以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、以下の説明において参照する図面において、各構成部材の大きさや厚みは説明の便宜上のものであり、必ずしも実際の寸法や比率を示すものではない。
図1は、実施の形態に係るパルス管冷凍機10を示す概略図である。パルス管冷凍機10は、コールドヘッド11と、圧縮機12とを備える。コールドヘッド11は、第1段冷却ステージ28と第2段冷却ステージ30とを備える。詳細は後述するが、コールドヘッド11は、第2段冷却ステージ30における流路形成と熱交換面積増加のために第2段冷却ステージ30内に挿入される挿入部材32をさらに備える。
パルス管冷凍機10は、一例として、GM(Gifford-McMahon)方式の4バルブ型のパルス管冷凍機である。よって、パルス管冷凍機10は、主圧力切換弁14と、第1段蓄冷器16と、第1段パルス管18と、第1段副圧力切換弁20および任意的に第1段流量調整要素21を有する第1段位相制御機構と、を備える。圧縮機12と主圧力切換弁14によりパルス管冷凍機10の振動流発生源が構成される。圧縮機12は、振動流発生源と第1段位相制御機構とで共有されている。
また、パルス管冷凍機10は、二段冷凍機であり、第2段蓄冷器22と、第2段パルス管24と、第2段副圧力切換弁26および任意的に第2段流量調整要素27を有する第2段位相制御機構と、をさらに備える。圧縮機12は、第2段位相制御機構にも共有されている。
本書では、パルス管冷凍機10の構成要素どうしの位置関係を説明するために、便宜上、縦方向Aおよび横方向Bとの用語を用いる。通例、縦方向Aと横方向Bはそれぞれ、パルス管(18、24)および蓄冷器(16、22)の軸方向と径方向にあたる。ただし、縦方向Aと横方向Bは互いにおおよそ直交する方向であればよく、厳密な直交は要しない。また、縦方向Aおよび横方向Bとの表記は、パルス管冷凍機10がその使用場所に設置される姿勢を限定するものではない。パルス管冷凍機10は所望される姿勢で設置可能であり、例えば、縦方向Aおよび横方向Bをそれぞれ鉛直方向および水平方向に向けるようにして設置されてもよいし、反対に、縦方向Aおよび横方向Bをそれぞれ水平方向および鉛直方向に向けるようにして設置されてもよい。あるいは、縦方向Aおよび横方向Bをそれぞれ互いに異なる斜め方向に向けるようにして設置することも可能である。
2つの蓄冷器(16、22)は直列に接続され、縦方向Aに延在する。2つのパルス管(18、24)はそれぞれ、縦方向Aに延在する。第1段蓄冷器16は、横方向Bに第1段パルス管18と並列に配置され、第2段蓄冷器22は、横方向Bに第2段パルス管24と並列に配置されている。第1段パルス管18は縦方向Aに第1段蓄冷器16とほぼ同じ長さを有し、第2段パルス管24は、縦方向Aに第1段蓄冷器16と第2段蓄冷器22の合計長さとほぼ同じ長さを有する。蓄冷器(16、22)とパルス管(18、24)は互いに概ね平行に配置されている。
圧縮機12は、圧縮機吐出口12aと圧縮機吸入口12bとを有し、回収した低圧PLの作動ガスを圧縮して高圧PHの作動ガスを生成するよう構成されている。圧縮機吐出口12aから第1段蓄冷器16を通じて第1段パルス管18に作動ガスが供給され、第1段パルス管18から第1段蓄冷器16を通じて圧縮機吸入口12bへと作動ガスが回収される。また、圧縮機吐出口12aから第1段蓄冷器16、第2段蓄冷器22を通じて第2段パルス管24に作動ガスが供給され、第2段パルス管24から第2段蓄冷器22、第1段蓄冷器16を通じて圧縮機吸入口12bへと作動ガスが回収される。圧縮機吐出口12aおよび圧縮機吸入口12bはそれぞれ、パルス管冷凍機10の高圧源および低圧源として機能する。作動ガスは、冷媒ガスとも称され、例えばヘリウムガスである。
主圧力切換弁14は、主吸気開閉弁V1と主排気開閉弁V2とを有する。第1段副圧力切換弁20は、第1段副吸気開閉弁V3と第1段副排気開閉弁V4とを有する。第2段副圧力切換弁26は、第2段副吸気開閉弁V5と第2段副排気開閉弁V6とを有する。
パルス管冷凍機10には、高圧ライン13aおよび低圧ライン13bが設けられている。高圧ライン13aを通じて、高圧PHの作動ガスが圧縮機12からコールドヘッド11に流れる。低圧ライン13bを通じて、低圧PLの作動ガスがコールドヘッド11から圧縮機12に流れる。高圧ライン13aは、圧縮機吐出口12aを吸気開閉バルブ(V1、V3、V5)に接続する。低圧ライン13bは、圧縮機吸入口12bを排気開閉バルブ(V2、V4、V6)に接続する。
第1段蓄冷器16は、第1段蓄冷器高温端16aと、第1段蓄冷器低温端16bとを有し、第1段蓄冷器高温端16aから第1段蓄冷器低温端16bへと縦方向Aに延在する。第1段蓄冷器高温端16aおよび第1段蓄冷器低温端16bはそれぞれ、第1段蓄冷器16の第1端および第2端とも称しうる。同様に、第2段蓄冷器22は、第2段蓄冷器高温端22aと、第2段蓄冷器低温端22bとを有し、第2段蓄冷器高温端22aから第2段蓄冷器低温端22bへと縦方向Aに延在する。第2段蓄冷器高温端22aおよび第2段蓄冷器低温端22bはそれぞれ、第2段蓄冷器22の第1端および第2端とも称しうる。第1段蓄冷器低温端16bが、第2段蓄冷器高温端22aに連通している。
第1段パルス管18は、第1段パルス管高温端18aと、第1段パルス管低温端18bとを有し、第1段パルス管高温端18aから第1段パルス管低温端18bへと縦方向Aに延在する。第1段パルス管高温端18aおよび第1段パルス管低温端18bはそれぞれ、第1段パルス管18の第1端および第2端とも称しうる。
同様に、第2段パルス管24は、第2段パルス管高温端24aと、第2段パルス管低温端24bとを有し、第2段パルス管高温端24aから第2段パルス管低温端24bへと縦方向Aに延在する。第2段パルス管高温端24aおよび第2段パルス管低温端24bはそれぞれ、第2段パルス管24の第1端および第2端とも称しうる。
例示的な構成においては、蓄冷器(16、22)は内部に蓄冷材を充填した円筒状の管であり、パルス管(18、24)は内部を空洞とする円筒状の管である。
パルス管(18、24)の両端それぞれには、パルス管の軸方向に垂直な面内での作動ガス流速分布を均一化し、または所望の分布に調整するための整流器が設けられていてもよい。この整流器は、熱交換器としても機能する。
第1段蓄冷器16および第1段パルス管18は第1段冷却ステージ28から同方向に延びており、第1段蓄冷器高温端16aおよび第1段パルス管高温端18aは、第1段冷却ステージ28に対して同じ側に配置されている。このようにして、第1段蓄冷器16、第1段パルス管18、および第1段冷却ステージ28は、U字状に配置されている。同様に、第2段蓄冷器22および第2段パルス管24は第2段冷却ステージ30から同方向に延びており、第2段蓄冷器高温端22aおよび第2段パルス管高温端24aは、第2段冷却ステージ30に対して同じ側に配置されている。このようにして、第2段蓄冷器22、第2段パルス管24、および第2段冷却ステージ30は、U字状に配置されている。
第1段パルス管低温端18bと第1段蓄冷器低温端16bは、第1段冷却ステージ28によって、構造的に接続され熱的に結合されている。第1段冷却ステージ28には第1段連通路29が形成されている。第1段連通路29を通じて、第1段パルス管低温端18bは、第1段蓄冷器低温端16bと流体的に連通している。したがって、圧縮機12から供給される作動ガスは、第1段蓄冷器低温端16bから第1段連通路29を通じて第1段パルス管低温端18bへと流れることができる。第1段パルス管18からの戻りガスは、第1段パルス管低温端18bから第1段連通路29を通じて第1段蓄冷器低温端16bへと流れることができる。
同様に、第2段パルス管低温端24bと第2段蓄冷器低温端22bは、第2段冷却ステージ30によって、構造的に接続され熱的に結合されている。第2段冷却ステージ30の内部には、第2段連通路としてのクリアランス31が形成されている。クリアランス31は、第2段冷却ステージ30と挿入部材32との隙間である。クリアランス31を通じて、第2段パルス管低温端24bは、第2段蓄冷器低温端22bと流体的に連通している。したがって、圧縮機12から供給される作動ガスは、第2段蓄冷器低温端22bからクリアランス31を通じて第2段パルス管低温端24bへと流れることができる。第2段パルス管24からの戻りガスは、第2段パルス管低温端24bからクリアランス31を通じて第2段蓄冷器低温端22bへと流れることができる。
このようにして、冷却ステージ(28、30)は、パルス管(18、24)の縦方向一端部(18b、24b)と蓄冷器(16、22)の縦方向一端部(16b、22b)との間に作動ガスを流すことができるように両者を連結する。
冷却ステージ(28、30)、および挿入部材32は、例えば銅などの高熱伝導率の金属材料で形成される。ただし、冷却ステージ(28、30)と挿入部材32が同じ材料で形成されることは必須ではなく、異なる材料で形成されてもよい。
第2段冷却ステージ30には、被冷却物34が熱的に結合されている。被冷却物34は、第2段冷却ステージ30上に直接設置され、または第2段冷却ステージ30に剛性または可撓性の伝熱部材を介して熱的に結合されてもよい。パルス管冷凍機10は、第2段冷却ステージ30からの伝導冷却によって被冷却物34を冷却することができる。なおパルス管冷凍機10によって冷却される被冷却物34は、超伝導電磁石またはその他の超伝導装置、あるいは赤外線撮像素子またはその他のセンサなど固形物には限られない。パルス管冷凍機10は第2段冷却ステージ30に接触する気体または液体を冷却することもできる。
また、言うまでもなく、第1段冷却ステージ28が、被冷却物34とは別の被冷却物を冷却してもよい。たとえば、第1段冷却ステージ28には、被冷却物34への熱侵入を低減または防止するための輻射シールドが熱的に結合されていてもよい。
一方、第1段蓄冷器高温端16a、第1段パルス管高温端18a、および第2段パルス管高温端24aは、フランジ部36によって接続されている。フランジ部36は、パルス管冷凍機10が設置される支持台または支持壁などの支持部38に取り付けられる。支持部38は、冷却ステージ(28、30)および被冷却物34を収容する断熱容器または真空容器の壁材またはその他の部位であってもよい。
フランジ部36の一方の主表面からパルス管(18、24)および蓄冷器(16、22)が冷却ステージ(28、30)へと延び、フランジ部36の他方の主表面にはバルブ部40が設けられている。バルブ部40には、主圧力切換弁14、第1段副圧力切換弁20、および第2段副圧力切換弁26が収容されている。したがって、支持部38が断熱容器または真空容器の一部を構成する場合には、フランジ部36が支持部38に取り付けられるとき、パルス管(18、24)、蓄冷器(16、22)、および冷却ステージ(28、30)は、当該容器内に収容され、バルブ部40は、容器外に配置される。
なお、バルブ部40は、フランジ部36に直接取り付けられている必要はない。バルブ部40は、パルス管冷凍機10のコールドヘッド11から分離して配置され、剛性または可撓性の配管によりコールドヘッド11に接続されてもよい。こうして、パルス管冷凍機10の位相制御機構がコールドヘッド11から分離して配置されてもよい。
主圧力切換弁14は、パルス管(18、24)内に圧力振動を生成すべく第1段蓄冷器高温端16aを圧縮機吐出口12aおよび圧縮機吸入口12bに交互に接続するように構成されている。主圧力切換弁14は、主吸気開閉弁V1と主排気開閉弁V2のうち一方が開いているとき他方は閉じているように構成されている。主吸気開閉弁V1が圧縮機吐出口12aを第1段蓄冷器高温端16aに接続し、主排気開閉弁V2が圧縮機吸入口12bを第1段蓄冷器高温端16aに接続する。
主吸気開閉弁V1が開いているとき、圧縮機吐出口12aから高圧ライン13aおよび主吸気開閉弁V1を通じて蓄冷器(16、22)に作動ガスが供給される。作動ガスはさらに、第1段蓄冷器16から第1段連通路29を通じて第1段パルス管18に供給されるとともに、第2段蓄冷器22からクリアランス31を通じて第2段パルス管24に供給される。一方、主排気開閉弁V2が開いているとき、パルス管(18、24)から蓄冷器(16、22)、主排気開閉弁V2、および低圧ライン13bを通じて圧縮機吸入口12bに作動ガスが回収される。
第1段副圧力切換弁20は、第1段パルス管高温端18aを圧縮機吐出口12aおよび圧縮機吸入口12bに交互に接続するように構成されている。第1段副圧力切換弁20は、第1段副吸気開閉弁V3と第1段副排気開閉弁V4のうち一方が開いているとき他方は閉じているように構成されている。第1段副吸気開閉弁V3が圧縮機吐出口12aを第1段パルス管高温端18aに接続し、第1段副排気開閉弁V4が圧縮機吸入口12bを第1段パルス管高温端18aに接続する。
第1段副吸気開閉弁V3が開いているとき、圧縮機吐出口12aから高圧ライン13a第1段副吸気開閉弁V3、および第1段パルス管高温端18aを通じて第1段パルス管18に作動ガスが供給される。一方、第1段副排気開閉弁V4が開いているとき、第1段パルス管18から第1段パルス管高温端18a、第1段副排気開閉弁V4、および低圧ライン13bを通じて圧縮機吸入口12bに作動ガスが回収される。
第2段副圧力切換弁26は、第2段パルス管高温端24aを圧縮機吐出口12aおよび圧縮機吸入口12bに交互に接続するように構成されている。第2段副圧力切換弁26は、第2段副吸気開閉弁V5と第2段副排気開閉弁V6のうち一方が開いているとき他方は閉じているように構成されている。第2段副吸気開閉弁V5が圧縮機吐出口12aを第2段パルス管高温端24aに接続し、第2段副排気開閉弁V6が圧縮機吸入口12bを第2段パルス管高温端24aに接続する。
第2段副吸気開閉弁V5が開いているとき、圧縮機吐出口12aから高圧ライン13a第2段副吸気開閉弁V5、および第2段パルス管高温端24aを通じて第2段パルス管24に作動ガスが供給される。一方、第2段副排気開閉弁V6が開いているとき、第2段パルス管24から第2段パルス管高温端24a、第2段副排気開閉弁V6、および低圧ライン13bを通じて圧縮機吸入口12bに作動ガスが回収される。
これらのバルブ(V1〜V6)のバルブタイミングとしては、既存の4バルブ型パルス管冷凍機に適用しうる種々のバルブタイミングを採用することができる。
バルブ(V1〜V6)の具体的構成は種々ありうる。例えば、一群のバルブ(V1〜V6)は、例えば電磁開閉弁などの複数の個別に制御可能なバルブの形式をとってもよい。バルブ(V1〜V6)は、ロータリーバルブとして構成されてもよい。
このような構成により、パルス管冷凍機10は、パルス管(18、24)内に高圧PHと低圧PLの作動ガス圧力振動を生成する。圧力振動と同期して適切な位相遅れをもって、パルス管(18、24)内で作動ガスの変位振動すなわちガスピストンの往復動が生じる。ある圧力を保持しながらパルス管(18、24)内を上下に周期的に往復する作動ガスの動きは、しばしば「ガスピストン」と称され、パルス管冷凍機10の動作を説明するためによく用いられる。ガスピストンがパルス管高温端(18a、24a)またはその近傍にあるときパルス管低温端(18b、24b)で作動ガスが膨張し、寒冷が発生する。このような冷凍サイクルを繰り返すことにより、パルス管冷凍機10は、冷却ステージ(28、30)を冷却することができる。したがって、パルス管冷凍機10は、被冷却物34を冷却することができる。
図1とともに図2から図4を参照して、第2段冷却ステージ30の構成をさらに詳しく述べる。図2は、図1に示されるパルス管冷凍機10の第2段冷却ステージ30およびその周囲を示す概略斜視図である。図3は、実施の形態に係る挿入部材32を示す概略斜視図である。図4は、図1に示されるパルス管冷凍機10の第2段冷却ステージ30と挿入部材32との間を流れる作動ガス流れを示す概略図である。
第2段冷却ステージ30は、側面開口部30aと、第1熱交換表面30bとを有する。また、第2段冷却ステージ30は、上面30c、側面30d、および下面30eを有する。
第2段冷却ステージ30は、一例として、短い円柱状、または円板状の形状を有する。第2段冷却ステージ30の縦方向Aの高さ、すなわち上面30cから下面30eへの距離は、第2段冷却ステージ30の直径より小さく、例えば、第2段冷却ステージ30の直径の半分より小さい。上面30cには、第2段蓄冷器低温端22bおよび第2段パルス管低温端24bが接合されている。上面30cにおいて、第2段蓄冷器低温端22bと第2段パルス管低温端24bは横方向Bに互いに離れている。側面30dには、側面開口部30aが形成されている。下面30eには、被冷却物34が設置されている。
側面開口部30aは、一例として、第2段冷却ステージ30の側面30dに形成された概ね円形状の開口であり、その直径は、第2段冷却ステージ30の縦方向Aの高さより小さい。側面開口部30aの直径は、第2段冷却ステージ30の縦方向Aの高さの半分より小さくてもよい。
第1熱交換表面30bは、側面開口部30aから第2段冷却ステージ30内へと横方向Bに延在する。第1熱交換表面30bは、挿入部材32を受け入れるための第2段冷却ステージ30内の空洞部を画定する。この空洞部は、側面開口部30aから第2段冷却ステージ30内へと横方向Bに形成されたいわば横穴である。空洞部は、側面開口部30aから横方向Bに離れた最深部で第2段冷却ステージ30を貫通せずに行き止まりとなっている。よって、側面開口部30aがこの空洞部を第2段冷却ステージ30の外部につなぐ唯一の出口である。側面開口部30aが塞がれたときには空洞部は外部から隔離され、空洞部から作動ガスが漏れることはない。
また、第2段冷却ステージ30は、第1上面開口部30f、蓄冷器連通路30g、第2上面開口部30h、およびパルス管連通路30iを有する。
第1上面開口部30fは、第2段蓄冷器22を第2段冷却ステージ30に取り付けるために、第2段冷却ステージ30の上面30cに形成されている。第1上面開口部30fは、第2段冷却ステージ30の上面30cにおいて概ね円形状の開口であり、その直径は、第2段蓄冷器22の直径に等しい。ろう付けなど適宜の接合方法により、第2段蓄冷器低温端22bが第1上面開口部30fに固着される。
蓄冷器連通路30gは、第1熱交換表面30bに開口し、クリアランス31を第2段蓄冷器低温端22bに連通する。蓄冷器連通路30gは、第1上面開口部30fから第2段冷却ステージ30内の空洞部へと縦方向Aに形成されたいわば縦穴である。蓄冷器連通路30gの直径は第1上面開口部30fの直径より小さくなっている。第2段蓄冷器低温端22bから蓄冷器連通路30gを通じてクリアランス31に作動ガスが流れることができる。
第2上面開口部30hは、第2段パルス管24を第2段冷却ステージ30に取り付けるために、第2段冷却ステージ30の上面30cに形成されている。第2上面開口部30hは、第2段冷却ステージ30の上面30cにおいて概ね円形状の開口であり、その直径は、第2段パルス管24の直径に等しい。ろう付けなど適宜の接合方法により、第2段パルス管24が第2上面開口部30hに固着される。
パルス管連通路30iは、第1熱交換表面30bに開口し、クリアランス31を第2段パルス管低温端24bに連通する。パルス管連通路30iは、第2上面開口部30hから第2段冷却ステージ30内の空洞部へと縦方向Aに形成されたもう1つの縦穴である。パルス管連通路30iの直径は第2上面開口部30hの直径より小さくなっている。第2段パルス管低温端24bからパルス管連通路30iを通じてクリアランス31に作動ガスが流れることができる。
挿入部材32は、基端部32aと、第2熱交換表面32bとを備える。また、挿入部材32は、基端部32aから横方向Bに突出し、第2熱交換表面32bを外面とする中実棒状部32cを備える。
挿入部材32は、一例として、丸棒状の形状を有する。中実棒状部32cは基端部32aから同軸に延びている。横方向Bの長さに関して、中実棒状部32cは、基端部32aよりも長い。例えば、中実棒状部32cは、基端部32aに比べて横方向Bに、2倍、5倍、または10倍長い。また、基端部32aの直径よりも、中実棒状部32cの直径は小さい。基端部32aの直径と横方向Bの長さは同程度であるか、直径のほうが長くてもよい。中実棒状部32cの横方向Bの長さは、中実棒状部32cの直径よりも長く、例えば2倍、5倍、または10倍長い。このようにして、挿入部材32は、横方向Bに細長く延びた形状を有する。よって、横方向Bは挿入部材32の軸方向とも言える。縦方向Aは挿入部材32の径方向とも言える。
基端部32aは、側面開口部30aを塞ぐように第2段冷却ステージ30に固着されている。基端部32aの直径は、側面開口部30aの直径に等しい。ろう付けなど適宜の接合方法により、基端部32aが側面開口部30aに固着される。基端部32aと側面開口部30aとの境界には接合界面42が形成される。ろう付け接合の場合には、接合界面42は、ろう材と、第2段冷却ステージ30の母材と、挿入部材32の母材とを含有する。こうして、挿入部材32は、第2段冷却ステージ30と一体化されるとともに、第2段冷却ステージ30と熱的に結合されている。
第2熱交換表面32bは、基端部32aから横方向Bに延在し第1熱交換表面30bと対向して第2段冷却ステージ30内に配置されている。よって、挿入部材32は、第1熱交換表面30bと第2熱交換表面32bの両方が作動ガスと接触するように第1熱交換表面30bと第2熱交換表面32bの間に作動ガスを流すためのクリアランス31を形成する。
一例として、第2熱交換表面32bは横方向Bに延びる円筒状の表面であり、第1熱交換表面30bは第2熱交換表面32bを取り囲むように横方向Bに延びる円筒状の表面であり、両者は同軸に配置されている。第1熱交換表面30bと第2熱交換表面32bは接触していない。第1熱交換表面30bと第2熱交換表面32bの間には、作動ガスを横方向Bに流すための横方向ガス流路31aが形成される。横方向ガス流路31aはクリアランス31の一部となっている。
挿入部材32の先端部32d、すなわち、基端部32aとは横方向Bに反対側の中実棒状部32cの末端は、第2段冷却ステージ30内の空洞部の最深部との間にいくらかの隙間31bをあけている。挿入部材32の先端部32dは、第1熱交換表面30bと接触していない。この隙間31bもクリアランス31の一部となっている。一例として、隙間31bは、蓄冷器連通路30gの直下に位置し、蓄冷器連通路30gを出るガスは隙間31bに流入する。
蓄冷器連通路30gとパルス管連通路30iは、横方向Bに並んで配置されている。蓄冷器連通路30gとパルス管連通路30iは、第2段冷却ステージ30の上面30cの中心を挟んで互いに反対側に位置する。側面開口部30aは、パルス管連通路30iの近くに位置する。挿入部材32が延びる方向と、蓄冷器連通路30gとパルス管連通路30iが並ぶ方向は一致し、それらはともに横方向Bである。
なお、第2段蓄冷器22と第2段パルス管24の位置関係は反対でもよい。つまり、側面開口部30aは、第2段パルス管24の近くではなく、第2段蓄冷器22の近くに位置してもよい。その場合、挿入部材32は、基端部32aから蓄冷器連通路30gの直下を延在し、挿入部材32の先端部32dはパルス管連通路30iの直下または近傍に達する。
図4には、第2段蓄冷器22から第2段パルス管24に作動ガスが流れるときのクリアランス31における作動ガス流れが概略的に例示されている。第2段冷却ステージ30内に挿入部材32が配置されているので、第2段蓄冷器22から第2段冷却ステージ30に流入する作動ガスは、挿入部材32により複数の方向に分岐される。
第2段蓄冷器低温端22bから蓄冷器連通路30gを通じてクリアランス31に作動ガスが流入する。作動ガスの一部は、蓄冷器連通路30gから横方向ガス流路31aへと直接流入する(矢印C1)。作動ガスの他の一部は、蓄冷器連通路30gから隙間31bを経て横方向ガス流路31aへと流入する(矢印C2)。このように挿入部材32の先端部32dで複数の方向に分岐した作動ガスは、中実棒状部32cを取り囲むようにクリアランス31を流れる。作動ガスは、パルス管連通路30iへと合流し、第2段パルス管低温端24bへとさらに流れる(矢印C3)。
同様に、第2段パルス管24から第2段蓄冷器22に作動ガスが流れるときも、作動ガスは、挿入部材32により複数の方向に分岐され、クリアランス31を流れることができる。
実施の形態に係るパルス管冷凍機10によれば、第2段冷却ステージ30に挿入部材32が挿入され、作動ガスを流すためのクリアランス31が第2段冷却ステージ30内で挿入部材32の周りに形成される。クリアランス31は、第2段冷却ステージ30の第1熱交換表面30bと挿入部材32の第2熱交換表面32bの間に形成されている。そのため、クリアランス31を通る作動ガス流れは、第1熱交換表面30bと第2熱交換表面32bの両方と接触し、熱交換をすることができる。
仮に、挿入部材32が設けられていない場合には、第2熱交換表面32bも存在しない。そのため、作動ガスは、第1熱交換表面30bのみと熱交換をすることになる。ところが、実施の形態に係るパルス管冷凍機10によれば、第2段冷却ステージ30に挿入部材32が挿入され、その表面が第2熱交換表面32bとして利用される。したがって、熱交換面積を増加することができる。第2段冷却ステージ30での熱交換効率が高まり、パルス管冷凍機10の冷凍性能の向上も期待される。
また、実施の形態に係る挿入部材32は比較的単純な形状、例えば丸棒状の形状を有する。対応して、挿入部材32を受け入れる第2段冷却ステージ30の空洞部も比較的単純な形状であればよい。したがって、実施の形態に係る冷却ステージ構造は、従来知られるスリット式の熱交換器のような複雑な形状と比べて、製造が容易であり、製造コストも低く抑えられる。とくに、挿入部材32が中実棒状部32cを有する場合には、形状が単純であり、製造上の利点が大きい。
図5を参照して、実施の形態に係るパルス管冷凍機10の製造方法の一例を説明する。パルス管冷凍機10の製造方法のうち第2段冷却ステージ30の製造に関する主要な工程が以下に説明される。
まず、第2段冷却ステージ30に、側面開口部30aと第1熱交換表面30bが形成される(S10)。こうして、第2段冷却ステージ30内に空洞部44が形成される。空洞部44は、銅などの高熱伝導材料のブロックの側面(第2段冷却ステージ30の側面30dに相当)に適宜の機械加工を施すことによって形成される。上述のように、第1熱交換表面30bは、側面開口部30aから第2段冷却ステージ30内へと横方向Bに延在する。併せて、ブロックの上面(第2段冷却ステージ30の上面30cに相当)に適宜の機械加工を施すことによって、第1上面開口部30f、蓄冷器連通路30g、第2上面開口部30h、パルス管連通路30iが形成される。これらの縦穴(30f〜30i)は、上面30cから第2段冷却ステージ30内へと縦方向Aに延在する。
この開口形成工程は、銅などの高熱伝導材料の鋳造を含んでもよい。側面開口部30a、第1熱交換表面30b、空洞部44、及び/または、必要に応じてその他の開口(30f〜30i)を有するブロックが、鋳造により形成されてもよい。
次に、挿入部材32が側面開口部30aから第2段冷却ステージ30の空洞部44に挿入される(S11)。そのために、基端部32aと第2熱交換表面32bを備える挿入部材32が準備される。上述のように、挿入部材32は、基端部32aから延び第2熱交換表面32bを有する中実棒状部32cを有する。挿入部材32は、中実棒状部32cの先端部32dから側面開口部30aに進入するようにして空洞部44に挿入される。こうして、第2熱交換表面32bが基端部32aから横方向Bに延在するとともに第1熱交換表面30bと対向して、第2段冷却ステージ30内に配置される。基端部32aと側面開口部30aの形状の一致により、基端部32aは側面開口部30aに嵌る。それにより、第2熱交換表面32bが第1熱交換表面30bと接触しないように中実棒状部32cは空洞部44内で支持される。挿入部材32の挿入は、例えば手作業で行うことができる。
挿入部材32は、基端部32aが側面開口部30aを塞ぐように第2段冷却ステージ30に固着される(S12)。ろう付けなど適宜の接合方法により、基端部32aが側面開口部30aに接合される。上述のように基端部32aと側面開口部30aとの境界には接合界面42が形成される。こうして、挿入部材32は第2段冷却ステージ30と一体化され、両者は分離不能となる。
さらに、第2段パルス管低温端24bと第2段蓄冷器低温端22bが、第2段冷却ステージ30を通じて両者間を相互に作動ガスが流れることができるように、第2段冷却ステージ30に連結される(S13)。第2段蓄冷器低温端22bが第1上面開口部30fに挿入され、第2段パルス管低温端24bが第2上面開口部30hに挿入される。この連結は、ろう付けなど適宜の接合方法を用いて行うことができる。ろう付けにより接合する場合には、この連結工程(S13)は、挿入部材32の固着工程(S12)と一緒に行われてもよい。
このようにして、第1熱交換表面30bと第2熱交換表面32bの両方が作動ガスと接触するように第1熱交換表面30bと第2熱交換表面32bの間に作動ガスを流すためのクリアランス31が形成される。挿入部材32を第2段冷却ステージ30に挿入しクリアランス31を形成することにより、作動ガスは、第1熱交換表面30bだけでなく第2熱交換表面32bとも熱交換をすることができる。熱交換面積が増加され、第2段冷却ステージ30での熱交換効率が高まり、パルス管冷凍機10の冷凍性能の向上が期待される。
実施の形態に係るパルス管冷凍機10の製造方法によれば、第2段冷却ステージ30に挿入部材32を挿入して固着するという比較的簡単な方法で、作動ガスとの熱交換面積を増加できる。よって、作動ガスとの熱交換面積の増加を低コストで実現しうる冷却ステージ構造をもつパルス管冷凍機10を提供することができる。
実施の形態に係る冷却ステージ構造の具体的構成は種々ありうる。図6から図11を参照していくつかの例を以下に述べる。
図6に示されるように、第2熱交換表面32bには、溝46が形成されていてもよい。溝46は、例えば、挿入部材32の棒状部に形成されたらせん状の溝であってもよいし、その他任意の凹凸であってもよい。このように、溝46または凹凸を形成することにより、第2熱交換表面32bの面積を増加することができる。なお、こうした溝46または凹凸などの面積増加手段は、第1熱交換表面30bに付加されてもよいし、あるいは、クリアランス31に流れる作動ガスと接触するそのほか任意の熱交換表面(例えば、後述する第3熱交換表面54)に付加されてもよい。
図7に示されるように、挿入部材32は、冷却ステージ、例えば第2段冷却ステージ30に支持された先端部32dを備えてもよい。挿入部材32の先端部32dが第2段冷却ステージ30の挿入部材支持穴30jによって支持される。挿入部材支持穴30jは、第2段冷却ステージ30の空洞部の最深部に形成されており、挿入部材32が第2段冷却ステージ30の空洞部に挿入されたとき、挿入部材32の先端部32dが挿入部材支持穴30jに差し込まれる。先端部32dは先細となる形状を有してもよい。このようにして挿入部材32が両端(32a、32d)で支持されることにより、挿入部材32が基端部32aのみで支持されるのに比べて、挿入部材32の偏心や撓みを抑制しやすくなる。クリアランス31を設計上の寸法で実現することが容易になる。
図8に示されるように、挿入部材32は、基端部32aから横方向Bに突出し、第2熱交換表面32bを外面とする中空棒状部52を備えてもよい。中空棒状部52は、横方向Bに延在し作動ガスと接触する第3熱交換表面54を内面とするように中空に形成されている。中空棒状部52は、先端部32dに開口するとともに、基端部32a側にも複数のガス流通穴56を有する。ガス流通穴56は、基端部32aと横方向Bに隣接して配置されている。ガス流通穴56は、第2段冷却ステージ30の中心部に対してパルス管連通路30iよりも外側に位置してもよい。
図8には、第2段蓄冷器22から第2段冷却ステージ30を通じて第2段パルス管24へと流れる作動ガス流れが矢印で例示される。図示されるように、作動ガスは、第2段蓄冷器低温端22bから蓄冷器連通路30gを通じて第2段冷却ステージ30内に流入し、いくつかの作動ガス流れへと分岐する。一部の作動ガスは、クリアランス31を通じてパルス管連通路30iへと向かう。他の一部の作動ガスは、先端部32dから挿入部材32の中空部に流入し、第3熱交換表面54と熱交換しながら、ガス流通穴56へと流れることができる。ガス流通穴56を出た作動ガスは、クリアランス31からの作動ガスと合流して、パルス管連通路30iを通じて第2段パルス管低温端24bへと流れる。逆に、第2段パルス管24から第2段蓄冷器22に作動ガスが流れるときも、作動ガスはクリアランス31と挿入部材32の中空部に分岐して流れることができる。
このようにすれば、作動ガスは、第2段冷却ステージ30内で第1熱交換表面30b、第2熱交換表面32b、および第3熱交換表面54と接触し、熱交換をすることができる。熱交換面積がさらに増加され、第2段冷却ステージ30での熱交換効率が高まり、パルス管冷凍機10の冷凍性能の向上も期待される。
図9に示されるように、第2熱交換表面32bは、パルス管対向領域48と、蓄冷器対向領域50とを有してもよい。パルス管対向領域48は、第2熱交換表面32bのうちパルス管連通路30iに対向する領域である。よって、パルス管対向領域48は、パルス管連通路30iからクリアランス31に入る作動ガス流れを受ける。蓄冷器対向領域50は、第2熱交換表面32bのうち蓄冷器連通路30gに対向する領域である。よって、蓄冷器対向領域50は、蓄冷器連通路30gからクリアランス31に入る作動ガスを受ける。
挿入部材32は、基端部32aから蓄冷器連通路30gおよびパルス管連通路30iを越えて延在してもよい。挿入部材32の先端部32dは、第2段冷却ステージ30の中心部に対して第2段蓄冷器22および第2段パルス管24よりも外側に位置してもよい。
挿入部材32は、第3熱交換表面54を内面とする中空棒状部52を備える。挿入部材32の先端部32dは、第2段冷却ステージ30の挿入部材支持穴30jによって支持される。そのため、中空棒状部52は、先端部32d側にも複数のガス流通穴58を有する。ガス流通穴58は、先端部32dと横方向Bに隣接して配置されている。図9に示される実施の形態においても図8に示される実施の形態と同様に、中空棒状部52は、基端部32a側にも複数のガス流通穴56を有する。ガス流通穴56は、基端部32aと横方向Bに隣接して配置されている。ガス流通穴56、58は、それぞれ第2段冷却ステージ30の中心部に対してパルス管連通路30i、蓄冷器連通路30gよりも外側に位置してもよい。
作動ガスを流れやすくするために、パルス管対向領域48と蓄冷器対向領域50の少なくとも一方には凹部が形成されてもよい。この凹部は、第2熱交換表面32b上で挿入部材32の中心軸まわりに形成されている。図9においては、パルス管対向領域48に凹部が形成されている。
矢印C4で図示されるように、蓄冷器対向領域50が作動ガス流れを受けるとき、蓄冷器対向領域50は、複数の異なる方向に流れを向けることができる。また、パルス管対向領域48が作動ガス流れを受けるとき、パルス管対向領域48は、複数の異なる方向に流れを向けることができる。複数の異なる方向は、例えば、互いに逆向きの二方向を含む。図9には、横方向Bにおいて互いに逆向きの二方向が示されている。
このようにしても、作動ガスが第2段冷却ステージ30および挿入部材32と接触する面積すなわち熱交換面積が増加される。
流路抵抗の均一化のために、第2段冷却ステージ30と挿入部材32との間のクリアランス31が局所的に異なっていてもよい。例えば、図10に示されるように、クリアランス31は上下で異なってもよい。例えば、第2段冷却ステージ30の上面30c側でクリアランス31が狭く、第2段冷却ステージ30の下面30e側でクリアランス31が広くてもよい。あるいは、図11に示されるように、クリアランス31は、横方向Bに異なっていてもよい。例えば、挿入部材32の両端でクリアランス31が広く、挿入部材32の中間部でクリアランス31が狭くてもよい。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
上述の実施の形態では、挿入部材32が第2段冷却ステージ30に装着されているが、これに限られない。ある実施の形態においては、挿入部材32は、第1段冷却ステージ28に装着されてもよい。挿入部材32は、多段冷凍機における複数の冷却ステージのいずれか、例えば、最終段の冷却ステージに設けられてもよい。あるいは、パルス管冷凍機10は、単段冷凍機であってもよく、その第1段冷却ステージに挿入部材が設けられてもよい。
本発明において、パルス管冷凍機10が4バルブ型パルス管冷凍機であることは、本質的ではない。パルス管冷凍機10は、異なる構成の位相制御機構を有してもよく、例えば、ダブルインレット型パルス管冷凍機、またはアクティブバッファ型パルス管冷凍機であってもよい。
ある実施の形態に関連して説明した種々の特徴は、他の実施の形態にも適用可能である。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。