアウト時間の設定値410で定義されるタイムアウト時間を超えて行われない場合、サーバ210はタイムアウトを検知する(ステップ516)。すなわち、サーバ210は、上記閲覧情報を受信してから、タイムアウト時間の設定値410で定められた閾値が経過したか否かを判定し、タイムアウト時間の設定値410で定められた閾値が経過したと判定した場合、タイムアウトと判断する。
サーバ210は、タイムアウトを検知すると、店員用PC220にタイムアウト通知を行う(ステップ517)。
店員用PC220は、サーバ210からタイムアウト通知を受信すると、タイムアウト処理を行う(ステップ518)。タイムアウトの検知(ステップ516)およびタイムアウト処理(ステップ518)については、図8A、8Bで説明する。
ステップ519以降において、タイムアウト処理後、顧客501とは異なる顧客Bが来店し、広告を閲覧した場合を説明する。
ステップ519〜523は、ステップ511〜515に示す処理と同様である。ここで、ステップ524にて顧客Bがさらに詳細広告画面を閲覧したとき、顧客用タブレット端末110は、ステップ513の場合と同様に、サーバ210に閲覧情報を送信し(ステップ525)、サーバ210は、店員用PC220に閲覧情報を送信する(ステップ526)。
店員用PC220は、ステップ515と同様に、興味度加算処理を行い(ステップ527)、集計したポイントが判断基準テーブルの閾値(図5(d))を超えたか否かを判定する(ステップ527)。店員用PC220は、集計したポイントが判断基準テーブルの閾値(図5(d))を超えたか否かを判定したとき、顧客Bが広告に興味を持っていると判断し、担当者選択処理を行う(ステップ528)。担当者選択処理については、図8A、8Bで説明する。
店員用PC220は、担当者呼び出し画面360(図4(b)を表示し(ステップ529)、ステップ528で選択された担当者を呼び出す。その後、担当者は、顧客Bの元に赴き直接広告の案内を行う(ステップ530)。
なお、担当者の呼び出しについては、当該担当者呼び出し画面360を表示させることで担当者を呼び出してもよいし、あらかじめ登録しておいた担当者の携帯端末(例えば、スマートフォン)にメール送信したり、当該担当者呼び出し画面360と同様の画面を表示させることによって呼び出してもよい。このような処理とすることで、例えば、呼び出された担当者が離席している場合でも呼び出すことができる。
以下、図7に示すサーバの処理フローチャートを用いて、サーバ210が行う処理について説明する。
サーバ210は、処理を開始すると(ステップ601)、自身と接続している顧客用タブレット端末110毎に、ステップ603、604、605、606に示すループ処理を行う。
サーバ210は、顧客用タブレット端末110からの閲覧情報の受信の有無を判定する。サーバ210は、閲覧情報を受信したと判定した場合(ステップ603:はい)、ステップ604に移行し、店員用PC220に閲覧情報を送信する。
サーバ210は、前回に閲覧情報を受信した時から現在までに経過した時間と、図5のタイムアウト時間の設定値410で定義されるタイムアウト時間を比較し、上記経過した時間がタイムアウト時間よりも長いか否かを判定する(ステップ605)。サーバ210は、上記経過した時間がタイムアウト時間よりも長いと判定した場合(ステップ605;はい)、ステップ606に移行し、店員用PC220にタイムアウト通知を送信する。ここで、タイムアウト通知は、当該の顧客用タブレット端末110から直前に受信した閲覧情報に含まれる、顧客用タブレット端末110が設置されている現金自動預払機100の機番で構成される。
一方、サーバ210は、上記経過した時間がタイムアウト時間よりも長いと判定した場合(ステップ605;いいえ)、何もせずにステップ607に進む。
サーバ210は、全ての顧客用タブレットに対して処理を終えていない場合は、次のタブレットに対して同様の処理を実行する。全ての顧客用タブレットに対して処理を終えている場合はループを抜け、ステップ602に移行し再び各顧客用タブレットに対してループ処理を開始する。
以下、図8A、8Bに示す店員用PCのフローチャートを用いて、店員用PC220が行う処理について説明する。
店員用PC220は、処理を開始すると(ステップ701)、サーバ210からの情報を受信するまで待機し(ステップ702)、サーバ210が店員用PC220に情報を送信した場合は、ステップ703にてその情報を受信する。ここで、サーバから受信する情報は、閲覧情報あるいはタイムアウト通知である
したがって、店員用PC220は、サーバ210から受信した情報が閲覧情報であるか否か(すなわち、閲覧情報とタイムアウト通知のどちらであるか)を判定し、当該判定によって分岐する(ステップ704)。店員用PC220は、タイムアウト通知であると判定した場合は(ステップ704;いいえ)、ステップ705に示すタイムアウト処理に移行する。一方、店員用PC220は、閲覧情報であると判定した場合は(ステップ704;はい)、ステップ706に示す興味度加算処理に移行する。
タイムアウト処理705は、ステップ705aおよびステップ705bの二つの処理からなる(ステップ705)。ステップ705aにて、店員用PC220は、該当する顧客用タブレット端末110について集計している広告の種類毎の興味度ポイントをすべて0にリセットする。リセットする理由は、タイムアウト通知を受信した場合には、顧客が顧客用タブレット端末110の前にはいない状況にあると考えられ、次の顧客に対する準備を行うためである。ステップ705bにて、店員用PC220は、待機画面350(図4(a))を表示する。タイムアウト処理を終えると、店員用PC220は、ステップ702に移行し、再度サーバ210からの情報を受信するまで待機する。
興味度加算処理706は、ステップ706aおよびステップ706bの二つの処理からなる(ステップ706)。店員用PC220は、すべての顧客用タブレット端末110に対してそれぞれ、広告の種類毎の興味度ポイントを集計している。ステップ706aにて、店員用PC220は、メモリに記憶した図5の興味度テーブル430を参照し、受信した閲覧情報に含まれる広告種類および詳細表示画面に対応する加算ポイントを取得する。さらに、店員用PC220は、ステップ706bにて、当該の顧客用タブレット端末110に対する、該当する広告の種類毎の現在の興味度ポイントに、ステップ706aで取得した加算ポイントを加える。
例えば、店員用PC220は、受信した閲覧情報に含まれる広告種類が住宅ローンであり、詳細表示画面がシミュレートである場合、これらに対応する加算ポイント10を、それまでに加算された興味度ポイントに加算する。
店員用PC220は、興味度加算処理を終えると、図8Bに進み、ステップ707にて、興味度ポイントと図5の判断基準テーブル440(図5(d))に記憶されている閾値との比較を行い、興味度ポイントが閾値を上回っているか否かを判定する。店員用PC220は、興味度ポイントが閾値を上回っていると判定した場合(ステップ707;はい)、該当する広告の種類に対して顧客が興味を持っていると判断し、ステップ708に示す担当者選択処理を実施する。一方、店員用PC220は、興味度ポイントが閾値を上回っていないと判定した場合(ステップ707;いいえ)、ステップ702に戻って以降の処理を繰り返す。
担当者選択処理708は、ステップ708a、ステップ708b、ステップ708c、ステップ708dの四つの処理からなる(ステップ708)。
店員用PC220は、ステップ708aにて、変数i=1と定義する。
店員用PC220は、ステップ708bにて、担当者選択テーブル450(図5(e))を参照し、顧客が興味を持っていると判断した広告に対しての優先度がiである人物を担当者として選択する。すなわち、店員用PC220は、顧客が興味を持っていると判断した広告に対して優先度が高い順に担当者を選択する。
店員用PC220は、ステップ708cにて、上記担当者選択テーブル450を参照し、選択した担当者が在席しているか否かを判定する。店員用PC220は、ステップ708bにて選択した担当者が不在であると判定した場合(ステップ708b;いいえ)、ステップ708dにて変数iに1を加算し、再度708bにて担当者を選択する。すなわち、店員用PC220は、次に優先度が高い担当者を選択する。
店員用PC220は、ステップ708bにて選択した担当者が在席していると判定した場合(ステップ708b;はい)、ステップ709にて担当者呼び出し画面360(図4(b))を表示し、担当者に知らせる。
なお、ここで表示した担当者呼び出し画面360は、顧客が操作を終えて一定時間がたつとサーバ210からタイムアウト通知を受信し、ステップ705bにて待機画面を表示するようになるため、以後の運用に影響はない。
以上によって、実施例1では、顧客が興味を持った広告を自動的に検知し、担当者を呼び出すことで、直接案内を行うことができる。具体的には、本システムでは、広告情報に応じた顧客の入力操作を判断し、即座に店員に通知するため、店員は通知を受けて顧客の元に赴けばよいので、ATMブースなどに案内専門の店員を常時配置する必要がなくなる。また、顧客が顧客用タブレットを操作し、表示中の広告に対して特に興味を示した場合に、店員はそれを知ることができ、広告の内容について詳細な案内の機会を得ることができ、また、顧客がどの広告に興味を持っているかを自動的に判断できるので、広告ごとに専門の知識を持つ店員が赴くことで、より効率の良い案内を行うことができる。この結果、当該の顧客に対して高い広告の効果を期待することができ、販促効果を高めることができる。
本実施例においては、実施例1の構成に加え、さらに勘定系サーバと接続し、顧客の個人情報を勘定系サーバから取得することで、顧客の興味度をより正確に測ることとする。
本実施例における現金自動預払機および現金自動預払機に搭載されている顧客用タブレット端末の外観は、図1に示す実施例1のものと共通である。
図9は、本実施例におけるシステム構成図である。図9に示すように、広告効果通知システム2000において、複数の顧客用タブレット端末110(図9では、3つの顧客用タブレット端末1111、1112、1113)が、顧客用タブレットを管理するサーバ1210に、ネットワークN1を介して接続されている。また、サーバ1210には、ネットワークN2を介して、店員用PC1220が接続されている。さらに、店員用PC1220には、ネットワークN3を介して、現金自動預払機100が行う取引のホスト側の処理を実行する勘定系サーバ1240が接続されている。
顧客用タブレット1111、1112、1113、サーバ1210、店員用PC1220、店員1231、1232、1233は、それぞれ図2に示す顧客用タブレット111、112、113、サーバ210、店員用PC220、店員231、232、233と同様である。
勘定系サーバ1240は、顧客の口座ごとの個人情報を管理している。勘定系サーバ1240は、ハードウェアとしては一般的なコンピュータ装置やホスト装置であり、CPUやメモリ、NIC、ハードディスク等の各部を有している。勘定系サーバ1240は、記憶部であるハードディスクに、取引情報データベース1241、顧客情報データベース1242を記憶している。取引情報データベース1241、顧客情報データベース1242の構成については既に知られているため具体的な説明は省略するが、例えば、取引情報データベース1241は、図示しないネットワークを介して、顧客用タブレット端末110を搭載した現金自動預払機100で行われている取引に関する情報(例えば、現金自動預払機100のタッチパネルから入力された取引種別、入出金金額、キャッシュカードに記録されている口座番号、取引時刻等の取引情報)を受信し、これらの情報を上記記憶部に現金自動預払機100ごとに随時蓄積している。また、例えば、顧客情報データベース1242は、顧客が口座を開設した場合に、上記口座番号に対応する顧客の個人情報(例えば、顧客の氏名、性別、年齢、住所)を蓄積している。
現金自動預払機100は、顧客が取引を開始すると、顧客の口座番号と取引情報を勘定系サーバに送信する。ここで個人情報とは、上記のとおり、例えば氏名・年齢・性別などである。以下では、年齢や性別を個人情報の例として挙げているが、これらのほか、職業や財産、肩書き、配偶者の有無、家族構成等の顧客の属性についても同様に考えることができる。店員用PC220は、勘定系サーバ1240とネットワークN3で繋がっており、必要に応じて顧客の個人情報を取得することができる。ネットワークN3は、例えば、ネットワークN1と同様の通信回線により構成される。
顧客用タブレット端末110に表示される広告は図3A、3Bと同様であり、店員用PC220に表示される広告は図4と同様である。
実施例1と同様に、サーバ1210は、図5のタイムアウト時間の設定値410を記憶し、顧客用タブレット端末110は、図5の広告分類テーブル420を記憶する。一方で店員用PC1220は、判断基準テーブルと、複数の興味度テーブルおよび複数の担当者選択テーブルを持つ。判断基準テーブルは図5に示す判断基準テーブル440と同様である。
図10A、10Bは、本実施例において店員用PC1220が記憶する興味度テーブルと担当者選択テーブルを示している。
店員用PC1220は、二つの興味度テーブルと、二つの興味度テーブルを記憶する。
具体的には、店員用PC1220は、30歳未満の顧客向け興味度テーブル1410、30歳以上の顧客向け興味度テーブル1420を記憶する。図10Aに示すように、顧客向け興味度テーブルには、顧客の年齢および閲覧情報に応じて加算ポイントが定められている。
また、店員用PC1220は、男性顧客向け担当者選択テーブル1430、女性顧客向け担当者選択テーブル1440を記憶する。図10Bに示すように、担当者選択テーブルには、担当者の性別に応じて担当者および優先度が定められている。図10A、10Bに示す四つのテーブルの使い方については、図11および図12A、12Bにて説明する。
図11は、本実施例において顧客が広告に興味を持ったと判定し担当者を呼び出すときのシーケンスである。以下、図11を用いてシステム全体の動きを説明する。なお、以下の処理は、実施例1の場合と同様、現金自動預払機100において顧客との間で行われる各種の取引処理の実行と並行して行われる。図11では、顧客用タブレット110を操作する顧客1501、店員用PC1220が呼び出す担当者1506以外の構成については図9と同様であるため、ここではその説明を省略する。
図11において、ステップ1511〜1514は、図6のステップ519〜522に示す処理と同様である。店員用PC1220は、サーバ1210から閲覧情報を受信すると(ステップ1514)、勘定系サーバ1240に機番を送信し(ステップ1515)、該当する機番の現金自動預払機100を操作している顧客の個人情報を要求する。勘定系サーバ1240は、店員用PC1220から要求された個人情報を、勘定系サーバ1240に記憶されている個人情報の中から検索して取得し、送信する(ステップ1516)。
ここで個人情報とは、年齢および性別を含む。上記顧客の個人情報の検索方法については、例えば、次のようにすればよい。勘定系サーバ1240が、店員用PC1220から受信した機番をキーにして取引情報データベース1241を参照し、当該機番で識別される現金自動預払機100で実行されている取引情報を読み取る。さらに、勘定系サーバ1240は、読み取った取引情報に含まれる口座番号をキーにして顧客情報データベース1242を参照し、当該口座番号に対応付けて記憶されている顧客の個人情報である年齢および性別を読み取り、店員用PC1220に送信すればよい。
店員用PC1220は、前記で入手した個人情報を用いてより正確に顧客の興味度を測るために、個人情報に含まれる年齢に基づいて今回使用する興味度テーブルを選択する(ステップ1517)。興味度テーブルを選択する方法については図12A、12Bにて説明する。店員用PC1220は、年齢に応じて選択した興味度テーブルを用いて、図6のステップ523と同様の興味度加算処理を行う(ステップ1518)。
ステップ1519〜1525は、ステップ1512〜1518に示す処理と同様である。店員用PC1220は、ステップ1525にて集計したポイントが判断基準テーブルの閾値(図5(d))を超えたか否かを判定し、上記集計したポイントが上記閾値を超えたと判定した場合、顧客が広告に興味を持っていると判断する。ここで、店員用PC1220は、前記ステップ1516にて取得した個人情報を用いてより適切な店員を担当者として選択するために、個人情報に含まれる年齢に基づいて今回使用する担当者選択テーブルを選択する(ステップ1526)。担当者選択テーブルを選択する方法については図12A、12Bにて説明する。
ステップ1527〜1529は、図6のステップ528〜530に示す処理と同様である。また、サーバ1210が行う処理は、図7にて示すフローチャートと同様である。以下、図12A、12Bに示す店員用PCのフローチャートを用いて、店員用PC1220が行う処理について説明する。
ステップ1701〜1705の処理は、図8Aのステップ701〜705の処理と同様である。店員用PC1220は、ステップ1703で受信した閲覧情報から機番を取得し、勘定系サーバ1240に送信する(ステップ1706)。店員用PC1220は、送信した機番の現金自動預払機100を操作している顧客の個人情報を勘定系サーバ1240から取得する(ステップ1707)。個人情報の取得方法については上述した方法により実行すればよい。
店員用PC1220は、取得した個人情報を参照し、顧客の年齢を取得し(ステップ1707)、当該顧客の年齢が30歳以上であるか30歳未満であるか判定する(ステップS1708)。店員用PC1220は、当該顧客の年齢が30歳未満であると判定した場合(ステップ1708;はい)、ステップ1709へ移行し、30歳未満の顧客向け興味度テーブルを興味度テーブルとして選択する(ステップ1709)。一方、店員用PC1220は、当該顧客の年齢が30歳以上であると判定した場合(ステップ1708;いいえ)、ステップ1710へ移行し、30歳以上の顧客向け興味度テーブルを興味度テーブルとして選択する(ステップ1710)。
店員用PC1220は、ステップ1709またはステップ1710で使用する興味度テーブルを決定した後、興味度加算処理を行う(ステップ1711)。興味度加算処理は、図8のステップ706に示す処理と同様である。
店員用PC1220は、興味度加算処理を終えると、図12Bに進み、興味度ポイントと判断基準テーブルの閾値の比較を行う(ステップ1712)。店員用PC1220は、興味度ポイントが閾値を上回っているか否かを判定し、興味度ポイントが閾値を上回っていると判定した場合(ステップ1712;はい)、該当する広告に対して顧客が興味を持っていると判断し、ステップ1713へ移行する。
店員用PC1220は、前記ステップ1707にて取得した個人情報を参照し、顧客の性別を判定する(ステップ1713)。店員用PC1220は、顧客が男性であると判定した場合(ステップ1713;はい)、ステップ1714へ移行し、男性顧客向け担当者選択テーブルを担当者選択テーブルとして使用する(ステップ1714)。一方、店員用PC1220は、顧客が女性であると判定した場合(ステップ1713;いいえ)、ステップ1715へ移行し、女性顧客向け担当者選択テーブルを担当者選択テーブルとして使用する(ステップ1715)。
店員用PC1220は、ステップ1714またはステップ1715で使用する担当者選択テーブルを決定した後、担当者選択処理を実施する(ステップ1716)。担当者選択処理は、図8のステップ708に示す処理と同様である。店員用PC1220は、担当者選択処理の後、担当者呼び出し画面360(図4(b))を表示し、担当者に知らせる(ステップ1717)。
以上によって、実施例2では、実施例1の効果に加え、顧客の年齢層に応じて興味度テーブルを用意することでより正確に顧客の興味を測ることができ、かつ、性別によって適切な担当者を選択することで、より効果の高い案内を行うことができる。
なお、実施例2においては興味度テーブルを顧客の年齢層毎に、担当者選択テーブルを顧客の性別毎に応じても設けたが、興味度テーブルを年齢に加えて性別毎に、担当者選択テーブルを性別に加えて年齢層毎に設けてもよい。さらに年齢と性別以外の個人情報を利用してさらに多彩な興味度テーブルと担当者テーブルを設ければ、一層効果の高い案内を行うことができる。
また、図11のステップ1515において、店員用PC1220は機番だけでなく顧客の閲覧情報を勘定系サーバに送信し、勘定系サーバは受信した閲覧情報を蓄積して当該の顧客の個人情報として記憶してもよい。また、顧客用タブレット端末110は、サーバ1210に閲覧情報を送信し、店員用PC1220は、サーバ1210から閲覧情報を取得したが、顧客用タブレット端末110から直接店員用PC1220に閲覧情報を送信する構成としてもよい。
また、図4のステップ360に示す担当者呼び出し画面を複数に分割する、あるいは複数のディスプレイを用意することで、担当者ごと、あるいは顧客用タブレットごとに画面を表示してもよい。また、図4のステップ360では画面に表示することで担当者を呼び出しているが、画面に表示する以外の方法で担当者を呼び出してもよい。方法としては、担当者の名前を呼ぶ音声を出力する、担当者の電話番号に音声メッセージを送る、担当者のメールアドレスにメールを送信してもよい。
また、呼び出された担当者が直接案内に赴く以外の方法も考えられる。例えば、実施例2においては、店員用PC1220は顧客の個人情報を取得しているので、当該の顧客に後日メールを送るなどの方法を採用してもよい。また、担当者選択テーブルに店員以外の人物を含めてもよい。例えば、住宅ローンの広告に興味を持った顧客がいれば、ファイナンシャルプランナーなど専門的知識を持った人物に連絡する方法を採用してもよい。
さらに、実施例1、実施例2では、店員用PCが興味度加算処理や担当者選択処理といった各種処理を実行したが、現金自動預払機の制御部がこれらの処理を実行し、その結果を店員用PCに送信してもよい。